関連機能
「 セカンダリ コール カバレッジの設定 」の章で説明する次の関連機能によって、追加のコール カバレッジ機能が提供されます。
• ephone-dn オーバーレイ
• ephone-dn ダイヤルピア プリファレンス
• ハントストップ
• ephone ハント グループ
• コール ピックアップ グループ
ラベル サポート
ラベル サポート機能は、ephone-dn 回線ボタンの隣にあるディスプレイを制御します。デフォルトでは、IP Phone は ephone-dn の下で number コマンドを使用して設定された内線番号を表示します。ラベル サポート機能を使用すると、ephone-dn ごとに意味のあるテキストを入力できるので、複数回線を持つ電話機のユーザが電話番号ではなく名前で回線を選択でき、社内の電話ディレクトリを調べる必要がなくなります。
要約手順
1. ephone-dn dn-tag
2. label label-string
3. exit
4. ephone phone-tag
5. restart
6. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
ephone-dn dn-tag
Router(config)# ephone-dn 1 |
ephone-dn 設定モードを開始します。 • dn-tag :ラベルの関連付け対象となる ephone-dn を識別する固有のシーケンス番号。 |
ステップ 2 |
label label-string
Router(config-ephone-dn)# label user1 |
この ephone-dn に関連付けられた回線ボタンの横に表示されるカスタム ラベルを作成します。この ephone-dn に関連付けられていたデフォルト ラベルは、カスタム ラベルに置き換えられます。 • label-string :ラベル テキストとして表示される英数字の文字列。最大 30 文字まで指定できます。 |
ステップ 3 |
exit
Router(config-ephone-dn)# exit |
ephone-dn 設定モードを終了します。 |
ステップ 4 |
ephone phone-tag
Router(config)# ephone 1 |
ephone 設定モードを開始します。 • phone-tag :新しいラベルを識別する ephone の固有のシーケンス番号。 |
ステップ 5 |
restart
Router(config-ephone)# restart |
この ephone の高速リブートを実行します。更新情報を取得するために DHCP または TFTP サーバには連携しません。 |
ステップ 6 |
exit
Router(config-ephone)# exit |
ephone 設定モードを終了します。 |
例
次の例では、2 つの ephone-dn に対してテキスト ラベルを作成します。
モニタ ランプおよびダイレクト ステーション選択
マルチボタン電話機および拡張モジュールでは、他の電話機と共有される回線のボタンをモニタ ボタンとして指定できます。モニタ ボタンは、主に、別の電話機にも表示される回線の状況を示すために作成されます。共有回線が別の電話機で使用中である場合は、その回線のモニタ ボタン用のコンソール ディスプレイで、電話機のアイコンに X が付けられます。一方、アイドル状態の回線は、受話器がオンフックの位置にある電話機のアイコンで示されます。通常の共有回線の回線ボタンとは異なり、モニタ ボタンを使用して発信することはできません。Private Branch Exchange(PBX; 構内交換機)では、この機能は「モニタ ランプ」と呼ばれます。
監視されている回線がアイドルである場合、モニタ ボタンを押すと、その回線が短縮ダイヤルされます。この機能は、「高速転送」または「ダイレクト ステーション選択」と呼ばれる場合もあります。
モニタ ランプ機能は、button コマンドの m キーワードを使用して設定します。この機能は、1 つまたは 2 つの Cisco IP Phone 7914 モジュールを備えた Cisco IP Phone 7960 など、任意のマルチボタン IP Phone で設定できます。電話機は、モニタ機能を使用する各内線の共有回線で設定します。
要約手順
1. ephone phone-tag
2. button button-number { m } dn-tag [[ button-number { m } dn-tag ]...]
3. restart
4. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
ephone phone-tag
Router(config)# ephone 1 |
ephone(Ethernet Phone)設定モードを開始します。 • phone-tag :モニタ モードでボタンを追加する電話機を識別する固有のシーケンス番号。 |
ステップ 2 |
button button-number { m } dn-tag [[ button-number { m } dn-tag ]...]
