Cisco CME システムでの電話機の設定について
この章では、Cisco CME システム内の電話機を稼働させるのに必要な 3 つの基本作業について説明します。
1. 「Cisco CME パラメータの指定」
この作業では、Cisco CME システムで内線番号と電話機を設定するための準備をします。Cisco CME セットアップ ツールを使用して初期の内線番号を設定する場合(作業 2)、この作業を実行する必要はありません。
2. 「初期の内線番号と電話機の設定」
この作業では、初期の内線番号と電話機を設定します。後で内線番号と電話機を追加または変更するには、Cisco CME グラフィカル ユーザ インターフェイス(GUI)またはルータ コマンドライン インターフェイス(CLI)を使用します。
この作業を実行する方法には、次の 3 つがあります。
• 自動(Cisco CME セットアップ ツールを使用)
• 半自動( auto assign コマンドを使用)
• 手動(ルータ CLI を使用)
3. 「電話機関連パラメータの指定」
この作業を行うと、Cisco CME 電話機を最初に設定するときに必要となる各種の必須パラメータおよびオプション パラメータを定義できます。
また、この章には次の情報も記載されています。
• 設定の変更後に電話機をリブートする方法(「Cisco CME 電話機のリセットおよび再起動」を参照)
• 設定を確認する方法(「Cisco CME 電話機の設定の確認」を参照)
• 設定例(「Cisco CME システムでの電話機の設定例」を参照)
Cisco CME パラメータの指定
(注) Cisco CME セットアップ ツールを使用する場合、この項の作業を実行する必要はありません。「Cisco CME セットアップ ツールを使用した電話機の自動設定」に進んでください。
この作業では、コマンドによって eXtensible Markup Language(XML)電話設定ファイルを識別および変更し、IP Phone がオンラインへの移行時やリブート時に、自動的にデフォルト ファイルを探して自己設定できるようにします。この作業の最後に、すべての電話機をリセットします。リセットすると、電話機は新しいファームウェア ファイルを要求します。
Cisco ITS V2.1 では、IP Phone に対して XML 設定ファイルを使用するようになっています。IP Phone のタイプごとに 1 つの共有デフォルト XML 設定ファイルが存在します。IP Phone はオンラインへの移行時やリブート時に、適切なデフォルト設定ファイルから自己情報を自動的に取得します。オンラインに移行する電話機は、電話機タイプに基づいてファイル名のエイリアスを使用します。このエイリアスは、Cisco CME ルータが自動的に検出するか、ユーザが ephone 設定モードでの type コマンドで指定します。 type コマンドが必須になるのは、ATA 電話機を使用する場合、または Cisco IP Phone 7914 拡張モジュールを 1 つまたは 2 つ追加している IP Phone を使用する場合だけです。
Cisco ITS V2.1、Cisco CME 3.0、およびそれ以降のバージョンでは、XML 設定ファイルが system:/its/ に移動されました。旧バージョンの ITS で使用されていた flash:SEPDEFAULT.cnf というファイルは、現在は使用されていませんが、古い電話機ファームウェアからのアップグレードをサポートするために、system:/its/SEPDEFAULT.cnf として保持されています。
Cisco CME システムでは、IP Phone は自分の初期設定情報と電話機ファームウェアを、Cisco CME ルータに関連付けられた TFTP サーバから受信します。ほとんどの場合、電話機は自分の TFTP サーバの IP アドレスを取得する際に、Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP; ダイナミック ホスト コンフィギュレーション プロトコル)の option 150 コマンドを使用します。Cisco CME が動作するには、Cisco IP Phone で取得する TFTP サーバ アドレスが Cisco CME ルータ IP アドレスを指している必要があります。Cisco IP Phone は、XmlDefault.cnf.xml という設定ファイルの転送を試みます。このファイルは、 ip source-address コマンドにより Cisco CME ルータによって自動的に生成され、ルータのメモリに配置されます。XmlDefault.cnf.xml ファイルには、電話機が Skinny Client Control Protocol(SCCP)を使用してサービスを登録するために使用する IP アドレスが含まれています。この IP アドレスは、有効な Cisco CME ルータ IP アドレス(ルータ TFTP サーバ アドレスと同じ場合がある)に対応している必要があります。
同様に、ATA-186 などの Analog Telephone Adaptor(ATA; アナログ電話アダプタ)は、Cisco CME ルータに接続されると、TFTP サーバの XMLDefault.cnf.xml ファイルからごく基本的な設定情報とファームウェアを受信します。ルータで tftp-server コマンドを使用して、XMLDefault.cnf.xml ファイルへのアクセス権を付与する必要があります。XMLDefault.cnf.xml ファイルは、ip source-address コマンドにより Cisco CME ルータによって自動的に生成され、ルータのフラッシュ メモリに配置されます。
要約手順
1. tftp-server flash: filename
2. telephony-service
3. max-ephones max-phones
4. max-dn max-directory-numbers
5. load phone-type firmware-file
6. ip source-address ip-address [ port port ] [ any-match | strict-match ]
7. create cnf-files
8. keepalive seconds
9. reset all [ time-interval ]
10. exit
11. すべての電話機がアップグレードされたことを確認します。
詳細手順
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ステップ 1 |
tftp-server flash: filename
Router(config)# tftp-server flash:P00303020214.bin |
Cisco CME ルータが、指定されたファイルへの TFTP アクセス権を、ルータで管理する IP Phone に付与できるようになります。
(注) 電話機のバージョンは、電話機ファーム ウェア ファイル名から取得されます。たとえば、[03 02 02 09] は電話機のバージョン 3.2(2.9) に相当します。
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ステップ 2 |
telephony-service
Router(config)# telephony-service |
telephony-service 設定モードを開始します。 |
ステップ 3 |
max-ephones max-phones
Router(config-telephony-service)# max-ephones 24 |
このルータでサポートする Cisco IP Phone の最大数を設定します。電話機の最大数は、プラットフォームおよびバージョンに依存します。CLI のヘルプを参照してください。 |
ステップ 4 |
max-dn max-directory-numbers
Router(config-telephony-service)# max-dn 48 |
このルータでサポートする内線番号(ephone-dn)の最大数を設定します。内線番号の最大数は、プラットフォームおよびバージョンに依存します。CLI のヘルプを参照してください。 |
ステップ 5 |
load phone-type firmware-file
Router(config-telephony-service)# load 7960-7940 P00303020214 |
指定された Cisco IP Phone タイプの電話機が登録時に使用する Cisco IP Phone ファームウェア ファイルを指定します。 • phone-type :IP Phone のタイプ。有効なエントリについては、CLI のヘルプを参照してください。 • firmware-file :電話機ファームウェアのファイル名(ファイル名拡張子は付けない)
(注) 特定の電話機タイプ用にロードする ファームウェア ファイルが 384KB を超えている場合は、最初にその電話機タイプに対応する 384KB 以下のファイルをロードしてから、目的のファイルをロードしてください。
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ステップ 6 |
ip source-address ip-address [ port port ] [ any-match | strict-match ]
Router(config-telephony-service)# ip source-address 10.16.32.144 |
Cisco CME ルータが IP Phone の登録に使用する IP アドレスとポート番号を指定します。デフォルト ポートは 2000 です。 • any-match :(オプション)登録のための完全な IP アドレス チェックを無効にします。これはデフォルトです。 • strict-match :(オプション)電話機が使用する IP サーバ アドレスが送信元アドレスと完全一致しない場合は IP Phone の登録を拒否するようルータに指定します。 |
ステップ 7 |
create cnf-files
Router(config-telephony-service)# create cnf-files |
Cisco CME 電話機に必要な XML 設定ファイルを作成します。 |
ステップ 8 |
keepalive seconds
Router(config-telephony-service)# keepalive 45 |
