G.711 と G.729 の変換の設定
変換の使用先として計画しているのが、会議、コール転送、自動転送、Cisco Unity Express、および MOH 機能のすべてまたは一部であるかということに関係なく、1 つの設定だけですべてに対応できます。設定作業は次のとおりです。
• 「デジタル信号プロセッサの特定」
• 「変換用の正しい DSP 割り当ての特定」
• 「変換用の NM または NM ファームのプロビジョニング」
• 「NM の DSP ファームの設定」
• 「変換セッションの数の変更」(オプション)
• 「DSP ファーム ホストとして機能させる Cisco CME の設定」
• 「DSP ファームの登録と動作の確認」
• 「パフォーマンスのチューニング」
デジタル信号プロセッサの特定
変換には DSP を使用すると便利です。DSP は Network Module(NM; ネットワーク モジュール)の中にあります。すべての NM には、Single In-line Memory Module(SIMM; シングル インライン メモリ モジュール)ソケットまたは Packet Voice/Data Module(PVDM)スロットがあり、それぞれが Packet Voice DSP Module(PVDM)を保持できます。各 PVDM は複数の DSP を保持しています。図 24 に示すように、NM-HDV には 5 つの SIMM ソケットまたは PVDM スロットがあり、それぞれが 12-Channel PVDM(PVDM-12)を保持できます。各 PVDM-12 は、3 つの TI 549 DSP を保持しています。各 DSP は 4 つのチャネルをサポートしています。
図 24 NM-HDV による最大 5 つの PVDM のサポート
ルータには複数の NM を搭載できます。NM のグループは、「NM ファーム」と呼ばれます。図 25 は、NM-HDV の NM ファームを示しています。
図 25 NM-HVD ファーム
DSP リソースを使用すると、DSP ファームで、デジタル音声トランク グループまたはリソースの音声終端を実行できます。変換に使用可能で、音声終端に使用されていない DSP リソースの集合は、DSP ファームと呼ばれます。図 26 を参照してください。DSP ファームは、Cisco CME によって管理されます。
(注) G.729 コールを G.711 に変換すると、既存の G.711 ソフトウェアベースの 3 者間会議に G.729 コールを参加させることができます。そのため、DSP を変換機能と会議機能に分割する必要はなくなります。
図 26 DSP ファーム
Cisco CME ルータ上の DSP 音声リソースの数を特定するには、 show voice dsp コマンドを使用します。
設定済み DSP ファームの数を特定するには、 show sdspfarm sessions コマンドと show sdspfarm units コマンドを使用します。
NM-HDV の DSP ファームの設定
NM-HDV の DSP ファームを設定するには、Cisco CME ルータ上で DSP ファームと Skinny Client
Control Protocol(SCCP)を有効にする必要があります。また、DSP ファーム 1 つあたりの変換セッション数を指定し、ローカル SCCP インターフェイスを選択する必要もあります。
要約手順
1. voice-card slot
2. dsp services dspfarm
3. exit
4. sccp local interface-type interface-number
5. sccp ccm ip-address priority priority-number
6. sccp
7. dspfarm transcoder maximum sessions number
8. dspfarm
詳細手順
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ステップ 1 |
voice-card slot
Router(config)# voice-card 1 |
voice-card 設定モードを開始し、NM-HDV または NM-HDV ファームがあるシャーシ内のスロットを特定します。 |
ステップ 2 |
dsp services dspfarm
Router(config-voicecard)# dsp services dspfarm |
NM-HDV または NM-HDV ファームの DSP ファームを有効にします。 |
ステップ 3 |
exit
Router(config-voicecard)# exit |
global 設定モードに戻ります。 |
ステップ 4 |
sccp local interface-type interface-number
Router(config)# sccp local FastEthernet 0/0 |
SCCP アプリケーション(変換および会議)が Cisco CME への登録時に使用するローカル インターフェイスを選択します。 • interface-type :SCCP アプリケーションが Cisco CME への登録時に使用するインターフェイス タイプ。タイプには、インターフェイス アドレス、またはイーサネットなどの仮想インターフェイス アドレスを指定できます。 • interface-number :SCCP アプリケーションが Cisco CME への登録時に使用するインターフェイス番号。 |
ステップ 5 |
sccp ccm ip-address priority priority-number
Router(config)# sccp ccm 10.10.10.1 priority 1
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Cisco CME アドレスを指定します。 • ip-address :Cisco CME サーバの IP アドレス。 • priority priorit y:他の接続済みサーバと比較した、Cisco CME サーバの優先順位。値の範囲は 1(最高)~ 4(最低)です。 |
ステップ 6 |
sccp
Router(config)# sccp |
SCCP およびそれに関連付けられた変換アプリケーションと会議アプリケーションを有効にします。 |
ステップ 7 |
dspfarm transcoder maximum sessions number
Router(config)# dspfarm transcoder maximum sessions 12 |
DSP ファームでサポートできる変換セッションの最大数を指定します。DSP 1 つで、最大 4 つの変換セッションをサポートできます。
(注) この値を割り当てる際は、会議サービス用に割り当てられた DSP の数を考慮してください。
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ステップ 8 |
