この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
Cisco CME 3.2.3 以降のバージョンでは、Direct Inward Dialing(DID; ダイヤルイン方式)コールの番号変換を実行できる Tcl スクリプトを使用できます。これは、PSTN の Central Office(CO; セントラル オフィス)からの DID 番号が内部ダイヤル プランの Cisco Unified CME の内線番号の範囲と一致しない場合に使用できます。たとえば、75 などの CO からの DID 番号を内線 460 にマッピングする必要がある場合には、このスクリプトが役立ちます。
• 「設定例」
(注) Cisco IOS の音声機能の詳細については、Cisco IOS Voice Configuration Library(http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/12_3/vvf_c/cisco_ios_voice_configuration_library_glossary/vcl.htm)の全般的な情報(ライブラリの概要、用語集、機能マニュアル、トラブルシューティング情報を含む)を参照してください。
DID 番号変換サービスでは、どのような長さの PSTN の DID 番号でも受け入れられ、その番号が、システム管理者によって割り当てられた内部の内線番号にマッピングされます。また、本サービスにより、DID 番号にユーザ指定のプレフィクスが追加され、有効な内線番号が設定されます。本サービスでは、ユーザが入力したパラメータを使用して、CO から受け入れる有効な番号範囲、ローカル ダイヤル プランにおける有効な番号範囲、および追加するプレフィクスを判断します。さらに、本サービスでは、無効な内線番号にマッピングされる DID コールはすべて、プロンプトを再生およびコールを切断することで処理されます。
Cisco Unified CME システムに新しい DID コールが着信すると、次のイベントが実行されます。
• DID 番号変換サービスにより番号が収集され、末尾の n 桁だけが保持されます。ここで、n は CO から着信する DID 番号の範囲で許容される桁数です。収集された番号が、CO DID の指定範囲と比較されます。たとえば、DID 番号が 555-0133 で、CO DID の指定範囲が 00 ~ 49 である場合、着信した番号(33)は範囲内(00 ~ 49)であるため受け入れられます。
• 番号が範囲内でない場合は、番号が無効であることを伝えるプロンプトが再生された後に、コールが切断されます。
• CO からの番号が指定範囲内である場合、その番号は、Cisco Unified CME の内線番号で指定されている範囲に変換されます。また、DID 番号変換サービスによって着信番号に DID プレフィクスが追加され、有効な内線番号が生成されて、その内線にコールがルーティングされます。たとえば、指定した DID の範囲が 55 ~ 79、指定した内線番号の範囲が 00 ~ 24、指定したプレフィクスが 5 である例を考えてみましょう。CO からのコールで実際に着信した DID 番号は 62 とします。DID 番号変換サービスでは、この番号が次の手順によって変換されます。
– 実際に着信した番号(ここでは 62)と指定した DID の範囲の下限(ここでは 55)の比較により、これらの差が計算されます。その結果、下限からの差は 07 になります。
– 次に、この結果が、サイトの内線番号範囲の下限(ここでは 00)に追加されます。この結果が、内線番号として使用される数字列(ここでは 07)になります。
– 最後に、指定したプレフィクス(ここでは 5)が追加されます。これにより、このコールの最終的な内線番号は 507 になります。
• この内線番号が存在しない場合は、番号が無効であることを伝えるプロンプトが再生された後に、コールが切断されます。プロンプトは、en_disconnect.au という名前のオーディオ ファイルに保存されています。このファイルにカスタム プロンプトを再録音するには、「 Cisco Unified CME の基本自動着信呼分配(B-ACD)と自動アテンダント(AA)サービス 」の章の「 初期プロンプトとその他のオーディオ ファイル 」の項のガイドラインに従います。
(注) スクリプトが en_disconnect.au の名前を検索するので、このファイルのファイル名は変更しないでください。
• 内線が通話中の場合はビジー トーンが再生され、コールが切断されます。通話中のコール自動転送が有効な場合、コールはボイスメールなどの転送先に転送されます。
この手順の目的は、DID 番号転送サービスを有効にすることにより、PSTN の CO から送信された番号を正しい番号に自動的に変換し、Cisco Unified CME システムにおいて有効な内線番号を生成することです。
• Cisco Unified CME Software Download Center から DID 番号変換サービスの Tcl スクリプトおよびデフォルトのオーディオ プロンプト ファイルをダウンロードし、Cisco Unified CME ルータにインストールする必要があります。詳細については、「Cisco Unified CME の基本自動着信呼分配(B-ACD)と自動アテンダント(AA)サービス」の章の「Tcl スクリプトとオーディオ プロンプトのダウンロード」の項を参照してください。
• PSTN の CO から送信される DID 番号の有効な範囲を把握している必要があります。
• Cisco Unified CME ルータのサービスを受ける内線番号の有効な範囲を把握している必要があります。
• CO から送信される番号の範囲内の番号の数と、指定した内線番号の数は、一致している必要があります。また、それぞれの数字列の桁数も一致している必要があります。ただし、Cisco Unified CME の内線番号範囲にプレフィクスを追加して、実際の内線番号と同じ番号を生成できます。プレフィクスとして追加できるのは、最大 2 桁です。たとえば、次のような番号範囲のペアを使用できます。
– CO からの番号が 00 ~ 39 で、Cisco Unified CME の内線番号が 40 ~ 79(どちらも 2 桁で、範囲内に 40 個の番号が含まれています)。
– CO からの番号が 150 ~ 199 で、Cisco Unified CME の内線番号が 245 ~ 294(どちらも 3 桁で、範囲内に 50 個の番号が含まれています)。
4. service [ alternate | default ] did-application-name location
5. paramspace language-package location url
6. paramspace language-package index number
7. paramspace language-package language language-code
9. param secondary-prefix digits
