この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
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この章では、Cisco IOS コマンドライン インターフェイス(CLI)について、およびスタンドアロン スイッチまたはスイッチ スタック( スイッチ と総称)を使用するための CLI の使用方法について説明します。この章の内容は、次のとおりです。
• 「コマンドの no 形式および default 形式の概要」
Cisco IOS ユーザ インターフェイスは、いくつかのモードに分かれています。使用できるコマンドの種類は、現在のモードによって異なります。システム プロンプトに疑問符(?)を入力すると、各コマンド モードで使用できるコマンドの一覧が表示されます。
スイッチとのセッションを開始するときは、ユーザ モード(別名ユーザ EXEC モード)が有効です。ユーザ EXEC モードでは、限られた一部のコマンドしか使用できません。たとえばユーザ EXEC コマンドの大部分は、 show コマンド(現在のコンフィギュレーション ステータスを表示する)、 clear コマンド(カウンタまたはインターフェイスをクリアする)などのように、1 回限りのコマンドです。スイッチの再起動時には、ユーザ EXEC コマンドは保存されません。
すべてのコマンドにアクセスするには、特権 EXEC モードを開始する必要があります。特権 EXEC モードを開始するには、通常、パスワードが必要です。このモードでは、任意の特権 EXEC コマンドを入力でき、また、グローバル コンフィギュレーション モードを開始することもできます。
コンフィギュレーション モード(グローバル、インターフェイス、およびライン)を使用して、実行コンフィギュレーションを変更できます。コンフィギュレーションを保存するとこれらのコマンドは保存され、スイッチの再起動時に使用されます。各種のコンフィギュレーション モードにアクセスするには、まずグローバル コンフィギュレーション モードを開始する必要があります。グローバル コンフィギュレーション モードから、インターフェイス コンフィギュレーション モードおよびライン コンフィギュレーション モードに移行できます。
表 1-1 に、主要なコマンド モード、各モードへのアクセス方法、各モードで表示されるプロンプト、およびモードの終了方法を示します。表の例では、ホスト名として Switch を使用しています。
システム プロンプトで疑問符(?)を入力すると、各コマンド モードに使用できるコマンドのリストが表示されます。また、任意のコマンドについて、関連するキーワードおよび引数の一覧を表示することもできます。 表 1-2 を参照してください。
コマンドの先頭から、スイッチが特定のコマンドとして認識できる文字数だけを入力し、後は省略できます。
次に、 show configuration 特権 EXEC コマンドを省略形で入力する例を示します。
大部分のコンフィギュレーション コマンドに、 no 形式があります。 no 形式は一般に、特定の機能または動作をディセーブルにする場合、あるいはコマンドの動作を取り消す場合に使用します。たとえば、 no shutdown インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用すると、インターフェイスのシャットダウンが取り消されます。キーワード no を指定せずにコマンドを使用すると、ディセーブルにした機能が再びイネーブルになり、また、デフォルトでディセーブルに設定されている機能がイネーブルになります。
コンフィギュレーション コマンドには、 default 形式もあります。コマンドの default 形式は、コマンドの設定値をデフォルトに戻します。大部分のコマンドはデフォルトでディセーブルに設定されているので、 default 形式は no 形式と同じになります。ただし、デフォルトでイネーブルに設定されていて、なおかつ変数が特定のデフォルト値に設定されているコマンドもあります。これらのコマンドについては、 default コマンドを使用すると、コマンドがイネーブルになり、変数がデフォルト値に設定されます。
表 1-3 に、CLI を使用してスイッチを設定するときに表示される可能性のあるエラー メッセージの一部を紹介します。
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スイッチの設定変更を記録して表示させることができます。Configuration Change Logging and Notification 機能を使用することで、セッションまたはユーザ ベースごとに変更内容をトラッキングできます。ログに記録されるのは、適用された各コンフィギュレーション コマンド、コマンドを入力したユーザ、コマンドの入力時間、コマンドに対するパーサからのリターン コードです。この機能には、登録しているアプリケーションの設定が変更されるときに通知される非同期通知方式もあります。Syslog へこの通知を送信することも選択できます。
