取り付けたハードウェア モジュールに関する情報の表示
show hardware コマンドを使用すれば、スイッチ シャーシに取り付けたスイッチ ハードウェアおよびハードウェア モジュールに関する情報を表示できます。
この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
show hardware コマンドを使用すれば、スイッチ シャーシに取り付けたスイッチ ハードウェアおよびハードウェア モジュールに関する情報を表示できます。
show inventory コマンドを使用して、製品 ID、シリアル番号、バージョン ID などの現場交換可能ユニット(FRU)に関する情報を表示できます。このコマンドの出力には、コマンド ライン インターフェイス コマンドに応答するモジュールに関する情報が表示されます。スーパーバイザ、システム コントローラ、ライン カード、ファン、ファブリック モジュール、電源などのモジュールです。ただし、これらのコマンドに応答しないモジュール、たとえば通気を管理するために空のスロットを覆っているブランク モジュールなどについての情報は表示されません。
show sprom backplane コマンドを使用して、スイッチのシリアル番号を含むバックプレーンの情報を表示できます。
show environment コマンドを使用すれば、すべての環境関連のスイッチ情報を表示できます。
switch# show environment
Power Supply:
Voltage: 12.0 Volts
Power Actual Total
Supply Model Output Capacity Status
(Watts ) (Watts )
------- ------------------- ----------- ----------- --------------
1 N9K-PAC-3000W-B 0 W 3000 W shut
2 ------------ N/A W 0 W Absent
3 N9K-PAC-3000W-B 1277 W 3000 W ok
4 ------------ N/A W 0 W Absent
5 ------------ N/A W 0 W Absent
6 ------------ N/A W 0 W Absent
7 N9K-PUV-3000W-B 1312 W 3000 W ok
8 ------------ N/A W 0 W Absent
9 ------------ N/A W 0 W Absent
10 ------------ N/A W 0 W Absent
Actual Power
Module Model Draw Allocated Status
(Watts ) (Watts )
-------- ------------------- ----------- ----------- --------------
1 N9K-X9736C-FX 398 W 720 W Powered-Up
2 N9K-X9736C-FX 381 W 900 W Powered-Up
22 N9K-C9516-FM-E2 414 W 720 W Powered-Up
24 N9K-C9516-FM-E2 377 W 720 W Powered-Up
26 N9K-C9516-FM-E2 378 W 720 W Powered-Up
27 N9K-SUP-A 56 W 72 W Powered-Up
29 N9K-SC-A 12 W 24 W Powered-Up
30 N9K-SC-A 12 W 24 W Powered-Up
fantray1 N9K-C9516-FAN 83 W 444 W Powered-Up
fantray2 N9K-C9516-FAN 86 W 444 W Powered-Up
fantray3 N9K-C9516-FAN 84 W 444 W Powered-Up
N/A - Per module power not available
Power Usage Summary:
--------------------
Power Supply redundancy mode (configured) Non-Redundant(combined)
Power Supply redundancy mode (operational) Non-Redundant(combined)
Total Power Capacity (based on configured mode) 6000 W
Total Power of all Inputs (cumulative) 6000 W
Total Power Output (actual draw) 2589 W
Total Power Allocated (budget) 5168 W