dspfarm
Router(config)# dspfarm |
DSP ファームを有効にします。 |
NM-HD および NM-HDV2 の DSP ファームの設定
NM-HD および NM-HDV2 の DSP ファームを設定するには、ルータ上で DSP ファームと SCCP を有効にする必要があります。また、ローカル SCCP インターフェイスを選択し、DSP ファーム プロファイルと Cisco CME グループを設定する必要もあります。DSP ファーム プロファイルは、コーデックの使用方法と変換セッションの最大数を宣言し、DSP ファーム プロファイルに SCCP を関連付けます。
Cisco CME グループは、DSP ファームのデータが宣言されているネーミング デバイスです。必要なグループは 1 つだけです。Cisco CME グループに対しては、グループに優先順位を割り当て、グループに DSP ファーム プロファイルを関連付け、さらに keepalive、switchback、および switchover の各パラメータを設定する必要があります。
要約手順
1. voice-card slot
2. dsp services dspfarm
3. exit
4. sccp local interface-type interface-number
5. sccp ccm ip-address identifier identifier-number
6. sccp
7. sccp ccm group group-number
8. associate ccm identifier-number priority
9. associate profile profile-identifier register device-name
10. keepalive retries number
11. switchover method { graceful | immediate }
12. switchback method { graceful | guard timeout-guard-value | immediate | uptime uptime-timeout-value }
13. switchback interval seconds
14. exit
15. dspfarm profile profile-identifier transcode
16. codec codec-type
17. maximum sessions number
18. associate application sccp
19. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
voice-card slot
Router(config)# voice-card 1 |
voice-card 設定モードを開始し、NM-HDV または NM-HDV ファームがあるシャーシ内のスロットを特定します。 |
ステップ 2 |
dsp services dspfarm
Router(config-voicecard)# dsp services dspfarm |
NM-HDV または NM-HDV ファームの DSP ファームを有効にします。 |
ステップ 3 |
exit
Router(config-voicecard)# exit |
voice card 設定モードを終了します。 |
ステップ 4 |
sccp local interface-type interface-number
Router(config)# sccp local FastEthernet 0/0 |
SCCP アプリケーション(変換および会議)が Cisco CME への登録時に使用するローカル インターフェイスを選択します。 • interface-type :SCCP アプリケーションが Cisco CME への登録時に使用するインターフェイス タイプ。タイプには、インターフェイス アドレス、またはイーサネットなどの仮想インターフェイス アドレスを指定できます。 • interface-number :SCCP アプリケーションが Cisco CME への登録時に使用するインターフェイス番号。 |
ステップ 5 |
sccp ccm ip-address identifier identifier-number
Router(config)# sccp ccm 10.10.10.1 priority 2
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Cisco CME アドレスを指定します。 • ip-address :Cisco CME サーバの IP アドレス。 • identifier identifier-number :SCCP Cisco CME IP アドレスを Cisco CME グループに関連付けるために使用される識別子。ステップ 8 の associate ccm コマンドを参照してください。 |
ステップ 6 |
sccp
Router(config)# sccp |
SCCP およびそれに関連付けられた変換アプリケーションと会議アプリケーションを有効にします。 |
ステップ 7 |
sccp ccm group group-number
Router(config)# sccp ccm group 1 |
Cisco CME グループを作成し、Cisco CME の SCCP 設定モードを開始します。 • group-number :Cisco CME グループを識別する番号。値の範囲は 1 ~ 65535 です。デフォルト値はありません。 |
ステップ 8 |
associate ccm identifier-number priority
Router(config-sccp-ccm)# associate ccm 1 priority |
Cisco CME を Cisco CME グループに関連付け、グループにおけるその優先順位を設定します。 • identifier-number :Cisco CME を識別する番号。 値の範囲は 1 ~ 65535 です。デフォルト値はありません。 • priority :Cisco CME グループにおける Cisco CME ルータの優先順位。デフォルトは 1 です。これは、指定できる Cisco CME グループが 1 つだけであるためです。 |
ステップ 9 |
associate profile profile - identifier register device-name
Router(config-sccp-ccm)# dspfarm |
DSP ファーム プロファイルを Cisco CME グループに関連付けます。 • profile-identifier :DSP ファーム プロファイルを識別する番号。値の範囲は 1 ~ 65535 です。デフォルト値はありません。 • register device-name :Cisco CallManager でユーザが指定したデバイス名。 |
