AnyConnect プロファイルの設定と編集
Cisco AnyConnect Secure Mobility Client ソフトウェア パッケージ バージョン 2.5 以降(すべてのオペレーティング システム用)にはプロファイル エディタが含まれています。プロファイル エディタは、ASA 上で AnyConnect ソフトウェア パッケージを SSL VPN クライアント イメージとしてロードした時点で ASDM によりアクティブ化されます。
複数の AnyConnect パッケージをロードした場合は、最新の AnyConnect パッケージからプロファイル エディタがロードされます。これによりエディタには、旧バージョンのクライアントで使用される機能に加え、ロードされた最新の AnyConnect で使用される機能が表示されます。
(注) 手動で VPN プロファイルを配置している場合、ASA にプロファイルをアップロードする必要があります。クライアント システムが接続する場合、クライアントのプロファイルが ASA のプロファイルに一致することを AnyConnect が確認します。
無効化されたプロファイルのアップデートがあり、ASA プロファイルがクライアントと異なる場合、手動で展開したプロファイルは動作しません。
プロファイル エディタをアクティブ化し、ASDM でプロファイルを作成および編集するには、次の手順に従います。
ステップ 1
まだ実行していない場合は、AnyConnect クライアント イメージとして AnyConnect ソフトウェアパッケージをロードします。
ステップ 2 [設定(Configuration)] > [リモート アクセス VPN(Remote Access VPN)] > [ネットワーク(クライアント)アクセス(Network (Client) Access)] > [AnyConnect クライアント プロファイル(AnyConnect Client Profile)] を選択します。[AnyConnect クライアント プロファイル(AnyConnect Client Profile)] ペインが開きます。
ステップ 3 [追加(Add)] をクリックします。
図 3-1 AnyConnect プロファイルの追加
ステップ 4 プロファイル名を指定します [プロファイル ロケーション(Profile Location)] で別の値を指定しない限り、ASDM では XML ファイルが ASA のフラッシュ メモリ上に同じ名前で作成されます。
(注) 名前を指定するときに、.xml 拡張子は含めないでください。プロファイルに example.xml という名前を付けた場合、ASDM により自動的に .xml 拡張子が追加されて、名前が example.xml.xml に変更されます。この場合、ASA の [プロファイル ロケーション(Profile Location)] フィールドで名前を example.xml に変更しても、リモート アクセスで AnyConnect に接続したときに、名前は example.xml.xml に戻ってしまいます。(.xml 拡張子の重複により)AnyConnect がプロファイル名を認識できない場合、IKEv2 接続は失敗する場合があります。
ステップ 5 グループ ポリシーを選択します(任意)。ASA は、このプロファイルをグループ ポリシー内の全 AnyConnect ユーザに適用します。
ステップ 6 [OK] をクリックします。ASDM によりプロファイルが作成され、そのプロファイルはプロファイル テーブルに表示されます。
ステップ 7 作成されたばかりのプロファイルをプロファイル テーブルから選択します。[編集(Edit)] をクリックします。プロファイル エディタの各ペインで、AnyConnect 機能を有効にします。
ステップ 8 終了したら、[OK] をクリックします。
図 3-2 プロファイルの編集
AnyConnect プロファイルの展開
プロファイルは、ASDM または ASA コマンドライン インターフェイスでインポートできます。
(注) クライアント GUI に、最初の VPN 接続でユーザが制御可能な設定がすべて表示されるように、プロファイルのホスト リストには ASA を含める必要があります。ASA のアドレスまたは FQDN をホスト エントリとしてプロファイルに追加していない場合、フィルタがセッションに適用されません。たとえば、証明書照合を作成し、証明書が基準と適切に一致した場合でも、プロファイルに ASA をホスト エントリとして追加しなかった場合、この証明書照合は無視されます。プロファイルへのホスト エントリの追加に関する詳細については、「サーバ リストの設定」を参照してください。
AnyConnect にプロファイルを展開するには、次の手順に従って ASA を設定します。
ステップ 1 キャッシュ メモリにロードする AnyConnect プロファイル ファイルを特定します。
[設定(Configuration)] > [リモート アクセス VPN(Remote Access VPN)] > [ネットワーク(クライアント)アクセス(Network (Client) Access)] > [詳細(Advanced)] > [クライアント設定(Client Settings)] を選択します。
ステップ 2 [SSL VPN クライアント プロファイル(SSL VPN Client Profiles)] エリアで [追加(Add)] をクリックします。
図 3-3 AnyConnect プロファイルの追加
ステップ 3 プロファイル名およびプロファイル パッケージ名を対応するフィールドに入力します。プロファイル パッケージ名を参照するには、[フラッシュの参照(Browse Flash)] をクリックします。
図 3-4 [フラッシュの参照(Browse Flash)] ダイアログボックス
ステップ 4 テーブルからファイルを選択します。ファイル名が、テーブルの下の [ファイル名(File Name)] フィールドに表示されます。
ステップ 5 [OK] をクリックします。選択したファイル名が、[SSL VPN クライアント プロファイルの追加(Add SSL VPN Client Profiles)] ダイアログボックスまたは [SSL VPN クライアント プロファイルの編集(Edit SSL VPN Client Profiles)] ダイアログボックスの [プロファイル パッケージ(Profile Package)] フィールドに表示されます。
ステップ 6 [SSL VPN クライアント プロファイルの追加(Add SSL VPN Client Profiles)] または [SSL VPN クライアント プロファイルの編集(Edit SSL VPN Client Profiles)] ダイアログボックスで、[OK] をクリックします。これによって、AnyConnect ユーザのグループ ポリシーおよびユーザ名の属性にプロファイルを使用できるようになります。
ステップ 7 グループ ポリシーのプロファイルを指定するには、[設定(Configuration)] > [リモート アクセス VPN(Remote Access VPN)] > [ネットワーク(クライアント)アクセス(Network (Client) Access)] > [グループ ポリシー(Group Policies)] > [追加(Add)] または [編集(Edit)] > [詳細(Advanced)] > [SSL VPN クライアント(SSL VPN Client)] の順に選択します。
図 3-5 グループ ポリシーに使用するプロファイルの指定
ステップ 8 [継承(Inherit)] をオフにして、ダウンロードする AnyConnect プロファイルをドロップダウン リストから選択します。
ステップ 9 設定が終了したら、[OK] をクリックします。
Start Before Logon の設定
Start Before Logon(SBL)は、Windows のログイン ダイアログボックスが表示される前に AnyConnect を開始することにより、ユーザを Windows へのログイン前に VPN 接続を介して企業インフラへ強制的に接続させます。ASA で認証が行われると、Windows ログイン ダイアログが表示され、ユーザは通常どおりにログインします。SBL は Windows でのみ使用可能で、ログイン スクリプト、パスワードのキャッシュ、ネットワーク ドライブからローカル ドライブへのマッピングなどの使用を制御できます。
(注) AnyConnect は、Windows XP x64(64 ビット)Edition 用の SBL をサポートしていません。
SBL をイネーブルにする理由としては、次のものがあります。
• ユーザのコンピュータに Active Directory インフラストラクチャを導入済みである。
• コンピュータのキャッシュにクレデンシャルを入れることができない(グループ ポリシーでキャッシュのクレデンシャル使用が許可されない場合)。
• ネットワーク リソースから、またはネットワーク リソースへのアクセスを必要とする場所からログイン スクリプトを実行する必要がある。
• ネットワークでマッピングされるドライブを使用し、Microsoft Active Directory インフラストラクチャの認証を必要とする。
• インフラストラクチャとの接続を必要とする場合があるネットワーキング コンポーネント(MS NAP/CS NAC など)が存在する。
SBL 機能をイネーブルにするには、AnyConnect プロファイルを変更して、ASA が SBL 用の AnyConnect モジュールをダウンロードできるようにする必要があります。
SBL に必要な設定は、この機能をイネーブルにすることだけです。ログイン前に実施されるこのプロセスは、ネットワーク管理者がそれぞれの状況の要件に基づいて処理します。ログイン スクリプトは、ドメインまたは個々のユーザに割り当てることができます。通常ドメインの管理者は、バッチ ファイルまたはそれに類するものを Microsoft Active Directory のユーザまたはグループに定義しています。ユーザがログインするとすぐに、ログイン スクリプトが実行されます。
SBL を使用すると、ローカルの社内 LAN 上にあるものと同等のネットワークを構成できます。たとえば、SBL を有効にすると、ユーザはローカルのインフラストラクチャにアクセスできるため、通常はオフィス内のユーザが実行するログイン スクリプトをリモート ユーザからも使用できるようになります。これには、ドメイン ログイン スクリプト、グループ ポリシー オブジェクト、およびユーザがシステムにログインするときに通常実行されるその他の Active Directory 機能が含まれます。
これ以外の例として、コンピュータへのログインに使用するキャッシュ クレデンシャルを許可しないようにシステムを設定する場合があります。このシナリオでは、コンピュータへのアクセスが許可される前にユーザのクレデンシャルが確認されるようにするため、ユーザは社内ネットワーク上のドメイン コントローラと通信できることが必要です。
SBL は、呼び出されたときにネットワークに接続されている必要があります。場合によっては、ワイヤレス接続がワイヤレス インフラストラクチャに接続するユーザのクレデンシャルに依存するために、接続できないことがあります。このシナリオでは、ログインのクレデンシャル フェーズよりも SBL モードが優先されるため、接続できません。このような場合に SBL を機能させるには、ログインを通してクレデンシャルをキャッシュするようにワイヤレス接続を設定するか、またはその他のワイヤレス認証を設定する必要があります。ネットワーク アクセス マネージャがインストールされている場合、マシン接続を展開して、適切な接続を確実に使用できるようにする必要があります。詳細については、「ネットワーク アクセス マネージャの設定」を参照してください。
AnyConnect は、高速ユーザ切り替えと互換性がありません。
ここでは、次の内容について説明します。
• 「Start Before Logon コンポーネントのインストール(Windows のみ)」
• 「Windows 7 システムおよび Windows Vista システムでの Start Before Logon(PLAP)の設定」
Start Before Logon コンポーネントのインストール(Windows のみ)
Start Before Logon コンポーネントは、コア クライアントのインストール 後 にインストールする必要があります。さらに、2.5 の Start Before Logon コンポーネントの場合は、バージョン 2.5 以降のコア クライアント ソフトウェアのインストールが必要です。MSI ファイルを使用して AnyConnect および Start Before Logon コンポーネントを事前に展開する場合(Altiris、Active Directory、SMS など独自のソフトウェア展開手段を持つ大企業の場合など)は、正しい順序でインストールする必要があります。インストールの順序は、Web 展開または Web 更新されている AnyConnect を管理者がロードした時点で自動的に処理されます。
(注) AnyConnect は、サードパーティの Start Before Logon アプリケーションでは起動できません。
Windows のバージョン違いによる Start Before Logon の差異
Windows 7 および Vista システムでは、SBL のイネーブル化の手順が一部異なります。Vista よりも前のシステムでは、VPNGINA(virtual private network graphical identification and authentication の略称)というコンポーネントにより SBL が実装されていました。Windows 7 および Vista システムでは、SBL の実装に PLAP という名前のコンポーネントが使用されます。
AnyConnect では、Windows 7 または Vista の SBL 機能は Pre-Login Access Provider(PLAP)と呼ばれます。これは、接続可能なクレデンシャル プロバイダーです。この機能を使用すると、ネットワーク管理者は、クレデンシャルの収集やネットワーク リソースへの接続など特定のタスクをログイン前に実行することができます。Windows 7 および Windows Vista の SBL 機能は、PLAP により実現されます。PLAP は、vpnplap.dll を使用する 32 ビット版のオペレーティング システムと、vpnplap64.dll を使用する 64 ビット版のオペレーティング システムをサポートしています。PLAP 機能は、Windows 7 および Vista の x86 バージョンおよび x64 バージョンをサポートします。
(注) この項で説明する VPNGINA とは Vista 以前のプラットフォームの Start Before Logon 機能を指し、PLAP は Windows 7 および Vista システムの Start Before Logon 機能を指します。
GINA は、ユーザが Ctrl キー、Alt キー、および Del キーを同時に押すと起動します。PLAP では、Ctrl キー、Alt キー、および Del キーを同時に押すとウィンドウが表示され、そこでシステムにログインするか、ウィンドウの右下隅にある [ネットワーク接続(Network Connect)] ボタンで任意のネットワーク接続(PLAP コンポーネント)を起動するかを選択できます。
以下の項では、VPNGINA と PLAP SBL の設定および手順について説明します。Windows 7 プラットフォームまたは Windows Vista プラットフォームにおける SBL 機能(PLAP)の有効化および使用に関する詳細については、「Windows 7 システムおよび Windows Vista システムでの Start Before Logon(PLAP)の設定」を参照してください。
AnyConnect プロファイルでの SBL のイネーブル化
AnyConnect プロファイルで SBL をイネーブルにする手順は次のとおりです。
ステップ 1
ASDM からプロファイル エディタを起動します(
「AnyConnect プロファイルの設定と編集」を参照)。
ステップ 2 [プリファレンス(Preferences)] ペインに移動し、[ログイン前の起動の使用(Use Start Before Logon)] をオンにします。
ステップ 3 (任意)リモート ユーザが SBL の使用を制御できるようにする場合は、[ユーザ制御可(User Controllable)] をオンにします。
(注) SBL を有効にする場合は、その前にユーザがリモート コンピュータをリブートする必要があります。
セキュリティ アプライアンスでの SBL の有効化
ダウンロード時間を最小限に抑えるため、AnyConnect は、サポートされる各機能に必要なコア モジュールだけ(ASA から)ダウンロードするよう要求します。SBL を有効にするには、ASA のグループ ポリシーで、SBL モジュール名を指定する必要があります。手順は次のとおりです。
ステップ 1
[設定(Configuration)] > [リモート アクセス VPN(Remote Access VPN)] > [ネットワーク(クライアント)アクセス(Network (Client) Access)] > [グループ ポリシー(Group Policies)]
を選択します。
ステップ 2 グループ ポリシーを選択して、[編集(Edit)] をクリックします。[内部グループ ポリシーの編集(Edit Internal Group Policy)] ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 左側のナビゲーション ペインで [詳細(Advanced)] > [SSL VPN クライアント(SSL VPN Client)] の順に選択します。SSL VPN 設定が表示されます。
ステップ 4 [ダウンロードするオプションのクライアント モジュール(Optional Client Module for Download)] 設定の [継承(Inherit)] をオフにします。
ステップ 5 ドロップダウン リストで、[ログイン前の起動(Start Before Logon)] モジュールを選択します。
図 3-6 ダウンロードする SBL モジュールの指定
SBL に関するトラブルシューティング
SBL で問題が発生した場合は、次の手順に従ってください。
ステップ 1 AnyConnect プロファイルが ASA にロードされており、展開できるようになっていることを確認します。
ステップ 2 以前のプロファイルを削除します(*.xml と指定してハード ドライブ上の格納場所を検索します)。
ステップ 3 Windows の [プログラムの追加/削除(Add/Remove Programs)] を使用して SBL コンポーネントをアンインストールします。コンピュータをリブートして、再テストします。
ステップ 4 イベント ビューアでユーザの AnyConnect ログをクリアし、再テストします。
ステップ 5 Web をブラウズしてセキュリティ アプライアンスに戻り、AnyConnect を再インストールします。
ステップ 6 いったんリブートします。次回リブート時には、[ログイン前の起動(Start Before Logon)] プロンプトが表示されます。
ステップ 7 イベント ログを .evt フォーマットでシスコに送信します
ステップ 8 次のエラーが表示された場合は、ユーザの AnyConnect プロファイルを削除します。
Description: Unable to parse the profile C:\Documents and Settings\All Users\Application Data\Cisco\Cisco AnyConnect Secure Mobility Client\Profile\VABaseProfile.xml. Host data not available.