Total Power Available for additional modules 831 W
switch#
show module コマンドを使用して、スイッチ シャーシに取り付けたモジュールに関する情報を表示できます。この情報には、モジュール タイプ、ブートアップ ステータス、MAC アドレス、シリアル番号、ソフトウェア バージョン、ハードウェア バージョンが含まれます。このコマンドを次のように使用して、取り付けられているすべてのモジュールまたは特定のモジュールに関する情報を表示できます。
すべてのモジュールに関する情報の場合は、show module コマンドを使用します。
特定のスーパーバイザ、システム コントローラ、ライン カード、またはファブリック モジュールに関する情報の場合は、show module slot_number コマンドを使用してスロット番号を指定します。
(注) |
指定するスロットを判別するには、show inventory コマンドを使用します。 |
(注) |
このコマンドは、ソフトウェアによって制御されるモジュール(スーパーバイザ、システム コントローラ、ライン カード、ファブリック モジュール、ファン トレイ、電源など)についてのみレポートします。ソフトウェアによって制御されないモジュール(エアーフローを制御するために空のスロットに取り付けられたブランク モジュールなど)についてはレポートしません。 |
次の表に、show module コマンドによって表示されるモジュール ステータスの説明を示します。
ラインカードのステート | 説明 |
---|---|
powered up |
ハードウェアの電源が入っています。ハードウェアの電源が入ると、ソフトウェアはブートを始めます。 |
testing |
モジュールはスーパーバイザ モジュールとの接続を確立し、ブート診断を実行しています。 |
initializing |
この診断が正常に完了し、設定がダウンロードされています。 |
failure |
スイッチは初期化中にモジュールの障害を検出しました。スイッチはモジュールの電源の再投入を 3 回自動的に試します。3 回の試行後、モジュールの電源はダウンします。 |
ok |
スイッチを設定できます。 |
power-denied |
スイッチはライン カードの電源を投入するための電力が不足していることを検出しています。 |
active |
このモジュールはアクティブなスーパーバイザ モジュールまたはシステム コントローラ モジュールであり、スイッチを設定できます。 |
HA-standby |
HA スイッチオーバー メカニズムが、スタンバイ状態のスーパーバイザ モジュールでイネーブルです。 |
standby |
スイッチオーバー メカニズムが、スタンバイ状態のシステム コントローラ モジュールでイネーブルです。 |
取り付けたすべてのモジュールまたはスロット番号で指定したモジュールに関する情報を表示するには、show module[slot_number] コマンドを使用します。
(注) |
次の例に、シャーシの特定のスロット(スロット 4)にあるモジュールに関する情報を表示する方法を示します。 |
switch# show module 4
Mod Ports Module-Type Model Status
--- ----- ----------------------------------- ------------------ ----------
4 36 36p 40G Ethernet Module N9k-X9636PQ ok
Mod Sw Hw
--- -------------- ------
4 6.1(4.11) 0.1010
Mod MAC-Address(es) Serial-Num
--- -------------------------------------- ----------
4 00-22-bd-f8-2a-83 to 00-22-bd-f8-2a-b6 SAL17257AHD
switch#
show environment temperature コマンドを使用して、モジュール温度センサーの温度値を表示できます。システム コントローラ、スーパバイザ、ライン カード、およびファブリック モジュールには、2 個のしきい値を持つ温度センサーがあります。
マイナーしきい値:マイナーしきい値を超えると、マイナー アラームが発生し、4 つのすべてのセンサーで次の処理が行われます。
システム メッセージを表示します。
Call Home アラートを送信します(設定されている場合)。
SNMP 通知を送信します(設定されている場合)。
メジャーしきい値:メジャーしきい値を超えると、メジャー アラームが発生し、次の処理が行われます。
センサー 1、3、4(空気吹き出し口センサーおよびオンボード センサー)に対しては、次の処理が行われます。
