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Cisco Service Advertisement Framework(SAF)は、ネットワークに接続されたリソースの存在、位置、および設定をアプリケーションで検出可能にするメカニズムです。Cisco SAF を使用すれば、アプリケーションでネットワーク上のサービスをアドバタイズまたは検出することによって、ネットワーク上のサービスのタイムリーで信頼できる認識が可能になります。
サービスとは、ある Cisco SAF Client アプリケーションでアドバタイズすることによって、他の Cisco SAF Client アプリケーションで使用可能になる情報のことです。
ご使用のソフトウェア リリースで、このコンフィギュレーション ガイドに記載されたすべての機能がサポートされているとはかぎりません。最新の機能情報および警告については、ご使用のプラットフォームおよびソフトウェア リリースのリリースノートを参照してください。このガイドに記載されている機能の詳細、および各機能がサポートされているリリースのリストについては、「Cisco Service Advertisement Framework に関する機能情報」を参照してください。
プラットフォーム、Cisco IOS OS ソフトウェア イメージ、および Catalyst OS ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスしてください。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
• 「参考資料」
• Cisco SAF を設定する前に、このマニュアルに記載された概念を理解しておく必要があります。
• 別の LAN 上に配置された Cisco SAF Forwarder のネイバー関係を設定する前に、各 Cisco SAF Forwarder 間の IP ルーティングが設定されていることを確認してください。
service-family ipv6 コマンドを使用する場合は、現在は存在しない IPv6 対応の SAF クライアントが必要です。
従来、ネットワーク上のサービスを特定するには、ネットワーク アプリケーションに必要なサービスのホスト名とネットワーク アドレスを設定するか、ネットワーク アプリケーションで DNS などのオーバーレイ メカニズムを使用する必要がありました。サービス アドバタイズメントをサポートする既存のプロトコルでは、リソース使用の定期的な通知が提供されます。このようなネットワーク サービスの多くは LAN ベースです。
図 1 に、従来の設定方法が必要な Cisco Unified Communications Manager ネットワークを示します。
図 1 Cisco Unified Communications Manager の従来の設定方法
Cisco SAF は、ネットワークに接続されたサービスの存在、位置、および設定をネットワーク アプリケーションで自動的に検出可能にするフレームワークを提供します。このサービスの自動検出によって、頻繁に設定を変更しなければならないダイヤル プランなどの複雑な設定を手動で入力する必要がなくなります。また、Cisco SAF を使用すれば、アプリケーションでサービスをアドバタイズしたり、検出したりすることができます。さらに、1 つの設定を作成すれば、情報が必要なすべてのデバイスにその設定を伝搬させることができます。
図 2 に、Cisco SAF を使用した Cisco Unified Communications Manager ネットワークを示します。
図 2 Cisco Unified Communications Manager を使用した Cisco SAF ネットワーク サービス検出ネットワーク
Cisco SAF Client は、Cisco SAF Forwarder と同じルータ上に設定することも、外部ルータ上に設定することもできます。
Cisco SAF をネットワーク上に展開するには、次の概念を理解しておく必要があります。
• 「Cisco SAF サービス ID 番号のフォーマット」
• 「Cisco SAF とネットワークにおけるドメインの役割」
Cisco SAF は、ネットワークに接続されたリソースの存在、位置、および設定をアプリケーションで検出可能にするフレームワークを提供します。Cisco SAF を使用すれば、アプリケーションでネットワーク上のサービスをアドバタイズまたは検出することによって、ネットワーク上のサービスのタイムリーで信頼できる認識が可能になります。サービス情報は、サービスの内容を効率的に配信してその検出を促進する特定の機能を担う Cisco SAF 共同ノードのネットワークを通して配信されます。
非 SAF ノードとは、SAF を認識しないネットワーク上のノードのことです。非 SAF ノードは、「ダーク ネット」と呼ばれており、ISP を通過するために必要です。Cisco SAF メッセージは IP ベースのため、ダーク ネットの影響を受けません。
これらの Cisco SAF 共同ネットワーク ノードは、次の 2 つの機能的役割に分類されます。
Cisco SAF を設定するには、SAF Forwarder と SAF Client の両方を設定する必要があります。
Cisco SAF の柔軟性によって、1 台のエッジ ルータを必要に応じて Cisco SAF Forwarder と Cisco SAF Client のどちらかとして機能させることができます。
