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この章では、システムの設置および初期起動中に発生する可能性がある問題の原因を特定できるように、一般的なトラブルシューティングについて説明します。
初期起動時に過熱状態になることはほとんどありませんが、内部電圧を監視する環境監視機能についても取り上げます。
ここでは、トラブルシューティングについて次の内容を説明します。
ここでは、ルータのトラブルシューティング方法について説明します。トラブルシューティング方法は、ルータの主要サブシステムごとにまとめられています。
問題を解決できない場合は、シスコ カスタマー サービス担当者に連絡してください。連絡の際には、次の情報を用意してください。
• ルータの受領日およびシャーシのシリアル番号(シャーシ背面のラベルに記載されています)
– 可能な場合は、 show hardware コマンドを使用して、取り付けたラインカードを確認してください。
– 可能な場合は、 show version コマンドを使用して、この番号を確認してください。
• 現象、および問題を特定して解決するために行った手順の簡単な説明
システムの問題を解決するために、特定のサブシステムに問題を切り分けます。現在のルータの動作を予想されるルータの動作と比較します。起動時の問題は、通常 1 つのコンポーネントが原因になっているので、ルータの各コンポーネントのトラブルシューティングを行うより、サブシステムごとに調べる方が効率的です。
ここではトラブルシューティングを行うために、次のサブシステムでルータを構成します。
• 電源サブシステム:ルータ シャーシは、Cisco ASR 9010 ルータのシャーシに取り付ける AC 入力または DC 入力電源モジュール最大 6 個、またはASR 9006 ルータのシャーシに取り付ける AC 入力または DC 入力電源モジュール最大 3 個を装備しています。
• シャーシ バックプレーンの配電:-54 VDC の電力が電源モジュールからバックプレーンに送られ、バックプレーン コネクタによってすべてのカードに配電されます。ファン トレイは、シャーシ バックプレーンから I2C ワイヤ ハーネスを経由して電力を供給され、シャーシ バックプレーンにデータを返します。
• プロセッサ サブシステム:アクティブな Route Switch Processor(RSP; ルート スイッチ プロセッサ)カード(およびオプションで冗長 RSP カード)およびラインカード最大 8 枚(Cisco ASR 9010 ルータ)または 4 枚(ASR 9006 ルータ)で構成されます。RSP およびラインカードはオンボード プロセッサを搭載しています。RSP は、各ラインカード プロセッサに Cisco ソフトウェア イメージをダウンロードします。システムは、アクティブな RSP の英数字ディスプレイを使用して、トラブルシューティングに役立つステータス メッセージおよびエラー メッセージを表示します。
• 冷却サブシステム:カード ケージ内の空気を循環させてカードを冷却するファントレイ 2 個、および電源モジュール内の冷気を循環させる、各電源モジュールのファン 2 個で構成されます。
一般に、電源モジュールのステータス LED および RSP とラインカードの英数字ディスプレイを確認することで、起動シーケンスのいつ、どこでルータに問題が発生したかを判断できます。
ルータの正常な起動シーケンスでは、次の一連のイベントおよび条件が発生します。
1. 各電源モジュールのファンに電力が供給され、電源モジュール内に空気が送り込まれます。
電源モジュールの入力電源および出力電源インジケータが点灯します。
2. ファン トレイのファンに電力が供給され、シャーシ内に空気が送り込まれます。
3. RSP の電源投入および起動プロセスが進行すると、カードの前面パネルにある英数字ディスプレイに RSP のステータスが表示されます。
表 4-1 に、システムが正常に起動した後の RSP カードの英数字ディスプレイの内容、および電源モジュール(AC または DC)とファン トレイの LED の正常な状態を示します。
ここでは、電源サブシステムのトラブルシューティングについて説明します。
AC 入力電源モジュールは、RSP によって内部温度、電圧、および電流負荷が監視されます。ルータが何らかの値を超過している状態を検出すると、アラームが生成され、対応する警告メッセージがコンソールに表示されます。
図 4-1 に、AC 電源モジュールのコンポーネントを示します。
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AC 電源モジュールが正常に動作しない場合、次の手順を実行してトラブルシューティングを行います。
