この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
Cisco WAAS ソフトウェア Command-Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)と WAAS Manager GUI を組み合わせて使用し、WAAS デバイスを設定、監視、および保守できます。WAAS 上の CLI は、接続した PC のコンソール ポートを介して直接、またはターミナル エミュレーション ソフトウェア稼働の PC での Telnet セッションを介してリモートでアクセスできます。
(注) WAAS ソフトウェアは、WAE-511、WAE-512、WAE-611、WAE-612、WAE-7326、WAE-7341、および WAE-7371 上で稼働します。WAAS Central Manager は専用アプライアンスで展開する必要があります。
このマニュアル全体を通じて、「WAE」という用語は、特に記載がないかぎり、サポートされる WAE プラットフォームを総称しています。便宜上、「WAAS デバイス」という用語は、WAAS ソフトウェアを稼働している WAAS Central Manager および WAE を総称して使用されています。
この章では、CLI コマンド モード、ナビゲーションと編集の機能、ヘルプ機能の説明など、WAAS CLI の使用方法の概要について説明します。
WAAS ソフトウェアの CLI は、Cisco IOS ソフトウェアの CLI に似ています。Cisco IOS ソフトウェアと同様に、WAAS CLI は各種のコマンドとコンフィギュレーション モードで構成されています。各モードでは特定のコマンド セットにアクセスします。ここでは、WAAS ソフトウェア CLI が備えている各コマンド モードについて説明します。内容は次のとおりです。
• 「グローバル コンフィギュレーション モードの使用方法」
• 「インターフェイス コンフィギュレーション モードの使用方法」
WAAS ソフトウェア CLI は、複数のコマンド モードで構成されています。各コマンド モードには固有のコマンド セットがあり、WAAS WAE の設定、メンテナンス、およびモニタリングに使用します。その時点で使用できるコマンドは、その時有効になっているモードによって決まります。システム プロンプトに疑問符(?)を入力すると、各コマンド モードで使用できるコマンドのリストが得られます。
• EXEC モード ― システム動作の設定、表示、テスト用。このモードは、ユーザ レベルと特権レベルの 2 つのアクセス レベルに分かれています。特権アクセス レベルを使用するには、ユーザ アクセス レベルのプロンプトで enable コマンドを入力し、パスワード プロンプトが表示されたら特権 EXEC パスワードを入力します。
• グローバル コンフィギュレーション モード ― デバイス全体に対する WAAS ソフトウェア機能の設定、表示、テスト用。このモードを使用するには、特権 EXEC モードから configure コマンドを入力します。
• インターフェイス コンフィギュレーション モード ― 特定インターフェイスの設定の設定、表示、テスト用。このモードを使用するには、グローバル コンフィギュレーション モードから interface コマンドを入力します。
• 標準 ACL コンフィギュレーション モード ― WAAS デバイスの標準アクセス リストの作成および変更用。インターフェイスまたはアプリケーションへのアクセスを制御します。このモードを使用するには、グローバル コンフィギュレーション モードから ip access-list standard コマンドを入力します。
• 拡張 ACL コンフィギュレーション モード ― WAAS デバイスの拡張アクセス リストの作成および変更用。インターフェイスまたはアプリケーションへのアクセスを制御します。このモードを使用するには、ip access-list extended コマンドを入力します。
特定のコマンドを使用して、コマンド モード間を移動できます。この場合の標準的なモードへのアクセス順序は、ユーザ EXEC モード、特権 EXEC モード、グローバル コンフィギュレーション モード、インターフェイス コンフィギュレーション モード、標準 ACL コンフィギュレーション モード、拡張 ACL コンフィギュレーション モードとなります。
EXEC モードは、システム動作の設定、表示、テスト用に使用します。通常、ユーザ EXEC コマンドにより、リモート デバイスへの接続、一時的な端末回線設定の変更、基本的なテストの実行、システム情報の表示ができます。
