コンフィギュレーションの置換の実行

この章は、次の項で構成されています。

コンフィギュレーションの置換とコミットタイムアウトについて

コンフィギュレーションの置換機能を使用すると、デバイスをリロードすることなく Cisco Nexus スイッチの実行コンフィギュレーションをユーザ指定のコンフィギュレーションに置換できます。コンフィギュレーション自体でリロードが必要な場合にのみ、デバイスのリロードが必要になることがあります。ユーザが提供する実行コンフィギュレーション ファイルは、実行ファイルのコピーを使用して取得する必要があります。copy file: to running と異なり、コンフィギュレーションの置換機能はマージ操作ではありません。この機能では、実行コンフィギュレーション全体が、ユーザによって提供される新しいコンフィギュレーションに置換されます。コンフィギュレーションの置換に障害がある場合は、元のコンフィギュレーションがスイッチで復元されます。Cisco NX-OS リリース 9.3(1) から、best-effort オプションが導入されました。このオプションを使用すると、コマンドでエラーが発生した場合でも、設定の置換によって完全なパッチが実行され、元の設定はスイッチに復元されません。

コミットタイムアウト機能を使用すると、コンフィギュレーションの置換操作の実行に成功した後に以前のコンフィギュレーションにロールバックすることができます。コミット タイマーの期限が切れると、ロールバック操作は自動的に開始されます。


(注)  


  • Cisco NX-OS デバイスで受信済みの有効な実行コンフィギュレーションを提供する必要があります。部分コンフィギュレーションにすることはできません。


概要

設定置換機能には、次の操作手順があります。

  • コンフィギュレーションの置換では、Cisco Nexus スイッチの現在の実行コンフィギュレーションとユーザ指定のコンフィギュレーションとの間の違いをインテリジェントに計算し、2 ファイルの差異のパッチ ファイルを生成します。コンフィギュレーション コマンドのセットが含まれているこのパッチ ファイルは表示できます。

  • コンフィギュレーションの置換では、実行中のコマンドと同様にパッチ ファイルのコンフィギュレーション コマンドが適用されます。

  • コンフィギュレーションは、次の状況下で以前の実行コンフィギュレーションにロールバックまたは復元されます。

    • パッチ ファイルが適用された後、コンフィギュレーションに不一致がある場合。

    • コミット タイムアウトを使用してコンフィギュレーション操作を実行し、コミット タイマーが期限切れになった場合。

  • ベストエフォート オプションが使用されている場合、設定は以前の実行コンフィギュレーションにロールバックされず、復元もされません。このオプションを使用すると、コマンドでエラーが発生した場合でも、設定の置換によって完全なパッチが実行され、以前の設定にロールバックされません。

  • show config-replace log exec コマンドを使用すると、エラーが発生したコンフィギュレーションそのものを表示できます。

  • スイッチを元のコンフィギュレーションに復元するときにエラーが発生しても復元操作は中断されません。復元操作は、残りのコンフィギュレーションを続行します。復元操作中にエラーが発生したコマンドを一覧表示するには、show config-replace log exec コマンドを使用します。

  • タイマーの期限が切れる前に configure replace commit コマンドを入力した場合、コミット タイマーは停止し、コンフィギュレーションの置換機能によって適用されているユーザ指定のコンフィギュレーションでスイッチが稼働します。

  • コミット タイマーの期限が切れると、以前のコンフィギュレーションへのロールバックは自動的に開始されます。

  • Cisco NX-OS リリース 9.3(1) では、セマンティック検証のサポートが設定の置換に追加されました。このセマンティック検証は、設定置換の事前チェックの一部として実行されます。パッチは、セマンティック検証が成功した場合にのみ適用されます。パッチファイルを適用すると、コンフィギュレーションの置換によって検証プロセスがトリガーされます。コンフィギュレーションの置換は、検証プロセスで、実行コンフィギュレーションとユーザー構成ファイルを比較します。不一致がある場合、デバイスは元のコンフィギュレーションに復元されます。

