この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
このドキュメントでは、Bidirectional Forwarding Detection(BFD; 双方向フォワーディング検出)プロトコルをイネーブルにする方法について説明します。BFD はあらゆるメディア タイプ、カプセル化、トポロジ、およびルーティング プロトコルの高速転送パス障害検出回数を提供するように設計された検出プロトコルです。高速転送パス障害検出に加えて、BFD はネットワーク管理者に整合性のある障害検出方法を提供します。ネットワーク管理者は BFD を使用して、複数のルーティング プロトコルの hello メカニズムの可変レートではなく、統一レートで転送パス障害を検出でき、ネットワークのプロファイリングおよび計画が簡単になり、コンバージェンス時間が一貫して予測できます。
お使いのソフトウェア リリースが、このモジュールで説明されている機能の一部をサポートしていないことがあります。最新の機能情報および警告については、ご使用のプラットフォームおよびソフトウェア リリースのリリースノートを参照してください。この章に記載されている機能の詳細、および各機能がサポートされているリリースのリストについては、「双方向フォワーディング検出の機能情報」 を参照してください。
プラットフォームのサポートおよび Cisco IOS および Catalyst OS ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスしてください。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
• 「参考資料」
• シスコ エクスプレス フォワーディングおよび IP ルーティングが、関連するすべてのルータでイネーブルになっていること。
• BFD が正常に動作するには、Cisco 10720 インターネット ルータで Cisco Parallel eXpress Forwarding(PXF)をイネーブルにしてあること。PXF はデフォルトでイネーブルになり、オフにすることは通常ありません。
• BFD を導入する前に、BFD でサポートされる IP ルーティング プロトコルのいずれかをルータで設定しておくこと。使用しているルーティング プロトコルの高速コンバージェンスを実装する必要があります。高速コンバージェンスの設定については、お使いのバージョンの Cisco IOS ソフトウェアの IP ルーティングのマニュアルを参照してください。Cisco IOS ソフトウェアでの BFD ルーティング プロトコルのサポートの詳細については、「双方向フォワーディング検出の制約事項」を参照してください。
• Cisco IOS リリース 12.2(18)SXE、12.0(31)S、12.4(4)T、12.0(32)S、12.2(33)SRA、および 12.2(33)SRB 用のシスコの BFD 実装では、非同期モードだけがサポートされます。非同期モードでは、どちらの BFD ピアも BFD セッションを開始できます。
• Cisco IOS リリース 12.2(33)SRC、12.2(33)SXH、および 12.2(33)SXI では、デフォルトがエコー モードです。
• Cisco IOS ソフトウェアでは、仮想テンプレートおよびダイヤラ インターフェイスで BFD を誤って設定する可能性がありますが、仮想テンプレートおよびダイヤラ インターフェイスで BFD 機能はサポートされません。仮想テンプレートおよびダイヤラ インターフェイスで BFD を設定しないでください。
• Cisco IOS リリース 12.2(18)SXE(およびそれ以降の SX リリース)、12.0(31)S、12.4(4)T、12.0(32)S、12.2(33)SRA、12.2(33)SRB、12.2(33)SRC、および 12.2(33)SB では、IPv4 ネットワークに対してだけシスコの BFD 実装がサポートされます。
• Cisco IOS リリース 12.2(33)SRB では、シスコの BFD 実装でサポートされるルーティング プロトコルは Border Gateway プロトコル(BGP; ボーダー ゲートウェイ プロトコル)、Enhanced IGRP(EIGRP)、Intermediate System-to-Intermediate System(IS-IS)、および Open Shortest Path First(OSPF)だけです。Cisco IOS リリース 12.2(33)SRC では、BFD でスタティック ルーティングがサポートされます。
• Cisco IOS リリース 12.2(33)SRA では、シスコの BFD 実装でサポートされるルーティング プロトコルは BGP、IS-IS、および OSPF だけです。
• Cisco IOS リリース 12.4(4)T では、シスコの BFD 実装でサポートされるルーティング プロトコルは BGP、EIGRP、IS-IS、および OSPF だけです。
• Cisco IOS リリース 12.4(11)T では、シスコの BFD 実装で ホット スタンバイ ルーティング プロトコル(HSRP)のサポートが導入されています。プラットフォームおよびインターフェイスによっては、BFD サポートを利用できないものがあります。
• Cisco IOS リリース 12.0(31)S および 12.0(32)S では、シスコの BFD 実装でサポートされるルーティング プロトコルは BGP、IS-IS、および OSPF だけです。
• Cisco IOS リリース 12.2(18)SXE では、シスコの BFD 実装でサポートされるルーティング プロトコルは EIGRP、IS-IS、および OSPF だけです。
• Cisco IOS リリース 12.2(18)SXH および 12.2(33)SB では、シスコの BFD 実装でサポートされるルーティング プロトコルは BGP、EIGRP、IS-IS、および OSPF です。
• BFD は直接接続されたネイバーだけに対して動作します。BFD のネイバーは 1 ホップ以内に限られます。マルチホップのコンフィギュレーションはサポートされません。
• プラットフォームおよびインターフェイスによっては、BFD サポートを利用できないものがあります。特定のプラットフォームまたはインターフェイスの BFD サポートを確認し、プラットフォームとハードウェアの正確な制約事項を知るには、お使いのソフトウェア バージョンの Cisco IOS ソフトウェアのリリース ノートを参照してください。
• Cisco IOS リリース 12.2SXF、12.2SRC、および 12.2SRB では、BFD on PortChannel 設定がサポートされません。
• Cisco 10720 インターネット ルータでは、ファスト イーサネット、ギガビット イーサネット、および RPR-IEEE インターフェイスだけで BFD がサポートされます。BFD は、Spatial Reuse Protocol(SRP)および Packet-over-SONET(POS)インターフェイスでサポートされません。
• bfd コマンドを使用して(インターフェイス コンフィギュレーション モード)Cisco 10720 インターフェイスで BFD セッション パラメータを設定する場合、 interval milliseconds と min_rx milliseconds パラメータの両方の milliseconds 引数でサポートされる設定可能な期間の最小値は 50 ミリ秒(ms)です。
• Cisco 10720 インターネット ルータでは、最大 100 の BFD セッションが サポートされます。BFD がルーティング プロトコル間の接続をセットアップして Cisco 10720 インターネット ルータと隣接ルータの間で 101 番目のセッションを確立しようとすると、次のエラー メッセージが表示されます。
• Cisco 10720 インターネット ルータでは次の BFD 機能がサポートされません。
• Cisco 12000 シリーズのルータでは、ピア デバイス間の非対称ルーティングによって、BFD 制御パケットが、セッションを開始したラインカード以外のラインカードで受信されます。このような特殊な場合は、ルーティング ピア間の BFD セッションが確立されません。
• 分散 Cisco 12000 シリーズのインターネット ルータの 1 つのラインカードごとに、最大 100 セッションがサポートされます。ネイバーとのセッションがダウンしていると宣言される前に、リモート システムから受信する BFD 制御パケットの最大 3 回のリトライ回数での最大 hello 間隔は 50 ms です。