ステップ 1 電源モジュールを取り外して装着し直し、電源モジュールが正しく装着されていることを確認します。次の内容を確認します。
• 扉/イジェクト レバーのラッチがしっかりとロックされている。
• 電源シェルフの電源スイッチが ON(1)位置に設定されている。
ステップ 2 ルータの電源がオンで、すべての電源コードが正しく接続されていることを確認します。次の内容を確認します。
• 電源シェルフのコンセントに差し込まれている電源コードが固定クリップでしっかりと固定されている。
• 電源側の電源コードが専用の AC 電源コンセントにしっかりと差し込まれている。
ステップ 3 電源モジュールのステータス LED インジケータを確認します。
• 入力電源 LED(グリーン):AC 電源モジュールは正常に動作しており、AC 入力電圧が 200 ~ 240 VAC の公称動作範囲内であることを示します。
入力電源 LED が点滅している場合は、入力電圧が許容範囲外です。各 AC 電源モジュールが公称範囲の 200 ~ 240 VAC で動作していることを確認します。
• 出力電源 LED(グリーン):DC 電源モジュールは正常に動作しており、バックプレーンへの -54 VDC 出力電圧は公称動作範囲内であることを示します。このインジケータが点灯するのは、電源シェルフの背面にある電源スイッチが ON(1)位置に設定されているときだけです。
– すべての電源を確認した後も出力電源 LED が消灯している場合は、電源モジュールをスペアと交換します。スペアの電源モジュールが動作しない場合は、電源モジュールが設置されている電源シェルフのトラブルシューティングを行います。
– 出力電源 LED が点滅している場合は、電源モジュールが極限電力または過電流状態です。各電源コードが専用 AC 電源モジュールに接続されていることを確認します。各 AC 電源モジュールが公称範囲 200 ~ 240 VAC で動作しており、20 A(北米)または 13 A(その他の国)以上の電源を供給していることを確認します。
• 障害 LED(レッド):電源モジュール内に障害が検出されたことを示します。このインジケータは、通常の動作時は消灯しています。障害 LED が点灯している場合は次の状態を示します。
– (Cisco ASR 9010 ルータの場合)冗長性を確保するために電源モジュールが設置されている別の電源シェルフがある場合は、1 台目の電源シェルフの背面にある電源スイッチをオフにして、もう一度オンにします。電源スイッチのオンとオフを何度か繰り返しても 障害 LED が点灯したままの場合は、電源モジュールをスペアと交換します。
– スペアの電源モジュールにも障害が発生する場合は、電源シェルフのバックプレーン コネクタに問題がある可能性があります。ルータの電源をオフにして、シスコ サービス担当者に連絡してください。
– 電源モジュールのファンが正常に動作していることを確認します。
電源モジュールのファンおよびファン トレイが正常に動作している場合は、電源モジュールをスペアと交換します。
DC 入力電源モジュールは、RSP によって内部温度、電圧、および電流負荷が監視されます。ルータが何らかの値を超過している状態を検出すると、アラームが生成され、対応する警告メッセージがコンソールに表示されます。
図 4-2に、DC 電源モジュールの LED インジケータを示します。
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2 つの入力電圧(A および B)が存在し、適正な範囲内のときは常時点灯。 |
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DC 電源モジュールが正常に動作しない場合、次の手順を実行してトラブルシューティングを行います。
ステップ 1 電源モジュールを取り外して装着し直し、電源モジュールが正しく装着されていることを確認します。次の内容を確認します。
• 扉/イジェクト レバーのラッチがしっかりとロックされている。
• 電源シェルフの電源スイッチが ON(1)位置に設定されている。
ステップ 2 ルータの電源がオンで、すべての電源コードが正しく接続されていることを確認します。次の内容を確認します。
• 電源コードが電源モジュールの端末スタッドにしっかりと接続されている。
ステップ 3 電源モジュールのステータス LED インジケータを確認します。
• 入力電源 LED(グリーン):DC 電源モジュールは正常に動作しており、DC 入力電圧は公称動作範囲 -40 ~ -72 VDC 内であることを示します。
入力電源 LED が点滅している場合は、電源モジュールの入力接続が緩んでいるか接続されていない、または入力電圧が最低電圧を下回っていることを示します。DC 電源が公称範囲の -40 ~ -72 VDC で動作していることを確認します。