(オプション) Cisco IP Phone からルータにキープアライブ メッセージを送信するときの時間間隔(秒数)を設定します。通常はデフォルトのままで十分です。設定する間隔が大きすぎると、システム ダウンの発生時に通知が遅れる可能性があります。 • seconds :値の範囲は 10 ~ 65535 です。デフォルトは 30 です。 |
ステップ 9 |
reset { all [ time-interval ] | cancel | mac-address | sequence-all }
Router(config-telephony-service)# reset all |
Cisco CME ルータに関連付けられた 1 台またはすべての IP Phone の高速リブートを実行します。リセットすると、IP Phone は自分の電話機タイプに関連付けられた電話機ファームウェア ファイルを要求します。 • all :すべての電話機をリセットします。 • time-interval :(オプション)各電話機をリセットするときの時間間隔(秒数)。値の範囲は 0 ~ 60 です。デフォルトは 15 です。この引数を使用して適切なリセット間隔を設定すると、すべての電話機が同時に TFTP リソースにアクセスすることを回避できます。 • cancel :一連のリセットを中断します。 • mac-address :リセットする電話機の MAC アドレス。 • sequence-all :すべての電話機を完全に 1 台ずつリセットし、1 台の電話機の再登録が完了するまで待機してから次の電話機のリセットを開始します。リセットを順次行うことで、各電話機が同時に TFTP サービスにアクセスして衝突する危険性を回避できます。 |
ステップ 10 |
exit
Router(config-telephony-service)# exit |
telephony-service 設定モードを終了します。 |
ステップ 11 |
すべての電話機がアップグレードされたことを確認します。 |
個々の IP Phone で 設定 ボタンを押し、表示されるバージョン番号を確認します。 ルータから、特定の電話機にロードされるファームウェアのバージョンを確認します。これを行うには、 debug ephone register コマンドを有効にしてから電話機をリセットし、電話機の登録時に生成される StationAlarm 情報メッセージ内の Load パラメータを確認します。 アップグレードに失敗した電話機がある場合は、 reset mac-address コマンドを使用して、個々の電話機を再びリセットします。 |
初期の内線番号と電話機の設定
Cisco CME システムで初期の電話機の設定を作成する方法には、次の 3 つがあります。
• 「Cisco CME セットアップ ツールを使用した電話機の自動設定」
• 「ルータ CLI を使用した半自動設定」
• 「ルータ CLI を使用した手動設定」
Cisco CME セットアップ ツールを使用した自動的な電話機設定は、複数の電話機をまとめて設定する最も簡単な方法です。Cisco CME セットアップ ツールでは、Cisco CME ルータ CLI との対話型インターフェイスを利用できます。ダイアログを完了するとすぐに設定ファイルが作成されます。この方法を使用すると、DHCP サービスおよびルータ IP アドレスも設定されるため、「 Cisco CME システムの設定」の章にあるほとんどの作業を行う必要がなくなります。この方法により、Cisco CME ルータに登録中の各電話機に 1 つの電話番号が割り当てられます。
半自動設定の方法では、 auto assign コマンドを使用することで、指定された範囲の ephone-dn タグ(内線番号のインスタンス)を、Cisco CME ルータに登録中の IP Phone に自動的に配布します。また、この方法では、登録中の各電話機に 1 つの電話番号が割り当てられますが、それ以外のパラメータについては、ルータ コマンドライン インターフェイス(CLI)を使用して手動で入力します。半自動設定の方法を使用する前に、「 Cisco CME システムの設定 」の章に記載されている作業を完了する必要があります。
IP Phone を設定する 3 つ目の方法では、ルータ CLI で個々のコマンドを使用します。各電話機および ephone-dn は、一組ずつ設定されます。この方法が有用になるのは、パラメータのデフォルト値を使用しない場合や、各電話機が回線を共有するキースイッチ形式の操作を行う場合です。この方法で、ほとんどの制御が可能です。手動の設定方法を使用する前に、「 Cisco CME システムの設定」の章に記載されている手動の作業を完了する必要があります。
通常は、自動の方法で電話機の設定の一部を行い、ルータ CLI で残りの設定を行います。たとえば、事前に手動で一連の ephone-dn エントリに特定のパラメータ値を設定しておきます。次に、 auto assign コマンドを使用することで、一連の ephone-dn の中から次に利用可能なものを、ルータに新規登録中の各電話機に自動的に割り当てるよう Cisco CME システムに指定できます。または、Cisco CME セットアップ ツールを使用して、指定された内線番号から始まる一連の ephone-dn エントリを自動的に作成します。次に、同様に auto assign コマンドを使用することで、登録中の電話機に回線を割り当てることができます。いずれの方法を使用した場合も、設定後にルータ CLI を使用して、特定の ephone-dn または電話機に特殊な機能やカスタム パラメータを追加できます。
この章では、ephone-dn および電話機を設定する 3 つの方法をすべて取り上げます。
Cisco CME セットアップ ツールを使用した電話機の自動設定
Cisco CME セットアップ ツールでは、対話型インターフェイスを使用して Cisco CME システム全体を一度に設定できます。
Cisco CME セットアップ ツールを起動するには、 telephony-service setup コマンドを使用します。 setup キーワードを使用しない場合は、ルータ CLI を使用して電話機を 1 台ずつ設定できます
(「ルータ CLI を使用した手動設定」を参照)。 setup キーワードは、ルータの Nonvolatile
Random-Access Memory(NVRAM; 不揮発性 RAM)には格納されません。
Cisco CME セットアップ ツールを使用する場合、一連の質問に対して情報を入力します。実際の設定は、ダイアログ全体が完了して初めて作成されます。最後の質問に回答するまでの間に Ctrl キーを押した状態で C キーを押すと、設定を作成せずに処理を中断できます。
(注) 空でない telephony-service 設定が存在するシステムに対して setup オプションを使用すると、エラー メッセージが表示され、先に no telephony-service コマンドを使用して既存の設定を削除するように指示されます。
前提条件
• 電話機ファームウェア ファイルが Cisco CME ルータのフラッシュ メモリにインストールされている必要があります。
• Cisco CME ルータで NTP が設定されている必要があります(「 Cisco CME システムの設定」の章を参照)。
制約事項
• Cisco CME セットアップ ツールは、 auto assign コマンドを使用して、ephone-dn タグ(シーケンス番号)を電話機と関連付けます。したがって、ここでも 「ルータ CLI を使用した半自動設定」に記載されている制約事項が適用されます。
• Cisco CME セットアップ ツールでキースイッチ モードを使用して回線を自動的に割り当てる場合、各内線番号に 2 つの ephone-dn エントリを割り当てるようにすると、2 つの ephone-dn エントリが単一の電話機に自動的に割り当てられます。
要約手順
1. telephony-service setup
2. exit
3. exit
4. show running-config
詳細手順
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ステップ 1 |
telephony-service setup
Router(config)# telephony-service setup |
setup オプションを使用して telephony-service 設定モードを開始して、Cisco CME セットアップ ツールを自動的に起動します。
(注) 表 3 に、セットアップ ダイアログの質問に関する情報を示します。
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ステップ 2 |
exit
Router(config-telephony-service)# exit |
Cisco CME の設定を完了した後に、telephony-service 設定モードを終了します。 |
ステップ 3 |
exit
Router(config)# exit |
global 設定モードを終了します。 |
ステップ 4 |
show running-config
Router# show running-config |
実行設定が表示されるため、Cisco CME セットアップ ツールで作成された DHCP サーバ、テレフォニー サービス、および ephone-dn の設定値を確認できます。 |
Cisco CME セットアップ ツールのダイアログ
telephony-service setup コマンドを入力すると、Cisco CME セットアップ ツールにより、Cisco CME システムの自動設定に必要な情報を入力するよう求められます。 表 3 は、プロンプトの内容と、ユーザが要求する情報を示しています。
表 3 Cisco CME セットアップ ツールのダイアログ プロンプト
Cisco CME セットアップ ツールのプロンプト
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Do you want to setup DHCP service for your IP phones? [yes/no]:
yes を回答した場合、次のプロンプトが表示されます。 IP network for telephony-service DHCP Pool: Subnet mask for DHCP network : TFTP Server IP address (Option 150) : Default Router for DHCP Pool : |