• Cisco IOS リリース 12.2(33)SB では、BFD が ステートフル スイッチオーバー(SSO)に対応しておらず、NSF/SSO でサポートされません。これらの機能は一緒に使用しないでください。NSF/SSO と BFD を同時にイネーブルにすると、BFD の隣接関係が維持されず、ルーティング クライアントには隣接関係停止と再コンバージェンスのマークが強制的に付けられるため、フェールオーバー中にノンストップ フォワーディング機能が動作しません。
Cisco IOS リリース 12.2(33)SXI2 と Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチ
• Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチでは、最小 hello 間隔 50 ms、倍率 3 で最大 100 の BFD セッションがサポートされます。この倍率は、セッションがダウンしたと宣言される前に失われた可能性のある連続するパケットの最小数を指定します。
• SSO が デュアル RP システムでイネーブルになっている場合、次の制約事項が適用されます。
– サポートされる BFD セッションの最大数は 50 です。
– 倍率 3 以上の最小 hello 間隔は 500 ms です。
– EIGRP がイネーブルの場合、サポートされる BFD セッションの最大数は 30 に減少します。
– エコー モードは Distributed Forwarding Card(DFC)だけでサポートされます。
• BFD SSO は E シャーシおよび 67xx ラインカードを使用する Cisco Catalyst 6500 シリーズだけでサポートされます。Centralized Forwarding Card(CFC)インターフェイスはサポートされません。
• エコー モードをイネーブルにするには、システムを no ip redirects コマンドで設定する必要があります。
• In Service Software Upgrade(ISSU)サイクルでは、ラインカードがリセットされ、BFD セッションでルーティング フラップが発生します。
(注) プラットフォームとハードウェアの正確な制約事項については、お使いのソフトウェア バージョンの Cisco IOS ソフトウェアのリリース ノートを参照してください。
BFD を設定する前に、次の項の内容について理解しておく必要があります。
BFD は、インターフェイス、データリンク、および転送プレーンを含めて、2 つの隣接ルータ間の転送パスで、オーバーヘッドの少ない短期間の障害検出方法を提供します。
BFD はインターフェイス レベルおよびルーティング プロトコル レベルでイネーブルにする検出プロトコルです。シスコでは BFD 非同期モードをサポートしています。これは、ルータ間の BFD ネイバー セッションをアクティブにして維持するための、2 台のシステム間の BFD 制御パケットの送信に依存します。したがって、BFD セッションを作成するには、両方のシステムで(または BFD ピアで)BFD を設定する必要があります。適切なルーティング プロトコルに対して、インターフェイス レベルおよびルータ レベルで BFD がイネーブルになっている場合、BFD セッションが作成されて BFD タイマーがネゴシエートされ、ネゴシエートされた間隔で BFD ピアが互いに BFD 制御パケットの送信を開始します。
• 「ネイバー関係」
• 「Cisco 12000 ルータでの BFD サポート」
• 「非ブロードキャスト メディア インターフェイスに対する BFD サポート」
• 「VPN Routing and Forwarding(VRF; VPN ルーティングおよび転送)インターフェイスのための BFD サポート」
• 「ステートフル スイッチオーバー機能を持つノンストップ フォワーディングのための BFD サポート」
BFD はあらゆるメディア タイプ、カプセル化、トポロジ、ルーティング プロトコル BGP、EIGRP、IS-IS、および OSPF の個別の高速 BFD ピア障害検出時間を提供します。ローカル ルータのルーティング プロトコルに高速障害検出通知を送信して、ルーティング テーブル再計算プロセスを開始すると、BFD はネットワーク コンバージェンス時間全体を大幅に短縮できます。図 1 に、OSPF と BFD を実行する 2 台のルータがある単純なネットワークを示します。OSPF がネイバー(1)を検出すると、OSPF ネイバー ルータ(2)で BFD ネイバー セッションを開始する要求が、ローカル BFD プロセスに送信されます。OSPF ネイバー ルータでの BFD ネイバー セッションが確立されます(3)。
図 2 に、ネットワーク(1)で障害が発生した場合を示します。OSPF ネイバー ルータでの BFD ネイバー セッションが停止されます(2)。BFD はローカル OSPF プロセスに BFD ネイバーに接続できなくなったことを通知します(3)。ローカル OSPF プロセスは OSPF ネイバー関係を解除します(4)。代替パスを使用できる場合、ルータはただちにコンバージェンスを開始します。
BFD セッションが確立され、タイマーの取り消しが完了すると、BFD ピアは IGP hello プロトコルと同様に動作する(ただし、より高速な)、BFD 制御パケットを送信して状態を検出します。次の点に注意する必要があります。
• BFD はフォワーディング パスの障害検出プロトコルです。BFD は障害を検出しますが、障害が発生したピアをバイパスするには、ルーティング プロトコルがアクションを実行する必要があります。
• 通常、BFD はどのプロトコル レイヤでも使用できます。ただし、Cisco IOS リリース 12.0(31)S および 12.4(4)T 用のシスコの BFD 実装では、特に BGP、EIGRP、IS-IS、および OSPF ルーティング プロトコルのレイヤ 3 クライアントだけがサポートされます。Cisco IOS リリース 12.2(33)SRC の場合、スタティック ルーティングに BFD がサポートされます。
• Cisco IOS リリース 12.2(18)SXE 用のシスコの BFD 実装では、レイヤ 3 クライアントおよび EIGRP、IS-IS、および OSPF ルーティング プロトコルだけがサポートされます。BGP ルーティング プロトコルはサポートされません。
• Cisco IOS リリース 12.2(18)SXE、12.0(31)S、および 12.4(4)T のシスコの BFD 実装では、シスコのデバイスが複数のクライアント プロトコルに 1 つの BFD セッションを使用します。たとえば、同じピアへの同じリンクを介してネットワークで OSPF および EIGRP を実行している場合、1 つの BFD セッションだけが確立され、BFD で両方のルーティング プロトコルとセッション情報を共有します。
Cisco IOS リリース 12.4(9)T では BFD バージョン 1 および BFD バージョン 0 がサポートされます。デフォルトでは、すべての BFD セッションがバージョン 1 で実行され、バージョン 0 と相互運用可能です。システムで自動的に FD バージョン検出が実行される場合、ネイバー間の BFD セッションがネイバー間の最も一般的な BFD バージョンで実行されます。たとえば、BFD ネイバーが BFD バージョン 0 を実行し、他の BFD ネイバーがバージョン 1 を実行している場合、セッションで BFD バージョン 0 が実行されます。 show bfd neighbors [ details ] コマンドの出力で、BFD ネイバーが実行している BFD バージョンを確認できます。
BFD バージョン検出の例については、「エコー モードがデフォルトでイネーブルになった EIGRP ネットワークでの BFD の設定:例」を参照してください。
Cisco 12000 シリーズのルータでは、Distributed Route Processor(RP; ルート プロセッサ)とラインカード(LC)アーキテクチャを利用する分散 BFD がサポートされます。次の項で説明するように、BFD タスクは分割され、RP および LC で BFD プロセスに割り当てられます。
RP の BFD プロセスでは、クライアントとの対話を処理します。これによって、BFD セッションが作成および削除されます。
主に BFD RP プロセスが、ルータのすべての BFD セッションを所有します。その後、セッションの作成および削除の要求をすべての LC の BFD プロセスに渡します。BFD LC セッションには、クライアントによって追加または削除されるセッションの情報がありません。BFD RP プロセスだけがセッションの追加および削除のコマンドを BFD LC プロセスに送信します。