上記の内容を確認してもインジケータが点滅する場合は、電源モジュールを交換します。
• 出力電源 LED(グリーン):DC 電源モジュールが正常に動作しており、バックプレーンへの -54 VDC 出力電圧は公称動作範囲内であることを示します。このインジケータが点灯するのは、電源シェルフの背面にある電源スイッチが ON(1)位置に設定されているときだけです。
– すべての電源を確認した後も出力電源 LED が消灯している場合は、電源モジュールをスペアと交換します。スペアの電源モジュールが動作しない場合は、電源モジュールが設置されている電源シェルフのトラブルシューティングを行います。
– 出力電源 LED が点滅している場合は、電源モジュールが極限電力または過電流状態です。各電源コードが専用 DC 電源モジュールに接続されていることを確認します。各 DC 電源モジュールが公称範囲の -40 ~ -72 VDC で動作していることを確認します。
• 障害 LED(レッド):電源モジュール内に障害が検出されたことを示します。このインジケータは、通常の動作時は消灯しています。障害 LED が点灯している場合は次の状態を示します。
– (Cisco ASR 9010 ルータの場合)冗長性を確保するために電源モジュールが設置されている別の電源シェルフがある場合は、1 台目の電源シェルフの背面にある電源スイッチをオフにして、もう一度オンにします。障害 LED がそれでも点灯している場合は、電源モジュールを取り外して装着し直します。電源スイッチのオンとオフを何度か繰り返しても 障害 LED が点灯したままの場合は、電源モジュールをスペアと交換します。
– スペアの電源モジュールにも障害が発生する場合は、電源シェルフのバックプレーン コネクタに問題がある可能性があります。ルータの電源をオフにして、シスコ サービス担当者に連絡してください。
– 電源モジュールのファンが正常に動作していることを確認します。
電源モジュールのファンおよびファン トレイが正常に動作している場合は、障害が発生した電源モジュールをスペアと交換します。
電源モジュールには、シャーシのハードウェア ID ラベルとは異なるソフトウェア ID があります。 表 4-2 は、電源モジュールのハードウェア ID とソフトウェア ID の対応表です。
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RSP とファン トレイの両方が動作していれば、内部の DC 電圧はすべて正常です。
ユーザ EXEC モード プロンプトで show environment コマンドを入力すると、次の例に示すように、取り付けられているカード、ファン トレイ、および電源モジュールの温度および電圧情報が表示されます。
• バックプレーンに -54 VDC を供給する AC または DC 電源モジュール
• シャーシ コンポーネントに電圧を送るシャーシ バックプレーン
• バックプレーンからの -54 VDC をラインカードで必要とされる適切な電圧に変換するDC-DC コンバータ
配電システムのトラブルシューティングを行うには、次の手順を実行します。
ステップ 1 各電源モジュールをチェックして、次の内容を確認します。
• 扉/イジェクタが完全に閉じられ、ラッチで適切に固定されている。
電源モジュールが上記の条件を満たしている場合は、適切な電源が許容値内に存在し、DC 出力電力が存在します。電源モジュールは適切に機能しています。
ステップ 2 ファン トレイが動作していることを確認します。
• ファン トレイが機能している場合は、シャーシ バックプレーンから -54 VDC が供給され、バックプレーンからファン トレイへのケーブルは正しく機能しています。
• ファン トレイのいずれかまたは両方が機能しない場合は、ファン トレイ自体またはファン トレイへの -54 VDC 電源供給に問題がある可能性があります。ファン トレイを取り外して装着し直します。
• ファン トレイがそれでも動作しない場合は、ファン トレイ コントローラ カードまたはケーブルに問題がある可能性があります。ファン トレイを交換してください。
• ファン トレイを交換しても問題が解決しない場合は、シスコ担当者に連絡してください。
ルート プロセッサ サブシステムは、RSP カード上のルート プロセッサで構成されています。RSP およびラインカードのそれぞれにメイン プロセッサとして機能する同じ CPU が内蔵されています。Controller Area Network(CAN; コントローラ エリア ネットワーク)マイクロコントローラ プロセッサは、環境を監視し、内蔵 DC-DC コンバータを制御します。