Router(config-ephone)# button 1m22 2m23 |
m キーワードをセパレータとして指定してこのコマンドを実行すると、ephone-dn がモニタ モードで回線ボタンに割り当てられます。 • button-number :電話機のボタンの番号。初期値は 1 で、電話機の一番上にあるボタンから順に番号が付けられています。 • m :内線番号がモニタ内線番号であることを示すセパレータ。 • dn-tag :この電話機で監視する内線番号の ephone-dn タグ(シーケンス番号)。この ephone-dn タグは、別の電話機のボタンにも割り当てる必要があります。これは共有 ephone-dn です。 このコマンドで使用するその他の引数およびキーワードについては、『 Cisco CallManager Express 3.2 Command Reference』を参照してください。 |
ステップ 3 |
restart
Router(config-ephone)# restart |
この ephone の高速リブートを実行します。更新情報を取得するために DHCP または TFTP サーバには連携しません。 |
ステップ 4 |
exit
Router(config-ephone)# exit |
ephone 設定モードを終了します。 |
例
次の例では、回線 1 ~ 4 が着信 PSTN 回線を表し、回線 5 と 6 が監視される内線番号を表します。
button 1:10 2:11 3:12 4:13 5m21 6m22
サイレント呼び出し
サイレント呼び出し機能を使用すると、コールが着信したときに可聴呼び出し音を鳴らさない電話ボタンを指定できます。この機能はすべてのタイプの電話機でサポートされていますが、通常は Cisco IP Phone 7960 や Cisco IP Phone 拡張モジュール 7914 にある共有回線のアクティビティの表示に使用する電話ボタンで最も役に立ちます。
サイレント呼び出し機能を有効にすると、着信コールを知らせるために、電話機のディスプレイで ((< アイコンが点滅し、受話器の赤いライトが点滅します。Cisco IP Phone 拡張モジュール 7914 では、コールが着信すると黄色のライトも点滅します。サイレント呼び出しを設定した回線では、2 番目のコールを着信したときにコール ウェイティング ビープ音を生成するかしないかを指定できます。
回線ボタンの設定でリンガー オプション s または b が指定されている場合は、サイレント呼び出し機能が有効になります。
要約手順
1. ephone phone-tag
2. button button-number { b | s } dn-tag [[ button-number { b | s } dn-tag ]...]
3. restart
4. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
ephone phone-tag
Router(config)# ephone 4 |
ephone(Ethernet Phone)設定モードを開始します。 • phone-tag :サイレント モードでボタンを追加する電話機を識別する固有のシーケンス番号。 |
ステップ 2 |
button button-number { b | s } dn-tag [[ button-number { b | s } dn-tag ]...]
Router(config-ephone)# button 1b10 2b11 3s12 |
b キーワードまたは s キーワードを指定してこのコマンドを実行すると、ephone-dn がサイレント モードで回線ボタンに割り当てられます。 • button-number :電話機のボタンの番号。初期値は 1 で、電話機の一番上にあるボタンから順に番号が付けられています。 • b :呼び出し音は鳴らさず、ビープ音を生成します。コールが着信した場合、可聴呼び出し音は鳴りませんが、コール ウェイティング ビープ音が生成されます。アイコンやライトの表示は、通常の呼び出しの場合と同じです。 • s :サイレント呼び出し。コールが着信した場合、可聴呼び出し音は鳴らず、また、コール ウェイティング ビープ音も生成されません。アイコンやライトの表示は、通常の呼び出しの場合と同じです。 • dn-tag :この電話でサイレント呼び出しの割り当て対象となる内線番号の ephone-dn タグ(シーケンス番号)。 このコマンドで使用するその他の引数およびキーワードについては、『 Cisco CallManager Express 3.2 Command Reference』を参照してください。 |
ステップ 3 |
restart
Router(config-ephone)# restart |
この ephone の高速リブートを実行します。更新情報を取得するために Dynamic Host Configuration Protocol (DHCP; ダイナミック ホスト コンフィギュレーション プロトコル)または TFTP サーバには連携しません。 |
ステップ 4 |
exit
Router(config-ephone)# exit |
ephone 設定モードを終了します。 |
例
次の例では、ボタン 1 と 2 でコール ウェイティング ビープ音を生成するサイレント呼び出しを設定し、ボタン 3 でサイレント呼び出しを設定します。
保留コール通知
このサービスを使用すると、コールが保留中であることを IP Phone ユーザに通知する可聴アラームを追加できます。この機能は主にアテンダントによる使用を目的としていますが、すべての IP Phone で使用できます。
要約手順
1. ephone-dn dn-tag
2. hold-alert timeout { idle | originator | shared }
3. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
ephone-dn dn-tag
Router(config)# ephone-dn 11 |
ephone-dn 設定モードを開始します。 • dn-tag :保留アラート機能の割り当て対象となる ephone-dn を識別する固有のシーケンス番号。 |
ステップ 2 |
hold-alert timeout { idle | originator | shared }
Router(config-ephone-dn)# hold-alert 15 idle |
保留コールについてユーザに通知するために Cisco IP Phone で可聴アラート通知を設定します。 timeout 引数は、コールが保留にされてから保留を知らせる可聴アラートが生成されるまでの時間間隔を秒単位で指定します。このアラートは、 timeout で指定された時間が経過した後に繰り返されます。 • idle :アイドル状態である IP Phone でコールが保留にされた場合に 1 秒のバースト呼び出し音を生成します。電話機がアクティブである場合、保留アラートは生成されません。 • originator :アイドル状態である電話機でコールが保留にされた場合に 1 秒のバースト呼び出し音を生成します。電話機が別のコールで使用されている場合は、可聴ビープ音(コール ウェイティング トーン)が生成されます。
(注) 保留中のコールの発信者から見ると、originator キーワードと shared キーワードの機能に違いはありません。
• shared :同じ回線表示を共有するアイドル状態の電話機すべてに対して 1 秒のバースト呼び出し音を生成します。電話機が使用中である場合は、可聴ビープ音は聞こえません。コールを開始した電話機が別のコールで使用されている場合は、その電話機でのみコール ウェイティング ビープ音が生成されます。 |
ステップ 3 |
exit
Router(config-ephone-dn)# exit |
ephone-dn 設定モードを終了します。 |
例
次の例では、アイドル状態の電話機で、コールが保留中であることを通知する可聴バースト呼び出し音を 10 秒ごとに生成します。
夜間サービス
夜間サービス機能を使用すると、指定した夜間サービスの時間帯にコールが着信した場合にほかの電話機に通知を行う内線番号(ephone-dn)を指定できます。電話機ユーザは、コール ピックアップ機能が設定された電話でそのコールに応答できます。
夜間サービスを使用すると、夜間に勤務する従業員が、不在の受け付け担当者の電話機にかかってきたコールを代行受信し、そのコールを自分の電話機にリダイレクトして応答できます。Cisco CME システムへの Public Switched Telephone Network(PSTN; 公衆電話交換網)接続は Direct Inward Dialing(DID; ダイヤルイン方式)をサポートしていないので、この機能は、すべての着信 PSTN コールを受け付け担当者が転送する必要がある場合に便利です。夜間サービス時間として指定された時間帯に不在の受け付け担当者の電話機にコールが着信すると、着信コール用に指定された一連の電話機でバースト呼び出し音が鳴ります。指定された電話機のすべてにおいて、コール ピックアップ機能を使用してコールを代行受信できます。コールが応答または中止されるまで、夜間サービス コール通知が 12 秒ごとに送信されます。必要な設定はありません。
夜間サービスは、夜間サービス回線として指定された任意の電話機から手動でオンとオフを切り換えることができます。夜間サービスがアクティブである場合は、メッセージが夜間サービス電話に表示されます。
夜間サービス機能を使用するには、次のパラメータを定義する必要があります。
1. 夜間サービスの時間帯:夜間サービスをアクティブにする曜日または日付と時刻。詳細については、詳細手順のステップ 2 および 3 を参照してください。
2. 夜間サービスで使用する内線番号(ephone-dn):夜間サービスの時間帯に夜間サービス用の内線番号に着信コールがあると、夜間サービス通知が起動します。夜間サービスを設定する ephone-dn を定義し、ephone-dn が表示される ephone を指定する方法の詳細については、詳細手順のステップ 6 ~ 8 を参照してください。
3. 夜間サービスで使用する電話機(ephone):夜間サービスの時間帯に夜間サービス回線に着信コールがあると、夜間サービス電話機で特有の呼び出し音が鳴ります。夜間サービス電話機のユーザは、コール ピックアップまたはグループ コール ピックアップを使用してコールに応答します。夜間サービス通知を電話機に割り当てる方法の詳細については、詳細手順のステップ 9 ~ 11 を参照してください。夜間サービス通知が割り当てられた電話機では、夜間サービス内線番号に着信コールがあると、特有の呼び出し音が鳴り、通知が表示されます。
4. (オプション)夜間サービスの切り替えコード:夜間サービスに回線を割り当てられた各電話機から夜間サービス処理を手動でオンまたはオフに切り替えるためのコード。夜間サービスの切り替えコードを定義する方法の詳細については、詳細手順のステップ 4 を参照してください。
図 32 に、夜間サービスの図を示します。
図 32 夜間サービス
要約手順
1. telephony-service
2. night-service day day start-time stop-time
3. night-service date month date start-time stop-time
4. night-service code digit-string
5. exit
6. ephone-dn dn-tag
7. night-service bell
8. exit