BFD RP プロセスは、ルータのすべての BFD セッションのデータベースを維持します。このデータベースには、必要最小限の情報だけが保存されます。
BFD LC プロセスではセッションを管理し、BFD RP プロセスからのコマンドを追加および削除し、コマンドに基づいて新しいセッションを作成および削除します。送信の失敗、受信の失敗、またはセッション ダウンの検出が発生した場合、LC BFD インスタンスでただちに BFD RP プロセスが通知されます。また、送信および受信のカウンタが更新されます。BFD セッションは LC で完全に管理されます。BFD 制御パケットが、LC 自体から送信された場合と同様に受信され、処理されます。
Cisco IOS リリース 12.2(33)SRC では、作成できる BFD セッションの数が 128 に増えました。
Cisco IOS リリース 12.2(33)SRC では、BFD 機能が非ブロードキャスト メディア インターフェイス(ATM、POS、シリアル、および VLAN インターフェイスなど)でサポートされます。BFD のサポートは ATM、フレーム リレー(FR)、POS、およびシリアル サブインターフェイスに拡張されます。
Cisco IOS リリース 12.2(33)SRC では BFD 機能が、プロバイダー エッジ(PE)ルータとカスタマー エッジ(CE)ルータ の間のルーティング プロトコル障害の高速検出を提供するように、VPN Routing and Forwarding(VRF; VPN ルーティングおよび転送)対応に拡張されています。
通常、ネットワーキング デバイスを再起動すると、そのデバイスのすべてのルーティング ピアがデバイスの終了および再起動を検出します。この遷移によってルーティング フラップが発生し、そのために複数のルーティング ドメインに分散される可能性があります。ルーティングの再起動によって発生したルーティング フラップによって、ルーティングが不安定になります。これはネットワーク全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼします。ノンストップ フォワーディング(NSF)は、ステートフル スイッチオーバー(SSO)がイネーブルになっているデバイスのルーティング フラップを抑制するのに役立ち、それによってネットワークの不安定さが減少します。
NSF では、ルーティング プロトコル情報がスイッチオーバー後に保存されるとき、既知のルータでデータ パケットのフォワーディングを継続できます。NSF を使用すると、ピア ネットワーキング デバイスでルーティング フラップが発生しません。データ トラフィックはインテリジェント ラインカードまたはデュアル フォワーディング プロセッサを介して転送されますが、スタンバイ RP では、スイッチオーバー中に障害が発生したアクティブな RP からの制御とみなされます。ラインカードおよびフォワーディング プロセッサの機能はスイッチオーバーによって維持され、アクティブな RP の Forwarding Information Base(FIB; 転送情報ベース)が NSF 動作で最新状態が維持されます。
デュアル RP をサポートするデバイスでは、SSO が RP の 1 つをアクティブな プロセッサとして確立し、他の RP はスタンバイ プロセッサに割り当てられ、それらの間で情報が同期されます。アクティブな RP に障害が発生したとき、ネットワーク デバイスから削除されたとき、または手動でメンテナンスから排除されたときに、アクティブなプロセッサとスタンバイ プロセッサからのスイッチオーバーが発生します。
Cisco IOS リリース 12.2(33)SRC では、計画的スイッチオーバー時に BFD セッションが「Admin Down」状態になります。BFD 設定はアクティブなプロセッサからスタンバイ プロセッサに同期化され、すべての BFD クライアントがスタンバイ プロセッサでの BFD プロセスで再登録されます。
Cisco IOS リリース 12.2(33)SB では、BFD が SSO 対応ではなく、NSF/SSO でサポートされません。これらの機能は組み合せて使用しないでください。NSF/SSO と BFD を同時にイネーブルにすると、BFD の隣接関係が維持されず、ルーティング クライアントには隣接関係停止と再コンバージェンスのマークが強制的に付けられるため、フェールオーバー中にノンストップ フォワーディング機能が動作しません。
BFD プロトコルでは、隣接するフォワーディング エンジン間でパスに短期間の障害検出が行われます。デュアル RP ルータまたはスイッチ(冗長性のため)を使用するネットワーク導入では、ルータにグレースフル リスタート メカニズムがあり、アクティブな RP とスタンバイ RP の間のスイッチオーバー時にフォワーディング状態が保護されます。
ハードウェアの通信障害を検出する機能に応じて、デュアル RP のスイッチオーバー回数が異なります。BFD が RP で稼動している場合、一部のプラットフォームでは BFD プロトコルがタイム アウトになる前にスイッチオーバーを検出することはできません。このようなプラットフォームは低速スイッチオーバー プラットフォームと呼ばれます。
スタンバイ RP へのスイッチオーバーを成功させるために、BFD プロトコルでチェックポイント メッセージを使用して、アクティブな RP Cisco IOS インスタンスからセッション情報をスタンバイ RP Cisco IOS インスタンスに送信します。セッション情報には、ローカル識別子およびリモート識別子、隣接ルータのタイマー情報、BFD セットアップ情報、およびセッション固有の情報(セッションのタイプやセッションのバージョンなど)が含まれます。さらに、BFD プロトコルはセッションの作成および削除のチェックポイント メッセージを送信して、スタンバイ RP でセッションを作成または削除します。
スタンバイ RP の BFD セッションはパケットの送受信を行わず、期限切れになったタイマーを処理しません。このようなセッションは、スイッチオーバーの発生を待ってからアクティブ セッションのパケットを送信し、セッションが隣接ルータでタイム アウトにならないようにします。
スタンバイ RP の BFD プロトコルはスイッチオーバーの通知を受けると、状態をアクティブに変更し、自分自身をシスコ エクスプレス フォワーディング(CEF)に登録することで、パケットを受信し、期限切れになったすべての要素にパケットを送信できるようにします。
また、BFD ではチェックポイント メッセージを使用して、アクティブな RP でクライアントによって作成されたセッションをスイッチオーバー時に維持します。スイッチオーバーが発生すると、BFD は SSO 再要求タイマーを起動します。クライアントは再要求タイマーによって指定された期間内のセッションを再要求する必要があります。そうしないと、セッションが削除されます。
OSPF や BGP などの動的なルーティング プロトコルとは異なり、スタティック ルーティングにはピア検出の方法がありません。したがって、BFD が設定されると、ゲートウェイの到達可能性は完全に指定されたネイバーへの BFD セッションの状態に依存します。BFD セッションが開始されない限り、スタティック ルートのゲートウェイは到達不能とみなされ、したがって、影響を受けるルートが適切な RIB にインストールされません。
BFD セッションが正常に確立されるように、ピア上のインターフェイスで BFD を設定し、ピア上の BFD クライアントに BFD ネイバーのアドレスを登録する必要があります。インターフェイスがダイナミック ルーティング プロトコルで使用される場合、後者の要件は通常、BFD の各ネイバーでルーティング プロトコル インスタンスを設定することによって満たされます。インターフェイスがスタティック ルーティングに排他的に使用される場合、この要件はピア上でスタティック ルートを設定することによって満たす必要があります。
BFD セッションが起動状態のときに BFD 設定がリモート ピアから削除された場合、BFD セッションの最新状態が IPv4 スタティックに送信されません。その結果、スタティック ルートが RIB に残ります。唯一の回避策は、IPv4 スタティック BFD ネイバー設定を削除して、スタティック ルートが BFD セッション状態を追跡しないようにすることです。また、シリアル インターフェイスのカプセル化のタイプを BFD でサポートされていないタイプに変更する場合、このインターフェイスで BFD がダウン状態になります。回避策はインターフェイスをシャットダウンし、サポートされているカプセル化のタイプに変更してから、BFD を再設定することです。