(注) CLI または HTTP の変更のみがログとして記録されます。
入力したコマンドは、ソフトウェア側にコマンド履歴として残されます。コマンド履歴機能は、アクセス コントロール リストの設定時など、長い複雑なコマンドまたはエントリを何度も入力しなければならない場合、特に便利です。ユーザのニーズに合わせてこの機能をカスタマイズできます。
• 「コマンド履歴バッファ サイズの変更」(任意)
• 「コマンドの呼び出し」(任意)
• 「コマンド履歴機能のディセーブル化」(任意)
デフォルトでは、10 のコマンドラインが履歴バッファに保存されます。現在の端末セッションまたは特定回線のすべてのセッションで、この数を変更できます。これらの手順は任意です。
現在の端末セッションで保存されるコマンドライン数を変更するには、特権 EXEC モードで次のコマンドを入力します。
特定の回線に関するすべてのセッションで保存されるコマンドライン数を設定するには、ライン コンフィギュレーション モードで次のコマンドを入力します。
履歴バッファにあるコマンドを呼び出すには、 表 1-4 のいずれかの操作を行います。これらの操作は任意です。
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履歴バッファに保存されているコマンドを、最新のコマンドから順に呼び出します。キーを押すたびに、より古いコマンドが順次表示されます。 |
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Ctrl+P キーまたは↑キーを使用してコマンドを呼び出した後、履歴バッファ内のより新しいコマンドに戻ります。キーを押すたびに、より新しいコマンドが順次表示されます。 |
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特権 EXEC モードで、直前に入力したいくつかのコマンドを表示します。表示されるコマンドの数は、 terminal history グローバル コンフィギュレーション コマンドおよび history ライン コンフィギュレーション コマンドの設定値によって指定されます。 |
コマンド履歴機能は、自動的にイネーブルになっています。現在の端末セッションまたはコマンドラインでディセーブルにできます。これらの手順は任意です。
現在の端末セッションでこの機能をディセーブルにするには、 terminal no history 特権 EXEC コマンドを使用します。
回線に関するセッションでコマンド履歴をディセーブルにするには、 no history ライン コンフィギュレーション コマンドを使用します。
ここでは、コマンドラインの操作に役立つ編集機能について説明します。この章の内容は、次のとおりです。
• 「編集機能のイネーブル化およびディセーブル化」(任意)
• 「キーストロークによるコマンドの編集」(任意)
• 「画面幅よりも長いコマンドラインの編集」(任意)
拡張編集モードは自動的にイネーブルになりますが、ディセーブルにする、再びイネーブルにする、または特定の回線で拡張編集機能を使用できるように設定できます。これらの手順は任意です。
拡張編集モードをグローバルにディセーブルにするには、ライン コンフィギュレーション モードで次のコマンドを入力します。
現在の端末セッションで拡張編集モードを再びイネーブルにするには、特権 EXEC モードで次のコマンドを入力します。
特定の回線について拡張編集モードを再び設定するには、ライン コンフィギュレーション モードで次のコマンドを入力します。
表 1-5 に、コマンドラインの編集に必要なキーストロークを示します。これらのキーストロークは任意です。
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バッファからコマンドを呼び出し、コマンドラインにペーストします。最後に削除した 10 項目がバッファに保存されています。 |
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バッファには、最後に削除またはカットした 10 項目しか保存されません。Esc+Y を 11 回以上押すと、最初のバッファ エントリに戻って表示されます。 |
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キーを使用してスクロールできます。 | ||
画面上で 1 行分を超える長いコマンドラインについては、コマンドのラップアラウンド機能を使用できます。カーソルが右マージンに達すると、そのコマンドラインは 10 文字分だけ左へシフトされます。コマンドラインの先頭から 10 文字までは見えなくなりますが、左へスクロールして、コマンドの先頭部分の構文をチェックできます。これらのキー操作は任意です。
コマンドの先頭にスクロールして入力内容をチェックするには、Ctrl+B キーまたは←キーを繰り返し押します。コマンドラインの先頭に直接移動するには、Ctrl+A を押します。
(注) 矢印キーが使用できるのは、VT100 などの ANSI 互換端末に限られます。
