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この章では、WAAS デバイスのモニタに使用できる Cisco Network Analysis Module(NAM; ネットワーク解析モジュール)について説明します。
NAM は、クライアントとアプリケーション サーバ間の TCP パケットの交換を分析することによって、ネットワークと Application Response Time(ART; アプリケーション応答時間)をモニタします。NAM Traffic Analyzer ソフトウェアを使用すると、フロー ベースとパケット ベースの解析が 1 つのソリューションとして結合され、ネットワーク マネージャはアプリケーションやサービスがエンド ユーザに配信される方法を理解し、管理し、改善することができます。
Cisco NAM には Web ベースの Traffic Analyzer GUI が組み込まれています。これにより、設定メニューにすばやくアクセスでき、読み取りやすい方法でネットワーク トラフィックのパフォーマンスをモニタリングし、分析することができます。FlowAgent は、TCP パケット データを収集して、フロー データを分析と報告のために NAM に送信するために WAAS デバイスで実行されます(図 5-1)。
NAM の詳細については、次のマニュアルの URL を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/cscowork/ps5401/tsd_products_support_series_home.html
• 『 Cisco WAAS NAM Virtual Service Blade Installation and Configuration Guide 』:
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/cscowork/ps5401/prod_installation_guides_list.html
• Client-Edge 接続のモニタリング:クライアントと WAAS エッジ デバイス間の TCP 接続(上の図の接続 TCP-1)をモニタすることによって、次の ART メトリックを測定できます。
– クライアントで発生する Total Delay(TD; 合計遅延)
– 2 つのセグメント(Client-Edge と Edge-Server)にわかれたネットワーク RTT
• Edge-Core でカスタマイズされた接続のモニタリング:エッジおよびコア WAAS デバイス間のスプーフィングされた TCP 接続(上の図の接続 TCP-2)をモニタすることによって、追加の ART メトリックとして圧縮後の帯域幅使用状況(バイト/パケット)を測定できます。
• Edge-Core 接続のモニタリング:コア WAAS デバイスとサーバ間の TCP 接続(上の図の接続 TCP-3)をモニタすることによって、次の追加の ART メトリックを測定できます。
– アプリケーション(サーバ)の遅延(プロキシ アクセラレーションまたはキャッシング サーバなし)
– コア WAAS デバイスとサーバ間のネットワーク RTT
次の項では、NAM によるモニタリングをイネーブルにするよう WAAS を設定する方法と、特定の WAAS 機能をモニタするよう NAM を設定する方法について説明します。
ここでは次の内容について、WAAS デバイスの NAM モニタリングの設定方法を説明します。
WAAS トラフィックをモニタするには、先に次の作業を実行して基本的な NAM の設定を行う必要があります。
• サーバの IP アドレス、プロトコル、ポートを指定して NAM サーバを接続します。
• WAAS デバイス グループまたは WAAS Express デバイス グループと設定済みのポリシーを関連付けます。
次の手順を実行し、基本的な NAM の設定を完了します。NAM にはデバイス グループ レベルのポリシー設定のみが適用されます。
ステップ 1 WAAS Central Manager から [Configure] > [Network Analysis Module] > [Basics] > [Setup] を選択します。[Setup] ウィンドウが表示されます (図 5-2 を参照)。
ステップ 2 NAM のインストール中に設定されたアクセスに応じて HTTP または HTTPS を選択します。
ステップ 3 NAM サーバのホスト名および IP アドレスを入力します。
ステップ 4 資格情報を設定します。[Use Default] 資格情報オプションを使って事前に設定したログイン情報を使うか、フィールドに有効な値を入力して手動設定します。
ステップ 5 [WAAS Integration Preferences] で、NAM サーバと連動する WAAS デバイス グループを設定します。
a. 同期動作の実行時に NAM にアプリケーションと分類定義を送信するデバイス グループを選択します。
b. [Enable Flow Agent] オプションを選択してデータをエクスポートします。
c. [Sync all classifiers/apps to NAM on submit] を選択し、NAM との同期を開始します。
NAM の設定の詳細については、『 Cisco Wide Area Application Services Configuration Guide 』の「NAM」の章を参照してください。
サーバの応答時間をモニタするには、NAM 設定にサーバの IP アドレスを追加する必要があります。
ステップ 1 [WAAS Central Manager] メニューから [Configure] > [Network Analysis Module] > [Basics] > [Monitored Servers] を選択します。[NAM WAAS Servers Monitoring] ウィンドウが表示されます。(図 5-3 を参照)。