機能を導入するときは、あらゆる代替策を検討し、トレードオフに注意することが重要です。
EIGRP、IS-IS、および OSPF の通常の導入で BFD に最も近い代替策は、EIGRP、IS-IS、および OSPF ルーティング プロトコルの変更された障害検出メカニズムを使用することです。
EIGRP の hello およびホールド タイマーを絶対最小値に設定する場合、EIGRP の障害検出速度が 1~2 秒程度に下がります。
IS-IS または OSPF に fast hello を使用する場合、これらの Interior Gateway Protocol(IGP)プロトコルによって障害検出メカニズムが最小 1 秒に減少します。
ルーティング プロトコルの減少したタイマー メカニズムで BFD を実装すると、いくつかの利点があります。
• EIGRP、IS-IS、および OSPF タイマーによって 1 秒または 2 秒の最小検出タイマーを実現できますが、障害検出が 1 秒未満になる場合もあります。
• BFD は特定のルーティング プロトコルに関連付けられていないため、EIGRP、IS-IS、および OSPF の汎用の整合性のある障害検出メカニズムとして使用できます。
• BFD の一部をデータ プレーンに分散できるため、コントロール プレーンに全体が存在する分散 EIGRP、IS-IS、および OSPF タイマーよりも CPU の負荷を軽くすることができます。
インターフェイスで BFD を設定して、BFD プロセスを開始します。BFD プロセス が開始されると、隣接するデータベースにエントリが作成されません。つまり、BFD 制御パケットが送受信されません。Cisco IOS リリース 12.4(9)T の BFD バージョン 1 でサポートされない BFD エコー モードは、デフォルトではイネーブルです。BFD 制御パケットに加えて、BFD エコー パケットが送受信されます。適用可能なルーティング プロトコルの BFD サポートを設定すると、隣接作成が実行されます。ここでは、次の手順について説明します。
• 「インターフェイスでの BFD セッション パラメータの作成」(必須)
• 「ダイナミック ルーティング プロトコルに対する BFD サポートの設定」(必須)
• 「スタティック ルーティングのための BFD サポートの設定」(任意)
• 「BFD エコー モードの設定」(任意)
• 「BFD の監視とトラブルシューティング」(任意)
この手順では、インターフェイスで基本 BFD セッション パラメータを設定することによって、インターフェイスで BFD を設定する方法を示します。BFD ネイバーに対して BFD セッションを実行するインターフェイスごとに、この手順を繰り返します。
4. bfd interval milliseconds min_rx milliseconds multiplier interval-multiplier
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bfd interval milliseconds min_rx milliseconds multiplier interval-multiplier |
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ルータ レベルでダイナミック ルーティング プロトコルの BFD サポートをイネーブルにして、すべてのインターフェイスに対してグローバルに BFD サポートをイネーブルにするか、またはインターフェイス レベルでインターフェイスごとに BFD を設定することができます。
Cisco IOS リリース 12.2(18)SXE では、ルーティング プロトコル EIGRP、IS-IS、および OSPF の 1 つ以上に対して BFD サポートを設定できます。
Cisco IOS リリース 12.2(33)SRA では、ルーティング プロトコル EIGRP、IS-IS、および OSPF の 1 つ以上に対して BFD サポートを設定できます。
Cisco IOS リリース 12.2(33)SRB では、ルーティング プロトコル BGP、EIGRP、IS-IS、および OSPF の 1 つ以上に対して BFD サポートを設定できます。
Cisco IOS リリース 12.2(33)SRC では、スタティック ルーティングに対して BFD サポートを設定できます。
Cisco IOS リリース 12.0(31)S および 12.4(4)T では、ルーティング プロトコル BGP、IS-IS、および OSPF の 1 つ以上に対して BFD サポートを設定できます。
Cisco IOS リリース 12.0(32)S では、Cisco 10720 プラットフォームで、ルーティング プロトコル BGP、IS-IS、および OSPF の 1 つ以上に対して BFD を設定できます。
Cisco IOS リリース 12.4(11)T では、HSRP に対する BFD サポートが導入されました。
• 「BGP に対する BFD サポートの設定」(任意)
• 「EIGRP に対する BFD サポートの設定」(任意)
• 「IS-IS に対する BFD サポートの設定」(任意)
• 「OSPF に対する BFD サポートの設定」(任意)
• 「HSRP に対する BFD サポートの設定」(任意)
ここでは、BGP が BFD の登録プロトコルとなり、BFD から転送パスの検出障害メッセージを受信するように、BGP に対する BFD サポートを設定する手順について説明します。
BGP は、関連するすべてのルータで実行する必要があります。
BFD セッションを BFD ネイバーに対して実行するインターフェイスで、BFD セッションの基本パラメータを設定する必要があります。詳細については、「インターフェイスでの BFD セッション パラメータの作成」を参照してください。
4. neighbor ip-address fall-over bfd
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neighbor ip-address fall-over bfd |
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show bfd neighbors [ details ] |
コマンドの出力に表示されません。 | |
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BFD の監視とトラブルシューティングの詳細については、「BFD の監視とトラブルシューティング」を参照してください。別のルーティング プロトコルに対して BFD サポートを設定する場合は、次の項を参照してください。
ここでは、EIGRP が BFD の登録プロトコルとなり、BFD から転送パスの検出障害メッセージを受信するように、EIGRP に対する BFD サポートを設定する手順について説明します。EIGRP に対する BFD サポートをイネーブルにするには、2 つの方法があります。
• ルータ コンフィギュレーション モードで bfd all-interfaces コマンドを使用して、EIGRP がルーティングしているすべてのインターフェイスに対して BFD をイネーブルにできます。
• ルータ コンフィギュレーション モードで bfd interface type number コマンドを使用して、EIGRP がルーティングしているインターフェイスのサブセットに対して BFD をイネーブルにできます。
EIGRP は、関連するすべてのルータで実行する必要があります。
BFD セッションを BFD ネイバーに対して実行するインターフェイスで、BFD セッションの基本パラメータを設定する必要があります。詳細については、「インターフェイスでの BFD セッション パラメータの作成」を参照してください。
EIGRP に対する BFD は、Cisco IOS リリース 12.0(31)S、12.0(32)S、12.4(4)T、および 12.2(33)SRA の Cisco 12000 シリーズ ルータでサポートされません。
4. bfd all-interfaces
または
bfd interface type number
6. show bfd neighbors [ details ]
7. show ip eigrp interfaces [ type number ] [ as-number ] [ detail ]
BFD の監視とトラブルシューティングの詳細については、「BFD の監視とトラブルシューティング」を参照してください。別のルーティング プロトコルに対して BFD サポートを設定する場合は、次の項を参照してください。
