この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
ファブリック インターコネクトは、Cisco UCS のコア コンポーネントです。Cisco UCS ファブリック インターコネクトは、LAN、SAN、およびアウトオブバンド管理セグメントへのアップリンク アクセスを提供します。Cisco UCS インフラストラクチャ管理は、ハードウェアとソフトウェアの両方を管理する組み込み管理ソフトウェア Cisco UCS Manager により行われます。Cisco UCS ファブリック インターコネクトはトップオブラック型デバイスであり、Cisco UCS ドメインへのユニファイド アクセスを提供します。
Cisco UCS FI は、接続されたサーバにネットワークの接続性と管理を提供します。Cisco UCS ファブリック インターコネクトは Cisco UCS Manager 管理ソフトウェアを実行し、Cisco UCS Manager ソフトウェア用の拡張モジュールから構成されています。
Cisco UCS ファブリック インターコネクトの詳細については、『Cisco UCS Manager Getting Started Guide』を参照してください。
アップリンク アップストリーム ネットワーク スイッチに接続するには、アップリンク ポートとして設定されているファブリック インターコネクト ポートを使用します。これらのアップリンク ポートを、個々のリンクとして、またはポート チャネルとして設定されているリンクとして、アップストリーム スイッチ ポートに接続します。ポート チャネルの設定により、帯域幅の集約とリンクの冗長性を実現できます。
ファブリック インターコネクトからのノースバウンド接続は、標準アップリンク、ポート チャネル、または仮想ポート チャネルの設定によって実現できます。ファブリック インターコネクトに設定されているポート チャネルの名前と ID が、アップストリーム イーサネット スイッチ上の名前および ID の設定と一致している必要があります。
また、vPC としてポート チャネルを設定することもできます。その場合、ファブリック インターコネクトからのポート チャネル アップリンク ポートは、別のアップストリーム スイッチに接続されます。すべてのアップリンク ポートを設定したら、それらのポートのポート チャネルを作成します。
各ファブリック インターコネクトは、各ブレード サーバに接続性を提供する UCS シャーシの IOM に接続されます。ブレード サーバから IOM への内部接続は、バックプレーンの実装に 10BASE-KR イーサネット標準を使用して Cisco UCS Manager により透過的に行われ、追加の設定は必要はありません。ファブリック インターコネクトのサーバ ポートと IOM 間の接続を設定する必要があります。ファブリック インターコネクトのサーバ ポートと接続すると、各 IOM はファブリック インターコネクトへのライン カードとして動作します。したがって、IOM とファブリック インターコネクトを相互接続することはできません。各 IOM は単一のファブリック インターコネクトに直接接続されます。
ファブリック エクステンダ(IOM または FEX とも呼ばれます)は、ファブリック インターコネクトをブレード サーバまで論理的に拡張します。ファブリック エクステンダは、ブレード サーバ シャーシに組み込まれたリモート ライン カードのようなものであり、外部環境への接続性を実現します。IOM の設定は Cisco UCS Manager によってプッシュされ、直接管理されません。このモジュールの主な機能は、ブレード サーバ I/O 接続(内部および外部)の促進、ファブリック インターコネクトまでの全 I/O トラフィックの多重化、Cisco UCS インフラストラクチャの監視と管理の支援です。
ダウンリンク IOM カードに接続する必要のあるファブリック インターコネクト ポートを、サーバ ポートとして設定します。ファブリック インターコネクトと IOM が物理的に接続されていることを確認します。また、IOM ポートとグローバル シャーシ検出ポリシーも設定する必要があります。
(注) | UCS 2200 I/O モジュールの場合、[Port Channel] オプションを選択することによっても、I/O モジュールが接続されたすべてのサーバ ポートがポート チャネルに自動的に追加されます。 |
Cisco UCS サーバに接続されているアップリンク スイッチを表示する情報ポリシーを設定する必要があります。
ファブリック インターコネクトの SAN、LAN および LLDP ネイバーを表示するには、ファブリック インターコネクトの情報ポリシーを有効にする必要があります。