ステップ 10 |
keepalive retries number
Router(config-sccp-ccm)# keepalive retries 5 |
SCCP から Cisco CME へのキープアライブ リトライ回数を設定します。 • number :キープアライブの試行回数。値の範囲は 1 ~ 32 です。デフォルトは 3 です。 |
ステップ 11 |
switchover method [ graceful | immediate ]
Router(config-sccp-ccm)# keepalive retries 5 |
アクティブな Cisco CME と SCCP クライアントとの通信リンクがダウンしたときに SCCP クライアントが使用する切り替え方式を設定します。 • graceful :アクティブなセッションすべてが正常に終了した後で切り替えを行います。 • immediate :セカンダリ Cisco CME システムのいずれかに即時に切り替えます。 |
ステップ 12 |
switchback method { graceful | guard timeout-guard-value | immediate | uptime uptime-timeout-value }
Router(config-sccp-ccm)# switchback method immediate |
アクティブな Cisco CME と SCCP クライアントとの通信リンクがダウンしたときに SCCP クライアントが使用する切り替え方式を設定します。 • graceful :アクティブなセッションすべてが正常に終了した後でスイッチバックを行います。 • guard timeout-guard-value :アクティブなセッ ションの正常終了か、保護タイマーの時間切れのうち、どちらかが先に発生したときにスイッチバックを行います。タイムアウト値の単位は秒です。値の範囲は 60 ~ 172800 です。デフォルトは 7200 です。 • immediate :アクティブな接続があるかどうかに関係なく、タイマーが時間切れになるとすぐに、上位の Cisco CME にスイッチバックします。 • uptime uptime-timeout-value :上位の Cisco CME がアクティブになったときに動作期間タイマーを起動します。タイムアウト値の単位は秒です。値の範囲は 60 ~ 172800 です。デフォルトは 7200 です。 |
ステップ 13 |
switchback interval seconds
Router(config-sccp-ccm)# switchback interval 5 |
現在の Cisco CME スイッチバック接続が失敗したときに DSP ファームが待機する時間を設定します。この時間を過ぎると、DSP ファームはプライマリ Cisco CME をポーリングします。 • seconds :タイマーの値(秒単位)。値の範囲は 1 ~ 3600 です。デフォルトは 60 です。 |
ステップ 14 |
exit
Router(config-voicecard)# exit |
voice card 設定モードを終了します。 |
ステップ 15 |
dspfarm profile profile-identifier transcode
Router(config)# dspfarm profile 1 transcode |
DSP farm profile 設定モードを開始し、DSP ファーム サービスのプロファイルを定義します。 • profile-identifier :プロファイルを一意に識別する番号。値の範囲は 1 ~ 65535 です。デフォルトはありません。 • transcode :変換用のプロファイルを有効にします。 |
ステップ 16 |
codec codec-type
Router(config-dspfarm-profile)# codec g711ulaw |
DSP ファーム プロファイルでサポートするコーデックを指定します。 • codec-type :優先するコーデックを指定します。 • コーデックのリストを探すときは、CLI のヘルプを使用します。 |
ステップ 17 |
maximum sessions number
Router(config-dspfarm-profile)# maximum sessions 5 |
プロファイルでサポートするセッションの最大数を指定します。 • number :プロファイルでサポートするセッションの数。値の範囲は 0 から X です。デフォルトは 0 です。X の値は、リソース プロバイダーで使用できるリソースの数に応じて、実行時に決まります。 |
ステップ 18 |
associate application sccp
Router(config-dspfarm-profile)# associate application sccp |
SCCP を DSP ファーム プロファイルに関連付けます。 |
ステップ 19 |
exit
Router(config-dspfarm-profile)# exit |
DSP farm profile 設定モードを終了します。 |
変換セッションの数の変更
この作業は、DSP ファームの変換セッションの最大数を変更する必要があるときに実行します。
要約手順
1. no dspfarm
2. dspfarm transcoder maximum sessions number
3. dspfarm
詳細手順
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ステップ 1 |
no dspfarm
Router(config)# no dspfarm |
DSP ファームを無効にします。 |
ステップ 2 |
dspfarm transcoder maximum sessions number
Router(config)# dspfarm transcoder maximum sessions 12 |
DSP ファームでサポートできる変換セッションの最大数を指定します。 |
ステップ 3 |
dspfarm
Router(config)# dspfarm |
DSP ファームを有効にします。 |
DSP ファーム ホストとして機能させる Cisco CME の設定
Cisco CME ルータを DSP ファーム ホストとして機能させるには、次のように設定する必要があります。
• IP Phone のメッセージを Cisco CME ルータの IP アドレスから受信するように Cisco CME ルータを設定する。
• 最大数の DSP ファームを使用するように SCCP サーバを設定する。
• Cisco CME ルータでサポートする G.711 と G.729 の変換セッションの最大数を設定する。
• Cisco CME ルータ レジストリに対する DSP ファーム ユニットのタグ付けおよび定義を行う。