ここでは、IS-IS が BFD の登録プロトコルとなり、BFD から転送パスの検出障害メッセージを受信するように、IS-IS に対する BFD サポートを設定する手順について説明します。IS-IS に対する BFD サポートをイネーブルにするには、2 つの方法があります。
• ルータ コンフィギュレーション モードで bfd all-interfaces コマンドを使用して、IS-IS が IPv4 ルーティングをサポートしているすべてのインターフェイスに対して BFD をイネーブルにできます。インターフェイス コンフィギュレーション モードで isis bfd disable コマンドを使用して、1 つ以上のインターフェイスをディセーブルにできます。
• インターフェイス コンフィギュレーション モードで isis bfd コマンドを使用して、IS-IS がルーティングしているインターフェイスのサブセットに対して BFD をイネーブルにできます。
IS-IS に対する BFD サポートを設定するには、次のいずれかの手順に従います。
IS-IS は、関連するすべてのルータで実行する必要があります。
BFD セッションを BFD ネイバーに対して実行するインターフェイスで、BFD セッションの基本パラメータを設定する必要があります。詳細については、「インターフェイスでの BFD セッション パラメータの作成」を参照してください。
IPv4 ルーティングをサポートするすべての IS-IS インターフェイスで BFD を設定するには、この項の手順に従います。
BFD の監視とトラブルシューティングの詳細については、「BFD の監視とトラブルシューティング」を参照してください。インターフェイスの特定のサブセットに対してだけ設定する場合は、「1 つ以上のインターフェイスの IS-IS に対する BFD サポートの設定」のタスクを実行します。
BFD の監視とメンテナンスの詳細については、「BFD の監視とトラブルシューティング」を参照してください。別のルーティング プロトコルに対して BFD サポートを設定する場合は、次のいずれかの項を参照してください。
ここでは、OSPF が BFD の登録プロトコルとなり、BFD から転送パスの検出障害メッセージを受信するように、OSPF に対する BFD サポートを設定する手順について説明します。すべてのインターフェイスでグローバルに OSPF に対する BFD を設定するか、または 1 つ以上のインターフェイスで選択的に設定することができます。
OSPF に対する BFD サポートをイネーブルにするには、2 つの方法があります。
• ルータ コンフィギュレーション モードで bfd all-interfaces コマンドを使用して、OSPF がルーティングしているすべてのインターフェイスに対して BFD をイネーブルにできます。インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip ospf bfd [ disable ] コマンドを使用して、個々のインターフェイスで BFD をディセーブルにできます。
• インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip ospf bfd コマンドを使用して、OSPF がルーティングしているインターフェイスのサブセットに対して BFD をイネーブルにできます。
OSPF に対する BFD サポートのタスクについては、次の項を参照してください。
すべての OSPF インターフェイスに BFD を設定するには、この項の手順に従います。
すべての OSPF インターフェイスに対して BFD を設定するのではなく、特定の 1 つ以上のインターフェイスに対して BFD サポートを設定する場合は、「1 つ以上のインターフェイスの OSPF に対する BFD サポートの設定」を参照してください。
OSPF は、関連するすべてのルータで実行する必要があります。
BFD セッションを BFD ネイバーに対して実行するインターフェイスで、BFD セッションの基本パラメータを設定する必要があります。詳細については、「インターフェイスでの BFD セッション パラメータの作成」を参照してください。
BFD の監視とトラブルシューティングの詳細については、「BFD の監視とトラブルシューティング」を参照してください。別のルーティング プロトコルに対して BFD サポートを設定する場合は、次の項を参照してください。
OSPF は、関連するすべてのルータで実行する必要があります。
BFD セッションを BFD ネイバーに対して実行するインターフェイスで、BFD セッションの基本パラメータを設定する必要があります。詳細については、「インターフェイスでの BFD セッション パラメータの作成」を参照してください。
BFD の監視とトラブルシューティングの詳細については、「BFD の監視とトラブルシューティング」を参照してください。別のルーティング プロトコルに対して BFD サポートを設定する場合は、次の項を参照してください。
Hot-Standby Routing Protocol(HSRP)に対して BFD サポートをイネーブルにするには、このタスクを実行します。HSRP ピアに対して BFD セッションを実行するインターフェイスごとに、この手順を繰り返します。
デフォルトでは、HSRP は BFD をサポートします。BFD に対する HSRP サポートが手動でディセーブルになっている場合、ルータ レベルで再びイネーブルにして、すべてのインターフェイスに対してグローバルに BFD サポートをイネーブルにするか、またはインターフェイス レベルでインターフェイスごとにイネーブルにすることができます。
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standby [ group-number ] ip [ ip-address [ secondary ]] |
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BFD の監視とトラブルシューティングの詳細については、「BFD の監視とトラブルシューティング」を参照してください。別のルーティング プロトコルに対して BFD サポートを設定する場合は、次の項を参照してください。
スタティック ルーティングのための BFD サポートを設定するには、このタスクを実行します。
各 BFD ネイバーに対してこの手順を繰り返します。詳細については、「スタティック ルーティングのための BFD サポートの設定:例」を参照してください。
5. bfd interval milliseconds min_rx milliseconds multiplier interval-multiplier
6. ip route static bfd [vrf vrf-name ] interface-type interface-number gateway
7. ip route prefix mask { ip- address | interface-type interface-number [ ip-address ]} [ dhcp ] [ distance ] [ name next-hop-name ] [ permanent | track number ] [ tag tag ]
デフォルトでは BFD エコー モードがイネーブルになっていますが、方向ごとに個別に実行できるように、ディセーブルにすることもできます。エコー モードを設定するには、その前に次の概念を理解しておく必要があります。
• 「前提条件」
• 「制約事項」
BFD エコー モードは非同期 BFD で動作します。エコー パケットはフォワーディング エンジンによって送信され、検出を実行するために、同じパスで転送されます。反対側の BFD セッションはエコー パケットの実際のフォワーディングに関与しません。エコー機能およびフォワーディング エンジンが検出プロセスを処理するため、2 つの BFD ネイバー間で送信される BFD 制御パケットの数が減少します。また、フォワーディング エンジンが、リモート システムを介さずにリモート(ネイバー)システムの転送パスをテストするため、パケット内遅延が向上する可能性があり、それによって BFD バージョン 0 を BFD セッションの BFD 制御パケットを使用する場合に、障害検出時間を短縮できます。
エコー モードを両端で実行している(両方の BFD ネイバーがエコー モードを実行している)場合は、非対称性がないと表現されます。
BFD は、関連するすべてのルータで実行する必要があります。