ステップ 9 .tmpl ファイルに戻って、コピーを .xml ファイルとして保存し、その XML ファイルをデフォルト プロファイルとして使用します。
Windows 7 システムおよび Windows Vista システムでの Start Before Logon(PLAP)の設定
その他の Windows プラットフォームと同じように、Start Before Logon(SBL)機能によって、ユーザが Windows にログインする前に VPN 接続が開始されます。これにより、ユーザは自分のコンピュータにログインする前に、企業のインフラストラクチャに接続されます。Microsoft の Windows 7 および Windows Vista には Windows XP とは異なるメカニズムが使用されているため、Windows 7 および Windows Vista の SBL 機能に使用されているメカニズムも異なります。
SBL AnyConnect 機能は、Pre-Login Access Provider(PLAP)と呼ばれます。これは、接続可能なクレデンシャル プロバイダーです。この機能を使用すると、プログラマチック ネットワーク管理者は、クレデンシャルの収集やネットワーク リソースへの接続など特定のタスクをログイン前に実行することができます。Windows 7 および Windows Vista の SBL 機能は、PLAP により実現されます。PLAP は、vpnplap.dll を使用する 32 ビット版のオペレーティング システムと、vpnplap64.dll を使用する 64 ビット版のオペレーティング システムをサポートしています。PLAP 機能は、x86 および x64 をサポートしています。
(注) この項では、VPNGINA は Windows XP の Start Before Logon 機能を指し、PLAP は Windows 7 および Windows Vista の Start Before Logon 機能を指します。
PLAP のインストール
vpnplap.dll および vpnplap64.dll の両コンポーネントは、既存の GINA インストール パッケージの一部になっているため、単一のアドオン SBL パッケージをセキュリティ アプライアンスにロードできます。ロードされると、該当するコンポーネントがターゲット プラットフォームにインストールされます。PLAP はオプションの機能です。インストーラ ソフトウェアは、基盤のオペレーティング システムを検出して該当する DLL をシステム ディレクトリに配置します。Windows 7 および Windows Vista よりも前のシステムでは、インストーラにより 32 ビット版のオペレーティング システムに vpngina.dll コンポーネントがインストールされます。Windows 7 または Vista、または Windows Server 2008 では、インストーラは、32 ビット版と 64 ビット版のどちらのオペレーティング システムが使用されているかを判別して、該当する PLAP コンポーネントをインストールします。
(注) VPNGINA または PLAP コンポーネントがインストールされたまま AnyConnect をアンインストールすると、VPNGINA または PLAP のコンポーネントはディセーブルとなり、リモート ユーザの画面に表示されなくなります。
PLAP は、インストールされた後でも、SBL がアクティブ化されるようにユーザ プロファイル <profile.xml> ファイルが変更されるまでアクティブ化されません。「Windows 7 システムおよび Windows Vista システムでの Start Before Logon(PLAP)の設定」を参照してください。アクティブ化後に、ユーザは [ユーザのスイッチ(Switch User)] をクリックし、さらに画面下右側の [ネットワーク接続(Network Connect)] アイコンをクリックして Network Connect コンポーネントを呼び出します。
(注) 誤ってユーザ インターフェイスの画面表示を最小化した場合は、Alt+Tab キーの組み合わせで元に戻ります。
PLAP を使用した Windows 7 または Windows Vista PC へのログイン
ユーザは、次の手順に従って PLAP をイネーブルにした状態で、Windows 7 または Windows Vista にログインできます。この手順は、Microsoft の要件です。画面の例は、Windows Vista のものです
ステップ 1 Windows のスタート画面で、 Ctrl+Alt+Delete キーの組み合わせを押します。
図 3-7 [ネットワーク接続(Network Connect)] ボタンが表示されたログイン ウィンドウの例
[ユーザのスイッチ(Switch User)] ボタンが表示された Vista のログイン ウィンドウが表示されます。
図 3-8 [ユーザのスイッチ(Switch User)] ボタンが表示されたログイン ウィンドウの例
ステップ 2 [ユーザのスイッチ(Switch User)](図内の赤丸で囲まれているボタン)をクリックします。Vista のネットワーク接続ウィンドウが表示されます。図 3-8 の中で赤丸で囲まれているのは [ネットワーク ログイン(Network Login)] アイコンです。
(注) AnyConnect 接続によってすでに接続済みのユーザが [ユーザのスイッチ(Switch User)] をクリックしても、VPN 接続は解除されません。[ネットワーク接続(Network Connect)] をクリックすると、元の VPN 接続が終了します。[キャンセル(Cancel)] をクリックすると、VPN 接続が終了します。
図 3-9 ネットワーク接続ウィンドウの例
ステップ 3 ウィンドウの右下にある [ネットワーク接続(Network Connect)] ボタンをクリックして、AnyConnect を起動します。AnyConnect のログイン ウィンドウが表示されます。
ステップ 4 この GUI を使用して通常どおりログインします。
(注) この例は、AnyConnect がただ 1 つのインストール済み接続プロバイダーであることを前提としたものです。複数のプロバイダーをインストールしている場合は、このウィンドウに表示される項目の中から、ユーザが使用するものをいずれか 1 つ選択する必要があります。
ステップ 5 接続されると、Vista のネットワーク接続ウィンドウとほぼ同じ画面が表示されます。異なるのは、右下隅に表示されるのが Microsoft の [接続解除(Disconnect)] ボタンである点です。このボタンは、正常に接続されたことを通知するためだけのものです。
図 3-10 接続解除ウィンドウの例
各ユーザのログイン用アイコンをクリックします。この例では、[VistaAdmin] をクリックするとコンピュータへのログインが完了します。
注意 接続が確立されると、ログイン時間が無制限になります。接続の確立後にユーザがログインを忘れた場合、VPN セッションは無期限に継続されます。
PLAP を使用した AnyConnect からの接続解除
VPN セッションが正常に確立されると、PLAP コンポーネントは元のウィンドウに戻ります。このときウィンドウの右下隅には [接続解除(Disconnect)] ボタン(図 3-10 の丸印で囲まれたボタン)が表示されます。
[接続解除(Disconnect)] をクリックすると、VPN トンネルが接続解除されます。
トンネルは、[接続解除(Disconnect)] ボタンの操作によって明示的に接続解除される以外に、次のような状況でも接続解除されます。
• ユーザが PLAP を使用して PC にログインした後で [キャンセル(Cancel)] を押した。
• ユーザがシステムへログインする前に PC がシャットダウンした。
この動作は、Windows Vista PLAP アーキテクチャの機能であり、AnyConnect の機能ではありません。
Trusted Network Detection
Trusted Network Detection(TND)を使用すると、ユーザが企業ネットワークの中(信頼ネットワーク)にいる場合は AnyConnect により自動的に VPN 接続が解除され、企業ネットワークの外(非信頼ネットワーク)にいる場合は自動的に VPN 接続が開始されるようにすることができます。この機能を使用すると、ユーザが信頼ネットワークの外にいるときに VPN 接続を開始することによって、セキュリティ意識を高めることができます。
さらに AnyConnect で Start Before Logon(SBL)が実行されている場合は、ユーザが信頼ネットワークの中に移動した時点で、コンピュータ上に表示されている SBL ウィンドウが自動的に閉じます。
TND を使用している場合でも、ユーザが手動で VPN 接続を確立することは可能です。信頼ネットワークの中でユーザが手動で開始した VPN 接続は解除されません。TND で VPN セッションが接続解除されるのは、最初に非信頼ネットワークにいたユーザが信頼ネットワークに移動した場合だけです。たとえば、ユーザが自宅で VPN 接続を確立した後で会社に移動すると、この VPN セッションは TND によって接続解除されます。
TND 機能では AnyConnect の GUI を制御することで接続が自動的に開始されるため、GUI を常に実行している必要があります。ユーザが GUI を終了した場合、TND によって VPN 接続が自動的に開始されることはありません。
TND は AnyConnect VPN Client プロファイルに設定します。ASA の設定を変更する必要はありません。
Trusted Network Detection の要件
TND は、Microsoft Windows 7、Vista、XP、および Mac OS X 10.5、10.6、10.7 が実行されているコンピュータのみサポートしています。
Trusted Network Detection の設定
クライアント プロファイルで TND の設定を行う手順は次のとおりです。
ステップ 1
ASDM
からプロファイル エディタを起動します(
「AnyConnect プロファイルの設定と編集」を参照)。
ステップ 2 [プリファレンス(Part 2)(Preferences (Part 2))] ペインに移動します。
ステップ 3 [自動 VPN ポリシー(Automatic VPN Policy)] をオンにします。
(注) [自動 VPN ポリシー(Automatic VPN Policy)] の設定にかかわらず、ユーザは VPN 接続を手動で制御できます。
ステップ 4 ユーザが企業ネットワークの中(信頼ネットワーク)にいる場合のクライアントの動作を規定する信頼ネットワーク ポリシーを選択します。次のオプションがあります。
• [接続解除(Disconnect)]:信頼ネットワークではクライアントにより VPN 接続が終了します。
• [接続(Connect)]:信頼ネットワークではクライアントにより VPN 接続が開始されます。
• [何もしない(Do Nothing)]:信頼ネットワークではクライアントの動作はありません。[信頼されたネットワークポリシー(Trusted Network Policy)] および [信頼されていないネットワークポリシー(Untrusted Network Policy)] を共に [何もしない(Do Nothing)] に設定すると、Trusted Network Detection(TND)は無効となります。
• [一時停止(Pause)]:ユーザが信頼ネットワークの外で VPN セッションを確立した後に、信頼済みとして設定されたネットワークに入った場合、AnyConnect は VPN セッションを(接続解除ではなく)一時停止します。ユーザが再び信頼ネットワークの外に出ると、そのセッションは AnyConnect により再開されます。この機能を使用すると、信頼ネットワークの外へ移動した後に新しい VPN セッションを確立する必要がなくなるため、ユーザにとっては有用です。
ステップ 5 ユーザが企業ネットワークの外にいる場合のクライアントの動作を規定する非信頼ネットワーク ポリシーを選択します。次のオプションがあります。
• [接続(Connect)]:非信頼ネットワークが検出されるとクライアントにより VPN 接続が開始されます。
• [何もしない(Do Nothing)]:非信頼ネットワークが検出されるとクライアントにより VPN 接続が開始されます。このオプションを選択すると、常時接続 VPN は無効となります。[信頼されたネットワークポリシー(Trusted Network Policy)] および [信頼されていないネットワークポリシー(Untrusted Network Policy)] を共に [ 何もしない(Do Nothing) ] に設定すると、Trusted Network Detection は無効となります。
ステップ 6 クライアントが信頼ネットワーク内に存在する場合にネットワーク インターフェイスに割り当てることができる DNS サフィックス(カンマ区切りの文字列)を指定します。スプリット DNS リストに追加しても、複数の DNS サフィックスを割り当てることができます。DNS サフィックスの照合の例については、 表 3-1 を参照してください。
AnyConnect クライアントは、次の順序で DNS サフィックスのリストを構築します。
• ヘッド エンドから渡されたドメイン
• ヘッド エンドから渡されたスプリット DNS リスト
• 設定されている場合、パブリック インターフェイスの DNS サフィックス。設定されていない場合は、プライマリ DNS サフィックスの親サフィックスをともなうプライマリおよび接続固有のサフィックス(対応するボックスが拡張 TCP/IP 設定でオンの場合)
ステップ 7 信頼 DNS サーバを指定します。ここでは、クライアントが信頼ネットワーク内に存在する場合にネットワーク インターフェイスに割り当てることができるすべての DNS サーバ アドレス(カンマ区切りの文字列)を指定します。たとえば 161.44.124.* や 64.102.6.247 などです。DNS サーバ アドレスでは、ワイルドカード(*)がサポートされます。
(注) TND を機能させるためには、すべての DNS サーバを指定する必要があります。TrustedDNSDomains と TrustedDNSServers の両方を設定した場合は、セッションが両方の設定に一致していないと、信頼ネットワークの中にあると見なされません。
表 3-1 DNS サフィックスの一致の例
|
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cisco.com(単独) |
*cisco.com |
cisco.com および anyconnect.cisco.com |
*.cisco.com または cisco.com、anyconnect.cisco.com |
asa.cisco.com および anyconnect.cisco.com |
*.cisco.com または asa.cisco.com、anyconnect.cisco.com |
DNS サフィックスでは、ワイルドカード(*)がサポートされます。
TND と複数のプロファイルで複数のセキュリティ アプライアンスに接続するユーザ
ユーザのコンピュータ上に複数のプロファイルがあると、ユーザが TND の有効なセキュリティ アプライアンスから TND が有効でないセキュリティ アプライアンスへ接続を変更する際に問題が発生することがあります。ユーザが TND の有効なセキュリティ アプライアンスに接続していた場合、そのユーザは TND が有効なプロファイルを受け取っています。そのユーザが、信頼ネットワークの外でコンピュータをリブートすると、TND が有効であるクライアントの GUI が表示され、最後に接続していたセキュリティ アプライアンスへの接続が試行されますが、このセキュリティ アプライアンスでは、TND が有効でない可能性があります。
クライアントが TND の有効なセキュリティ アプライアンスに接続している場合、ユーザが TND の有効でない ASA に接続するためには、手動で接続解除してから、TND の有効でないセキュリティ アプライアンスに接続する必要があります。ユーザが TND の有効なセキュリティ アプライアンスと TND が有効でないセキュリティ アプライアンスのどちらにも接続する可能性がある場合は、TND を有効にする前にこの問題を考慮してください。
この問題を回避する手段としては、次のような対策が考えられます。
• 企業ネットワーク上にあるすべての ASA にロードされるクライアント プロファイルで、TND をイネーブルにする。
• すべての ASA がリストされた 1 つのプロファイルをホスト エントリ セクションに作成し、このプロファイルをすべての ASA にロードする。
• 複数の異なるプロファイルが必要ない場合は、すべての ASA のプロファイルに同じプロファイル名を使用する。既存のプロファイルは各 ASA により上書きされます。
常時接続 VPN
ユーザがコンピュータにログインすると VPN セッションが自動的に確立されるように AnyConnect の設定を行うことができます。VPN セッションは、ユーザがコンピュータからログアウトするか、セッション タイマーまたはアイドル セッション タイマーが期限に達するまでは開いた状態が維持されます。これらのタイマーの値は、セッションに割り当てられたグループ ポリシーに指定されます。AnyConnect と ASA の接続が解除されても、このいずれかのタイマーが期限に達しない限り、ASA およびクライアントではセッションに割り当てられたリソースが保持されます。AnyConnect では、セッションが開いている場合は、それを再アクティブ化するために接続の再確立が継続して試行され、セッションが開いていない場合は、新しい VPN セッションの確立が継続的に試行されます。
(注) 常時接続がオンであっても、ユーザがログインしていない場合は、AnyConnect は VPN 接続を確立しません。AnyConnect が VPN 接続を確立するのは、ログイン後に限られます。
(ログイン後の)常時接続 VPN では、コンピュータが信頼ネットワーク内に存在しない場合にはインターネット リソースへのアクセスを制限することによってセキュリティ上の脅威からコンピュータを保護するという企業ポリシーが適用されます。
注意 現在、常時接続 VPN では、プロキシを介した接続はサポートされていません。
AnyConnect では、プロファイルで常時接続 VPNが検出されると、エンドポイントを保護するためにその他の AnyConnect プロファイルがすべて削除され、ASA に接続するよう設定されたパブリック プロキシはいずれも無視されます。
脅威に対する保護を強化するためにも、常時接続 VPNの設定を行う場合は、次のような追加的な保護対策を講じることを推奨します。
• 常時接続 VPN が設定されたプロファイルをエンドポイントに事前に展開し、事前定義された ASA への接続を制限します。事前展開により、不正なサーバへのアクセスを防止することができます。
• ユーザが処理を終了できないように管理者権限を制限します。管理者権限を持つ PC ユーザは、エージェントを停止することにより、常時接続 VPN ポリシーを無視することができます。常時接続 VPN の安全性を十分に確保する必要がある場合は、ユーザに対してローカル管理者権限を付与しないでください。
• Windows コンピュータ上で次のフォルダまたはシスコ サブフォルダへのアクセスを制限します。
– Windows XP ユーザの場合:C:\Document and Settings\All Users
– Windows Vista ユーザおよび Windows 7 ユーザの場合:C:\ProgramData
限定的な権限または標準的な権限を持つユーザは、それぞれのプログラム データ フォルダに対して書き込みアクセスを実行できる場合があります。このアクセスを使用すれば、AnyConnect プロファイル ファイルを削除できるため、常時接続機能を無効にすることができます。
• Windows ユーザのグループ ポリシー オブジェクト(GPO)を事前に展開して、限定的な権限を持つユーザが GUI を終了できないようにします。Mac OS ユーザに対してもこれに相当するものを事前に展開します。
常時接続 VPN の要件
常時接続 VPN をサポートするためには、次のライセンスのうちいずれか 1 つが必要です。
• AnyConnect Premium(SSL VPN Edition)
• Cisco AnyConnect セキュア モビリティ
Cisco AnyConnect セキュア モビリティ ライセンスを、AnyConnect Essentials ライセンスまたは AnyConnect Premium ライセンスのどちらかと組み合わせて使用することにより、常時接続 VPN をサポートできます。
• 常時接続 VPN を使用するには、ASA 上に有効なサーバ証明書が設定されている必要があります。設定されていない場合、VPN 常時接続は失敗し、その証明書が無効であることを示すイベントがログに記録されます。
常時接続 VPN を設定する場合は、ご使用のサーバ証明書がストリクト モードに合格できることを確認してください。
常時接続 VPN は、Microsoft Windows 7、Vista、XP、および Mac OS X 10.5、10.6、10.7 が実行されているコンピュータのみサポートしています。
不正なサーバへの VPN 接続をロックする常時接続 VPN プロファイルをダウンロードできないようにするため、AnyConnect クライアントでは、セキュア ゲートウェイに接続する際、有効で信頼できるサーバ証明書が必要となります。認証局(CA)からデジタル証明書を購入し、それをセキュア ゲートウェイ上に登録することを強く推奨します。
自己署名証明書を生成すると、接続するユーザには証明書の警告が表示されます。この場合は、その証明書を信頼するようにブラウザを設定すると、それ以降は警告が表示されないようにすることができます。
(注) 自己署名証明書の使用はお勧めしません。理由は、ユーザが誤って不正なサーバ上の証明書を信頼するようにブラウザを設定する可能性があるため、また、ユーザがセキュア ゲートウェイに接続する際に、セキュリティ警告に応答する手間がかかるためです。
ASDM では、ASA 上でのこの問題を解決できるよう、[アイデンティティ証明書(Identity Certificates)] パネル([設定(Configuration)] > [リモート アクセス VPN(Remote Access VPN)] > [証明書の管理(Certificate Management)] > [アイデンティティ証明書(Identity Certificates)])に、公開証明書を容易に登録するための [ASA SSL VPN を Entrust で登録(Enroll ASA SSL VPN with Entrust)] ボタンが用意されています。このパネルにある [追加(Add)] ボタンを使用すると、ファイルから公開証明書をインポートするか、または自己署名証明書を生成することができます。
図 3-11 公開証明書の登録(画面は ASDM 6.3)
(注) これらの手順は、証明書の設定に関するガイドラインとして記載されたものです。詳細については、ASDM の [ヘルプ(Help)] ボタンをクリックするか、設定するセキュア ゲートウェイ用の ASDM または CLI ガイドを参照してください。
自己署名インターフェイスを生成する場合は、[詳細(Advanced)] ボタンを使用して、outside インターフェイスのドメイン名および IP アドレスを指定します。
図 3-12 自己署名証明書の生成(画面は ASDM 6.3)
証明書を登録したら、それを outside インターフェイスに割り当てます。その手順として、[設定(Configuration)] > [リモート アクセス VPN(Remote Access VPN)] > [詳細(Advanced)] > [SSL 設定(SSL Settings)] を選択し、[証明書(Certificates)] エリアで「outside」エントリを編集して、[登録済みプライマリ証明書(Primary Enrolled Certificate)] ドロップダウン リストから証明書を選択します。