EXEC モードは、ユーザ レベルと特権レベルの 2 つのアクセス レベルに分かれています。ユーザ EXEC モードはローカルおよび一般的なシステム管理者が使用し、特権 EXEC モードはルート管理者が使用します。2 つのモード間での切り替えには、enable および disable コマンドを使用します。ユーザレベル EXEC コマンドラインのアクセスには有効なパスワードが必要です。ユーザレベル EXEC コマンドは、特権レベル EXEC コマンドのサブセットです。ユーザレベル EXEC プロンプトはホスト名のあとに右かぎカッコ(>)が続きます。ホスト名は、 hostname グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して変更できます。特権レベル EXEC コマンドラインのプロンプトは、ポンド記号(#)です。EXEC コマンドを実行するには、EXEC システム プロンプトでコマンドを入力してから Enter キーを押します。次の例では、ユーザ レベルから特権レベル EXEC コマンドラインにアクセスします。
EXEC プロンプトでコマンドを入力するときは、 Delete または Backspace キーを使用してコマンドを編集します。
大部分の EXEC コマンドは、 show や more コマンド(現在の設定ステータスを表示する)、および clear コマンド(カウンタまたはインターフェイスをクリアする)のように、1 回限りのコマンドです。EXEC モード コマンドは、WAE の再起動時に保存されません。
コマンドは、ショートカットとして、他のコマンドから区別できる最小文字数に簡略化できます。たとえば、 show コマンドに対しては、 sho と入力できます。
特定の EXEC コマンドは、画面下部の次のプロンプトでさらに複数の画面を表示します。
Spacebar を押して出力を続行するか、 Enter を押して次の行を表示します。どれか他のキーを押すとプロンプトに戻ります。また、--More-- プロンプトで ? を入力するとヘルプ メッセージを表示できます。
EXEC モードを終了するには、システム プロンプトで exit コマンドを使用します。
グローバル コンフィギュレーション モードは、デバイス全体に対する WAAS ソフトウェア機能の設定、表示、テストに使用します。このモードを開始するには、特権 EXEC モードから configure コマンドを入力します。グローバル コンフィギュレーション モードのプロンプトは、WAE のホスト名とそのあとに続く (config) およびポンド記号(#)からなります。グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力するには、グローバル コンフィギュレーション モードを開始しておく必要があります。
グローバル コンフィギュレーション モードで入力されたコマンドは、入力されると同時に実行コンフィギュレーション ファイルをアップデートします。この変更が startup-config ファイルに保存されるのは、 copy running-config startup-config EXEC モード コマンドの入力後です(設定変更の保存 を参照)。設定が保存されると、WAE の再起動後も保持されます。
グローバル コンフィギュレーション モードを使用して特定のコンフィギュレーション モードを開始することもできます。グローバル コンフィギュレーション モードからインターフェイス コンフィギュレーション モード、標準 ACL コンフィギュレーション モードまたは拡張 ACL コンフィギュレーション モードに入ることができます。
コンフィギュレーション モードから、コンフィギュレーション サブモードを開始できます。コンフィギュレーション サブモードは、指定されたコンフィギュレーション モードの範囲内にある特定の機能の設定に使用されます。ここでは、例として、インターフェイス コンフィギュレーション モードのサブモードであるサブインターフェイス コンフィギュレーション モードについて説明します。
グローバル コンフィギュレーション モードを終了するには、 end グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
exit コマンドを入力するか、 Ctrl-Z を押してもグローバル コンフィギュレーション モードを終了できます。
グローバル コンフィギュレーション コマンドは、グローバル コンフィギュレーション モードで入力します。
WAE 上のグローバル コンフィギュレーション モードで設定を変更すると、変更内容は、WAAS Central Manager 上の Centralized Management System(CMS; 中央集中型管理システム)データベースに伝達されます。CLI での変更内容は、設定モードが終了したあと、またはすべてのコンフィギュレーション モードが 10 分間非アクティブだった場合に、Central Manager に送信されます。
インターフェイス コンフィギュレーション モードは、特定インターフェイスでの WAAS ソフトウェア機能構成の設定、表示、テストに使用します。このモードを開始するには、グローバル コンフィギュレーション モードから interface コマンドを入力します。次の例は、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始する方法を示します。
インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了するには、exit を入力してグローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。
グローバル コンフィギュレーション モードから、標準 ACL コンフィギュレーション モードおよび拡張 ACL コンフィギュレーション モードを開始できます。
• 標準アクセス リストを使用するには、グローバル コンフィギュレーション モードのプロンプトから ip access-list standard コマンドを入力します。CLI がコンフィギュレーション モードを開始すると、それ以降に入力するコマンドはすべて、現在のアクセス リストに適用されます。
• 拡張アクセス リストを使用するには、グローバル コンフィギュレーション モードのプロンプトから ip access-list extended コマンドを入力します。CLI がコンフィギュレーション モードを開始すると、それ以降に入力するコマンドはすべて、現在のアクセス リストに適用されます。
ACL コンフィギュレーション モードを終了するには、exit を入力してグローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。
表1-1 に WAAS コマンド モードの要約を示します。
|
|
|
|
---|---|---|---|
|
|||
|
|||
|
|||
|
|||
|
|||
|
WAAS ソフトウェアは、WAAS デバイスのデバイス モードを指定する機能を備えています。WAAS ネットワークでは、次のデバイス モードのいずれかで WAAS デバイスを配置する必要があります。
• central-manager モード ― WAAS Central Manager デバイスが使用する必要のあるモード。
• application-accelerator モード ― WAAS ソフトウェアを稼働している WAAS アクセラレータ(Core WAE または Edge WAE)用のモード。WAE は、ネットワーク上の TCP トラフィックを最適化するために使用されます。クライアントとサーバのアプリケーションが互いに通信しようとすると、ネットワークは、WAE がクライアント アプリケーションおよび宛先サーバの代わりに機能できるように、このトラフィックを代行受信して WAE にリダイレクトします。WAE は、トラフィックを調べ、組み込みアプリケーション ポリシーを使用して、トラフィックを最適化するかどうか、または最適化されていないネットワークの経由を許可するかどうかを決定します。
• replication-accelerator mode ― 特に、データ センター間で稼働するレプリケーション ソフトウェア用に最適化された WAAS アクセラレータ用のモード。このモードは application-accelerator モードに似ていますが、WAE の最適化ポリシーがデータ センター間の動作用に調整されています。
WAAS デバイスのデフォルトのデバイス モードは、application-accelerator モードです。 device mode グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、WAAS デバイスのデバイス モードを変更できます。
たとえば、WAAS CLI を使用して、指定した WAAS Central Manager(waas-cm という名前の WAAS デバイス)の基本ネットワーク パラメータを指定し、それをプライマリ インターフェイスとして割り当てたあと、 device mode 設定コマンドを使用して、デバイス モードを central-manager に指定できます。
WAAS デバイスが現在動作しているモードを表示するには、 show device-mode current EXEC コマンドを入力します。
まだ有効になっていない設定済みのデバイス モードを表示するには、 show device-mode configured EXEC コマンドを入力します。たとえば、WAAS デバイスで device mode central-manager グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力してデバイス モードを central-manager に変更したが、 copy run start EXEC コマンドを入力して実行コンフィギュレーションをデバイスに保存していない場合に、その WAAS デバイスで show device-mode configured コマンドを入力すると、コマンド出力には設定済みのデバイス モードが central-manager であることが示されます。
WAAS デバイスは、1 つのデバイス モードでのみ動作できます。利用できる一連の WAAS CLI コマンドは WAAS デバイスのデバイス モードに基づいて異なります。
Cisco WAAS ソフトウェア コマンドは、大文字小文字を区別しません。コマンドとパラメータは、現在利用されているコマンドまたはパラメータと区別できるだけの文字に簡略化できます。
