ポートチャネルは NX-OS の論理インターフェイスです。これは、複数の物理ポートのために帯域幅を集約するだけでなく、リンク障害時の冗長性を確保する目的でも使用されます。NX-OS におけるポートチャネル インターフェイスは、ノード内では一意となる、1
~ 4096 の範囲でユーザが指定した番号によって識別されます。ポートチャネル インターフェイスは、(interface port-channel コマンドを使用して) 明示的に設定するか、または (channel-group コマンドを使用して) 暗黙的に作成します。ポートチャネル インターフェイスの設定は、ポートチャネルのすべてのメンバー ポートに適用されます。特定の互換性パラメータ(速度など)は、メンバー ポートでは設定できません。
ACI モデルでは、ポートチャネルは論理エンティティとして設定され、1 つ以上のリーフ ノードでポート セットに割り当てることができるポリシーのコレクションを表す名前によって識別されます。このような割り当てによって各リーフ ノードにポートチャネル
インターフェイスが 1 個作成されます。これは、リーフ ノード内の 1 ~ 4096 の範囲で自動生成される番号によって識別されます。同じポートチャネル名を持つノード間では、番号を同じにすることも、分けることもできます。これらのポート チャネルのメンバーシップも同様に、同じにすることも分けることもできます。FEX
ポート上にポートチャネルが作成されるときは、同じポートチャネル名を使用して、リーフ ノードに接続されている各 FEX デバイスに対して 1 つのポートチャネル インターフェイスを作成することができます。したがって、N 個の FEX モジュールに接続されている各リーフ
ノードには最大で N+1 個の一意のポートチャネル インターフェイス(自動生成されるポートチャネル番号で識別される)を作成できます。これは以下の例で説明します。FEX ポートのポートチャネルは、fex-id とポートチャネル名を指定することによって識別されます(例:interface port-channel foo fex 101 )。
-
各リーフが N 個の FEX ノードに接続されているときは、ポートチャネル foo のリーフごとに N+1 個のインスタンスが可能です。
-
リーフ ポートおよび FEX ポートを同じポートチャネル インスタンスの一部にすることはできません。
-
各 FEX ノードはポートチャネル foo のインスタンスを 1 つだけ持つことができます。
例
ポート チャネル(グローバル コンフィギュレーション)を設定します。速度およびチャネル モードの 2 つの設定を含むポリシーのコレクションを表す論理エンティティ「foo」を作成します。必要に応じてより多くのプロパティを設定できます。
(注) |
channel mode コマンドは、NX-OS の channel group コマンドの mode オプションに相当します。ただし、ACI ではこれは(メンバー ポートではなく)ポートチャネルでサポートされます。
|
apic1(config)# template port-channel foo
apic1(config-po-ch-if)# switchport access vlan 4 tenant ExampleCorp application Web epg webEpg
apic1(config-po-ch-if)# speed 10G
apic1(config-po-ch-if)# channel-mode active
FEX のポートチャネルにポートを設定します。この例では、ポート チャネル foo はリーフ ノード 102 に接続されている FEX 101 のポート イーサネット 1/1-2 に割り当てられ、ポート チャネル foo のインスタンスを作成します。リーフ
ノードは番号(例えば 1002)を自動生成し、スイッチのポート チャネルを識別します。このポート チャネル番号は、作成されたポート チャネル foo のインスタンス数とは無関係で、リーフ ノード 102 に固有のものです。
(注) |
リーフ ノードに FEX モジュールを接続する設定は、FEX ポートを使用してポート チャネルを作成する前に実行する必要があります。
|
apic1(config)# leaf 102
apic1(config-leaf)# interface ethernet 101/1/1-2
apic1(config-leaf-if)# channel-group foo
リーフ 102 では、このポート チャネル インターフェイスを interface port-channel foo FEX 101 で呼ぶこともできます。
apic1(config)# leaf 102
apic1(config-leaf)# interface port-channel foo fex 101
apic1(config-leaf)# shut
複数のリーフ ノードでポート チャネルにポートを設定します。この例におけるポート チャネル foo は、101 ~ 103 の各リーフ ノード内にあるイーサネット 1/1-2 ポートに割り当てられます。リーフ ノードは各ノードで固有の番号(ノード間で同一または分けることができる)を自動生成し、ポートチャネル
インターフェイスとして機能します。
apic1(config)# leaf 101-103
apic1(config-leaf)# interface ethernet 1/1-2
apic1(config-leaf-if)# channel-group foo
ポート チャネルにメンバーを追加します。この例では、各リーフ ノードのポートチャネルに 2 つのメンバー eth1/3-4 を追加し、各ノードのポートチャネル foo がメンバー eth 1/1-4 を持つようにします。
apic1(config)# leaf 101-103
apic1(config-leaf)# interface ethernet 1/3-4
apic1(config-leaf-if)# channel-group foo
ポート チャネルからメンバーを削除します。この例は、各リーフ ノードでポート チャネル foo から 2 つのメンバー eth1/2、eth1/4 を削除し、各ノードのポート チャネル foo がメンバー eth 1/1、eth1/3 を持つようにします。