図 3-13 outside インターフェイスへの証明書の割り当て(画面は ASDM 6.3)
すべてのセキュア ゲートウェイに証明書を追加し、それを outside インターフェイスの IP アドレスに関連付けます。
サーバ リストへのロードバランシング バックアップ クラスタ メンバーの追加
常時接続 VPN は、AnyConnect VPN セッションのロード バランシングに影響を与えます。常時接続 VPN をディセーブルにした状態では、クライアントからロードバランシング クラスタ内のマスター デバイスに接続すると、クライアントはマスター デバイスから任意のバックアップ クラスタ メンバーにリダイレクトされます。常時接続 VPN を有効にすると、クライアント プロファイルのサーバ リスト内にバックアップ クラスタ メンバーのアドレスが指定されていない限り、クライアントがマスター デバイスからリダイレクトされることはありません。このため、サーバ リストにはいずれかのバックアップ クラスタ メンバーを必ず追加するようにしてください。
クライアント プロファイルにバックアップ クラスタ メンバーのアドレスを指定する場合は、ASDM を使用してロードバランシング バックアップ サーバ リストを追加します。手順は次のとおりです。
ステップ 1
ASDM からプロファイル エディタを起動します(
「AnyConnect プロファイルの設定と編集」を参照)。
ステップ 2 [サーバ リスト(Server List)] ペインに移動します。
ステップ 3 ロードバランシング クラスタのマスター デバイスであるサーバを選択して、[編集(Edit)] をクリックします。
ステップ 4 いずれかのロードバランシング クラスタ メンバーの FQDN または IP アドレスを入力します。
常時接続 VPN の設定
コンピュータが非信頼ネットワーク内に存在することが検知された場合に限って VPN セッションが自動的に確立されるよう AnyConnect を設定する手順は次のとおりです。
ステップ 1 「Trusted Network Detection の設定」に従って、Trusted Network Detection を設定します。
ステップ 2 [Always On] をオンにします。
常時接続 VPN からユーザを除外するポリシーの設定
常時接続 VPN は、デフォルトでは無効になっています。常時接続ポリシーに優先して適用される除外規定を設定することができます。たとえば、特定のユーザに対して他社との VPN セッションを確立できるようにしつつ、企業外資産に対しては常時接続 VPN ポリシーを除外するという場合があります。
グループ ポリシーおよびダイナミック アクセス ポリシーで VPN 常時接続パラメータを設定すると、常時接続ポリシーを上書きすることができます。これにより、ポリシーの割り当てに使用される一致基準に従って例外を指定できます。AnyConnect ポリシーでは常時接続 VPN が有効になっているが、ダイナミック アクセス ポリシーまたはグループ ポリシーでは無効になっている場合、各新規セッションの確立に関するダイナミック アクセス ポリシーまたはグループ ポリシーが基準と一致すれば、クライアントでは現在以降の VPN セッションに対して無効の設定が保持されます。
次に、AAA またはエンドポイント条件を使用して企業外資産へのセッションを照合するダイナミック アクセス ポリシーを設定する手順を示します。
ステップ 1 [設定(Configuration)] > [リモート アクセス VPN(Remote Access VPN)] > [ネットワーク(クライアント)アクセス(Network (Client) Access)] > [ダイナミック アクセス ポリシー(Dynamic Access Policies)] > [追加(Add)] または [編集(Edit)] を選択します。
図 3-14 常時接続 VPN からのユーザの除外
ステップ 2 ユーザを常時接続 VPN から除外する条件を設定します。たとえば、[選択基準(Selection Criteria)] エリアを使用して、ユーザのログイン ID に一致する AAA 属性を指定します。
ステップ 3 [ダイナミック アクセス ポリシーの追加(Add Dynamic Access Policy)] ウィンドウまたは [ダイナミック アクセス ポリシーの編集(Edit Dynamic Access Policy)] ウィンドウの下半分にある [AnyConnect] タブをクリックします。
ステップ 4 [AnyConnect クライアントの常時接続 VPN(Always-On VPN for AnyConnect client)] の横にある [無効(Disable)] をクリックします。
Cisco AnyConnect Secure Mobility Client ポリシーでは常時接続 VPN が有効になっているが、ダイナミック アクセス ポリシーまたはグループ ポリシーでは無効になっている場合、各新規セッションの確立に関するダイナミック アクセス ポリシーまたはグループ ポリシーが基準と一致すれば、クライアントでは現在以降の VPN セッションに対して無効の設定が保持されます。
常時接続 VPN 用の [接続解除(Disconnect)] ボタン
AnyConnect は、常時接続 VPN セッション用の [接続解除(Disconnect)] ボタンをサポートしています。これを有効にすると、AnyConnect では VPN セッションが確立された時点で [接続解除(Disconnect)] ボタンが表示されます。常時接続 VPN セッションのユーザは、[接続解除(Disconnect)] をクリックすることが必要になる場合があるため、次のような問題に対処できるよう代替セキュア ゲートウェイを選択することができます。
• 現在の VPN セッションに関するパフォーマンスの問題。
• VPN セッションが中断した後に生じる再接続の問題。
[接続解除(Disconnect)] ボタンをクリックすると、すべてのインターフェイスがロックされます。これにより、データの漏洩を防ぐことができるほか、VPN セッションの確立には必要のないインターネット アクセスからコンピュータを保護することができます。
注意 [接続解除(Disconnect)] ボタンを無効にすると、VPN アクセスが妨害または阻止されることがあります。
常時接続 VPN セッション中にユーザが [接続解除(Disconnect)] ボタンをクリックすると、AnyConnect ではすべてのインターフェイスがロックされます。これにより、データの漏洩を防ぐことができるほか、VPN セッションの確立には必要のないインターネット アクセスからコンピュータを保護することができます。AnyConnect では、接続障害ポリシーの内容にかかわらず、すべてのインターフェイスがロックされます。
注意 [接続解除(Disconnect)] ボタンをクリックすると、すべてのインターフェイスがロックされます。これにより、データの漏洩を防ぐことができるほか、VPN セッションの確立には必要のないインターネット アクセスからコンピュータを保護することができます。上述した理由により、[接続解除(Disconnect)] ボタンを無効にすると、VPN アクセスが妨害または阻止されることがあります。
[接続解除(Disconnect)] ボタンに関する要件
常時接続 VPN 用の接続解除オプションに関する要件は、「常時接続 VPN の要件」と同じです。
[接続解除(Disconnect)] ボタンの有効化/無効化
常時接続 VPN を有効すると、プロファイル エディタでは、[接続解除(Disconnect)] ボタンがデフォルトで有効になります。[接続解除(Disconnect)] ボタンの設定を表示および変更する手順は次のとおりです。
ステップ 1
ASDM からプロファイル エディタを起動します(
「AnyConnect プロファイルの設定と編集」を参照)。
ステップ 2 [プリファレンス(Part 2)(Preferences (Part 2))] ペインに移動します。
ステップ 3 [VPN の接続解除を許可(Allow VPN Disconnect)] をオンまたはオフにします。
常時接続 VPN に関する接続障害ポリシー
接続障害ポリシーでは、常時接続 VPN が有効であり、かつ AnyConnect で VPN セッションが確立できない場合(セキュア ゲートウェイが到達不能の場合など)に、コンピュータからインターネットにアクセスできるようにするかどうかを指定します。フェール クローズド ポリシーでは、VPN アクセスを除くネットワーク接続が無効になります。フェールオープンでは、インターネットまたはその他のローカル ネットワーク リソースへの接続が許可されます。AnyConnect では、接続障害ポリシーの内容にかかわらず、VPN 接続の確立が継続的に試行されます。次の表は、フェール オープン ポリシーおよびフェール クローズド ポリシーに関する説明をまとめたものです。
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フェール オープン |
AnyConnect が VPN セッションの確立または再確立に失敗しました。この障害は、セキュア ゲートウェイが使用できない場合、または AnyConnect で(空港、喫茶店、ホテルなどで使用されることの多い)キャプティブ ポータルの存在を検出できない場合に発生することがあります。 |
最大限のネットワーク アクセス権を付与することで、インターネット リソースを始めとするローカル ネットワーク リソースへのアクセスが必要なタスクをユーザが継続的に実行できるようにします。 |
VPN セッションが確立されるまで、セキュリティや保護の対策は実行できません。そのため、エンドポイント デバイスが Web ベースのマルウェアに感染する可能性があるほか、機密データが漏洩する可能性もあります。 |
フェール クローズ |
このオプションは主に、ネットワーク アクセスが常時利用できることよりもセキュリティの永続性の方が重視される、安全意識のきわめて高い組織に適しています。この点を除けば上記と同じです。 |
スプリット トンネリングにより許可されるプリンタやテザー デバイスといったローカル リソースへのアクセスを除くすべてのネットワーク アクセスが制限されます。テザー デバイスへのアクセスを除くすべてのネットワーク アクセスが制限されるため、エンドポイントは Web ベースのマルウェアから保護され、機密データの漏洩も常時防ぐことができます。 |
このオプションを選択した場合、VPN セッションが確立されるまでは、プリンタやテザー デバイスといったローカル リソースへのアクセスを除くすべてのネットワーク アクセスが制限されます。そのため、ユーザが VPN 外部のインターネット アクセスを要求したにもかかわらずセキュア ゲートウェイにアクセスできない場合には、生産性が著しく低下します。 |
注意 AnyConnect が VPN セッションの確立に失敗した場合は、接続障害クローズド ポリシーによりネットワーク アクセスは制限されます。AnyConnect では、
「キャプティブ ポータル ホットスポットの検出と修復の要件」で説明されているキャプティブ ポータルの大半が検出されます。ただし、
キャプティブ ポータルを検出できない場合は、接続障害クローズド ポリシーによりすべてのネットワーク接続が制限されます。接続障害クローズド ポリシーは、細心の注意を払って実装してください。
クローズド接続ポリシーの展開は、段階的に行うことを強く推奨します。たとえば、最初に接続障害オープン ポリシーを使用して常時接続 VPN を展開し、ユーザを通じて AnyConnect がシームレスに接続できない頻度を調査します。さらに、新機能に関心を持つユーザを対象に、小規模な接続障害クローズド ポリシーを試験的に展開しそのフィードバックを依頼します。引き続きフィードバックを依頼しながら試験的なプログラムを徐々に拡大したうえで、全面的な展開を検討します。接続障害クローズド ポリシーを展開する場合は必ず、VPN ユーザに対して接続障害クローズド ポリシーのメリットだけでなく、ネットワーク アクセスの制限についても周知してください。
接続障害ポリシーに関する要件
接続障害ポリシー機能をサポートするためには、次のライセンスのうちいずれか 1 つが必要です。
• AnyConnect Premium(SSL VPN Edition)
• Cisco AnyConnect セキュア モビリティ
Cisco AnyConnect セキュア モビリティ ライセンスを、AnyConnect Essentials ライセンスまたは AnyConnect Premium ライセンスのどちらかと組み合わせて使用することにより、接続障害ポリシーをサポートできます。
接続障害ポリシーは、Microsoft Windows 7、Vista、XP、および Mac OS X 10.5、10.6、10.7 が実行されているコンピュータのみサポートしています。
接続障害ポリシーの設定
接続障害ポリシーのデフォルト設定では、常時接続 VPN が設定され、かつ VPN が到達不能の場合、インターネット アクセスが制限されます。接続障害ポリシーの設定を行う手順は次のとおりです。
ステップ 1 TND を設定します(「Trusted Network Detection の設定」を参照)。
ステップ 2 [Always On] をオンにします。
ステップ 3 [Connect Failure Policy(接続エラーポリシー)] パラメータを次のいずれかに設定します。
• [クローズド(Closed)]:(デフォルト)セキュア ゲートウェイが到達不能の場合は、インターネット アクセスが制限されます。AnyConnect では、コンピュータが接続を許可されているセキュア ゲートウェイにバインドされていない、エンドポイントからのトラフィックをすべてブロックするパケット フィルタをイネーブルにすることで、この制限が実現されています。
キャプティブ ポータル修復(次の項で説明)は、ポリシーの一部として特にイネーブルにされていない限り、フェールクローズド ポリシーでは制限されます。クライアント プロファイルで [最後の VPN ローカル リソースの適用(Apply Last VPN Local Resources)] が有効になっている場合、制限された状態では、直近の VPN セッションにより適用されたローカル リソース ルールを適用することができます。たとえば、これらのルールにより、アクティブ シンクやローカル印刷へのアクセスを規定することができます。常時接続が有効な場合は、AnyConnect ソフトウェアのアップグレード中、ネットワークはブロックされずオープンの状態になります。[クローズド(Closed)] 設定の目的は、エンドポイントを保護するプライベート ネットワーク内のリソースが使用できない場合に、企業の資産をネットワークに対する脅威から保護することにあります。
• [オープン(Open)]:この設定では、クライアントが ASA に接続できない場合、ブラウザなどのアプリケーションによるネットワーク アクセスが許可されます。[接続解除(Disconnect)] ボタンがイネーブルで、かつユーザが [接続解除(Disconnect)] をクリックした場合は、オープン接続障害ポリシーは適用されません。
(注) ASA は、スプリット トンリングに対して IPv6 アドレスをサポートしていないため、ローカル印刷機能は IPv6 プリンタをサポートしていません。
キャプティブ ポータル ホットスポットの検出と修復
空港、喫茶店、ホテルなど、Wi-Fi や有線アクセスを提供している施設では、アクセスする前に料金を支払ったり、アクセプタブル ユース ポリシーを順守することに同意したりする必要があります。こうした施設では、 キャプティブ ポータル と呼ばれる技術を使用することにより、ユーザがブラウザを開いてアクセス条件に同意するまではアプリケーションの接続が行えないようにしています。
ここでは、キャプティブ ポータル ホットスポットの検出機能および修復機能について説明します。
キャプティブ ポータル ホットスポットの検出と修復の要件
キャプティブ ポータルの検出と修復をどちらもサポートするためには、次のライセンスのうちいずれか 1 つが必要です。
• AnyConnect Premium(SSL VPN Edition)
• Cisco AnyConnect セキュア モビリティ
Cisco AnyConnect セキュア モビリティ ライセンスを、AnyConnect Essentials ライセンスまたは AnyConnect Premium ライセンスのどちらかと組み合わせて使用することにより、キャプティブ ポータルの検出および修復をサポートできます。
キャプティブ ポータル検出および修復は、Microsoft Windows 7、Windows Vista、Windows XP、および Mac OS X 10.5、10.6、10.7 が実行されているコンピュータのみサポートしています。
キャプティブ ポータル ホットスポットの検出
AnyConnect では、接続ができない場合、その原因を問わず GUI に「Unable to contact VPN server 」というメッセージが表示されます。 VPN server は、セキュア ゲートウェイを表します。常時接続が有効であり、かつキャプティブ ポータルが存在しない場合、クライアントでは VPN への接続が継続的に試行され、それによってステータス メッセージが更新されます。
常時接続 VPN が有効であり、接続障害ポリシーがクローズで、かつキャプティブ ポータルの修復が無効の場合に、AnyConnect でキャプティブ ポータルの存在が検出されると、AnyConnect の GUI には接続および再接続のたびに次のようなメッセージが表示されます。
The service provider in your current location is restricting access to the Internet. The AnyConnect protection settings must be lowered for you to log on with the service provider. Your current enterprise security policy does not allow this.
AnyConnect によりキャプティブ ポータルの存在が検出され、かつ AnyConnect の設定が上述した内容と異なる場合、AnyConnect の GUI には接続および再接続のたびに次のようなメッセージが表示されます。
The service provider in your current location is restricting access to the Internet. You need to log on with the service provider before you can establish a VPN session. You can try this by visiting any website with your browser.
キャプティブ ポータルの検出はデフォルトで有効になっており、設定を行うことはできません。
キャプティブ ポータル検出中は、AnyConnect によりブラウザの設定が変更されることはありません。
キャプティブ ポータル ホットスポット修復
キャプティブ ポータルの修復 は、ネットワーク アクセス権を取得できるように、キャプティブ ポータルのホット スポット要件を満たすためのプロセスです。
キャプティブ ポータルの修復は、AnyConnect により実行されるものではなく、エンド ユーザによる修復の実行に依存しています。
エンド ユーザは、ホットスポット プロバイダーの要件を満たすことで、キャプティブ ポータル修復を実行します。これらの要件には、ネットワークにアクセスするための料金の支払い、アクセプタブル ユース ポリシーへの署名、その両方、またはプロバイダーが定義するその他の要件などがあります。
AnyConnect の常時接続が有効になっており、接続障害ポリシーが [クローズド(Closed)] に設定されている場合は、AnyConnect VPN Client プロファイルで、キャプティブ ポータル修復を明示的に許可する必要があります。常時接続が有効になっており、接続障害ポリシーが [オープン(Open)] に設定されている場合は、ユーザはネットワークへのアクセスを制限されることはないため、AnyConnect VPN Client プロファイルでキャプティブ ポータル修復を明示的に許可する必要はありません。
キャプティブ ポータル ホットスポット修復をサポートするための設定
常時接続機能が有効になっており、接続障害ポリシーがクローズドに設定されている場合は、AnyConnect VPN クライアント ポリシーでキャプティブ ポータル修復をイネーブルにする必要があります。接続障害ポリシーがオープンに設定されている場合は、ユーザがネットワーク アクセスを制限されることがないため、AnyConnect VPN クライアント ポリシーでその他の設定を行わなくても、キャプティブ ポータルは修復されます。
デフォルトの場合、キャプティブ ポータルの修復は無効です。キャプティブ ポータル修復をイネーブルにするには、次の作業を実行します。
ステップ 1
接続障害ポリシーの設定を行います(
「接続障害ポリシーの設定」を参照)。
ステップ 2 接続障害ポリシーをクローズドに設定した場合は、次のパラメータを設定します。
• [キャプティブポータルの修復を許可(Allow Captive Portal Remediation)]:オンにすると、クローズ接続障害ポリシーにより適用されたネットワーク アクセスの制限が Cisco AnyConnect Secure Mobility Clientにより解除されます。デフォルトの場合、このパラメータはオフになっており、セキュリティは最高度に設定されます。ただし、クライアントから VPN へ接続する必要があるにもかかわらず、キャプティブ ポータルによりそれが制限されている場合は、このパラメータをオンにする必要があります。
• [修復タイムアウト(Remediation Timeout)]:AnyConnect によりネットワーク アクセス制限が解除される時間を分単位で入力します。ユーザには、キャプティブ ポータルの要件を満たすことができるだけの十分な時間が必要です。
常時接続 VPN が有効な場合に、ユーザが [接続(Connect)] をクリックするか、または再接続が実行されると、キャプティブ ポータルが存在することを示すメッセージ ウィンドウが表示されます。この時点でユーザは、Web ブラウザ ウィンドウを開いてキャプティブ ポータルを修復することができます。
ユーザがキャプティブ ポータル ページにアクセスできない場合
ユーザがキャプティブ ポータル修復ページにアクセスできない場合は、修復できるようになるまで次の手順を試行するようユーザに指示してください。
ステップ 1 ネットワーク インターフェイスを無効にした後、再度有効にします。この操作により、キャプティブ ポータルの検出が再試行されます。
ステップ 2 修復を実行するためのブラウザを 1 つだけ残し、インスタント メッセージング プログラム、電子メール クライアント、IP Phone クライアントなど、HTTP を使用するその他のアプリケーションをすべて終了します。キャプティブ ポータルは、接続の反復試行を無視し、結果的にクライアント側でタイム アウトにすることで、「Denial of Service」攻撃を積極的に阻止することができます。HTTP 接続が多数のアプリケーションによって試行された場合、この問題の深刻度は大きくなります。
ステップ 3 ステップ 1 を再試行します。
ステップ 4 コンピュータをリスタートします。
ローカル プリンタおよびテザー デバイスをサポートしたクライアント ファイアウォール
ユーザが ASA に接続すると、すべてのトラフィックがその接続を介してトンネリングされるため、ユーザはローカル ネットワーク上のリソースにアクセスできなくなります。こうしたリソースには、ローカル コンピュータと同期するプリンタ、カメラ、テザー デバイスなどが含まれます。この問題は、クライアント プロファイルで [ローカル LAN アドレス(Local LAN Access)] を有効にすることで解消されます。ただし、ローカル ネットワークへのアクセスが無制限になるため、一部の企業ではセキュリティやポリシーについて懸念が生じる可能性があります。ASA を使用してエンドポイントの OS のファイアウォール機能を導入することにより、プリンタやテザー デバイスなど特定タイプのローカル リソースに対するアクセスを制限することができます。
