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ネットワーク、コール ルーティング、呼制御インフラストラクチャ、およびアプリケーションとサービスを Cisco Unified Communications および Collaboration システムに配置した後は、ネットワークとアプリケーションの管理コンポーネントをそのインフラストラクチャの最上位に追加または階層化できます。既存の Cisco Unified Communications および Collaboration インフラストラクチャに配置して、システムの動作をモニタおよび管理できるアプリケーションおよびサービスが多数存在します。これらのアプリケーションとサービスは、次の 4 つの基本領域に分類できます。
本 SRND のこのパートでは、上記で説明しているアプリケーションとサービスについて説明します。さまざまなネットワーク管理アプリケーションとサービスの概要を示したあと、アーキテクチャ、ハイ アベイラビリティ、キャパシティ プランニング、および設計上の考慮事項について説明します。ここでは、アプリケーションおよびサービスの設計関連の側面を中心に説明します。製品固有のサポートおよび設定情報については、関連する製品マニュアルを参照してください。
SRND のこのパートには、Cisco Unified Communications および Collaboration 配置のサイジング方法と、サードパーティおよび従来のコミュニケーション システムから Cisco Unified Communications および Collaboration システムに移行するための推奨方法に関する詳細情報も含まれます。
この章では、個々の Unified Communications および Collaboration コンポーネント、および相互通信する複数のコンポーネントで構成されたシステムのサイジングについて説明します。各種 Unified Communications および Collaboration 製品がサポートするさまざまな機能がパフォーマンスに及ぼす影響、および複雑な Unified Communications および Collaboration ネットワークを配置する方法として「データシートによる設計」が適していない理由についても説明します。加えて、利用できるさまざまなサイジング ツール、特に Cisco Collaboration Sizing Tool の使用方法について詳しく説明します。
この章では、音声、ビデオ、およびコラボレーションの個々のスタンドアロン システムから統合 Cisco Unified Communications および Collaboration システムに移行するための複数の方法について説明します。段階的な移行と並行カットオーバーの両方について、利点と欠点を説明します。構内交換機(PBX)を新しい Unified Communications および Collaboration システムに接続するために必要なサービスについても説明します。この章で説明する主要なトピックには、IP テレフォニーの移行、ビデオの移行、および音声とデスクトップ コラボレーション システムの移行が含まれます。
この章では、Unified Communications および Collaboration ネットワークとアプリケーションの管理サービスについて説明します。これは、ほとんどの Unified Communications および Collaboration 導入で一般的に普及しているサービス セットです。これらの管理サービスにより、管理者はユーザとデバイスをプロビジョニングおよび設定し、ネットワークとアプリケーションの動作や音声およびビデオ品質をモニタし、問題が発生したときにアラートとアラームを受信できます。また、この章では、配置モデルに対するこれらの管理アプリケーションとサービスの影響についても説明し、ネットワークとアプリケーションの管理サービスおよびアプリケーションに関する設計と導入のベスト プラクティスを示します。
他のネットワークおよびアプリケーション テクノロジー システムの場合と同様、運用とサービスアビリティのアプリケーションおよびサービスは、基盤となるネットワーク インフラストラクチャ、システム インフラストラクチャ、およびアプリケーション インフラストラクチャの最上位で階層化して、これらのインフラストラクチャをモニタおよび制御できるようにする必要があります。Unified Communications および Collaboration の運用とサービスアビリティ サービス(ユーザとデバイスのプロビジョニング、音声およびビデオ品質のモニタリングおよびアラート、運用と障害のモニタリング、ネットワークとアプリケーションのプローブなど)はすべて、運用とサービスアビリティのさまざまなアプリケーションおよびプローブにネットワーク接続するために、基盤のネットワーク インフラストラクチャを使用します。Unified Communications および Collaboration のコール ルーティングと呼制御のインフラストラクチャ、または Unified Communications および Collaboration のクライアントとサービスとの直接の依存関係はありませんが、これらのインフラストラクチャおよびアプリケーションは、さまざまな運用サービスや管理サービスが実際に管理および設定する対象となります。たとえば、ユーザとデバイスのプロビジョニング サービスと、モニタリングおよびアラートの各種サービスでは、さまざまな Unified Communications および Collaboration のアプリケーションとサービス ノードに接続するためにネットワーク インフラストラクチャを利用して、さまざまなコンポーネントおよび動作を設定およびモニタします。また、これらのサービスは、コンポーネント(呼処理エージェント、PSTN ゲートウェイと IP ゲートウェイ、メディア リソース、エンドポイントなど)および(メッセージング、リッチ メディア会議、およびコラボレーション クライアント用の)各種 Unified Communications および Collaboration アプリケーションと直接通信し、場合によっては設定の変更やアラートの受信を行います。これらのインフラストラクチャ レイヤおよび基本的な Unified Communications および Collaboration サービスとアプリケーションに依存する以外に、運用とサービスアビリティに関連するそれぞれのサービスは、多くの場合、完全に機能するために相互に依存します。