(注) 最小構成のルータを動作させるには、カード ケージの RSP スロット 0 に RSP を取り付ける必要があります。ルータに冗長 RSP を搭載する場合は、カード ケージの RSP スロット 1 に冗長 RSP を取り付ける必要があります。
ここでは、ルート プロセッサ サブシステムのトラブルシューティングについて、次の内容を説明します。
• 「ルート スイッチ プロセッサ カードのトラブルシューティング」
RSP カードの Central Processing Unit(CPU; 中央処理装置)は、シャーシの制御および管理、ブート メディア機能、テレコム タイミングと高精度クロック同期、バックプレーン イーサネット ネットワーク経由のラインカードとの通信、および CAN バスを介した電源制御を行います。また、RSP カードの CPU はルーティング プロトコルも実行します。
図 4-3 に、RSP カード前面パネルのスロット、ポート、LED を示します。
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RSP は、追加フラッシュ メモリ容量を提供するコンパクト フラッシュ スロット 1 つを搭載しています。RSP は、さまざまなフラッシュ デバイスの組み合わせをすべてサポートします。ATA フラッシュ ディスク、Type 1 または Type 2 のリニア フラッシュ メモリ カード、またはその両方を組み合わせて使用できます。
(注) RSP がサポートするのは +5.2 VDC フラッシュ メモリ デバイスだけです。+3.3 VDC PCMCIA デバイスはサポートしません。
RSP には、8 ピンの Media-Dependent Interface(MDI; メディア依存型インターフェイス)RJ-45 管理 LAN ポートが 2 つあり、10 Mbps、100 Mbps、および 1000 Mbps のイーサネット接続が可能です。これらのポートには、MGT LAN 0 および MGT LAN 1 というラベルが付いています。
イーサネット ポートの伝送速度は、ユーザ設定できません。RSP の自動認識方式で速度を設定しますが、速度はイーサネット ポートが接続されているネットワークによって決まります。ただし、自動認識されたデータ伝送速度が 100 Mbps でも、イーサネット ポートが提供する使用可能な帯域幅は実質的には 100 Mbps 未満です。イーサネット接続を使用する場合、予想される使用可能帯域幅は最大約 12 Mbps です。
前面パネルにある次の LED は、トラフィック ステータスとポート選択を示します(図 4-4)。
• ACT:選択されているイーサネット ポート(ETH 0 または ETH 1)を示します。
(注) RSP カードでは両方のポートがサポートされるので、MGT LAN 0 は常に点灯しています。MGT LAN 0 は選択されたときに点灯します。
RSP の補助ポートとコンソール ポートは、EIA/TIA-232(RS-232 ともいいます)非同期シリアル ポートであり、外部デバイスを接続してシステムの監視および管理を行います。
• 補助ポート:フロー制御をサポートする RJ45 インターフェイスであり、多くの場合モデム、チャネル サービス ユニット(CSU)、または Telnet 管理用のオプション装置の接続に使用されます。
英数字メッセージ ディスプレイには、4 つの LED 文字が 1 行で表示されます(図 4-3)。
英数字メッセージ ディスプレイには、ブート プロセス中およびブート プロセス完了後に、ルータのステータス メッセージが表示されます。
• ブート プロセス中のメッセージ ディスプレイは、CAN マイクロコントローラによって直接制御されます。
• ブート プロセス完了後のメッセージ ディスプレイは、Cisco IOS XR ソフトウェアによって制御されます(CAN バス経由)。
英数字メッセージ ディスプレイには、RSP のステータス、ルータのエラー メッセージ、ユーザ定義ステータスとエラー メッセージなど、さまざまなレベルのシステム動作に関する情報も表示されます。
(注) すべてのシステム メッセージおよびエラー メッセージのリストについては、『Cisco IOS XR System Error Messages』を参照してください。
フラッシュ メモリを使用して、ルータを操作するために使用できる複数の Cisco IOS XR ソフトウェアおよびマイクロコード イメージを保存できます。新しいイメージをネットワーク経由で(またはローカル サーバから)フラッシュ メモリにダウンロードして、既存イメージと差し替えたり、追加イメージとして追加したりできます。ルータは、フラッシュ メモリに保存されているイメージから(手動または自動で)ブートできます。
フラッシュ メモリは、TFTP(Trivial File Transfer Protocol)サーバとしても機能し、他のサーバを保存されているイメージからリモートで起動したり、そのイメージを他のサーバのフラッシュ メモリに保存したりできます。
