この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
Cisco UCS は、Quality of Service を実装するために、次の方法を提供しています。
システム全体にわたって、特定のタイプのトラフィックに対するグローバル設定を指定するためのシステム クラス
個々の vNIC にシステム クラスを割り当てる QoS ポリシー
アップリンク イーサネット ポートによるポーズ フレームの扱い方法を決定するフロー制御ポリシー
QoS システム クラスに加えられたグローバル QoS の変更によって、すべてのトラフィックにデータプレーンでの中断が短時間発生する可能性があります。このような変更の例を次に示します。
Cisco UCS 6300 Series Fabric Interconnect はすべてのシステム クラスに共有バッファを使用します。
マルチキャスト最適化はサポートされません。
あるクラスの QoS パラメータを変更すると、すべてのクラスのトラフィックが中断されます。次の表は、QoS システム クラスの変更およびシステムの再起動が引き起こされる条件を示しています。
QoS システム クラスのステータス |
Condition |
FI の再起動ステータス |
---|---|---|
イネーブル |
ドロップとドロップなしを切り替えた場合 |
Yes |
ドロップなし |
イネーブルとディセーブルを切り替えた場合 |
Yes |
イネーブルかつドロップなし |
MTU サイズを変更した場合 |
Yes |
QoS システム クラスでの変更の結果として、最初に従属 FI が再起動します。プライマリ FI は、[Pending Activities] で確認された後にのみ再起動します。
Cisco UCS Mini はすべてのシステム クラスに共有バッファを使用します。
Bronze クラスは SPAN とバッファを共有します。SPAN または Bronze クラスを使用することを推奨します。
マルチキャスト最適化はサポートされません。
あるクラスの QoS パラメータを変更すると、すべてのクラスのトラフィックが中断されます。
イーサネット トラフィックと FC または FCoE トラフィックが混在している場合は、帯域が均等に配分されません。
同じクラスからの複数のトラフィック ストリームが均等に分配されないことがあります。
FC または FCoE のパフォーマンス問題を回避するために、すべての破棄なしポリシーに同じ CoS 値を使用してください。
Platinum クラスと Gold クラスのみが破棄なしポリシーをサポートしています。
システム クラスの設定
Cisco UCS は、DCE(Data Center Ethernet)を使用して、Cisco UCS domain内のすべてのトラフィックを処理します。イーサネットに対するこの業界標準の機能拡張では、イーサネットの帯域幅が 8 つの仮想レーンに分割されています。内部システムと管理トラフィック用に 2 つの仮想レーンが予約されています。それ以外の 6 つの仮想レーンの Quality of Service(QoS)を設定できます。Cisco UCS domain全体にわたり、これら 6 つの仮想レーンで DCE 帯域幅がどのように割り当てられるかは、システム クラスによって決定されます。
各システム クラスは特定のタイプのトラフィック用に帯域幅の特定のセグメントを予約します。これにより、過度に使用されるシステムでも、ある程度のトラフィック管理が提供されます。たとえば、[Fibre Channel Priority] システム クラスを設定して、FCoE トラフィックに割り当てる DCE 帯域幅の割合を決定することができます。
次の表は、設定可能なシステム クラスをまとめたものです。
システム クラス |
説明 |
||
---|---|---|---|
Platinum Gold Silver Bronze |
サービスプロファイルの QoS ポリシーに含めることができる設定可能なシステム クラスのセット。各システム クラスはトラフィック レーンを 1 つ管理します。 これらのシステム クラスのプロパティはすべて、カスタム 設定やポリシーを割り当てるために使用できます。 Cisco UCS Mini の場合、パケットのドロップはプラチナ クラスとゴールド クラスでのみディセーブルにできます。1 つの Platinum クラスと 1 つの Gold クラスのみを no-drop クラスとして同時に設定できます。 |
||
ベスト エフォート |
ベーシック イーサネット トラフィックのために予約されたレーンに対する QoS を設定するシステム クラス。 このシステム クラスのプロパティの中にはあらかじめ設定されていて、変更できないものもあります。たとえば、このクラスには、必要に応じて、データ パケットのドロップを許可するドロップ ポリシーがあります。このシステム クラスをディセーブルにはできません。 |
||
ファイバ チャネル |