システム メッセージを表示します。
Call Home アラートを送信します(設定されている場合)。
SNMP 通知を送信します(設定されている場合)。
センサー 2(吸気口センサー)に対しては、次の処理が行われます。
スイッチング モジュールのしきい値を超過した場合、モジュールだけがシャットダウンします。
HA-standby または standby が存在するアクティブ スーパーバイザ モジュールのしきい値を超過すると、そのスーパーバイザ モジュールだけがシャットダウンし、スタンバイ スーパーバイザ モジュールが処理を引き継ぎます。
スタンバイ状態のスーパーバイザ モジュールがスイッチに存在しない場合は、温度を下げるために最大 2 分間待機します。このインターバル中はソフトウェアが 5 秒ごとに温度を監視し、設定に従ってシステム メッセージを送信しつづけます。
ヒント |
デュアル スーパーバイザ モジュールを取り付けることを推奨します。デュアル スーパーバイザ モジュールでないスイッチを使用している場合は、1 つでもファンが動作しなくなったら、ファン モジュールをただちに交換することを推奨します。 |
(注) |
-127 のしきい値は、しきい値が設定されていないか、適用できないことを示します。 |
(注) |
このコマンドは、ソフトウェアによって制御されるモジュール(スーパーバイザ、システム コントローラ、ライン カード、ファブリック モジュール、ファン トレイ、電源など)についてのみレポートします。エアフローを制御するために空きスロットに取り付けられているブランク モジュールなど、ソフトウェアに制御されていないモジュールについてレポートします。 |
電源投入されたモジュールごとの温度値を表示するには、show environment temperature コマンドを使用します。
switch# show environment temperature
Temperature:
--------------------------------------------------------------------
Module Sensor MajorThresh MinorThres CurTemp Status
(Celsius) (Celsius) (Celsius)
--------------------------------------------------------------------
4 CPU 105 95 32 Ok
4 TD2-1 105 95 41 Ok
4 TD2-2 105 95 41 Ok
4 TD2-3 105 95 41 Ok
4 VRM-1 110 100 41 Ok
4 VRM-2 110 100 45 Ok
4 VRM-3 110 100 40 Ok
22 CPU 105 95 34 Ok
22 TD2-1 105 95 45 Ok
22 TD2-2 105 95 41 Ok
22 VRM-1 110 100 49 Ok
22 VRM-2 110 100 47 Ok
27 OUTLET 75 55 29 Ok
27 INLET 60 42 20 Ok
27 CPU 90 80 27 Ok
28 OUTLET 75 55 27 Ok
28 INLET 60 42 22 Ok
28 CPU 90 80 33 Ok
29 CPU 105 95 40 Ok
30 CPU 105 95 34 Ok
switch#
attach module slot_number コマンドを使用して、任意のモジュールに接続できます。モジュールのプロンプトが表示されたら、モジュール固有のコマンドを EXEC モードで使用してモジュールの詳細を取得できます。
attach module コマンドを使用してスタンバイ状態のスーパーバイザ モジュールの情報を表示することもできますが、このコマンドを使用してスタンバイ状態のスーパーバイザ モジュールを設定することはできません。
(注) |
モジュールが差し込まれているスロットを確認するには、show inventory コマンドを使用します。 |
特定のモジュールに直接アクセスするには、attach module slot_number コマンドを使用します。
次の例に、スロット 28 のスーパーバイザに接続する方法を示します。
switch# attach module 28
Attaching to module 28 ...
To exit type 'exit', to cancel type '$.'
Cisco Nexus Operating System (NX-OS) Software
TAC support: http://www.cisco.com/tac
Copyright (c) 2002-2013, Cisco Systems, Inc. All rights reserved.
