始める前に
Cisco Unified IP Phone を設置する前に、次の各項の要件を確認してください。
• 「ネットワークの要件」
• 「Cisco Unified Communications Manager の設定」
• 「安全」
ネットワークの要件
Cisco Unified IP Phone 7975G を Cisco Unified IP Phone エンドポイントとしてネットワークで正常に運用するには、ネットワークが次の要件を満たしている必要があります。
• Voice over IP(VoIP)ネットワークが正常に稼働している
–シスコ ルータおよびゲートウェイ上で VoIP が設定されている
–Cisco Unified Communications Manager Release 6.0 以降がネットワークにインストールされ、コール処理用に設定されている
• IP ネットワークが DHCP をサポートしているか、IP アドレス、ゲートウェイ、およびサブネット マスクの手動割り当てをサポートしている
(注) Cisco Unified IP Phone は、Cisco Unified Communications Manager から取得した日時を表示します。Cisco Unified Communications Manager サーバが電話機とは別のタイムゾーンに配置されている場合、電話機では正しい現地時間が表示されません。
Cisco Unified Communications Manager の設定
Cisco Unified IP Phone は、コールの処理に Cisco Unified Communications Manager を必要とします。Cisco Unified Communications Manager を正しくセットアップして、電話機を管理し、コールを適切にルーティングおよび処理するには、『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』または Cisco Unified Communications Manager アプリケーションの状況依存ヘルプを参照してください。
自動登録を使用する計画がある場合は、Cisco Unified IP Phone をネットワークに接続する前に、自動登録が Cisco Unified Communications Manager で有効になっていて、正しく設定されていることを確認してください。自動登録の有効化および設定については、『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』を参照してください。また、「Cisco Unified Communications Manager データベースへの電話機の追加」も参照してください。
テレフォニー機能を設定して Cisco Unified IP Phone に割り当てるには、Cisco Unified Communications Manager を使用する必要があります。詳細については、「電話機で使用可能なテレフォニー機能」を参照してください。
Cisco Unified Communications Manager では、ユーザをデータベースに追加して、特定の電話機に関連付けることができます。この手順を完了すると、コール転送、短縮ダイヤル、ボイス メッセージ システム オプションなどの項目を設定する Web ページにユーザがアクセスできるようになります。詳細については、「Cisco Unified Communications Manager へのユーザの追加」を参照してください。
安全
Cisco Unified IP Phone 7975G を設置する前に、次の警告事項を確認してください。これらの警告の翻訳を参照するには、このデバイスに付属している『 Regulatory Compliance and Safety Information for the Cisco Unified IP Phone 7900 Series 』を参照してください。
警告 システムを電源に接続する前に、設置手順をお読みください。
警告 この装置の設置、交換、保守は、訓練を受けた相応の資格のある人が行ってください。
警告 この製品を廃棄処分する際には、日本国の法律および地方自治体の条例または規則に従ってください。
警告 雷の発生中は、システムでの作業、またはケーブルの接続や取り外しを行わないでください。
警告 感電事故を防ぐために、Safety Extra-Low Voltage(SELV; 安全超低電圧)回路を Telephone Network Voltage(TNV; 電話網電圧)回路に接続しないでください。LAN ポートには SELV 回路があり、WAN ポートには TNV 回路があります。一部の LAN ポートと WAN ポートはいずれも、RJ-45 コネクタを使用しています。ケーブルを接続する場合には、注意してください。