そのための操作として、印刷用の特定ポートに対するクライアント ファイアウォール ルールを有効にします。クライアントでは、着信ルールと発信ルールが区別れさます。印刷機能の場合、クライアントでは発信接続に必要なポートは開放されますが、着信トラフィックはすべてブロックされます。クライアント ファイアウォールは、常時接続機能とは独立したものです。
クライアント ファイアウォール機能は、Windows 7、Vista、および XP、Mac OS X 10.5-10.8、Red Hat Enterprise Linux 5 および 6(デスクトップ)、Ubuntu 9.x、10.x でサポートされます。
(注) 管理者としてログインしたユーザは、ASA によりクライアントへ展開されたファイアウォール ルールを修正できることに注意が必要です。限定的な権限を持つユーザは、ルールを修正できません。どちらのユーザの場合も、接続が終了した時点でクライアントによりルールが再適用されます。
クライアント ファイアウォールを設定している場合、ユーザが Active Directory(AD)サーバで認証されると、クライアントでは引き続き ASA のファイアウォール ポリシーが適用されます。ただし、AD グループ ポリシーで定義されたルールは、クライアント ファイアウォールのルールよりも優先されます。
ファイアウォールの動作に関する注意事項
ここに記載したのは、AnyConnect クライアントではファイアウォールがどのように使用されるかについての注意事項です。
• ファイアウォール ルールには送信元 IP は使用されません。クライアントでは、ASA から送信されたファイアウォール ルール内の送信元 IP 情報は無視されます。送信元 IP は、ルールがパブリックかプライベートかに応じてクライアントが特定します。パブリック ルールは、クライアント上のすべてのインターフェイスに適用されます。プライベート ルールは、仮想アダプタに適用されます。
• ASA は、ACL ルールに対して数多くのプロトコルをサポートしています。ただし、AnyConnect のファイアウォール機能でサポートされているのは、TCP、UDP、ICMP、および IP のみです。クライアントでは、異なるプロトコルでルールが受信された場合、そのルールは無効なファイアウォール ルールとして処理され、さらにセキュリティ上の理由からスプリット トンネリングが無効となり、フル トンネリングが使用されます。
ただし次のように、オペレーティング システムによって動作が異なるため注意が必要です。
• Windows コンピュータの場合、Windows Firewall では拒否ルールが許可ルールに優先します。ASA により許可ルールが AnyConnect クライアントへプッシュされても、ユーザがカスタムの拒否ルールを作成していれば、AnyConnect ルールは適用されません。
• Windows Vista の場合、ファイアウォール ルールが作成されると、Windows Vista ではポート番号の範囲がカンマ区切りの文字列として認識されます。ポート範囲は、最大で 300 ポートです (1 ~ 300、5000 ~ 5300 など)。指定した範囲が 300 ポートを超える場合は、最初の 300 ポートに対してのみファイアウォール ルールが適用されます。
• ファイアウォール サービスが AnyConnect クライアントにより開始される必要がある(システムにより自動的に開始されない)Windows ユーザは、VPN 接続の確立にかなりの時間を要する場合があります。
• Mac コンピュータの場合、AnyConnect クライアントでは、ASA で適用されたのと同じ順序でルールが適用されます。グローバル ルールは必ず最後になるようにしてください。
• サードパーティ ファイアウォールの場合、AnyConnect クライアント ファイアウォールとサードパーティ ファイアウォールの双方で許可されたタイプのトラフィックのみ通過できます。AnyConnect クライアントで許可されているタイプのトラフィックであっても、サードパーティ ファイアウォールによってブロックされれば、そのトラフィックはクライアントでもブロックされます。
以下の項では、次の処理を行うための手順について説明します。
• 「ローカル プリンタをサポートするためのクライアント ファイアウォールの導入」
• 「テザー デバイスのサポート」
ローカル プリンタをサポートするためのクライアント ファイアウォールの導入
ASA は、ASA バージョン 8.3(1) 以降、および ASDM バージョン 6.3(1) 以降で、SSL VPN クライアント ファイアウォール機能をサポートしています。この項では、ローカル プリンタへのアクセスが許可されるようにクライアント ファイアウォールを設定する方法、および VPN 接続の失敗時にファイアウォールを使用するようクライアント プロファイルを設定する方法について説明します。
クライアント ファイアウォールの制限事項
クライアント ファイアウォールを使用してローカル LAN アクセスを制限する場合には次の制限事項が適用されます。
• OS の制限事項により、Windows XP が実行されているコンピュータのクライアント ファイアウォール ポリシーは、着信トラフィックに対してのみ適用されます。発信ルールおよび双方向ルールは無視されます。これには、「permit ip any any」などのファイアウォール ルールが含まれます。
• ホスト スキャンや一部のサードパーティ ファイアウォールは、ファイアウォールを妨害する可能性があります。
• ASA はスプリット トンネリングに対して IPv6 アドレスをサポートしていないため、クライアント ファイアウォールもローカル ネットワーク上の IPv6 デバイスをサポートしていません。
表 3-2 は、送信元ポートおよび宛先ポートの設定により影響を受けるトラフィックの方向をまとめたものです。
表 3-2 送信元ポート/宛先ポートと影響を受けるトラフィックの方向
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|
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特定のポート番号 |
特定のポート番号 |
着信および発信 |
範囲または「すべて」(値は 0) |
範囲または「すべて」(値は 0) |
着信および発信 |
特定のポート番号 |
範囲または「すべて」(値は 0) |
着信のみ |
範囲または「すべて」(値は 0) |
特定のポート番号 |
発信のみ |
ローカル印刷に関する ACL ルールの例
ACL AnyConnect_Client_Local_Print は、クライアント ファイアウォールを設定しやすくするために、ASDM を備えています。グループ ポリシーの [クライアント ファイアウォール(Client Firewall)] ペインのパブリック ネットワーク ルールのために ACL を選択する際は、一覧に次の ACE を含めます。
表 3-3 AnyConnect_Client_Local_Print の ACL ルール
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|
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|
すべて拒否 |
拒否 |
パブリック |
任意 |
デフォルト |
任意 |
デフォルト |
LPD |
許可 |
パブリック |
TCP |
デフォルト |
任意 |
515 |
IPP |
許可 |
パブリック |
TCP |
デフォルト |
任意 |
631 |
プリンタ |
許可 |
パブリック |
TCP |
デフォルト |
任意 |
9100 |
mDNS |
許可 |
パブリック |
UDP |
デフォルト |
224.0.0.251 |
5353 |
LLMNR |
許可 |
パブリック |
UDP |
デフォルト |
224.0.0.252 |
5355 |
NetBios |
許可 |
パブリック |
TCP |
デフォルト |
任意 |
137 |
NetBios |
許可 |
パブリック |
UDP |
デフォルト |
任意 |
137 |
(注) ローカル印刷を有効にするには、定義済み ACL ルール「allow Any Any」に対し、クライアント プロファイルの [ローカル LAN アドレス(Local LAN Access)] 機能を有効にする必要があります。
ローカル印刷サポートの設定
ローカル印刷サポートを有効にする手順は次のとおりです。
ステップ 1
グループ ポリシーで、SSL VPN クライアント ファイアウォールを有効にします。[設定(Configuration)] > [リモート アクセス VPN(Remote Access VPN)] > [ネットワーク(クライアント)アクセス(Network (Client) Access)] > [グループ ポリシー(Group Policies)] を選択します。
ステップ 2 グループ ポリシーを選択して、[編集(Edit)] をクリックします。[内部グループ ポリシーの編集(Edit Internal Group Policy)] ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 [詳細(Advanced)] > [SSL VPN クライアント(SSL VPN Client)] > [クライアント ファイアウォール(Client Firewall)] を選択します。プライベート ネットワーク ルールに対応する [管理(Manage)] をクリックします。
ステップ 4 表 3-3 にあるルールを使用して、ACL を作成し ACE を指定します。この ACL をパブリック ネットワーク ルールとして追加します。
ステップ 5 常時接続の自動 VPN ポリシーを有効にし、かつクローズド ポリシーを指定している場合、VPN 障害が発生するとユーザはローカル リソースにアクセスできません。このシナリオでは、 プロファイル エディタで [プリファレンス(Part 2)(Preferences (Part 2))] に移動し、[最後のローカル VPN リソース ルールの適用(Apply last local VPN resource rules)] をオンにするとファイアウォール ルールを適用することができます。
テザー デバイスのサポート
テザー デバイスをサポートして企業ネットワークを保護する場合は、グループ ポリシーで標準的な ACL を作成し、テザー デバイスで使用する宛先アドレスの範囲を指定します。さらに、トンネリング VPN トラフィックから除外するネットワーク リストとしてスプリット トンネリング用の ACL を指定します。また、VPN 障害時には最後の VPN ローカル リソース ルールが使用されるようにクライアント プロファイルを設定することも必要です。
ステップ 1
ASDM で、[グループ ポリシー(Group Policy)] > [詳細(Advanced)] > [スプリット トンネリング(Split Tunneling)] を選択します。
ステップ 2 [ネットワーク リスト(Network List)] フィールドの横にある [管理(Manage)] をクリックします。ACL Manager が表示されます。
ステップ 3 [標準 ACL(Standard ACL)] タブをクリックします。
ステップ 4 [追加(Add)] をクリックし、さらに [ACL の追加(Add ACL)] をクリックします。新しい ACL の名前を指定します。
ステップ 5 テーブルで新しい ACL を選択して、[追加(Add)] をクリックし、さらに [ACE の追加(Add ACE)] をクリックします。[ACE の編集(Edit ACE)] ウィンドウが表示されます。
ステップ 6 [アクション(Action)] で [許可(Permit)] オプション ボタンを選択します。[宛先(Destination)] に 169.254.0.0 と指定します。[サービス:(Service:)] に対して IP を選択します。[OK] をクリックします。
ステップ 7 [スプリット トンネリング(Split Tunneling)] ペインで、[ポリシー(Policy)] に対し [以下のネットワーク リストを除外する(Exclude Network List Below)] を選択します。[ネットワーク リスト(Network List)] で、作成した ACL を選択します。[OK] をクリックし、さらに [適用(Apply)] をクリックします。
Mac OS X の新規インストール ディレクトリ構造
AnyConnect の以前のリリースでは、AnyConnect コンポーネントは opt/cisco/vpn のパスにインストールされました。現在、AnyConnect コンポーネントは、パス /opt/cisco/anyconnect にインストールされます。
Web セキュリティ クライアント プロファイルの ScanCenter ホステッド コンフィギュレーション サポート
Web セキュリティ ホステッド クライアント プロファイルの ScanCenter ホステッド コンフィギュレーションを使用すると、管理者は Web セキュリティ クライアントに新しい Web セキュリティ クライアント プロファイルを提供できます。Web セキュリティを備えたデバイスは、クラウドから新しいクライアント プロファイルをダウンロードできます(ホステッド コンフィギュレーション ファイルは ScanCenter サーバに格納されています)。この機能の唯一の前提条件は、有効なクライアント プロファイルでデバイスに Web セキュリティがインストールされていることです。
管理者は、Web セキュリティ プロファイル エディタを使用してクライアント プロファイルを作成してから、クリア テキスト XML ファイルを ScanCenter サーバにアップロードします。この XML ファイルには、ScanSafe からの有効なライセンス キーが含まれている必要があります。ホステッド コンフィギュレーション機能では、ホステッド コンフィギュレーション(ScanCenter)サーバから新しいクライアント プロファイル ファイルを取得する際にライセンス キーが使用されます。新しいクライアント プロファイル ファイルがサーバ上に置かれたら、Web セキュリティを実装したデバイスは自動的にサーバをポーリングし、新しいクライアント プロファイルをダウンロードします。これには、既存の Web セキュリティ クライアント プロファイルにあるライセンスがホステッド サーバ上のクライアント プロファイルに関連付けられたライセンスと同じであることが条件となります。いったん新しいクライアント プロファイルがダウンロードされたら、管理者が新しいクライアント プロファイル ファイルを使用可能にするまで、Web セキュリティにより同じファイルが再度ダウンロードされることはありません。
(注) ホステッド コンフィギュレーション機能を使用するためには、ScanSafe ライセンス キーが含まれた有効なクライアント プロファイル ファイルを使用して、Web セキュリティ クライアント デバイスをあらかじめインストールしておく必要があります。
スプリット DNS の機能拡張
AnyConnect は、レガシー IPsec クライアントと同様に、Windows プラットフォームと Mac OS X プラットフォーム向けのトゥルー スプリット DNS 機能をサポートしています。セキュリティ アプライアンスのグループ ポリシーにより Split-Include トンネリングがイネーブルになっており、トンネリング対象の DNS 名が指定されている場合、AnyConnect は、この名前に一致するすべての DNS クエリーをプライベート DNS サーバにトンネリングします。トゥルー スプリット DNS を使用すると、ASA によってプッシュダウンされたドメインに一致する DNS 要求へのトンネル アクセスのみが許可されます。これらの要求は、クリア テキストでは送信されません。一方、DNS 要求が ASA によってプッシュダウンされたドメインに一致しない場合は、AnyConnect は、クライアントのオペレーティング システムにある DNS リゾルバから、DNS 解決に使用されるホスト名を暗号化せずに送信させます。
(注) • スプリット DNS は、標準クエリーおよび更新クエリー(A、AAAA、NS、TXT、MX、SOA、ANY、SRV、PTR、CNAME など)をサポートしています。トンネリングされたネットワークのいずれかに一致する PTR クエリーは、トンネル経由で許可されます。
• スプリット DNS は、「Exclude Network List Below」スプリット トンネリング ポリシーをサポートしません。「Tunnel Network List Below」スプリット トンネリング ポリシーを使用して、スプリット DNS を設定します。
グループ ポリシーによりトンネリングされるドメインが指定されていない場合、または [設定(Configuration)] > [リモート アクセス VPN(Remote Access VPN)] > [ネットワーク(クライアント)アクセス(Network (Client) Access)] > [グループ ポリシー(Group Policies)] > [追加(Add)] または [編集(Edit)] > [詳細(Advanced)] > [スプリット トンネリング(Split Tunneling)] で [すべてのネットワークをトンネリング(Tunnel All Networks)] が選択されている場合は、AnyConnect はすべての DNS クエリーをトンネリングします。ドメイン名解決には、オペレーティング システムの DNS リゾルバに依存するあらゆるツールまたはアプリケーションを使用できます。たとえば、ping または Web ブラウザを使用してスプリット DNS ソリューションをテストできます。nslookup または dig などのその他のツールは、OS DNS リゾルバを回避します。
Mac OS X には、IPv6 アドレス プールを設定しない場合に限り、AnyConnect は、実際のスプリット DNS を使用できます。IPv6 アドレス プールが設定されている場合、AnyConnect は、スプリット トンネリング用の DNS フォールバックを有効にできます。
この機能には、次のことが必要です。
• 少なくとも 1 台の DNS サーバを設定する
• Split-Include トンネリングのイネーブルにする
• トンネリングするドメインを 1 つ以上指定する
• [すべての DNS ルックアップをトンネルを通じて送信する(Send All DNS lookups through tunnel)] チェックボックスをオフにする。このチェックボックスは、[設定(Configuration)] > [リモート アクセス VPN(Remote Access VPN)] > [ネットワーク(クライアント)アクセス(Network (Client) Access)] > [グループ ポリシー(Group Policies)] > [追加(Add)] または [編集(Edit)] > [詳細(Advanced)] > [スプリット トンネリング(Split Tunneling)] にあります。
AnyConnect ログによる確認
スプリット DNS がイネーブルであることを確認するには、AnyConnect のログで、「Received VPN Session Configuration Settings」が含まれたエントリを検索します。イネーブルである場合、このエントリに Split DNS:enabled と示されます。
スプリット DNS を使用しているドメインの確認
クライアントを使用して、どのドメインがスプリット DNS に使用されているかを確認する手順は次のとおりです。
ステップ 1 ipconfig/all を実行して、DNS サフィックス検索リストの横にリストされたドメインを記録します。
ステップ 2 VPN 接続を確立し、DNS サフィックス検索リストの横にリストされたドメインを再度確認します。
トンネルを確立した後に追加されたドメインは、スプリット DNS で使用されるドメインです。
(注) このプロセスは、ASA からプッシュされたドメインと、クライアント ホストで設定済みのドメインがオーバーラップしていないことを前提としています。
スプリット DNS の設定
この機能を設定するには、セキュリティ アプライアンスへの ASDM 接続を確立して、次の手順を両方とも実行します。
Split-Include トンネリングの設定
ステップ 1 [設定(Configuration)] > [リモート アクセス VPN(Remote AccessVPN)] > [ネットワーク(クライアント)アクセス(Network (Client) Access)] > [グループ ポリシー(Group Policies)] > [追加(Add)] または [編集(Edit)] > [詳細(Advanced)] > [スプリット トンネリング(Split Tunneling)] を選択します。
ステップ 2 [ポリシー(Policy)] ドロップダウン メニューで [以下のトンネル リスト(Tunnel List Below)] を選択し、[ネットワーク リスト(Network List)] ドロップダウン メニューから該当するネットワーク リストを選択します。
AnyConnect 3.0.7 リリース以降では、Split-Include ネットワークがローカル サブネットの完全一致(192.168.1.0/24 など)の場合、対応するトラフィックはトンネリングされています。Split-Include ネットワークがローカル サブネットのスーパーセット(192.168.0.0/16 など)の場合、対応するトラフィックは、ローカル サブネットを除き、トンネリングされています。ローカル サブネット トラフィックをトンネリングするには、一致する Split-Include ネットワーク(192.168.1.0/24 および 192.168.0.0/16 の両方を Split-Include ネットワークとして指定)を追加する必要があります。
DNS サーバの設定
ステップ 1 [設定(Configuration)] > [リモート アクセス VPN(Remote AccessVPN)] > [ネットワーク(クライアント)アクセス(Network (Client) Access)] > [グループ ポリシー(Group Policies)] > [追加(Add)] または [編集(Edit)] > [サーバ(Servers)] を選択します。
ステップ 2 [DNS サーバ(DNS Servers)] フィールドに、プライベート DNS サーバを 1 つ以上入力します。
AnyConnect 3.0.4 以降の場合、[DNS サーバ(DNS Servers)] フィールドで最大 25 台の DNS サーバ エントリをサポートし、それ以前のリリースでは、最大 10 台の DNS サーバ エントリをサポートします。
SCEP による認証登録の設定
SCEP を使用した証明書登録について
AnyConnect セキュア モビリティ クライアントでは、Simple Certificate Enrollment Protocol(SCEP)を使用して、クライアント認証の一環として証明書のプロビジョニングおよび更新を行うことができます。SCEP の目的は、既存のテクノロジーを使用して、スケーラブルな方法で、ネットワーク デバイスに証明書を安全に発行できるようにすることです。
SCEP を使用した証明書の登録は、ASA への AnyConnect IPsec および SSL VPN 接続で次のようにサポートされます。
• SCEP プロキシ:ASA はクライアントと CA 間の SCEP 要求と応答のプロキシとして機能します。
– クライアントが CA に直接アクセスしないため、CA は、AnyConnect クライアントではなく ASA にアクセスできる必要があります。
– 登録は、クライアントにより常に自動的に開始されます。ユーザの介入は必要ありません。