Cisco SAF Forwarder は、Cisco SAF Client がアドバタイズしたサービスを受信して、そのサービスをネットワークを通して安全に配信し、他の Cisco SAF Client がそのサービスを利用できるようにします。Cisco SAF Forwarder の特徴:
• サービス アドバタイズメントの信頼できる配信を保証します。
• ターゲットを絞ったマルチキャストおよびユニキャスト メッセージを使用することによって、ネットワーク帯域幅の使用を最小限に抑えます。
Cisco SAF Forwarder は、サービス アドバタイズメントを他の Cisco SAF Forwarder に伝搬させたり、LAN、構内ネットワーク、WAN、または ISP を通して伝搬させたりすることができます。
基本 Cisco SAF Forwarder は、Cisco SAF Client 間の関係とフレームワークを提供します。Cisco SAF Forwarder の多くは、ネットワークの端または境界に配置されます。Cisco SAF Forwarder は、サービス アドバタイズメントを受信して、そのコピーを保存してから、ネイバー SAF ノードに転送します。クライアントとフォワーダの関係は、アドバタイズメントを維持することです。クライアントがサービスを削除したり、フォワーダ ノードから切断したりした場合は、そのノードから使用できなくなったサービスに関するフレームワークが通知されます。あるフォワーダ ノードで別のフォワーダ ノードからのアドバタイズメントが受信された場合は、その全体(ヘッダーと不明瞭なデータ)のコピーが保存され、他の SAF ピアに転送されます。
有効なすべてのインターフェイスに対してサービスの動的検出を自動的に許可するように LAN 上の Cisco SAF Forwarder を設定すると同時に、他のインターフェイスがサービスを検出するのをブロックするインターフェイス(静的設定)を指定できます。
サービスの動的検出を自動的に許可するように非 SAF ノード上の Cisco SAF Forwarder を設定できます。たとえば、Cisco SAF Forwarder は共通のピア グループに属しています。Cisco SAF Forwarder のペア間の静的設定(ユニキャスト)を作成することもできます。
(注) サービスの動的検出を許可するには、マルチキャスト ルーティングが必要です。
Cisco SAF Client は、サービスの製作者(ネットワークにアドバタイズする)と消費者(ネットワークにサービスを要求する)のどちらかまたはその両方です。Cisco SAF Client から Cisco SAF Forwarder に登録メッセージが送信されると、Cisco SAF Forwarder との関係が確率されます。Cisco SAF Forwarder は、この登録メッセージを使用して、その Cisco SAF Client を接続されている他のクライアントから区別する一意のハンドルを取得します。Cisco SAF Client は、登録しなければ、サービスをアドバタイズ(パブリッシュ)または要求(サブスクライブ)することができません。図 3 に、代表的な Cisco SAF ネットワークを示します。
図 3 Cisco Service Advertisement Framework ネットワーク
サービスをアドバタイズするときに、Cisco SAF Client は、提供するサービスに関する情報を含むアドバタイズメントを Cisco SAF Forwarder にパブリッシュ(送信)します。Cisco SAF Client は、新しいサービスのアドバタイズごとにパブリッシュ要求を送信できます。Cisco SAF Forwarder は、Cisco SAF Client がパブリッシュしたすべてのサービスをアドバタイズします。
サービスを要求するときに、Cisco SAF Client は、サブスクライブ要求を使用してサービスの要求通知を送信します。サブスクライブ要求には、Cisco SAF Client に必要なサービス セットが記述されたフィルタが含まれています。この要求に応答して、Cisco SAF Forwarder は、一連の通知要求で、フィルタと一致する最新のサービス セットを Cisco SAF Client に送信します。フロー制御を実現するために複数の通知要求が送信されます。Cisco SAF Client は、Cisco SAF Forwarder が次の要求を送信する前に各通知要求に応答する必要があります。パブリッシュ要求と同様に、Cisco SAF Client は、新しいフィルタを使用するたびにサブスクライブ要求を生成する必要があります。Cisco SAF Client は、既存のサブスクリプションのいずれかを削除するサブスクライブ解除要求も生成できます。
ほとんどの場合、Cisco SAF Forwarder への接続に使用される 1 つ以上の IP アドレスとポートを使用して Cisco SAF Client アプリケーションを設定することになります。Cisco SAF Client が Cisco SAF Forwarder への TCP 接続を開始します。TCP 接続が確立されると、Cisco SAF Client が Cisco SAF Forwarder に登録メッセージを送信します。この登録メッセージは、その Cisco SAF Client を Cisco SAF Forwarder に接続された他のすべての Cisco SAF Client から区別します。