注意 インラインパワー回路はケーブルを介して電流を供給します。シスコが提供するケーブルまたは最低 24 AWG の通信ケーブルを使用してください。
外部電源を使用する場合は、次の警告事項に従ってください。
注意 シスコが認定する適正な外部電源のみ使用してください。電話機に添付されている設置マニュアルを参照してください。
警告 この製品は、設置する建物に短絡(過電流)保護機構が敷設されていることが前提になっています。各相導体(すべての通電導体)に 120 VAC、15 A(日本および米国)、または 240 VAC、10 A(前記以外の国)以下のヒューズ、または回路ブレーカーが使用されていることを確認してください。
警告 この装置は、TN 電源システムを使用して動作するように設計されています。
警告 プラグとソケットは常に手を伸ばして利用できる状態にしておく必要があります。これは、プラグとソケットが主要な切断装置であるためです。
Cisco Unified IP Phone 7975G のコンポーネントについて
Cisco Unified IP Phone 7975G は、電話機のコンポーネントまたはアクセサリとして、次のものを備えています。
• 「ネットワーク ポートとアクセス ポート」
• 「ハンドセット」
• 「スピーカフォン」
• 「ヘッドセット」
ネットワーク ポートとアクセス ポート
Cisco Unified IP Phone の背面には、次のポートが配置されています。
• ネットワーク ポート:Cisco Unified IP Phone 7975G では 10/100/1000 SW というラベルが付いています。
• アクセス ポート:Cisco Unified IP Phone 7975G では 10/100/1000 PC というラベルが付いています。
10 Mbps 接続の場合は、カテゴリ 3 ケーブルとカテゴリ 5 ケーブルのどちらでも使用できますが、100 Mbps および 1000 Mbps の接続には、カテゴリ 5 ケーブルを使用する必要があります。
電話機をネットワークに接続するには、SW ネットワーク ポートを使用します。このポートでは、ストレート ケーブルを使用する必要があります。電話機は、この接続を通じてスイッチからインラインパワーを取得することもできます。詳細については、「電話機への電力供給」を参照してください。
コンピュータなどのネットワーク デバイスを電話機に接続するには、PC アクセス ポートを使用します。このポートでは、ストレート ケーブルを使用する必要があります。
ハンドセット
ワイドバンド対応ハンドセットは、Cisco Unified IP Phone で使用するために特別に設計されたものです。このハンドセットは、応答待ちの着信コールやボイス メッセージがあることを通知する、ライト ストリップを備えています。
ハンドセットを Cisco Unified IP Phone に接続するには、ハンドセットと電話機背面のハンドセット ポートにケーブルを差し込みます。
スピーカフォン
Cisco Unified IP Phone 7975G では、ワイドバンド対応のスピーカフォンがデフォルトで有効になっています。
スピーカフォンは、Cisco Unified Communications Manager の管理ページを使用して無効にすることができます。無効にするには、 [デバイス]>[電話] を選択し、変更の対象となる電話機を指定します。電話機の[電話の設定(Phone Configuration)]ウィンドウで、 [Disable Speakerphone] チェックボックスをオンにします。
ヘッドセット
シスコでは、Cisco Unified IP Phone で使用するサードパーティ製のヘッドセットについて社内でテストしていますが、ヘッドセットまたはハンドセットのベンダーによる製品については保証またはサポートしていません。Cisco Unified IP Phone の設置場所により、固有の環境およびハードウェアの不整合が発生する場合があるため、すべての環境に適した 1 つの「最良」な解決策を提供することはできません。ネットワークに大量のヘッドセットを設置する前に、ヘッドセットをテストして、お客様の環境に最適かどうか確認することをお勧めします。
たとえば、ヘッドセットの種類によっては、機械的または電子的な原因により、Cisco Unified IP Phone のユーザとリモートで通話している相手に、声が反響して聞こえる場合があります。