• オンボード フラッシュ メモリ( ブートフラッシュ): Cisco IOS XR ブート イメージが含まれます。
• コンパクト フラッシュ メモリ ディスク(またはカード):Cisco IOS XR ソフトウェア イメージが含まれます。
表 4-3 に、サポートされるコンパクト フラッシュ ディスク サイズとシスコ部品番号を示します。
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ルータに電源を入れると、RSP の英数字ディスプレイに次の文字列が表示されます。
INIT:カードが挿入され、マイクロコントローラが初期化されます。
ICBC:マイクロコントローラとの通信の初期化を開始します。
PDxy:プログラマブル デバイスをロード中です(x = FPGA、y = ROMMON)。
RMN:すべてのテストが完了し、ROMMON でいつでもコマンドを入力できます。
LOAD:MBI(Minimum Boot Image)イメージを CPU にダウンロード中です。
IOXR:Cisco IOS XR ソフトウェアの実行を開始します。
ACTV:RSP はアクティブな RSP と判断されました。
英数字ディスプレイを使用して、RSP の問題を特定できます。
• 英数字ディスプレイは、シャーシ バックプレーンを経由して RSP カードの CAN マイクロコントローラから直接電力が供給されます。
– 英数字ディスプレイが動作していない場合は、CAN マイクロコントローラが誤動作している可能性があります。
– CAN マイクロコントローラが動作している場合は、RSP の電源がオンになっていなくても英数字ディスプレイは動作することがあります。
• 英数字ディスプレイは動作していないが、電源モジュールおよびファン トレイが動作している場合は、RSP が正しく取り付けられていないか、シャーシ バックプレーンからの +5 VDC 出力に障害が発生している可能性があります。
– シャーシ バックプレーンから RSP カードを取り外して装着し直し、RSP カードを初期化します。
• 英数字ディスプレイが動作している場合は、メッセージの意味を確認します( 表 4-4 を参照)。
CAN マイクロコントローラによって DC-DC コンバータがオンになると、RSP のブート プロセスが開始され、さまざまなステータス メッセージが表示されます。一瞬の間しか表示されないメッセージもあれば、数秒間表示されるメッセージもあります。特定の時点でメッセージが表示されて停止した場合は、ブート プロセスが停止した可能性があります。
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ラインカードのトラブルシューティングを行うには、『Cisco ASR 9000 Series Aggregation Services RouterEthernet Line Card Installation Guide』を参照してください。
アラーム LED は、CAN マイクロコントローラ ソフトウェアによって制御され、さまざまなレベルのアラームを起動するしきい値レベルが設定されます。
RSP カードは、温度、電圧、電流、およびファン速度について継続的にシステムをポーリングします。しきい値を超えると、RSP は該当するアラーム重大度をアラーム カードに設定します。これにより、対応する LED が点灯し、アラーム ディスプレイ リレーが作動して、アラーム ディスプレイに接続された外部オーディオまたはビジュアル アラームがアクティブになります。また、RSP は、システム コンソールにしきい値違反のメッセージも表示します。
(注) 1 つ以上のアラーム LED が点灯する場合は、アラームに関するメッセージが表示されていないかシステム コンソールを確認してください。
過熱状態が発生した場合、冷却サブシステムのトラブルシューティングが必要になる場合があります。ルータの冷却サブシステムは、シャーシのファン トレイと各電源モジュールのファン 1 つで構成されています。ファン トレイと電源モジュールのファンは、空気を循環させてルータ内の動作温度を許容値内に維持します。
ここでは、冷却サブシステムのトラブルシューティングについて、次の内容を説明します。
• 「過熱状態」
ファン トレイは、冷気を交換可能なエアー フィルタを通してスイッチ ファブリックおよびアラーム カード ケージに取り込み、ラインカードを通じて RSP カードケージに取り込むことで、内部コンポーネントの動作温度を適切に維持します(Cisco ASR 9010 ルータの冷却経路については図 1-8、ASR 9006 ルータの冷却経路については図 1-9を参照してください)。ファン トレイは、シャーシ バックプレーンからワイヤ ハーネスを経由して電力を供給されます。