コンフィギュレーションの置換と実行コンフィギュレーションへのファイルのコピーとの違いは、次のとおりです。

コンフィギュレーションの置換

ファイルのコピー

configure replace <target-url> コマンドでは、現在の実行コンフィギュレーションにのみ含まれ、置換ファイルには存在しないコマンドは削除されます。また、現在の実行コンフィギュレーションに追加する必要があるコマンドも追加されます。

copy <source-url> running-config コマンドはマージ動作であり、ソース ファイルと現在の実行コンフィギュレーションの両方のコマンドがすべて保持されます。このコマンドでは、現在の実行コンフィギュレーションにのみ含まれ、ソース ファイルには存在しないコマンドが削除されることはありません。

configure replace <target-url> コマンドの交換ファイルには、完全な Cisco NX-OS コンフィギュレーション ファイルを使用する必要があります。

copy <source-url> running-config コマンドのコピー元ファイルとして、部分コンフィギュレーション ファイルを使用できます。

コンフィギュレーションの置換の利点

コンフィギュレーションの置換の利点は次のとおりです。

  • スイッチをリロードしたり、CLI で実行コンフィギュレーション ファイルに加えた変更を手動で元に戻したりすることなく、現在の実行コンフィギュレーション ファイルをユーザ指定のコンフィギュレーション ファイルと置換できます。その結果、システムのダウンタイムが減少します。

  • 保存済みの Cisco NX-OS コンフィギュレーションの状態に戻すことができます。

  • 追加や削除が必要なコマンドだけが影響を受ける場合、デバイスに完全なコンフィギュレーション ファイルを適用することができるため、コンフィギュレーションの変更が簡素化されます。その他のサービスおよび変更されていないコンフィギュレーションには影響しません。

  • コミットタイムアウト機能を設定すると、コンフィギュレーションの置換操作が成功したときでも以前のコンフィギュレーションにロールバックすることができます。

コンフィギュレーションの置換に関する注意事項と制限事項

コンフィギュレーションの置換機能には、コンフィギュレーションに関する次のガイドラインと制限事項があります。

  • 設定置換機能は、Cisco Nexus 3000 シリーズおよび Cisco Nexus 9000 シリーズ スイッチでサポートされています。

  • コンフィギュレーションの置換、チェックポイント、ロールバック操作、または実行コンフィギュレーションからスタートアップ コンフィギュレーションへのコピーを同時に実行できるのは、1 ユーザだけです。複数の Telnet、SSH または NX-API セッション経由の操作などのパラレル操作はサポートされていません。複数のコンフィギュレーションの置換またはロールバック要求はシリアル化され、たとえば、最初の要求の完了後にのみ、2 番目の要求の処理が開始されます。

  • コミット タイマーの実行中に別のコンフィギュレーションの置換操作を開始することはできません。configure replace commit コマンドを使用してタイマーを停止するか、またはコミット タイマーの期限が切れるまで待機してから別のコンフィギュレーションの置換操作を開始する必要があります。

  • system default switchport shutdown または no system default switchport shutdown configure replace bootflash:target_config_file コマンドとともに使用する場合、ユーザーは、すべてのスイッチポート インターフェイスの target_config_file に目的のポート ステート(shutdown または no shutdown)ステートメントが存在することを確認する必要があります。

  • Cisco NX-OS Release 9.3(6)以降では、service exclude-bootconfig の設定によってboot nxos イメージ 設定を、show running-config show startup-config copy running-config filename 、および copy startup-config filename コマンドで除外できます。

  • コミットタイムアウト機能は、コミットタイムアウトを使用してコンフィギュレーションの置換操作を実行する場合にのみ開始されます。タイマーの値の範囲は 30 ~ 3600 秒です。

  • ユーザ指定のコンフィギュレーション ファイルは、Cisco NX-OS デバイスから取得(copy run file)された有効な show running-configuration の出力である必要があります。このコンフィぎゅーレーションは部分コンフィギュレーションにすることはできず、user admin などの必須コマンドが含まれている必要があります。