The copyrights to certain works contained in this software are
owned by other third parties and used and distributed under
license. Certain components of this software are licensed under
the GNU General Public License (GPL) version 2.0 or the GNU
Lesser General Public License (LGPL) Version 2.1. A copy of each
such license is available at
http://www.opensource.org/licenses/gpl-2.0.php and
http://www.opensource.org/licenses/lgpl-2.1.php
switch(standby)#
(注) |
モジュール固有のプロンプトを終了するには、exit コマンドを使用します。 |
ヒント |
コンソール端末からスイッチにアクセスしていない場合は、このコマンドがスタンバイ状態のスーパーバイザ モジュールにアクセスする唯一の方法です。 |
(注) |
このコマンドは、ソフトウェアによって制御されるモジュール(スーパーバイザ、システム コントローラ、ライン カード、ファブリック モジュール、ファン トレイ、電源など)についてのみレポートします。エアフローを制御するために空きスロットに取り付けられているブランク モジュールなど、ソフトウェアに制御されていないモジュールについてレポートします。 |
新しい設定を不揮発性ストレージに保存するには、EXEC モードから copy running-config startup-config コマンドを使用します。このコマンドを入力すると、実行中および起動時の設定が同一の内容になります。
次の表に、モジュールの設定が保存されるか、失われるさまざまなシナリオを示します。
シナリオ |
結果 |
---|---|
特定のスイッチング モジュールを取り外し、copy running-config startup-config コマンドを使用。 |
設定したモジュール情報は失われる。 |
特定のスイッチング モジュールを取り外して異なるスイッチング モジュールを取り付け、copy running-config startup-config コマンドを使用。 |
設定したモジュール情報は失われる。 |
特定のスイッチング モジュールを取り外して同一のスイッチング モジュールを再び取り付けてから、copy running-config startup-config コマンドを再入力。 |
設定したモジュール情報は保存される。 |
特定のスイッチング モジュールを取り外して同じタイプのスイッチング モジュールで交換し、reload module slot_number コマンドを入力。 |
設定したモジュール情報は保存される。 |
reload module slot_number コマンドの入力時に特定のスイッチング モジュールをリロード。 |
設定したモジュール情報は保存される。 |
poweroff module コマンドを使用して、シャーシでのスロット番号でモジュールを指定することにより、モジュールのシャット ダウンが可能です。
no poweroff module コマンドを使用して、シャーシでのスロット番号でモジュールを指定することにより、モジュールの電源投入が可能です。
(注) |
モジュールのスロット番号を判別するには、show inventory コマンドを使用します。 |
(注) |
これらのコマンドは、ソフトウェアによって制御されるモジュール(スーパーバイザ、システム コントローラ、ライン カード、ファブリック モジュール、ファン トレイ、電源など)で使用できます。ソフトウェアによって制御されないモジュール(エアーフローを制御するために空のスロットに取り付けられたブランク モジュールなど)では機能しません。 |
ステップ 1 |
configure terminal コマンドを使用して、グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 例:
|
ステップ 2 |
特定のモジュールをシャット ダウン(または電源投入)するには、[no] poweroff module slot_number コマンドを入力します。 例:
例:
|
システム コントローラ、ライン カード、またはファブリックのスロットが空であるか、スロットに設置されているモジュールの電源が切断されていることを確認します。
動作していないシステム コントローラ、ライン カード、またはファブリック スロット(スロット 1 ~ 30)の実行コンフィギュレーションはクリアできます。コンフィギュレーションをクリアするには、EXEC モードで purge module コマンドを使用します。