Cisco SAF Client は、登録が終わると、Cisco SAF Forwarder にパブリッシュ要求を送信することによって、サービスをアドバタイズします。Cisco SAF Client は、新しいサービスをアドバタイズするたびにパブリッシュ要求を送信できます。サービスは、一意のサービス ID、サブサービス ID、およびインスタンス ID によって識別され、サービス データによって記述されます。サービス ID の詳細については、「Cisco SAF サービス ID 番号のフォーマット」を参照してください。
Cisco SAF Forwarder は、Cisco SAF Client がパブリッシュしたすべてのサービスをアドバタイズします。同様に、Cisco SAF Client は、サブスクライブ要求を使用してサービスの通知を要求できます。サブスクライブ要求には、Cisco SAF Client に必要なサービス セットが記述されたフィルタが含まれています。この要求に応答して、Cisco SAF Forwarder は、一連の通知要求で、フィルタと一致する最新のサービス セットを Cisco SAF Client に送信します。フロー制御を実現するために複数の通知要求が送信されます。Cisco SAF Client は、Cisco SAF Forwarder が次の要求を送信する前に各通知要求に応答する必要があります。
パブリッシュ要求と同様に、Cisco SAF Client は、新しいフィルタを使用するたびにサブスクライブ要求を生成できます。Cisco SAF Client は、既存のサブスクリプションのいずれかを削除するサブスクライブ解除要求も生成できます。
Cisco SAF Client と Cisco SAF Forwarder の両方がセキュリティのために共有秘密鍵を使用します。この共有秘密鍵は、ユーザ名とパスワードで構成されます。ユーザ名は、共有秘密として使用されるパスワードを決定するインデックスです。Cisco SAF Client は、要求を送信するときに、ユーザ名、実際のメッセージの内容、およびランダム パスワードを含む属性を送信します。
Cisco SAF Forwarder が要求を受信すると、ユーザ名属性を特定し、それを使用してパスワードのローカル コピーにアクセスしてから、Cisco SAF Client が実行した計算と同様の計算を実行します。計算結果が一致すると、Cisco SAF Client が認証され、その要求の整合性が維持されていることが認識されます。Cisco SAF Forwarder は、要求を拒否することもできます。
Cisco SAF Forwarder が、サービスを Cisco SAF ネットワークにアドバタイズする Cisco SAF Client の有効性に関する確認を要求します。Cisco SAF Forwarder と Cisco SAF Client は、登録時に有効性タイマーを交換します。Cisco SAF Forwarder は、有効性タイマーと同じ時間内に Cisco SAF Client から要求が届かなかった場合にそのクライアントを故障中と見なします。Cisco SAF Client が、要求間のインターバルがこの値を超えないことを保証します。Cisco SAF Client は、送信するデータがない場合は、サーバ上のタイマーを更新するための登録メッセージを生成します。
Cisco SAF Forwarder が Cisco SAF Client の故障を検出すると、そのクライアントの代わりに、アドバタイズされたサービスをネットワークから削除して、そのクライアントが設定したすべてのサブスクリプションを抹消します。Cisco SAF Client が故障したわけではなく、接続が瞬断しただけの場合は、以前のハンドルを使用して再接続および再登録して、Cisco SAF Forwarder に動作可能であることを通知します。Cisco SAF Client を手動で登録解除して、Cisco SAF Forwarder にすべてのサービスとサブスクリプションを削除させることができます。
サービスとは、ある Cisco SAF Client アプリケーションでアドバタイズすることによって、他の Cisco SAF Client アプリケーションで使用可能になる情報のことです。サービス アドバタイズメントはサービス データで構成されます。また、サービス アドバタイズメントはヘッダー データを使用してフォワーダ間で伝搬されます。サービスの受信を希望する Cisco SAF Client は、サービス ヘッダーとサービス データを調査することができます。
サービス ID 番号がネットワーク上のサービスを一意に識別します。次の例は、サービス ID 番号のフォーマットを示しています。
サービス ID は、アドバタイズするメジャー サービスの 16 ビットの 10 進識別番号です。メジャー サービスとは、Cisco Unified Communications(UC)などの特定のテクノロジー領域を意味します。サービス ID は、SAF クライアントが必要なさまざまなお客様にシスコから割り当てられます。
次の例は、IP Everywhere と Cisco Unified Communications のサービス ID 値を示しています。
サブサービス ID は、アドバタイズするマイナー サービスの 16 ビットの 10 進識別番号です。サブサービス(マイナー サービスとも呼ばれる)とは、テクノロジー内部のサービス タイプを意味します。たとえば、UC 内部には次のようなサブサービスがあります。
• インスタンスが、この種のサービスのサービス アドバタイズメントを識別します。たとえば、サービス ID が "101:1:abcd.1234.ef.678" の場合は、特定の場所(インスタンス abcd.1234.ef.678)にある Communications Manager クラスタによって通知された UC(サービス 101) TDM ゲートウェイ(サブサービス 1)のアドバタイズメントを意味します。
