この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
このガイドでは、次のようなストレージ管理タスクを設定する方法について説明します。
Cisco UCS Manager では、次の表に示す、使用例を基本とした従来よりもコンパクトな新しいマニュアルが用意されています。
ガイド |
説明 |
---|---|
Cisco UCS アーキテクチャのほか、Cisco UCS Manager の初期設定や構成のベスト プラクティスなど、稼働前に必要な操作について説明しています。 |
|
パスワード管理、ロール ベース アクセスの設定、リモート認証、通信サービス、CIMC セッション管理、組織、バックアップと復元、スケジューリング オプション、BIOS トークン、および遅延展開について説明しています。 |
|
Cisco UCS Manager によって使用および管理される物理インフラストラクチャと仮想インフラストラクチャのコンポーネントについて説明します。 |
|
ファームウェアのダウンロードと管理、自動インストール によるアップグレード、サービス プロファイルによるアップグレード、ファームウェアの自動同期によるエンドポイントでの直接アップグレード、機能カタログの管理、展開シナリオ、およびトラブルシューティングについて説明しています。 |
|
新しいライセンス、Cisco UCS Central への Cisco UCS ドメインの登録、電力制限、サーバのブート、サーバ プロファイルおよびサーバ関連ポリシーについて説明しています。 |
|
Cisco UCS Manager の SAN や VSAN など、ストレージ管理のあらゆる側面について説明しています。 |
|
Cisco UCS Manager の LAN や VLAN 接続など、ネットワーク管理のあらゆる側面について説明しています。 |
|
Cisco UCS Manager における、システム統計を含むシステムおよびヘルス モニタリングのあらゆる側面について説明しています。 |
UCS Manager のストレージ オプションとそれぞれのオプションの利点について説明します。
ダイレクト アタッチド ストレージ(DAS):これはサーバ内で使用可能なストレージであり、並行 SCSI 実装内のマザーボード経由でシステムに直接接続されます。DAS は一般に、キャプティブ ストレージと呼ばれています。キャプティブ ストレージ トポロジ内のデバイスは、ストレージ ネットワークへのダイレクト アクセスが提供されておらず、ストレージの効率的な共有をサポートしていません。DAS のデータにアクセスするには、フロントエンド ネットワークを経由する必要があります。DAS デバイスは、他のサーバに対するモビリティがほとんどなく、拡張性も高くはありません。
DAS デバイスではファイル共有に制限があり、実装と管理が複雑になることがあります。たとえば、DAS デバイスでデータのバックアップをサポートするには、ホスト上のリソースと、他のシステムが使用できないスペア ディスク システムが必要です。このストレージのコストとパフォーマンスは、サーバ内のディスクと RAID コントローラ カードによって決まります。DAS は安価で簡単に設定できますが、ハイエンド ストレージが備える拡張性、パフォーマンス、および高度な機能はありません。
ネットワーク アタッチド ストレージ(NAS):このストレージは通常、ファイル システムへのアクセスを提供するアプライアンスです。このストレージは、サーバで利用できるネットワーク ファイル システム(NFS)や Common Internet File System(CIFS)共有と同じくらいシンプルです。標準的な NAS デバイスは、コスト効率が高く、パフォーマンスはそれほど高くありませんが、容量は非常に大きく、信頼性を確保するための冗長性を備えています。NAS は通常、手頃な価格で簡単に設定することができ、一部の高度な機能も備えていますが、SAN が備える拡張性、パフォーマンス、および高度な機能はありません。
ストレージ エリア ネットワーク(SAN):SAN は、サーバとストレージ デバイスを接続することに特化した高速ネットワークです。SAN では、スイッチやディレクタなどの相互接続要素を使用したネットワーク全体のエニーツーエニー接続が可能になります。従来型のサーバとストレージの間の専用接続を排除し、サーバが事実上、ストレージ デバイスを所有して管理するという概念もなくなります。また、サーバがアクセスできるデータ量の制約も解消されます。現在は、個々のサーバに接続されたストレージ デバイスの数によってデータ量が制限されています。SAN を使用すると柔軟なネットワーク構築が可能となり、1 台のサーバまたは複数の異種サーバ間で共通のストレージ ユーティリティを共有できるようになります。ネットワークには、ディスク、テープ、光学式ストレージといった多数のストレージ デバイスを接続できます。さらに、ストレージ ユーティリティは、使用するサーバから離れた場所に配置することができます。このタイプのストレージは、最高レベルの信頼性、拡張性、パフォーマンスを提供します。SAN のコストは、その他のストレージ オプションと比較して非常に高くなります。
SAN は、最も復元力が高く、スケーラブルでパフォーマンスの高いストレージですが、最も高価であり、管理も複雑です。
UCS ストレージの物理接続における設計上の考慮事項は、LAN の物理接続と比較するとわずかに異なります。SAN 接続に関する設計上の考慮事項を次に示します。
ノースバウンド ストレージの物理接続では、LAN 接続などの仮想ポート チャネル(vPC)がサポートされません。
