イーサネットおよび Data Communications Channel(DCC)のポート上で Cisco ONS 15454 ノードを管理できます。さまざまなオプションにより接続が可能です。このドキュメントでは、さまざまなイーサネット ポートが互いにどのように関連しているかを取り上げ、ケーブル配線手順について説明します。またドキュメントには、接続例を示すケース スタディも含まれています。
次の項目に関する知識があることが推奨されます。
Cisco ONS 15454
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づいています。
Cisco ONS 15454
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
カテゴリ 5 非シールド撚り対銅線には現在、3 つの配線規格があります(詳細は表 1 を参照)。
EIA/TIA 568A
EIA/TIA 568B または AT&T 258A
USOC(統一サービス発注コード)
これら 3 つの配線仕様はすべて、同じ 8 つのケーブル カラーを使用しますが、配線(つまりケーブルとピンのマッピング)は異なります。EIA/TIA 568B(略して T568B)は、現在最も一般的に使用されている配線です。
一般的に使用されるコネクタは RJ-45(RJ はレジスタード ジャックの略)です。RJ-45 は USOC により定義され、以前は RJ-61X と呼ばれていました。
イーサネット 10BaseT および 100BaseT では、4 つの配線だけを使用します。
表 1:イーサネットの場合のカテゴリ 5 UTP ケーブル ピンピン番号 | EIA/TIA 568A | AT&T 258A または EIA/TIA 568B | USOC | イーサネット 10BASE-T 100BASE-T |
---|---|---|---|---|
1 | 白/緑 | 白/橙 | 茶または茶/白 | X |
0 | 緑/白または緑 | 橙/白または橙 | 白/緑 | X |
3 | 白/橙 | 白/緑 | 白/橙 | X |
4 | 青/白または青 | 青/白または青 | 青または青/白 | 使用しない |
5 | 白/青 | 白/青 | 白/青 | 使用しない |
6 | 橙/白または橙 | 緑/白または緑 | 橙または橙/白 | X |
7 | 白/茶 | 白/茶 | 緑または緑/白 | 使用しない |
8 | 茶/白または茶 | 茶/白または茶 | 白/茶 | 使用しない |
イーサネットは、差分信号を使用して無線周波数干渉(RFI)を抑えます。 伝送される信号は 2 つの別個の回線で送られます。一方はプラス(+)、もう一方はマイナス(-)です。 受信器は、2 つの信号間の差異から実際の信号を導き出すため、RFI によるノイズを排除できます。両方の信号を確実に同じノイズ レベルにするために、相反する信号を撚り合わせる必要があります。
各ピンの信号のタイプは、配線されているデバイスのタイプによって異なります。次の 2 種類のイーサネット デバイスがあります。
データ端末装置(DTE):ルータや PC などのユーザ デバイス。
データ通信装置(DCE):ハブ、リピータ、スイッチなどのネットワーク デバイス。
類似する 2 つのデバイス(DCE と DCE、または DTE と DTE)を接続するには、クロス ケーブルが必要です。 同類ではないデバイス(DTE と DCE)を接続するには、ストレート ケーブルが必要です。 送信ピンと受信ピンを一致させる必要があります。さらに、極の不一致があるとデバイスが正しく機能しないことがあるため、極を一致させる必要があります(つまり、プラスとプラス、マイナスとマイナス)。LED が点灯していない場合は、配線に問題があることを示唆しています。
表 2:イーサネットのピン配置ピン番号 | DTE | DCE |
---|---|---|
1 | 送信+ | | 受信+ | |
0 | Transmit- | Receive- |
3 | 受信+ | | 送信+ | |
4 | Receive- | Transmit- |
注:表2には、使用可能なピンのみが含まれています。
ONS 15454 では、シャーシに次の 3 つのイーサネット ポートがあります。
アクティブ TCC 上に 1 つのイーサネット ポート。TCC はここでは、さまざまな世代のカード(つまり TCC、TCC+、TCC2)を表します。
スタンバイ TCC 上に 1 つのイーサネット ポート。
バックプレーン上に 8 つのワイヤラップ ピン。上の 4 つのピンだけが LAN 接続に使用されます。