インスタンス ID は、アドバタイズされた特定のサービスを識別する一意の 128 ビット値です。
クライアント チームがサブサービスの使用方法とアプリケーションのインスタンス値を定義します。クライアントは、Cisco SAF ドメインにおけるインスタンスの一意性を保証する必要があります。
ネットワーク サービスの種類と数が増えるほど、これらのサービスのタイムリーで信頼できる認識の実現が、生産性と効率性の向上に大きく貢献することになります。WAN 上でサービス可用性の認識を伝搬させる場合の最重要課題の 1 つがスケーラビリティです。ネットワークの成長に合わせて、ネットワーク上のデバイスから提供されるサービスも増加します。サービス アドバタイズメントに関与するプロトコルは、この増加した負荷を処理するためにスケールする必要があります。このようなプロトコルは、変化に迅速に対応し、新しい情報をタイムリーに生成する必要もあります。
Cisco SAF は、企業のサービス拠点向けのスケーラブルなソリューションとして設計されており、LAN および WAN のインターネット セグメントをカバーすることができます。企業向けソリューションの Cisco SAF は、ドメインを使用して大規模ネットワークにスケールするように設定できます。Cisco Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)では、ルートを階層的に検索可能なオートノマス システムの概念が定義されていますが、Cisco SAF でも、ドメインとサブドメインの同様の概念を採用しています。
Cisco SAF は、IP マルチキャストと呼ばれる動的なピア検出およびサービス アドバタイズメント伝搬技術を提供します。IP マルチキャストでは、IP Cisco SAF Forwarder(IP サブネット同士を接続してイントラネットを形成するデバイス)同士が協力する必要があります。ただし、IP マルチキャストがイントラネット全体に実装されない場合があります。IP マルチキャストが存在しない場合は、Cisco SAF が、設定されたサブネット内または IP マルチキャストがサポートされているサブネット グループ内で動作します。
Cisco SAF Forwarder が、ドメインとサブドメインの 2 つのプライマリ タイプ管理ドメイン(AD)を提供します。ドメインとサブドメインは、1 つの注目すべき例外を除いて、同様に機能します。サブドメインでは、一意のネイバー関係が構築されない代わりに、シングル ピアリングが使用されます。
ネットワーク上には、すべてのサービスをアドバタイズするためのドメインが 1 つだけ存在するのが理想的です。ただし、スケーリングやポリシーの問題を考えると、ネットワークによって複数ドメインが必要な場合があります。単一ドメインの使用をお勧めします。次のような場合は、複数ドメインの使用を検討してください。
• 30,000 を超えるサービスが 1 つのドメインに登録されている。
• サービスの伝搬を制限するためにサービスを論理的にグループ分けする必要がある。
アクセスが許可されていないユーザによるサービスの閲覧を防止するには、閉じたグループが必要です。
サービスの再分配によって、複数のドメイン間でサービス情報を交換することができます。サービスをネットワークの特定の領域に限定したり、特定のネットワーク上のサービス数を制限したりしなければならない場合があります。複数ドメインを使用する必要がある場合は、サービス アドバタイズメントの再分配が解決策になる可能性があります。
ネットワーク上の各ドメインは、1 つずつの管理ドメイン(AD) に分けられています。同じ AD 内のすべての Cisco SAF Forwarder(同じドメインを実行している)は、AS 全体の情報を把握しています。2 つ以上の管理ドメインを接続している
Cisco SAF Forwarder は、境界フォワーダと呼ばれています。境界フォワーダが、AS 間でサービス情報をアドバタイズします。複数の境界フォワーダを使用してループ(ある AD から入手された情報がその AD に戻される)を回避する場合は、設計を慎重に検討する必要があります。
Cisco EIGRP Service-Family Support は、独立して動作する複数のインスタンスの設定を可能にする名前付き設定を拡張したものです。基本の Cisco EIGRP パケット エンコードに Virtual Router ID(VRID; 仮想ルータ ID)が追加されたことによって、複数インスタンスが可能になります。
仮想ルータが作成されるたびに、VRID が、トップ レベル ルータに割り当てられ、その下に設定されたアドレス ファミリーとサービス ファミリーで共有されます。
Cisco SAF Forwarder は、Cisco SAF Forwarder プロトコルをサポートするルータが存在しないネットワーク上で動作できます。このようなネットワークは、「ダーク ネットワーク」と呼ばれています。Cisco SAF(IP クラウド)をサポートしていない IP ネットワーク上で Cisco SAF Forwarder を設定する方法が 2 つあります。1 つはユニキャスト Cisco SAF ネイバーで、もう 1 つはマルチキャスト Cisco SAF ネイバーです。