• yes は、Cisco CME ルータを DHCP サーバとして機能するように設定します。この設定によって、ルータは IP アドレスを IP Phone に自動的に割り当て、電話機が使用するデフォルトのゲートウェイ アドレスおよび TFTP IP アドレスをプロビジョニングするようになります。この方法では、IP アドレスの単一のプールが作成されます。IP Phone 以外の電話機用にプールが必要な場合や、Cisco CME ルータが DHCP ルータとして機能できない場合は、no を回答し、「 Cisco CME システムの設定」の章の説明に従って DHCP サーバを手動で定義します。 • no は、IP Phone に対する DHCP またはスタティック IP アドレスが設定済みであることを示します。 |
Do you want to start telephony-service setup? [yes/no]: |
• yes は、Cisco CME での電話機の設定を開始します。 • no は、Cisco CME セットアップ ツールを終了します。 |
Enter the IP source address for Cisco CallManager Express services:
Enter the Skinny Port for Cisco CallManager Express services : [2000]: |
ルータが Cisco CME サービスを割り当てる IP アドレス(通常は IP Phone に使用する IP サブネットのデフォルト ゲートウェイ)、および Skinny Client Control Protocol(SCCP)メッセージ用のポート。 |
How many IP phones do you want to configure : [0]: |
このシステムでサポートする IP Phone の最大数を入力します。この番号は後で増やすことができます。上限は、『 Cisco CallManager Express 3.2 Specifications』に記載されています。
(注) Cisco CME セットアップ ツールは、新規登録している各電話機に 1 つの番号を関連付けます。電話機に追加の番号が必要な場合は、後で手動で追加してください。
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Do you want dual-line extensions assigned to phones? [yes for dual-line / no for single-line]: |
• yes :新規登録している各 IP Phone に、単一の電話ボタンに関連付けられた単一の番号が割り当てられます。ephone-dn ごとに二重回線 ephone-dn エントリが生成されます。 • no :IP Phone が 1 つまたは複数の PSTN トランク回線に直接リンクされます。キースイッチ モードを使用するには、Cisco CME セットアップ ツールのほかに、手動設定が必要です。ephone-dn ごとに 2 つの ephone-dn エントリが生成され、いずれのエントリも単一の電話機に割り当てられます。 |
What language do you want on IP phones? 0 English 1 French 2 German 3 Russian 4 Spanish 5 Italian 6 Dutch 7 Norwegian 8 Portuguese 9 Danish 10 Swedish [0]: |
IP Phone の表示言語(リストから選択)。デフォルトは 0(英語)です。
(注) ロシア語は Cisco IOS Release 12.2(15)ZJ ではサポートされていません。
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Which Call Progress tone set do you want on IP phones : 0 United States 1 France 2 Germany 3 Russia 4 Spain 5 Italy 6 Netherlands 7 Norway 8 Portugal 9 UK 10 Denmark 11 Switzerland 12 Sweden 13 Austria 14 Canada [0]: |
コールのステータスや進行状況を示すために使用するトーン セットのロケール(リストから選択)。デフォルトは 0(アメリカ)です。 |
What is the first extension number you want to configure :[0]: |
内線番号に使用する最小番号。内線番号を追加作成するたびに、番号が 1 つ大きくなります。内線番号は電話番号計画に適合する必要があります。また、ダイヤルイン方式(DID)サービスを使用する場合は、PSTN 番号付けの要件にも適合する必要があります。 |
Do you have Direct-Inward-Dial service for all your phones? [yes/no]: |
• yes:すべての内線番号に、ISDN または VoIP による公衆電話サービスへのトランク アクセスを許可する場合。適切なダイヤル プランが作成されます。 • no:単純なアナログ電話回線(たとえば、FXO インターフェイス)だけの場合、または一部の回線にだけトランク アクセスを許可する場合。 |
前の質問に yes を回答した場合、次のプロンプトが表示されます。 Enter the full E.164 number for the first phone: |
最初の内線番号に対応する、エリア コードを含む 10 桁の電話番号を入力します。 |
Do you want to forward calls to a voice message service? [yes/no]: |
• yes は、IP Phone が使用中または無応答のときに、コールを単一のボイス メッセージ サービス番号に自動転送します。すべての内線番号から同じボイス メッセージ サービスのパイロット番号にコールが転送されるようになります。 • no は、単一のボイス メッセージ サービス番号にコールを自動転送しません。ボイス メッセージ システムがない場合や、内線番号ごとに自動転送の動作をカスタマイズする場合は、no を回答します。 |
前の質問に yes を回答した場合、次のプロンプトが表示されます。 Enter the extension or pilot number of the voice message service: |
ボイス メッセージ サービスのパイロット番号。ここでは設定せずに、後で手動で設定することもできます。 |
Call forward No Answer Timeout: [18]: |
無応答のコールをボイスメールに転送するまでのタイムアウト(秒数)。デフォルトは 18 です。 |
Do you wish to change any of the above information? [yes/no]: |
• yes は、入力済みの回答を実装しないで、ダイアログを始めからやり直します。 • no は、自動設定処理を開始します。 |
Cisco CME セットアップ ツールのダイアログによる設定結果
次の設定は、Cisco CME セットアップ ツールの質問に対する回答から得られた結果です。
• DHCP 設定を要求した場合、入力したパラメータに応じて次の設定 CLI が生成されます。
ITS という名前のアドレス プールがすでに存在する場合、DHCP 設定は変更されず、警告メッセージが表示されます。
• 次の telephony-service 設定が生成されます。
ip source-address s.s.s.s
• また、Cisco CME ルータ上にあるフラッシュ システムのディレクトリ チェックが実行され、電話機ファームウェア ファイルと保留音楽ファイルが検索されます。music-on-hold.au という保留音楽ファイルがフラッシュ メモリに存在する場合、telephony-service 設定に次の行が追加されます。
• 「P003........」および「P004........」という形式の名前を持つファームウェア ファイルがフラッシュ ファイル システムに存在する場合、次の設定行が追加されます。
tftp-server flash:P003........
tftp-server flash:P004........
• 複数の電話機ファームウェア ファイルが存在する場合、検出されたファイルごとに tftp-server コマンド設定が作成されます。特定の電話機タイプの電話機ファームウェア ファイルが複数検出された場合、フラッシュ メモリに最後に格納されたファイルが load コマンド用に選択されます。次の設定行が追加されます。
• 二重回線内線番号が選択された場合、ephone-dn インスタンスごとに次のコマンドが設定に自動的に入力されます。次の例では、ユーザが初期の内線番号に 401、ボイスメール番号に 501、タイムアウトに 30 秒を指定しています。
call-forward noans 501 timeout 30
call-forward noans 501 timeout 30
• 二重回線内線番号が選択されなかった場合は、ephone-dn インスタンスごとに次のコマンドが設定に自動的に入力されます。次の例では、ユーザが初期の内線番号に 401、ボイスメール番号に 501 を指定しています。
call-forward noans 501 timeout 30
call-forward noans 501 timeout 30
• DID サービスを要求した場合、必要に応じて dialplan-pattern コマンドが自動的に生成されます。少なくとも、最初の内線番号における最後(右端)の数字と、完全な公衆電話番号における最後(右端)の数字とが一致している必要があります。一致していない場合は、エラー メッセージが生成され、DID サービスに関する質問に再び回答するよう求められます。
• すべての ephone-dn エントリが生成されると、 auto assign コマンドが使用され、指定された ephone-dn タグが、登録中の IP Phone に割り当てられるようになります。
auto assign dn-tag to dn-tag
ルータ CLI を使用した半自動設定
IP Phone の半自動設定の方法では、 auto assign コマンドを使用して、新しく検出される IP Phone を自動的に割り当てる ephone-dn タグの範囲を指定できます。この方法が有用になるのは、電話機の設定時に、電話機ごとに異なる固有の内線番号を割り当てる場合です。