シスコでは、不要な Radio Frequency(RF; 無線周波数)信号および Audio Frequency(AF; 可聴周波数)信号を遮蔽する、高品質のヘッドセットの使用をお勧めしています。ヘッドセットの品質や、携帯電話および双方向ラジオなど他のデバイスとの間隔によっては、雑音が入ることもあります。
ヘッドセットのサポートが設置に適用されない主な理由は、ハム雑音が入る可能性です。この雑音は、リモートの通話相手のみ、またはリモートの通話相手と Cisco Unified IP Phone ユーザの両方に聞こえる場合があります。一部の雑音またはビープ音は、電灯および近くの電気モーターや大型の PC モニタなどの外的要因によって起こる可能性があります。場合によっては、ローカル電源キューブを使用することにより、ユーザに聞こえる雑音を低減または解消することができます。詳細については、「安全」を参照してください。
(注) Cisco Unified IP Phone 7975G は、ワイドバンド ヘッドセットをサポートしています。
音質に対するユーザの主観
物理的、機械的、および技術的な性能以上に、ヘッドセットの音質がユーザと通話相手の双方にとって良質である必要があります。音声は主観的なものであるため、シスコはヘッドセットまたはハンドセットの性能を保証できません。ただし、次に示すサイトに記載されているヘッドセットおよびハンドセットは、Cisco Unified IP Phone で使用した場合の音声が良質であることが報告されています。
これらを使用する場合でも、実際の環境で装置をテストして、性能が適しているどうかを判断するのは、最終的にお客様の責任となります。
ヘッドセットについては、次のサイトを参照してください。
http://www.vxicorp.com/cisco
http://www.plantronics.com
http://www.jabra.com
ヘッドセットの接続
ヘッドセットを Cisco Unified IP Phone に接続するには、電話機背面のヘッドセット ポートにヘッドセットを差し込みます。ヘッドセットを使用してコールを発信したり、コールに応答したりするには、電話機の ヘッドセット ボタンを押します。
ヘッドセットでは、音量ボタンとミュート ボタンも含めて、Cisco Unified IP Phone のすべての機能を使用できます。イヤー ピース部分の音量を調節したり、ヘッドセットのマイクロフォンからの音声経路をミュートしたりするには、これらのボタンを使用します。
ヘッドセットの無効化
ヘッドセットは、Cisco Unified Communications Manager の管理ページを使用して無効にすることができます。無効にする場合は、スピーカフォンも無効にします。
ヘッドセットを Cisco Unified Communications Manager の管理ページで無効にするには、 [デバイス]>[電話] を選択し、変更の対象となる電話機を指定します。電話機の[電話の設定(Phone Configuration)]ウィンドウで、 [Disable Speakerphone and Headset] チェックボックスをオンにします。
Cisco Unified IP Phone での外部デバイスの使用
次の情報は、Cisco Unified IP Phone で外部デバイスを使用する場合に適用されます。
シスコでは、不要な Radio Frequency(RF; 無線周波数)信号および Audio Frequency(AF; 可聴周波数)信号を遮断(遮蔽)する高品質の外部デバイスの使用をお勧めしています。
これらのデバイスの品質や、携帯電話および双方向ラジオなど他のデバイスとの間隔によっては、雑音が入ることもあります。その場合は、次のいずれかの方法で対処してください。
• RF または AF の信号源から外部デバイスを離す。
• RF または AF の信号源から外部デバイスのケーブルの経路を離す。
• 外部デバイス用にシールドされたケーブルを使用するか、シールドおよびコネクタが高品質のケーブルを使用する。
• 外部デバイスのケーブルを短くする。
• 外部デバイスのケーブルに、フェライトまたは同様のデバイスを適用する。
シスコでは、外部デバイス、ケーブル、コネクタの品質については制御できないため、システム パフォーマンスを保証することはできません。良品質のケーブルおよびコネクタを使用して適切なデバイスを接続すると、十分なシステム パフォーマンスを得られます。
注意 欧州連合諸国では、EMC Directive[89/336/EC]に完全に準拠した外部ヘッドセットだけを使用してください。
Cisco Unified IP Phone の設置
Cisco Unified IP Phone は、使用する前にネットワークおよび電源に接続する必要があります。接続の図解については、図3-1 を参照してください。
