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このマニュアルでは、Cisco IOS XE リリース 3.9 の Cisco Cloud Services Router(CSR)1000V シリーズでの AppNav-XE コンポーネントの概要と、各機能を容易に設定するためのクイック スタート プロセスについて説明します。また、コマンドライン インターフェイス(CLI)のコマンドの詳細、例、およびトラブルシューティングのヒントについてもあわせて説明します。
• 「Cisco Cloud Services Router 1000V シリーズの AppNav-XE ソリューションの概要」
• 「Cisco ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータの AppNav-XE ソリューションの概要」
• 「AppNav サービス ノード自動検出機能について(Cisco CSR 1000V シリーズのみ)」
Cisco Cloud Services Router 1000V シリーズ用の AppNav-XE ソリューションには、次の項目が含まれます。
• AppNav コントローラ:ルータからサービスにトラフィックをインテリジェントに配信するコンポーネント。
• AppNav サービス ノード自動検出機能:自動的にサービス ノードを検出し、AppNav クラスタに追加する機能。「AppNav サービス ノード自動検出機能について(Cisco CSR 1000V シリーズのみ)」を参照してください。
(注) WAAS サービス ノードは Cisco CSR の外部にあり、その詳細はこのマニュアルでは取り扱いません。
• WAAS Central Manager(WCM):AppNav-XE コンポーネントのモニタリングおよび設定に使用されます。
(注) WCM はまた、WAAS サービス ノードの設定およびモニタリングにも使用できます。ただし、これらの詳細についてはこのマニュアルの対象外です。
Cisco ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータ(Cisco ASR 1000 シリーズと呼ばれます)の AppNav-XE ソリューションには、次の項目が含まれます。
• AppNav コントローラ:ルータからサービスにトラフィックをインテリジェントに配信するコンポーネント。
(注) WAAS サービス ノードは Cisco ASR 1000 シリーズの外部にあり、その詳細はこのマニュアルでは取り扱いません。
• WAAS Central Manager(WCM):AppNav-XE コンポーネントのモニタリングおよび設定に使用されます。
(注) WCM はまた、WAAS サービス ノードの設定およびモニタリングにも使用できます。ただし、これらの詳細についてはこのマニュアルの対象外です。
AppNav-XE コンポーネントは AppNav コントローラと呼ばれるディストリビューション ユニットと、サービス ノードで構成されます。AppNav コントローラはフローを配信し、サービス ノードはフローを処理します。また、AppNav コントローラは最大 4 つまでグループ化が可能で、AppNav コントローラ グループを形成して非対称フローとハイ アベイラビリティをサポートできます。AppNav コントローラ グループ内のすべてのルータが同じプラットフォームにあり、さらにメモリ容量が同じである必要があることに注意してください。
AppNav-XE コンポーネントを使用する利点は、次のとおりです。
• 各サービス ノードの負荷に基づいて、インテリジェントに新しいフローをリダイレクトできます。これには、個々の L7 アプリケーション アクセラレータの負荷が含まれます。
• 最適化を必要としないフローの場合、サービス ノードは AppNav コントローラに対し、パケットを直接パススルーするよう通知し、これにより、遅延やリソース使用量を最小化します。
• サービス ノードを追加または除去する際のトラフィックへの影響が最小限になります。
• AppNav-XE コンポーネントは、トラフィックがサービス ノードから戻るときに VRF 情報が維持されるように VRF をサポートします。
• MAPI(Exchange)や VDI(Citrix)などの特殊アプリケーションの場合に、AppNav-XE コンポーネントにより、同じクライアントから同じサーバおよび同じポートへ向かうフローは、必ず同じサービス ノードにリダイレクトされることが保証されます。
• AppNav コントローラ グループを使用して、非対称フローを最適化できます。非対称フローとは、1 方向のトラフィックが AppNav コントローラを通過して、リターン トラフィックが別の AppNav コントローラを通過することです。ただし、両方の AppNav コントローラはトラフィックを同じサービス ノードにリダイレクトします。
• ルータ間ハイ アベイラビリティにより、1 台のルータがダウンした場合にトラフィックが AppNav コントローラ グループ内の異なるルータに再ルーティングされるため、トラフィック フローの中断が発生しません。
• デュアル RP とデュアル FP を持つ Cisco ASR 1000 シリーズ プラットフォームの AppNav コントローラのルータ内ハイ アベイラビリティ。これは、フローの中断を回避するために、アクティブ RP に障害が発生した場合にスタンバイ RP が引き継ぎ、アクティブ FP に障害が発生した場合にスタンバイ FP が引き継ぐことを意味します。