– SCEP プロキシでは、AnyConnect 3.0 以降でサポートされます。
• レガシー SCEP:AnyConnect クライアントは CA と直接通信をして、証明書を登録し取得します。
– CA は、確立された VPN トンネルを介して、またはクライアントが存在する同じネットワークで直接、ASA ではなく AnyConnect クライアントにアクセス可能である必要があります。
– 登録はクライアントによって自動的に開始されますが、設定されている場合は、ユーザによって手動で開始される場合があります。
– レガシー SCEP は、AnyConnect 2.4 以降でサポートされます。
SCEP プロキシの登録
次の手順は、AnyConnect および ASA が SCEP プロキシ用に設定されている場合、証明書が取得された証明書ベースの接続が行われたプロセスについて説明します。
1. ユーザは、証明書と AAA 認証の両方用に設定された接続プロファイルを使用して、ASA ヘッドエンドに接続します。ASA は、クライアントからの認証用に証明書と AAA クレデンシャルを要求します。
2. ユーザが AAA クレデンシャルを入力しますが、有効な証明書は使用可能ではありません。この状況は、入力された AAA クレデンシャルを使用してトンネルが確立された後で、クライアントが自動 SCEP 登録要求を送信するトリガーになります。
3. ASA が CA に対して登録要求を転送し、CA の応答をクライアントに返します。
4. SCEP 登録が成功すると、クライアントにユーザに対する(設定可能な)メッセージが表示され、現行のセッションが接続解除されます。ユーザは、証明書認証を使用して、ASA トンネル グループに接続できます。
SCEP 登録に失敗した場合、クライアントにユーザに対する(設定可能な)メッセージが表示され、現行のセッションが接続解除されます。ユーザは管理者に連絡する必要があります。
SCEP プロキシのメモ
• クライアントは、[証明書失効しきい値(Certificate Expiration Threshold)] フィールドが VPN プロファイルで設定されている場合、ユーザの介入なしで、期限が切れる前に自動で証明書を更新します。
• SCEP プロキシ登録は、SSL および IPSec トンネルの証明書認証用に SSL を使用する必要があります。
レガシー SCEP の登録
次の手順は、AnyConnect がレガシー SCEP 用に設定されている場合、証明書が取得された証明書ベースの接続が行われたプロセスについて説明します。
1. ユーザは、証明書認証用に設定されたトンネル グループを使用して ASA ヘッドエンドへの接続を開始します。ASA はクライアントからの認証用に証明書を要求します。
2. 有効な証明書はクライアントで使用可能ではなく、接続を確立することができません。この証明書の失敗は、SCEP 登録を行う必要があることを示します。
3. ユーザは、AAA 認証用に設定されたトンネル グループを使用して、アドレスがクライアント プロファイルで設定された自動 SECP ホストに一致する ASA ヘッドエンドへの接続を開始する必要があります。ASA は、クライアントからの AAA クレデンシャルを要求します。
4. クライアントは、AAA クレデンシャルを入力するためのユーザ用ダイアログ ボックスを提示します。
クライアントが手動登録用に設定され、クライアントが SCEP 登録開始の必要性を認識した場合(ステップ 2 を参照)、[証明書を取得(Get Certificate)] ボタンがクレデンシャル ダイアログ ボックスに表示されます。クライアントがネットワークの CA にダイレクト アクセスがある場合、ユーザは手動でこのボタンをクリックすることで、証明書を取得することができます。
(注) CA へのアクセスが確立された VPN トンネルに依存する場合、現在確立された VPN トンネルがないため(AAA クレデンシャルが入力されていないため)、この時点での手動登録はできません。
5. ユーザは、AAA クレデンシャルを入力し、VPN 接続を確立します。
6. クライアントは、SCEP 登録開始の必要性を認識した場合(ステップ 2 を参照)、確立された VPN トンネルを介して CA に登録要求を開始し、応答は CA から受信します。
7. SCEP 登録が成功すると、クライアントにユーザに対する(設定可能な)メッセージが表示され、現行のセッションが接続解除されます。ユーザは、証明書認証を使用して、ASA トンネル グループに接続できます。
SCEP 登録に失敗した場合、クライアントにユーザに対する(設定可能な)メッセージが表示され、現行のセッションが接続解除されます。ユーザは管理者に連絡する必要があります。
8. クライアントが手動登録用に設定されており、[証明書失効しきい値(Certificate Expiration Threshold)] の値が一致した場合、[証明書を取得(Get Certificate)] ボタンが提示されたトンネル グループの選択ダイアログ ボックスに表示されます。ユーザはこのボタンをクリックすることで、手動で証明書を更新できます。
レガシー SCEP のメモ
• 手動でレガシー SCEP 登録を使用する場合は、クライアント プロファイルのイネーブル CA パスワードを推奨します。CA パスワードは、ユーザを識別するための認証局に送信されるチャレンジ パスワードまたはトークンです。
• 証明書の有効期限が切れ、クライアントに有効な証明書が存在しない場合、クライアントはレガシー SCEP 登録プロセスを実行します。
SCEP のガイドラインと制限事項
• ASA ロード バランシングは、SCEP 登録でサポートされます。
• ASA へのクライアントレス(ブラウザ ベース)VPN アクセスは、SCEP プロキシをサポートしていませんが、WebLaunch(クライアントレス起動 AnyConnect)がサポートされます。
• ASA は、クライアントから受信した要求を記録しますが、登録が失敗した理由は表示しません。接続の問題は、CA またはクライアントでデバッグされる必要があります。
• IOS CS、Windows Server 2003 CA、および Windows Server 2008 CA を含め、すべての SCEP 準拠 CA がサポートされています。
• CA は自動付与モードである必要があります。証明書のポーリングはサポートされません。
• 一部の CA は、登録パスワードを電子メールでユーザに送信するように設定できます。これにより、セキュリティがより一層強化されます。このパスワードも、AnyConnect クライアント プロファイルで設定できます。これは、CA が証明書を付与する前に確認する、SCEP 要求の一部になります。
Windows 証明書の警告
Windows クライアントが最初に認証局から証明書を取得しようとした際に、警告がなされる可能性があります。プロンプトが表示されたら、[はい(Yes)] をクリックしてください。これにより、ルート証明書をインポートできます。クライアント証明書との接続に影響しません。
ポリシーを適用するため登録接続を特定
ASA で、登録接続を捕捉し、選択された DAP レコードの適切なポリシーを適用するために、aaa.cisco.sceprequired 属性が使用されます。
証明書のみの認証および ASA での証明書マッピング
複数のグループを使用する環境で証明書のみの認証をサポートする場合は、複数のグループ URL をプロビジョニングします。各グループ URL には、さまざまなクライアント プロファイルと共に、グループ固有の証明書マップを作成するためのカスタマイズ済みデータの一部が含まれます。たとえば、ASA に開発部の Department_OU 値をプロビジョニングし、このプロセスによる証明書が ASA に提供された時点でこのトンネル グループにユーザが配置されるようにすることができます。
SCEP プロキシ登録用 VPN クライアント プロファイルの設定
ステップ 1
ASDM からプロファイル エディタを起動するか、またはスタンドアロンの VPN プロファイル エディタを起動します(
「AnyConnect プロファイルの設定と編集」を参照)。
ステップ 2 ASDM では、[追加(Add)](または[編集(Edit)]をクリックして、AnyConnect プロファイルを作成(または編集)します。スタンドアロン エディタでは、既存のプロファイルを開くか、新しいプロファイルの作成を続行します。
ステップ 3 左側の [AnyConnect クライアント プロファイル(AnyConnect Client Profile)] ツリーで、[証明書の登録(Certificate Enrollment)] をクリックします。
ステップ 4 [証明書の登録(Certificate Enrollment)] ペインで、[証明書の登録(Certificate Enrollment)] をオンにします。
ステップ 5 登録証明書で、要求する [証明書の内容(Certificate Contents)] を設定します。証明書フィールドの定義については、 「AnyConnect プロファイル エディタの [証明書の登録(Certificate Enrollment)]」 を参照してください。
(注) • %machineid% を使用した場合は、デスクトップ クライアントに Hostscan/Posture がロードされます。
• モバイル クライアントの場合、証明書フィールドのうち少なくとも 1 つを指定する必要があります。
SCEP プロキシ登録をサポートするための ASA の設定
SCEP プロキシのため、1 つの ASA 接続プロファイルは、証明書登録および認証された VPN 接続をサポートします。
前提条件
SCEP プロキシ用のクライアント プロファイル(例:ac_vpn_scep_proxy)を設定します。「SCEP プロキシ登録用 VPN クライアント プロファイルの設定」を参照してください。
ステップ 1 グループ ポリシー(例:cert_group)を作成します。次のフィールドを設定します。
• [一般(General)] で、[SCEP フォワーディング URL(SCEP Forwarding URL)] に CA への URL を入力します。
• [詳細(Advanced)] > [AnyConnect クライアント(AnyConnect Client)] ペインで、[ダウンロードするクライアント プロファイルの継承(Inherit for Client Profiles to Download)] をオフにし、SCEP プロキシ用に設定されたクライアント プロファイルを指定します。 たとえば、ac_vpn_scep_proxy クライアント プロファイルを指定します。
ステップ 2 証明書の登録および接続を認証した証明書(例:cert_tunnel)用の接続プロファイルを作成します。
• [認証(Authentication)]:Both(AAA および Certificate)
• デフォルトのグループ ポリシー:cert_group
• [詳細(Advanced)] > [一般(General)] で、[この接続プロファイルへの SCEP 登録を有効にする(Enable SCEP Enrollment for this Connction Profile)] をオンにします。
• [詳細(Advanced)] > [グループエイリアス/グループ URL(GroupAlias/Group URL)] で、この接続プロファイルのグループ(cert_group)が含まれるグループ URL を作成します。
レガシー SCEP 登録用 VPN クライアント プロファイルの設定
ステップ 1
ASDM からプロファイル エディタを起動するか、またはスタンドアロンの VPN プロファイル エディタを起動します(
「AnyConnect プロファイルの設定と編集」を参照)。
ステップ 2 ASDM では、[追加(Add)](または[編集(Edit)]をクリックして、AnyConnect プロファイルを作成(または編集)します。スタンドアロン エディタでは、既存のプロファイルを開くか、新しいプロファイルの作成を続行します。
ステップ 3 左側の [AnyConnect クライアント プロファイル(AnyConnect Client Profile)] ツリーで、[証明書の登録(Certificate Enrollment)] をクリックします。
ステップ 4 [証明書の登録(Certificate Enrollment)] ペインで、[証明書の登録(Certificate Enrollment)] をオンにします。
ステップ 5 クライアントに証明書を検索するよう指示するため、自動 SCEP ホストを指定します。
FQDN または IP アドレス、および SCEP 証明書取得用に設定された接続プロファイル(トンネル グループ)のエイリアスを入力します。たとえば、 asa.cisco.com が ASA のホスト名で、 scep_eng が接続プロファイルのエイリアスの場合、 asa.cisco.com/scep-eng と入力します。
ユーザが接続を開始すると、レガシー SCEP 登録を正常に実行するために、選択または指定されたアドレスがこの値に正確に一致する必要があります。たとえば、このフィールドが FQDN に設定される場合、ユーザは IP アドレス(SCEP 登録が失敗する)を指定します。
ステップ 6 認証局の属性の設定:
(注) CA URL およびサムプリントを用意することができるのは CA サーバ管理者です。サムプリントは、発行された証明書の「fingerprint」または「thumbprint」属性フィールドからではなく、サーバから直接取得します。
a. SCEP CA サーバを識別するための CA URL を指定します。FQDN または IP アドレスを入力します 例: http://ca01.cisco.com/certsrv/mscep/mscep.dll 。
b. (任意)ユーザに対して、そのユーザ名および 1 回限定利用のパスワードに関するプロンプトを表示する場合は、[チャレンジ PW のプロンプト(Prompt For Challenge PW)] をオンにします。
c. (任意)CA 証明書のサムプリントを入力します。SHA1 ハッシュまたは MD5 ハッシュを使用します (8475B661202E3414D4BB223A464E6AAB8CA123AB など)。
ステップ 7 登録証明書で、要求する [証明書の内容(Certificate Contents)] を設定します。証明書フィールドの定義については、 「AnyConnect プロファイル エディタの [証明書の登録(Certificate Enrollment)]」 を参照してください。
(注) %machineid% を使用した場合は、クライアントに Hostscan/Posture がロードされます。
ステップ 8 (任意)[証明書取得ボタンを表示(Display Get Certificate Button)] をオンして、認証証明書のプロビジョニングや更新をユーザが手動で行えるようにします。このボタンは、証明書認証が失敗した場合に表示されます。
ステップ 9 (任意)サーバ リストで特定のホストに対して SCEP を有効にします。これにより、前述の証明書登録のペインの SCEP の設定を上書きします。
a. 左にある AnyConnect クライアント プロファイル ツリーの [サーバ リスト(Server List)] をクリックして、[サーバ リスト(Server List)]ペインに移動します。
b. サーバ リスト エントリを追加 または 編集 します。
c. ステップ 5 と 6 の説明に従って、自動 SCEP のホストと認証局の属性を指定します。
レガシー SCEP 登録をサポートするための ASA の設定
ASA のレガシー SCEP 用に、接続プロファイルとグループ ポリシーを証明書登録向けに作成し、2 番目の接続プロファイルとグループ ポリシーを認証された VPN 接続用に作成する必要があります。
前提条件
レガシー SCEP 用のクライアント プロファイル(例:ac_vpn__legacy_scep)を設定します 「レガシー SCEP 登録用 VPN クライアント プロファイルの設定」を参照してください。
ステップ 1 登録用のグループ ポリシー(例:cert_enroll_group)を作成します。次のフィールドを設定します。
• [詳細(Advanced)] > [AnyConnect クライアント(AnyConnect Client)] ペインで、[ダウンロードするクライアント プロファイルの継承(Inherit for Client Profiles to Download)] をオフにし、レガシー SCEP 用に設定されたクライアント プロファイルを指定します。 たとえば、ac_vpn_legacy_scep クライアント プロファイルを指定します。
ステップ 2 認証用の 2 つ目のグループ ポリシー(例:cert_auth_group)を作成します。
ステップ 3 登録用の接続プロファイル(例:cert_enroll_tunnel)を作成します。次のフィールドを設定します。
• [基本(Basic)] ペインで、AAA の認証方式を設定します。
• [基本(Basic)] ペインで、cert_enroll_group にデフォルトのグループ ポリシーを設定します。
• [詳細(Advanced)] > [グループエイリアス/グループ URL(GroupAlias/Group URL)] で、この接続プロファイルの登録グループ(cert_enroll_group)が含まれるグループ URL を作成します。
• ASA ではこの接続プロファイルをイネーブルにしないでください。ユーザにグループを公開しなくても、ユーザはグループにアクセスできます。
ステップ 4 認証用の接続プロファイル(例:cert_auth_tunnel)を作成します。次のフィールドを設定します。
• [基本(Basic)] ペインで、証明書の認証方式を設定します。
• [基本(Basic)] ペインで、cert_auth_group にデフォルトのグループ ポリシーを設定します。
• ASA ではこの接続プロファイルをイネーブルにしないでください。ユーザにグループを公開しなくても、ユーザはグループにアクセスできます。
ステップ 5 (任意)各グループ ポリシーの [一般(General)] ペインで、対応する SCEP 接続プロファイルに [接続プロファイル(トンネル グループ)ロック(Connection Profile (Tunnel Group) Lock)] を設定します。これにより、SCEP が設定された接続プロファイルへのトラフィックが制限されます。
証明書の失効通知の設定
これらの認証証明書の期限が発生したユーザに警告するため、AnyConnect を設定します。[証明書失効しきい値(Certificate Expiration Threshold)]の設定では、AnyConnect がユーザに対して証明書の失効が近づいていることを証明書の有効期限の何日前に警告するかを指定します。AnyConnect は、証明書が実際に期限切れか、新しい証明書が取得されるまで、ユーザが接続するたびに警告します。
(注) RADIUS 登録では、[証明書失効しきい値(Certificate Expiration Threshold)] 機能は使用できません。
ステップ 1
ASDM からプロファイル エディタを起動するか、またはスタンドアロンの VPN プロファイル エディタを起動します(
「AnyConnect プロファイルの設定と編集」を参照)。
ステップ 2 ASDM では、[追加(Add)](または[編集(Edit)]をクリックして、AnyConnect プロファイルを作成(または編集)します。スタンドアロン エディタでは、既存のプロファイルを開くか、新しいプロファイルの作成を続行します。
ステップ 3 左側の [AnyConnect クライアント プロファイル(AnyConnect Client Profile)] ツリーで、[証明書の登録(Certificate Enrollment)] をクリックします。
ステップ 4 [証明書の登録(Certificate Enrollment)] ペインで、[証明書の登録(Certificate Enrollment)] をオンにします。
ステップ 5 証明書 失効しきい値 を指定します。
AnyConnect がユーザに対して証明書の失効が近づいていることを証明書の有効期限の何日前に警告するかの数字です。
デフォルトは 0(警告は表示しない)です。範囲は 0 ~ 180 日です。
ステップ 6 [OK] をクリックします。
証明書ストアの設定
AnyConnect がローカル ホスト上で証明書を格納し、処理する方法を設定できます。プラットフォームによっては、特定ストアへのアクセスが制限される場合や、ブラウザ ベースのストアの代わりにファイルを使用できる場合があります。この目的は、クライアント証明書の使用だけでなく、サーバ証明書の確認のための適切な場所に AnyConnect を振り向けることです。
Windows では、クライアントがどの証明書ストアで証明書を検索するかを制御できます。証明書の検索をユーザ ストアのみ、またはマシン ストアのみに制限するようにクライアントを設定できます。Mac および Linux では、PEM 形式の証明書ファイル用の証明書ストアを作成できます。
これらの証明書ストアの検索設定は、AnyConnect クライアント プロファイルに格納されます。
(注) また、AnyConnect ローカル ポリシーに、さらに証明書ストアの制約を設定できます。AnyConnect ローカル ポリシーは、企業のソフトウェア展開システムを使用して展開する XML ファイルであり、AnyConnect クライアント ファイルからは独立しています。ファイル内の設定により、Firefox NSS(Linux と Mac)、PEM ファイル、Mac ネイティブ(キーチェーン)、および Windows Internet Explorer ネイティブ証明書ストアの使用が制限されます。詳細については、第 8 章「FIPS と追加セキュリティのイネーブル化」を参照してください。
ここでは、証明書ストアを設定し、その使用を制御する手順について説明します。
• 「Windows での証明書ストアの制御」
• 「Mac および Linux での PEM 証明書ストアの作成」
Windows での証明書ストアの制御
Windows では、ローカル マシン用の証明書ストアと現在のユーザ用の証明書ストアが別々に用意されます。プロファイル エディタを使用すると、AnyConnect クライアントがどの証明書ストアで証明書を検索するかを指定できます。
コンピュータ上で管理者権限を持つユーザは、両方の証明書ストアにアクセスできます。管理者権限を持たないユーザがアクセスできるのは、ユーザ証明書ストアのみです。
AnyConnect がどの証明書ストアで証明書を検索するかは、プロファイル エディタの [プリファレンス(Preferences)] ペインにある [証明書ストア(Certificate Store)] リスト ボックスを使用して設定します。[証明書ストアの上書き(Certificate Store Override)] チェックボックスを使用すると、AnyConnect では非管理者権限を持つユーザでもマシン証明書ストアを検索できるようになります。
図 3-15 [証明書ストア(Certificate Store)] リスト ボックスと [証明書ストアの上書き(Certificate Store Override)] チェックボックス
[証明書ストア(Certificate Store)] は次の 3 つの設定が可能です。
• [すべて(All)]:(デフォルト)すべての証明書ストアを検索します。
• [マシン(Machine)]:マシン証明書ストア(コンピュータで識別された証明書)を検索します。
• [ユーザ(User)]:ユーザ証明書ストアを検索します。
[証明書ストアの上書き(Certificate Store Override)] は次の 2 つの設定が可能です。
• オン:ユーザが管理者権限を持っていない場合でも、AnyConnect は、コンピュータのマシン証明書ストアを検索できます。
• オフ:(デフォルト)AnyConnect は、管理者権限のないユーザのマシン証明書ストアを検索できません。
図 3-15 は、[証明書ストア(Certificate Store)] および [証明書ストアの上書き(Certificate Store Override)] の設定例を示したものです。