(注) 電話機は、新品の場合でも、設置する前に最新のファームウェア イメージにアップグレードしてください。
外部デバイスを使用する場合は、「Cisco Unified IP Phone での外部デバイスの使用」を読んで、安全性およびパフォーマンスに関する情報を確認しておいてください。
Cisco Unified IP Phone を設置するには、次の手順を実行します。
|
|
|
1. ハンドセットをハンドセット ポートに接続します。 |
-- |
-- |
2. ヘッドセットをヘッドセット ポートに接続します。 |
オプション。ヘッドセットは、ここで接続しなくても後で追加できます。 |
サポートされているヘッドセットについては、「ヘッドセット」を参照してください。 |
3. 電源を Cisco DC アダプタ ポートに接続します。 |
オプション。 |
「電話機への電力供給」を参照してください。 |
4. ストレート イーサネット ケーブルを使用して、スイッチを 10/100/1000 SW ポートに接続します。 |
Cisco Unified IP Phone には、イーサネット ケーブルが 1 箱に 1 本添付されています。 10 Mbps 接続の場合は、カテゴリ 3/5/5e/6 ケーブルのいずれかを使用できますが、1000 Mbps 接続の場合は、カテゴリ 5e/6 ケーブルを使用する必要があります。 |
ガイドラインについては、「ネットワーク ポートとアクセス ポート」を参照してください。 |
5. ストレート イーサネット ケーブルを使用して、デスクトップ コンピュータなどの別のネットワーク デバイスを 10/100/1000 PC ポートに接続します。 |
オプション。別のネットワーク デバイスは、ここで接続しなくても後で接続できます。 10 Mbps 接続の場合は、カテゴリ 3/5/5e/6 ケーブルのいずれかを使用できますが、1000 Mbps 接続の場合は、カテゴリ 5e/6 ケーブルを使用する必要があります。 |
ガイドラインについては、「ネットワーク ポートとアクセス ポート」を参照してください。 |
図3-1 Cisco Unified IP Phone 7975G の背面のケーブル接続
|
DC アダプタ ポート(DC48V) |
|
アクセス ポート |
|
DC コネクタを備えた電源 |
|
ハンドセット ポート |
|
AC 壁面プラグを備えた電源コード |
|
ヘッドセット ポート |
|
ネットワーク ポート |
|
|
関連項目
• 「始める前に」
• Cisco Unified IP Phone 7914 拡張モジュールの接続(SCCP 電話機のみ)
• 「Cisco Unified IP Phone の位置の調節」
• 「起動時のネットワーク設定値の設定」
Cisco Unified IP Phone 7914 拡張モジュールの接続(SCCP 電話機のみ)
Cisco Unified IP Phone 7914 拡張モジュールを、SCCP で動作する Cisco Unified IP Phone 7975G に接続すると、ライン アピアランスまたは短縮ダイヤル ボタンの数が増えます。ライン アピアランスおよび短縮ダイヤル ボタンの数を指定するには、Cisco Unified IP Phone 7914 拡張モジュールのボタン テンプレートをカスタマイズします。詳細については、「電話ボタン テンプレートの変更」を参照してください。
Cisco Unified IP Phone 7914 拡張モジュールは、SIP 電話機と互換性がありません。
1 つ以上の Cisco Unified IP Phone 7914 拡張モジュールを電話機に接続するには、次のいずれかの方法があります。
• 電話機を Cisco Unified Communications Manager に初めて追加する場合は、[モジュール1(Module 1)]フィールドまたは[モジュール2(Module 2)]フィールドで [7914 14-Button Line Expansion Module] を選択し、適切な拡張モジュール ファームウェアを選択できます。次の手順のステップ 6 を参照してください。
• Cisco Unified Communications Manager で電話機を設定した後に接続します。
Cisco Unified IP Phone 7914 拡張モジュールを、SCCP で動作する Cisco Unified IP Phone に設定するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Cisco Unified Communications Manager の管理ページにログインします。
[Cisco Unified CMの管理]ページが表示されます。
ステップ 2 メニューから、 [デバイス] > [電話] を選択します。