ファン トレイは、ファン 12 個(Cisco ASR 9010 ルータ)またはファン 6 個(ASR 9006 ルータ)、コントローラ カード 1 枚、および前面パネル ステータス LED インジケータ 1 個を備えています。
シャーシ内部の空気温度が上昇すると、ブロワー速度が増し、内部コンポーネントに送り込まれる冷気が増えます。内部の空気温度が特定のしきい値を超えて上昇し続けると、過熱による機器の損傷を防止するために、システム環境モニタによってすべての内部電源が遮断されます。
ファン トレイの 1 つまたは複数のファンに障害が発生したことが検出されると、システム コンソールに警告メッセージが表示されます。また、障害が発生したファンを補うために、残りのファンはフル回転で稼動します。
AC または DC 電源モジュールは、電源モジュールの前面から冷気を取り込み、電源シェルフの背面から熱気を排出するファンを 2 個備えています。
• 電源が許容範囲内の場合、電源モジュールのファンは動作しています。
– Fault および Temp インジケータが点灯します。
– 電源モジュールがシステムに過熱警告を送信し、システムをシャットダウンします。
電源モジュールのトラブルシューティングの詳細については、「電源サブシステムのトラブルシューティング」を参照してください。
次のコンソール エラー メッセージは、システムが過熱状態を検出したか、またはシステム内に許容範囲外の電力が供給されていることを示します。
先行するメッセージは、コンポーネントまたは温度センサーの障害を示している場合があります。ユーザ EXEC プロンプトで show environment コマンドまたは show environment all コマンドを入力すると、内部システム環境に関する情報が表示されます。これらのコマンドによって表示される情報は次のとおりです。
• 各カードの 2 つのセンサーによって測定された温度(吸気温度とカードのホットスポット温度)、および各電源モジュールのセンサーによって測定された温度
過熱状態または許容値外の状態によって環境シャットダウンが行われる場合、システムがシャットダウンする前に電源モジュールの Fault インジケータが点灯します。
初期システム起動時に過熱状態になることはほとんどありませんが、次の内容を確認してください。
• 周囲にある他の機器から排出される熱気が、シャーシのカード ケージ吸気口に入らないこと
• 十分なエアー フローを得るために、シャーシおよび電源モジュールの吸気口と排気口に 6 インチ(15.24 cm)以上のスペースを確保して、冷気がシャーシに自由に入り、熱気がシャーシから排出されること
過熱状態が発生する場合は、次の手順を実行してシャーシの冷却システムの問題を特定します。
ステップ 1 システムに電源を入れると、ファン トレイが正常に動作することを確認します。ファン トレイが動作しているかどうかを確認するには、各ファン トレイの前面パネルの LED インジケータを確認します。
• OK(グリーン):ファン トレイは正常に動作しており、-48 VDC が供給されています。シャーシ バックプレーンからファン トレイへのケーブルは正常であることを示します。
• Fail(レッド):ファン トレイ内で障害が検出されました。ファン トレイを交換してください。
• どちらのインジケータも点灯せず、ブロワーが動作していない場合は、ファン トレイ、またはファン トレイへの -48 VDC 電源供給に問題がある可能性があります。ステップ 2 に進んでください。
ステップ 2 ファン トレイを取り外して装着し直し、非脱落型ネジを10 +/-1 インチ ポンドのトルクでしっかり締めます。
ファン トレイがそれでも機能しない場合は、ステップ 3 に進んでください。
ステップ 3 各電源モジュールの LED インジケータを調べて -48 VDC を確認します。
• 各電源モジュールの Pwr OK インジケータが点灯し、Fault インジケータが消灯している場合は、ファン トレイは -48 VDC が供給されています。
– ファン トレイが機能しない場合は、ファン トレイ コントローラ カードに問題があるか、ファン トレイ ケーブルに検出されていない問題がある可能性があります。ファン トレイを交換してください。
– 新しいファン トレイが動作しない場合は、シスコ カスタマー サービス担当者に連絡してください。
• Fault インジケータが点灯している場合は、電源モジュールに障害が発生しています。電源モジュールを交換してください。
• Temp および Fault インジケータが点灯している場合は、過熱状態になっています。
– 電源モジュールのファンが正常に動作していることを確認します。