  • ソフトウェア バージョン違いで生成されたコンフィギュレーション ファイルでコンフィギュレーションの置換操作を実行することは、操作が失敗する可能性があるため推奨されません。ソフトウェア バージョンの変更があるたびに新しいコンフィギュレーション ファイルを再生成する必要があります。

  • Multichassis EtherChannel トランク(MCT)設定を仮想ピアリンク設定と置き換えようとした場合、コンフィギュレーションの置換操作はサポートされません。物理 MCT はイーサネットを介した CFS 配信モードを使用し、仮想ピアリンクは IP を介した CFS 配信モードを使用するため、この操作は許可されません。

  • コンフィギュレーションの置換操作が進行中の場合、他のセッションからはコンフィギュレーションを変更しないことを推奨します。操作が失敗する可能性があります。

  • コンフィギュレーションの置換機能については、次の点に注意してください。

    • Cisco NX-OS リリース 9.3(5) 以降では、FEX インターフェイス コンフィギュレーションの設定置換(CR)がサポートされています。FEX のプロビジョニングは CR ではサポートされていません。プロビジョニングされた FEX インターフェイスの設定は、CR を使用して変更できます。

    • FEX ライン カードがオフラインの場合、コンフィギュレーションの置換機能は動作しません。

    • -R ライン カード搭載の Cisco Nexus 9500 プラットフォーム スイッチでは、コンフィギュレーションの置換機能はサポートされません。

    • Cisco NX-OS リリース 9.3 (5) 以降では、設定置換機能がポート プロファイルでサポートされています。

    • Cisco Nexus 92160YC-X および Cisco Nexus 93180LC-EX スイッチのハードウェア プロファイル ポートモード機能では、構成の置換機能はサポートされません。

    • コンフィギュレーションの置換機能は、configure terminal モード コマンドでのみサポートされます。configure profile、configure jobs、およびその他のモードはサポートされていません。

    • Cisco NX-OS リリース 9.3(5) 以降では、ジョブの設定モードがサポートされています。スケジューラ ジョブ コマンドを含むコンフィギュレーション ファイルは、コンフィギュレーションの置換に使用できます。

    • Cisco NX-OS リリース 9.3(4) 以降では、ブレークアウト インターフェイス コンフィギュレーションの設定置換機能がサポートされています。

    • 実行コンフィギュレーションに feature-set mpls または mpls static range コマンドが含まれていて、MPLS なしでコンフィギュレーションに移動しようとしたり、ラベルの範囲を変更する場合、コンフィギュレーションの置換機能が失敗することがあります。

    • コンフィギュレーションの置換機能は、自動設定をサポートしていません。

  • コンフィギュレーションの置換機能が適用されるライン カードがオフラインである場合、コンフィギュレーションの置換操作は失敗します。

  • 設定置換機能を使用してITDを変更する前に、ITD サービスをシャットダウンする必要があります(shutdown )。

  • ユーザ コンフィギュレーションからのメンテナンス モードへの移行はサポートされていません。

  • メンテナンス モードから configure replace コマンドを使用すると、次の警告でユーザの確認が求められます。

    Warning: System is in maintenance mode. Please ensure user config won't inadvertently revert back config in maintenance mode profile.
                Do you wish to proceed anyway? (y/n)  [n]
  • <non-interactive> オプションを使用してメンテナンス モードから configure replace コマンドを使用することはサポートされています。デフォルトでは、yes のユーザ確認を受けてから進行します。

  • コンフィギュレーションを適用するために Cisco NX-OS デバイスをリロードする必要がある場合、これらのコンフィギュレーションをリロードしてからコンフィギュレーションの置換操作を行う必要があります。

  • ユーザ指定のコンフィギュレーション ファイルでのコマンドの順序は、Cisco Nexus スイッチの実行コンフィギュレーションでのこれらのコマンドと同じにする必要があります。