表 3-4 証明書ストアと証明書ストア上書き設定の例
[証明書ストア(Certificate Store)] の設定
|
[証明書ストアの上書き(Certificate Store Override)] の設定
|
|
すべて(All) |
オフ |
AnyConnect は、すべての証明書ストアを検索します。ユーザが非管理者権限を持っている場合、AnyConnect は、マシン ストアにアクセスできません。 これがデフォルトの設定です。ほとんどの場合、この設定が適しています。変更が必要となる特別な理由またはシナリオ要件がある場合を除いて、この設定は変更しないでください。 |
すべて(All) |
オン |
AnyConnect は、すべての証明書ストアを検索します。ユーザが管理者以外の権限を持っている場合、AnyConnect は、マシン ストアにアクセスできます。 |
マシン(Machine) |
オン |
AnyConnect は、マシン証明書ストアを検索します。AnyConnect は、非管理者アカウントのマシン ストアを検索することができます。 |
マシン(Machine) |
オフ |
AnyConnect は、マシン証明書ストアを検索します。ユーザが管理者以外の権限を持っている場合、AnyConnect は、マシン ストアを検索できません。 (注) 証明書を使用する認証が限定されたユーザのグループにのみ許可されている場合、この設定が使用される場合があります。 |
ユーザ(User) |
適用されない |
AnyConnect は、ユーザ証明書ストア内のみ検索します。非管理者アカウントがこの証明書ストアにアクセス権を持つため、証明書ストアの上書きは適用されません。 |
AnyConnect クライアントがどの証明書ストアで証明書を検索するかを指定する手順は次のとおりです。
ステップ 1
ASDM からプロファイル エディタを起動します(
「AnyConnect プロファイルの設定と編集」を参照)。
ステップ 2 [プリファレンス(Preferences)] ペインをクリックし、ドロップダウン リストから証明書ストアのタイプを選択します。
• [すべて(All)]:(デフォルト)すべての証明書ストアを検索します。
• [マシン(Machine)]:マシン証明書ストア(コンピュータで識別された証明書)を検索します。
• [ユーザ(User)]:ユーザ証明書ストアを検索します。
ステップ 3 ユーザが非管理者アカウントを持つ場合は、AnyConnect クライアントがマシン証明書ストアにアクセスできるようにするため、[証明書ストアの上書き(Certificate Store Override)] チェックボックスをオンまたはオフにします。
ステップ 4 [OK] をクリックします。
Mac および Linux での PEM 証明書ストアの作成
AnyConnect は、Privacy Enhanced Mail(PEM)形式のファイル ストアを使用した証明書認証をサポートしています。ブラウザに依存して証明書の確認および署名を行う代わりに、クライアントがリモート コンピュータのファイル システムから PEM 形式の証明書ファイルを読み取り、確認と署名を行います。
PEM ファイルのファイル名に関する制約事項
あらゆる条件下でクライアントが適切な証明書を取得するためには、ファイルが次の要件を満たしている必要があります。
• すべての証明書ファイルは、拡張子 .pem で終わっていること。
• すべての秘密キー ファイルは、拡張子 .key で終わっていること。
• クライアント証明書と、それに対応する秘密キーのファイル名が同じであること
(client.pem と client.key など)。
(注) PEM ファイルのコピーを保持する代わりに、PEM ファイルへのソフト リンクを使用できます。
ユーザ証明書の保存
PEM ファイル証明書ストアを作成する場合は、 表 3-5 に示すパスとフォルダを作成します。これらのフォルダに、適切な証明書を配置してください。
表 3-5 PEM ファイル証明書ストアのフォルダと保存される証明書のタイプ
|
|
~/.cisco/certificates/ca |
信頼できる CA とルート証明書 |
~/.cisco/certificates/client |
クライアント証明書 |
~/.cisco/certificates/client/private |
秘密キー |
(注) マシン証明書の要件は、PEM ファイル証明書の要件と同じですが、ルート ディレクトリが異なります。マシン証明書の場合は、~/.cisco を /opt/.cisco に置き換えてください。それ以外は、表 3-5 に示すパス、フォルダ、および証明書のタイプが適用されます。
証明書照合の設定
AnyConnect は、次の証明書照合タイプをサポートしています。これらの一部またはすべてを使用して、クライアント証明書を照合できます。証明書照合は、AnyConnect プロファイルで設定できるグローバル基準です。基準は次のとおりです。
• キーの用途
• キーの拡張用途
• 識別名
証明書キーの用途による照合
証明書キーの用途は、ある特定の証明書で実行可能な幅広い操作に対する制約のセットとして与えられます。サポートされるセットは次のとおりです。
• DIGITAL_SIGNATURE
• NON_REPUDIATION
• KEY_ENCIPHERMENT
• DATA_ENCIPHERMENT
• KEY_AGREEMENT
• KEY_CERT_SIGN
• CRL_SIGN
• ENCIPHER_ONLY
• DECIPHER_ONLY
プロファイルには、0 個以上の一致基準を含めることができます。1 つ以上の基準が指定されている場合、証明書が一致すると見なされるには、少なくとも 1 つの基準が一致している必要があります。
「証明書照合の例」の例には、これらの属性を設定する方法が記載されています。
証明書キーの拡張用途による照合
この照合では、Extended Key Usage フィールドに基づいて、クライアントが使用できる証明書を管理者が制限できます。 表 3-6 は、既知の制約のセットと、それに対応するオブジェクト ID(OID)をリストにまとめたものです。
表 3-6 証明書キーの拡張用途
|
|
ServerAuth |
1.3.6.1.5.5.7.3.1 |
ClientAuth |
1.3.6.1.5.5.7.3.2 |
CodeSign |
1.3.6.1.5.5.7.3.3 |
EmailProtect |
1.3.6.1.5.5.7.3.4 |
IPsecEndSystem |
1.3.6.1.5.5.7.3.5 |
IPsecTunnel |
1.3.6.1.5.5.7.3.6 |
IPsecUser |
1.3.6.1.5.5.7.3.7 |
TimeStamp |
1.3.6.1.5.5.7.3.8 |
OCSPSign |
1.3.6.1.5.5.7.3.9 |
DVCS |
1.3.6.1.5.5.7.3.10 |
その他の OID(本書の例で使用している 1.3.6.1.5.5.7.3.11 など)はすべて、「カスタム」と見なされます。管理者は、既知のセットの中に必要な OID がない場合、独自の OID を追加できます。プロファイルには、0 個以上の一致基準を含めることができます。証明書が一致すると見なされるには、指定されているすべての基準に一致している必要があります。
証明書の識別名による照合
証明書識別名マッピング機能によって、管理者は、クライアントが使用できる証明書を特定の基準および基準照合条件に一致する証明書に制限できます。 表 3-7 は、サポートされる基準をリストにまとめたものです。
表 3-7 証明書の識別名による照合の基準
|
|
CN |
SubjectCommonName |
SN |
SubjectSurName |
GN |
SubjectGivenName |
N |
SubjectUnstructName |
I |
SubjectInitials |
GENQ |
SubjectGenQualifier |
DNQ |
SubjectDnQualifier |
C |
SubjectCountry |
L |
SubjectCity |
SP |
SubjectState |
ST |
SubjectState |
O |
SubjectCompany |
OU |
SubjectDept |
T |
SubjectTitle |
EA |
SubjectEmailAddr |
DC |
DomainComponent |
ISSUER-CN |
IssuerCommonName |
ISSUER-SN |
IssuerSurName |
ISSUER-GN |
IssuerGivenName |
ISSUER-N |
IssuerUnstructName |
ISSUER-I |
IssuerInitials |
ISSUER-GENQ |
IssuerGenQualifier |
ISSUER-DNQ |
IssuerDnQualifier |
ISSUER-C |
IssuerCountry |
ISSUER-L |
IssuerCity |
ISSUER-SP |
IssuerState |
ISSUER-ST |
IssuerState |
ISSUER-O |
IssuerCompany |
ISSUER-OU |
IssuerDept |
ISSUER-T |
IssuerTitle |
ISSUER-EA |
IssuerEmailAddr |
ISSUER-DC |
IssuerDomainComponent |
プロファイルには、0 個以上の一致基準を含めることができます。証明書が一致すると見なされるには、指定されているすべての基準に一致している必要があります。識別名による照合によって、追加の照合基準が提供されます。たとえば、管理者が、指定した文字列が証明書に含まれている必要があるか、含まれていてはいけないかを指定できます。また、文字列のワイルドカードも使用できます。
デフォルトの証明書照合
クライアント証明書は、AnyConnect で使用するために一致する有効な、非期限切れの証明書である必要があります。
証明書の一致基準が [証明書照合(Certificate Matching)] ペインで指定されていない場合、AnyConnect は暗黙的に次の証明書照合ルールを適用します。
• キーの用途:DIGITAL_SIGNATURE
• キーの拡張用途:Client Auth (1.3.6.1.5.5.7.3.2)
他のキーの用途またはキーの拡張用途基準がクライアント認証で指定される場合、これらの仕様も照合するためにクライアント証明書で指定する必要があります。
証明書照合の例
(注) これ以降の例で使用する KeyUsage、ExtendedKeyUsage、および DistinguishedName のプロファイル値はあくまでも例です。証明書一致基準は、使用する証明書に適用するもののみ設定してください。
クライアント プロファイルで証明書照合を設定する手順は次のとおりです。
ステップ 1
ASDM からプロファイル エディタを起動します(
「AnyConnect プロファイルの設定と編集」を参照)。
ステップ 2 [証明書照合(Certificate Matching)] ペインに移動します。
ステップ 3 [キーの用途(Key Usage)] および [キーの拡張用途(Extended Key Usage)] の設定をオンにし、受け入れ可能なクライアント証明書を選択します。指定されたキーの少なくとも 1 つが一致する証明書が選択されます。これらの用途設定に関する詳細については、 「AnyConnect プロファイル エディタの [証明書照合(Certificate Matching)]」 を参照してください。
ステップ 4 カスタム拡張照合キーを指定します。これらは、1.3.6.1.5.5.7.3.11 など既知の MIB OID 値であることが必要です。0 個以上のカスタム拡張照合キーを指定することができます。指定されたすべてのキーが一致する証明書が選択されます。キーは、OID 形式であることが必要です (1.3.6.1.5.5.7.3.11 など)。
ステップ 5 [識別名(Distinguished Names)] テーブルの横にある [追加(Add)] をクリックして、[識別名エントリ(Distinguished Name Entry)] ウィンドウを起動します。
• [名前(Name)]:識別名。
• [パターン(Pattern)]:照合に使用する文字列。 照合するパターンには、目的の文字列部分のみ含まれている必要があります。パターン照合構文や正規表現構文を入力する必要はありません。入力した場合、その構文は検索対象の文字列の一部と見なされます。
abc.cisco.com という文字列を例とした場合、cisco.com で照合するためには、入力するパターンを cisco.com とする必要があります。
• [演算子(Operator)]:照合を実行する際に使用する演算子。
– [等しい(Equal)]:== と同等
– [等しくない(Not Equal)]:!= と同等
• [ワイルドカード(Wildcard)]:ワイルドカード パターン照合を使用します。このパターンは文字列内のどの場所でも使用できます。
• [大文字と小文字を区別する(Match Case)]:有効にすると、大文字と小文字を区別したパターン照合を実行できます。
認証証明書選択のプロンプト
ユーザに対して有効な証明書のリストを表示し、セッションに認証に使用する証明書をユーザが選択できるように AnyConnect の設定を行うことができます。この設定は、Windows 7、Windows Vista、および Windows XP でのみ行うことができます。デフォルトの場合、ユーザの証明書選択は無効です。証明書の選択をイネーブルにするには、AnyConnect プロファイルで次の作業を実行します。
ステップ 1
ASDM からプロファイル エディタを起動します(
「AnyConnect プロファイルの設定と編集」を参照)。
ステップ 2 [プリファレンス(Part 2)(Preferences (Part 2))] ペインに移動し、[証明書選択を無効にする(Disable Certificate Selection)] をオフにします。これによりクライアントでは、ユーザに対して認証証明書を選択するためのプロンプトが表示されます。
ユーザによる AnyConnect プリファレンスでの自動証明書選択の設定
ユーザの証明書選択を有効にすると、AnyConnect の [プリファレンス(Preferences)] ダイアログボックスに、[証明書の自動選択(Automatic certificate selection)] チェックボックスが表示されます。ユーザは、[証明書の自動選択(Automatic certificate selection)] チェックボックスをオンまたはオフにすることで、自動証明書選択をオンまたはオフにできます。
図 3-16 は、[証明書の自動選択(Automatic Certificate Selection)] チェックボックスが表示された [プリファレンス(Preferences)] ウィンドウです。
図 3-16 [証明書の自動選択(Automatic Certificate Selection)] チェックボックス
サーバ リストの設定
プロファイルの主要な使用目的の 1 つは、ユーザが接続サーバをリストできるようにすることです。このサーバ リストは、ホスト名とホスト アドレスのペアで構成されています。ホスト名は、ホストを参照するために使用するエイリアスのほか、FQDN、または IP アドレスにできます。サーバ リストには、AnyConnect GUI の [接続先(Connect to)] ドロップダウン リストにあるサーバのホスト名が表示されます。ユーザはこのリストからサーバを選択できます。
図 3-17 [接続先(Connect to)] ドロップダウン リストにホストが表示されたユーザ GUI
最初は、リストの先頭にある設定したホストがデフォルト サーバとなり、GUI ドロップダウン リストに表示されます。ユーザがリストから別のサーバを選択すると、クライアントではその選択内容がリモート コンピュータ上のユーザ プリファレンス ファイルに記録され、選択されたサーバが新たなデフォルト サーバとなります。
サーバ リストを設定する手順は次のとおりです。
ステップ 1
ASDM からプロファイル エディタを起動します(
「AnyConnect プロファイルの設定と編集」を参照)。
ステップ 2 [サーバ リスト(Server List)] をクリックします。[サーバ リスト(Server List)] ペインが開きます。
ステップ 3 [追加(Add)] をクリックします。[サーバ リスト エントリ(Server List Entry)] ウィンドウが開きます( 図 3-21 )。
図 3-18 サーバ リストの追加
ステップ 4 ホスト名を入力します。ホスト名は、ホストを参照するために使用するエイリアスのほか、FQDN、または IP アドレスにできます。FQDN または IP アドレスを入力した場合、ホスト アドレスを入力する必要はありません。
ステップ 5 必要に応じてホスト アドレスを入力します。
ステップ 6 ユーザ グループを指定します(任意)。クライアントでは、このユーザ グループとホスト アドレスを組み合わせてグループ ベースの URL が構成されます。
(注) プライマリ プロトコルを IPsec として指定した場合、ユーザ グループは接続プロファイル(トンネル グループ)の正確な名前である必要があります。SSL の場合、ユーザ グループは接続プロファイルの group-url または group-alias です。
ステップ 7 (AnyConnect リリース 3.0.1047 以降の場合)。モバイルデバイス用のサーバ リストを設定するには、[追加のモバイル専用設定(Additional mobile-only settings)] チェックボックスをオンにして、[編集(Edit)] をクリックします。詳細については、「サーバ リストの設定」のモバイル デバイス用の設定についての説明を参照してください。
ステップ 8 バックアップ サーバを追加します(任意)。サーバ リスト内のサーバが使用できない場合、クライアントではグローバル バックアップ サーバ リストを使用する前に、そのサーバのバックアップ リストにあるサーバへの接続が試行されます。
ステップ 9 ロード バランシング バックアップ サーバを追加します(任意)。このサーバ リスト エントリのホストがセキュリティ アプライアンスのロード バランシング クラスタであり、かつ常時接続機能が有効になっている場合は、このリストでクラスタのバックアップ デバイスを指定します。指定しなかった場合、ロード バランシング クラスタ内にあるバックアップ デバイスへのアクセスは常時接続機能によりブロックされます。
ステップ 10 この ASA に対して使用するクライアントのプライマリ プロトコル(SSL または IKEv2 を使用した IPsec)を指定します(任意)。デフォルトは SSL です。デフォルトの認証方式(独自の AnyConnect EAP 方式)をディセーブルにするには、[標準認証のみ(Standard Authentication Only)] をオンにし、ドロップダウン リストから方式を選択します。
(注) 認証方式を独自の AnyConnect EAP から標準ベースの方式に変更すると、ASA でセッション タイムアウト、アイドル タイムアウト、接続解除タイムアウト、スプリット トンネリング、スプリット DNS、MSIE プロキシ設定、およびその他の機能を設定できなくなります。
ステップ 11 SCEP CA サーバの URL を指定します(任意)。FQDN または IP アドレスを入力します (http://ca01.cisco.com など)。
ステップ 12 [チャレンジ PW のプロンプト(Prompt For Challenge PW)] をオンにして(任意)、ユーザが証明書を手動で要求できるようにします。ユーザが [証明書を取得(Get Certificate)] をクリックすると、クライアントではユーザに対してユーザ名および 1 回限定利用のパスワードに関するプロンプトが表示されます。
ステップ 13 CA の証明書サムプリントを入力します。SHA1 ハッシュまたは MD5 ハッシュを使用します CA URL およびサムプリントを用意することができるのは CA サーバ管理者です。サムプリントは、発行した証明書の「fingerprint」属性フィールドや「thumbprint」属性フィールドではなく、サーバから直接取得する必要があります。
ステップ 14 [OK] をクリックします。設定した新規のサーバ リスト エントリが、サーバ リスト テーブルに表示されます。
図 3-19 新規のサーバ リスト エントリ
前提条件
• 「サーバ リストの設定」のステップ 1 ~ 6 を実行します。
• バージョン 3.0.1047 以降のプロファイル エディタを使用する必要があります。
• Apple iOS バージョン 4.1 以降を実行する Apple モバイルデバイスでサポートされます。
ガイドライン
ASA からモバイルデバイスに配信された AnyConnect VPN クライアント プロファイルは、再設定したり、モバイルデバイスから削除したりすることはできません。ユーザが、新しい VPN 接続用にデバイス上で独自のクライアント プロファイルを作成した場合は、そのプロファイルを設定、編集、削除できます。
手順の詳細
ステップ 1 [サーバ リスト エントリ(Server List Entry)] ダイアログボックスで、[追加のモバイル専用設定(Additional mobile-only settings)] をオンにして [編集(Edit)] をクリックします。
ステップ 2 [Apple iOS / Android の設定(Apple iOS / Android Settings)] エリアでは、Apple iOS または Android オペレーティング システムを実行するデバイスに、次の属性を設定できます。
a. 証明書認証タイプを選択します。
– [自動(Automatic)]:AnyConnect では、認証で使用されるクライアント証明書が自動的に選択されます。この場合、インストールされているすべての証明書が確認されて期限切れの証明書が無視され、VPN クライアント プロファイルに定義された基準に一致する証明書が適用されます。次に、基準に一致する証明書を使用して認証されます。これは、ユーザが VPN 接続の確立を試行するたびに実行されます。
– [手動(Manual)]:AnyConnect は、自動認証と同様に認証で使用される証明書を検索します。ただし、手動証明書認証タイプでは、VPN クライアント プロファイルで定義された一致条件に一致する証明書がいったん検出されると、AnyConnect はその証明書を接続用に割り当てます。この場合、ユーザが新しい VPN 接続の確立を試行しても、新しい証明書の検索は行われません。
– [無効(Disabled)]:認証にクライアント証明書は使用されません。
b. [プロファイルがインポートされた場合、このサーバ リスト エントリをアクティブにする(Make this Server List Entry active when profile is imported)] チェックボックスをオンにした場合、VPN プロファイルがデバイスにダウンロードされたときに、このサーバ リスト エントリをデフォルトの接続として定義したことになります。この宛先を設定できるのは、1 つのサーバ リスト エントリのみです。デフォルトではオフになっています。
ステップ 3 [Apple iOS のみの設定(Apple iOS Only Settings)] エリアでは、Apple iOS を実行するデバイスのみに、次の属性を設定できます。
a. [3G/Wifi ネットワーク間でローミングされた場合は再接続(Reconnect when roaming between 3G/Wifi networks)] チェックボックスを設定します。デフォルトではこのボックスはオンになっており、3G ネットワークと Wifi ネットワークの切り替え時に、AnyConnect は VPN 接続を維持するように試行します。このボックスをオフにすると、3G ネットワークと Wifi ネットワークの切り替え時に、AnyConnect は VPN 接続を維持するように試行しません。