図 5-3 [WAAS Servers Monitoring] ウィンドウ
ステップ 2 モニタするサーバの IP アドレスを選択します(複数可)。
エクスポートをイネーブル化した WAAS デバイスは自動的に検出および追加されるため、通常は WAAS デバイスを追加する必要はありません。
NAM によってモニタリングされるデバイスのリストに WAAS デバイスを手動で追加するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 [WAAS Central Manager] メニューから [Configure] > [Network Analysis Module] > [Basics] > [Monitored Servers] を選択します。[NAM Data Source] 設定ウィンドウが表示されます。(図 5-4 を参照)。
ステップ 2 [Types] のリストから [WAAS] デバイスを選択します。
ステップ 3 IP フィールドにデバイス IP アドレスを入力します。
ステップ 4 モニタするデータ ソースのチェックボックスをオンにします。詳細については、 表 5-1 を参照してください。
ステップ 5 [Submit] をクリックして、新しいデータ ソースを追加します。
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NAM の設定および使用に関する追加情報については、『 User Guide for Cisco Network Analysis Module Traffic Analyzer 』を参照してください。
NAM では、WAAS データ ソースを使用して、さまざまな WAAS セグメント(クライアント、クライアント WAN、サーバ WAN、およびサーバ)から収集されたトラフィックをモニタします。それぞれの WAAS セグメントは、データ ソースによって表されます。モニタ対象 ART メトリックに加えて、WAAS データ ソースのその他のトラフィック統計情報(アプリケーション、ホスト、および変換情報など)をモニタして報告するよう NAM を設定できます。
データ ソースの使用は、WAAS の配置シナリオに依存します。 表 5-2 で、一般的ないくつかの WAAS 配置シナリオと適用可能なデータ ソースについて説明します。
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NAM を使用したトラフィックのモニタリングおよび分析機能により、直観的なワークフローとインタラクティブなレポーティング機能が実現します。
モニタリングおよび分析ダッシュボードでは、ネットワーク トラフィック、アプリケーション パフォーマンス、サイト パフォーマンス、およびアラームをひと目で確認できます。そこから、応答時間に問題のあるアプリケーションなど、1 つのエリアを特定してダッシュボードにドリルダウンし、調査を進めることができます。
NAM を使用して、モニタリングしているデータに応じた様々なメトリックのレポートを実行できます( 表 5-3 を参照)。
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コア WAE からは、データソースを設定することもできます。サーバ、サーバ WAN、パススルー データ ソースを、サーバ LAN、WAN、クライアント LAN から取得したものとしてモニタ アプリケーション パフォーマンス分析に追加することができます。
トップ トーカーの要約ダッシュボードには、[Top N Applications]、[Top N Application Groups]、[Top N Hosts (In and Out)]、[IP Distribution by Bytes]、[Top N DSCP]、およびネットワークでモニタされている [Top N VLAN] を表示できます。このダッシュボードは、すべての WAAS デバイスからのトラフィックの自動モニタリングを可能にします。トラフィック要約ダッシュボードを表示するには、[Monitor] > [Network Analysis Module] > [Overview] に移動します。(図 5-5 を参照)。
[Top N Applications] グラフでは、[Interactive Report] フィルタの選択(データ レートまたは累積)に応じて、トラフィック レート(1 秒あたりのバイト数または 1 秒あたりのビット数)あるいはトラフィック ボリューム(バイト数またはビット数)を表示できます。
このグラフは、上位 N 位のアプリケーション グループの詳細な分析と、この間隔のトラフィック レートまたはボリュームが表示されます。
このグラフには、トラフィック レート(1 秒あたりのバイト数または 1 秒あたりのビット数)あるいはトラフィック ボリューム(バイト数またはビット数)が表示されます。
このグラフには、IP プロトコル(IPv4 TCP など)に分散されるバイトの割合が表示されます。
このグラフには、上位の DSCP 集約グループの統計情報が表示されます。
このグラフには、上位 N 位の VLAN の統計情報が表示されます。このグラフには、VLAN タグを持たないトラフィック用に、VLAN 0 が表示される場合があります。
WAAS デバイスの配置プロセスを実行しながら、データを WAAS の計画および設定に役立てることができます。
