AnyConnect 接続の設定
ここでは、 ASA がAnyConnect VPN クライアント接続を受け入れるように設定するための前提条件、制限事項、および詳細なタスクについて説明します。
クライアントを Web 展開するための ASA の設定
この項では、AnyConnect クライアントを Web 展開するようにASAを設定する手順について説明します。
前提条件
TFTP や別の方法を使用して、クライアント イメージ パッケージをASAにコピーします。
手順の詳細
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ステップ 1 |
anyconnect image filename order
hostname(config-webvpn)#
anyconnect image
anyconnect-win-2.3.0254-k9.pkg 1
hostname(config-webvpn)#
anyconnect image
anyconnect-macosx-i386-2.3.0254-k9.pkg 2
hostname(config-webvpn)#
anyconnect
image
anyconnect-linux-2.3.0254-k9.pkg 3
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フラッシュのファイルを AnyConnect クライアント パッケージ ファイルとして指定します。 ASAは、リモート PC にダウンロードするために、キャッシュ メモリのファイルを展開します。複数のクライアントがある場合は、order 引数を使用して、クライアント イメージに順序を割り当てます。 ASA は、リモート PC のオペレーティング システムと一致するまで、指定されている順序で各クライアントの一部をダウンロードします。そのため、最も一般的に使用されているオペレーティング システム用のイメージには、最も低い数値を割り当てます。 コマンドは SSL VPN クライアントがイネーブルにされていないと見なし、インストールされた AnyConnect パッケージをリストしません。 |
ステップ 2 |
hostname(config-webvpn)#
enable
outside
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クライアントレス接続または AnyConnect SSL 接続のインターフェイスの SSL をイネーブルにします。 |
ステップ 3 |
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このコマンドを発行しないと、AnyConnect は想定したとおりに機能せず、 show webvpn anyconnect コマンドは、インストールされた AnyConnect パッケージをリストする代わりに、「SSL VPN is not enabled」というメッセージを返します。 |
ステップ 4 |
ip local pool
poolname
startaddr-endaddr
mask
mask
hostname(config)#
ip local pool
vpn_users
209.165.200.225-209.165.200.254 mask 255.255.255.224
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(任意)アドレス プールを作成します。DHCP やユーザによる割り当てのアドレスの指定など、別のアドレス割り当ての方法を使用することもできます。 |
ステップ 5 |
hostname(config)#
tunnel-group telecommuters general-attributes
hostname(config-tunnel-general)#
address-pool
vpn_users
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アドレス プールをトンネル グループに割り当てます。 |
ステップ 6 |
default-group-policy name
hostname(config-tunnel-general)#
default-group-policy sales
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デフォルトのグループ ポリシーをトンネル グループに割り当てます。 |
ステップ 7 |
hostname(config)#
tunnel-group telecommuters webvpn-attributes
hostname(config-tunnel-webvpn)#
group-alias sales_department enable
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クライアントレス ポータルおよび AnyConnect GUI のログイン ページでのトンネルグループ リストの表示をイネーブルにします。エイリアスのリストは、 group-alias name enable コマンドによって定義されます。 |
ステップ 8 |
hostname(config-webvpn)#
tunnel-group-list enable
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グループまたはユーザの許可された VPN トンネリング プロトコルとして AnyConnect クライアントを指定します。 |
ステップ 9 |
hostname(config)#
group-policy sales attributes
hostname(config-group-policy)#
webvpn
hostname(config-group-webvpn)#
vpn-tunnel-protocol