すべてのポートが、半二重、速度 10 Mbps に固定されています。
Cisco ONS 15454 のすべてのイーサネット ポートは DCE として配線されます。したがって、外部デバイスが DCE である場合は、クロス ケーブルが必要です。外部デバイスが DTE である場合は、ストレート ケーブルが必要です。
3 つのイーサネット ポート(各 TCC にそれぞれ 1 つ、バックプレーンに 1 つ)は、2 つのリピータに内部で配線されます(図 1 を参照)。 各 TCC で、1 つのリピータがすべてのイーサネット ポートを相互接続します。また、バックプレーンでピンを介して 2 つのリピータが直接接続されます。
図 1:ONS 15454 上のイーサネット ポート配線
いずれか 2 つ、または 3 つすべてのポートが同じ(外部)ハブまたはリピータに接続されている場合は、リピータのループが形成されます。どのような場合でもリピータのループが形成されないように注意してください。
警告:リピータループが原因でトラフィックストームが発生する場合があります。ループを形成するハブまたはリピータのすべてのポートで、接続が失われる可能性があります。
図 2 は、2 つの TCC ポートが同じハブに接続されているシナリオです。2 つの TCC のイーサネット ポートとハブの間にリピータのループが形成されています。トラフィックが巡回し、やがてすべてのポートが飽和状態になります。バックプレーンのイーサネット ポートと(1 つ以上の)TCC ポートを同じハブに接続した場合も、同じ問題が発生します。
図 2:リピータのループの例
スパニング ツリー プロトコル(STP)では 1 つのポートのみがフォワーディング ステートになるため、ループを形成せずに複数のポートを 1 つのスイッチに接続できます。ただし、STP コンバージェンスが実行されるたびに、接続が一時的に(約 30 秒間)失われます。
Cisco ONS 15454 ANSIシステムのバックプレーンには、A1からA4およびB1からB4の8つのLANピンがあります。使用できるのはA1、A2、B1、およびB2(LAN1に接続)ですが、他の4ピン(LAN2に2に接続)は使用できません。
表 3 と表 4 は、ANSI システムと SDH システムでの RJ-45 ピン関連付けをリストしています。
表 3:バックプレーン上の ONS 15454 ANSI 用の LAN ピン割り当てピン フィールド | バックプレーン ピン | RJ-45 ピン |
---|---|---|
DCE に接続する LAN 1 | B2 | 1 |
A2 | 0 | |
B1 | 3 | |
A1 | 6 | |
DTE に接続する LAN 1 | B1 | 1 |
A1 | 0 | |
B2 | 3 | |
A2 | 6 |
ピン フィールド | RJ-45 ピン | RJ-45 ピン | 機能 |
---|---|---|---|
DCE に接続する LAN 1 | 1 | 3 | PNMSRX+、白/緑 |
0 | 6 | PNMSRX-、緑 | |
3 | 1 | PNMSTX+、白/橙 | |
6 | 0 | PNMSTX-、橙 | |
DTE に接続する LAN 1 | 1 | 1 | PNMSRX+、白/緑 |
0 | 0 | PNMSRX-、緑 | |
3 | 3 | PNMSTX+、白/橙 | |
6 | 6 | PNMSTX-、橙 |
表 5 は、T568B 規格の一般的な配線カラー コードの例です。
表5 - T568Bカラーコードの例ピン番号 | DCE 信号 | AT&T 258A または EIA/TIA 568B |
---|---|---|
1 | 受信+ | | 白/橙 |
0 | 受信 1 | オレンジ |
3 | 送信+ | | 白/緑 |
6 | Transmit- | 緑 |
注:この例には、使用可能なピンだけが含まれています。
最も一般的な構成では、バックプレーン イーサネット ピンを DCE デバイス(LAN スイッチ、ハブなど)に接続します。このような場合は、表 6 にリストしたカラー コードが適用されます。
表 6:15454 ANSI での DCE の配線例バックプレーン LAN ピン番号 | A | B |
---|---|---|
1 | 緑 | 白/緑 |
0 | オレンジ | 白/橙 |