特定のタイプの電話機を特定の範囲の番号に制限するには、 auto assign コマンドで、その範囲の内線番号がすでに割り当てられている ephone-dn タグの範囲を指定します。たとえば、6001 ~ 6025 の内線番号を Cisco IP Phone 7960G に、5001 ~ 5025 の内線番号を Cisco IP Phone 7905G に割り当てるとします。 auto assign コマンドで電話機タイプを指定しない場合、定義された範囲の番号が、タイプに関係なくすべての電話機に割り当てられます。
範囲内のすべての ephone-dn タグから同じボイスメール パイロット番号にコールを自動転送する場合、 auto assign コマンドを使用すると、自動転送を自動的に設定できます。ephone-dn の残りの設定は、Cisco CME セットアップ ツールを使用して自動的に行うことも、ルータ CLI を使用して手動で行うこともできます。
自動割り当てによる設定結果は、事前に設定された間隔で Cisco CME ルータの NVRAM に書き込まれます。
制約事項
• Cisco IP Phone 7914 拡張モジュールの ephone-dn タグを定義する場合、自動割り当ては使用できません。
• 自動的に割り当てる ephone-dn タグは通常の ephone-dn に属する必要があるため、ページング ephone-dn、インターコム ephone-dn、保留音楽(MOH)ephone-dn、または メッセージ受信のインジケータ(MWI) ephone-dn に属することはできません。自動的に割り当てる ephone-dn タグには、少なくともプライマリ番号が定義されている必要があります。
• 自動的に割り当てる一組の ephone-dn は、すべて同じ種類(単一回線または二重回線)である必要があります。
• 自動的に割り当てる一組の ephone-dn の数が不十分な場合、一部の電話機は ephone-dn を受信できなくなります。
• 自動割り当てでは、共有回線は作成できません。
• 自動割り当てを元に戻したり取り消したりするには、手動で CLI 入力を実行する必要があります。
要約手順
1. telephony-service
2. auto assign dn-tag to dn-tag [ type phone-type ] [ cfw extn-n umber timeout seconds ]
3. restart all
または
reset { all [ time-interval ] | sequence-all }
4. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
telephony-service
Router(config)# telephony-service |
telephony-service 設定モードを開始します。 |
ステップ 2 |
auto assign dn-tag to dn-tag [ type phone-type ] [ cfw extn-n umber timeout seconds ]
Router(config-telephony-service)# auto assign 1 to 10 type 7910 cfw 5001 timeout 30 |
新しく検出される IP Phone に、指定された範囲の ephone-dn タグを自動的に割り当てます。 • dn-tag to dn-tag :IP Phone に自動的に割り当てる ephone-dn タグ(固有のシーケンス番号)の範囲。 dn-tag 引数の値の範囲は、1 ~ 288 です。 • type phone-type :(オプション)この範囲の ephone-dn タグを限定的に割り当てる IP Phone タイプ。有効な電話機タイプは、 7902 、 7905 、 7910 、 7912 、 7920 、 7935 、 7936 、 7940 、 7960 、および ATA です。 • cfw extn-number :(オプション)使用中または無応答のときにコールを自動転送する場合の転送先内線番号。 • timeout seconds :(オプション、ただし cfw キーワードの使用時は必須)無応答のときに指定された番号にコールを自動転送するまでの待機時間(秒数)。 seconds 引数の値の範囲は、3 ~ 60000 です。 |
ステップ 3 |
restart all または reset { all [ time-interval ] | sequence-all }
Router(config-telephony-service)# restart all または
Router(config-telephony-service)# reset sequence-all |
restart コマンドは電話機の完全リブートを実行しますが、DHCP サーバおよび TFTP サーバには連携しません。 auto assign コマンドで type キーワードを使用しない場合に、 restart コマンドを使用します。 reset コマンドは電話機の完全リブートを実行し、最新の設定情報取得のため DHCP サーバおよび TFTP サーバに連携します。 auto assign コマンドで type キーワードを使用する場合に、 reset コマンドを使用します。 • all :このキーワードを使用すると、ルータが 15 秒間隔で順番に各電話機のリセットを開始します。 • time-interval :(オプション)各電話機のリセットを開始するときの時間間隔(秒数)。値の範囲は 0 ~ 60 です。デフォルトは 15 です。 • sequence-all :このキーワードを使用すると、ルータが、1 つのリセットが完了するまで待機してから次の電話機のリセットを開始するようになります。 |
ステップ 4 |
exit
Router(config-telephony-service)# exit |
telephony-service 設定モードを終了します。 |
例
次の例では、Cisco CME ルータで新しく検出される Cisco IP Phone 7910 に 1 ~ 10 の ephone-dn を自動的に割り当てるように設定します。また、これらの ephone-dn に自動転送が設定され、30 秒間無応答のコールが内線 5001 に自動転送されるようになります。
auto assign 1 to 10 type 7910 cfw 5001 timeout 30
ルータ CLI を使用した手動設定
内線番号の手動設定では ephone-dn を定義し、Cisco CME 電話機の手動設定では ephone を定義します。これらの用語の定義は次のとおりです。
• ephone-dn :ソフトウェア構成体であり、コールの発信および受信に使用する電話機に音声チャネルを接続する回線を表します。ephone-dn は、Cisco CME システムの仮想音声ポートを表します。したがって、Cisco CME システムの ephone-dn の最大数が、同時に接続できるコールの最大数となります。この概念は、従来のテレフォニー システムにおける物理回線の最大数とは異なり、割り当てることのできる電話番号または内線番号の最大数とも異なることに注意してください。
• ephone :ソフトウェア構成体であり、物理的な電話機を表します。ephone 構成体を使用すると、Cisco IOS ソフトウェアを使用して機器そのものを設定できます。Cisco CME システムの ephone の最大数が、システムに接続できる物理機器の最大数となります。
内線番号(ephone-dn)を設定するには、この特定の ephone-dn を設定するために識別する固有の ephone-dn タグ(ID またはシーケンス番号)に、1 つまたは 2 つの番号および 1 つの名前を関連付けます。これの関連付けによって、コールの接続が可能な仮想回線(内線番号)が作成されます。
次に、各 ephone-dn タグは、1 つまたは複数の ephone(物理 IP Phone に割り当てる内線番号および機能をプログラムするためのソフトウェア構成体)の回線ボタンに関連付けられます。各 IP Phone を LAN 環境でサポートするには、Cisco CME ルータ上で ephone として設定する必要があります。
ephone-dn コマンドと dual-line キーワードを使用すると、二重回線モードの ephone-dn を作成できます。各二重回線 ephone-dn には、1 つの音声ポートと、2 つの独立したコールを処理する 2 つのチャネルがあります。このモードでは、単一の ephone-dn でコール ウェイティング、コール転送、および会議の各機能が有効になります。二重回線モードはすべての電話機タイプで動作しますが、ボイスメール番号、インターコム、メッセージ受信のインジケータ、ページング、またはハント グループに使用する ephone-dn には適していません。二重回線 ephone-dn を使用するオーバーレイおよびハント グループはサポートされます。Cisco IP Phone 7910 に設定できる二重回線 ephone-dn は 1 つだけです。
ephone 設定モードで button コマンドを使用すると、ボタンごとに呼び出し音の特性をカスタマイズしたり、コールの着信時に呼び出し音を鳴らさないボタンを指定したりできます。フィーチャ呼び出しとサイレント呼び出しの機能は、すべての電話機でサポートされていますが、Cisco IP Phone 7940、Cisco IP Phone 7960、および Cisco IP Phone 7914 拡張モジュールなどの多重回線 IP Phone に最適です。
ephone-dn のタイプや ephone の詳細については、「 Cisco CallManager Express の概要 」の章の「始める前に:Cisco CME の基本概念」の項を参照してください。
前提条件
この項の作業を開始する前に、「 Cisco CME システムの設定 」の章に記載されている作業を完了する必要があります。特に、Cisco CME ファイルを Cisco CME ルータのフラッシュ メモリにコピーしたことを確認してください。
要約手順
1. ephone-dn dn-tag [ dual-line ]
2. number number [ secondary number ] [ no-reg [ both | primary ]]
3. name name
4. exit
5. ephone phone-tag
6. mac-address [ mac-address ]
7. type phone-type [ addon 1 module-type [ 2 module-type ]]
8. button button-number { separator } dn-tag [[ button-number { separator } dn-tag ] ...]