b. [オンデマンド接続(Connect on Demand)] チェックボックスを設定します。
このエリアを使用して、Apple iOS から提供される Connect on Demand 機能を設定できます。その他のアプリケーションが、ドメイン ネーム システム(DNS)を使用して解決されるネットワーク接続を開始したときに、その都度チェックされるルールのリストを作成できます。
[オンデマンド接続(Connect on Demand)] は、[証明書の認証(Certificate Authentication)] フィールドが [手動(Manual)] または [自動(Automatic)] に設定されている場合のみオンにできます。[証明書の認証(Certificate Authentication)] フィールドが [無効(Disabled)] に設定されている場合は、このチェックボックスはグレー表示されます。[ドメインまたはホストと一致(Match Domain or Host)] フィールドおよび [オンデマンド アクション(On Demand Action)] フィールドで定義される Connect on Demand ルールは、チェックボックスがグレー表示されている場合でも、設定および保存できます。
c. [ドメインまたはホストと一致(Match Domain or Host)] フィールドに、Connect on Demand ルールを作成する対象のホスト名(host.example.com)、ドメイン名(.example.com)、または部分ドメイン(.internal.example.com)を入力します。このフィールドには、IP アドレス(10.125.84.1)を入力しないでください。
d. [オンデマンド アクション(On Demand Action)] フィールドで、ユーザが前のステップで定義したドメインまたはホストへの接続を試行したときに実行されるアクションを、次のいずれかに指定します。
– [常に接続(Always connect)]:このリストのルールに一致したときに、iOS は必ず VPN 接続の開始を試行します。
– [必要に応じて接続(Connect if needed)]:このリストのルールに一致したときに、システムが DNS を使用してアドレスを解決できなかった場合に限り、iOS は VPN 接続の開始を試行します。
– [接続しない(Never Connect)]:このリストのルールに一致しても、iOS は絶対に VPN 接続の開始を試行しません。[常に接続(Always connect)] または [必要に応じて接続(Connect if needed)] のルールよりも、このリストのルールが優先されます。
Connect On Demand がイネーブルの場合、アプリケーションは自動的にこのリストにサーバ アドレスを追加します。これにより、Web ブラウザを使用してサーバのクライアントレス ポータルへのアクセスを試行する場合は、VPN 接続が自動的に確立されなくなります。この動作を望まない場合は、このルールを削除できます。
e. [ドメインまたはホストと一致(Match Domain or Host)] フィールドおよび [オンデマンド アクション(On Demand Action)] フィールドを使用してルールを作成したら、[追加(Add)] をクリックします。
このルールが、下部のルール リストに表示されます。
ステップ 4 [OK] をクリックします。
ステップ 5 「サーバ リストの設定」のステップ 8 に戻ります。
バックアップ サーバ リストの設定
ユーザが選択したサーバで障害が発生した場合にクライアントが使用するバックアップ サーバのリストを設定できます。これらのサーバは、AnyConnect プロファイルの [バックアップ サーバ(Backup Servers)] ペインで指定します。場合によっては、このリストでホスト固有の設定を指定することがあります。手順は次のとおりです。
ステップ 1
ASDM からプロファイル エディタを起動します(
「AnyConnect プロファイルの設定と編集」を参照)。
ステップ 2 [バックアップ サーバ(Backup Servers)] ペインに移動し、バックアップ サーバのホスト アドレスを入力します。
Connect On Start-up の設定
Connect on Start-up は、VPN クライアント プロファイルで指定されたセキュア ゲートウェイを使用して、自動的に VPN 接続を確立します。接続時、クライアントでは、セキュア ゲートウェイから提供されたプロファイルとローカル プロファイルが同じでない場合、セキュア ゲートウェイから提供されたプロファイルでローカル プロファイルが置き換えられ、このプロファイルの設定が適用されます。
デフォルトでは、Connect on Start-up は ディセーブル です。ユーザが AnyConnect クライアントを起動すると、GUI にはユーザ制御可能設定としてデフォルトの設定が表示されます。ユーザは、GUI の [接続先(Connect to)] ドロップダウン リストでセキュア ゲートウェイの名前を選択し、[接続(Connect)] をクリックする必要があります。接続時、クライアントでは、セキュリティ アプライアンスから提供されたクライアント プロファイルの設定が適用されます。
AnyConnect は、AnyConnect の起動時に自動的に VPN 接続を確立する機能から、ログイン後の常時接続機能により、その VPN 接続を「常時接続」にする機能に進化しました。Connect on Start-up 要素のデフォルトがディセーブルになっているのは、この進化を反映しているためです。企業の展開で Connect on Start-up 機能を使用している場合は、この代わりに Trusted Network Detection を使用することを検討してください。
Trusted Network Detection(TND)を使用すると、ユーザが企業ネットワークの中(信頼ネットワーク)にいる場合は AnyConnect により自動的に VPN 接続が解除され、企業ネットワークの外(非信頼ネットワーク)にいる場合は自動的に VPN 接続が開始されるようにすることができます。この機能を使用すると、ユーザが信頼ネットワークの外にいるときに VPN 接続を開始することによって、セキュリティ意識を高めることができます。Trusted Network Detection の設定の詳細については、「Trusted Network Detection」を参照してください。
デフォルトでは、Connect on Start-up はディセーブルです。有効にするには、次の手順に従います。
ステップ 1
ASDM からプロファイル エディタを起動します(
「AnyConnect プロファイルの設定と編集」を参照)。
ステップ 2 ナビゲーション ペインで [プリファレンス(Preferences)] を選択します。
ステップ 3 [起動時に接続(Connect On Start-up)] をオンにします。
自動再接続の設定
IPsec VPN クライアントとは異なり、AnyConnect は、初期接続に使用したメディアによらず、VPN セッションの中断から復旧することおよびセッションを再確立することができます。たとえば、有線、ワイヤレス、または 3G のセッションを再確立できます。
自動再接続機能を設定すると、接続が解除された場合に VPN 接続の再確立が試行されます(デフォルトの動作)。また、 システムの一時停止またはシステムのレジューム が発生して以降に接続の動作を定義することもできます。 システムの一時停止 とは、低電力スタンバイ、Windows の「休止状態」、Mac OS または Linux の「スリープ」のことです。 システムのレジューム とは、システムの一時停止からの回復です。
(注) AnyConnect 2.3 よりも前までは、システムの一時停止に対するデフォルトの動作として、VPN セッションに割り当てられたリソースを保持し、システムのレジューム後に VPN 接続を再確立していました。この動作を維持する場合は、自動再接続の動作として [再開後に再接続(Reconnect After Resume)] を有効にします。
クライアント プロファイルで [自動再接続(Auto Reconnect)] の設定を行う手順は次のとおりです。
ステップ 1
ASDM からプロファイル エディタを起動します(
「AnyConnect プロファイルの設定と編集」を参照)。
ステップ 2 ナビゲーション ペインで [プリファレンス(Preferences)] を選択します。
ステップ 3 [自動再接続(Auto Reconnect)] をオンにします。
(注) [自動再接続(Auto Reconnect)] をオフにすると、クライアントでは接続解除の原因にかかわらず、再接続が試行されません。
ステップ 4 自動再接続の動作を選択します(Linux ではサポートされていません)。
• [中断時に接続解除(Disconnect On Suspend)]:AnyConnect では、システムが一時停止すると VPN セッションに割り当てられたリソースが解放され、システムのレジューム後も再接続は試行されません。
• [再開後に再接続(Reconnect After Resume)]:クライアントでは、システムが一時停止すると VPN セッションに割り当てられたリソースが保持され、システムのレジューム後は再接続が試行されます。
ローカル プロキシ接続
デフォルトでは、ユーザは AnyConnect でローカル PC 上のトランスペアレントまたは非トランスペアレントのプロキシを介して VPN セッションを確立するようになっています。
次に示すのは、透過的なプロキシ サービスを実現する要素の一例です。
• 一部のワイヤレス データ カードから入手できるアクセラレーション ソフトウェア
• Kaspersky など一部のアンチウイルス ソフトウェア上のネットワーク コンポーネント
ローカル プロキシ接続に関する要件
AnyConnect は、次の Microsoft OS 上でこの機能をサポートしています。
• Windows 7(32 ビットおよび 64 ビット)
• Windows Vista(32 ビットおよび 64 ビット)SP2 または KB952876 を適用した Vista Service Pack 1
• Windows XP SP2 および SP3
この機能をサポートするためには、AnyConnect Essentials ライセンスまたは AnyConnect Premium SSL VPN Edition ライセンスのどちらかが必要です。
ローカル プロキシ接続の設定
AnyConnect は、VPN セッションを確立するためのローカル プロキシ サービスをデフォルトでサポートしています。AnyConnect によるローカル プロキシ サービスのサポートを無効にする手順は次のとおりです。
ステップ 1
ASDM からプロファイル エディタを起動します(
「AnyConnect プロファイルの設定と編集」を参照)。
ステップ 2 ナビゲーション ペインで [プリファレンス(Part 2)(Preferences (Part 2))] を選択します。
ステップ 3 パネル上部付近にある [ローカルプロキシ接続を許可(Allow Local Proxy Connections)] をオフにします。
最適ゲートウェイ選択
最適ゲートウェイ選択(OGS)機能を使用すると、ユーザが介入することなくインターネット トラフィックの遅延を最小限に抑えることができます。OGS を使用すると、AnyConnect では接続または再接続に最適なセキュア ゲートウェイが特定され、それが選択されます。OGS は、初回接続時または、直前の接続解除から 4 時間以上経過した後の再接続時に開始されます。
最良のパフォーマンスを実現するために、遠隔地に移動するユーザは、移動先の場所に一番近いセキュア ゲートウェイに接続します。自宅と会社では同じゲートウェイからほぼ同じ結果が得られるため、このような事例では通常セキュア ゲートウェイの切り替えは行われません。別のセキュア ゲートウェイへの接続が行われることはほとんどなく、行われるとしてもパフォーマンスの向上率が 20 % 以上の場合に限られます。
OGS はセキュリティ機能ではなく、セキュア ゲートウェイ クラスタ間またはクラスタ内部でのロード バランシングは実行されません。オプションで、エンド ユーザがこの機能の有効化/無効化を切り替えられるようにすることができます。
最小ラウンド トリップ時間(RTT)ソリューションでは、クライアントと他のすべてのゲートウェイとの間で RTT が最短となるセキュア ゲートウェイが選択されます。クライアントでは、経過時間が 4 時間以内の場合は常に、最後のセキュア ゲートウェイに対して再接続が行われます。ネットワーク接続の負荷やその状態の一時的変動といった要素は、インターネット トラフィックの遅延だけでなく、選択プロセスにも影響を与える場合があります。
OGS は、RTT の結果のキャッシュを維持して、その後実行する必要のある測定の数を最小限に抑えます。OGS をイネーブルにして AnyConnect を起動すると、OGS はネットワーク情報(DNS サフィックス、DNS サーバ IP など)を取得してユーザの位置を特定します。RTT の結果は、特定した場所と一緒に OGS キャッシュに保存されます。その後 14 日間は、AC が再起動されるたびに同じ方法で場所が特定され、すでに RTT の結果が存在するかどうかが解読されます。ヘッドエンドはキャッシュに基づいて選択されるため、ヘッドエンドの再 RRT は必要ありません。この 14 日間の終了時、この場所はキャッシュから削除され、AC を再起動すると新しい RTT のセットが発生します。
選択プロセスでは、最適なサーバを特定する際プライマリ サーバにのみ問い合わせが行われます。特定後の接続アルゴリズムは次のとおりです。
1. 最適なサーバへの接続を試行する。
2. 失敗した場合は、最適なサーバのバックアップ サーバ リストに対して試行する。
3. 失敗した場合は、選択結果に応じて OGS 選択リストに残っている各サーバに対して試行する。
バックアップ サーバの詳細については、「AnyConnect プロファイル エディタの [バックアップ サーバ(Backup Servers)]」を参照してください。
最適ゲートウェイ選択に関する要件
AnyConnect は、次の OS が実行されている VPN エンドポイントをサポートしています。
• Windows 7、Vista、および XP
• Mac OS X 10.5 および Mac OS X 10.6
最適ゲートウェイ選択の設定
OGS のアクティブ化/非アクティブ化の制御や、エンド ユーザがこの機能そのものを制御できるようにするかどうかの指定は、AnyConnect プロファイルで行います。プロファイル エディタを使用して OGS を設定する手順は次のとおりです。
ステップ 1
ASDM からプロファイル エディタを起動します(
「AnyConnect プロファイルの設定と編集」を参照)。
ステップ 2 [最適なゲートウェイの選択を有効化(Enable Optimal Gateway Selection)] チェックボックスをオンにして、OGS をアクティブ化します。
ステップ 3 [ユーザ制御可(User Controllable)] チェックボックスをオンにして、クライアント GUI にアクセスするリモート ユーザが OGS の設定を行えるようにします。
(注) OGS が有効な場合は、この機能の設定をユーザが行えるようにすることも推奨します。OGS により選択されたゲートウェイへの接続が AnyConnect クライアントによって確立できないときには、ユーザがプロファイルから別のゲートウェイを選択できることが必要となる場合があります。
ステップ 4 VPN が一時停止してから、ゲートウェイを選択するための新たな計算が開始されるまでに要する最小の時間(単位は時間)を、[中断時間しきい値(Suspension Time Threshold)] パラメータに入力します。デフォルトは 4 時間です。
(注) このしきい値は、プロファイル エディタを使用して設定できます。次の設定可能パラメータ(パフォーマンス向上しきい値(Performance Improvement Threshold))と組み合わせてこの値を最適化することで、最適なゲートウェイの選択と、クレデンシャルの再入力を強制する回数の削減の間の適切なバランスを見つけることができます。
ステップ 5 システムのレジューム後にクライアントから別のセキュア ゲートウェイへの再接続が行われるために必要なパフォーマンスの向上率を、[パフォーマンス向上しきい値(Performance Improvement Threshold)] パラメータに入力します。デフォルトは 20 % です。
(注) 移行の発生回数が多く、ユーザがクレデンシャルを頻繁に再入力しなければならないような場合は、これらのしきい値の一方または両方を大きくしてください。特定のネットワークに対してこれらの値を調整すれば、最適なゲートウェイを選択することと、クレデンシャルを強制的に入力させる回数を減らすこととの間で適切なバランスを取ることができます。
クライアント GUI の起動時に OGS がイネーブルになっている場合は、[VPN:接続する準備ができました(VPN: Ready to connect)] パネルの [接続(Connect)] ボタンの横に [自動選択(Automatic Selection)] が表示されます。この選択は変更できません。OGS を使用すると、最適なセキュア ゲートウェイが自動的に選択され、ステータス バーにその選択されたゲートウェイが表示されます。接続プロセスを開始するためには、[選択(Select)] をクリックすることが必要となる場合もあります。
この機能の設定をユーザが行えるようにした場合、選択されたセキュア ゲートウェイをユーザが手動で上書きすることができます。手順は次のとおりです。
ステップ 1
現在接続中の場合は、[接続解除(Disconnect)]
をクリックします。
ステップ 2 [詳細(Advanced)] をクリックします。
ステップ 3 [プリファレンス(Preferences)] タブを開き、[最適なゲートウェイの選択を有効化(Enable Optimal Gateway Selection)] をオフにします。
ステップ 4 目的のセキュア ゲートウェイを選択します。
(注) AAA が使用されている場合は、別のセキュア ゲートウェイへの移行時にエンド ユーザがそれぞれのクレデンシャルを再入力しなければならないことがあります。証明書を使用していれば、その必要はありません。
OGS とスリープ モード
エンドポイントがスリープ モードまたはハイバネーション モードに移行するときは、AnyConnect では接続が確立されているはずです。ASDM のプロファイル エディタ([設定(Configuration)] > [リモート アクセス VPN(Remote Access VPN)] > [ネットワーク(クライアント)アクセス(Network (Client) Access)] > [AnyConnect クライアント プロファイル(AnyConnect Client Profile)])の AutoReconnect(ReconnectAfterResume)設定をイネーブルにする必要があります。これをユーザ制御可能にした場合、デバイスをスリープにする前に AnyConnect Secure Mobility Client の [プリファレンス(Preferences)] タブで設定できます。両方を設定すると、デバイスがスリープから復帰したときに、AC は再接続試行用に選択したヘッドエンドを使用して、自動的に OGS を実行します。
OGS とプロキシ検出
自動プロキシ検出が設定されている場合は、OGS は実行できません。また、プロキシ自動設定(PAC)ファイルを設定した状態でも、動作しません。
スクリプトの作成および展開
AnyConnect では、次のイベントが発生したときに、スクリプトをダウンロードして実行できます。
• セキュリティ アプライアンスで新しいクライアント VPN セッションが確立された。このイベントによって起動するスクリプトを OnConnect スクリプトと呼びます。スクリプトには、このファイル名プレフィックスが必要です。
• セキュリティ アプライアンスでクライアント VPN セッションが切断された。このイベントによって起動するスクリプトを OnDisconnect スクリプトと呼びます。スクリプトには、このファイル名プレフィックスが必要です。
これにより、Trusted Network Detection によって開始された新しいクライアント VPN セッションが確立すると、OnConnect スクリプトが起動します(このスクリプトを実行する要件が満たされている場合)。ネットワーク切断後に永続的な VPN セッションが再接続されても、OnConnect スクリプトは起動しません。
この機能には次のような使用例があります。
• VPN 接続時にグループ ポリシーを更新する。
• VPN 接続時にネットワーク ドライブをマッピングし、接続解除後にマッピングを解除する。
• VPN 接続時にサービスにログインし、接続解除後にログオフする。
AnyConnect は、WebLaunch の起動中およびスタンドアロン起動中でのスクリプトの起動をサポートしています。
ここでの説明は、スクリプトの作成方法と、ターゲット エンドポイントのコマンドラインからスクリプトを実行し、テストする方法についての知識があることを前提としています。
(注) AnyConnect のソフトウェア ダウンロード サイトでは、サンプル スクリプトがいくつか提供されています。これらを確認する場合は、単なるサンプルであることに留意してください。これらのサンプル スクリプトは、スクリプトを実行するために必要なローカル コンピュータの要件を満たしていない場合があります。また、ご使用のネットワークおよびユーザのニーズに応じてカスタマイズしてからでないと使用できません。シスコでは、サンプル スクリプトまたはユーザ作成スクリプトはサポートしていません。
ここでは、次の内容について説明します。
• 「スクリプトの要件と制限」
• 「スクリプトの作成、テスト、および展開」
• 「スクリプトに関する AnyConnect プロファイルの設定」
• 「スクリプトのトラブルシューティング」
スクリプトの要件と制限
次のスクリプトの要件と制限事項に留意してください。
サポートされるスクリプトの数
AnyConnect は、1 つの OnConnect スクリプトおよび 1 つの OnDisconnect スクリプトのみを実行します。ただし、これらのスクリプトが別のスクリプトを起動する場合があります。
ファイル形式
AnyConnect は、ファイル名で OnConnect および onDisconnect スクリプトを識別します。また、ファイルの拡張子に関係なく、OnConnect または OnDisconnect で始まるファイルを検索します。照合プレフィックスに関連する最初のスクリプトが実行されます。解釈されたスクリプト(VBS、Perl、Bash など)または実行可能ファイルを認識します。
スクリプト言語
クライアントでは、スクリプトを特定の言語で作成する必要はありません。ただし、スクリプトを実行可能なアプリケーションが、クライアント コンピュータにインストールされている必要があります。クライアントでスクリプトを起動するためには、このスクリプトがコマンドラインから実行可能であることが必要です。
Windows セキュリティ環境によるスクリプトの制限
Microsoft Windows 上の AnyConnect では、ユーザが Windows にログインして VPN セッションを確立した後でないと、スクリプトを起動できません。そのため、ユーザのセキュリティ環境に伴う制限が、これらのスクリプトに適用されます。スクリプトが実行できる機能は、ユーザが起動権限を持つ機能に限られます。AnyConnect は、Windows でスクリプトを実行中は CMD ウィンドウを非表示にします。したがって、テストの目的で、.bat ファイル内のメッセージを表示するスクリプトを実行しても機能しません。
スクリプトのイネーブル化
デフォルトでは、クライアントによってスクリプトが起動することはありません。AnyConnect プロファイルの EnableScripting パラメータを使用して、スクリプトを有効にしてください。これにより、クライアントではスクリプトが存在する必要がなくなります。