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グループまたはユーザの許可された VPN トンネリング プロトコルとして SSL を指定します。その他のプロトコルを追加して指定することもできます。詳細については、コマンド リファレンス の vpn-tunnel-protocol コマンドを参照してください。 グループ ポリシーに対するユーザの割り当ての詳細については、第 6 章「接続プロファイル、グループ ポリシー、およびユーザの設定」を参照してください。 |
永続的なクライアント インストールのイネーブル化
永続的なクライアント インストールをイネーブルにすると、クライアントの自動アンインストール機能がディセーブルになります。クライアントは、後続の接続のためにリモート コンピュータにインストールされたままなので、リモート ユーザの接続時間が短縮されます。
特定のグループまたはユーザに対する永続的なクライアント インストールをイネーブルにするには、グループ ポリシー webvpn モードまたはユーザ名 webvpn モードで anyconnect keep-installer コマンドを使用します。
anyconnect keep-installer installer
デフォルトでは、クライアントの永続的なインストールはイネーブルになっています。セッションの終了時に、クライアントはリモート コンピュータ上に残ります。次の例では、セッションの終了時点でリモート コンピュータのクライアントを削除するように既存のグループ ポリシー sales を設定します。
hostname(config)# group-policy sales attributes
hostname(config-group-policy)# webvpn
hostname(config-group-policy)# anyconnect keep-installer installed none
DTLS の設定
Datagram Transport Layer Security(DTLS)を使用すると、SSL VPN 接続を確立している AnyConnect クライアントで、2 つのトンネル(SSL トンネルと DTLS トンネル)を同時に使用できます。DTLS を使用すると、SSL 接続で発生する遅延および帯域幅の問題が回避され、パケット遅延の影響を受けやすいリアルタイム アプリケーションのパフォーマンスが向上します。
デフォルトでは、DTLS がイネーブルになるのは、インターフェイスで SSL VPN アクセスをイネーブルにした場合です。DTLS をディセーブルにすると、SSL VPN 接続は SSL VPN トンネルだけに接続します。
(注) DTLS を TLS 接続にフォール バックさせるには、デッドピア検知(DPD)をイネーブルにする必要があります。DPD をイネーブルにしない場合、DTLS 接続で問題が発生すると、TLS にフォール バックする代わりに接続は終了します。DPD のイネーブル化の詳細については、「Dead Peer Detection のイネーブル化と調整」を参照してください。
webvpn コンフィギュレーション モードで、 enable コマンドの tls-only オプションを使用すると、すべての AnyConnect クライアント ユーザに対して DTLS をディセーブルにできます。
enable < interface > tls-only
次に例を示します。
hostname(config-webvpn)# enable outside tls-only
デフォルトでは、特定のグループまたはユーザに対して DTLS をイネーブルにするには、グループ ポリシー webvpn コンフィギュレーション モードまたはユーザ名 webvpn コンフィギュレーション モードで、 anyconnect ssl dtls コマンドを使用します。
[ no ] anyconnect ssl dtls {enable interface | none}
DTLS をディセーブルにする必要がある場合は、このコマンドの no 形式を使用します。次に例を示します。
hostname(config)# group-policy sales attributes
hostname(config-group-policy)# webvpn
hostname(config-group-webvpn)# no anyconnect ssl dtls none
リモート ユーザに対するプロンプト
ASA で、リモート SSL VPN クライアント ユーザがクライアントをダウンロードするためのプロンプトをイネーブルにするには、グループ ポリシー webvpn コンフィギュレーション モードまたはユーザ名 webvpn コンフィギュレーション モードで anyconnect ask コマンドを使用します。
[ no ] anyconnect ask { none | enable [ default { webvpn | } timeout value ]}
anyconnect enable を指定すると、クライアントをダウンロードするか、クライアントレス ポータル ページに移動するかをリモート ユーザに尋ねるプロンプトを表示し、ユーザの応答を無期限に待機します。
anyconnect ask enable default を指定すると、クライアントをすぐにダウンロードします。
anyconnect ask enable default webvpn を指定すると、ポータル ページにすぐに移動します。
anyconnect ask enable default timeout value を指定すると、クライアントをダウンロードするか、またはクライアントレス ポータル ページに移動するかを尋ねるプロンプトをリモート ユーザに表示し、デフォルト アクション(クライアントのダウンロード)を実行する前に、 value の間待機します。
anyconnect ask enable default clientless timeout value を指定すると、クライアントをダウンロードするか、またはクライアントレス ポータル ページに移動するかを尋ねるプロンプトをリモート ユーザに表示し、デフォルト アクション(クライアントレス ポータル ページの表示)を実行する前に、 value の間待機します。