9. ephone phone-tag
10. night-service bell
11. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
telephony-service
Router(config)# telephony-service |
telephony-service 設定モードを開始します。 |
ステップ 2 |
night-service day day start-time stop-time
Router(config-telephony-service)# night-service day mon 19:00 07:00 |
夜間サービスをアクティブにする時間帯を曜日で定義します。 • day :曜日の省略形。使用できる曜日の省略形は、 sun 、 mon 、 tue 、 wed 、 thu 、 fri 、および sat です。 • start-time stop-time :夜間サービスの開始時刻と終了時刻。24 時間単位の HH:MM 形式で指定します。開始時刻よりも小さい値を終了時刻として指定すると、終了時刻は夜間サービス開始日の翌日のその時刻になります。たとえば、「mon 19:00 07:00」は、「月曜日の午後 7 時に開始して火曜日の午前 7 時に終了する」ことを意味します。 |
ステップ 3 |
night-service date month date start-time stop-time
Router(config-telephony-service)# night-service date jan 1 00:00 00:00 |
夜間サービスをアクティブにする時間帯を月と日で定義します。 • month :月の省略形。使用できる月の省略形は、 jan 、 feb 、 mar 、 apr 、 may 、 jun 、 jul 、 aug 、 sep 、 oct 、 nov 、および dec です。 • date :日付の値。値の範囲は 1 ~ 31 です。 • start-time stop-time :夜間サービスの開始時刻と終了時刻。24 時間単位の HH:MM 形式で指定します。終了時刻には、開始時刻よりも大きな値を指定する必要があります。値 24:00 は無効です。終了時刻に 00:00 を入力すると、23:59 に変更されます。開始時刻と終了時刻の両方に 00:00 を入力すると、指定した日は 24 時間通してコールがブロックされます。 |
ステップ 4 |
night-service code digit-string
Router(config-telephony-service)# night-service code *7898 |
夜間サービスに割り当てられた電話機ですべての回線に対して夜間サービスのオンとオフを切り換えるために、夜間サービス回線(ephone-dn)からダイヤルするコードを指定します。コードの最初の文字はアスタリスク(*)にする必要があります。夜間サービスの状態は、アクティブな夜間サービス回線のある電話機に表示されるメッセージに示されます。 |
ステップ 5 |
exit
Router(config-telephony-service)# exit |
telephony-service 設定モードを終了します。 |
ステップ 6 |
ephone-dn dn-tag
Router(config)# ephone-dn 55 |
ephone-dn 設定モードを開始し、夜間サービス処理を受信する ephone-dn を定義します。 • dn-tag :夜間サービス処理を受信する ephone-dn を識別する固有のシーケンス番号。 |
ステップ 7 |
night-service bell
Router(config-ephone-dn)# night-service bell |
夜間サービス処理用にこの ephone-dn をマーキングします。夜間サービスの時間帯に、ここで指定する ephone-dn に着信コールがあると、夜間サービス呼び出し音通知を受信するようにマーキングされたすべての IP Phone にアラート通知が送信されます。 |
ステップ 8 |
exit
Router(config-ephone-dn)# exit |
ephone-dn 設定モードを終了します。 |
ステップ 9 |
ephone phone-tag
Router(config)# ephone 12 |
ephone 設定モードを開始します。これは、夜間サービスの時間帯に、夜間サービスで使用する内線番号に着信コールがあった場合に通知を受ける電話機です。 • phone-tag :夜間サービス用の電話機として指定する電話機の固有のシーケンス番号。 |
ステップ 10 |
night-service bell
Router(config-ephone)# night-service bell |
夜間サービスの時間帯に、夜間サービス用にマーキングされた ephone-dn に着信コールがあった場合に、夜間サービス呼び出し音通知を受信するよう、この電話機をマーキングします。アラート通知は、IP Phone 上の個々の回線や ephone-dn 回線番号の表示とは関連しないスプラッシュ呼び出し音です。電話機ユーザは、[ピック] ソフトキーまたは [Gピック] ソフトキーを押してコールをピックアップします。 |
ステップ 11 |
exit
Router(config-ephone)# exit |
ephone 設定モードを終了します。 |
例
次の例では、月曜日から金曜日の午前 8 時以前と午後 5 時以降、土曜日の午前 8 時以前と午後 1 時以降、および日曜日の終日、夜間サービスを設定します。内線番号 1000 は、夜間サービス用の内線番号として指定されています。つまり、夜間サービスの時間帯に内線番号 1000 に着信コールがあると、内線番号 1000 で呼び出し音が鳴り、夜間サービス電話機として指定された各電話機に夜間サービス通知が送信されます。この例では、夜間サービス電話機は ephone 14 および ephone 15 です。夜間サービス通知は、電話機での 1 回の呼び出し音と「ヤカンサービス 1000」という表示によって行われます。