9. keepalive seconds
10. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
ephone-dn dn-tag [ dual-line ]
Router(config)# ephone-dn 55 dual-line |
ephone-dn 設定モードを開始し、ephone-dn を作成します。オプションで、ephone-dn に二重回線ステータスを割り当てます。 • dn-tag :この ephone-dn を設定作業時に識別する固有のシーケンス番号。特定の Cisco CME システムでサポートできる ephone-dn の最大数は、バージョンおよびプラットフォームに依存します。値の範囲については、CLI のヘルプを参照してください。 • dual-line :(オプション)ephone-dn で 1 つの音声ポートと 2 つの音声チャネルを使用できます。単一の ephone-dn でコール ウェイティング、コール転送、会議などの機能をサポートできます。
(注) ephone-dn を二重回線モードから単一回線モードに(またはその逆に)変更するには、ephone-dn を削除してから再作成する必要があります。
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ステップ 2 |
number number [ secondary number ] [ no-reg [ both | primary ]]
Router(config-ephone-dn)# number 2345 |
この ephone-dn インスタンスの有効な内線番号を設定します。 • number :この ephone-dn に関連付ける電話番号または内線番号を表す最大 16 桁の数字列。 • secondary :(オプション)2 つ目の電話番号を ephone-dn と関連付けることができます。 • no-reg :(オプション)この番号を H.323 ゲートキーパーに登録しないことを指定します。オプション キーワード( both または primary )の 1 つを no-reg キーワードの後に指定する場合を除いて、 secondary 番号だけが登録されなくなります。 |
ステップ 3 |
name name
Router(config-ephone-dn)# name Smith, John |
名前をこの ephone-dn インスタンスと関連付けます。この名前は、発信者 ID の表示と、ローカル ディレクトリのリスト表示で使用されます。 telephony-service 設定モードの directory コマンドで指定した名前の順序に従う必要があります( first-name-first または last-name-first )。 |
ステップ 4 |
exit
Router(config-ephone-dn)# exit |
ephone-dn 設定モードを終了します。 |
ステップ 5 |
ephone phone-tag
Router(config)# ephone 6 |
ephone 設定モードを開始します。 • phone-tag :この ephone を設定作業時に識別する固有のシーケンス番号。特定の Cisco CME システムでサポートできる ephone の最大数は、バージョンおよびプラットフォームに依存します。値の範囲については、CLI のヘルプを参照してください。 |
ステップ 6 |
mac-address [ mac-address ]
Router(config-ephone)# mac-address 2946.3f2.311 |
設定する IP Phone の MAC アドレスを指定します。 • mac-address :(オプション)IP Phone の底面に表示されている MAC アドレス。電話機を登録してから設定するようにすれば、 mac-address 引数を入力しなくても、設定時に mac-address コマンドを使用できます。Cisco CME システムが MAC アドレスを検出し、それに対応する MAC アドレスと電話機タイプを電話機の設定に自動的に入力します。この機能は、Cisco CME 3.0 以降のバージョンだけでサポートされ、ボイスメール ポートではサポートされません。 |
ステップ 7 |
type phone-type [ addon 1 module-type [ 2 module-type ]]
Router(config-ephone)# type 7960 addon 1 7914 |
(オプション)電話機のタイプを指定します。このコマンドが必須になるのは、電話機にATA デバイスが付いている場合、および追加モジュールを導入する場合です。それ以外の電話機タイプの場合、このコマンドはオプションです。 • phone-type :有効なエントリは次のとおりです。 – 7902 :Cisco IP Phone 7902G – 7905 :Cisco IP Phone 7905G – 7910 :Cisco IP Phone 7910 – 7912 :Cisco IP Phone 7912G – 7920 :Cisco Wireless IP Phone 7920 – 7935 :Cisco IP Conference Station 7935 – 7936 :Cisco IP Conference Station 7936 – 7940 :Cisco IP Phone 7940G – 7960 :Cisco IP Phone 7960G – ata :Cisco ATA-186 または Cisco ATA-188 • module-type :有効なエントリは次のとおりです。 – 7914 :Cisco IP Phone 7914 拡張モジュール |
ステップ 8 |
button button-number { separator } dn-tag [[ button-number { separator } dn-tag ] ...]
Router(config-ephone)# button 1:10 2:11 3b12 4o13,14,15 |
ボタン番号および回線の特性を内線番号(ephone-dn)と関連付けます。ボタンの最大数は、電話機タイプによって異なります。
(注) Cisco IP Phone 7910 の回線ボタンは 1 つだけですが、ephone-dn タグを 2 つ割り当てることができます。
• button-number :IP Phone の回線ボタンの番号(一番上のボタンを 1 番とする)。 • separator :内線番号に関連付ける特性のタイプを表す単一文字。有効なエントリは次のとおりです。 – : (コロン):通常の呼び出し。着信すると呼び出し音が鳴ります(内部コールの場合は単一パルス、外部コールの場合は二重パルス)。視覚的な合図として、電話機のディスプレイにある ((< アイコンと、受話器の赤いランプが点滅します。 – b :ビープ音が有効になります。コールが着信した場合、可聴呼び出し音は鳴りませんが、コール ウェイティング ビープ音が生成されます。アイコンやライトの表示は、通常の呼び出しの場合と同じです。 – f :フィーチャ呼び出し。三重パルスの断続周期により、1 つの回線の着信コールと、その電話機にある別の回線の着信コールとが区別されます。 – m :共有回線のモニタ モード。視覚的な回線ステータスに、使用中かどうかが示されます。この電話機で回線を使用してコールの発信や受信を行うことはできません。 – o :オーバーレイ回線。複数(最大で 10 個)の ephone-dn が単一のボタンを共有します。 dn-tag 引数に、最大で 10 個の dn タグをコンマで区切って指定できます。 – s :サイレント呼び出し。コールが着信した場合、可聴呼び出し音は鳴らず、また、コール ウェイティング ビープ音も生成されません。アイコンやライトの表示は、通常の呼び出しの場合と同じです。 • dn-tag :このボタンに表示させる ephone-dn の固有のシーケンス番号。オーバーレイ回線の場合、この引数には最大で 10 個のシーケンス番号をコンマで区切って指定できます。 |
ステップ 9 |
keepalive seconds
Router(config-ephone)# keepalive 200 |
(オプション)Cisco CallManager Express ルータから特定の IP Phone にキープアライブ メッセージを連続的に送信するときの時間間隔を設定します。 • seconds :間隔時間(秒数)。値の範囲は 10 ~ 65535 です。デフォルトは 30 です。 |
ステップ 10 |
exit
Router(config-ephone)# exit |
ephone 設定モードを終了します。 |
電話機関連パラメータの指定
Cisco CME 電話機の設定に自動と手動のいずれの方法を使用する場合でも、次の電話機関連パラメータを考慮する必要があります。
• 「H.323 ネットワークに対する DTMF リレー」(必須)
• 「ダイヤル プラン パターン」(DID を使用する場合は必須)
• 「変換規則」(オプション)
• 「変換プロファイル」(オプション)
• 「国際的な言語、日付形式、およびトーンのサポート」(オプション)
H.323 ネットワークに対する DTMF リレー
Cisco CME システムに接続された IP Phone は、アウトバンド デュアルトーン複数周波数(DTMF)リレーを使用して、VoIP 接続経由で DTMF(キーパッド)番号を転送する必要があります。これは、インバンド転送に使用されるコーデックによってトーンが歪んで理解不能になる場合があるためです。DTMF リレーでは、DTMF トーンの歪みの問題を解決するため、符号化された音声ストリームのアウトバンド(帯域外)で DTMF トーンを転送します。
H.323 ネットワークにある IP Phone の場合、DTMF リレーには H.245 Alphanumeric 方式が使用されます。この方式は ITU H.245 標準で定義されています。この方式では、DTMF ディジットを音声ストリームと分離し、RTP チャネルではなく H.245 シグナリング チャネル経由で、H.245 User Input Indication メッセージ内の ASCII 文字として送信します。詳細については、『 Cisco IOS H.323 Configuration Guide 』の「 Configuring H.323 Gateways 」の章を参照してください。
(注) SIP ネットワーク上の DTMF リレーについては、「SIP 用の Cisco CME サポートの提供」の設定手順を参照してください。
要約手順
1. dial-peer voice tag voip
2. dtmf-relay h245-alphanumeric
3. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
dial-peer voice tag voip
Router(config)# dial-peer voice 2 voip |
dial-peer 設定モードを開始します。 |
ステップ 2 |
dtmf-relay h245-alphanumeric
Router(config-dial-peer)# dtmf-relay h245-alphanumeric |
テレフォニー インターフェイスと H.323 ネットワーク間での DTMF トーンのリレー用に、H.245 Alphanumeric 方式を指定します。 |
ステップ 3 |
exit
Router(config-dial-peer)# exit |
dial-peer 設定モードを終了します。 |
例
次に示す show running-config コマンド出力の抜粋は、H.245 Alphanumeric DTMF リレーを使用するように設定されたダイヤルピアを示しています。
dial-peer voice 4000 voip
session target ipv4:10.0.0.25
dtmf-relay h245-alphanumeric
ダイヤル プラン パターン
dialplan-pattern コマンドを使用すると、省略された内線番号を完全な E.164 番号に拡張するためのグローバル プレフィックスを指定するダイヤル プラン パターンが作成されます。
extension-pattern キーワードを使用すると、省略された内線番号のプレフィックス番号を追加操作できるようになります。このキーワードとその引数を使用すると、内線番号パターンの先頭番号が除去され、対応するダイヤル プラン パターンの先頭番号で置き換えられます。このコマンドを使用すると、たとえば 0101 という 4 桁の内線番号になる 408-555-0101 のような DID 番号を回避できます。
要約手順
1. telephony-service
2. dialplan-pattern tag pattern extension-length length [ extension-pattern epattern ] [ no-reg ]
3. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
telephony-service
Router(config)# telephony-service |
telephony-service 設定モードを開始します。 |
ステップ 2 |
dialplan-pattern tag pattern extension-length length [ extension-pattern epattern ] [ no-reg ]
Router(config-telephony-service)# dialplan-pattern 1 4085550100 extension-length 3 extension-pattern 4..