ユニキャスト設定を使用すれば、ネイバーとの信頼できるポイントツーポイント隣接関係を構築することができます。Cisco SAF Forwarder の数が増えた場合は、マルチキャストを使用して、複数の Cisco SAF ネイバー間の効率的な転送を実現することができます。1 つの IP マルチキャスト グループ アドレスを使用して、複数の Cisco SAF ネイバーが 1 つのピアグループ内で SAF 情報を交換することができます。
Cisco SAF Forwarder を設定するには、次のセクションに記載されたタスクを実行します。
• 「Cisco SAF の有効化」(必須)
• 「Cisco SAF のインターフェイス固有コマンドの設定」(必須)
• 「マルチトポロジ ネットワーク用の Cisco SAF の設定」(必須)
• 「Cisco SAF の静的ネイバー関係の設定」(必須)
• 「Cisco SAF のスタブ ルーティングの設定」(必須)
• 「Cisco SAF のルート認証の設定」(必須)
• 「ネイバー変更と警告のログの設定」(任意)
• 「Cisco SAF に使用されるリンク帯域幅の割合の設定」(任意)
• 「Cisco SAF インターフェイスのメトリック ダンプニング インターバルの設定」(任意)
• 「hello パケット間のインターバルとホールド タイムの調整」(任意)
• 「スプリット ホライズンの無効化」(任意)
• 「メトリック最大ホップ数の設定」(任意)
3. router eigrp virtual-instance-name
4. service-family {ipv4 | ipv6} [vrf vrf-name ] autonomous-system autonomous-system-number
Cisco SAF は、インターフェイス固有コマンドの継承優先を提供します。sf-interface コンフィギュレーション モードで実施された設定は、特定の sf-interface 設定や工場出荷時のデフォルト設定よりも優先されます。Cisco SAF のサービス ファミリーの下でインターフェイス固有コマンドを設定するには、次のコマンドを使用します。
3. router eigrp virtual-instance-name
4. service-family {ipv4 | ipv6} [vrf vrf-name ] autonomous-system autonomous-system-number
次の設定を使用して、クライアントを登録し、名前付きトポロジにサービスをパブリッシュまたはサブスクライブします。既存のトポロジ名を使用して 2 つ目のトポロジを別の ID に設定した場合は、同じトポロジの 2 つの ID が作成されるのではなく、既存のトポロジが置き換えられます。
3. router eigrp virtual-instance-name
4. service-family {ipv4 | ipv6} [vrf vrf-name ] autonomous-system autonomous-system-number
3. router eigrp virtual-instance-name
4. service-family {ipv4 | ipv6} [vrf vrf-name ] autonomous-system autonomous-system-number
5. neighbor { ip-address { interface-type interface-number | description word | maximum-service } maximum-service number [threshold-value] [ dampened | reset-time | restart interval | restart-count | warning-only ] }
Cisco SAF Forwarder をスタブ ルータとして設定できます。Cisco EIGRP スタブ ルーティングの詳細については、『 Cisco IOS IP Routing: EIGRP Configuration Guide 』の「 Configuring EIGRP 」モジュールを参照してください。
3. router eigrp virtual-instance-name
4. service-family {ipv4 | ipv6} [vrf vrf-name ] autonomous-system autonomous-system-number
Cisco SAF ルート認証では、ルーティング プロトコルからのルーティング更新の Message Digest 5(MD5; メッセージ ダイジェスト 5)認証が提供されます。各パケット内の MD5 鍵付きダイジェストによって、未承認ソースからの不正なまたは偽のルーティング メッセージの導入が阻止されます。Cisco SAF のルート認証を設定するには、次のコマンドを使用します。
3. router eigrp virtual-instance-name
4. service-family {ipv4 | ipv6} [vrf vrf-name ] autonomous-system autonomous-system-number
5. sf-interface interface-name interface-number
6. authentication key-chain name-of-chain
14. accept-lifetime start-time [ local { duration seconds | end-time | infinite }]
15. send-lifetime start-time [ local { duration seconds | end-time | infinite }]
