この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
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この章では、Cisco ブロードバンド ワイヤレス ゲートウェイ(BWG)の概要について説明します。また、エンドツーエンド固定またはモバイル IP ネットワーク内での機能についても説明します。
Cisco BWG は WiMAX ネットワークでゲートウェイの役割を果たします。また、エンドツーエンド IP アーキテクチャの一部として設計されています。WiMAX は規格準拠のワイヤレス テクノロジで、長距離でも高い水準のスループット ブロードバンド接続を実現できます。WiMAX はさまざまなアプリケーションで使用できます。たとえば、「ラスト マイル」ブロードバンド接続、固定および携帯電話サービス、ホットスポットおよびセルラー バックホール、業務用高速エンタープライズ接続があげられます。
WiMAX は固定ワイヤレスについては IEEE 802.16d 規格、モバイル ワイヤレスについては 802.16e 規格にそれぞれ準拠しています。この規格によりチップセットの大量生産が可能となり、CPE コストの削減、ベンダー間の相互運用性、使用者の投資リスクの抑制を実現できるため、顧客にとっては魅力的です。
WiMAX ネットワークの構造的枠組みは、Access Service Network(ASN;アクセス サービス ネットワーク)と Core Service Network(CSN;コア サービス ネットワーク)で構成されています。固定/モバイル市場を対象とした新しい、または小規模な展開については、このリリースでは独立した ASN のみが可能です。リリース 1.0 以上では、スタンドアロンの ASN のみを対象としています。
図 1-1 に WiMAX ネットワーク参照モデルを示します。
アクセス サービス ネットワークは、WiMAX 加入者が無線アクセスできるようにするためのネットワーク機能の集合です。ASN では通常、ネットワークの検出および選択、MSS とコア サービス ネットワーク(CSN)の間の接続サービス、ラジオ リソース管理、マルチキャストおよびブロードキャスト制御、イントラ ASN モビリティ、ページング、位置管理などの機能を使用できます。
WiMAX アーキテクチャはモバイル加入者と固定加入者、ASN と CSN で構成されています。ASN とこれらの加入者の間のインターフェイスは、IEEE 802.16(固定加入者の場合「d」、モバイル加入者の場合「e」)に準拠しています。ASN はベース ステーション(1 つまたは複数のベース ステーション クラスタ)で構成されています。ASN は複数の Connectivity Service Network(CSN;接続サービス ネットワーク)で共有できます。
Network Access Provider(NAP;ネットワーク アクセス プロバイダー)は、WiMAX 無線アクセス インフラストラクチャを 1 件または複数の WiMAX Network Service Provider(NSP;ネットワーク サービス プロバイダー)に提供する事業者です。NAP は 1 つ以上の ASN を使用してこのインフラストラクチャを実装します。
接続サービス ネットワーク(CSN)は、IP 接続サービスを WiMAX 加入者に提供するためのネットワーク機能の集合です。CSN を構成するネットワーク要素として、ルータ、ホーム エージェント、AAA プロキシ/サーバ、ユーザ データベース、ポリシー サーバ、コンテンツ サービス ゲートウェイ、サービス セレクション ゲートウェイ、インターワーキング ゲートウェイ デバイスなどがあげられます。
完全 IP エンドツーエンド モバイル ネットワークの登場により、完全 IP ブロードバンド アクセス ゲートウェイが必要となっています。IP アクセス ゲートウェイは無線に依存せず、モビリティとセキュリティに対応します。また、無線ネットワークで IP サービスを使用できるようにします。つまり、BWG はベース ステーション(BS)と IP ネットワークの間で情報を共有するために使用されます。無線に依存しない制御はすべて BWG の一部であり、無線に依存する制御はすべて BS の一部です。
図 1-2 は WiMAX ネットワークの要素を示しています。
Cisco BWG は 802.16e ワイヤレス ドメインと IP ネットワークの間でアクセス ゲートウェイの機能をはたします。ユーザ側から見れば最初のホップ IP ルータであり、AAA サーバとのインタラクションのための NAS およびアカウンティング クライアント機能を使用できます。
BWG ではアクセス ネットワーク認証およびセキュリティ機能を使用できます。
BWG にはローカル モビリティ アンカー機能があり、ユーザはベース ステーション間で移動することができます。BWG は認証およびセキュリティ ID をキャッシュし、ベース ステーション間または BWG 間での高速ローミングに対応できるようにしています。
BWG は IP モビリティ スキームの重要な部分を占めています。ベース ステーション間のモビリディ機能や、外部エージェント機能を終了させることができます。BWG は無線ベアラを IP ネットワークにマッピングします。BWG は CSN およびポリシー サーバとあわせて動作することにより、ユーザにかわってポリシーを制御します。さらに、BWG はベース ステーションに配置される IP ホスト機能の IP ゲートウェイとして機能します。BWG では、エンドツーエンド QoS、モビリティ、セキュリティなどの、アクセス ネットワークのための IP 機能が統合されています。
Cisco IOS リリース 12.4(24)YG2 は、Cisco 6500 Catalyst Switch プラットフォームおよび 7600 シリーズ ルータの SAMI カードの Cisco BWG 機能用に最適化されています。
Cisco BWG リリース 2.0 以降は次のプラットフォームに対応しています。
• Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチ プラットフォーム(SAMI ブレードがインストール済み):設置と設定については次の URL を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/docs/switches/lan/catalyst6500/hardware/Chassis_Installation/Cat6500/6500_ins.html
http://www.cisco.com/en/US/docs/switches/lan/catalyst6500/hardware/Module_Installation/Mod_Install_Note/78_15767.html
http://www.cisco.com/en/US/products/hw/switches/ps708/prod_release_notes_list.html
• Cisco Catalyst 7600 シリーズ ルータ プラットフォーム(SAMI ブレードがインストール済み):設置と設定については次の URL を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/hw/routers/ps368/prod_installation_guides_list.html
– 7600 シリーズのスーパーバイザ モジュール(Sup720-3BXL、SUP IOS リリース 12.2(33))は IOS-SLB 機能に対応しています。また、機能拡張により BWG 選択機能を使用できるようになっています。
– BWG はまとめて配置されているブレード上で CSG2 および HA と共存できます。
Supervisor 720 はシングル モードでもリダンダント モードでも使用できます。Supervisor 720 は 3B と 3BXL の両方のバージョンが使用できますが、3BXL の方が推奨バージョンであり、テストも完了しています。
このリリースでは Supervisor 32 はサポートされていません。
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Sup720-3BXL、RSP720-3C-GE、RSP720-3CXL-GE SUP、IOS リリース 12.2(33) |
Cisco 7600 ハードウェア プラットフォームの BWG リリース 2.2 では、SUP ソフトウェア バージョン SRE が必要です。しかし、古い SUP ソフトウェア バージョン SRD では BWG リリース 2.2 で使用できる機能が限られます。
BWG 2.2 が SUP-SRD で動作するようにするには、次の非表示 CLI をグローバル コンフィギュレーション モードで設定する必要があります。
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SUP-SRD では、BWG リリース 2.2 は主に Cisco-R6、PMIP などの BWG1.x 機能のために使用されます。
(注) SUP-SRD イメージを使用する場合、次の BWG リリース 2.2 の機能は使用できません。