(注) この例では、4xx という内線番号すべてを 40855501xx という PSTN 番号にマップしています。したがって、内線 412 は 4085550112 に対応します。
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省略された内線番号のプレフィックスに関する番号パターンを、完全な E.164 電話番号パターンにマップします。 • tag :10 桁の電話番号の前に使用されるダイヤル プラン ストリングのタグ。値の範囲は 1 ~ 5 です。 • pattern :完全な E.164 番号のダイヤル パターン。 • extension-length length : extension-pattern キーワードに関連付けられた epattern 引数の桁数。 • extension-pattern epattern :(オプション)使用する内線番号パターン。数字以外に、次のワイルドカードを使用できます。 – . (ピリオド):単一文字を表します。 – T :ユーザが番号を入力するときのタイムアウトを表します。たとえば、4 つのピリオドと T(....T)の場合は、ユーザから 4 桁以上の番号を受信すること、およびユーザによる番号入力が終わるまで待機することをシステムに知らせます。 • no-reg :(オプション)ダイヤルピアの E.164 番号をゲートキーパーに登録しないようにします。番号を登録しないようにすると、その番号が他の電話サービスでも利用できるようになります。 |
ステップ 3 |
exit
Router(config-telephony-service)# exit |
telephony-service 設定モードを終了します。 |
例
次の例では、4.. という内線番号パターンを、4085550155 というダイヤル プラン パターンの最後の 3 桁にマップします。
dialplan-pattern 1 4085550155 extension-length 3 extension-pattern 4..
変換規則
変換規則は、Cisco IOS ソフトウェアでサポートされている強力な汎用の番号操作メカニズムです。変換規則を使用すると、ダイヤル番号に電話のエリア コードとプレフィックス コードを自動的に追加するような操作を実行できます。変換規則が適用されるのは、ephone-dn によって作成された仮想音声ポートです。
入力された番号が定義済み変換規則のいずれにも完全一致しない場合は、変換規則メカニズムにより、ダイヤル処理に遅延が挿入されます。この遅延は、数字間タイムアウトによって設定されます。遅延を使用する目的は、一致する変換規則がない(したがって、変換操作を実行しない)という最終判断を下す前に、電話機ユーザからの入力番号をすべて取得することです。この遅延を回避するには、変換を必要としない数字列のパススルー規則として機能するダミーの変換規則を含めることを推奨します。たとえば、先頭の 5 という数字を 5 にマップする「^5 5」のような規則を使用すれば、5 で始まるローカル内線番号に変換規則が適用されることはありません。
要約手順
1. translation-rule number
2. ephone-dn dn-tag
3. translate { called | calling } translation-rule-tag
4. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
translation-rule number
Router(config)# translation-rule 123 |
音声コールの変換規則を定義します。 • number :変換規則を識別する番号。値の範囲は 1 ~ 2147483647 です。 |
ステップ 2 |
ephone-dn dn-tag
Router(config)# ephone-dn 11 |
ephone-dn 設定モードを開始します。 • dn-tag :変換規則を適用する内線番号の ephone-dn タグ(シーケンス番号)。 |
ステップ 3 |
translate { called | calling } translation-rule-tag
Router(config-ephone-dn)# translate called 123 |
Cisco IP Phone ユーザがダイヤルする番号に変換規則を適用します。 called キーワードは着信側番号を変換し、 calling キーワードは発信側番号を変換します。 • translation-rule-tag :作成済み変換規則のシーケンス番号。有効なエントリは 1 ~ 2147483647 です。 |
ステップ 4 |
exit
Router(config-ephone-dn)# exit |
ephone-dn 設定モードを終了します。 |
変換規則の確認
ステップ 1 show translation-rule
このコマンドを使用して、変換プロファイル用に定義した変換規則を確認します。
Router# show translation-rule 6
Match pattern: 65088801..
Replace pattern: 6508880101
Match type: none Replace type: none
Match plan: none Replace plan: none
ステップ 2 test translation-rule number input-test-string [ type match-type [ plan match-type ] ]
このコマンドを使用して、変換プロファイルをテストします。このコマンドの詳細については、
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios123/123tcr/123tvr/vrht_t1.htm#wp1488921 を参照してください。
Router(config)# translation-rule 5
Router(cfg-translation-rule)# rule 1 ^201 102
Router(cfg-translation-rule)# exit
Router# test translation-rule 5 2015550101
Original number:2015550101 Translated number:1025550101
Original number type: none Translated number type: none
Original number plan: none Translated number plan: none
要約手順
1. voice translation-rule number
2. rule precedence / match-pattern / / replace-pattern /
3. exit
4. voice translation-profile name
5. translate { called | calling | redirect-called } voice - translation-rule-tag
6. exit
7. ephone-dn tag
8. translation-profile { incoming | outgoing } name
9. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
voice translation-rule number
Router(config)# voice translation-rule 1 |
音声コールの変換規則を定義し、voice translation-rule 設定モードを開始します。 • number :変換規則を識別する番号。値の範囲は 1 ~ 2147483647 です。 |
ステップ 2 |
rule precedence / match-pattern / / replace-pattern /
Router(cfg-translation-rule)# rule 1 /^9/ // |
変換規則を定義します。 • precedence :変換規則の優先順位。値の範囲は 1 ~ 15 です。 • match-pattern :着信コール情報の照合に使用される Stream EDitor(SED)式。スラッシュ(/)は、パターンのデリミタです。 • replace-pattern :コール情報の照合パターンを置換するときに使用される SED 式。スラッシュ(/)は、パターンのデリミタです。 |
ステップ 3 |
exit
Router(cfg-translation-rule)# exit |
voice translation-rule 設定モードを終了します。 |
ステップ 4 |
voice translation-profile name
Router(config)# voice translation-profile name1 |
音声コールの変換プロファイルを定義します。 • name :変換プロファイルの値。音声変換プロファイルの名前の最大長は、英数字で 31 文字です。 |
ステップ 5 |
translate { called | calling | redirect-called } voice- translation-rule-tag
Router(cfg-translation-profile)# translate called 1
|
音声変換規則を音声変換プロファイルに関連付けます。 • called :変換規則を着信番号に関連付けます。 • calling :変換規則を発信番号に関連付けます。 • called-redirect :変換規則をリダイレクトされる着信番号に関連付けます。 • translation-rule-tag :変換規則の参照番号(1 ~ 2147483647)。 |
ステップ 6 |
Router(cfg-translation-profile)# exit
|
translation-profile 設定モードを終了します。 |
ステップ 7 |
ephone-dn tag
Router(config)# ephone-dn 1 |
ephone-dn 設定モードを開始して、Cisco IP Phone 回線、インターコム回線、ページング回線、ボイスメール ポート、またはメッセージ受信のインジケータ(MWI)の内線番号(ephone-dn)を作成します。 • tag :この ephone-dn を設定作業時に識別する固有のシーケンス番号。値の範囲は、1 から、ルータ プラットフォームにおける ephone-dn の許容最大数までです。この引数の最大値については、CLI のヘルプを参照してください。 |
ステップ 8 |
translation-profile { incoming | outgoing } name
Router(config-ephone-dn)# translation-profile outgoing name1
|
Cisco IP Phone に対する着信または発信コール レッグに変換プロファイルを割り当てます。 • incoming :変換プロファイルを着信コールに適用します。 • outgoing :変換プロファイルを発信コールに適用します。 • name :変換プロファイルの名前。 |
ステップ 9 |
Router(config-ephone-dn)# exit
|
ephone-dn 設定モードを終了します。 |
例
次の例は、2 つの音声変換規則を使用して profile1 という変換プロファイルを作成する設定を示しています。rule1 は関連付けられた発信番号で構成され、rule2 は着信番号をリダイレクトします。ephone-dn 1 は profile1 を使用して設定されます。
voice translation-profile name1
translation calling rule1
translation called-direct rule2
translation-profile incoming name1
変換プロファイルの確認
ステップ 1 show voice translation-rule
このコマンドを使用して、変換プロファイル用に定義した変換規則を確認します。
Router# show voice translation-rule 6
Match pattern: 65088801..