デフォルトで、ルーティング システムの安定性を監視して問題を特定できるように、ネイバー隣接関係の変更がシステム ログに記録されます。無効にしたこのような変更のロギングを再度有効にする場合は、次のコマンドを使用します。
3. router eigrp virtual-instance-name
4. service-family {ipv4 | ipv6} [vrf vrf-name ] autonomous-system autonomous-system-number
デフォルトで、 bandwidth interface 設定コマンドで設定されたように、リンク帯域幅の最大 50% がパケットに消費されます。別のレベルのリンク使用が必要な場合、または、設定された帯域幅が実際のリンク帯域幅に適合しない(ルート メトリックの計算に影響を与えるように設定されている)場合は、この値を変更できます。次のコマンドを使用して、Cisco SAF に使用されるリンク帯域幅の割合を設定します。
3. router eigrp virtual-instance-name
4. service-family {ipv4 | ipv6} [vrf vrf-name ] autonomous-system autonomous-system-number
5. sf-interface interface-name interface-number
メトリック コンポーネントは頻繁に変更される可能性があるため、その変更頻度がネットワークに影響を与える可能性があります。頻繁に変更するためには、SAF インターフェイス経由で取得したプレフィックスを更新して、すべての隣接ルータに送信する必要があります。この更新がさらなる更新を産み、最悪の場合、ネットワーク規模のチャーンを引き起こす可能性があります。このような影響を回避するために、ダンプニングしきい値を下回っている変更は無視できるように、メトリックを下げるか、しきい値を設定することができます。
即時更新を引き起こすネットワーク変更には、新しい nexthop またはダウン インターフェイスかダウン ルータがルータ上で選択されるメトリックの変更が含まれます。
メトリック変更のダンプニングは変更またはタイム インターバルに基づいて設定できます。
• 変更ベースの場合は、特定のインターフェイス経由で取得されたルートの変更または特定のインターフェイス メトリックの変更が、最後にアドバタイズされた値から 計算された メトリックの変更が非常に重要で更新を送信しなけらばならなくなるまで、隣接ルータにアドバタイズされません。
• インターバル ベースの場合は、特定のインターフェイス経由で取得されたルートの変更または特定のインターフェイス メトリックの変更が、 指定された インターバルが経過するまで、または、その変更によって新しいルート パスが選択されなければ、隣接ルータにアドバタイズされません。タイマーが切れると、レポートに対する変更が未処理のルートが送信されます。ルートが変更され、そのルートの最終メトリックが最後に更新されたメトリックと一致する場合は、更新されたルータが送信されません。
3. router eigrp virtual-instance-name
4. service-family {ipv4 | ipv6} [vrf vrf-name ] autonomous-system autonomous-system-number
5. sf-interface interface-name interface-number
次のコマンドを使用して、Cisco SAF インターフェイスのインターバル ベースのダンプニングを設定します。設定した値によって、Cisco SAF インターフェイスとピアに影響を与えるトポロジ変更による更新が発生するインターバルが設定されます。
3. router eigrp virtual-instance-name
4. service-family {ipv4 | ipv6} [vrf vrf-name ] autonomous-system autonomous-system-number
5. sf-interface interface-name interface-number
ルーティング デバイスは定期的に hello パケットをやり取りすることによって、直接接続されたネットワーク上の他のルータを動的に調査します。この情報は、ネイバーの検出と、ネイバーが到達不能または動作不能になった時点の認識に使用されます。
デフォルトで、hello パケットは 5 秒間隔で送信されます。例外は、デフォルトの hello インターバルが 60 秒の低速 NonBroadcast MultiAccess(NBMA; 非ブロードキャスト マルチアクセス)メディアの場合です。低速とは、 bandwidth interface 設定コマンドで指定されているように、T1 以下のレートを指します。高速 NBMA ネットワークのデフォルトの hello インターバルは 5 秒です。フレーム リレーや Switched Multimegabit Data Service(SMDS; スイッチド マルチメガビット データ サービス)に使用されるネットワークは、NBMA と見なされる場合と見なされない場合があることに注意してください。このようなネットワークは、インターフェイスが物理マルチキャストを使用するように設定されていない場合は NBMA と見なされ、それ以外の場合は NBMA と見なされません。
