仮想ブレードについて
WAAS 仮想ブレードは、WAE または WAVE デバイス内のコンピュータ エミュレータとして機能します。仮想ブレードにゲスト オペレーティング システムとアプリケーションをインストールして Wide Area Application Service(WAAS)システムと連動し、ネットワークのユーザに追加のサービスを提供できます。
(注) WAAS 仮想ブレードは、Windows Server 2003 または Window Server 2008 オペレーティング システム、Active Directory、印刷サービス、DHCP、および DNS サービスだけをサポートします。他のオペレーティング システムとアプリケーションは仮想ブレードで動作しますが、WAAS 仮想ブレードは他のオペレーティング システムとアプリケーションをサポートしません。
仮想ブレードごとに、仮想化された CPU、メモリ、ファームウェア、ディスク ドライブ、CD ドライブ、およびネットワーク インターフェイス カードを装備しています。仮想ホスト ブリッジは、仮想ブレード、WAE デバイス、残りの WAAS ネットワークの間の通信を制御します。
(注) WAE または WAVE デバイスに仮想ブレードを設定する場合、システム リソースが仮想ブレード用に予約されます。仮想ブレードがアクティブでない場合、これらのリソースは WAAS システムでは使用できません。これは、WAAS システムのパフォーマンスに影響を与えます。
ゲスト オペレーティング システムを観察および管理できるよう、各仮想ブレードには、VNC クライアントを使用した仮想ブレード コンソールへの接続を可能にする Virtual Network Computing(VNC; 仮想ネットワーク コンピューティング)サーバが含まれています。VNC クライアントには、仮想ブレード コンソールの IP アドレスが必要になります。これは、コロンの後に仮想ブレード番号が指定された WAAS デバイスの IP アドレスです(例:10.10.10.40:1)。
(注) VNC クライアントでは、仮想ブレードに接続するポートを判断するために、仮想ブレード番号に 5900 が追加されます。たとえば、仮想ブレード 1 の場合、ポート 5901 となります。ポート番号を指定するもう 1 つの方法として、IP アドレスの後にスペースを入れ、続けて実際のポート番号を指定します。たとえば、10.10.10.40 5901 となります。
仮想ブレードを使用すると、次の操作を実行できます。
• 仮想ブレード環境のシステム特性の設定
• オペレーティング システムおよびアプリケーションのインストール
• 仮想ブレードの間でのネットワーク フローの設定
• 仮想ブレードの開始および停止
表 14-1 に、WAE で 1 つまたは複数の仮想ブレードをセットアップし、有効にするのに必要な手順の概要を示します。
仮想ブレードを使用するための準備
(注) この手順は、WAE-674 デバイスだけに適用されます。仮想ブレードは、WAVE プラットフォームで常に有効になります。WAVE デバイスで仮想ブレードを無効にすることはできません。
WAE-674 で仮想ブレードを設定し、有効にする前に、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI ナビゲーション ペインで、[My WAN] > [Manage Devices] を選択します。
ステップ 2 設定する WAE デバイスの横にある [Edit] アイコンをクリックします。
(注) 仮想ブレードは、Central Manager デバイスではなく、アプリケーション アクセラレータ WAE だけで有効にできます。
(注) 個別の WAAS デバイスだけで仮想ブレードを設定できます。デバイス グループに仮想ブレードを設定することはできません。
ステップ 3 ナビゲーション ペインで、[Admin] > [Virtualization] > [General Settings] を選択します。[General Settings] ウィンドウが表示されます。
ステップ 4 [Enable Virtualization] を選択して、仮想化を有効にします。
(注) 仮想化が有効な場合、リカバリ CD を使用して WAAS を再インストールするだけで無効化できます。
ステップ 5 [Submit] をクリックします。
一般的な設定を変更することを確認するプロンプトが表示されます。表示されたら WAE を再起動します。再起動後、WAE にはディスク パーティションと仮想ブレードの使用向けに予約された他のリソースがあります。
(注) リカバリ CD から WAE を復元しない限り、この変更を取り消すことはできません。
(注) WAE デバイスに仮想ブレードを設定する場合、システム リソースが仮想ブレード用に予約されます。仮想ブレードがアクティブでない場合、これらのリソースは WAAS システムでは使用できません。これは、WAAS システムのパフォーマンスに影響を与えます。