ポート チャネルまたはトランキングを利用して、複数のストレージ アップリンク ポートを結合して物理リンクの冗長性を確保することができます。
ストレージ リソースの冗長性はストレージ自体で管理され、その方法はベンダーによって異なります。
Nexus または MDS ファブリック スイッチのようなノースバウンドのシスコ ストレージ デバイスを介してストレージに接続します。
ストレージを UCS ファブリック インターコネクトに直接接続することができます。この方法は、ファブリック インターコネクトの物理ポートを消費し、処理要件が増大するため、小規模な実装に推奨されます。
ストレージ リソースへのアクセスを提供するには、VSAN やゾーン分割などのソフトウェア設定が必要です。
ストレージ ネットワークを設定するには、次の推奨される順序に従ってください。
サーバ ポート、アップリンク ポート、および FC ポートを設定して有効化します。
管理 IP アドレス プールを作成します(通常は、UCS Manager の管理者 IP アドレスと同じサブネット上に作成します)。
UUID プール、MAC プール、WWNN プール、WWPN プールを作成します(または対応する「デフォルト」プールを入力します)。ドメイン ID を埋め込みます。MAC および WWPN にはファブリック固有のプールを使用します(たとえば、Fabric-A、Fabric-B)。
SAN ブート用に、各ストレージ アレイのブート ターゲットに一意の「ブート ポリシー」を作成します。
VNIC テンプレート(たとえば、eth0-A、eth1-B)を作成します。これらはいずれも上記の MAC プールから取得され、それぞれ Fabric-A と Fabric-B に関連付けられます。
VHBA テンプレート(たとえば、fc0-A、fc1-B)を作成します。これらはいずれも上記の WWPN プールから取得され、それぞれ Fabric-A と Fabric-B に関連付けられます。
必要に応じて、先に確立されたすべてのプール、ポリシー、およびテンプレートから取得されるサービス プロファイル テンプレートを作成します。
テンプレートからサービス プロファイルをインスタンス化してサービス プロファイルを特定のブレードに関連付けるか、またはサービス プロファイル テンプレートを特定のサーバ プールに関連付けるように設定します。
ファイバ チャネル、iSCSI、および Fibre Channel over Ethernet は SAN 接続用のプロトコルです。
iSCSI:プリンタ、スキャナ、テープ ドライブ、およびストレージ デバイスといったさまざまな I/O 周辺機器を接続するための業界標準のプロトコルです。最も一般的な SCSI デバイスは、ディスクとテープ ライブラリです。
SCSI は raw ハード ディスク ストレージをサーバに接続するための主要なプロトコルです。SCSI プロトコルを使用してリモート ストレージを制御するには、コマンドをカプセル化するラッパーとして、FC や iSCSI などのさまざまなテクノロジーが使用されます。
ファイバ チャネル プロトコルは、SCSI トラフィックをカプセル化してコンピュータとストレージの間の接続を確立するためのインフラストラクチャを提供します。FC は、2、4、8、および 16 Gbps の速度で動作します。
ファイバ チャネル(FC)は次の要素で構成されています。
raw ストレージ容量を提供するハード ディスク アレイ。
ハード ディスクを管理し、サーバに対してストレージ LUN およびマスキングを提供するストレージ プロセッサ。
ストレージ プロセッサとサーバ HBA の間を接続するファイバ チャネル スイッチ(ファブリックとも呼ばれます)。
ファイバ チャネル ホスト バス アダプタ:これらはコンピュータにインストールされ、SAN への接続を確立します。
ファイバ チャネルは、ワールドワイド番号(WWN)でインフラストラクチャ コンポーネントを識別します。WWN は、FC デバイスを一意に識別する 64 ビットのアドレスです。MAC アドレスと同様に、ベンダーに割り当てられたビットが含まれており、それによってベンダーのデバイスを識別します。各エンド デバイス(HBA ポートなど)にはワールド ワイド ポート番号(WWPN)が与えられ、各接続デバイス(ファブリック スイッチなど)にはワールドワイド ノード番号(WWNN)が与えられます。
SAN への接続に使用されるファイバ チャネル HBA はイニシエータと呼ばれ、LUN としてディスクを提供するファイバ チャネル SAN はターゲットと呼ばれます。ファイバ チャネル プロトコルは、イーサネットや TCP/IP プロトコルとは異なります。
Fiber Channel over Ethernet(FCoE)転送は、ファイバ チャネル配線を 10 ギガビット イーサネット ケーブルで置き換えるもので、ユニファイド I/O でのロスレス配信を実現します。イーサネットは、ネットワークで広く使用されています。イーサネットにデータセンター イーサネット(DCE)やプライオリティ フロー制御(PFC)などの拡張を加えて、データセンター向けに信頼性を高めることで、ファイバ チャネルもイーサネット上に実装されるようになります。この実装を FCoE と呼びます。
UCS 管理者は、[SAN] タブから SAN(FC、iSCSI)やダイレクト アタッチド FC/FCoE、NAS アプライアンス、および通信に関連する設定要素を作成、変更、および削除できます。
このタブの主要なノードは次のとおりです。