ホールド タイムは、hello パケット内でアドバタイズされ、送信元が有効であると見なすべき時間をネイバーに指示します。デフォルトのホールド タイムは、hello インターバルの 3 倍、つまり、15 秒です。低速 NBMA ネットワークのデフォルトのホールド タイムは 180 秒です。混雑したネットワークや大規模なネットワーク上では、デフォルトのホールド タイムでは、すべてのルータがネイバーから hello パケットを受信するのに不十分な場合があります。この場合、ホールド タイムを増やすこともできます。ホールド タイムを調整する場合は、テクニカルサポート担当者に相談してください。オートノマス システム番号で指定された特別なルーティング プロセス用のインターフェイスに関するホールド タイムを変更するには、 hold time コマンドを使用します。
hello パケット間のインターバルとホールド タイムを調整できます。hello パケット間のインターバルとホールド タイムを変更するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
3. router eigrp virtual-instance-name
4. service-family {ipv4 | ipv6} [vrf vrf-name ] autonomous-system number
インターフェイス上でスプリット ホライズンが有効になっている場合は、ルート情報(更新パケットや照会パケットなど)の発信元であるインターフェイス以外のルータによるその情報のアドバタイズがブロックされます。この方法で更新パケットと照会パケットを制御することによって、ルーティング ループの可能性が軽減されます。
多くの場合、この動作によって、特にリンクが切断されているときに、複数のルーティング デバイス間の通信が最適化されます。ただし、非ブロードキャスト ネットワーク(フレーム リレーや SMDS など)を使用している場合は、この動作では不十分な状況が発生する可能性があります。その場合は、Cisco SAF を設定したネットワークを含めて、スプリット ホライズンを無効にすることができます。
デフォルトでは、すべてのインターフェイス上でスプリット ホライズンが有効になっています。スプリット ホライズンを無効にするには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで、 no split-horizon コマンドを使用します。
3. router eigrp virtual-instance-name
4. service-family {ipv4 | ipv6} [vrf vrf-name ] autonomous-system autonomous-system-number
最大ホップ数によって、サービスをアドバタイズする目的で伝搬可能なホップ数が制限されます。デフォルトの最大ホップ数は 100 です。
3. router eigrp virtual-instance-name
4. service-family {ipv4 | ipv6} [vrf vrf-name ] autonomous-system autonomous-system-number
5. sf-interface interface-name interface-number
ここでは、Cisco Service Advertisement Framework(Cisco SAF)Client を設定するためのタスクについて説明します。
Cisco SAF Client は、次のいずれかの方法で Cisco SAF ネットワークに接続します。
• 内部 API を使用して Cisco SAF Forwarder に接続する場合は、Cisco SAF Forwarder と同じルータ上に存在します。
• Cisco SAF Forwarder の外部に存在します。この設定では、SAF Client は Cisco SAF External Client と呼ばれ、Cisco SAF Forwarder に接続するためのプロトコル インターフェイスが必要になります。
• Cisco SAF Client を設定する前に、「Cisco SAF Client の概要」に記載された概念を理解しておく必要があります。
• 別々の LAN 上に配置された Cisco SAF External Client のネイバー関係を設定する前に、各 Cisco External Client 間の IP ルーティングが設定されていることを確認してください。
3. router eigrp virtual-instance-name
4. service-family {ipv4 | ipv6} [vrf vrf-name ] autonomous-system autonomous-system-number
6. external-client client_label
10. service-family external-client listen {ipv4 | ipv6} tcp_port_number
Cisco SAF 統計情報を表示するには、EXEC モードで次のコマンドを使用します。
Cisco SAF 設定からサービス ファミリー情報を削除するには、ユーザ EXEC モードで次のコマンドを使用します。
• 「IP-RIP を使用した Cisco SAF の設定:例」
• 「OSPF を使用した Cisco SAF の設定:例」
• 「EIGRP を使用した Cisco SAF の設定:例」
• 「別々の LAN 上に配置された Cisco SAF Forwarder の設定:例」
• 「集中型 Cisco SAF Forwarder の設定:例」
• 「Cisco Unified Communications Manager の Cisco SAF Client としての設定:例」