ステップ 6 [OK] をクリックします。WAE が再起動します。
ステップ 7 仮想ブレードで実行するオペレーティング システムのディスクまたはイメージを検索します。CD-ROM を利用できること、またはディスク イメージを WAE ハード ドライブにコピーしていることを確認します(「仮想ブレードへのディスク イメージのコピー」を参照)。
WAAS CLI で仮想化を有効にするには、 virtual-blade グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
仮想ブレードの設定
ここでは、新しい仮想ブレードを設定する、または既存のブレードを編集する方法について説明します。仮想ブレード番号、説明、起動方式、ディスクの割り当て、CPU リスト、他のパラメータなどのリソースを設定できます。仮想ブレードを初めて設定した後は、変更可能なリソース パラメータだけがメモリとブリッジド インターフェイスであることに注意してください。仮想ブレード上のこれらのパラメータを変更するには、まず仮想ブレードを停止し、変更を行ってから仮想ブレードを開始します。
WAE または WAVE デバイスで仮想ブレードを設定するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI ナビゲーション ペインで、[My WAN] > [Manage Devices] を選択します。
ステップ 2 設定する WAE デバイスの横にある [Edit] アイコンをクリックします。
ステップ 3 ナビゲーション ペインで、[Admin] > [Virtualization] > [Virtual Blades] を選択します。[Virtual Blade Entries] ウィンドウが表示されます(図 14-1 を参照)。
図 14-1 [Virtual Blade Entries List] ウィンドウ
既存の仮想ブレードが [Virtual Blade Entries] リストに表示されます。
(注) WAAS バージョン 4.1.1 で稼動する仮想ブレードのステータスは取得できないので、ステータスの列には [NOT AVAILABLE] と表示されます。ステータスを取得するには、[Virtual Blade Actions] ウィンドウ(図 14-4)を参照してください。
ステップ 4 設定する仮想ブレードの横にある [Edit] アイコンをクリックし、[Create] ボタンをクリックして、新しい仮想ブレードを作成します。[Virtual Blade] 設定ウィンドウが表示されます(図 14-2 を参照)。
図 14-2 [Virtual Blade] 設定ウィンドウ
ステップ 5 オペレーティング システムとアプリケーションを実行するよう、必要に応じて仮想ブレード システムを設定します。
a. 新しい仮想ブレードを作成する場合、[Blade Number] フィールドに作成する仮想ブレードの番号を入力します。
設定できる仮想ブレードの数は、使用している WAAS アプライアンスのモデルと、そのアプライアンスに搭載されているメモリの量によって異なります。
b. (任意)[Description] フィールドに、仮想ブレードの簡単な説明を入力します。
c. (任意)[Autostart] チェックボックスを選択して、WAE の起動時に自動的に起動するよう仮想ブレードを設定します。
d. 次のように、[Boot From] リストを使用して、起動元の仮想ブレードの送信元を選択します。
– 物理 CD または CD イメージ(/local1/vbs ディレクトリに保存されている .iso イメージ ファイル)から仮想ブレードを起動するには、[cd-rom](デフォルト)を選択します。ゲスト OS のインストーラ CD から起動するには、ゲスト OS をインストールする前にこの選択を行います。
– WAE ハード ドライブにインストールされたゲスト OS から仮想ブレードを起動するには、[disk] を選択します。インストールしたゲスト OS から起動するには、ゲスト OS をインストールした後にこの選択を行います。
– 仮想ブレードを起動する [network] をネットワーク場所から選択します(お使いのネットワーク上で PXE が有効であることが必要)。同じソフトウェアのバージョンを多数の仮想ブレードにインストールする場合、または集中管理型ネットワークで OS 全体を保存および管理した状態で各仮想ブレードを起動する場合に、この選択を行います。
ネットワークを起動してゲスト OS をインストールする場合、以降の起動でディスクから起動する仮想ブレードを設定できます。これを行うには、仮想ブレードが実行されている状態で、boot from パラメータを変更します。
