ボイスメールと Cisco CME の統合
この章では、Cisco CallManager Express(Cisco CME)と Cisco Unity の統合について説明します。また、その他のタイプのボイスメール システムに対して適切なインバンド Dual Tone MultiFrequency(DTMF; デュアルトーン複数周波数)統合を指定する方法についても説明します。
(注) Analog Telephone Adaptor(ATA; アナログ電話アダプタ)に関連付けられた内線番号の場合、
Message-Waiting Indication(MWI; メッセージ受信のインジケータ)により、ATA の点灯機能ボタンが点灯し、接続されたアナログ電話機で断続的なダイヤル トーンが発生します。
(注) 「Cisco IOS Voice Configuration Library」全体(ライブラリの前書きと用語集、他の機能に関する資料、トラブルシューティングに関する資料を含む)には、
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios123/123cgcr/vcl.htm からアクセスできます。
DTMF と従来のボイスメール デバイスの統合
デュアルトーン複数周波数(DTMF)統合の場合、着信コールまたは転送コールのルーティング方法に関する情報は、電話システムによって DTMF ディジットの形式で送信されます。DTMF ディジットは、Cisco CME ルータに接続されたボイスメール システム内の統合ファイルに基づくパターンで送信されます。Cisco CME の DTMF とほとんどのボイスメール システムを統合するには、これらのパターンが必要になります。Cisco CME ルータの DTMF 統合を設定すると、すべてのアナログ ボイスメール システムと連動するようになります。ボイスメール システムは、システムが着信コールに応答した後に DTMF に応答するよう設計されています。必要な作業は次のとおりです。
• 「ルータの DTMF パターンの設定」(必須)
• 「従来のボイスメール システムへの統合ファイルの設定」(必須)
ルータの DTMF パターンの設定
Cisco CME ルータは、従来のあらゆるボイスメール システムと統合できる柔軟性を備えています。ボイスメール システムとアクセス タイプに応じて、パターンごとに複数のタグとトークンを設定できます。設定パターンで使用する tag 引数は、コール タイプを識別するためにボイスメール システムの統合ファイルに定義された番号と一致している必要があります。 CGN (発信番号)、 CDN (着信番号)、および FDN (転送番号)の各キーワードは、ボイスメール システムに送信されるコール タイプの情報を定義します。
(注) 単一のコマンドラインで CGN、CDN、または FDN キーワードの複数インスタンスを使用することはあまりありませんが、そうすることも可能です。
要約手順
1. vm-integration
2. pattern direct tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }]
[ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
3. pattern ext-to-ext busy tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }]
[ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
4. pattern ext-to-ext no-answer tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }]
[ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
5. pattern trunk-to-ext busy tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }]
[ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
6. pattern trunk-to-ext no-answer tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }]
[ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
7. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
vm-integration
Router(config) vm-integration
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voice-mail integration 設定モードを開始し、ボイスメールと DTMF およびアナログ ボイスメール システムの統合を有効にします。 |
ステップ 2 |
pattern direct tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }] [ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
Router(config-vm-integration) pattern direct 2 CGN * |
ユーザが電話機のメッセージ ボタンを押したときにボイスメール システムをアクティブにするための DTMF ディジット パターン転送を設定します。 • tag アトリビュートは、4 桁の DTMF ディジットよりも短い英数字の文字列です。この英数字の文字列は、4 つの文字(A、B、C、D)、2 つの記号(*、#)、および 10 個の数字(0 ~ 9)の組み合せで構成されます。タグ番号は、ボイスメール システムの統合ファイルに定義された番号と一致します。また、タグ番号の位置は、発信番号、着信番号、転送番号のいずれかの直前になります。Cisco SRS Telephony ルータは、最大 4 つのタグをサポートします。 • CGN 、 CDN 、および FDN の各キーワードは、発信番号(CGN)、着信番号(CDN)、転送番号(FDN)など、ボイスメール システムに送信されるコール タイプの情報を設定します。 |
ステップ 3 |
pattern ext-to-ext busy tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }] [ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
Router(config-vm-integration) pattern ext-to-ext busy 7 FDN * CGN * |
内線が通話中の内線に接続しようとしてボイスメールに転送されたときにボイスメール システムをアクティブにするための DTMF ディジット パターン転送を設定します。 |
ステップ 4 |
pattern ext-to-ext no-answer tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }] [ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
Router(config-vm-integration) pattern ext-to-ext no-answer 5 FDN * CGN * |
内線が別の内線への接続に失敗してボイスメールに転送されたときにボイスメール システムをアクティブにするための DTMF ディジット パターン転送を設定します。 |
ステップ 5 |
pattern trunk-to-ext busy tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }] [ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
Router(config-vm-integration) pattern trunk-to-ext busy 6 FDN * CGN * |
外部トランク コールが通話中の内線に到達してボイスメールに転送されたときにボイスメール システムをアクティブにするための DTMF ディジット パターン転送を設定します。 |
ステップ 6 |
pattern trunk-to-ext no-answer tag1 { CGN | CDN | FDN } [tag2 { CGN | CDN | FDN }] [ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
Router(config-vm-integration)# pattern trunk-to-ext no-answer 4 FDN * CGN * |
外部トランク コールが無応答の内線に到達してボイスメールに転送されたときにボイスメール システムをアクティブにするための DTMF ディジット パターン転送を設定します。 |
ステップ 7 |
exit
Router(config-vm-integration)# exit |
voice-mail integration 設定モードを終了します。 |
従来のボイスメール システムへの統合ファイルの設定
サードパーティ製の従来のボイスメール システムに統合ファイルを設定するには、そのボイスメール システムのドキュメントに記載されている手順に従ってください。ボイスメール システムと Cisco CME ルータが連動するように DTMF 統合パターンを適切に設計する必要があります。