Cisco UCS Manager にファブリックの退避機能が導入されました。この機能は、IOM または FEX を介して接続しているすべてのサーバからファブリック インターコネクトに流れるトラフィック フローを、システムのアップグレード時に退避させます。システムのセカンダリ ファブリック インターコネクトをアップグレードすると、ファブリック インターコネクト上のアクティブなトラフィックが中断されます。このトラフィックは、プライマリ ファブリック インターコネクトにフェールオーバーします。ファブリック退避機能を使用すると、ファブリック インターコネクトを通過するすべてのアクティブなトラフィックを停止できます。トラフィックが完全にフェールオーバーしたことを確認し、セカンダリ ファブリック インターコネクトをアップグレードした後、セカンダリ ファブリック インターコネクトとすべての接続されている IOM を再起動できます。その後、すべての停止しているフローを再開できます。クラスタ構成では、クラスタ リードをこの下位 FI に変更し、すべてのフローを停止して、同じ方法で他のファブリック インターコネクトをアップグレードできます。
システムのセカンダリ ファブリック インターコネクトをアップグレードすると、ファブリック インターコネクト上のアクティブなトラフィックが中断されます。このトラフィックは、プライマリ ファブリック インターコネクトにフェールオーバーします。次の手順で、アップグレード プロセス中にファブリック退避機能を使用できます。
ファブリック インターコネクトを通過するすべてのアクティブなトラフィックを停止します。
vNIC にフェールオーバーが設定されている場合は、Cisco UCS Manager または vCenter などのツールを使用して、トラフィックがフェールオーバーされたことを確認します。
セカンダリ ファブリック インターコネクトをアップグレードします。
停止したすべてのトラフィック フローを再開します。
クラスタ リードをセカンダリ ファブリック インターコネクトに変更します。
ステップ 1 ~ 4 を繰り返し、プライマリ ファブリック インターコネクトをアップグレードします。
(注) | ファブリックの退避は、次でのみサポートされます。 |
Cisco UCS ファブリック インターコネクトは、2 つのメイン スイッチング モード(イーサネットまたはファイバ チャネル)で動作します。これらのモードは相互に独立しています。サーバとネットワーク間またはサーバとストレージ デバイス間で、ファブリック インターコネクトがデバイスとして動作する方法を決定します。
イーサネット スイッチング モードにより、サーバとネットワークの間のスイッチング装置としてファブリック インターコネクトがどのように動作するかが決定されます。ファブリック インターコネクトは、次のイーサネット スイッチング モードのいずれかで動作します。
エンドホスト モードでは、ファブリック インターコネクトが、vNIC を介して接続されているすべてのサーバ(ホスト)に代わって、ネットワークに対するエンド ホストとして動作できます。この動作は、アップリンク ポートに vNIC をピン接続(動的ピン接続またはハードピン接続)することにより実現されます。これによって、ネットワークに冗長性がもたらされ、アップリンク ポートはファブリックの残りの部分に対してサーバ ポートとなります。
エンドホスト モードの場合、ファブリック インターコネクトではスパニングツリー プロトコル(STP)が実行されません。ただし、アップリンク ポートが相互にトラフィックを転送することを拒否し、複数のアップリンク ポートに同時に出力サーバ トラフィックが存在することを拒否することによって、ループが回避されます。エンドホスト モードは、デフォルトのイーサネット スイッチング モードであり、次のいずれかがアップストリームで使用される場合に使用する必要があります。
(注) | エンドホスト モードを有効にした場合、vNIC がアップリンク ポートに固定ピン接続されていて、このアップリンク ポートがダウンすると、システムはその vNIC をピン接続し直すことはできず、その vNIC はダウンしたままになります。 |
スイッチ モードは従来のイーサネット スイッチング モードです。ループを回避するためにファブリック インターコネクトで STP が実行され、ブロードキャスト パケットとマルチキャスト パケットは従来の方法で処理されます。ファブリック インターコネクトがルータに直接接続されている場合、または次のいずれかがアップストリーム スイッチに使用されている場合は、スイッチ モードを使用します。
(注) | どちらのイーサネット スイッチング モードにおいても、サーバ アレイ内のサーバ間ユニキャスト トラフィックはすべてファブリック インターコネクト経由でのみ送信され、アップリンク ポートを介して送信されることはありません。これは、vNIC がアップリンク ポートにハードピン接続されている場合でも同様です。サーバ間のマルチキャスト トラフィックとブロードキャスト トラフィックは、同じ VLAN 内のすべてのアップリンク ポートを介して送信されます。 |
スイッチ モードで Cisco MDS 9000 ファミリ FC スイッチング モジュールと Cisco UCS ファブリック インターコネクト間にポート チャネルを作成する場合は、次の順序に従います。
MDS 側にポート チャネルを作成します。
ポート チャネルのメンバー ポートを追加します。
ファブリック インターコネクト側にポート チャネルを作成します。
ポート チャネルのメンバー ポートを追加します。
最初にファブリック インターコネクト側でポート チャネルを作成すると、ポートは中断状態になります。