e. CD イメージ リストを使用して、CD イメージの場所を指定します。[Boot From] リストの [cd-rom] を指定した場合、[CD Image] の設定が必要となり、その設定によってブート イメージの場所が設定されます。[Boot From] リストの [disk] または [network] を指定した場合、[CD Image] の設定は任意となり、ゲスト OS で使用可能な CD-ROM イメージの場所が設定されます(ただし起動には使用されません)。[CD Image] は、次のように選択できます。
– [cd-rom] を選択して、WAE CD-ROM ドライブの物理 CD から CD イメージを読み込みます。
– [disk] を選択して、WAE ハード ドライブの ISO ファイルから CD イメージを読み込みます。[disk] を選択した場合は、[Browse] ボタンをクリックして、/local1/vbs ディレクトリから ISO ファイルを選択します。/local1/vbs ディレクトリにファイルが存在する場合に限り、[Browse] ボタンが表示されます。ISO ファイルを /local1/vbs ディレクトリにコピーする必要がある場合は、「仮想ブレードへのディスク イメージのコピー」を参照してください。
[Virtual Blade Actions] ページで [Eject CD-ROM] をクリックし、続けて [Use CD-ROM] をクリックするか、ISO ディスク イメージを指定して [Set Image] をクリックすると、動作中に CD イメージを変更できます。
f. 仮想ブレード上の仮想フロッピー ディスク用にリソースを予約する場合、[Floppy Image] フィールドにフロッピー ディスク イメージのパス名を入力します。パスは必ず、/local1/vbs/ filename とします。
g. [Disk Space] フィールドに、仮想ブレードに割り当てる仮想ハード ディスクのサイズをギガバイト単位で入力します。
図 14-2 のとおり、4 つのハード ディスク サイズをスペースで区切ることによって、仮想ブレードに最大 4 つの仮想ハード ディスクを設定できます。IDE ディスク エミュレーションを使用している場合、3 つめのディスクのサイズに 0 を指定する必要があります。これは、この IDE バスの位置が CD-ROM に使用されるためです。
注意 WAE デバイスに複数の仮想ディスクを設定している場合は、この Central Manager ウィンドウから、WAAS バージョン 4.1.1 を実行している WAE デバイスの仮想ブレードを管理しないでください。この Central Manager ウィンドウを使用して、すでに複数の仮想ハード ディスクが設定されており、WAAS バージョン 4.1.1 を実行している WAE デバイスの仮想ブレード設定の一部を変更すると、Central Manager によって最初のディスク以降のすべてのディスクのディスク設定が削除され、その他の仮想ディスクが消去されます。
WAAS バージョン 4.1.1 を実行している WAE デバイスについては、Central Manager から複数の仮想ハード ディスクを設定できません。代わりに、WAE の CLI から
disk 仮想ブレード コンフィギュレーション コマンドを使用します。
h. [Memory] フィールドでは、仮想ブレードで使用可能な WAE メモリの量をメガバイト単位で割り当てます。
仮想ブレードに割り当てることができるメモリの量は、WAE または WAVE アプライアンスのメモリの量と、他の仮想ブレードに割り当てられているメモリの量によって異なります。1 つの仮想ブレードに割り当てることができる最小限のメモリは、512 MB です。
i. [Disk Emulation] リストでは、仮想ブレードが使用するディスク エミュレーションのタイプを選択します。[IDE] を選択します。
[IDE] は、IDE(ATA)タイプのディスク エミュレータを指定します。[virtio] は、仮想マシン用に最適化された汎用ディスク コントローラ エミュレータを指定します。
(注) virtio エミュレータを選択した場合、システムに paravirtualization(PV; 準仮想化)ドライバがインストールされている必要があり、この設定を検証する必要があります。ディスク エミュレーション向け virtio は試験用のみで提供されるため、サポートされる機能ではありません。
j. [NIC Emulation] リストでは、仮想ブレードが使用する NIC エミュレーションのタイプを選択します。[rtl8139]、[E1000]、または [virtio] を選択します。
[rtl8139] は Realtek ネットワーク カード エミュレータを指定し、[E1000] は Intel PRO/1000 ネットワーク カード エミュレータを指定し、[virtio] は仮想マシン用に最適化された汎用の NIC エミュレータを指定します。virtio エミュレータを選択した場合、システムに準仮想化(PV)ドライバをインストールする必要があります(「準仮想化ドライバのインストール」を参照)。