[Monitor] > [Network Analysis Module] > [Top Talkers Details] に移動すると、配置前のプロセスに役立つウィンドウが表示されます。[Interactive Report] ウィンドウを使用して、最適化のために分析するトラフィックを選択します。このウィンドウには、[Top Applications]、[Top Network Links]、[Top Clients]、および [Top Servers] が表示されます。
• 「ネットワーク」
ネットワーク ダッシュボードには、WAAS ユーザ用に、LAN と WAN の着信および発信の両方向のスループット比較を表示できます。これらのレポートを表示するには、WAN および LAN インターフェイスで構成されるインターフェイス グループを設定します。表示される情報は、収集が作成されてから、または NAM が再起動されてから収集された合計データを表します。ネットワーク ダッシュボードを表示するには、[Monitor] > [Network Analysis Module] > [Throughput] > [Network] に移動します。
ウィンドウの左側にある [Interface Selector] からインターフェイス グループ ビューを選択して、グラフにトラフィックを表示します。NDE データ ソース名の左側にある矢印アイコンをクリックして、すべてのインターフェイス グループを表示してから、インターフェイス グループ ビューを選択します。グラフにデータが表示されず、「Interface needs to be selected」というメッセージが表示される場合は、インターフェイス グループ ビューが選択されていません。
インターフェイス グループ ビューを選択した後は、データが入力された次のグラフが表示されます。
• Interface Traffic (Ingress % Utilization and Egress % Utilization)
インターフェイス容量テーブルを利用してインターフェイス速度を手動で入力できますが、データ ソース テーブルに NDE デバイスの SNMP 設定が入力されている場合には、速度を自動設定することもできます。
上位アプリケーション ダッシュボードには、選択した時間と指定のサイトまたはデータ ソースのトラフィック レートによる上位のアプリケーションを表示できます。
[Applications Over Time] は、一定時間に実行されていたすべてのアプリケーションを示します。色分けされた凡例は、アプリケーションの実行内容を示します。
[Application Analysis] ウィンドウには、選択した期間の特定のアプリケーションに関するトラフィック レベルを表示できます。これは、[Monitor] > [Network Analysis Module] > [Throughput] > [Application] で表示できます。このウィンドウには、次の情報が表示されます。
• 時間の経過に伴うアプリケーション トラフィックのグラフ。
• 選択した期間にそのアプリケーションでトラフィックを送受信する上位ホスト。
• NAM がそのアプリケーションとしてパケットを分類する基準を示す、アプリケーションの設定。この基準は通常、アプリケーションを識別する TCP または UDP、あるいはその両方のポートのリストになります。一部のアプリケーションはヒューリスティック アルゴリズムまたはその他の状態ベースのアルゴリズムによって識別されます。
[Top N Hosts - Traffic In] または [Top N Hosts - Traffic Out] グラフで [Hosts Detail] を選択すると、[All Hosts] ウィンドウとすべてのホストに関する詳細情報が表示されます。[All Hosts] ウィンドウには、次の情報が表示されます。
• [In Bytes/sec]:1 秒あたりの着信バイト数
• [In Packets/sec]:1 秒あたりの着信パケット数
アプリケーション ダッシュボードには、アプリケーションのトランザクション時間のパフォーマンスと、フロー エージェントによって報告される元のトラフィック量および最適化されたトラフィック量が表示されます。トランザクション時間がクライアント、WAN、およびサーバ セグメント間でどのように分割されるかという情報も表示されます。たとえば、トランザクション時間の中心がサーバ セグメント時間(低速サーバのため)となっている場合、WAAS では、WAN ネットワーク時間が中心となっているときほど、パフォーマンスを向上させることができません。アプリケーション パフォーマンス分析ダッシュボードを表示するには、[Monitor] > [Network Analysis Module] > [Performance Analysis] > [Application] に移動します。
• Transaction Time (Client Experience)
• Traffic Volume and Compression Ratio
• Average Concurrent Connections (Optimized vs.Passthru)
• Multi-Segment Network Time (Client LAN - WAN - Server LAN)
カンバセーションの複数セグメント ダッシュボードは、異なるデータ ソースのデータの相互関係を示し、複数の WAAS セグメント(データ ソース)から応答時間メトリックを表示して比較できるようにします。カンバセーションの複数セグメント ダッシュボードを表示するには、[Monitor] > [Network Analysis Module] > [Performance Analysis] > [Conversation Multisegments] に移動します。
[Response Time Across Multiple Segments] ウィンドウには、適用可能なデータ ソースから選択したサーバまたはクライアント/サーバ ペアの応答時間メトリックが表示されます。