apic1(config)# leaf 101-103
apic1(config-leaf)# interface eth 1/2,1/4
apic1(config-leaf-if)# no channel-group foo
複数のリーフ ノードで異なるメンバーを持つポートチャネルを設定します。次に、同じポートチャネル foo ポリシーを使用して、リーフごとにメンバー ポートが異なる複数のリーフ ノードでポートチャネル インターフェイスを作成する例を示します。リーフ
ノードのポートチャネル番号は、同じポートチャネル foo に対して同一にすることも別々にすることもできます。ただし CLI では、設定は interface port-channel foo で参照されます。FEX ポートにポートチャネルが設定されている場合は、interface
port-channel foo fex <fex-id> で参照されます。
apic1(config)# leaf 101
apic1(config-leaf)# interface ethernet 1/1-2
apic1(config-leaf-if)# channel-group foo
apic1(config-leaf-if)# exit
apic1(config-leaf)# exit
apic1(config)# leaf 102
apic1(config-leaf)# interface ethernet 1/3-4
apic1(config-leaf-if)# channel-group foo
apic1(config-leaf-if)# exit
apic1(config-leaf)# exit
apic1(config)# leaf 103
apic1(config-leaf)# interface ethernet 1/5-8
apic1(config-leaf-if)# channel-group foo
apic1(config-leaf-if)# exit
apic1(config-leaf)# interface ethernet 101/1/1-2
apic1(config-leaf-if)# channel-group foo
LACP のポート単位のプロパティを設定します。次に、LACP のポート単位のプロパティについてポートチャネルのメンバー ポートを設定する例を示します。
(注) |
ACI モデルでは、これらのコマンドはポートがポート チャネルのメンバーになった後でのみ使用できます。ポートがポート チャネルから削除された場合、これらポート単位のプロパティ設定も削除されます。
|
apic1(config)# leaf 101
apic1(config-leaf)# interface ethernet 1/1-2
apic1(config-leaf-if)# channel-group foo
apic1(config-leaf-if)# lacp port-priority 1000
apic1(config-leaf-if)# lacp rate fast
ポート チャネルの管理状態を設定します。この例におけるポートチャネル foo は、channel-group コマンドを使用することで、101 ~ 103 の各リーフ ノードに対して設定されます。ポートチャネルの管理状態はポートチャネル インターフェイスを使用してリーフごとに設定できます。ACI
モデルでは、ポートチャネルの管理状態をグローバル スコープで設定することはできません。
// create port-channel foo in each leaf
apic1(config)# leaf 101-103
apic1(config-leaf)# interface ethernet 1/3-4
apic1(config-leaf-if)# channel-group foo
// configure admin state in specific leaf
apic1(config)# leaf 101
apic1(config-leaf)# interface port-channel foo
apic1(config-leaf-if)# shut
オーバーライド設定は、他のプロパティを共有しながら各リーフのポートチャネル インターフェイスに特定の VLAN ドメインを割り当てる場合などにとても便利です。
// configure a port channel global config
apic1(config)# interface port-channel foo
apic1(config-if)# speed 1G
apic1(config-if)# channel-mode active
// create port-channel foo in each leaf
apic1(config)# leaf 101-103
apic1(config-leaf)# interface ethernet 1/1-2
apic1(config-leaf-if)# channel-group foo
// override port-channel foo in leaf 102
apic1(config)# leaf 102
apic1(config-leaf)# interface port-channel foo
apic1(config-leaf-if)# speed 10G
apic1(config-leaf-if)# channel-mode on
apic1(config-leaf-if)# vlan-domain dom-foo
次の例では、channel-group コマンドを使用することで、ポートのポート チャネル割り当てを変更します。他のポート チャネルに割り当てる前にポート チャネルのメンバーシップを削除する必要はありません。
apic1(config)# leaf 101-103
apic1(config-leaf)# interface ethernet 1/3-4
apic1(config-leaf-if)# channel-group foo
apic1(config-leaf-if)# channel-group bar