  • CR を使用してスイッチの実行コンフィギュレーションを置き換える必要があるユーザ コンフィギュレーション ファイルは、新しいコマンドを設定した後、スイッチの実行コンフィギュレーションから生成する必要があります。ユーザ コンフィギュレーション ファイルは、CLI コマンドを使用して手動で編集しないでください。また、コンフィギュレーション コマンドのシーケンスを変更しないでください。

  • セマンティック検証は、4 ギガビット メモリ プラットフォームではサポートされていません。

  • 異なるバージョンの機能が実行コンフィギュレーションとユーザ コンフィギュレーションに存在する場合(VRRPv2 と VRRPv3 など)、セマンティック検証オプションが期待どおりに機能しません。この問題は既知の制限です。

コンフィギュレーションの置換の推奨ワークフロー

コンフィギュレーションの置換の推奨されるワークフローを次に示します。

  1. Cisco Nexus シリーズ デバイスで最初にコンフィギュレーションを適用してコンフィギュレーション ファイルを生成してから、コンフィギュレーション ファイルとして show running-configuration 出力を使用します。このファイルを使用して、必要に応じてコンフィギュレーションを変更します。次に、この生成または更新されたコンフィギュレーション ファイルを使用して、コンフィギュレーションの置換を実行します。


    (注)  


    ソフトウェア バージョンの変更があるたびにコンフィギュレーション ファイルを再生成する必要があります。異なるソフトウェア バージョンで生成されたコンフィギュレーション ファイルを使用してコンフィギュレーションの置換操作を実行することは推奨されません。
  2. configure replace <file> show-patch コマンドを実行してパッチ ファイルを表示し、確認します。この手順は任意です。

  3. 構成の置換ファイルを実行するか、commit-timeout <time> 機能をスキップします。要件に基づいて、次の手順のいずれかを実行できます。

    • コンフィギュレーションの置換で実行されるコマンドをコンソールに表示するには、configure replace <file> verbose を実行します。

    • configure replace [bootflash /scp /sftp ] <user-configuration-file > verbose commit-timeout <time> コマンドを実行して、コミット時間を構成します。

  4. configure replace commit コマンドを実行し、コミット タイマーを停止します。この手順は、コミットタイムアウト機能でコンフィギュレーションの置換操作を実行している場合に必要です。

  5. コンフィギュレーションのセマンティック検証を含むプレチェックをコンフィギュレーションの置換で実行します。エラーがある場合、コンフィギュレーションの置換操作は失敗します。失敗したコンフィギュレーションの詳細を表示するには、show config-replace log verify コマンドを使用します。パッチファイルを適用すると、コンフィギュレーションの置換によって検証プロセスがトリガーされます。コンフィギュレーションの置換は、検証プロセスで、実行コンフィギュレーションとユーザー構成ファイルを比較します。不一致がある場合、デバイスは元のコンフィギュレーションに復元されます。不一致のコンフィギュレーションを表示するには、show config-replace log verify コマンドを使用します。

  6. Cisco NX-OS リリース9.3(1) では、次のコンフィギュレーションの置換操作を実行できます。

    • セマンティック検証およびベストエフォート モードなしのコンフィギュレーションの置換。

    • セマンティック検証なし、ベストエフォート モードありのコンフィギュレーションの置換。

    • セマンティック検証あり、ベストエフォート モードなしのコンフィギュレーションの置換。

    • セマンティック検証およびベストエフォート モードありのコンフィギュレーションの置換。

コンフィギュレーションの置換の実行

コンフィギュレーションの置換を実行するには、次の操作を行います。

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure replace { < uri_local > | < uri_remote > } [ verbose | show-patch ]

コンフィギュレーションの置換を実行します。コンフィギュレーションの置換の進行中にセッションを通じてコンフィギュレーションを変更すると、コンフィギュレーションの置換操作は失敗します。1 つのコンフィギュレーション要求がすでに進行中であるときにコンフィギュレーションの置換要求を送信すると、要求はシリアル化されます。

ステップ 2

configure replace [ bootflash / scp / sftp ] < user-configuration-file > show-patch