図 11-1 に、 default anyconnect timeout value または default webvpn timeout value が設定された場合にリモート ユーザに表示されるプロンプトを示します。
図 11-1 SSL VPN Client のダウンロードに関してリモート ユーザに表示されるプロンプト
次の例では、ASAでクライアントをダウンロードするか、またはクライアントレス ポータル ページに移動するかを尋ねるプロンプトを表示して、クライアントをダウンロードする前に 応答を 10 秒 待機するように設定しています。
hostname(config-group-webvpn)# anyconnect ask enable default anyconnect timeout 10
AnyConnect クライアント プロファイル ダウンロードのイネーブル化
AnyConnect プロファイルで Cisco AnyConnect Secure Mobility Client 機能をイネーブルにします(コア クライアントのコンフィギュレーション設定と VPN 機能、およびオプションのクライアント モジュールのコンフィギュレーション設定を含む XML ファイル、ネットワーク アクセス マネージャ(NAM)、ポスチャ、テレメトリ、Web セキュリティ)。ASA は AnyConnect のインストールおよびアップデート中にプロファイルを展開します。ユーザがプロファイルの管理や修正を行うことはできません。
ASDM のプロファイル エディタ
プロファイルは、AnyConnect プロファイル エディタを使用して設定できます。このエディタは、ASDM から起動できる便利な GUI ベースの設定ツールです。Windows 用 AnyConnect ソフトウェア パッケージ バージョン 2.5 以降には、エディタが含まれています。このエディタは、AnyConnect パッケージを ASA にロードし、AnyConnect クライアント イメージとして指定するとアクティブ化されます。
スタンドアロン プロファイル エディタ
ASDM に統合されたプロファイル エディタの代わりに、Windows 用プロファイル エディタのスタンドアロン バージョンも使用できます。クライアントを事前展開する場合は、ソフトウェア管理システムを使用してコンピュータに展開する、VPN サービス用のプロファイルおよびその他のモジュールを、スタンドアロンのプロファイル エディタを使用して作成できます。プロファイル エディタの使用の詳細については、『 Cisco AnyConnect Secure Mobility Client Administrator Guide 』を参照してください。
(注) AnyConnect クライアント プロトコルのデフォルトは SSL です。IPsec IKEv2 をイネーブルにするには、ASA で IKEv2 設定を設定し、また、クライアント プロファイルのプライマリ プロトコルとして IKEv2 を設定する必要があります。IKEv2enabled プロファイルは、エンドポイント コンピュータに展開する必要があります。それ以外の場合、クライアントは SSL を使用して接続を試行します。詳細については、『Cisco AnyConnect Secure Mobility Client Administrator Guide』を参照してください。
次の手順に従いプロファイルを編集し、ASAでプロファイルのリモート クライアントへのダウンロードをイネーブルにします。
ステップ 1
ASDM のプロファイル エディタまたはスタンドアロン プロファイル エディタを使用して、プロファイルを作成します。詳細については、『
Cisco AnyConnect Secure Mobility Client Administrator Guide 』を参照してください。
ステップ 2 tftp または別の方式を使用して、ASA のフラッシュ メモリにプロファイル ファイルをロードします。
ステップ 3 webvpn コンフィギュレーション モードで anyconnect profiles コマンドを使用して、キャッシュ メモリにロードするクライアント プロファイルとしてこのファイルを識別します。
次に、プロファイルとしてファイル sales_hosts.xml と engineering_hosts.xml を指定する例を示します。
asa1(config-webvpn)# anyconnect profiles sales disk0:/sales_hosts.xml
asa1(config-webvpn)# anyconnect profiles engineering disk0:/engineering_hosts.xml
これで、プロファイルをグループ ポリシーに利用できます。
キャッシュ メモリにロードされたプロファイルを表示するには、 dir cache:stc/profiles コマンドを使用します。
hostname(config-webvpn)# dir cache:/stc/profiles
Directory of cache:stc/profiles/
0 ---- 774 11:54:41 Nov 22 2006 engineering.xml
0 ---- 774 11:54:29 Nov 22 2006 sales.xml
2428928 bytes total (18219008 bytes free)
ステップ 4 グループ ポリシー webvpn コンフィギュレーション モードを開始し、 anyconnect profiles コマンドを使用して、グループ ポリシーのクライアント プロファイルを指定します。
使用可能なプロファイルを表示するには、 anyconnect profiles value コマンドに続けて、疑問符( ? )を入力します。次に例を示します。
asa1(config-group-webvpn)# anyconnect profiles value ?