次の例では、 access-list グローバル コンフィギュレーション コマンド エントリが 1 行分よりも長くなっています。最初にカーソルが行末に達すると、その行は 10 文字分だけ左へシフトされ、再表示されます。ドル記号($)は、その行が左へスクロールされたことを表します。カーソルが行末に達するたびに、その行は再び 10 文字分だけ左へシフトされます。
コマンドの入力が終わった後、Ctrl+A を押して全体の構文をチェックし、その後 Return キーを押してコマンドを実行してください。行末に表示されるドル記号($)は、その行が右へスクロールされたことを表します。
ソフトウェアでは、端末画面は 80 カラム幅であると想定されています。画面の幅が 80 カラム幅以外である場合には、 terminal width 特権 EXEC コマンドを使用して、端末の幅を設定してください。
show および more コマンドの出力を検索およびフィルタリングできます。この機能は、大量の出力をソートする場合や、出力から不要な情報を除外する場合に役立ちます。これらのコマンドの使用は任意です。
この機能を使用するには、 show または more コマンドを入力した後、 パイプ 記号(|)、 begin 、 include 、または exclude のいずれかのキーワード、および文字列(検索またはフィルタの条件)を指定します。
command | { begin | include | exclude } regular-expression
文字列では、大文字と小文字が区別されます。たとえば、 | exclude output と入力した場合、 output を含む行は表示されませんが、 Output を含む行は表示されます。
次に、 protocol が使用されている行だけを出力するように指定する例を示します。
CLI にはコンソール接続、Telnet、またはブラウザを使用することによってアクセスできます。
スイッチ スタックおよびスタック メンバ インターフェイスは、スタック マスターを経由して管理します。スイッチごとにスタック メンバを管理することはできません。1 つまたは複数のスタック メンバのコンソール ポートまたはイーサネット管理ポートを経由してスタック マスターへ接続できます。複数の CLI セッションをスタック マスターに使用する場合は注意が必要です。1 つのセッションで入力したコマンドは、別のセッションには表示されません。したがって、コマンドを入力したセッションを追跡できない場合があります。
(注) スイッチ スタックを管理する場合は、1 つの CLI セッションを使用することを推奨します。
特定のスタック メンバ ポートを設定する場合は、CLI コマンド インターフェイス表記にスタック メンバ番号を含めてください。
特定のスタック メンバをデバッグする場合は、 session stack-member-number 特権 EXEC コマンドでスタック マスターからアクセスできます。スタック メンバ番号は、システム プロンプトに追加されます。たとえば、 Switch-2#
はスタック メンバ 2 の特権 EXEC モードのプロンプトであり、スタック マスターのシステム プロンプトは Switch
です。特定のスタック メンバへの CLI セッションで使用できるのは、 show コマンドと debug コマンドに限ります。
CLI にアクセスするには、スイッチのハードウェア インストレーション ガイドに記載されている手順で、スイッチのコンソール ポートに端末または PC を接続するか、または PC をイーサネット管理ポートに接続して、スイッチの電源をオンにする必要があります。
スイッチがすでに設定されている場合は、ローカル コンソール接続またはリモート Telnet セッションによって CLI にアクセスできますが、このタイプのアクセスに対応できるように、先にスイッチを設定しておく必要があります。
• スイッチ コンソール ポートに管理ステーションまたはダイアルアップ モデムを接続するか、またはイーサネット管理ポートに PC を接続します。コンソール ポートまたはイーサネット管理ポートへの接続については、スイッチのハードウェア インストレーション ガイドを参照してください。
• リモート管理ステーションから任意の Telnet TCP/IP または暗号化 Secure Shell(SSH; セキュア シェル)パッケージを使用します。スイッチは Telnet または SSH クライアントとのネットワーク接続が可能でなければなりません。また、スイッチにイネーブル シークレット パスワードを設定しておくことも必要です。
• スイッチは同時に最大 16 の Telnet セッションをサポートします。1 人の Telnet ユーザによって行われた変更は、他のすべての Telnet セッションに反映されます。
• スイッチは最大 5 つの安全な SSH セッションを同時にサポートします。
コンソール ポート、イーサネット管理ポート、Telnet セッション、または SSH セッションを通じて接続すると、管理ステーション上にユーザ EXEC プロンプトが表示されます。