実行コンフィギュレーションとユーザ指定のコンフィギュレーションの違いを表示します。

ステップ 3

configure replace [ bootflash / scp / sftp ] < user-configuration-file > verbose

スイッチのコンフィギュレーションを、ユーザが提供する新しいユーザ コンフィギュレーションに置換します。コンフィギュレーションの置換は常にアトミックです。

ステップ 4

configure replace <user-configuration-file> [best-effort]

スイッチの設定を新しいユーザ設定に置き換え、セマンティック検証による設定の置き換えを有効にします。

best-effort オプションを使用すると、コマンドでエラーが発生した場合でも設定の置換によって完全なパッチが実行され、以前の設定がロールバックされないようになります。

Cisco NX-OS リリース 10.5(1)F 以降、コンフィギュレーション置換機能は、Cisco Nexus 9300-FX2/FX3/GX シリーズ スイッチのバッチ ACL コンフィギュレーションをサポートします。 ベストエフォート モードが有効になっている場合、バッチ構成内で障害が発生すると、その特定のバッチ内の構成セット全体がスキップされます。

ステップ 5

configure replace <user-configuration-file> [verify-and-commit]

スイッチの設定を新しいユーザ設定に置き換え、セマンティック検証による設定の置き換えを有効にします。

verify-and-commit オプションは、セマンティック検証を有効にするために使用されます。パッチは、完全なパッチのセマンティック検証に合格した場合にのみ実行されます。

ベストエフォート オプション、verify-and-commit オプション、または両方のオプションを同時に使用できます。

ステップ 6

configure replace <user-configuration-file> [verify-only]

パッチのみを表示し、パッチでセマンティック検証を実行し、結果を表示します。パッチはシステムに適用されません。

ステップ 7

(任意) configure replace [ bootflash / scp / sftp ] < user-configuration-file > verbose commit-timeout <time>

(任意)

コミット時間を秒単位で設定します。タイマーは、コンフィギュレーションの置換操作が正常に完了した後に開始されます。

ステップ 8

(任意) configure replace [ commit ]

(任意)
コミット タイマーを停止し、コンフィギュレーションの置換設定を続行します。

(注)  

 
この手順は、コミットタイムアウト機能を設定している場合にのみ適用されます。

(注)  

 
以前のコンフィギュレーションにロールバックするには、コミット タイマーの期限が切れるまで待機する必要があります。タイマーの期限が切れると、スイッチは自動的に以前のコンフィギュレーションにロールバックされます。

ステップ 9

(任意) configure replace [ bootflash/scp/sftp] <user-configuration-file> non-interactive

(任意)

メンテナンス モードでは、ユーザ プロンプトはありません。デフォルトでは、yes のユーザ確認を受けてからロールバックが進行します。非インタラクティブ オプションは、メンテナンス モードでのみ使用できます。

ステップ 10

(任意) configure replace <user-configuration-file> [ on-failure reload [ save-startup-config ] ]

(任意)

このオプションは、設定の置換操作が失敗し、以前の実行コンフィギュレーションへの復元も失敗した場合に、以前に保存したスタートアップ コンフィギュレーションにスイッチをリロードします。

このオプションは、次の場合には影響しません。

  • 設定の置換が正常に行われました

  • 設定の置換が失敗するが、以前の実行コンフィギュレーションへの復元は成功する

(注)  

 

[ save-startup-config ] :このオプションは、設定の置換操作を開始する前に、実行コンフィギュレーションをスタートアップに保存します。

コンフィギュレーションの置換の確認

コンフィギュレーションの置換とそのステータスをチェックして確認するには、表に記載されているコマンドを使用します。

表 1. コンフィギュレーションの置換の確認

コマンド

目的

configure replace [bootflash /scp /sftp ]<user-configuration-file ] show-patch

実行コンフィギュレーションとユーザ指定のコンフィギュレーションの違いを表示します。

show config-replace log exec

実行したすべてのコンフィギュレーションと失敗したコンフィギュレーションのログを表示します。エラーの場合、そのコンフィギュレーションに対してエラー メッセージが表示されます。

show config-replace log verify

失敗したコンフィギュレーションをエラー メッセージとともに表示します。成功したコンフィギュレーションは表示されません。

show config-replace status

コンフィギュレーションの置換操作のステータス(進行中、成功、失敗など)を表示します。コミットタイムアウト機能を設定している場合、コミットとタイマーのステータスに加え、コミット タイムアウトの残り時間も表示されます。