config-group-webvpn mode commands/options:
Available configured profile packages:
次の例では、クライアント プロファイル タイプが vpn のプロファイル sales を使用するようにグループ ポリシーを設定します。
asa1(config-group-webvpn)# anyconnect profiles value sales type vpn
asa1(config-group-webvpn)#
AnyConnect クライアントの遅延アップグレードのイネーブル化
AnyConnect ユーザは、遅延アップグレードを使用して、クライアント アップグレードのダウンロードを遅らせることができます。クライアント アップデートが使用できる場合、AnyConnect は、更新するか、またはアップグレードを延期するかを尋ねるダイアログを開きます。
遅延アップグレードをイネーブルにするには、カスタム属性を ASA に追加して、グループ ポリシーでこれらの属性を参照および設定します。
次のカスタム属性は遅延アップグレードをサポートします。
表 11-1 遅延アップグレードのカスタム属性
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DeferredUpdateAllowed |
true false |
false |
[true] を指定すると、延期アップデートが有効になります。延期アップデートが無効(false)の場合、下記の設定は無視されます。 |
DeferredUpdateMinimumVersion |
x.y.z |
0.0.0 |
アップデートを延期できるようにするため、インストールする必要がある最小バージョンの AnyConnect。 最小バージョンのチェックは、ヘッドエンドで有効になっているすべてのモジュールに適用されます。VPN を含む有効な任意のモジュールがインストールされていない、または最小要件を満たしていない場合、接続して延期アップデートすることはできません。 この属性が指定されていない場合、エンドポイントにインストールされているバージョンに関係なく、延期プロンプトが表示されます(または自動的に却下されます)。 |
DeferredUpdateDismissTimeout |
0 ~ 300 (秒) |
none (無効) |
延期アップグレード プロンプトが表示され、自動的に却下されるまでの秒数。この属性は、延期アップデート プロンプトを表示する場合のみ適用されます(最小バージョンの属性が最初に評価されます)。 この属性が見つからない場合、自動却下機能が無効になり、ユーザが応答するまで(必要に応じて)ダイアログが表示されます。 この属性をゼロに設定すると、次に基づいて強制的に自動延期またはアップグレードが実施されます。 • インストール済みバージョンと DeferredUpdateMinimumVersion の値 • DeferredUpdateDismissResponse の値 |
DeferredUpdateDismissResponse |
defer update |
update |
DeferredUpdateDismissTimeout 発生時に実施するアクション。 |
ステップ 1 webvpn コンフィギュレーション モードで anyconnnect-custom-attr コマンドを使用してカスタム属性を作成します。
[no] anyconnect-custom-attr attr-name [description description ]
次に、カスタム属性 DeferredUpdateAllowed を追加する例を示します。
hostame(config-webvpn)# anyconnect-custom-attr DeferredUpdateAllowed description "Indicates if the deferred update feature is enabled or not"
ステップ 2 カスタム属性をグループ ポリシーに追加するか、グループ ポリシーから削除し、 anyconnect-custom コマンドを使用して、各属性の値を設定します。
anyconnect-custom attr-name value value
no anyconnect-custom attr-nam
次に、sales という名前のグループ ポリシーに対して遅延更新をイネーブルにする例を示します。
hostname(config)# group-policy sales attributes
hostname(config-group-policy)# webvpn
hostname(config-group-policy)# anyconnect-custom DeferredUpdateAllowed value true
追加の AnyConnect クライアント機能のイネーブル化
ダウンロード時間を最小限に抑えるために、クライアントは必要なコア モジュールのダウンロード(ASAから)だけを要求します。追加機能が AnyConnect クライアントで使用可能になったら、それらの機能を使用できるようにするためにリモート クライアントをアップデートする必要があります。
新しい機能をイネーブルにするには、グループ ポリシー webvpn またはユーザ名 webvpn コンフィギュレーション モードで anyconnect modules コマンドを使用して、新しいモジュール名を指定する必要があります。
[no ] anyconnect modules { none | value string }
複数のストリングを指定する場合は、カンマで区切ります。
各クライアント機能に対して入力する値のリストについては、Cisco AnyConnect VPN Client のリリース ノートを参照してください。
Start Before Logon のイネーブル化
Start Before Logon(SBL)を使用すると、Windows PC にインストールされている AnyConnect クライアントに対するログイン スクリプト、パスワード キャッシング、ドライブ マッピングなどが使用できるようになります。SBL では、AnyConnect クライアントの Graphical Identification and Authentication(GINA)をイネーブルにするモジュールをダウンロードするようにASAをイネーブルにする必要があります。次の手順は、SBL をイネーブルにする方法を示しています。