k. [CPU Emulation] リストでは、仮想ブレードが使用する CPU エミュレーションのタイプを選択します。[qemu64](64 ビット プロセッサ エミュレータの場合)または qemu32(32 ビット プロセッサ エミュレータの場合)を選択します。
l. [Virtual CPU Allocation] フィールドで、仮想ブレードに割り当てる各 CPU を選択します。
単一の CPU を選択すると、その CPU だけが使用されます。CPU リストに 2 つのエントリが含まれている場合、この 2 つの CPU が SMP モードで使用されます。2 つ以上の CPU の場合、奇数番号の仮想ブレードが CPU 1 を使用し、偶数番号の仮想ブレードが CPU 2 を使用します。
CPU は任意の組み合わせを設定できますが、仮想ブレードを有効にして SMP モードで 2 つ以上のコアを使用するようにすると、同じコアを使用する別の仮想ブレードを妨害する可能性があります。この場合、警告が表示されます。
(注) 実行中の仮想ブレードは CPU 間で移動できますが、CPU を追加または削除するには仮想ブレードを停止する必要があります。
仮想ブレードで使用可能な数は、デバイスによって異なります。CPU を 2 つ備えたデバイスでは、1 つの CPU は常に WAAS ソフトウェア用に予約されています。CPU を 4 つ備えたデバイスでは、2 つの CPU は常に WAAS ソフトウェア用に予約されています。仮想ブレードを起動しない場合、すべての CPU が WAAS ソフトウェア用に使用されます。
ステップ 6 次のように実行して、仮想ブレードと WAE 上の物理インターフェイスの間で使用するインターフェイス ブリッジを設定します。
a. [Virtual Interfaces] ペインで、[Add] をクリックします。[Virtual Interface Add] ペインが表示されます(図 14-3 を参照)。
図 14-3 [Virtual Interface Add] 表示ペイン
b. [Interface Number] フィールドに、ブリッジングする仮想ブレード インターフェイスを入力します。有効な値は 1 または 2 です。
c. [Bridge Interface] リストでは、仮想ブレード インターフェイスのブリッジング先である物理 WAE インターフェイスを選択します。[GigabitEthernet] または [PortChannel] のいずれかを選択します。
d. [MAC Address] フィールドに、ブリッジド インターフェイスの MAC アドレスを入力するか、[Generate] をクリックして WAAS に MAC アドレスを生成させます。
e. [Add to List] をクリックして、仮想ブレード インターフェイスを仮想ブレード インターフェイス リストに追加します。
(注) 仮想ブレード コンソールにアクセスするには、ポート番号として指定された(コロンで区切られた)仮想ブレード番号のあるブリッジ インターフェイスの IP アドレスを使用します。たとえば、インターフェイス GigabitEthernet 1/0 をブリッジングし、その IP アドレスが 10.10.10.20 である場合、10.10.10.20:1 を使用して、仮想ブレード 1 コンソールを取得します。
ステップ 7 ディスプレイ上のオプション ボタンをクリックして、仮想インターフェイスを選択します。
ステップ 8 [Submit] をクリックします。
WAAS CLI で仮想ブレードを設定するには、次のコマンドを使用します。
• virtual-blade (仮想ブレード コンフィギュレーション モードを開始します)
• (config-vb) autostart (autostart を有効にします)
• (config-vb) boot (起動デバイスを設定します)
• (config-vb) cpu-list (CPU リストを設定します)
• (config-vb) description (仮想ブレードの説明を入力します)
• (config-vb) device (CPU、NIC、およびディスク エミュレータを定義します)
• (config-vb) disk (仮想ブレード用にディスク スペースを割り当てます)
• (config-vb) interface (仮想ブレード インターフェイスを WAE のインターフェイスにブリッジングします)
• (config-vb) memory (仮想ブレード用にシステム メモリを割り当てます)
• (config-vb) vnc (仮想ブレードで、デフォルトで有効になっている VNC サーバを無効にします)
準仮想化ドライバのインストール
準仮想化ドライバをインストールするには、次の手順を実行します。
ステップ 1 準仮想化ドライバ ファイル(virtio-drivers.iso)を次の Cisco Software Center のサイトからダウンロードします。
http://www.cisco.com/public/sw-center/index.shtml