コンフィギュレーションの置換の例

以下のコンフィギュレーションの置換の設定例を参照してください。

  • configure replace bootflash: <file> show-patch CLI コマンドを使用して、実行コンフィギュレーションとユーザ指定のコンフィギュレーションの違いを表示します。

    switch(config)# configure replace bootflash:<file> show-patch 
    Collecting Running-Config
    Converting to checkpoint file
    #Generating Rollback Patch
    !!                                                                 
    no role name abc
  • configure replace bootflash: <file> verbose CLI コマンドを使用して、スイッチの実行コンフィギュレーション全体をユーザコンフィギュレーションに置換します。

    switch(config)# configure replace bootflash:<file> verbose 
    Collecting Running-Config
    Generating Rollback patch for switch profile
    Rollback Patch is Empty
    Note: Applying config parallelly may fail Rollback verification
    Collecting Running-Config
    #Generating Rollback Patch
    Executing Rollback Patch
    ========================================================
    config t
    no role name abc
    ========================================================
    Generating Running-config for verification
    Generating Patch for verification
    
    Rollback completed successfully.
    
    Sample Example with adding of BGP configurations.
    	switch(config)# sh run | section bgp
    	switch(config)# sh file bootflash:file | section bgp
    feature bgp
    router bgp 1
      		address-family ipv4 unicast
      		neighbor 1.1.1.1
    switch(config)#
    switch(config)# configure replace bootflash:file verbose
    Collecting Running-Config
    Generating Rollback patch for switch profile
    Rollback Patch is Empty
    Note: Applying config parallelly may fail Rollback verification
    Collecting Running-Config
    #Generating Rollback Patch
    Executing Rollback Patch
    ========================================================
    config t
    feature bgp
    router bgp 1
    address-family ipv4 unicast
    neighbor 1.1.1.1
    ========================================================
    Generating Running-config for verification
    Generating Patch for verification
    
    Rollback completed successfully.
    
    switch(config)# sh run | section bgp
    feature bgp
    router bgp 1
      address-family ipv4 unicast
      neighbor 1.1.1.1
    
    Sample Example with ACL
    	switch(config)# configure replace bootflash:run_1.txt
    	Collecting Running-Config
    	Generating Rollback patch for switch profile
    	Rollback Patch is Empty
    	Note: Applying config parallelly may fail Rollback verification
    	Collecting Running-Config
    	#Generating Rollback Patch
    	Executing Rollback Patch
    	========================================================
    	config t
    	no ip access-list nexus-50-new-xyz
    	ip access-list nexus-50-new-xyz-jkl-abc
    	10 remark Newark
    	20 permit ip 17.31.5.0/28 any
    	30 permit ip 17.34.146.193/32 any
    	40 permit ip 17.128.199.0/27 any
    	50 permit ip 17.150.128.0/22 any
    	========================================================
    	Generating Running-config for verification
    	Generating Patch for verification
    
    	Rollback completed successfully.
    