ステップ 1
グループ ポリシー webvpn またはユーザ名 webvpn コンフィギュレーション モードで
anyconnect
modules
vpngina
コマンドを使用して、ASA で特定のグループまたはユーザに VPN 接続に対する GINA モジュールをダウンロードできるようにします。
次の例では、ユーザはグループ ポリシー telecommuters でグループ ポリシー属性モードを開始し、そのグループ ポリシーで webvpn コンフィギュレーション モードを開始し、ストリング vpngina を指定します。
hostname(config)# group-policy telecommuters attributes
hostname(config-group-policy)# webvpn
hostame(config-group-webvpn)#anyconnect modules value vpngina
ステップ 2 クライアント プロファイル ファイル(AnyConnectProfile.tmpl)のコピーを取得します。
ステップ 3 プロファイル ファイルを編集して SBL がイネーブルであることを指定します。次の例では、Windows 用のプロファイル ファイル(AnyConnectProfile.tmpl)の関係部分を示しています。
<UseStartBeforeLogon>false</UseStartBeforeLogon>
<UseStartBeforeLogon> タグによって、クライアントが SBL を使用するかどうかが決まります。SBL をオンにするには、 false を true で置き換えます。次の例は、SBL がオンになっているタグを示しています。
<UseStartBeforeLogon>true</UseStartBeforeLogon>
ステップ 4 AnyConnectProfile.tmpl に対する変更を保存し、webvpn コンフィギュレーション モードで profile コマンドを使用して、ASA のグループまたはユーザに対するプロファイル ファイルをアップデートします。次に例を示します。
asa1(config-webvpn)#anyconnect profiles sales disk0:/sales_hosts.xml
AnyConnect ユーザ メッセージの言語の変換
ASAには、ブラウザベースのクライアントレス SSL VPN 接続を開始するユーザに表示されるポータルと画面、および Cisco AnyConnect VPN Client ユーザに表示されるインターフェイスの言語変換機能があります。
この項では、これらのユーザ メッセージを変換するためにASAを設定する方法について説明します。次の項目を取り上げます。
• 「言語変換の概要」
• 「変換テーブルの作成」
言語変換の概要
リモート ユーザに可視である機能エリアとそれらのメッセージは、変換ドメイン内にまとめられています。すべての Cisco AnyConnect VPN Client のユーザ インターフェイスに表示されるメッセージは、AnyConnect ドメイン内にあります。
ASAのソフトウェア イメージ パッケージには、AnyConnect ドメインの変換テーブル テンプレートが含まれています。このテンプレートはエクスポートでき、入力する URL にテンプレートの XML ファイルが作成されます。このファイルのメッセージ フィールドは空です。メッセージを編集して、テンプレートをインポートし、フラッシュ メモリに置かれる新しい変換テーブル オブジェクトを作成できます。
既存の変換テーブルをエクスポートすることもできます。作成した XML ファイルに事前に編集したメッセージが表示されます。この XML ファイルを同じ言語名で再インポートすると、変換テーブル オブジェクトの新しいバージョンが作成され、以前のメッセージが上書きされます。AnyConnect ドメインの変換テーブルに対する変更は、ただちに AnyConnect クライアント ユーザに表示されます。
変換テーブルの作成
次の手順では、AnyConnect ドメインの変換テーブルを作成する方法について説明します。
ステップ 1
特権 EXEC モードで
export webvpn translation-table コマンドを使用して、コンピュータに変換テーブル テンプレートをエクスポートします。
次の例では、 show webvpn translation-table コマンドによって、使用可能な変換テーブル テンプレートとテーブルを表示しています。
hostname# show import webvpn translation-table
Translation Tables' Templates:
次に、AnyConnect 変換ドメイン用の変換テーブルをエクスポートします。作成された XML ファイルのファイル名は client という名前が付けられ、空のメッセージ フィールドが含まれています。
hostname# export webvpn translation-table AnyConnect template tftp://209.165.200.225/client
次の例では、 zh という名前の変換テーブルをエクスポートします。このテーブルは、テンプレートから事前にインポートされたものです。zh は中国語用 Microsoft Internet Explorer で使用される省略形です。
hostname# export webvpn translation-table customization language zh tftp://209.165.200.225/chinese_client
ステップ 2 変換テーブルの XML ファイルを編集します。次の例は、AnyConnect テンプレートの一部を示しています。この出力の最後には、 Connected メッセージのメッセージ ID フィールド(msgid)とメッセージ文字列フィールド(msgstr)が含まれています。このメッセージは、クライアントが VPN 接続を確立するときに AnyConnect クライアント GUI に表示されます。完全なテンプレートには、多くのメッセージ フィールドのペアが含まれています。