一度に動作可能な変換セッションの最大数を特定するには、 dspfarm transcoder maximum sessions コマンドを使用して設定した変換セッションの最大数に、NM または NM ファームにある DSP ファームの数を掛けます。設定済み DSP ファームの数を特定するには、 show sdspfarm sessions コマンドと show sdspfarm units コマンドを使用します。
DSP ファーム ユニットは、1 ~ 5 としてタグ付けされ、Cisco CME インターフェイスの MAC アドレスを使用して定義されます。たとえば、次のように設定されているとします。
interface FastEthernet 0/0
ip address 10.5.49.160 255.255.0.0
sccp local FastEthernet 0/0
この場合、 show interface FastEthernet 0/0 コマンドを使用すると、次の出力に示すように、MAC アドレスが得られます。
Router# show interface FastEthernet 0/0
FastEthernet0/0 is up, line protocol is up
Hardware is AmdFE, address is 000a.8aea.ca80 (bia 000a.8aea.ca80)
ファースト イーサネット インターフェイスの MAC アドレスは、000a.8aea.ca80 です。
(注) sdspfarm unregister force コマンドを使用すると、アクティブ コールの変換ストリームをすべて登録解除できます。
要約手順
1. telephony-service
2. ip source-address ip-address [ port port ] [ any-match | strict-match ]
3. sdspfarm units number
4. sdspfarm transcode sessions number
5. sdspfarm tag number device-number
6. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
telephony-service
Router(config)# telephony-service |
telephony-service 設定モードを開始します。 |
ステップ 2 |
ip source-address ip-address [ port port ] [ any-match | strict-match ]
Router(config-telephony)# ip source address 10.10.10.1 port 3000 |
指定された IP アドレスおよびポートから Cisco IP Phone のメッセージを受信できるようにルータを設定します。 • address :値の範囲は 0 ~ 5 です。デフォルトは 0 です。 • port port :(オプション)Skinny Protocol に使用する TCP/IP ポート。デフォルトは 2000 です。 • any-match :(オプション)登録のための完全な IP アドレス チェックを無効にします。これはデフォルトです。 • any-match :(オプション)登録のための完全な IP アドレス チェックを必須にします。 |
ステップ 3 |
sdspfarm units number
Router(config-telephony)# sdspfarm units 4 |
SCCP サーバに登録できる DSP ファームの最大数を指定します。 • number :値の範囲は 0 ~ 5 です。デフォルトは 0 です。 |
ステップ 4 |
sdspfarm transcode sessions number
Router(config-telephony)# sdspfarm transcode sessions 40 |
Cisco CME ルータでサポートする G.729 の変換セッションの最大数を指定します。 • 1 つの変換セッションは、変換を使用する発信者間の 2 つの変換ストリームで構成されます。ルータで一度にサポートする変換セッションおよび電話会議の最大数を使用します。 • number :値の範囲は 0 ~ 128 です。デフォルトは 0 です。 |
ステップ 5 |
sdspfarm tag number device-name
Router(config-telephony)# sdspfarm tag 1 mtp000a8eaca80 |
DSP ファーム ユニットを Cisco CME に登録できるようにし、SCCP クライアント インターフェイスの MAC アドレスに関連付けます。 • number :タグ番号。値の範囲は 1 ~ 5 です。 • device-name :SCCP クライアントの MAC アドレスに、「mtp」プレフィックスを付加したもの。 |
ステップ 6 |
exit
Router(config-telephony)# exit |
telephony-service 設定モードを終了します。 |
例
次の例では、mtp000a8eaca80 の DSP ファームを使用してファーム ホストとして機能する Cisco CME ルータのアドレス 10.100.10.11 ポート 2000 が、最大 1 つの DSP ファームと 16 の変換セッションをサポートするように設定します。
ip source address 10.100.10.11 port 2000
sdspfarm transcode sessions 16
sdspfarm tag 1 mtp000a8eaca80
DSP ファームの登録と動作の確認
Cisco CME が変換および会議リソースをプロビジョニングするように正しく設定されていることを確認します。
次の機能を解除するには、DSP ファームまたは SCCP を無効にします。
• アクティブ コール
• DSP
• アクティブな(プライマリ)Cisco CME
• Cisco CME へのアクティブな接続
プライマリ Cisco CME が失敗して、セカンダリ Cisco CME に制御を渡した場合、次のどちらかの方法でプライマリ システムにスイッチバックすることができます。
• graceful スイッチバック:現在のプライマリ システム上のアクティブ コールが終了されたときにスイッチバックします。
• immediate スイッチバック:即時にスイッチバックします。
DSP ファームが登録されていること、および動作していることを確認するには、次の手順を実行します(順序は関係ありません)。
要約手順
1. show sccp [ statistics | connections ]
2. show sdspfarm units
3. show sdspfarm sessions
4. show sdspfarm sessions summary
5. show sdspfarm sessions active