Fibre Channel over Ethernet トラフィックのために予約されたレーンに対する Quality Of Service を設定するシステム クラス。 このシステム クラスのプロパティの中にはあらかじめ設定されていて、変更できないものもあります。たとえば、このクラスには、データ パケットが絶対にドロップされないことを保証するドロップなしポリシーがあります。このシステム クラスをディセーブルにはできません。
|
サーバ内のアダプタのタイプによっては、サポートされる MTU の最大値が制限される場合があります。たとえば、ネットワーク MTU が最大値を超えた場合、次のアダプタでパケットがドロップする可能性があります。
すべての破棄なしポリシーで UCS および N5K に同じ CoS(サービス クラス)値を使用します。エンドツーエンド PFC が正常に動作することを保証するには、すべての中間スイッチで同じ QoS ポリシーを設定します。
デフォルトでは、Best Effort システム クラスまたは Fibre Channel システム クラスはイネーブルになっています。
ベスト エフォート システム クラスやファイバ チャネル システム クラスはディセーブルにできません。
ディセーブルにされたシステム クラスに関連付けられているすべての QoS ポリシーのデフォルトは、Best Effort です。ディセーブルにされたシステムのクラス オブ サービス(CoS)が 0 に設定されている場合のデフォルトは、Cos 0 システム クラスになります。
Quality of Service ポリシーの設定
Quality Of Service(QoS)ポリシーは、vNIC または vHBA に向けた発信トラフィックにシステム クラスを割り当てます。このシステム クラスにより、このトラフィックに対する Quality Of Service が決定されます。一部のアダプタでは、発信トラフィックでバーストやレートなど追加の制御を指定することもできます。
vNIC ポリシー、または vHBA ポリシーに QoS ポリシーをインクルードし、その後、このポリシーをサービス プロファイルにインクルードして、vNIC または vHBA を設定する必要があります。
QoS ポリシーは、vNIC または vHBA テンプレートにインクルードします。
使用中の QoS ポリシーを削除した場合、または QoS ポリシーで使用されているシステム クラスをディセーブルにした場合、この QoS ポリシーを使用している vNIC と vHBA はすべて、ベスト エフォート システム クラスまたは CoS が 0 のシステム クラスに割り当てられます。マルチテナント機能を実装しているシステムでは、Cisco UCS Manager はまず、その組織階層から一致する QoS ポリシーを見つけようとします。
フロー制御ポリシーの設定
フロー制御ポリシーは、ポートの受信バッファがいっぱいになったときに、Cisco UCS domainのアップリンク イーサネット ポートが IEEE 802.3x ポーズ フレームを送信および受信するかどうかを決定します。これらのポーズ フレームは、バッファがクリアされるまでの数ミリ秒間、送信側ポートからのデータの送信を停止するように要求します。
LAN ポートとアップリンク イーサネット ポートの間でフロー制御が行われるようにするには、両方のポートで、対応する受信および送信フロー制御パラメータをイネーブルにする必要があります。Cisco UCSでは、これらのパラメータはフロー制御ポリシーにより設定されます。
送信機能をイネーブルにした場合、受信パケット レートが高くなりすぎたときに、アップリンク イーサネット ポートはネットワーク ポートにポーズ要求を送信します。ポーズは数ミリ秒有効になった後、通常のレベルにリセットされます。受信機能をイネーブルにした場合、アップリンク イーサネット ポートは、ネットワーク ポートからのポーズ要求すべてに従います。ネットワーク ポートがポーズ要求をキャンセルするまで、すべてのトラフィックはこのアップリンク ポートで停止します。
ポートにフロー制御ポリシーを割り当てているため、このポリシーを変更すると同時に、ポーズ フレームやいっぱいになっている受信バッファに対するポートの反応も変わります。
必要なフロー制御に対応する設定を使用して、ネットワーク ポートを設定します。たとえば、ポリシーのフロー制御ポーズ フレームに対する送信設定を有効にした場合は、必ず、ネットワーク ポートの受信パラメータを on または desired に設定します。Cisco UCS ポートでフロー制御フレームを受信する場合は、ネットワーク ポートの送信パラメータが on または desire に設定されていることを確認します。フロー制御を使用する必要がない場合は、ネットワーク ポートの受信パラメータと送信パラメータを off に設定できます。
フロー制御ポリシーと、アップリンク イーサネット ポート、またはポート チャネルを関連付けます。