(注) |
このコマンドは、スーパーバイザ スロット、モジュールの電源がオンになっているライン カード スロット、またはブランク モジュールが取り付けられているライン カード スロットでは機能しません。特定のライン カード スロットの実行コンフィギュレーションをクリアするには、purge module slot_number runnning-config コマンドを使用します。 |
switch# purge module 4 running-config
たとえば、スイッチ A のスロット 3 にライン カードがある IP ストレージ設定を作成したとします。このモジュールでは IP アドレスが使用されます。このライン カード モジュールは取り外してスイッチ B に移動することにしたので IP アドレスが必要なくなったとします。この未使用 IP アドレスを設定しようとすると、設定の続行を阻止するエラー メッセージが表示されます。この場合は purge module 3 running-config コマンドを入力して、スイッチ A の古い設定をクリアしてから、IP アドレスを使用します。
スイッチ全体の電力使用状況を表示するには、show environment power コマンドを使用します。このコマンドは、スイッチに取り付けられている電力消費モジュールの電力消費量を示します。
(注) |
スーパーバイザ モジュールが 1 つしか存在しないか、両方とも存在するかに関係なく、両方のスーパーバイザ モジュールの電力消費量が保存されます。 |
スイッチの電力消費量情報を表示するには、show environment power コマンドを使用します。
reload module slot_number コマンドを使用し、シャーシのスロット番号でモジュールを指定してモジュールをリセットできます。
注意 |
モジュールをリロードすると、モジュールを通過するトラフィックが中断されます。 |
(注) |
モジュールが差し込まれているスロットを確認するには、show inventory コマンドを使用します。 |
(注) |
これらのコマンドは、ソフトウェアによって制御されるモジュール(スーパーバイザ、システム コントローラ、ライン カード、ファブリック モジュール、ファン トレイ、電源など)についてのみレポートします。エアフローを制御するために空きスロットに取り付けられているブランク モジュールなど、ソフトウェアに制御されていないモジュールについてはレポートしません。 |
ステップ 1 |
configure terminal コマンドを使用して、グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 例:
|
ステップ 2 |
リセットするモジュールのスロット番号を指定するには reload module slot_number コマンドを使用します。 例:
|
オプションを指定せずに reload コマンドを使用してスイッチをリブートまたはリロードできます。
(注) |
reload コマンドを使用する場合は、まず copy running-config startup-config コマンドを使用して実行コンフィギュレーションを保存してください。 |
ステップ 1 |
configure terminal コマンドを使用して、グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 例:
|
ステップ 2 |
copy running-config startup-config コマンドを使用して、実行コンフィギュレーションを保存します。 例:
|
ステップ 3 |
reload コマンドを使用して、スイッチをリロードします。 例:
|
スイッチには、次のタイプの 1 つまたは 2 つのスーパーバイザ モジュールが含まれています。
4 個のコア、4 個の実行可能なスレッド、16 GB のメモリ、および 64 GB の SSD を搭載したスーパーバイザ A(N9K-SUP-A)モジュール
4 個のコア、8 個の実行可能なスレッド、1.8 GHz、16 GB のメモリ、および 64 GB の SSD を搭載したスーパーバイザ A+(N9K-SUP-A+)
6 個のコア、12 個の実行可能なスレッド、2.2 GHz、24 GB のメモリ、および 256 GB の SSD を搭載したスーパーバイザ B(N9K-SUP-B)
6 個のコア、12 個の実行可能なスレッド、1.9 GHz、32 GB のメモリ、および 256 GB の SSD を搭載したスーパーバイザ B+(N9K-SUP-B+)