VirtIO ネットワーク ドライバは次の Windows オペレーティング システムで使用できます。
• Windows 2003 32 ビットおよび 64 ビット
• Windows Server 2008 32 ビットおよび 64 ビット
• Windows Server 2008 R2 64 ビット
ステップ 2 次のコマンドを使用して、virtio-drivers.iso をお使いの WAAS デバイスの /vbs ディレクトリへコピーします。
wae# copy ftp disk ip_address source_dir virtio-drivers.iso vbs/virtio-drivers.iso
上記で、ip_address および source_dir は、FTP サーバの IP アドレスと送信元ディレクトリです。
ステップ 3 次のコマンドを使用して、virtio-drivers.iso ファイルを仮想ブレードにロードします。
wae# virtual-blade 1 cd disk vbs/virtio-drivers.iso
ステップ 4 インストール用に次のドライバ方式のいずれかを選択します。
• 2008 または 2008 R2 64 ビット用にドライバをインストールするには、Windows コマンド シェルから次のコマンドを実行します。
c:¥pnputil -i -a d:¥inf¥amd64¥Win2008¥netkvm.inf
• 2008 32 ビット用にドライバをインストールするには、Windows コマンド シェルから次のコマンドを実行します。
c:¥pnputil -i -a d:¥inf¥i386¥Win2008¥netkvm.inf
• Windows 2003 用にドライバをインストールするには、Windows エクスプローラを開いて、次のいずれかのディレクトリへ移動します。
– d:¥inf¥i386¥Win2003
– d:¥inf¥amd64¥Win2003
次に、netkvm.inf を右クリックして、ポップアップ コンテキスト メニューで [Install] を選択します。
仮想ブレードの有効化と無効化
WAE で仮想ブレードを有効または無効にするには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI ナビゲーション ペインで、[My WAN] > [Manage Devices] を選択します。
ステップ 2 設定する WAE デバイスの横にある [Edit] アイコンをクリックします。
ステップ 3 ナビゲーション ペインで、[Admin] > [Virtualization] > [Actions] を選択します。[Virtual Blade Actions] ウィンドウが表示されます(図 14-4 を参照)。
図 14-4 [Virtual Blade Actions] ウィンドウ
ステップ 4 [Virtual Blade] リストでは、有効または無効にする仮想ブレードを選択します。仮想ブレードのステータスが [Status] フィールドに表示されます。
[Virtual Blade] リストのデフォルトの選択は [All] です。[All] が選択されている場合、[Status] フィールドではすべての仮想ブレードの現在のステータスが表示されます。
ステップ 5 [Start Virtual Blade] をクリックして、選択した仮想ブレードを有効にします。
• (任意)[Startup Delay] フィールドに起動遅延を秒単位で入力します。
起動遅延を使用すると、仮想ブレードが起動する前に VNC セッションをコンソールに接続できます。したがって、初回の起動を確認できます。
ステップ 6 [Stop Virtual Blade] をクリックして、選択した仮想ブレードを無効にします。
• (任意)[Stop Virtual Blade] ボタンをクリックした後に仮想ブレードをシャットダウンする時間を仮想ブレード オペレーティング システムに提供するには、[Shutdown Timeout] フィールドに値を秒単位で入力します。
シャットダウン タイムアウトにより、オペレーティング システムが正常にシャットダウンできる遅延時間を提供します。オペレーティング システムにより、仮想ブレードがこの時間までにシャットダウンされなかった場合、WAAS はシャットダウンをキャンセルします。
シャットダウン タイムアウトを 0 に設定すると、WAAS によりただちに強制シャットダウンが実行されます。強制シャットダウンは、実際のコンピュータの電源コードを引き抜くことに相当します。
仮想ブレードで稼動するオープン プログラムのデータを失わないようにするには、オペレーティング システムにシャットダウンを実行させるのが安全です。
ステップ 7 変更した後は、[Refresh Status] をクリックして、仮想ブレードのステータスを更新します。
仮想ブレードの動作中は、[Eject CD-ROM] をクリックし、続けて [Use CD-ROM] をクリックするか(物理 CD の場合)、ISO ディスク イメージを指定して [Set Image] をクリックすることにより、CD イメージを変更できます。