LAN スイッチ/ハブ上またはルータ/PC 上のポートの LED が点灯している場合は、配線に問題がなく、ONS で報告される特定の状態はありません。ピン 1 とピン 2 の間の配線を逆にすると、LED は点灯しません。A と B の間の配線を逆にした場合、LED は点灯することがありますが、コントローラ カードのタイプに基づいて、CTC および ONS 上の LED パネルで状態が報告される可能性があります。この状態は、「LAN Connection Polarity Reverse Detected(COND-LAN-POL-REV)」と呼ばれます。表 7 は、ソフトウェア リリース 4.x の 3 種類のコントローラ カードでこの機能がサポートされているかどうかを示しています。
表 7:コントローラ カード別の LAN 極性検出コントローラ カード | LAN 極性を検出する | 極が逆転してもイーサネットが機能する |
---|---|---|
TCC+ または TCC | Yes | Yes |
TCC2 | No | No |
Cisco ONS 15454 ノードには 3 つのイーサネット ポートがあります。1 つはアクティブ TCC 上、1 つはスタンバイ TCC 上、もう 1 つはバックプレーン上です。これらのポートは内部でリピータに接続されます。2 つ、または 3 つすべてのポートをハブまたはリピータに接続すると、リピータが形成され、接続が失われる可能性があります。
ハブまたはリピータがアップリンク デバイスである場合は、3 つのポートのうち 1 つのみをこれに接続する必要があります。ソフトウェア リリース 2.0.1 以降では、3 つのポートのうちどれを使用しても基本的に違いはありません。ただし、バックプレーン ポートを使用すると、TCC の交換時にケーブルを変更する必要がないという利点があります。
複数の同時接続が必要な場合は、STP をサポートするスイッチを使用します。STP は 1 つのポートのみをフォワーディング ステートにして、残りのポートをブロッキング ステートにします。スイッチを実稼働環境に展開する前に、ラボでテストすることをお勧めします。STP を使用する場合は、コンバージェンスの停止に注意してください。このオプションの詳細については、「ケース スタディ」セクションを参照してください。
3 つのイーサネット ポートはそれぞれ、DCE として配線されます。したがって、必ず接続先のデバイスに基づく配線にする必要があります。シスコでは、カテゴリ 5 UTP ケーブルを推奨します。イーサネット ポートに加えて、適切な設定を使って SONET DCC ポートを介して ONS 15454 ノードを管理できます(このドキュメントの範囲外であるため、ここでは説明しません)。
このケース スタディでは、スパニング ツリー プロトコル(STP)をサポートするレイヤ 2 スイッチに 15454 ノードを接続する方法を示します。 このドキュメントで前述したように、2 つの TCC ポートとバックプレーン ポートは、イーサネット繰り返しセグメントを形成します。3 つのポートのうち 2 つをハブに接続すると、ブロードキャスト ストームとコリジョンが原因で、すべてのセグメントが飽和状態になる可能性があります。そのため、このような接続を確実に回避する必要があります。2 つの同時接続が必要な場合は、STP をサポートするスイッチを使用します。このケース スタディでセットアップ方法を示します。
図 3 は、2 つのイーサネット ポートを経由して Catalyst 6509 スイッチに接続されている Cisco ONS 15454 ノード(GNE1)を示しています。
1 つのイーサネット ポートはバックプレーン ポート経由で接続されています。
他のイーサネット ポートは、スタンバイまたはアクティブ TCC の前面イーサネット ポートを介して接続されています。
スイッチにはルータも接続されています。Catalyst スイッチの 3 つのイーサネット ポートすべてが同じ VLAN 内にあります。
図3 – スイッチに接続された2つのイーサネットポート
GNE1 への両方のポートが接続されると、各ポートは STP のさまざまな段階を移行します。1 つのポートは未接続、リスニング、ラーニング、フォワーディングの段階に移行し、もう 1 つのポートは未接続、リスニング、ブロッキングの段階に移行します。つまり、1 つのポートだけがフォワーディング ステートとなります。これにより、ハブ環境で発生する飽和の問題が解消されます。フォワーディング ポートを切断すると、別のポートがブロッキング、リスニング、ラーニング、フォワーディングの段階に移行します。
STP コンバージェンスが実行されるたびに、トラフィックが動かない状態が 30 秒間続きます。つまり、この期間中にはノードへの接続が失われます。
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
07-Sep-2005 |
初版 |