はじめに
このドキュメントでは、IDストアのタイプに存在するユーザのユーザごとのダイナミックアクセスコントロールリスト(dACL)の設定について説明します。
前提条件
要件
Identity Services Engine(ISE)のポリシー設定に関する知識があることが推奨されます。
使用するコンポーネント
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づいています。
- Identity Services Engine 3.0
- Microsoft Windows Active Directory 2016
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、クリアな(デフォルト)設定で作業を開始しています。本稼働中のネットワークでは、各コマンドによって起こる可能性がある影響を十分確認してください。
背景説明
ユーザごとのダイナミックアクセスコントロールリスト(DACL)の設定は、ISE内部IDストアまたは外部IDストアに存在するユーザ用です。
設定
ユーザ単位のdACLは、カスタムユーザ属性を使用する内部ストア内の任意のユーザに対して設定できます。Active Directory(AD)内のユーザの場合、文字列型の任意の属性を使用して同じ属性を実現できます。このセクションでは、ISEとADの両方で属性を設定するために必要な情報と、この機能を動作させるためにISEで必要な設定について説明します。
ISEでの新しいカスタムユーザ属性の設定
Administration > Identity Management > Settings > User Custom Attributesの順に移動します。新しい属性を追加して変更を保存するには、図に示すように+ボタンをクリックします。この例では、カスタム属性の名前はACLです。
dACLの設定
ダウンロード可能ACLを設定するには、Policy > Policy Elements > Results > Authorization > Downloadable ACLsの順に移動します。[Add] をクリックします。名前とdACLの内容を指定し、変更を保存します。図に示すように、dACLの名前はNotMuchAccessです。
カスタム属性を使用した内部ユーザアカウントの設定
Administration > Identity Management > Identities > Users > Addの順に移動します。ユーザを作成し、認可されたときにユーザが取得する必要があるdACLの名前を使用してカスタム属性値を設定します。この例では、dACLの名前はNotMuchAccessです。
ADユーザアカウントの設定
Active Directoryで、ユーザアカウントのプロパティに移動し、次にAttribute Editorタブに移動します。図に示すように、aCSPolicyNameはdACL名を指定するために使用される属性です。ただし、前述のように、文字列値を受け入れることができる属性も使用できます。
ADからISEへの属性のインポート
ADで設定された属性を使用するには、ISEでインポートする必要があります。属性をインポートするには、Administration > Identity Management > External Identity Sources > Active Directory > [Join point configured] > Attributes タブに移動します。Addをクリックし、次にSelect Attributes From Directoryをクリックします。 ADでユーザアカウント名を入力し、Retrieve Attributesをクリックします。 dACLに設定されている属性を選択し、OKをクリックしてから、Saveをクリックします。図に示すように、aCSPolicyNameは属性です。
内部および外部ユーザの許可プロファイルの設定
認可プロファイルを設定するには、Policy > Policy Elements > Results > Authorization > Authorization Profilesの順に移動します。[Add] をクリックします。内部ユーザの名前を指定し、dACL名にInternalUser:<作成されるカスタム属性の名前> を選択します。図に示すように、内部ユーザのプロファイルInternalUserAttributeTestは、InternalUser:ACLとして設定されたdACLを使用して設定されます。
外部ユーザの場合は、dACL名として<Join point name>:<attribute configured on AD> を使用します。この例では、プロファイルExternalUserAttributeTestに、RiniAD:aCSPolicyNameとして設定されたdACLが設定されています。ここで、RiniADは参加ポイント名です。
許可ポリシーの設定
認可ポリシーは、ADに存在する外部ユーザのグループに基づいて、またISE内部IDストア内のユーザ名に基づいて、Policy > Policy Setsで設定できます。この例では、testuserexternalはグループrinsantr.lab/Users/Test Groupに存在するユーザで、testuserinternalはISE内部IDストアに存在するユーザです。
確認
このセクションを使用して、設定が機能するかどうかを確認します。
RADIUSライブログをチェックして、ユーザ認証を確認します。
内部ユーザ:
外部ユーザ:
成功したユーザ認証の虫眼鏡アイコンをクリックして、詳細ライブログの「概要」セクションで要求が正しいポリシーに一致するかどうかを確認します。
内部ユーザ:
外部ユーザ:
詳細なライブログのOther Attributesセクションをチェックして、ユーザ属性が取得されているかどうかを確認します。
内部ユーザ:
外部ユーザ:
詳細なライブログの結果セクションをチェックして、dACL属性がAccess-Acceptの一部として送信されているかどうかを確認します。
また、RADIUSライブログをチェックして、ユーザ認証の後にdACLがダウンロードされているかどうかを確認します。
dACLのダウンロードに成功したログで虫眼鏡のアイコンをクリックし、「概要」セクションを確認してdACLのダウンロードを確認します。
dACLの内容を確認するには、この詳細レポートの「結果」セクションを確認します。
トラブルシュート
現在のところ、この設定に関する特定のトラブルシューティング情報はありません。