この例では、月曜日の午後 7 時半の内線番号 1000 へのコールが ephone 5 で正常に鳴り、ephones 14 および ephone 15 へ夜間サービス通知が送信されます。
night-service day mon 17:00 08:00
night-service day tue 17:00 08:00
night-service day wed 17:00 08:00
night-service day thu 17:00 08:00
night-service day fri 17:00 08:00
night-service day sat 13:00 12:00
night-service day sun 12:00 08:00
mac-address 1111.2222.0001
mac-address 1111.2222.0002
mac-address 1111.2222.0003
IVR 自動アテンダント
Interactive Voice Response(IVR; 対話式音声自動応答)自動アテンダント メカニズムは、Plain Old Telephone Service(POTS; 一般電話サービス)を介して設定されたアナログ電話機や ephone-dn 仮想 FXS ポートを介して設定された Cisco IP Phone など、Foreign Exchange Office(FXO)ポートでの着信コールの処理と Foreign Exchange Station(FXS)ポートでの発信コールの処理をサポートします。Tool Command Language(TCL)スクリプトは、記録済みのオーディオ プロンプト(welcome、phone number、store hours、および store locations など)の再生、ディジットの収集、コールの発信を実行できるアプリケーションに指示を与えるために使用されます。TCL スクリプトで使用されるオーディオ プロンプトは、Cisco CME ルータ フラッシュ メモリにダウンロードする必要があります。また、オーディオ ファイル(.au)の形式は 8 ビット、mu-law、8kHz 符号化である必要があります。
自動アテンダント TCL スクリプトのサンプルは、Cisco CME ソフトウェア サイトからダウンロードできます。アプリケーション スクリプトのカスタマイズが必要な場合は、
developer-support@cisco.com の Developer Support グループに連絡してください。これは有料サービスです。
また、独自で TCL スクリプトを開発することに興味がある場合は、Cisco Developer Support Program に参加することもできます。この有料サービスでは、一貫したレベルのサポートと、シスコシステムズから入手可能な Online Case トラッキング ツールを使用して問題を公開、更新、追跡するための簡単なプロセスを提供します。
(注) Cisco Developer Support Program に参加するには、サポート契約書に署名する必要があります。この契約書の内容を確認する場合やこの契約書に署名する場合は、
http://www.cisco.com/warp/public/570/index.html を参照するか、developer-support@cisco.com に連絡してください。
IVR スクリプトと TCL スクリプトについては、『 Cisco IOS Tcl and VoiceXML Application Guide』を参照してください。
IVR 自動アテンダント アプリケーションのサンプル
この項では、Cisco CME ソフトウェア ダウンロード サイトで入手できる IVR 自動アテンダント アプリケーションのスクリプトのサンプルを使用する方法について説明します。
自動アテンダント アプリケーションのサンプルをインストールするには、次のアクションを実行します。
1. TFTP サーバにファイル アーカイブをダウンロードします。詳細については、「 前提条件 」の項を参照してください。
2. アーカイブのファイルを解凍し、それらをフラッシュ メモリにコピーします。詳細については、「詳細手順」のステップ 1 を参照してください。
3. 自動アテンダント アプリケーション用のパラメータを設定します。詳細については、「詳細手順」のステップ 2 ~ステップ 6 を参照してください。
4. 適切なダイヤルピアにアプリケーションを割り当てます。詳細については、「詳細手順」のステップ 7 ~ステップ 9 を参照してください。
(注) 自動アテンダント スクリプトとオーディオ プロンプトのサンプルは英語のものしか用意されていませんが、他の言語用にカスタマイズすることもできます。また、サンプル スクリプトは着信コールのみをサポートしていますが、発信コール用のカスタム スクリプトを作成することもできます。
前提条件
自動アテンダント アプリケーション スクリプトとオーディオ ファイルのサンプルは、次のファイル アーカイブに含まれています。このファイル アーカイブは、Cisco CME ソフトウェア ダウンロード サイト( http://www.cisco.com/cgi-bin/tablebuild.pl/ip-iostsp )で入手できます。
• cme-aa-2.0.1.tar(またはそれ以降のバージョン)
(注) 自動アテンダント ファイルのサンプルには、Cisco IOS Release 12.2(15)ZJ3、Cisco IOS
Release 12.3(4)T、またはそれ以降のリリースが必要です。