CPU 使用率の上昇を避けるために、BFD エコー モードを使用する前に、 no ip redirects コマンドを入力して、Internet Control Message Protocol(ICMP; インターネット制御メッセージ プロトコル)リダイレクト メッセージの送信をディセーブルにする必要があります。
BFD セッションを BFD ネイバーに対して実行するインターフェイスで、BFD セッションの基本パラメータを設定する必要があります。詳細については、「インターフェイスでの BFD セッション パラメータの作成」を参照してください。
BFD バージョン 1 でサポートされる BFD エコー モードは、Cisco IOS リリース 12.4(9)T および 12.2(33)SRA だけで使用できます。
この手順では、BFD の slow timer 値を変更する方法を示します。各 BFD ルータに対してこの手順を繰り返します。
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この手順では、非対称性のない BFD エコー モードをディセーブルにする方法を示します。ルータからエコー パケットが送信されず、ルータはネイバー ルータが受信した BFD エコー パケットを転送しません。
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ここでは、メンテナンスとトラブルシューティングのために BFD 情報を取得する方法について説明します。必要に応じてこれらのタスクのコマンドを、正しい順序で入力します。
BFD セッションの開始と障害の詳細については、「BFD の動作」を参照してください。
ここでは、次の Cisco プラットフォームに対する BFD の監視とトラブルシューティングについて説明します。
• 「Catalyst 7600 シリーズ ルータの監視とトラブルシューティング」
Catalyst 7600 シリーズ ルータの監視とトラブルシューティングを実行するには、この項の 1 つ以上の手順に従います。
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show bfd neighbors [ details ] |
• details キーワードを指定すると、すべての BFD プロトコル パラメータとネイバーごとにタイマーが表示されます。 コマンドの出力に表示されません。 |
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Catalyst 12000 シリーズ ルータの監視とトラブルシューティングを実行するには、この項の 1 つ以上の手順に従います。
3. show bfd neighbors [ details ]
Cisco 10720 シリーズ インターネット ルータの監視とトラブルシューティングを実行するには、この項の 1 つ以上の手順に従います。
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show bfd neighbors [ details ] |
• details キーワードを指定すると、すべての BFD プロトコル パラメータとネイバーごとにタイマーが表示されます。 コマンドの出力に表示されません。 |
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• 「エコー モードがデフォルトでイネーブルになった EIGRP ネットワークでの BFD の設定:例」
• 「スタティック ルーティングのための BFD サポートの設定:例」
次の例では、EIGRP ネットワークに ルータ A、ルータ B、およびルータ C が含まれています。ルータ A のファスト イーサネット インターフェイス 0/1 がルータ B のファスト イーサネット インターフェイス 0/1 と同じネットワークに接続されます。ルータ B のファスト イーサネット インターフェイス 0/1 が、ルータ C のファスト イーサネット インターフェイス 0/1 と同じネットワークに接続されます。
ルータ A とルータ B がエコー モードをサポートした BFD バージョン 1 を実行し、ルータ C は エコー モードをサポートしていない BFD バージョン 0 を実行しています。エコー モードはルータ A とルータ B の転送パスで動作するため、ルータ C とその BFD ネイバーの間の BFD セッションは非対称のエコー モードで実行されます。BFD セッションおよび障害検出のため、エコー パケットは同じパスで返されます。また、BFD ネイバー ルータ C は BFD バージョン 0 を実行し、BFD セッションおよび障害検出のために BFD 制御パケットを使用します。
図 3 V1 または V0 を実行する 3 台の BFD ネイバーがある EIGRP ネットワーク
図 3 に、複数のルータがある大規模な EIGRP ネットワークを示します。その中の 3 台は、ルーティング プロトコルとして EIGRP を実行している BFD ネイバーです。
この例は、グローバル コンフィギュレーション モードから開始し、BFD の設定を示します。
ルータ A からの show bfd neighbors details コマンドの出力で、3 台のすべてのルータで BFD セッションが作成され、EIGRP が BFD サポートに対して登録されることを確認できます。出力の最初のグループは、IP アドレスが 172.16.1.3 の ルータ C が BFD バージョン 0 を実行しているため、エコー モードを使用しないことを示します。出力の 2 番目のグループは、IP アドレスが 172.16.1.2 の ルータ B が BFD バージョン 1 を実行していて、50 ミリ秒の BFD interval パラメータが使用されていることを示します。この出力では、対応するコマンド出力が太字で表示されています。
ルータ B からの how bfd neighbors details コマンドの出力で、BFD セッションが作成され、EIGRP が BFD サポートに対して登録されていることを確認できます。前述のように、ルータ A は BFD バージョン 1 を実行するため、エコー モードを実行しており、ルータ C は BFD バージョン 0 を実行するため、エコー モードを実行しません。この出力では、対応するコマンド出力が太字で表示されています。
図 4 ファスト イーサネット インターフェイス 0/1 の障害
図 4 は、ルータ B でファスト イーサネット インターフェイス 0/1 に障害が発生した状態を示しています。このネイバーがなければ、ルータ B からネットワークに到達する方法がありません。
ルータ B のファスト イーサネット インターフェイス 0/1 に障害が発生すると、BFD はルータ A またはルータ C の BFD ネイバーとしてルータ B を検出しなくなります。この例では、ルータ B でファスト イーサネット インターフェイス 0/1 が管理的にシャット ダウンされています。
ルータ A での show bfd neighbors コマンドからの次の出力では、EIGRP ネットワークのルータ A に対する唯一の BFD ネイバーを示します。この出力では、対応するコマンド出力が太字で表示されています。
ルータ C での show bfd neighbors コマンドからの次の出力では、EIGRP ネットワークのルータ C に対する唯一の BFD ネイバーも示します。この出力では、対応するコマンド出力が太字で表示されています。
次の例は、ルータ A とルータ B で構成される単純な OSPF ネットワークです。ルータ A のファスト イーサネット インターフェイス 0/1 がルータ B のファスト イーサネット インターフェイス 6/0 と同じネットワークに接続されます。この例は、グローバル コンフィギュレーション モードから開始し、BFD の設定を示します。ルータ A と B に対して、OSPF プロセスに関連付けられたすべてのインターフェイスで、BFD がグローバルに設定されます。
show bfd neighbors details コマンドの出力で、BFD セッションが作成され、BFD サポートに対して OSPF が登録されることを確認できます。この出力では、対応するコマンド出力が太字で表示されています。
ルータ B のラインカードからの show bfd neighbors details コマンドの出力で、BFD セッションが作成されたことを確認できます。
(注) ルータ B は Cisco 12000 シリーズ ルータです。show bfd neighbors details コマンドはラインカードで実行する必要があります。show bfd neighbors details コマンドがラインカードで入力された場合、登録されたプロトコルは表示されません。