10. param co-did-min min-co-value
11. param co-did-max max-co-value
12. param store-did-min min-site-value
13. param store-did-max max-site-value
16. dial-peer voice tag pots
または
dial-peer voice tag voip
18. CO からの着信コールを受信するダイヤル ピアを追加するには、ステップ 16 ~ステップ 17 を繰り返します。
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service [ alternate | default ] did-application-name location Router(config-app)# service didapp tftp://192.168.254.254/scripts/did/app-cme-did-2.0.0.0.tcl |
service parameter 設定モードを開始し、digit-translation サービスのパラメータを設定します。 • alternate :(オプション)ダイヤル ピアにおいて設定されているサービスに障害が発生した場合に使用する代替サービス。 • default :(オプション)代替サービスに障害が発生した場合に、ダイヤル ピアのデフォルト サービス("DEFAULT")が使用されるように指定します。 • did-application-name :DID アプリケーションの名前。これは、このアプリケーションのパラメータを設定するコマンドで使用される任意の名前です。 • location :URL 形式による、Tcl スクリプトまたは VoiceXML ドキュメントの場所。有効な保存場所は、TFTP、HTTP、およびフラッシュ メモリです。 |
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paramspace language-package location url Router(config-app-param)# paramspace english location flash: |
IVR アプリケーションでダイナミック プロンプトに使用されるオーディオ ファイルの場所を定義します。 • language-package :使用する言語パッケージの名前。組み込みの言語パッケージには、中国語、英語、およびスペイン語の 3 つがあります。Tcl 言語スクリプトを使用すると、他の言語がサポートされます。 • url :オーディオ ファイルの URL。有効な URL として、TFTP または HTTP サーバ、あるいはフラッシュ メモリを指定できます。 |
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paramspace language-package index number |
IVR アプリケーションでダイナミック プロンプトに使用されるオーディオ ファイルのカテゴリを定義します。 • language-package :使用する言語パッケージの名前。組み込みの言語パッケージには、中国語、英語、およびスペイン語の 3 つがあります。Tcl 言語スクリプトを使用すると、他の言語がサポートされます。 • number :オーディオ ファイルのカテゴリ グループ(0 ~ 4)。たとえば、日と月を表すオーディオ ファイルはカテゴリ 1、通貨単位を表すオーディオ ファイルはカテゴリ 2、時間単位(秒、分、時)を表すオーディオ ファイルはカテゴリ 3 のようになります。値の範囲は 0 ~ 4 で、0 は全カテゴリを意味します。 |
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paramspace language-package language language-code |
DID アプリケーションによって使用される、ダイナミック プロンプトの言語を指定します。 • language-package :使用する言語パッケージの名前。組み込みの言語パッケージには、中国語、英語、およびスペイン語の 3 つがあります。Tcl 言語スクリプトを使用すると、他の言語がサポートされます。 • language-code :関連オーディオ ファイルの言語を識別する 2 文字のコード。有効な値は、次のとおりです。 (注) この言語コードは、ファイル内で実際に使用される言語にかかわらず、オーディオ プロンプト ファイルの名前に使用した 2 文字の言語プレフィクスと一致している必要があります。詳細については、「Cisco Unified CME の基本自動着信呼分配(B-ACD)と自動アテンダント(AA)サービス」の章の「初期プロンプトとその他のオーディオ ファイル」の項を参照してください。 |
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プライマリ Cisco Unified CME ルータ上の内線番号を生成するために、PSTN によって転送される DID 番号に追加するプレフィクスを設定します。 |
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param secondary-prefix secondary-prefix |
(オプション)セカンダリ Cisco Unified CME ルータで使用するために、PSTN によって転送される DID 番号に追加するプレフィクス。このプレフィクスは、プライマリ Cisco Unified CME ルータへのコールのルーティングに使用されます。 Cisco Unified CME ルータ上の DID ポートが不足している場合は、セカンダリ Cisco Unified CME ルータまたは Cisco IOS ゲートウェイの接続を確立することにより、コールを受信できます。セカンダリ ルータへの着信 DID コールは、H.323 を介してプライマリ ルータにルーティングされます。また、DID 番号変換サービスにより、手順 6 で設定した DID プレフィクスが着信 DID 番号に追加され、次に、プライマリ Cisco Unified CME ルータにコールをルーティングするためのセカンダリ プレフィクスが追加されます。たとえば、着信 DID コールが内線 325 である例を考えてみましょう。CO からの着信 DID 番号は 25、DID プレフィクスは 3、セカンダリ プレフィクスは 7 とします。この場合、番号は DID 番号変換サービスによって 7325 に変換されます。変換された番号は、コールをプライマリ ルータにルーティングする VoIP ダイヤル ピアと一致します。変換規則に基づいて、適切な番号である 325 だけがプライマリ Cisco Unified CME ルータに送信され、さらに目的の内線にルーティングされます。 • secondary-prefix :プライマリ Cisco Unified CME ルータにコールをルーティングするために番号に追加されるプレフィクス。値の範囲は 0 ~ 99 です。 |