# SOME DESCRIPTIVE TITLE.
# Copyright (C) YEAR THE PACKAGE'S COPYRIGHT HOLDER
# This file is distributed under the same license as the PACKAGE package.
# FIRST AUTHOR <EMAIL@ADDRESS>, YEAR.
"Project-Id-Version: PACKAGE VERSION\n"
"Report-Msgid-Bugs-To: \n"
"POT-Creation-Date: 2006-11-01 16:39-0700\n"
"PO-Revision-Date: YEAR-MO-DA HO:MI+ZONE\n"
"Last-Translator: FULL NAME <EMAIL@ADDRESS>\n"
"Language-Team: LANGUAGE <LL@li.org>\n"
"Content-Type: text/plain; charset=CHARSET\n"
"Content-Transfer-Encoding: 8bit\n"
#: C:\cygwin\home\<user>\cvc\main\Api\AgentIfc.cpp:23
#: C:\cygwin\home\<user>\cvc\main\Api\check\AgentIfc.cpp:22
#: C:\cygwin\home\<user>\cvc\main\Api\save\AgentIfc.cpp:23
#: C:\cygwin\home\<user>\cvc\main\Api\save\AgentIfc.cpp~:20
#: C:\cygwin\home\<user>\cvc\main\Api\save\older\AgentIfc.cpp:22
msgid には、デフォルト変換が含まれています。msgid に続く msgstr が変換を提供します。変換を作成するには、msgstr 文字列の引用符の間に変換対象のテキストを入力します。たとえば、メッセージ「Connected」をスペイン語で変換するには、引用符の間にスペイン語のテキストを挿入します。
ファイルは必ず保存してください。
ステップ 3 特権 EXEC モードで import webvpn translation-table コマンドを使用して、変換テーブルをインポートします。ブラウザと互換性がある言語の省略形を付けて新しい変換テーブルの名前を指定します。
次の例では、米国スペイン語用の Microsoft Internet Explorer で使用される省略形である es-us で XML ファイルがインポートされます。
hostname# import webvpn translation-table AnyConnect language es-us tftp://209.165.200.225/client
hostname# !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
hostname# show import webvpn translation-table
Translation Tables' Templates:
キーの再生成のイネーブル化
ASA と AnyConnect クライアントが SSL VPN 接続でキー再生成を行うときは、暗号キーと初期化ベクトルを再ネゴシエーションして、接続のセキュリティを高めます。
特定のグループまたはユーザの SSL VPN 接続で、クライアントによるキー再生成の実行をイネーブルにするには、グループ ポリシー webvpn モードまたはユーザ名 webvpn モードで anyconnect ssl rekey コマンドを使用します。
[no]anyconnect ssl rekey { method { new-tunnel | none | ssl } | time minutes }
method new-tunnel は、キーの再生成中にクライアントが新規トンネルを確立するように指定します。
method ssl は、キー再生成中にクライアントが新規トンネルを確立するように指定します。
method none は、キー再生成をディセーブルにします。
(注) キーの再生成方法を ssl または new-tunnel に設定すると、キー再生成時に SSL 再ネゴシエーションが行われず、クライアントがキー再生成時に新規トンネルを確立することが指定されます。anyconnect ssl rekey コマンドの履歴に関する コマンド リファレンス を参照してください。
time minutes は、セッションの開始からまたは前回のキー再生成から、キーの再生成が行われるまでの時間を 1 から 10080(1 週間)の分数で指定します。
次の例では、セッション開始の 30 分後に実施されるキー再生成中に、既存のグループ ポリシー sales に対する SSL との再ネゴシエーションを実施するようにクライアントを設定しています。
hostname(config)# group-policy sales attributes
hostname(config-group-policy)# webvpn
hostname(config-group-webvpn)# anyconnect ssl rekey method ssl
hostname(config-group-webvpn)# anyconnect ssl rekey time 30
Dead Peer Detection のイネーブル化と調整
Dead Peer Detection(DPD)により、ピアの応答がなく接続が失敗している場合には、ASA(ゲートウェイ)またはクライアント側で瞬時に検出できます。
ASAまたはクライアントで特定のグループまたはユーザについて DPD をイネーブルにし、ASAまたはクライアントが DPD を実行する頻度を設定するには、グループ ポリシーまたはユーザ名 webvpn モードで anyconnect dpd-interval コマンドを使用します。
anyconnect dpd-interval {[ gateway { seconds | none }] | [ client { seconds | none }] }