スイッチに 2 つのスーパーバイザ モジュールがある場合、片方のスーパーバイザ モジュールは、他方がスタンバイ モードになっている間、自動的にアクティブになります。アクティブなスーパーバイザ モジュールがダウンするか、交換するために接続解除されると、スタンバイ状態のスーパーバイザ モジュールが自動的にアクティブになります。搭載された 2 つのスーパーバイザ モジュールの 1 つを別のモジュールと交換する場合、運用を中断する必要はありません。他のスーパーバイザ モジュールを交換する間、交換しないスーパーバイザはアクティブ スーパーバイザとなり、キックスタート コンフィギュレーションが維持されます。スイッチに取り付けられているスーパーバイザ モジュールが 1 個のみの場合は、運用中に空きスーパーバイザ スロットに新しいスーパーバイザを取り付けることができます。インストール後に、そのスーパーバイザをアクティブにすることができます。
(注) |
次の表に示すように、シャーシに設置されたスーパーバイザが 2 つある場合は、同じタイプである必要があります。
|
スーパーバイザ モジュールの電源はスイッチで自動的に入り、スーパーバイザ モジュールは起動されます。
スーパーバイザで使用する用語については次の表を参照してください。
モジュールの用語 |
使用方法 |
説明(Description) |
---|---|---|
module-27 および module-28 |
固定 |
|
sup-1 および sup-2 |
固定 |
|
sup-active および sup-standby |
相対 |
|
sup-local および sup-remote |
相対 |
アクティブ スーパーバイザ モジュールにログインした場合は、次の処理が適用されます。
スタンバイ スーパーバイザ モジュールにログインした場合は、次の処理が適用されます。
|
電源モードを設定して、電源の喪失があるときに冗長モードを使用するか、取り付けた各電源装置から供給される複合電力を使用する(電源の冗長化なし)ことができます。
このモードは、使用可能な電源モジュールが故障した場合に備えて、予備電源モジュールとして 1 台の電源モジュールを割り当てます。残りの電源モジュールが使用可能電力に割り当てられます。予備電源モジュールは、使用可能電力に使用される各電源モジュールと少なくとも同じ能力が要求されます。このモードは、ps-redundant コマンドを使用してアクティブにします。
たとえば、スイッチが 2.0 kW の使用可能電力を必要とし、それぞれが 3 kW を出力する 3 台の電源モジュールがスイッチに搭載されている場合、いずれか 1 台の電源モジュールが 3.0 kW の使用可能電力を供給し、1 台の電源モジュールが、別の電源モジュールが故障した場合に 3.0 kW の予備電力を供給します。
このモードは負荷分散を保証しますが、バジェットは PSU の合計容量の半分になります。アクティブな電源と予備の電源には、別の電源を使用してください。これにより、アクティブな電源に使用されている電源に障害が発生した場合、予備の電源装置がスイッチに電力を供給できるようになります。このモードは、insrc-redundant コマンドを使用してアクティブにします。
たとえば、スイッチが 4.0 kW の電力を必要とし、それぞれが 3 kW を出力する 4 台の電源モジュールがスイッチに搭載されているとします。2 つの電源グリッドがある場合は、グリッド A とグリッド B の両方を使用して、スイッチに使用可能な電力を供給する 4 台の 3 kW 電源モジュールに電源を供給します。
このモードは、すべての電源モジュールの複合電源をスイッチ動作用のアクティブな電源に割り当てます。このモードは、停電または電源モジュールの障害が発生した場合に、電源の冗長性のための予備電力を割り当てません。このモードは、本番環境にはお勧めしません。
使用可能電力量と予備電力量は、指定する電源の冗長性モードによって決まります。使用可能電力量と予備電力量は、スイッチに取り付けられている電源モジュールの数にも影響されます。各冗長性モードで、次のことを考慮してください。
故障した他の任意の電源モジュールを引き継ぐことができるように、最大電力を出力する電源モジュールが予備電力となります。取り付けられている他のすべての電源装置は、使用可能な電力を供給します。この電源モードは、power redundancy-mode ps-redundant コマンドを使用してアクティブにします。
たとえば、スイッチの所要電力が 5.2 kW で、スイッチにそれぞれ 3.0 kW を出力する 3.0 kW 電源モジュール 2 個が搭載されている場合は、次の電源プランニングのシナリオを考慮してください。
シナリオ 1:追加された電源モジュールなし
1 個の 3 kW 電源モジュールが予備電力を提供し、同じく 3.0 kW を出力するもう 1 個の 3 kW 電源モジュールが使用可能電力を提供します。使用可能電力(3.0 kW)がスイッチ要件(5.2 kW)を満たしていないため、スイッチは一部のライン カードを除いて給電します。
シナリオ 2:3 kW 電源モジュール 1 個の追加