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PSTN の CO から着信する有効な番号範囲の下限を設定します。 • min-co-value :CO から着信する番号の最小値。任意の長さの数字列を設定できますが、数字列の長さは、 param co-did-min 、 param co-did-max 、 param store-did-min 、および param store-did-max の各コマンドと同じである必要があります。 |
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PSTN の CO から着信する有効な番号範囲の上限を設定します。 • max-co-value :CO から着信する番号の最大値。任意の長さの数字列を設定できますが、数字列の長さは、 param co-did-min 、 param co-did-max 、 param store-did-min 、および param store-did-max の各コマンドと同じである必要があります。 |
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param store-did-min min-store-value |
Cisco Unified CME の番号計画において有効な番号範囲の下限を設定します。 • min-store-value :Cisco Unified CME のダイヤル プランにおける番号の最小値。任意の長さの数字列を設定できますが、数字列の長さは、 param co-did-min 、 param co-did-max 、 param store-did-min 、および param store-did-max の各コマンドと同じである必要があります。 |
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param store-did-max max-store-value |
Cisco Unified CME の番号計画において有効な番号範囲の上限を設定します。 • did-name :ステップ 4 の service コマンドを使用して DID スクリプトに割り当てたアプリケーション名。 • max-store-value :Cisco Unified CME のダイヤル プランにおける番号の最大値。任意の長さの数字列を設定できますが、数字列の長さは、 param co-did-min 、 param co-did-max 、 param store-did-min 、および param store-did-max の各コマンドと同じである必要があります。 |
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Router(config)# dial-peer voice 234 pots |
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このダイヤル ピアを DID 番号変換アプリケーションに関連付けます。 • did-name :ステップ 4 の service コマンドを使用して DID スクリプトに割り当てたアプリケーション名。 |
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次の例では、アプリケーションに did という名前が付きます。DID 番号の範囲 00 ~ 39 は、PSTN の CO によって割り当てられています。内線番号の範囲は 300 ~ 339 です。変更せずに転送される CO の番号には、プレフィクス 3 が追加されます。
service did tftp://192.168.254.254/scripts/did/app-cme-did-2.0.0.0.tcl
paramspace english language en
paramspace english location tftp://192.168.254.254/apps/dir25/
次の例では、アプリケーションに didapp という名前が付きます。CO から送信される DID 番号の範囲は、Cisco Unified CME サイトで使用される内線番号の範囲と同じではないため、アプリケーションによる DID 番号の変換が必要です。 co パラメータを使用してアプリケーションに入力する CO の範囲内の番号の数は、 store パラメータを使用してアプリケーションに入力するローカル サイトのプランの内線番号の数と同じである必要があります。この数を確認するには、次の式を使用します。
co-did-max - co-did-min = store-did-max - store-did-min
この例では、CO からの番号の範囲を 55 ~ 74 とします。ローカル サイトでは 400 ~ 419 の内線番号を使用するものとします。(74 - 55) = 19 = (419 - 400)という式により、これらの番号は有効な範囲であることが検証されます。ただし、この式は、単に番号の数が等しいことを検証しているだけです。実際の内線番号は 20 です。
この例のプランを導入するには、プレフィクス番号 4 と、次の例に示す範囲のパラメータを DID アプリケーションに設定します。また、CO とサイトのコマンドにおいて、最小/最大の数字列の桁数が同じ(2)であることに注意してください。
次の例では、アプリケーションに didapp という名前が付きます。コールは、セカンダリ Cisco Unified CME ルータによって受信された後に、ダイヤル ピア 1000 の session target コマンドによって識別されるプライマリ Cisco Unified CME ルータに送信されます。CO からの 2 桁の着信番号にプレフィクス 5 が追加され、内線番号が生成されます。次に、生成された内線番号にセカンダリ プレフィクス 4 が追加され、VoIP ダイヤル ピア(H.323)にコールがルーティングされます。ダイヤル ピアは、変換規則を使用することにより、適切な 3 桁(内線番号)だけをプライマリ ルータに転送します。変換規則の詳細については、『 Voice Translation Rules 』テクニカル ノート( http://www.cisco.com/en/US/tech/tk652/tk90/technologies_tech_note09186a0080325e8e.shtml )を参照してください。
service didapp tftp://192.168.254.254/scripts/did/app-cme-did-2.0.0.0.tcl
paramspace english language en
paramspace english location tftp://192.168.254.254/apps/dir25/
voice translation-profile drop-secondary-prefix
translation-profile outgoing drop-secondary-prefix