    	switch(config)#
    
    
    	switch(config)# show run aclmgr | sec nexus-50-new-xyz-jkl-abc
    	ip access-list nexus-50-new-xyz-jkl-abc
      	10 remark Newark
     	 20 permit ip 17.31.5.0/28 any
      	30 permit ip 17.34.146.193/32 any
      	40 permit ip 17.128.199.0/27 any
      	50 permit ip 17.150.128.0/22 any
  • configure replace bootflash:user-config.cfg verify-only CLI コマンドを使用して、パッチを意味的に生成および確認します。

    switch(config)# configure replace bootflash:user-config.cfg verify-only         
    
    Version match between user file and running configuration.
    Pre-check for User config PASSED                          
    Collecting Running-Config                                 
    Converting to checkpoint file                             
    Generating Rollback Patch                                 
    Validating Patch                                          
    ========================================================  
    `config t `                                               
    `interface Ethernet1/1`                                   
    `shutdown`                                                
    `no switchport trunk allowed vlan`                        
    `no switchport mode`                                      
    `no switchport`                                           
    `exit`                                                    
    Skip non dme command for CR validation                    
    `interface Vlan1`                                         
    `shutdown`                                                
    `interface Ethernet1/1`                                   
    `shutdown`                                                
    `no switchport`                                           
    `ip address 1.1.1.1/24`                                   
    `exit`                                                    
    Skip non dme command for CR validation                    
    =============================================
    Patch validation completed successful                     
    switch(config)#      
  • パッチでセマティック検証を実行した後、configure replace bootflash:user-config.cfg best-effort verify-and-commit CLI コマンドを使用して、スイッチの実行コンフィギュレーションを特定のユーザ コンフィギュレーションに置き換えます。

    switch(config)# configure replace bootflash:user-config.cfg best-effort verify-and-commit 
            
     Version match between user file and running configuration.
    Pre-check for User config PASSED                          
    ADVISORY: Config Replace operation started...             
    Modifying running configuration from another VSH terminal in parallel
    is not recommended, as this may lead to Config Replace failure.      
    
    Collecting Running-Config
    Generating Rollback patch for switch profile
    Rollback Patch is Empty                     
    Collecting Running-Config                   
    Generating Rollback Patch                   
    
    Validating Patch
    Patch validation completed successful
    Executing Rollback Patch             
    During CR operation,will retain L3 configuration
    when vrf member change on interface             
    Generating Running-config for verification      
    Generating Rollback Patch                       
    
    Configure replace completed successfully. Please run 'show config-replace log exec' to see if there is any configuration that requires reload to take effect.
    
    switch(config)#
    
  • show config-replace log exec CLI コマンドを使用して、実行したコンフィギュレーションと、存在する場合はエラーをすべて確認します。

    switch(config)# show config-replace log exec 
    Operation            : Rollback to Checkpoint File
    Checkpoint file name : .replace_tmp_28081
    Scheme               : tmp
    Rollback done By     : admin
    Rollback mode        : atomic
    Verbose              : enabled
    Start Time           : Wed, 06:39:34 25 Jan 2017
    --------------------------------------------------------------------------------
    
    time: Wed, 06:39:47 25 Jan 2017
    Status: SUCCESS
    End Time             : Wed, 06:39:47 25 Jan 2017
    Rollback Status      : Success
    
    Executing Patch:
    ----------------
    switch#config t
    switch#no role name abc
    
  • show config-replace log verify CLI コマンドを使用して、存在する場合は失敗したコンフィギュレーションを確認します。

    switch(config)# show config-replace log verify 
    Operation            : Rollback to Checkpoint File
    Checkpoint file name : .replace_tmp_28081
    Scheme               : tmp
    Rollback done By     : admin
    Rollback mode        : atomic
    Verbose              : enabled
    Start Time           : Wed, 06:39:34 25 Jan 2017
    End Time             : Wed, 06:39:47 25 Jan 2017
    Status               : Success
    
    Verification patch contains the following commands:
    ---------------------------------------------------
    !!                                                                  
    ! No changes
    --------------------------------------------------------------------------------
    
    time: Wed, 06:39:47 25 Jan 2017
    Status: SUCCESS
    
  • show config-replace status CLI コマンドを使用して、コンフィギュレーションの置換のステータスを確認します。

    switch(config)# show config-replace status 
    Last operation : Rollback to file
    Details:
      Rollback type: atomic replace_tmp_28081
      Start Time: Wed Jan 25 06:39:28 2017
      End Time: Wed Jan 25 06:39:47 2017
      Operation Status: Success
    switch(config)#
    