要約手順
1. archive tar /xtract source-url flash: /file-url
2. call application voice application-name flash: tcl-filename
3. call application voice application-name language digit language-code
4. call application voice application-name aa-pilot pilot-number
5. call application voice application-name operator operator-number
6. call application voice application-name set-location language category file-location
7. dial-peer voice tag pots
または
dial-peer voice tag voip
8. application application-name
9. exit
10. 自動アテンダントに送信すべき着信コールを受信するダイヤルピアが他にもある場合は、ステップ 7 ~ 9 を繰り返します。
詳細手順
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ステップ 1 |
archive tar /xtract source-url flash:
Router(config)# archive tar /xtract tftp://192.168.1.1/cme-aa.2.0.1.tar flash: |
自動アテンダント ファイル アーカイブのサンプルにあるファイルを解凍し、それらをフラッシュ メモリにコピーします。自動アテンダント ファイル アーカイブのサンプルには、次のファイルが含まれています。 • its_Cisco.2.0.1.0.tcl • en_welcome.au • en_enter_dest.au • en_reenter_dest.au • en_dest_busy.au • en_disconnect.au • en_dest_unreachable.au |
ステップ 2 |
call application voice application-name flash: tcl-filename
Router(config)# call application voice autoatt flash:its_Cisco.2.0.1.0.tcl |
ボイス アプリケーションの名前を定義し、このアプリケーション用にロードする TCL または VoiceXML ドキュメントの場所を指定します。 • application-name :後続のコマンドでこのアプリケーションに使用する任意の名前。この例では、アプリケーションに「autoatt」という名前を割り当てます。この名前は、このアプリケーションを参照する後続のすべてのコマンドで使用されます。 • flash: tcl-filename :アプリケーション名に関連付ける自動アテンダント スクリプトの場所とファイル名。 |
ステップ 3 |
call application voice application-name language digit language-code
Router(config)# call application voice autoatt language 1 en |
自動アテンダント アプリケーションで使用するダイナミック プロンプトの言語を指定します。 • application-name :ステップ 2 で自動アテンダント アプリケーションに割り当てた名前。 • digit :オーディオ ファイルで使用する言語を識別する番号。任意の番号で任意の言語を表すことができます。プライマリ言語を示す場合は 1、セカンダリ言語を示す場合は 2 を入力します。値の範囲は 0 ~ 9 です。 • language-code :関連するオーディオ ファイルの言語を示す 2 文字のコード。有効なエントリは次のとおりです。 – en :英語 – sp :スペイン語 – ch :標準中国語 – aa :すべて
(注) 自動アテンダント スクリプトとオーディオ プロンプトのサンプルは英語のものしか用意されていません。その他の言語を使用する場合は、スクリプトとプロンプトをカスタマイズする必要があります。
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ステップ 4 |
call application voice application-name aa-pilot pilot-number
Router(config)# call application voice autoatt aa-pilot 52222 |
自動アテンダントのパイロット番号(ダイヤルすると自動アテンダントにつながる番号)にする内線番号を指定します。 • application-name :ステップ 2 で自動アテンダント アプリケーションに割り当てた名前。 • pilot-number :ルータで定義された内線番号。詳細については、TCL スクリプトに付属の ReadMe ファイルを参照してください。 |
ステップ 5 |
call application voice application-name operator operator-number
Router(config)# call application voice autoatt operator 53694 |