show ip ospf コマンドの出力で、BFD が OSPF に対してイネーブルになっていることを確認できます。この出力では、対応するコマンド出力が太字で表示されています。
show ip ospf interface コマンドの出力で、ルータ A とルータ B を接続しているインターフェイスで OSPF に対して BFD がイネーブルになっていることを確認できます。この出力では、対応するコマンド出力が太字で表示されています。
次の例は、ルータ A とルータ B で構成される単純な BGP ネットワークです。ルータ A のファスト イーサネット インターフェイス 0/1 がルータ B のファスト イーサネット インターフェイス 6/0 と同じネットワークに接続されます。この例は、グローバル コンフィギュレーション モードから開始し、BFD の設定を示します。
ルータ A からの show bfd neighbors details コマンドの出力で、BFD セッションが作成され、BFD サポートに対して BGP が登録されることを確認できます。この出力では、対応するコマンド出力が太字で表示されています。
ルータ B のラインカードからの show bfd neighbors details コマンドの出力で、BFD セッションが作成されたことを確認できます。
(注) ルータ B は Cisco 12000 シリーズ ルータです。show bfd neighbors details コマンドはラインカードで実行する必要があります。show bfd neighbors details コマンドがラインカードで入力された場合、登録されたプロトコルは表示されません。
show ip bgp neighbors コマンドの出力で、BFD が BGP ネイバーに対してイネーブルになっていることを確認できます。
次の例は、ルータ A とルータ B で構成される単純な IS-IS ネットワークです。ルータ A のファスト イーサネット インターフェイス 0/1 は、ルータ B に対するファスト イーサネット インターフェイス 6/0 と同じネットワークに接続されます。この例は、グローバル コンフィギュレーション モードから開始し、BFD の設定を示します。
ルータ A からの show bfd neighbors details コマンドは、BFD セッションが作成され、IS-IS が BFD サポートに対して登録されることを確認できます。
ルータ B のラインカードからの show bfd neighbors details コマンドの出力で、BFD セッションが作成されたことを確認できます。
(注) ルータ B は Cisco 12000 シリーズ ルータです。show bfd neighbors details コマンドはラインカードで実行する必要があります。show bfd neighbors details コマンドがラインカードで入力された場合、登録されたプロトコルは表示されません。
次の例は、ルータ A とルータ B で構成される HSRP ネットワークです。ルータ A のファスト イーサネット インターフェイス 2/0 は、ルータ B に対するファスト イーサネット インターフェイス 2/0 と同じネットワークに接続されます。この例は、グローバル コンフィギュレーション モードから開始し、BFD の設定を示します。
(注) 次の例では、standby bfd コマンドと standby bfd all-interfaces コマンドが表示されません。デフォルトでは BFD ピアリングの HSRP サポートがイネーブルになっていて、BFD は bfd interval コマンドを使用してルータまたはインターフェイスで設定されます。standby bfd コマンドと standby bfd all-interfaces コマンドは、ルータまたはインターフェイスで BFD が手動でディセーブルになっている場合にだけ必要です。
show standby neighbors コマンドの出力で、BFD セッションが作成されたことを確認できます。
次の例は、ルータ A とルータ B で構成されるネットワークです。
ルータ A のシリアル インターフェイス 2/0 は、ルータ B のシリアル インターフェイス 2/0 と同じネットワークに接続されます。BFD セッションを起動するには、ルータ B を設定する必要があります。
ルータ B のスタティック ルートが単独で存在していて、10.201.201.1 と 10.201.201.2 の間で BFD セッションをイネーブルにすることに注意してください。設定する必要のある有益なスタティック ルートがない場合、パケットの転送に影響しないプレフィクス、たとえば、ローカルで設定されたループバック インターフェイスを選択します。
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『 Cisco IOS IP Routing Protocols Configuration Guide 』の「 Cisco BGP Overview 」モジュール |
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『 Cisco IOS IP Routing Protocols Configu ration Guide』の「 Configuring EIGRP 」モジュール |
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『 Cisco IOS IP Application Services Configuration Guide 』の「 Configuring HSRP 」モジュール |
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『 Cisco IOS IP Routing Protocols Configuration Guide 』の「 Configuring Integrated IS-IS 」モジュール |
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『 Cisco IOS IP Routing Protocols Configuration Guide 』の「 Configuring OSPF 」モジュール |
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『Cisco IOS IP Routing: Protocol-Independent Command Reference』 |
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『Cisco IOS IP Routing: Protocol-Independent Command Reference』 |
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『Cisco IOS IP Routing: Protocol-Independent Command Reference』 |
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『Cisco IOS IP Routing: Protocol-Independent Command Reference』 |
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『Cisco IOS IP Routing: Protocol-Independent Command Reference』 |
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この機能によってサポートされる新しい MIB または変更された MIB はありません。またこの機能による既存 MIB のサポートに変更はありません。 |
選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリース、およびフィーチャ セットの MIB の場所を検索してダウンロードするには、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。 |
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この機能による新規または変更された RFC のサポートはありません。また、この機能による既存の RFC サポートに変更はありません。 |