[電話の検索と一覧表示(Find and List Phones)]ウィンドウが表示されます。
Cisco Unified IP Phone 7914 拡張モジュール用に設定する電話機を検索できます。
ステップ 3 検索条件を選択および入力して、 [検索] をクリックします。
[電話の検索と一覧表示(Find and List Phones)]ウィンドウが再び表示され、検索条件と一致する電話機のリストが表示されます。
ステップ 4 Cisco Unified IP Phone 7914 拡張モジュール用に設定する IP Phone をクリックします。
[電話の設定(Phone Configuration)]ウィンドウが表示されます。
ステップ 5 [拡張モジュール情報(Expansion Module Information)]セクションまでスクロールします。
ステップ 6 拡張モジュールのサポートを次のように追加します。
• 1 つ目の拡張モジュールを追加するには、[モジュール1(Module 1)]フィールドで、 [7914 14-Button Line Expansion Module] を選択します。
• 2 つ目の拡張モジュールを追加するには、[モジュール2(Module 2)]フィールドで、 [7914 14-Button Line Expansion Module] を選択します。
[拡張モジュール情報(Expansion Module Information)]セクションには、モジュール 1 およびモジュール 2 のファームウェア ロードを指定するフィールドが 2 つあります。デフォルトのファームウェア ロードを使用する場合は、これらのフィールドをブランクのままにします。
ステップ 7 [保存] アイコンをクリックします。
変更を有効にするために電話機のリセットを求めるメッセージが表示されます。 [OK] をクリックします。
ステップ 8 [リセット] をクリックして、変更を有効にします。
(注) ユーザに自分の Cisco Unified Communications Manager ユーザ オプション Web ページを参照するように指示してください。このページでは、ユーザは Cisco Unified IP Phone 7914 拡張モジュールの電話サービスにアクセスするための短縮ダイヤル ボタンやプログラム ボタンを設定できます。詳細については、「サービスへの登録方法および電話機能の設定方法」を参照してください。
関連項目
• 「始める前に」
• 「Cisco Unified IP Phone の位置の調節」
• 「起動時のネットワーク設定値の設定」
Cisco Unified IP Phone の位置の調節
Cisco Unified IP Phone は、調整可能なフットスタンドを備えています。電話機をデスクの上に設置するときに、傾き具合を水平状態から 60 度まで、7.5 度単位で調整できます。また、フットスタンドやオプションのロック対応壁面取り付けキットを使用して、電話機を壁面に固定することもできます。
Cisco Unified IP Phone フットスタンドと電話機の高さの調節
Cisco Unified IP Phone のフットスタンド調節プレートを調節して、電話スクリーンが最もよく見える高さにすることができます。詳細については、図3-3 を参照してください。
手順
ステップ 1 フットスタンド調節ボタンを押します。
ステップ 2 フットスタンドを最適な高さに調節します。
ケーブル ロックによる電話機の固定
Cisco Unified IP Phone 7975G は、ラップトップ ケーブル ロックを使用して机上に固定できます。このロックは、電話機の背面にあるセキュリティ スロットに接続し、ケーブルは机に固定します。
セキュリティ スロットは、20 mm までのロックに適合します。互換性のあるラップトップ ケーブル ロックには、Kensington ラップトップ ケーブル ロックや、電話機背面のセキュリティ スロットに適合する他社製のラップトップ ケーブル ロックがあります。
図3-2 を参照してください。
図3-2 Cisco Unified IP Phone 7975G へのケーブル ロックの接続
壁面への電話機の取り付け
Cisco Unified IP Phone は、フットスタンドを取り付けブラケットとして使用すると、壁面に取り付けることができます。または、Cisco Unified IP Phone の壁面取り付けキットに付属する特殊ブラケットを使用することもできます(壁面取り付けキットは、電話機とは別にご注文いただく必要があります)。壁面取り付けキットではなく、標準のフットスタンドを使用して電話機を壁面に取り付ける場合は、次の工具と部品を用意する必要があります。