1 個の 3 kW 電源モジュールが 3.0 kW を出力して予備電力を提供します。他の 2 個の 3 kW 電源モジュールがそれぞれ 3.0 kW を出力してスイッチの要件(5.2 kW)を満たす十分な量の電力(6.0 kW)を提供します。これによりスイッチ全体に電力が供給されます。
次の表に、各シナリオの結果を示します。
シナリオ | 所要電力 | 電源モジュール用の出力(kW) | 利用可能な電力 | 予備電力 | 結果 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | |||||
1 |
5.2 kW |
3.0 kW |
3.0 kW |
— |
3.0 kW |
3.0 kW |
使用可能電力がスイッチの所要電力よりも低くなっています。スイッチ全体に電力を供給することはできません (一部のラインカードの電源を入れることはできません)。 |
2 |
5.2 kW |
3.0 kW |
3.0 kW |
3.0 kW |
6.0 kW |
3.0 kW |
使用可能電力がスイッチの所要電力を超えているため、スイッチ全体に給電できます。 |
グリッド冗長モードの場合は、電源モジュールを 2 つの同等セットに分割し、次のように取り付ける必要があります。
スロット PS 1 ~ PS 5 を一方のグリッド(グリッド A)に接続する必要があります。
スロット PS 6 ~ PS 10 をもう一方のグリッド(グリッド B)に接続する必要があります。
3 kW 電源モジュールの半数は、1 個の電源(グリッド)に接続し、残りの半数は別の電源に接続します。使用可能電力が 1 つの電源で供給され、予備電力が別の電源によって供給されます。使用可能電力を提供する電源が故障した場合、スイッチでは、予備電力を使用して必要な電力を提供します。この電源モードは、power redundancy-mode insrc_redundant コマンドを使用してアクティブにします。
たとえば、スイッチの所要電力が 5.2 kW で、スイッチに 3 kW を出力する電源モジュール 2 個が搭載されている場合は、次の電源プランニングのシナリオを考慮してください。
シナリオ 1:追加された電源モジュールなし
使用可能電力は 3.0 kW(1 個の 3 kW 電源モジュールからの出力)、予備電力は 3.0 kW(別の電源モジュールからの出力)です。使用可能電力(3.0 kW)がスイッチ要件(5.2 kW)を満たしていないため、大部分のモジュールには給電されますが、一部のライン カードは起動できなくなります。
シナリオ 2:3 kW 電源モジュール 2 個の追加
使用可能電力は 6.0 kW(グリッド A にある 2 個の 3 kW 電源モジュールによる出力)、予備電力は 6.0 kW(グリッド B にある他の 2 個の電源モジュールによる出力)です。使用可能電力(6.0 kW)はスイッチの所要電力(5.2 kW)を超えているため、スイッチ全体に電源投入できます。
次の表に、各シナリオの結果を示します。
シナリオ | 所要電力 | 電源モジュール用の出力 | 利用可能な電力 | 予備電力 | 結果 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | |||||
1 |
5.2 kW |
3.0 kW |
3.0 kW |
— |
— |
3.0 kW |
3.0 kW |
使用可能電力(3.0 kW)がスイッチの所要電力(5.2 kW)を下回っています。スイッチは起動できますが、一部のライン カードは起動できません。 |
2 |
5.2 kW |
3.0 kW |
3.0 kW |
3.0 kW |
3.0 kW |
6.0 kW |
6.0 kW |
使用可能電力(6.0 kW)はスイッチの所要電力(5.2 kW)を超えているため、スイッチ全体に給電できます。 |
合計電力容量は、取り付けられているすべての電源モジュールによる出力の複合と等しくなります。予備電力はありません。このモードは、power redundancy-mode combined コマンドを使用してアクティブにします。たとえば、スイッチに割り当てられた合計割り当て(予算)が 5.2 kW で、スイッチに 220 V 入力、3.0 kW 出力の 3 kW 電源モジュール 1 個が搭載されている場合は、次の電源プランニングのシナリオを考慮してください。
シナリオ 1:追加された電源モジュールなし
電源装置を追加しない場合、5.2 kW のスイッチの所要電力に対し、使用可能電力 (3.0 kW) が不十分です。スイッチはスーパーバイザ モジュール、システム コントローラ、ファン トレイ、および少なくとも 1 つのファブリック モジュールに電力を供給してから、残りの使用可能電力で対応できるだけのファブリックとライン カードに電力を供給します(1 つ以上のファブリックまたはライン カードに電力が供給されないことがあります)。
シナリオ 2:追加の 3 kW 電源モジュールの取り付け