それぞれの説明は次のとおりです。
gateway seconds は、ASA(ゲートウェイ)で実行する DPD をイネーブルにして、ASA(ゲートウェイ)での DPD の実行頻度(5 ~ 3600 秒)を指定します。
gateway none は、ASAによる DPD をディセーブルにします。
client seconds は、クライアントによる DPD をイネーブルにし、クライアントが DPD を実行する頻度(5 ~ 3600 秒)を指定します。
client none は、クライアントによって実行される DPD をディセーブルにします。
anyconnect dpd-interval コマンドをコンフィギュレーションから削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。
no anyconnect dpd-interval {[ gateway { seconds | none }] | [ client { seconds | none }] }
(注) DTLS をイネーブルにすると、Dead Peer Detection(DPD)もイネーブルになります。DPD により、失敗した DTLS 接続の TLS へのフォールバックがイネーブルになります。それ以外の場合、接続は終了します。
次の例では、ASAによる DPD の実行頻度が 30 秒に設定され、クライアントによる既存のグループ ポリシー sales に対する DPD の実行頻度が 10 秒に設定されています。
hostname(config)# group-policy sales attributes
hostname(config-group-policy)# webvpn
hostname(config-group-webvpn)# anyconnect dpd-interval gateway 30
hostname(config-group-webvpn)# anyconnect dpd-interval client 10
キープアライブのイネーブル化
キープアライブ メッセージの頻度を調整することで、接続がアイドルでいられる時間がデバイスによって制限されている場合でも、プロキシ、ファイアウォール、または NAT デバイス経由の SSL VPN 接続をオープンのまま維持します。また、頻度を調整すると、リモート ユーザが Microsoft Outlook または Microsoft Internet Explorer などのソケット ベース アプリケーションをアクティブに実行していない場合でも、クライアントは切断および再接続されません。
(注) キープアライブはデフォルトでイネーブルになっています。キープアライブをディセーブルにすると、フェールオーバー イベントの際に、SSL VPN クライアント セッションはスタンバイ デバイスに引き継がれません。
キープアライブ メッセージの頻度を設定するには、グループ ポリシー webvpn またはユーザ名 webvpn コンフィギュレーション モードで、次のように keepalive コマンドを使用します。
[no] anyconnect ssl keepalive {none | seconds }
none は、クライアントのキープアライブ メッセージをディセーブルにします。
seconds は、クライアントによるキープアライブ メッセージの送信をイネーブルにし、メッセージの頻度を 15 ~ 600 秒の範囲で指定します。
デフォルトでは、キープアライブ メッセージはイネーブルになっています。
コンフィギュレーションからこのコマンドを削除して、値が継承されるようにするには、コマンドの no 形式を使用します。
次の例では、既存のグループ ポリシー sales に対して、クライアントがキープアライブ メッセージを 300 秒(5 分)の頻度で送信できるようにASAを設定しています。
hostname(config)# group-policy sales attributes
hostname(config-group-policy)# webvpn
hostname(config-group-webvpn)#anyconnect ssl keepalive 300
圧縮の使用
圧縮により、低帯域幅の接続に転送されるパケットのサイズが減少し、ASAとクライアント間の通信パフォーマンスが向上します。デフォルトでは、ASAでは、グローバル レベルと特定のグループまたはユーザの両方において、すべての SSL VPN 接続に対する圧縮がイネーブルになっています。
(注) ブロードバンド接続の圧縮を実装する場合は、圧縮が損失が少ない接続に依存していることを慎重に考慮する必要があります。これが、ブロードバンド接続ではデフォルトで圧縮がイネーブルになっていない主な理由です。
圧縮は、グローバル コンフィギュレーション モードで anyconnect ssl compression コマンドを使用してグローバルにオンにする必要があります。そうすることで、グループ ポリシーおよびユーザ名 webvpn モードで anyconnect ssl compression コマンドを使用して、特定のグループまたはユーザに圧縮を設定することができます。
圧縮のグローバルな変更
グローバルな圧縮の設定を変更するには、グローバル コンフィギュレーション モードで anyconnect ssl compression コマンドを使用します。
compression
no compression
このコマンドをコンフィギュレーションから削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。
次の例では、すべての SSL VPN 接続の圧縮は、グローバルにディセーブルになっています。
hostname(config)# no compression
グループおよびユーザに対する圧縮の変更
特定のグループまたはユーザに対する圧縮を変更するには、グループ ポリシーおよびユーザ名 webvpn モードで anyconnect ssl compression コマンドを使用します。
anyconnect ssl compression {deflate | none}
no anyconnect ssl compression {deflate | none}