• ドライバ
• Cisco Unified IP Phone を壁面に固定するためのネジ
電話機の部品の図解については、図3-3 を参照してください。
始める前に
壁面取り付けの電話機にハンドセットを確実に固定するには、ハンドセットの壁面フックをハンドセット レストから取り外し、フックを 180 度回して、もう一度挿入します。フックを回すと、ツメが見えた状態になります。このツメは、電話機を垂直にしたときにハンドセットの置き場所になります。手順の図解については、『 Installing the Wall Mount Kit for the Cisco Unified IP Phone 』を参照してください。
注意 壁の間柱にネジを打つときは、壁に埋め込まれている配線や配管を傷つけないように注意してください。
手順
ステップ 1 フットスタンド調節ボタンを押します。
ステップ 2 フットスタンドを調節して、電話機の背面と平行になるようにします。
ステップ 3 2 本のネジを壁の間柱に打ち込みます。ネジの位置と間隔は、フットスタンド背面の 2 つのネジ穴に合せます。
鍵穴は、標準の電話ジャック マウントの位置に合います。
ステップ 4 電話機を壁に掛けます。
図3-3 Cisco UnifiedIP Phone の壁面取り付けに使用する部品
|
フットスタンド調節ボタン:調節プレートを上下に調整 |
|
壁面取り付けのためのネジ穴 |
|
調節プレート:電話機の傾きを調整 |
電話機の起動プロセスの確認
Cisco Unified IP Phone を電源に接続すると、次の手順が繰り返され、電話機の起動プロセスが開始されます。
1. 次のボタンが順に点滅します。
–ヘッドセット(電話機の起動時に、ハンドセットがオフフックである場合のみ。電話機でセカンダリ ロードを起動するには、3 秒以内にハンドセットを置きます。プライマリ ロードを続行するには、ハンドセットをオフフックのままにしておきます)。
–ミュート
–スピーカ
2. 一部またはすべての回線キーが、オレンジ色に点滅します。
注意 回線キーが黄色に点滅してから順に赤色に点滅している場合は、赤色の点滅のシーケンスが完了するまで、電話機の電源を切断しないでください。このシーケンスは、完了までに数分間かかることがあります。
3. 一部またはすべての回線キーが、緑色に点滅します。
通常、このシーケンスは数秒間しかかかりません。ただし、電話機のフラッシュ メモリが消去された場合や、電話機のロードが破損している場合は、電話機がソフトウェア アップデート手順を開始している間、緑色の点滅のシーケンスが継続されます。電話機がこの手順を実行している場合は、次のボタンの点灯によって進捗状況が示されます。
–ヘッドセット:電話機は、ネットワークを待機し、CDP および DHCP の設定を完了しようとしています(ネットワーク上で DHCP サーバが使用可能になっている必要があります)。
–ミュート:電話機は、TFTP サーバからイメージをダウンロードしています。
–スピーカ:電話機は、イメージをフラッシュ メモリに書き込んでいます。
4. 電話スクリーンに、シスコシステムズ社のロゴ画面が表示されます。
5. 電話機の起動中に、次のメッセージが表示されます。
–ロードを確認中(電話機のロードが TFTP サーバ上のロードと一致しない場合)。このメッセージが表示された場合、電話機はもう一度起動して、上のステップ 1 ~ステップ 4 を繰り返します。
–IP を設定中
–CTL の更新中
–ロケールの更新中
–CM 一覧を設定中
–登録
6. メインの電話スクリーンに、次の情報が表示されます。
–現在の日付と時刻
–プライマリ電話番号
–追加の電話番号と短縮ダイヤル番号(設定されている場合)
–ソフトキー
電話機がこれらの段階を正常に完了した場合、電話機は正常に起動しました。電話機が正常に起動しない場合は、「起動時の問題の解決」を参照してください。
起動時のネットワーク設定値の設定
ネットワークで DHCP を使用していない場合は、Cisco Unified IP Phone をネットワークに設置した後に、電話機上で次のネットワーク設定値を設定する必要があります。
• IP アドレス
• IP サブネット マスク
• デフォルト ゲートウェイの IP アドレス
• TFTP サーバの IP アドレス
必要に応じて、次のオプション設定値を設定することもできます。
• ドメイン名
• DNS サーバの IP アドレス
これらの情報を収集し、「Cisco Unified IP Phone の設定値の設定」の説明を参照してください。
Cisco Unified IP Phone でのセキュリティの設定