また、履歴バッファにストアされている最後の 20 個までのコマンドをスクロールして選択し、プロンプトでそのコマンドを入力または編集できます。 表1-2 に、使用可能な WAAS コマンドライン処理オプションと、それによって実行される機能を示します。
|
|
---|---|
Ctrl-F または右矢印キー1 |
|
ユーザ インターフェイスでは、エラー インジケータであるキャレット記号(^)の形式でエラー隔離を行います。 ^ 記号は、コマンド文字列の、誤ったコマンド、キーワード、または引数が入力されたポイントに表示されます。
次の例では、クロックを設定するものとします。状況依存ヘルプを使用してクロック設定用の構文を確認します。
ヘルプの出力では、 set キーワードが必要なことが示されます。
時間、分、秒をコロンで区切った 24 時間形式で現在時刻を入力します。
このコマンドを完成するには、さらに引数が必要なことが示されます。 上矢印 キーを押すと、直前のコマンド エントリが自動的に繰り返されます。それにスペースと疑問符(?)を追加し、追加の引数を表示します。
プロンプトに従って月日を入力し、次の指示のため疑問符を使用します。
キャレット記号(^)とヘルプの応答は、05 のエントリにエラーがあることを示します。正しい構文を表示するには、 Ctrl-P または 上矢印 キーを使用します。コマンド文字列をふたたび入力してから、スペース、疑問符を入力し、 Enter を押すこともできます。
正しい構文で年を入力し、 Enter を押してコマンドを実行します。
ほとんどすべての設定コマンドは no 形式を備えています。 no 形式のコマンドは、通常、特徴や機能をディセーブルにするのに使用されますが、特徴や機能をそのデフォルト値に設定する目的でも使用できます。 no キーワードを指定しないでこのコマンドを使用して、ディセーブルである機能をふたたびイネーブルにするか、デフォルト設定でディセーブルになっている機能をイネーブルにします。
• 状況依存ヘルプ システムの簡潔な説明の場合は、 help を入力する。
• あるコマンド モードに対応するコマンドをすべてリストする場合は、システム プロンプトで疑問符( ? )を入力する。
• 特定の文字セットで始まるコマンドのリストを表示するには、簡略化したコマンド、その直後に疑問符( ? )を入力する。
• コマンド キーワードまたは引数をリストするには、コマンドの後ろにスペースと疑問符( ? )を入力する。
新しい設定が失われないようにするには、次の例のように copy または write コマンドを使用して NVRAM に保存します。
実行コンフィギュレーションおよび保存された設定のモードの詳細については、
copy running-config startup-config コマンドおよび write コマンドを参照してください。
WAAS CLI には、ディレクトリ間をナビゲートし、それらのコンテンツを表示するためのコマンドがいくつかあります。これらのコマンドは、特権 EXEC モードで入力されます。 表1-3 に、これらのコマンドをリストし説明します。
次の例は、WAE の現在のディレクトリのすべてのファイルの詳細リストを表示します。
次の例では、logs ディレクトリについてのみ、詳細情報を表示します。
WAAS ソフトウェアの上位レベルのディレクトリの中には、ユーザは使用せず、ソフトウェアが内部的に使用する情報が含まれているものがあります。このようなディレクトリには、core_dir、crash、downgrade、errorlog、lost+found、sa、service_logs、spool、var といったディレクトリがあります。
表1-4 で、トラブルシューティングとモニタリングに役立つ情報を含むディレクトリを説明します。
(注) WAAS ソフトウェアは、Wide Area File Services(WAFS)ファイル システムおよび、データ冗長性除去(DRE)キャッシュの両方に CONTENT ファイル システムを使用します。
WAAS CLI には、デバイスごとにファイルを管理しそれらのコンテンツを表示するためのコマンドがいくつかあります。これらのコマンドは、特権 EXEC モードで入力されます。 表1-5 で、WAAS ファイル管理コマンドについて説明します。
次の例は、 copy EXEC コマンドを使用して現在の実行コンフィギュレーションを startup-config に保存する方法を示しています。
(注) WAE 上の WAFS 固有の設定をバックアップする、元に戻す、または関連するシステム レポートの作成を実行するには、wafs EXEC コマンドを使用します。WAFS システム固有の設定情報を保存するには、wafs backup-config EXEC コマンドを使用します。バックアップ方法の詳細については、『Cisco Wide Area Application Services Configuration Guide』を参照してください。
次の例は、 delfile コマンドを使用して、 test ディレクトリから sample ファイルを削除する方法を示しています。
次の例は、Watchdog.log ファイルの最後の数行を表示する方法を示しています。