表 1 に、この機能のリリース履歴を示します。
一部のコマンドは、お使いの Cisco IOS ソフトウェア リリースで使用できないことがあります。コマンドごとのリリース情報については、コマンド リファレンス マニュアルを参照してください。
Cisco IOS ソフトウェア イメージは、Cisco IOS ソフトウェア リリース、機能セット、およびプラットフォームに固有です。プラットフォームのサポートおよびソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator を使用すると、特定のソフトウェア リリース、フィーチャ セット、またはプラットフォームをサポートする Cisco IOS および Catalyst OS のソフトウェア イメージを判別できます。Cisco Feature Navigator には、 http://tools.cisco.com/ITDIT/CFN/jsp/index.jsp からアクセスしてください。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
(注) 表 1 に、特定の Cisco IOS ソフトウェア リリース群で特定の機能をサポートする Cisco IOS ソフトウェア リリースだけを示します。特に明記されていない限り、Cisco IOS ソフトウェア リリース群の後続のリリースでもこの機能をサポートします。
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12.2(18)SXE |
このドキュメントでは、Bidirectional Forwarding Detection(BFD; 双方向フォワーディング検出)プロトコルをイネーブルにする方法について説明します。BFD はあらゆるメディア タイプ、カプセル化、トポロジ、およびルーティング プロトコルの高速転送パス障害検出回数を提供するように設計された検出プロトコルです。高速転送パス障害検出に加えて、BFD はネットワーク管理者に整合性のある障害検出方法を提供します。ネットワーク管理者は BFD を使用して、複数のルーティング プロトコルの hello メカニズムの可変レートではなく、統一レートで転送パス障害を検出でき、ネットワークのプロファイリングおよび計画が簡単になり、コンバージェンス時間が一貫して予測できます。 リリース 12.0(31)S では、Cisco 12000 シリーズ インターネット ルータのサポートが追加されました。 リリース 12.0(32)S では、Cisco 12000 シリーズ インターネット ルータの Cisco 10720 インターネット ルータおよび IP サービス エンジン(Engine 3)およびエンジン 5 共有ポート アダプタ(SPA)および SPA インターフェイス プロセッサ(SIP)のサポートが追加されました。 |
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BFD エコー モードは非同期 BFD で動作します。エコー パケットはフォワーディング エンジンによって送信され、検出を実行するために、同じパスで転送されます。反対側の BFD セッションはエコー パケットの実際のフォワーディングに関与しません。エコー機能およびフォワーディング エンジンが検出プロセスを処理するため、2 つの BFD ネイバー間で送信される BFD 制御パケットの数が減少します。また、フォワーディング エンジンが、リモート システムを介さずにリモート(ネイバー)システムの転送パスをテストするため、パケット内遅延が向上する可能性があり、それによって BFD バージョン 0 を BFD セッションの BFD 制御パケットを使用する場合に、障害検出時間を短縮できます。 |
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EIGRP が BFD で登録されたプロトコルであり、BFD から転送パスの検出障害メッセージを受信するように、EIGRP に対する BFD サポート BFD を設定できます。 EIGRP に対する BFD は、Cisco IOS リリース 12.0(31)S、12.0(32)S、12.4(4)T、および 12.2(33)SRA の Cisco 12000 シリーズ ルータでサポートされません。 |
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BFD 機能のサポートが、プロバイダー エッジ(PE)ルータとカスタマー エッジ(CE)ルータ の間のルーティング プロトコル障害の高速検出を提供するように、VPN Routing and Forwarding(VRF; VPN ルーティングおよび転送)対応に拡張されています。 • 「VPN Routing and Forwarding(VRF; VPN ルーティングおよび転送)インターフェイスのための BFD サポート」 |
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BFD 機能がブロードキャスト メディア以外のインターフェイス(ATM、POS、シリアル、および VLAN インターフェイスなど)でサポートされます。BFD のサポートは ATM、FR、POS、およびシリアル サブインターフェイスに拡張されます。 |
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リリース 12.4(11)T では、HSRP のサポートが追加されました。 リリース 12.4(15)T では、BFD が Cisco ルータの Integrated Services Router(ISR; サービス統合型ルータ)ファミリ、たとえば Cisco 3800 ISR シリーズ ルータでサポートされます。 リリース 12.2(33)SRC では、作成できる BFD セッションの数が増加し、BFD サポートが ATM、FR、POS、およびシリアル サブインターフェイスに拡張され、BFD 機能が VRF 対応に確証され、計画されたスイッチオーバー時に BFD セッションが「Admin Down」状態になり、BFD サポートがスタティック ルーティングに拡張されました。 |
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すべてのインターフェイスでグローバルに OSPF に対する BFD を設定するか、または 1 つ以上のインターフェイスで選択的に設定することができます。BFD で登録されたプロトコルとして IS-IS で BFD サポートが設定される場合、IS-IS が BFD から転送パスの検出障害メッセージを受信します。 |
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すべてのインターフェイスでグローバルに OSPF に対する BFD を設定するか、または 1 つ以上のインターフェイスで選択的に設定することができます。BFD で登録されたプロトコルとして OSPF で BFD サポートが設定される場合、OSPF が BFD から転送パスの検出障害メッセージを受信します。 |
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デュアル RP ルータおよびスイッチを使用するネットワーク導入には、スイッチオーバー全体でフォワーディング状態を保護するためのグレースフル リスタート メカニズムがあります。この機能によって、BFD はスイッチオーバー全体でセッションを稼動状態に保つことができます。 |
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SSO をサポートするために、計画されたスイッチオーバー時に BFD セッションが「Admin Down」状態になります。BFD 設定はアクティブなプロセッサからスタンバイ プロセッサに同期化され、すべての BFD クライアントがスタンバイ プロセッサでの BFD プロセスで再登録されます。 |
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OSPF や BGP などの動的なルーティング プロトコルとは異なり、スタティック ルーティングにはピア検出の方法がありません。したがって、BFD が設定されると、ゲートウェイの到達可能性は完全に指定されたネイバーへの BFD セッションの状態に依存します。BFD セッションが開始されない限り、スタティック ルートのゲートウェイは到達不能とみなされ、したがって、影響を受けるルートが適切な RIB にインストールされません。 • 「スタティック ルーティングのための BFD サポート」 |