セキュリティ機能は、電話機の ID およびデータへの脅威など、いくつかの脅威から保護するものです。これらの機能は、電話機と Cisco Unified Communications Manager サーバの間に認証済みの通信ストリームを確立して維持し、ファイルはデジタル署名してから配信します。
セキュリティ機能の詳細については、「Cisco Unified IP Phone のセキュリティ機能について」を参照してください。また、『Cisco Unified Communications Manager セキュリティ ガイド』も参照してください。
CAPF(Certificate Authority Proxy Function; 認証局プロキシ関数)に関係する必要な作業を行うと、ローカルで有効な証明書(LSC; Locally Significant Certificate)が電話機にインストールされます。LSC は、Cisco Unified Communications Manager の管理ページを使用して設定できます(『Cisco Unified Communications Manager セキュリティ ガイド』を参照)。
また、電話機の[セキュリティ設定]メニューから LSC のインストールを開始することもできます。このメニューでは、LSC をアップデートまたは削除することもできます。
設定を開始する前に、Cisco Unified Communications Manager と認証局プロキシ関数(CAPF)について、次に示す適切なセキュリティ設定が完了していることを確認してください。
• CTL ファイルに CAPF 証明書が含まれている。
• CAPF 証明書が、クラスタ内のすべてのサーバの /usr/local/cm/.security/certs フォルダに存在している。
• CAPF が実行され、設定されている。
詳細については、『Cisco Unified Communications Manager セキュリティ ガイド』を参照してください。
電話機上で LSC を設定するには、次の手順を実行します。この手順を実行すると、CAPF がどのように設定されているかに応じて、LSC のインストール、既存の LSC のアップデート、または既存の LSC の削除のいずれかが実行されます。
手順
ステップ 1 CAPF の設定時に設定された CAPF 認証コードを入手します。
ステップ 2 電話機で、 [設定]>[セキュリティ設定] を押します。
(注) Cisco Unified Communications Manager の管理ページの[電話の設定(Phone Configuration)]ウィンドウにある[Settings Access]フィールドを使用すると、[設定]メニューへのアクセスを制御できます。詳細については、『Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド』を参照してください。
ステップ 3 **# を押して、[セキュリティ設定]メニューにある設定値のロックを解除します(オプションのロックおよびロック解除の使用方法については、「オプションのロック解除とロック」を参照してください)。
(注) [設定]メニューのパスワードがプロビジョニングされている場合、SIP 電話機で **# を入力すると、「パスワードを入力してください」というプロンプトが表示されます。
ステップ 4 LSC までスクロールし、 [更新] ソフトキーを押します。
認証文字列を入力するように求められます。
ステップ 5 認証コードを入力し、 [送信] ソフトキーを押します。
CAPF がどのように設定されているかに応じて、LSC のインストール、アップデート、または削除が開始されます。手順の進行中は、[セキュリティ設定]メニューの LSC オプション フィールドに一連のメッセージが表示されるので、進捗状況をモニタできます。手順が正常に完了すると、電話機に[インストール済み]または[未インストール]と表示されます。
LSC のインストール、アップデート、および削除のプロセスは、完了までに時間がかかることがあります。このプロセスは、[セキュリティ設定]メニューの [中止] ソフトキーを押して、いつでも停止することができます(このソフトキーを押すには、設定値のロックをあらかじめ解除しておく必要があります)。
電話機のインストール手順が正常に完了した場合は、[成功]が表示されます。[失敗]が表示される場合は、認証文字列が正しくないか、電話機でアップグレードが有効になっていません。CAPF で生成されるエラー メッセージを参照して、適切に対処してください。
電話機に LSC がインストールされていることを確認するには、 [設定]>[モデル情報] を選択し、LSC の設定値に[インストール済み]が表示されていることを確認します。
関連項目
• 「Cisco Unified IP Phone のセキュリティ機能について」