3.0 kW を出力できる追加の 3 kW 電源装置を取り付けた場合、使用可能電力は 6.0 kW になります。使用可能電力量が増えてスイッチの所要電力である 5.2 kW を超えているため、スイッチ内のすべてのモジュールおよびファン トレイに給電できます。
次の表に、各シナリオの結果を示します。
シナリオ | 所要電力 | 電源モジュール 1 出力 | 電源モジュール 2 出力 | 利用可能な電力 | 予備電力 | 結果 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 |
5.2 kW |
3.0 kW |
— |
3.0 kW |
— |
使用可能電力がスイッチの所要電力よりも低くなっています。スイッチ全体に電力を供給することはできません (一部のラインカードの電源を入れることはできません)。 |
2 |
5.2 kW |
3.0 kW |
3.0 kW |
6.0 kW |
— |
使用可能電力がスイッチの所要電力を超えているため、スイッチ全体に給電できます。 |
power redundancy-mode コマンドを使用して電源モードを設定できます。
(注) |
現在の電源モジュールの設定を表示するには、show environment power コマンドを使用します。 |
グリッド冗長モードの場合は、電源モジュールを 2 つの同等セットに分割し、次のように取り付ける必要があります。
スロット PS 1 ~ PS 5 を一方のグリッド(グリッド A)に接続する必要があります。
スロット PS 6 ~ PS 10 をもう一方のグリッド(グリッド B)に接続する必要があります。
ステップ 1 |
configure terminal コマンドを使用して、グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 例:
|
ステップ 2 |
次のいずれかの電源モードを指定するには power redundancy-mode mode コマンドを使用します。
例:
|
ファン トレイは、スイッチに冷却するためのエアーフローを提供します。それぞれのファン トレイには複数のファンが含まれており、冗長性が提供されます。次のような状況下では、スイッチの機能は停止しません。
ファン トレイの 1 つ以上のファンが故障:複数のファンが故障していても、のスイッチは機能を継続できます。トレイのファンが故障すると、モジュール内で機能しているファンが速度を上げて、故障したファンを補います。
交換のためにファントレイが取り外されています:ファントレイは、スイッチが動作している間に、電気的な事故やスイッチの損傷を発生させずに取り外し、交換できます。スイッチは交換するファン トレイなしに 3 分間稼働可能ですが、スイッチのエアインレット温度が 86°F(30°C)未満の場合、ファン トレイの交換に 72 時間まで費やすことができます。温度は時間の経過につれて変わる場合があるため、ファン トレイを 3 分以内に交換することをお勧めします。
一度に複数のファン トレイを取り外すと、スイッチは最大 3 分稼働した後シャットダウンします。シャットダウンを防ぐには、一度に 1 台のファン トレイだけを取り外すようにしてください。
(注) |
ファンに障害が発生するか、ファン トレイを取り外す場合、ファンの損失を補うために残りの稼働するファンの速度が増加します。このプロセスでは、取り外されているファントレイを交換するか、故障したファントレイを交換するまで、ファントレイから発生するノイズが増加することがあります。 |
(注) |
実行中のシステムで障害が発生したファントレイを交換する場合は、ただちに交換してください。 |
ヒント |
ファン トレイの 1 つ以上のファンが故障すると、ファン ステータス LED が赤く点灯します。すぐに解消しない場合、ファン障害によって温度アラームが発生する可能性があります。 |
ソフトウェアはファン ステータスを継続的にモニタしています。ファンに障害が発生すると、次のアクションが実行されます。
システム メッセージが表示されます。
Call Home アラートが送信されます(設定されている場合)。
SNMP 通知が送信されます(設定されている場合)。
ファン モジュールのステータスを表示するには、ファン トレイのステータスの表示を参照してください。
(注) |
ファン トレイは、シャーシのスロット FAN 1、FAN 2、FAN 3 に装着します。 |
show environment fan コマンドを使用して、ファン トレイのステータスを表示できます。
(注) |
ファン トレイのステータスがレポートされず、取り付けたファン トレイのステータス LED が点灯しない場合は、ファン トレイの後ろにファブリック モジュールが取り付けられていることを確認してください。ファン トレイに電源を供給するには、機能するファブリック モジュールがファン トレイの後ろに取り付けられている必要があります。 |