デフォルトでは、グループおよびユーザに対する SSL 圧縮は deflate (イネーブル)に設定されています。
コンフィギュレーションから anyconnect ssl compression コマンドを削除し、グローバル設定から値が継承されるようにするには、このコマンドの no 形式を使用します。
次に、グローバル ポリシー sales の圧縮をディセーブルにする例を示します。
hostname(config)# group-policy sales attributes
hostname(config-group-policy)# webvpn
hostname(config-group-webvpn)# no anyconnect ssl compression none
MTU サイズの調整
クライアントによって確立された SSL VPN 接続の MTU サイズ(256 ~ 1406 バイト)は、グループ ポリシー webvpn またはユーザ名 webvpn コンフィギュレーション モードで anyconnect mtu コマンドを使用して調整できます。
[no]anyconnect mtu size
このコマンドは、AnyConnect クライアントのみに影響します。レガシー Cisco SSL VPN クライアント(SVC)は、さまざまな MTU サイズに調整できません。
デフォルトのグループ ポリシーでのこのコマンドのデフォルトは、 no anyconnect mtu です。MTU サイズは、接続で使用されているインターフェイスの MTU に基づき、IP/UDP/DTLS のオーバーヘッドを差し引いて、自動的に調整されます。
このコマンドは、SSL で確立されたクライアント接続、および SSL with DTLS で確立されたクライアント接続に影響を与えます。
例
次の例では、グループ ポリシー telecommuters の MTU サイズを 1200 バイトに設定します。
hostname(config)# group-policy telecommuters attributes
hostname(config-group-policy)# webvpn
hostname(config-group-webvpn)#anyconnect mtu 1200
AnyConnect クライアント イメージのアップデート
ASAのクライアント イメージは、次の手順を使用していつでもアップデートできます。
ステップ 1
特権 EXEC モードで
copy コマンドを使用して、または別の方法で新しいクライアント イメージをASAにコピーします。
ステップ 2 新しいクライアント イメージ ファイルの名前がすでにロードされているファイルと同じファイル名の場合は、コンフィギュレーションにある anyconnect image コマンドを再入力します。新しいファイル名が異なっている場合は、 no anyconnect image コマンドを使用して古いファイルをアンインストールします。次に、 anyconnect image コマンドを使用して、イメージに順序を割り当て、ASA が新しいイメージをロードするようにします。
IPv6 VPN アクセスのイネーブル化
IPv6 アクセスを設定する場合は、コマンドライン インターフェイスを使用します。ASA のリリース 9.0 (x)では、外部インターフェイスへの IPv6 VPN 接続(SSL および IKEv2/IPsec プロトコルを使用)のサポートが追加されています。
IPv6 アクセスをイネーブルにするには、SSL VPN 接続のイネーブル化の一部として ipv6 enable コマンドを使用します。次は、外部インターフェイスで IPv6 をイネーブルにする IPv6 接続の例です。
hostname(config)# interface GigabitEthernet0/0
hostname(config-if)# ipv6 enable
IPV6 SSL VPN をイネーブルにするには、次の一般的なアクションを実行します。
1. 外部インターフェイスで IPv6 をイネーブルにする。
2. 内部インターフェイスで IPv6 および IPv6 アドレスをイネーブルにする。
3. クライアント割り当て IP アドレス用に IPv6 アドレス ローカル プールを設定する。
4. IPv6 トンネルのデフォルト ゲートウェイを設定する。
この手順を実装するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 インターフェイスを設定します。
interface GigabitEthernet0/0
ip address 192.168.0.1 255.255.255.0
ipv6 enable ; Needed for IPv6.
interface GigabitEthernet0/1
ip address 10.10.0.1 255.255.0.0
ipv6 address 2001:DB8::1/32 ; Needed for IPv6.
ipv6 enable ; Needed for IPv6.
ステップ 2 「ipv6 local pool」(IPv6 アドレスの割り当てに使用)を設定します。
ipv6 local pool ipv6pool 2001:DB8:1:1::5/32 100 ; Use your IPv6 prefix here
(注) AnyConnect クライアントに IPv4 アドレスと IPv6 アドレスの一方または両方を割り当てるように ASA を設定できます。このようにするには、ASA 上で内部的なアドレス プールを作成するか、ASA 上のローカル ユーザに専用アドレスを割り当てます。
ステップ 3 ipv6 アドレス プールをトンネルグループ ポリシー(またはグループ ポリシー)に追加します。
tunnel-group YourTunGrp1 general-attributes ipv6-address-pool ipv6pool
(注) ここでは「address-pool」コマンドを使用して IPv4 アドレス プールも設定する必要があります。
ステップ 4 IPv6 トンネルのデフォルト ゲートウェイを設定します。
ipv6 route inside ::/0 X:X:X:X::X tunneled