次の例では、ルータ コンフィギュレーション モードを開始して、Cisco SAF Forwarder を設定し、サービス ファミリー フォワーダ プロセスを有効にして、4533 という名前のオートノマス システムを設定します。
次の例では、ルータをサービス ファミリー コンフィギュレーション モードにして、すべてのインターフェイスを有効にします。
次の例では、ルータをサービス ファミリー コンフィギュレーション モードにして、イーサネット インターフェイス 0/0 を有効にします。
次の例では、ルータをサービス ファミリー コンフィギュレーション モードにして、イーサネット 0/0 インターフェイスを除くすべてのインターフェイス上の SAF を有効にします。
次の例では、ルータをサービス ファミリー コンフィギュレーション モードにして、イーサネット 2/0 インターフェイスとイーサネット 2/1 インターフェイス上の SAF を有効にし、他のすべてのインターフェイスを無効にします。
次の例では、Cisco SAF トポロジ ベースを設定します。
次の例では、Cisco SAF Forwarder をスタブ ルータとして設定します。
次の例では、ネットワーク 10.0.0.0 上で IP-RIP ルーティングを使用して Cisco SAF を有効にします。
次の例では、ネットワーク 10.0.0.0、領域 0 上で OSPF ルーティングを使用して Cisco SAF を有効にします。
次の例では、ネットワーク 10.0.0.0 上で EIGRP ルーティングを使用して Cisco SAF を有効にします。
(注) サービスが配信されるインターフェイスまたはネットワーク上でルーティングを実行する場合の要件は特にありませんが、到達可能性が保証されない領域にサービスが配信される可能性があります。
次の例では、別々の LAN 上に配置された 2 台の Cisco SAF Forwarder を設定します。
(注) ループバック モードを使用して、リモート ネイバーを設定します。
(注) 次の例では、2 台のルータ間に IP ルーティングが設定されており、ルータが両方のループバックを ping できるものとします。
次の例では、すべてのサービス アドバタイズメントを IP アドレスが 10.4.15.5 と 10.4.15.1 のネイバーに送信する集中型 Cisco SAF Forwarder を設定します。
次の例では、名前が example 、ユーザ名が username_example 、パスワードが password_example 、キープアライブ設定が 360000 秒の Cisco SAF External Client を設定します。
次の例では、名前が example1 ~ example5 、ユーザ名が username_example1 ~ username_example5 、パスワードが password_example1 ~ password_example5 、キープアライブ設定が 360000 秒の 5 台の Cisco SAF External Client を設定します。
デフォルトで、ルーティング システムの安定性を監視して問題を特定できるように、ネイバー隣接関係の変更がシステム ログに記録されます。無効にしていた変更のロギングを再度有効にする場合は、次の例に示すコマンドを使用します。
次の例では、Cisco Unified Communications Manager を Cisco SAF Client として設定します。
次のセクションで、Cisco Service Advertisement Framework 機能の関連資料を示します。
• 「関連資料」
• 「規格」
• 「MIB」
• 「RFC」
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選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリース、および機能セットの MIB を検索してダウンロードする場合は、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。 |
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表 1 に、このマニュアルに記載されている機能と、特定の設定情報へのリンクを示します。この表には、Cisco IOS リリース 15.0(1)M 以降のリリースで導入または変更された機能だけが記載されています。
ご使用の Cisco IOS ソフトウェア リリースによっては、コマンドの中に一部使用できないものがあります。特定のコマンドに関するリリース情報については、コマンド リファレンス マニュアルを参照してください。
プラットフォームのサポートおよびソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator を使用すれば、特定のソフトウェア リリース、機能セット、またはプラットフォームをサポートしている Cisco IOS ソフトウェア イメージと Catalyst OS ソフトウェア イメージを調べることができます。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
(注) 表 1 に、特定の Cisco IOS ソフトウェア リリース トレインの中で特定の機能のサポートが導入された Cisco IOS ソフトウェア リリースだけを示します。特に断りがなければ、その Cisco IOS ソフトウェア リリース トレイン以降のリリースでもこの機能がサポートされます。