自動アテンダントのオペレータ番号(発信者が実際のオペレータと話すことを選択した後に転送される先の番号)にする内線番号を指定します。 • application-name :ステップ 2 で自動アテンダント アプリケーションに割り当てた名前。 • operator-number :ルータで定義された内線番号またはダイヤルピア番号。詳細については、TCL スクリプトに付属の ReadMe ファイルを参照してください。 |
ステップ 6 |
call application voice application-name set-location language-code category file-location
Router(config)# call application voice autoatt en 0 flash: |
指定された IVR アプリケーションによってダイナミック プロンプトに使用されるオーディオ ファイルのカテゴリと場所を定義します。 • application-name :ステップ 2 で自動アテンダント アプリケーションに割り当てた名前。 • language-code :関連するオーディオ ファイルの言語を示す 2 文字のコード。有効なエントリは次のとおりです。 – en :英語 – sp :スペイン語 – ch :標準中国語 – aa :すべて
(注) 自動アテンダント スクリプトとオーディオ プロンプトのサンプルは英語のものしか用意されていません。その他の言語を使用する場合は、スクリプトとプロンプトをカスタマイズする必要があります。
• category :オーディオ ファイルのカテゴリ グループ(0 ~ 4)。たとえば、月日を表すオーディオ ファイルをカテゴリ 1、通貨単位を表すオーディオ ファイルをカテゴリ 2、時間の単位(秒、分、時)を表すオーディオ ファイルをカテゴリ 3 と定義できます。 • file-location :オーディオ プロンプトに使用されるファイルの URL。有効な URL は、TFTP サーバ、FTP サーバ、HTTP サーバ、RTSP サーバ、フラッシュ メモリ、または Cisco 3600 シリーズのリムーバブル ディスクの URL です。 |
ステップ 7 |
dial-peer voice tag pots または dial-peer voice tag voip
Router(config)# dial-peer voice 24 pots または
Router(config)# dial-peer voice 233 voip |
アプリケーションを割り当てるダイヤルピア用に、dial-peer 設定モードを開始します。
(注) 自動アテンダント スクリプトのサンプルは、別の目的でカスタマイズされない限り、着信ダイヤルピアでコールを処理するために使用されます。詳細については、スクリプトに付属の ReadMe ファイルを参照してください。
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ステップ 8 |
application application-name
Router(config-dial-peer)# application autoatt |
ダイヤルピアに TCL IVR アプリケーションを割り当てます。 |
ステップ 9 |
exit
Router(config-dial-peer)# exit |
dial-peer 設定モードを終了します。 |
ステップ 10 |
自動アテンダントに送信すべき着信コールを受信するダイヤルピアが他にもある場合は、ステップ 7 ~ 9 を繰り返します。 |
自動アテンダント アプリケーションのサンプルを、着信コールを受信した場合に自動アテンダントにつなぐ音声ポートに関連付けられたダイヤルピアに割り当てます。あるいは、BRI および PRI の場合は、自動アテンダント アプリケーションのサンプルを、着信コールを受信した場合に自動アテンダントにつなぐ番号に関連付けられたダイヤルピアに割り当てます。 |
例
次の例では、名前「autoatt」を使用して、着信音声ポート 2/0 および 2/1 に関連付けられたダイヤルピアで自動アテンダント アプリケーションのサンプルを有効にします。これらの音声ポートを介して着信したコールは、自動アテンダントのパイロット番号である内線 52222 に転送されます。
call application voice autoatt flash:its_Cisco.2.0.1.0.tcl
call application voice autoatt language 1 en
call application voice autoatt aa-pilot 52222
call application voice autoatt operator 53694
call application voice autoatt en 0 flash:
次の例では、着信 BRI および PRI に対して自動アテンダント アプリケーションのサンプルを有効にします。アプリケーションに名前「autoatt」を指定し、内線番号 50000 に関連付けられたダイヤルピアにこのアプリケーションを割り当てます。ポート 2/0:23 および DID 番号 50000 への着信コールは、自動アテンダントのパイロット番号である内線 52222 に転送されます。その他の内線番号へ直接ダイヤルされた着信コールは、自動アテンダントへは送信されません。
call application voice autoatt flash:its_Cisco.2.0.1.0.tcl
call application voice autoatt language 1 en
call application voice autoatt aa-pilot 52222
call application voice autoatt operator 53694
call application voice autoatt en 0 flash:
dial-peer voice 2001 pots
incoming called-number 50000