6. show sccp connections details
7. debug sccp { all | errors | events | packets | parser }
8. debug dspfarm { all | errors | events | packets }
9. debug ephone mtp
詳細手順
ステップ 1 show sccp [ statistics | connections ]
このコマンドを使用すると、SCCP の設定情報と現在のステータスが表示されます。
Router# show sccp statistics
SCCP Application Service(s) Statistics:
Profile ID:1, Service Type:Transcoding
Unsupported pkts rx 1, Unrecognized pkts rx 0
Register tx 1, successful 1, rejected 0, failed 0
KeepAlive tx 0, successful 0, failed 0
OpenReceiveChannel rx 2, successful 2, failed 0
CloseReceiveChannel rx 0, successful 0, failed 0
StartMediaTransmission rx 2, successful 2, failed 0
StopMediaTransmission rx 0, successful 0, failed 0
Reset rx 0, successful 0, failed 0
MediaStreamingFailure rx 0
Switchover 0, Switchback 0
ステップ 2 show dspfarm units
このコマンドを使用すると、設定および登録されている DSP ファームが表示されます。
Router# show sdspfarm units
mtp-1 Device:MTP003080218a31 TCP socket:[2] REGISTERED
actual_stream:8 max_stream 8 IP:10.10.10.3 11470 MTP YOKO keepalive 1
max-mtps:1, max-streams:40, alloc-streams:8, act-streams:2
ステップ 3 show dspfarm sessions
このコマンドを使用すると、変換ストリームが表示されます。
Router# show sdspfarm sessions
Stream-ID:1 mtp:1 10.10.10.3 18404 Local:2000 START
codec:G711Ulaw64k duration:20 vad:0 peer Stream-ID:2
Stream-ID:2 mtp:1 10.10.10.3 17502 Local:2000 START
codec:G729AnnexA duration:20 vad:0 peer Stream-ID:1
Stream-ID:3 mtp:1 0.0.0.0 0 Local:0 IDLE
codec:G711Ulaw64k duration:20 vad:0 peer Stream-ID:0
Stream-ID:4 mtp:1 0.0.0.0 0 Local:0 IDLE
codec:G711Ulaw64k duration:20 vad:0 peer Stream-ID:0
Stream-ID:5 mtp:1 0.0.0.0 0 Local:0 IDLE
codec:G711Ulaw64k duration:20 vad:0 peer Stream-ID:0
Stream-ID:6 mtp:1 0.0.0.0 0 Local:0 IDLE
codec:G711Ulaw64k duration:20 vad:0 peer Stream-ID:0
Stream-ID:7 mtp:1 0.0.0.0 0 Local:0 IDLE
codec:G711Ulaw64k duration:20 vad:0 peer Stream-ID:0
Stream-ID:8 mtp:1 0.0.0.0 0 Local:0 IDLE
codec:G711Ulaw64k duration:20 vad:0 peer Stream-ID:0
ステップ 4 show dspfarm sessions summary
このコマンドを使用すると、変換ストリームが要約ビューに表示されます。
Router# show sdspfarm sessions summary
max-mtps:2, max-streams:240, alloc-streams:40, act-streams:2
ID MTP State CallID confID Usage Codec/Duration
==== ===== ====== =========== ====== ============================= ==============
1 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
2 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
3 2 START -1 3 MoH (DN=3 , CH=1) FE=TRUE G729 /20ms
4 2 START -1 3 MoH (DN=3 , CH=1) FE=FALSE G711Ulaw64k /20ms
5 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
6 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
7 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
8 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
9 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
10 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
11 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
12 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
13 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
14 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
15 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
16 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