Cisco UCS ファブリック インターコネクトがスイッチ モードになっている場合、ポート チャネル モードは ON モードに限られ、Active ではありません。ただし、ファブリック インターコネクトのピアの wwn 情報を取得するには、ポート チャネルを Active モードにする必要があります。
イーサネット スイッチング モードを変更すると、Cisco UCS Manager により自動的にログアウトとファブリック インターコネクトの再起動が実行されます。クラスタ設定では、Cisco UCS Manager により両方のファブリック インターコネクトが再起動されます。スイッチング モードを変更した結果として、従属ファブリック インターコネクトが初めて再起動されます。プライマリ ファブリック インターコネクトは、[Pending Activities] で確認された後にのみ再起動します。プライマリ ファブリック インターコネクトでイーサネット スイッチング モードの変更が完了し、システムで使用できるようになるまでには数分間かかります。既存の設定は保持されます。
ファブリック インターコネクトが再起動すると、すべてのブレード サーバが LAN および SAN 接続を失い、ブレード上のすべてのサーバが完全に停止します。これにより、オペレーティング システムで障害が発生する場合があります。
ファイバ チャネル スイッチング モードは、サーバとストレージ デバイス間のスイッチング装置としてファブリック インターコネクトがどのように動作するかを決定します。ファブリック インターコネクトは、次のファイバ チャネル スイッチング モードのいずれかで動作します。
エンドホスト モードは N ポート仮想化(NPV)モードと同義です。このモードは、デフォルトのファイバ チャネル スイッチング モードです。エンドホスト モードを使用すると、ファブリック インターコネクトは、仮想ホスト バス アダプタ(vHBA)を介して接続されているすべてのサーバ(ホスト)に代わって、接続されているファイバ チャネル ネットワークに対するエンド ホストとして動作することができます。この動作は、ファイバ チャネル アップリンク ポートに vHBA をピン接続(動的ピン接続またはハードピン接続)することにより実現されます。これにより、ファイバ チャネル ポートはファブリックの残りの部分に対してサーバ ポート(N ポート)となります。エンドホスト モードの場合、ファブリック インターコネクトは、アップリンク ポートが相互にトラフィックを受信しないようにすることでループを回避します。
(注) | エンドホスト モードを有効にすると、vHBA がアップリンク ファイバ チャネル ポートにハードピン接続されているときに、そのアップリンク ポートがダウンした場合、システムは vHBA を再びピン接続することができず、vHBA はダウンしたままになります。 |
スイッチ モードはデフォルトのファイバ チャネル スイッチング モードではありません。スイッチ モードを使用して、ファブリック インターコネクトをストレージ デバイスに直接接続することができます。ファイバ チャネル スイッチ モードの有効化は、SAN が存在しない(たとえば、ストレージに直接接続された 1 つの Cisco UCS domain)ポッド モデル、または SAN が存在する(アップストリーム MDS を使用)ポッド モデルで役に立ちます。
(注) | ファイバ チャネル スイッチ モードでは、SAN ピン グループは不適切です。既存の SAN ピン グループはすべて無視されます。 |
ファイバ チャネル スイッチング モードを変更すると、Cisco UCS Manager により自動的にログアウトとファブリック インターコネクトの再起動が実行されます。クラスタ構成では、Cisco UCS Manager は Cisco UCS Manager リリース 3.1(1) 以前で、両方のファブリック インターコネクトを同時に再起動します。Cisco UCS Manager リリース 3.1(2) では、ファイバ チャネル スイッチング モードを変更すると、UCS ファブリック インターコネクトが順番にリロードします。Cisco UCS Manager リリース 3.1(3) では、スイッチング モードを変更した結果として、従属ファブリック インターコネクトが初めて再起動されます。プライマリ ファブリック インターコネクトは、[Pending Activities] で確認された後にのみ再起動します。プライマリ ファブリック インターコネクトでファイバ チャネル スイッチング モードの変更が完了し、システムで使用できるようになるまでには数分間かかります。
(注) | ファイバ チャネル スイッチング モードを変更すると、両方の UCS ファブリック インターコネクトが同時にリロードします。ファブリック インターコネクトがリロードすると、約 10 ~ 15 分のダウンタイムがシステム全体で発生します。 |