Replace pattern: 6508880101
Match type: none Replace type: none
Match plan: none Replace plan: none
ステップ 2 test voice translation-rule number input-test-string [ type match-type [ plan match-type ] ]
このコマンドを使用して、変換プロファイルをテストします。このコマンドの詳細については、
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios123/123tcr/123tvr/vrht_t1.htm#wp1488921 を参照してください。
Router(config)# voice translation-rule 5
Router(cfg-translation-rule)# rule 1 /201/ /102/
Router(cfg-translation-rule)# exit
Router# test voice translation-rule 5 2015550101
Original number:2015550101 Translated number:1025550101
Original number type: none Translated number type: none
Original number plan: none Translated number plan: none
国際的な言語、日付形式、およびトーンのサポート
Cisco IP Phone 7940 および Cisco IP Phone 7960 では、電話機の表示言語と、コール プログレス トーンおよび断続周期のロケールを、特定の言語および地域を示す ISO-3166 コードの 1 つに設定できます。
また、Cisco IP Phone の日付および時刻の表示形式を選択することもできます。
制約事項
Cisco IP Phone 7910、Cisco IP Phone 7914 拡張モジュール、Cisco IP Conference Station 7935、および Cisco IP Conference Station 7936 では、アメリカ ISO-3166 言語コードだけがサポートされています。
要約手順
1. telephony-service
2. user-locale language-code
3. network-locale locale-code
4. date-format { mm-dd-yy | dd-mm-yy | yy-dd-mm | yy-mm-dd }
5. time-format { 12 | 24 }
6. reset all [ time-interval ]
7. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
telephony-service
Router(config)# telephony-service |
telephony-service 設定モードを開始します。 |
ステップ 2 |
user-locale language-code
Router(config-telephony-service)# user-locale FR |
Cisco IP Phone 7940 および Cisco IP Phone 7960 の表示言語を指定します。 • language-code :サポート対象の ISO-3166 コードのリストについては、CLI のヘルプを参照してください。デフォルトは、アメリカ( US )です。 |
ステップ 3 |
network-locale locale-code
Router(config-telephony-service)# network-locale FR |
Cisco IP Phone 7940 および Cisco IP Phone 7960 のコール プログレス トーンおよび断続周期のセットを指定します。 • locale-code :サポート対象の ISO-3166 コードのリストについては、CLI のヘルプを参照してください。デフォルトは、アメリカ( US )です。 |
ステップ 4 |
date-format { mm-dd-yy | dd-mm-yy | yy-dd-mm | yy-mm-dd }
Router(config-telephony-service)# date-format yy-dd-mm |
IP Phone の表示形式を設定します。選択肢は、 mm-dd-yy 、 dd-mm-yy 、 yy-dd-mm 、および yy-mm-dd です。各要素の意味は次のとおりです。 • dd :日 • mm :月 • yy :年 • デフォルトは、 mm-dd-yy です。 |
ステップ 5 |
time-format { 12 | 24 }
Router(config-telephony-service)# time-format 24 |
ルータに接続されている Cisco IP Phone すべての時間表示形式として、12 時間制または 24 時間制を選択します。 • デフォルトは 12 です。 |
ステップ 6 |
reset all [ time-interval ]
Router(config-telephony-service)# reset all |
すべての電話機の完全リブートを実行し、最新の設定情報取得のため DHCP サーバおよび TFTP サーバに連携します。 • all :Cisco CME ルータに関連付けられたすべての電話機をリセットします。 • time-interval :(オプション)各電話機のリセットを開始するときの時間間隔(秒数)。値の範囲は 0 ~ 60 です。デフォルトは 15 です。
(注) network-locale コマンドや user-locale コマンドを使用したら、電話機をリセットする必要があります。date-format コマンドまたは time-format コマンドだけを使用する場合は、代わりに restart コマンドを使用してもかまいません。
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ステップ 7 |
exit
Router(config-telephony-service)# exit |
telephony-service 設定モードを終了します。 |
例
次の例は、表示言語およびコール プログレス トーンのロケールをフランスに設定します。
トラブルシューティングのヒント
辞書、言語、およびコール プログレス トーンのファイルに関連付けられた現在のロケール コードを表示するには、 show telephony-service tftp-bindings コマンドを使用します。
Cisco CME 電話機のリセットおよび再起動
Cisco IP Phone の設定を変更したら、変更を有効にするために電話機をリブートする必要があります。電話機をリブートする方法には、 reset コマンドを使用する方法と restart コマンドを使用する方法の 2 つがあります。これらのコマンドの違いを 表 4 に要約します。
表 4 reset コマンドと restart コマンド
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電源をオフにしてからオンにするリブートに相当する。 |
クイック リスタート。 |
電話機の Cisco CME システム更新のため DHCP サーバおよび TFTP サーバに連携する。 |
DHCP サーバまたは TFTP サーバには連携しない。 |
複数の電話機を更新する場合は、処理に時間がかかる。 |
複数の電話機でも、処理に時間はあまりかからない。 |
次のものを更新する場合に使用する必要がある。 • 電話機ファームウェア • ユーザ ロケール • ネットワーク ロケール • URL パラメータ |
次のものを更新する場合に使用できる。 • 電話機のボタン • 電話回線 • 短縮ダイヤル番号 |
これらのコマンドのいずれを使用しても、Cisco CME システムにある単一またはすべての電話機をリブートできます。 reset コマンドを使用して複数の IP Phone をリブートする場合、同時に TFTP 経由で Cisco CME の変更済み設定情報にアクセスしようとする電話機が多すぎると、衝突が発生する可能性があります。この衝突のリスクを最小限に抑えるため、複数の IP Phone を順番にリセットするように指定する sequence-all キーワードが用意されています。
複数の電話機を更新する場合、 reset コマンドを使用すると、 restart コマンドを使用するときに比べて、処理にかなりの時間がかかります。ただし、電話機ファームウェア、ユーザ ロケール、ネットワーク ロケール、または URL パラメータを更新した場合は、 reset コマンドを使用する必要があります。ボタン、回線、または短縮ダイヤルを変更しただけであれば、 restart コマンドを使用します。
この項では、次の作業について説明します。
• 「ephone 設定モードでの reset コマンドの使用」
• 「telephony-service 設定モードでの reset コマンドの使用」
• 「ephone 設定モードでの restart コマンドの使用」
• 「telephony-service 設定モードでの restart コマンドの使用」
ephone 設定モードでの reset コマンドの使用
電話機ファームウェア、ユーザ ロケール、ネットワーク ロケール、または URL パラメータを変更したら、 reset コマンドを使用して IP Phone をリブートする必要があります。電話機の再起動に比べると、電話機のリセットには時間がかかります。これは、更新のために DHCP サーバおよび TFTP サーバに連携するためです。
要約手順
1. ephone phone-tag
2. reset
3. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
ephone phone-tag
Router(config)# ephone 1 |
ephone 設定モードを開始します。 • phone-tag :リセットする ephone の固有のシーケンス番号。 |
ステップ 2 |
reset
Router(config-ephone)# reset |
電話機の完全リブートを実行します。 |
ステップ 3 |
exit
Router(config-ephone)# exit |
ephone 設定モードを終了します。 |
例
次の例では、ephone 1 の完全リブートを実行します。
telephony-service 設定モードでの reset コマンドの使用
電話機ファームウェア、ユーザ ロケール、ネットワーク ロケール、または URL パラメータを変更したら、 reset コマンドを使用して IP Phone をリブートする必要があります。電話機の再起動に比べると、電話機のリセットには時間がかかります。これは、更新のために DHCP サーバおよび TFTP サーバに連携するためです。telephony-service 設定モードから 1 台またはすべての電話機をリセットできます。
要約手順
1. telephony-service
2. reset { all [ time-interval ] | cancel | mac-address mac-address | sequence-all }
3. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
telephony-service
Router(config)# telephony-service |
telephony-service 設定モードを開始します。 |
ステップ 2 |
reset { all [ time-interval ] | cancel | mac-address mac-address | sequence-all }
Router(config-telephony-service)# reset all |
すべての電話機、または指定された MAC アドレスを持つ電話機の完全リブートを実行し、最新の設定情報取得のため DHCP サーバおよび TFTP サーバに連携します。 • all :Cisco CME ルータに関連付けられたすべての電話機をリセットします。このキーワードを使用すると、ルータが 15 秒間隔で順番に各電話機のリセットを開始します。 • time-interval :(オプション)各電話機のリセットを開始するときの時間間隔(秒数)。値の範囲は 0 ~ 60 です。デフォルトは 15 です。 • cancel :一連のリセットを中断します。 • mac-address :指定された MAC アドレスを持つ電話機をリセットします。 • sequence-all :この Cisco CME ルータに関連付けられたすべての電話機をリセットします。このキーワードを使用すると、ルータが、1 つのリセットが完了するまで待機してから次の電話機のリセットを開始するようになります。リセット タイムアウトの 4 分が経過すると、現在登録中の電話機の登録完了待ちを停止し、次の電話機のリセットを開始します。 |