17 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
18 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
19 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
20 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
21 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
22 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
23 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
24 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
25 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
26 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
27 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
28 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
29 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
30 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
31 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
32 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
33 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
34 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
35 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
36 2 IDLE -1 0 G711Ulaw64k /20ms
ステップ 5 show dspfarm sessions active
このコマンドを使用すると、すべてのアクティブなセッションに関する変換ストリームが表示されます。
Router# show sdspfarm sessions active
Stream-ID:1 mtp:1 10.10.10.3 18404 Local:2000 START
codec:G711Ulaw64k duration:20 vad:0 peer Stream-ID:2
Stream-ID:2 mtp:1 10.10.10.3 17502 Local:2000 START
codec:G729AnnexA duration:20 vad:0 peer Stream-ID:1
ステップ 6 show sccp connections details
このコマンドを使用すると、コール レッグの詳細など、SCCP 接続の詳細が表示されます。
Router# show sccp connections details
bridge-info(bid, cid) - Normal bridge information(Bridge id, Calleg id)
mmbridge-info(bid, cid) - Mixed mode bridge information(Bridge id, Calleg id)
sess_id conn_id call-id codec pkt-period type bridge-info(bid, cid) mmbridge-info(bid, cid)
1 - 14 N/A N/A transmsp All RTPSPI Callegs N/A
1 2 15 g729a 20 rtpspi (4,14) N/A
1 1 13 g711u 20 rtpspi (3,14) N/A
Total number of active session(s) 1, connection(s) 2, and callegs 3
ステップ 7 debug sccp { all | errors | events | packets | parser}
このコマンドを使用すると、SCCP およびそのアプリケーションに関するデバッグ レベルが設定されます。
ステップ 8 debug dspfarm { all | errors | events | packets}
このコマンドを使用すると、DSP ファーム サービスに関するデバッグ レベルが設定されます。
ステップ 9 debug ephone mtp
このコマンドを使用すると、Message Transfer Part(MTP)のデバッグが有効になります。このデバッグ コマンドは、 debug ephone mtp 、 debug ephone register 、 debug ephone state 、および debug ephone pak の各コマンドと一緒に使用します。
パフォーマンスのチューニング
パフォーマンスをチューニングするには、次のコマンドを使用します。
要約手順
1. sccp ip precedence value
2. dspfarm rtp timeout seconds
3. dspfarm connection interval seconds
詳細手順
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ステップ 1 |
sccp ip precedence value
Router(config)# sccp ip precedence 5 |
(オプション)IP 順位の値を設定します。 • このコマンドを使用すると、SCCP によって制御される接続上の音声パケットの優先順位を高くすることができます。 |
ステップ 2 |
dspfarm rtp timeout seconds
Router(config)# dspfarm rtp timeout 60 |
(オプション)「RTP port unreachable」というエラー状態が発生した場合の Real-Time Transport Protocol(RTP)タイムアウト間隔を設定します。 |
ステップ 3 |
dspfarm connection interval seconds
Router(config)# dspfarm connection interval 60 |
(オプション)RTP ストリームを削除するまで RTP の非アクティブな状態を監視する時間を指定します。 |