ネットワーク、コール ルーティング、呼制御の各インフラストラクチャ、および重要な Unified Communications および Collaboration アプリケーションとサービスの場合と同様に、運用とサービスアビリティ サービスは、ネットワークやアプリケーションに障害が発生した場合でも必要なプロビジョニング、モニタリング、およびアラートが引き続き実行されるように、ハイ アベイラビリティを実現する必要があります。発生する可能性のあるさまざまなタイプの障害、およびこれらの障害に関する設計上の考慮事項を理解することが重要となります。Unified Communications および Collaboration の運用とサービスアビリティ コンポーネントは、他のコンポーネントやサービスに依存していることから、場合によっては、1 つの運用および管理アプリケーションまたはサービスの障害が、複数のサービスに影響を及ぼすことがあります。たとえば、ネットワーク管理導入のさまざまなアプリケーション サービス コンポーネントが適切に機能していても、ネットワーク接続の切断または障害が発生すると、冗長ネットワーク プローブが別の接続パスとともに展開されていない限り、ネットワーク プローブはネットワークの正常性または音声およびビデオ品質をモニタできなくなります。
ユーザとデバイスのプロビジョニングなどの運用とサービスアビリティ機能の場合、ハイ アベイラビリティに関する考慮事項には、ネットワーク接続またはアプリケーション サーバの障害による一時的な機能の喪失によって、管理者がユーザとデバイスをプロビジョニングできなくなったり、ユーザ アカウントまたはデバイス設定を変更できなくなったりすることが含まれます。また、これらのタイプの運用のフェールオーバーに関する考慮事項には、特定の障害が発生した場合に、管理者が一部の設定変更を引き続き実行できるように、冗長な運用または管理のアプリケーションによって一部の機能を処理できるようにするというシナリオが含まれます。
ハイ アベイラビリティに関する考慮事項は、音声およびビデオ品質のモニタや、アプリケーションおよび動作障害のモニタなどのサービスを提供する運用とサービスアビリティのアプリケーションに対しても考慮する必要があります。ネットワークの接続性が妨げられたり、サーバやアプリケーションで障害が発生した場合は、モニタやアラートに関する機能が縮退したり、場合によっては、これらの機能が完全に失われます。これは、音声およびビデオ品質のモニタリングにおいては、コール フローやデバイスに関する品質の測定ができなくなる場合があることを意味します。運用と障害モニタリング サービスにおいては、設定変更された内容を追跡するためのデータや、障害の発生を示すのアラートやインジケータが損失してしまう可能性も考慮して冗長化を行う必要があります。
ネットワーク、コール ルーティング、および呼制御の各インフラストラクチャ、および Unified Communications および Collaboration アプリケーションとサービスは、個々のコンポーネントおよびシステム全体のキャパシティとスケーラビリティを理解して設計および配置する必要があります。同様に、運用とサービスアビリティのコンポーネントとサービスの導入についても、キャパシティとスケーラビリティの考慮事項に注意して設計する必要があります。運用とサービスアビリティの各種アプリケーションとコンポーネントを配置する場合は、アプリケーション自体のスケーラビリティの考慮が重要となるだけでなく、基盤となるインフラストラクチャのスケーラビリティについても考慮する必要があります。ネットワーク インフラストラクチャは、利用可能な帯域幅を有し、運用によって発生する追加のトラフィック負荷を処理できる必要があります。同様に、コール ルーティングと呼制御インフラストラクチャでは、使用中のさまざまな運用とサービスアビリティ コンポーネントによって実施される、必要な入力と出力を処理できる必要があります。たとえば、音声品質のモニタリングやアラート、運用と障害のモニタリングなどの運用アプリケーションとサービスでは、所定の時間にモニタできるデバイスやコール フローの数に関して、これらの個々のアプリケーションやサービスに対するキャパシティの暗黙的要件がありますが、モニタとアラートの実行に必要となる、追加のネットワーク トラフィックおよび接続を処理するための、基盤となるインフラストラクチャおよびモニタ対象アプリケーションのスケーラビリティも、同様に重要となります。モニタおよびアラートのアプリケーションやサービス自体が多数のネットワーク デバイスやコール フローをサポートできる場合でも、基盤となるネットワークやデバイスが、接続のプローブ、またはモニタリングおよびアラート サービスによって生成されたアラーム メッセージング負荷を処理できるキャパシティを持っていない場合があります。
ユーザまたはデバイスのプロビジョニング機能を提供する運用アプリケーションまたはサービスの場合、キャパシティ プランニングの考慮事項には、プロビジョニング アプリケーションが要求された負荷を処理できること、およびユーザまたはデバイスのプロビジョニング処理が、特定の基礎となる Unified Communications のアプリケーションとサービスでサポートされているデバイスまたはユーザの数を超えないことを保証するだけでなく、プロビジョニングまたは設定変更のトランザクションが、基礎となるネットワークのキャパシティ、または特定のアプリケーションでトランザクションを処理できる割合のいずれも超えないことを保証することが含まれます。基盤となるネットワーク インフラストラクチャ、およびコール ルーティングと呼制御のインフラストラクチャが追加の負荷を処理できると想定すると、ほとんどの場合、運用プロビジョニング アプリケーション サーバを増やしたり、基になる Unified Communications および Collaboration のアプリケーション インスタンスやサービス インスタンスを増やしたりすることで、キャパシティを追加できます。
システム サイジング、キャパシティ プランニング、およびサイジングに関連する配置上の考慮事項の詳細については、コラボレーション ソリューション サイジング ガイダンスの章を参照してください。