(注) 仮想ブレードのオペレーティング システムはシャットダウンされず、WAAS デバイスをリブートすると再開されます。WAE または WAVE デバイスをリブートすると、WAAS ソフトウェアによって仮想ブレードが現在の状態で保存され、リブートが完了するとその状態に復元されます。
WAAS CLI で仮想ブレードを有効にするには、 virtual-blade n start EXEC コマンドを使用します。仮想ブレードを無効にするには、 virtual-blade n stop EXEC コマンドを使用します。
CD または仮想 CD イメージをイジェクトするには、 virtual-blade n cd eject EXEC コマンドを使用します。
CD-ROM ドライブに挿入されている新しい CD を使用するには、 virtual-blade n cd cd-rom EXEC コマンドを使用します。
WAE /local1/vbs ディレクトリから新しい CD ISO イメージを使用するには、 virtual-blade n cd disk pathname EXEC コマンドを使用します。
仮想ブレードへのディスク イメージのコピー
WAAS デバイス ハード ドライブに保存されているディスク イメージから起動する場合、ディレクトリ /local1/vbs の下の仮想ブレード ステージング領域にそのイメージ ファイルをコピーする必要があります。
ディスク イメージ ファイルを WAE の /local1/vbs ディレクトリにコピーするには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI ナビゲーション ペインで、[My WAN] > [Manage Devices] を選択します。
ステップ 2 設定する WAE デバイスの横にある [Edit] アイコンをクリックします。
ステップ 3 ナビゲーション ペインで、[Admin] > [Virtualization] > [File Transfers] を選択します。[Virtual Blade File Transfers] ウィンドウが表示されます(図 14-5 を参照)。
図 14-5 [Virtual Blade File Transfers] ウィンドウ
ステップ 4 [File Transfer Type] リストで、[FTP Image to /local1/vbs](デフォルト)を選択します。
ステップ 5 [FTP Server] フィールドに、ディスク イメージが存在する FTP サーバの IP アドレスまたはホスト名を入力します。
ステップ 6 [Remote Directory] フィールドに、ディスク イメージが存在する FTP サーバ上のディレクトリへのパスを入力します。
ステップ 7 [Remote Filename] フィールドに、ディスク イメージのファイル名を入力します。
ステップ 8 [Username] フィールドと [Password] フィールドに、FTP サーバに有効なユーザ名とパスワードを入力します。
ステップ 9 [Local Filename] フィールドに、WAE デバイス上でディスク イメージの保存場所となるパスとファイル名を入力します。ディレクトリ パスは必ず、/local1/vbs/ とします。
ステップ 10 [Start File Transfer] をクリックして、ファイル転送を開始します。
ファイル転送ステータス情報が [Status] フィールドに表示されます。ステータス情報を更新するには、[Refresh Status] をクリックします。
ファイル転送をキャンセルするには、[Cancel File Transfer] をクリックします。
ステータス情報フィールドをクリアするには、[Clear Status Log] をクリックします。
仮想ブレード ディスクのバックアップや復元も、このウィンドウから実行できます。詳細については、「仮想ブレードのバックアップと復元」を参照してください。
CLI を使用して、オペレーティング システム ISO イメージを仮想ブレードのディレクトリにコピーするには、 copy ftp disk EXEC コマンドを使用します。たとえば、次のコマンドでは、ブート イメージ winserver.iso が FTP サーバ 10.10.10.200 の WAAS ディレクトリから WAE デバイスの仮想ブレード ディレクトリ(/local1/vbs/)にコピーされます。
wae# copy ftp disk 10.10.10.200 WAAS winserver.iso /local1/vbs/winserver.iso
仮想ブレードのバックアップと復元
仮想ブレードのディスク イメージのバックアップと復元を行うことができます。ディスク イメージは、仮想ブレード上で稼動する、ブート可能なオペレーティング システムおよびアプリケーションです。たとえば、仮想ブレードには印刷サービスを実行する Windows Server 2003 のディスク イメージがあります。