スイッチから生成された設定の代わりに手動で作成された設定を使用すると、[置換の設定(Configure Replace)] が失敗することがあります。失敗の原因として考えられるのは、show running configuration に示されていないデフォルト設定の潜在的な違いです。次の例を参照してください。

power redundancy コマンドがデフォルトのコマンドである場合、デフォルトの設定では表示されません。ただし、show run all コマンドを使用すると表示されます。次の例を参照してください。

switch# show run all

!Command: show running-config all
!Running configuration last done at: Tue Nov 12 11:07:44 2019
!Time: Tue Nov 12 11:16:09 2019

version 9.3(1) Bios:version 05.39
power redundancy-mode ps-redundant
no hardware module boot-order reverse
no license grace-period
<snip>
hostname n9k13

電源冗長コマンドは、show running configuration コマンド出力には表示されません。次の例を参照してください。

!Command: show running-config
!Running configuration last done at: Tue Nov 12 11:07:44 2019
!Time: Tue Nov 12 11:17:24 2019

version 9.3(1) Bios:version 05.39
hostname n9k13

設定置換のユーザ コンフィギュレーションに power redundancy-mode ps-redundant コマンドが追加された場合。検証/コミットが失敗する可能性があります。次の例を参照してください。

switch# show file bootflash:test

!Command: show running-config
!Running configuration last done at: Tue Nov 12 10:56:49 2019
!Time: Tue Nov 12 11:04:57 2019

version 9.3(1) Bios:version 05.39
power redundancy-mode ps-redundant
hostname n9k13

power redundancy-mode ps-redundant コマンドは、設定置換の後の show running には表示されません。したがって、「欠落」と見なされ、CR は失敗します。次に例を示します。

switch# config replace bootflash:test verify-and-commit

Version match between user file and running configuration.
Pre-check for User config PASSED
ADVISORY: Config Replace operation started...
Modifying running configuration from another VSH terminal in parallel
is not recommended, as this may lead to Config Replace failure.

Collecting Running-Config
Generating Rollback patch for switch profile
Rollback Patch is Empty
Collecting Running-Config
.Generating Rollback Patch

Validating Patch
Patch validation completed successful
Executing Rollback Patch
During CR operation,will retain L3 configuration
when vrf member change on interface
Generating Running-config for verification
Generating Rollback Patch
Executing Rollback Patch
During CR operation,will retain L3 configuration
when vrf member change on interface
Generating Running-config for verification
Generating Patch for verification
Verification failed, Rolling back to previous configuration
Collecting Running-Config
Cleaning up switch-profile buffer
Generating Rollback patch for switch profile
Executing Rollback patch for switch profiles. WARNING - This will change the 
configuration of switch profiles and will also affect any peers if configured
Collecting Running-Config
Generating Rollback Patch
Rollback Patch is Empty
Rolling back to previous configuration is successful

Configure replace failed. Use 'show config-replace log verify' or 'show config-replace 
log exec' to see reasons for failure

n9k13# show config-replace log verify
Operation : Config-replace to user config
Checkpoint file name : .replace_tmp_31849
Scheme : tmp
Cfg-replace done By : agargula
Cfg-replace mode : atomic
Verbose : disabled
Start Time : Tue, 11:20:59 12 Nov 2019
Start Time UTC : Tue, 10:20:59 12 Nov 2019
-------------------------------------------
End Time : Tue, 11:21:28 12 Nov 2019
End Time UTC : Tue, 10:21:28 12 Nov 2019
Status : Failed

Verification patch contains the following commands:
---------------------------------------------------
!!
Configuration To Be Added Missing in Running-config
===================================================
!
power redundancy-mode ps-redundant

Undo Log
--------------------------------------------------------------------------------
End Time : Tue, 11:21:32 12 Nov 2019
End Time UTC : Tue, 10:21:32 12 Nov 2019
Status : Success
n9k13#

上記の例では、CR は欠落しているデフォルトのコマンドを考慮します。