ルータ内ハイ アベイラビリティ機能は Cisco ASR 1000 シリーズのプラットフォームでのみ使用可能です。
AppNav-XE コンポーネントは、ルータの次の機能と相互運用できます。
• NAT(ビデオ アプリケーション アクセラレータがディセーブルで、AppNav-XE コンポーネントおよび NAT の両方で処理される非対称ルーティングおよびルータ間ハイ アベイラビリティはサポートされていないことに注意してください)。
• AVC 2.0(FNF、NBAR)(AVC 2.0 が非対称ルーティングとルータ間ハイ アベイラビリティをサポートしていないことに注意してください)。
• MPLS(サポートされているトポロジは WAN 側の MPLS ネットワークと LAN 側の IP ネットワークです)。
• WCCP-AppNav-XE 共存(WCCP および AppNav-XE は、異なるフローで動作する場合にのみ同じインターフェイスに設定できます。これには ACL を使用します。WCCP および AppNav XE は、WAN に AppNav-XE、LAN に WCCP など、異なるインターフェイスに設定できます)。
• BPBR/PFR(Cisco IOS リリース 3.10.1 以降でサポートされます)。
AppNav-XE コンポーネントには、ユーザが圧縮または圧縮解除したトラフィック固有の機能を設定できる仮想インターフェイスの概念が導入されています。たとえば、サービス ノードにリダイレクトされるトラフィックやサービス ノードから戻ってくるトラフィックをモニタするために、AppNav-UnCompress および AppNav-Compress 仮想インターフェイスの FNF 機能を設定できます。他のインターフェイスと同様に、これらの AppNav-XE 仮想インターフェイスがユーザに対して表示されることに注意してください。ただし、上記のリストのうち、AppNav-XE 仮想インターフェイスで動作する機能は FNF、ACL、および QoS(キューイングを除く)だけです。
AppNav-XE のコンポーネントの設定に関して、次の点に注意してください。
• AppNav コントローラを実行しているルータの WAN インターフェイスを識別する必要があります。AppNav コントローラは、WAN インターフェイスの入力および出力の両方のパケットを代行受信します。ロード バランシングを行うすべての WAN インターフェイスなどの WAN インターフェイスでのみ、AppNav コントローラを設定してください。
• AppNav コントローラからサービス ノードへのアクセスに VRF を使用しないでください。AppNav コントローラでは、サービス ノードと AppNav コントローラ IP アドレスのいずれも VRF を持つことはできません。
• AppNav コントローラとサービス ノード間のポート チャネルを使用して、AppNav コントローラとサービス ノード間の帯域幅を増やすことができます。
• AppNav-XE の設定では、config replace コマンドは使用できません。
• 複数の AppNav コントローラの AppNav コントローラ グループを使用する場合、すべての AppNav コントローラの AppNav-XE の設定は同じである必要があります。これは、AppNav コントローラの AppNav ポリシー マップとクラス マップの名前が一致する必要があることを意味します。また、AppNav-XE コンポーネントによって認識されるトラフィックの VRF 名は、すべての AppNav コントローラで同じである必要があります。
• AppNav-XE が WCM によって管理されている場合、コマンド ライン インターフェイス(CLI)を使用してサービス コンテキスト設定の認証キーを変更することはできません。
AppNav-XE コンポーネントの設定に関する追加情報および警告については、「詳細設定」を参照してください。
AppNav サービス ノード自動検出機能は、小規模なブランチが対象です。この機能により、システムは自動的に AppNav-XE ルータの同じ L2 接続内のサービス ノードを検出し、サービス ノード クラスタに追加します。
AppNav サービス ノード自動検出機能は、サービス ノードの 1 つのインターフェイス上だけでイネーブルにできます。
AppNav サービス ノード自動検出機能をイネーブルにするには、次の手順を実行します。
ステップ 1 ルータの AppNav-XE コンポーネントで検出要求を開始するには、次の手順を実行します。
a. 自動検出をイネーブルにするサービス ノード グループを決定します。
ステップ 2 サービス ノードのサービス応答を、次の方法で開始します。
a. WAAS アプライアンスで、ノード検出をイネーブルにするインターフェイスを決定します。このインターフェイスは AppNav コントローラと同じサブネット上にある必要があります。
b. 次のコマンドを発行して、ノード検出をイネーブルにします。
AppNav 機能はプレミアム パッケージで利用可能ですが、Cisco IOS-XE リリース 3.9 には適用されません。
AppNav 機能は Advanced IP Services(AIS)および Adventerprise(AES)パッケージで利用可能ですが、Cisco IOS-XE リリース 3.9 には適用されません。