ステップ 3 |
exit
Router(config-telephony-service)# exit |
telephony-service 設定モードを終了します。 |
例
次の例では、ユーザ ロケール コードの変更後に、ルータに関連付けられたすべての電話機に対して順番に完全リブートを実行します。
ephone 設定モードでの restart コマンドの使用
ボタン、回線、または短縮ダイヤルだけを変更したときは、 restart コマンドを使用して単一の IP Phone をリブートします。電話機のリセットに比べると、電話機の再起動には時間がかかりません。これは、更新のために DHCP サーバおよび TFTP サーバに連携しないためです。
要約手順
1. ephone phone-tag
2. restart
3. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
ephone phone-tag
Router(config)# ephone 1 |
ephone 設定モードを開始します。 • phone-tag :再起動する ephone の固有のシーケンス番号。 |
ステップ 2 |
restart
Router(config-ephone)# restart |
この ephone の高速リブートを実行します。更新情報を取得するために DHCP または TFTP サーバには連携しません。 |
ステップ 3 |
exit
Router(config-ephone)# exit |
ephone 設定モードを終了します。 |
例
次の例では、ボタンの割り当て変更後に ephone 1 の高速リブートを実行します。
telephony-service 設定モードでの restart コマンドの使用
ボタン、回線、または短縮ダイヤルだけを変更したときは、 restart コマンドを使用して IP Phone をリブートします。電話機のリセットに比べると、電話機の再起動には時間がかかりません。これは、更新のために DHCP サーバおよび TFTP サーバに連携しないためです。telephony-service 設定モードから 1 台またはすべての電話機を再起動できます。
要約手順
1. telephony-service
2. restart { all [ time-interval ] | mac-address }
3. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
telephony-service
Router(config)# telephony-service |
telephony-service 設定モードを開始します。 |
ステップ 2 |
restart { all [ time-interval ] | mac-address }
Router(config-telephony-service)# restart all |
指定された電話機、またはこの Cisco CME ルータに関連付けられたすべての電話機の高速リブートを実行します。更新情報を取得するために DHCP または TFTP サーバには連携しません。 • all :Cisco CME ルータに関連付けられたすべての電話機を再起動します。 • time-interval :(オプション)各電話機の再起動を開始するときの時間間隔(秒数)。値の範囲は 0 ~ 60 です。デフォルトは 15 です。 • mac-address mac-address :指定された MAC アドレスを持つ電話機を再起動します。 |
ステップ 3 |
exit
Router(config-telephony-service)# exit |
telephony-service 設定モードを終了します。 |
例
次の例では、ルータに関連付けられたすべての電話機の高速リブートを実行します。
Cisco CME 電話機の設定の確認
次の手順を使用すると、Cisco CME 電話機の設定を確認できます。
要約手順
1. show running-config コマンドを使用して、ephone-dn 設定を確認します。
2. debug ephone register コマンドを使用して登録デバッグを設定し、正しい電話機ファームウェアがインストールされていることを確認します。
3. show telephony-service all コマンドを使用して、Cisco CME ルータが有効になっていることを確認します。
4. show telephony-service tftp-bindings コマンドを使用して、ロケール固有のファイルが正しいことを確認します。
5. show ephone コマンドを使用して、Cisco CME ルータに対する電話機の登録が完了した後の Cisco IP Phone の設定を確認します。
6. show ephone-dn コマンドを使用して、ephone-dn に関連する設定を確認します。
7. show dialplan number コマンドを使用して、特定の電話番号の番号解決を表示します。番号解決を使用すると、コールが想定外の宛先に送信されているかどうかを検出できます。
詳細手順
ステップ 1 show running-config コマンドを使用して、ephone-dn 設定を確認します。
call-forward noan 4000 timeout 30
call-forward noan 4000 timeout 30
call-forward noan 4000 timeout 30
ステップ 2 debug ephone register コマンドを使用して登録デバッグを設定し、正しい電話機ファームウェアがインストールされていることを確認します。次に、電話機をリセットし、電話機の再登録時に表示される StationAlarmMessage を参照します。「Load=」パラメータの後に、正しい電話機ファームウェアのファイル名に対応するバージョンの省略名が表示されます。
ステップ 3 show telephony-service all コマンドを使用して、Cisco CME ルータが有効になっていることを確認します。また、このコマンドにより、ephone-dn 設定が表示されます。
Router# show telephony-service all
ip source-address 10.0.0.1 port 2000
dialplan-pattern 1 408734....
transfer-pattern 510734....
call-forward noan 5001 timeout 8
ステップ 4 show telephony-service tftp-bindings コマンドを使用して、ロケール固有のファイルが正しいことを確認します。
Router# show telephony-service tftp-bindings
tftp-server system:/its/SEPDEFAULT.cnf
tftp-server system:/its/SEPDEFAULT.cnf alias SEPDefault.cnf
tftp-server system:/its/XMLDefault.cnf.xml alias XMLDefault.cnf.xml
tftp-server system:/its/ATADefault.cnf.xml
tftp-server system:/its/XMLDefault7960.cnf.xml alias SEP00036B54BB15.cnf.xml
tftp-server system:/its/germany/7960-font.xml alias German_Germany/7960-font.xml
tftp-server system:/its/germany/7960-dictionary.xml alias German_Germany/7960-dictionary.xml
tftp-server system:/its/germany/7960-kate.xml alias German_Germany/7960-kate.xml
tftp-server system:/its/germany/SCCP-dictionary.xml alias German_Germany/SCCP-dictionary.xml
tftp-server system:/its/germany/7960-tones.xml alias Germany/7960-tones.xml
ステップ 5 show ephone [ mac-address ] コマンドを使用して、Cisco CME ルータに対する電話機の登録が完了した後の Cisco IP Phone の設定を確認します。
ephone-1 Mac:0003.E3E7.F627 TCP socket:[2] activeLine:0 REGISTERED
mediaActive:0 offhook:0 ringing:0 reset:0 reset_sent:0 paging 0 debug:0
IP:20.0.0.2 51671 Telecaster 7940 keepalive 28 max_line 2
button 1: dn 1 number 4444 CM Fallback IDLE
ephone-2 Mac:0030.94C3.F43A TCP socket:[1] activeLine:0 REGISTERED
mediaActive:0 offhook:0 ringing:0 reset:0 reset_sent:0 paging 0 debug:0
IP:20.0.0.3 50094 Telecaster 7960 keepalive 28 max_line 6
button 1: dn 3 number 5555 CM Fallback IDLE
ephone-3 Mac:0003.6B40.99DA TCP socket:[3] activeLine:0 REGISTERED
mediaActive:0 offhook:0 ringing:0 reset:0 reset_sent:0 paging 0 debug:0
IP:1.2.168.200 51879 Telecaster 7960 keepalive 28 max_line 6
button 1: dn 2 number 3333 CM Fallback IDLE
ステップ 6 show ephone-dn コマンドを使用して、ephone-dn に関連する設定を確認します。
EFXS 50/0/7 Slot is 50, Sub-unit is 0, Port is 7
Type of VoicePort is EFXS
Administrative State is UP
No Interface Down Failure
Noise Regeneration is enabled
Non Linear Processing is enabled
Non Linear Mute is disabled
Non Linear Threshold is -21 dB
Music On Hold Threshold is Set to -38 dBm
Out Attenuation is Set to 0 dB
Echo Cancellation is enabled
Echo Cancellation NLP mute is disabled
Echo Cancellation NLP threshold is -21 dB
Echo Cancel Coverage is set to 8 ms
Playout-delay Mode is set to default
Playout-delay Nominal is set to 60 ms
Playout-delay Maximum is set to 200 ms
Playout-delay Minimum mode is set to default, value 4 ms
Playout-delay Fax is set to 300 ms
Connection Mode is normal
Connection Number is not set
Initial Time Out is set to 10 s
Interdigit Time Out is set to 10 s
Call Disconnect Time Out is set to 60 s
Ringing Time Out is set to 8 s
Wait Release Time Out is set to 30 s
Region Tone is set for US
Station name None, Station number None
Voice card specific Info Follows:
Digit Duration Timing is set to 100 ms
ステップ 7 show dialplan number コマンドを使用して、特定の電話番号の番号解決を表示します。番号解決を使用すると、コールが想定外の宛先に送信されているかどうかを検出できます。このコマンドは、番号にダイヤルしても所定の電話機で呼び出し音が鳴らないという問題をトラブルシューティングする場合に便利です。