(注) | Cisco UCS domainのサブネットまたはネットワーク プレフィックスを変更するには、すべてのサブネットまたはプレフィックス、Cisco UCS Manager へのアクセスに使用する仮想の IPv4 または IPv6 アドレス、両方のファブリック インターコネクトの IPv4 または IPv6 アドレスを同時に変更する必要があります。 両方のファブリック インターコネクトは IPv4 か IPv6 の同じ管理アドレス タイプを維持する必要があります。ファブリック B の管理アドレス タイプを変更しない場合、ファブリック A の管理アドレス タイプは変更できません。 |
管理者パスワードが失われると、クラスタ内のファブリック インターコネクトのプライマリおよびセカンダリのロールは、両方のファブリック インターコネクトの IP アドレスから Cisco UCS Manager GUI を開くことによって決定することができます。従属ファブリック インターコネクトは失敗し、次のメッセージが表示されます。
UCSM GUI is not available on secondary node.6200 シリーズ ファブリック インターコネクトの場合は、すべてのポートがユニファイド ポートです。したがって、すべてのポートを 1/10 ギガビット イーサネット、ファイバ チャネル(FC)、FC アップリンク、アプライアンス ポート、または FCoE ポートとして設定します。
6300 シリーズ ファブリック インターコネクトについては、『UCS Manager Getting Started Guide』を参照してください。
アップストリーム アップリンク スイッチとダウンストリーム IOM との間の接続が確立されれば、vNIC を設定しているブレード サーバから vNIC を接続できます。管理を容易にするために、vNIC テンプレートを作成することをお勧めします。
vNIC はサーバ プロファイル内で作成することも、vNIC テンプレートを使用して作成することもできます。vNIC テンプレートは、テンプレートごとに 1 回 NIC 設定を設定してから、新しい vNIC を必要な設定で迅速に作成できるため、使用をお勧めします。vNIC 構成時の設定は、さまざまなオペレーティング システム、ストレージ デバイス、ハイパーバイザ用に最適化できます。
vNIC テンプレートは次のいずれかとして設定できます。
開始テンプレート:この vNIC テンプレートは、このテンプレートを使用して作成された vNIC のワンタイム設定を実現します。テンプレートに対する以降の変更は、抽象化した vNIC には伝播されません。
更新テンプレート:この vNIC テンプレートは、このテンプレートを使用して作成された vNIC の初期構成を提供します。テンプレートに対する以降の変更は、抽象化した vNIC にも伝播されます。実働環境のための、更新用 vNIC テンプレートを作成することをお勧めします。
vNIC の MAC アドレスは手動で割り当てるか、MAC アドレス プールを設定して割り当てることができます。バーンドイン MAC アドレスを使用するか、システム定義のプレフィックスを持つ ID プールから取得した抽象化 MAC アドレスを使用することができます。ステートレス コンピューティングは、Cisco UCS プラットフォームの優れた機能です。したがって、サーバ プロファイルの vNIC MAC アドレスを抽象化し、その結果としてバーンドイン NIC MAC アドレスを使用する代わりに、MAC アドレスの ID プールからサーバの vNIC MAC アドレスを使用することをお勧めします。MAC ID を抽象化する利点は、物理サーバの障害発生時に、サーバ プロファイルを簡単に交換用サーバに関連付けることができることです。新しいサーバは vNIC MAC アドレスなどの古いサーバに関連付けられているすべての ID を取得します。オペレーティング システムから見た場合、変化は一切ありません。
さまざまな設定で vNIC テンプレートを作成し、要件に応じて vNIC テンプレートから個々の vNIC を作成することをお勧めします。また、MAC アドレス プールを定義し、それらの MAC アドレス プールを使用して MAC アドレスを個別の vNIC に割り当てます。
vNIC は、通常、物理メザニン カードから抽象化されます。古い Emulex、QLogic、および Intel NIC カードには固定ポートがあります。シスコのメザニン NIC カード(別名「Palo カード」または「仮想インターフェイス カード(VIC)」)は、ダイナミック サーバ インターフェイスを提供します。Cisco VIC カードは最大 256 個の動的インターフェイスを提供します。vNIC はサーバ プロファイル内で作成することも、vNIC テンプレートを使用して作成することもできます。vNIC テンプレートは、NIC 設定を設定し、テンプレートごとに 1 回 実行しておいて、追加の vNIC を必要な設定で迅速に作成できるため、使用をお勧めします。vNIC 構成時の設定は、さまざまなオペレーティング システム、ストレージ デバイス、ハイパーバイザ用に最適化できます。
サーバの vNIC の作成は、サーバ プロファイルまたはサーバ プロファイル テンプレートの作成の一部です。ブレード サーバのサービス プロファイル テンプレートまたはサービス プロファイル(エキスパート)の作成を開始した場合、vNIC の作成は構成ウィザードの 2 番目のステップです。