(注) WAAS 仮想ブレードは、Windows Server 2003 または Window Server 2008 オペレーティング システム、Active Directory、印刷サービス、DHCP、および DNS サービスだけをサポートします。他のオペレーティング システムとアプリケーションは仮想ブレードで動作しますが、WAAS 仮想ブレードは他のオペレーティング システムとアプリケーションをサポートしません。
仮想ブレード ディスク イメージを FTP サーバにバックアップするには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 バックアップする仮想ブレードを停止します。WAAS Central Manager から仮想ブレードを停止するには、「仮想ブレードの有効化と無効化」で説明した手順を使用します。
ステップ 2 WAAS Central Manager GUI ナビゲーション ペインで、[My WAN] > [Manage Devices] を選択します。
ステップ 3 設定する WAE デバイスの横にある [Edit] アイコンをクリックします。
ステップ 4 ナビゲーション ペインで、[Admin] > [Virtualization] > [File Transfers] を選択します。[Virtual Blade File Transfers] ウィンドウが表示されます(図 14-5 を参照)。
ステップ 5 [File Transfer Type] リストから [Backup Virtual Blade to FTP] を選択します。
ステップ 6 [FTP Server] フィールドに、仮想ブレード ディスク イメージのバックアップを保存する FTP サーバの IP アドレスまたはホスト名を入力します。
ステップ 7 [Remote Directory] フィールドに、ディスク イメージをコピーする FTP サーバ上のディレクトリへのパスを入力します。
ステップ 8 [Remote Filename] フィールドに、ディスク イメージのファイル名を入力します。
ステップ 9 [Username] フィールドと [Password] フィールドに、FTP サーバに有効なユーザ名とパスワードを入力します。
ステップ 10 [Virtual Blade No.] フィールドに、バックアップする仮想ブレードの数を入力します。
ステップ 11 [Disk No.] フィールドに、バックアップする仮想ブレード ディスクの数を入力します。Microsoft Windows Server を実行する仮想ブレードをバックアップする場合は、常に 1 を入力します。
ステップ 12 [Start File Transfer] をクリックして、ファイル転送を開始します。
以前にバックアップした仮想ブレード ディスク イメージを復元する手順は上記と同様ですが、[File Transfer Type] リストでは [Restore Virtual Blade from FTP] を選択します。
WAE に仮想ブレードがすでに設定されている場合は、仮想ブレード ディスク イメージを復元する前にその仮想ブレードの設定を削除する必要があります。
(注) 仮想ブレード ディスク イメージを復元する前に仮想ブレードの設定を削除した場合は、復元操作の後に仮想ブレードを再設定する必要があります。復元操作によって設定されるディスク サイズを除き、すべての仮想ブレード システム パラメータを設定します。
ファイル転送ステータス情報が [Status] フィールドに表示されます。ステータス情報を更新するには、[Refresh Status] をクリックします。
ファイル転送をキャンセルするには、[Cancel File Transfer] をクリックします。
ステータス情報フィールドをクリアするには、[Clear Status Log] をクリックします。
CLI を使用して WAE 上の仮想ブレードのディスク イメージを FTP サーバにバックアップするには、 copy virtual-blade EXEC コマンドを使用します。たとえば、次のコマンドは、ファイル file.img を仮想ブレード 1 のディスク 1 から FTP サーバ 10.75.16.234 に転送します。
wae# copy virtual-blade 1 disk 1 ftp 10.75.16.234 / file.img
ディスク イメージを WAE の仮想ブレードに復元するには、 copy ftp virtual-blade EXEC コマンドを使用します。たとえば、次のコマンドは、ファイル file.img を FTP サーバ 10.75.16.234 から仮想ブレード 1 のディスク 1 に転送します。
wae# copy ftp virtual-blade 1 disk 1 10.75.16.234 / file.img