クライアント GUI の終了
クライアント GUI を終了しても、必ずしも VPN セッションは終了しません。OnDisconnect スクリプトは、セッションが終了した後で実行されます。
64 ビット Windows でのスクリプトの実行
AnyConnect クライアントは、32 ビット アプリケーションです。Windows 7 x64 および Windows Vista SP2 x64 などの 64 ビット Windows バージョンで動作させる場合は、バッチ スクリプトを実行するときに、32 ビット バージョンの cmd.exe を使用します。
32 ビットの cmd.exe では、64 ビットの cmd.exe でサポートされているコマンドの一部が欠けているため、一部のスクリプトについては、サポートされていないコマンドの実行を試行したときにスクリプトの実行が停止したり、一部実行されてから停止したりする場合があります。たとえば、64 ビットの cmd.exe でサポートされている msg コマンドは、32 ビット バージョンの Windows 7(%WINDIR%\SysWOW64 に含まれる)では理解されない場合があります。
そのため、スクリプトを作成する場合は、32 ビットの cmd.exe でサポートされているコマンドを使用してください。
スクリプトの作成、テスト、および展開
AnyConnect スクリプトを展開する手順は次のとおりです。
ステップ 1 AnyConnect が起動したスクリプトが実行されるオペレーティング システムのタイプに基づいて、スクリプトの作成とテストを行います。
(注) Microsoft Windows コンピュータで作成されたスクリプトの行末コードは、Mac OS および Linux で作成されたスクリプトの行末コードとは異なります。そのため、ターゲットのオペレーティング システムでスクリプトを作成し、テストする必要があります。ネイティブ オペレーティング システムのコマンドラインからスクリプトを正しく実行できない場合は、AnyConnect でも正しく実行できません。
ステップ 2 次のいずれかを実行して、スクリプトを展開します。
• ASDM を使用して、スクリプトをバイナリ ファイルとしてASAにインポートします。[ネットワーク(クライアント)アクセス(Network (Client) Access)] > [AnyConnect カスタマイゼーション/ローカリゼーション(AnyConnect Customization/Localization)] > [スクリプト(Script)] を選択します。
ASDM バージョン 6.3 以降を使用している場合、ASA では、ファイルをスクリプトとして識別できるように、プレフィックス scripts_ とプレフィックス OnConnect または OnDisconnect がユーザのファイル名に追加されます。クライアントが接続すると、セキュリティ アプライアンスは、リモート コンピュータ上の適切なターゲット ディレクトリにスクリプトをダウンロードし、scripts_ プレフィックスを削除し、OnConnect プレフィックスまたは OnDisconnect プレフィックスをそのまま残します。たとえば、myscript.bat スクリプトをインポートする場合、スクリプトは、セキュリティ アプライアンス上では scripts_OnConnect_myscript.bat となります。リモート コンピュータ上では、スクリプトは OnConnect_myscript.bat となります。
6.3 よりも前の ASDM バージョンを使用している場合には、次のプレフィックスでスクリプトをインポートする必要があります。
– scripts_OnConnect
– scripts_OnDisconnect
スクリプトの実行の信頼性を確保するために、すべての ASA で同じスクリプトを展開するように設定します。スクリプトを修正または置換する場合は、旧バージョンと同じ名前を使用し、ユーザが接続する可能性のあるすべての ASA に置換スクリプトを割り当てます。ユーザが接続すると、新しいスクリプトにより同じ名前のスクリプトが上書きされます。
• 企業のソフトウェア展開システムを使用して、スクリプトを実行する VPN エンドポイントにスクリプトを手動で展開します。
この方式を使用する場合は、次のファイル名プレフィックスを使用します。
– OnConnect
– OnDisconnect
表 3-8 に示すディレクトリにスクリプトをインストールします。
表 3-8 スクリプトの所定の場所
|
|
Microsoft Windows 7 および Microsoft Vista |
%ALLUSERSPROFILE%\Cisco\Cisco AnyConnect Secure Mobility Client\Script |
Microsoft Windows XP |
%ALLUSERSPROFILE%\Application Data\Cisco\ Cisco AnyConnect Secure Mobility Client\Script |
Linux (Linux では、User、Group、Other にファイルの実行権限を割り当てます) |
/opt/cisco/anyconnect/script |
Mac OS X |
/opt/cisco/anyconnect/script |
スクリプトに関する AnyConnect プロファイルの設定
クライアント プロファイルでスクリプトを有効にする手順は次のとおりです。
ステップ 1
ASDM からプロファイル エディタを起動します(
「AnyConnect プロファイルの設定と編集」を参照)。
ステップ 2 ナビゲーション ペインで [プリファレンス(Part 2)(Preferences (Part 2))] を選択します。
ステップ 3 [スクリプトの有効化(Enable Scripting)] をオンにします。クライアントでは、VPN 接続の接続時または接続解除時にスクリプトが起動します。
ステップ 4 [ユーザ制御可(User Controllable)] をオンにして、On Connect スクリプトおよび OnDisconnect スクリプトの実行をユーザが有効または無効にすることができるようにします。
ステップ 5 [次のイベント時にスクリプトを終了する(Terminate Script On Next Event)] をオンにして、スクリプト処理可能な別のイベントへの移行が発生した場合に、実行中のスクリプト プロセスをクライアントが終了できるようにします。たとえば、VPN セッションが終了すると、クライアントでは実行中の On Connect スクリプトが終了し、AnyConnect で新しい VPN セッションが開始すると、実行中の OnDisconnect スクリプトが終了します。Microsoft Windows 上のクライアントでは OnConnect スクリプトまたは OnDisconnect スクリプトによって起動した任意のスクリプト、およびその従属スクリプトもすべて終了します。Mac OS および Linux 上のクライアントでは、OnConnect スクリプトまたは OnDisconnect スクリプトのみ終了し、子スクリプトは終了しません。
ステップ 6 [Post SBL OnConnect スクリプト有効にする(Enable Post SBL On Connect Script)] をオンにして(デフォルトでオン)、SBL で VPN セッションが確立された場合にクライアントにより OnConnect スクリプトが(存在すれば)起動するようにします。
(注) 必ずクライアント プロファイルを ASA のグループ ポリシーに追加し、それを VPN エンドポイントにダウンロードしてください。
スクリプトのトラブルシューティング
スクリプトの実行に失敗した場合は、次のようにして問題を解決してください。
ステップ 1 スクリプトに、 OnConnect
または OnDisconnect
のプレフィックス名が付いていることを確認します。 表 3-8 には、各オペレーティング システムの所定のスクリプト ディレクトリが記載されています。
ステップ 2 スクリプトをコマンドラインから実行してみます。コマンドラインから実行できないスクリプトは、クライアントでも実行できません。コマンドラインでスクリプトの実行に失敗する場合は、スクリプトを実行するアプリケーションがインストールされていることを確認し、そのオペレーティング システムでスクリプトを作成し直してください。
ステップ 3 VPN エンドポイントのスクリプト ディレクトリ内に OnConnect スクリプトと OnDisconnect スクリプトがそれぞれ 1 つだけ存在することを確認します。最初の ASA で OnConnect スクリプトがダウンロードされ、その後の接続で次の ASA により別のファイル名拡張子を持つ OnConnect スクリプトがダウンロードされる、クライアントでは不要なスクリプトが実行される可能性があります。スクリプト パスに複数の OnConnect スクリプトまたは OnDisconnect スクリプトが含まれており、かつスクリプトの展開に ASA を使用している場合は、スクリプト ディレクトリ内のファイルを削除し、VPN セッションを再確立します。スクリプト パスに複数の OnConnect スクリプトまたは OnDisconnect スクリプトが含まれており、かつ手動展開を使用している場合は、不要なスクリプトを削除し、AnyConnect VPN セッションを再確立します。
ステップ 4 オペレーティング システムが Linux の場合は、スクリプト ファイルに実行権限が設定されていることを確認します。
ステップ 5 クライアント プロファイルでスクリプトが有効になっていることを確認します。
認証タイムアウト コントロール
デフォルトでは、AnyConnect は接続試行を終了するまでに、セキュア ゲートウェイからの認証を最大 12 秒間待ちます。その時間が経過すると、認証がタイムアウトになったことを示すメッセージが表示されます。次の項の説明に従って、このタイマーの値を変更します。
認証タイムアウト コントロールに関する要件
AnyConnect は、 AnyConnect がサポートしているすべての OS 上でこの機能をサポートしています。
この機能をサポートするためには、AnyConnect Essentials ライセンスまたは AnyConnect Premium SSL VPN Edition ライセンスのどちらかが必要です。
認証タイムアウトの設定
AnyConnect が接続の試行を終了しないでセキュア ゲートウェイでの認証を待機している秒数を変更する手順は次のとおりです。
ステップ 1
ASDM からプロファイル エディタを起動します(
「AnyConnect プロファイルの設定と編集」を参照)。
ステップ 2 ナビゲーション ペインで [プリファレンス(Part 2)(Preferences (Part 2))] を選択します。
ステップ 3 [認証タイムアウト値(Authentication Timeout Values)] テキスト ボックスに 10 ~ 120 の範囲で秒数を入力します。
プロキシ サポート
ここでは、プロキシ サポート拡張機能の使用方法について説明します。
ブラウザのプロキシ設定を無視するためのクライアントの設定
AnyConnect プロファイルでは、ユーザの PC 上で Microsoft Internet Explorer のプロキシ設定が無視されるようにポリシーを指定できます。これは、プロキシ設定によってユーザが企業ネットワークの外部からトンネルを確立できない場合に役立ちます。
(注) 常時接続機能が有効な場合、プロキシ経由の接続はサポートされません。そのため、常時接続を有効にした場合は、プロキシ設定を無視するようにクライアントを設定する必要はありません。
AnyConnect で Internet Explorer のプロキシ設定が無視されるようにする手順は次のとおりです。
ステップ 1
ASDM からプロファイル エディタを起動します(
「AnyConnect プロファイルの設定と編集」を参照)。
ステップ 2 [プリファレンス(Part 2)(Preferences (Part 2))] ペインに移動します。
ステップ 3 [プロキシ設定(Proxy Settings)] ドロップダウン リストで、[プロキシを無視(Ignore Proxy)] を選択します。[プロキシを無視(Ignore Proxy)] を選択すると、クライアントはすべてのプロキシ設定を無視します。ASA に到達するプロキシには、何のアクションも実行されません。
(注) AnyConnect では、プロキシの設定として [上書き(Override)] はサポートしていません。
プライベート プロキシ
トンネルを確立した後、グループ ポリシー内に設定されたプライベート プロキシ設定をブラウザにダウンロードするように、グループ ポリシーを設定できます。VPN セッションが終了すると、設定は元の状態に復元されます。
プライベート プロキシの要件
AnyConnect Essentials ライセンスは、この機能の最小 ASA ライセンス アクティブ化要件です。
AnyConnect は、以下が動作するコンピュータ上でこの機能をサポートします。
• Windows 上の Internet Explorer
• Mac OS 上の Safari
グループ ポリシーを設定してプライベート プロキシをダウンロード
プロキシ設定を設定するには、セキュリティ アプライアンスで ASDM セッションを確立し、[設定(Configuration)] > [リモート アクセス VPN(Remote Access VPN)] > [ネットワーク(クライアント)アクセス(Network (Client) Access)] > [グループ ポリシー(Group Policies)] > [追加(Add)] または [編集(Edit)] > [詳細(Advanced)] > [ブラウザ プロキシ(Browser Proxy)] の順に選択します。6.3(1) より前の ASDM バージョンでは、このオプションは [IE ブラウザ プロキシ(IE Browser Proxy)] として表示されます。しかし、現在 AnyConnect は、使用する ASDM バージョンに関係なく、プライベート プロキシの設定を Internet Explorer に限定していません。
(注) Mac 環境では、(VPN 接続時に)ASA からプッシュダウンされたプロキシ情報は、ターミナルが開いて「scutil --proxy」を発行するまで、ブラウザで表示されません。
プロキシを使用しないパラメータがイネーブルの場合、セッションの間、ブラウザからプロキシ設定が削除されます。
Internet Explorer の [接続(Connections)] タブのロック
ある条件下では、AnyConnect によって Internet Explorer の [ツール(Tools)] > [インターネット オプション(Internet Options)] > [接続(Connections)] タブが非表示にされます。このタブが表示されている場合、ユーザはプロキシ情報を設定できます。このタブを非表示にすると、ユーザが意図的または偶発的にトンネルを迂回することを防止できます。タブのロックは接続解除すると反転され、このタブに関する管理者定義のポリシーの方が優先されます。このロックは、次のいずれかの条件で行われます。
• ASA の設定で、[接続(Connections)] タブのロックが指定されている。
• ASA の設定で、プライベート側プロキシが指定されている。
• Windows のグループ ポリシーにより、以前に [接続(Connections)] タブがロックされている(no lockdown ASA グループ ポリシー設定の上書き)。
グループ ポリシーで、ASA がプロキシのロックダウンを許可する、または許可しないように設定できます。ASDM を使用してこれを設定する手順は次のとおりです。
ステップ 1
[設定(Configuration)] > [リモート アクセス VPN(Remote Access VPN)] > [ネットワーク(クライアント)アクセス(Network (Client) Access)] > [グループ ポリシー(Group Policies)] を選択します。
ステップ 2 グループ ポリシーを選択して、[編集(Edit)] をクリックします。[内部グループ ポリシーの編集(Edit Internal Group Policy)] ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 ナビゲーション ペインで、[詳細(Advanced)] > [ブラウザ プロキシ(Browser Proxy)] に移動します。[プロキシ サーバ ポリシー(Proxy Server Policy)] ペインが表示されます。
ステップ 4 [Proxy Lockdown] をクリックして、その他のプロキシ設定を表示します。
ステップ 5 プロキシのロックダウンをイネーブルにして、AnyConnect のセッション中は Internet Explorer の [接続(Connections)] タブを非表示にするには、[継承(Inherit)] をオフにして [はい(Yes)] を選択します。または、プロキシのロックダウンをディセーブルにして、AnyConnect のセッション中は Internet Explorer の [接続(Connections)] タブを表示するには、[いいえ(No)] を選択します。
ステップ 6 [OK] をクリックして、プロキシ サーバ ポリシーの変更を保存します。
ステップ 7 [適用(Apply)] をクリックして、グループ ポリシーの変更を保存します。
クライアントレス サポートのためのプロキシ自動設定ファイルの生成
一部のバージョンの ASA では、AnyConnect セッションが確立された後も、プロキシ サーバを経由するクライアントレス ポータル アクセスを許可するために追加の AnyConnect 設定が必要です。AnyConnect では、この設定が行われるように、プロキシ自動設定(PAC)ファイルを使用してクライアント側プロキシ設定が修正されます。AnyConnect でこのファイルが生成されるのは、ASA でプライベート側プロキシ設定が指定されていない場合のみです。
Windows RDP セッションによる VPN セッションの起動
Windows リモート デスクトップ プロトコル(RDP)を使用して、ユーザが Cisco AnyConnect Secure Mobility Client を実行するコンピュータにログインして、RDP セッションからセキュア ゲートウェイへの VPN 接続を作成するように許可できます。この機能が正しく動作するには、スプリット トンネリング VPN 設定が必要です。
デフォルトでは、他のローカル ユーザがログインしていない場合に限り、ローカルにログインしたユーザが VPN 接続を確立できます。ユーザがログアウトすると VPN 接続は終了し、VPN 接続中に別のローカル ログインが行われると接続は切断されます。VPN 接続中のリモート ログインおよびログアウトは制限されません。
(注) この機能を使用すると、AnyConnect では、VPN 接続を確立したユーザがログオフした時点でその VPN 接続が解除されます。接続がリモート ユーザによって確立された場合は、そのリモート ユーザがログオフした時点で VPN 接続は終了します。
[Windows ログインの強制(Windows Logon Enforcement)] に対しては次の設定を使用できます。
• [シングル ローカル ログイン(Single Local Logon)]:VPN 接続全体で、ログインできるローカル ユーザは 1 人だけです。この設定では、ローカル ユーザは 1 人以上のリモート ユーザがクライアント PC にログインしている場合でも VPN 接続を確立できますが、VPN 接続が排他的トンネリング用に設定されている場合は、VPN 接続のクライアント PC ルーティング テーブルが変更されるため、リモート ログインは接続解除されます。VPN 接続がスプリット トンネリング用に設定されている場合、リモート ログオンが接続解除されるかどうかは、VPN 接続のルーティング設定によって決まります。SingleLocalLogin 設定は、VPN 接続を介した企業ネットワークからのリモート ユーザ ログインに対しては影響を与えません。
• [SingleLogon]:VPN 接続の全体で、ログインできるユーザは 1 人だけです。1 人以上のユーザがログインして、ローカルまたはリモートで VPN 接続を確率した場合、接続は許可されません。ローカルまたはリモートで第 2 のユーザがログインすると、その VPN 接続は終了します。
(注) SingleLogon 設定を選択した場合、VPN 接続中の追加のログインは許可されません。そのため、VPN 接続によるリモート ログインは行えません。
クライアント プロファイルの [Windows VPN 確立(Windows VPN Establishment)] の設定では、AnyConnect が実行されているコンピュータにリモート ログインしたユーザが VPN 接続を確立する場合のクライアントの動作が指定されます。次の値が可能です。
• [ローカルユーザのみ(Local Users Only)]:リモート ログインしたユーザは、VPN 接続を確立できません。AnyConnect クライアント バージョン 2.3 以前の動作はこの方式でした。
• [リモートユーザを許可(Allow Remote Users)]:リモート ユーザは VPN 接続を確立できます。ただし、設定された VPN 接続ルーティングによってリモート ユーザが接続解除された場合は、リモート ユーザがクライアント コンピュータに再アクセスできるように VPN 接続が終了します。リモート ユーザが VPN セッションを終了せずに RDP セッションを接続解除するには、VPN を確立した後、90 秒間待つ必要があります。
(注) 現在 Vista では、Start Before Logon(SBL)中にプロファイルの [Windows VPN 確立(Windows VPN Establishment)] 設定が適用されることはありません。AnyConnect では、VPN 接続を確立したのがログイン前のリモート ユーザかどうかの判定は行われません。そのため、[Windows VPN 確立(Windows VPN Establishment)] の設定が [ローカルユーザのみ(Local Users Only)] でも、リモート ユーザが SBL を介して VPN 接続を確立することは可能です。
Windows RDP セッションから AnyConnect セッションを有効にする手順は次のとおりです。
ステップ 1
ASDM からプロファイル エディタを起動します(
「AnyConnect プロファイルの設定と編集」を参照)。
ステップ 2 [プリファレンス(Preferences)] ペインに移動します。
ステップ 3 Windows ログイン実行方式を選択します。
• [シングル ローカル ログイン(Single Local Logon)]:VPN 接続全体で、ログインできるローカル ユーザは 1 人だけです。
• [シングル ログイン(Single Logon)]:VPN 接続全体で、ログインできるユーザは 1 人だけです。
ステップ 4 リモート ログインしたユーザが VPN 接続を確立する場合のクライアントの動作を指定する Windows ログイン実行方式を選択します。
• [ローカルユーザのみ(Local Users Only)]:リモート ログインしたユーザは、VPN 接続を確立できません。
• [リモートユーザを許可(Allow Remote Users)]:リモート ユーザは VPN 接続を確立できます。
(注) 現在 Vista では、Start Before Logon(SBL)中にプロファイルの [Windows VPN 確立(Windows VPN Establishment)] 設定が適用されることはありません。
L2TP または PPTP を介した AnyConnect
一部の国の ISP では、L2TP トンネリング プロトコルおよび PPTP トンネリング プロトコルのサポートが必要です。
セキュア ゲートウェイを宛先としたトラフィックを PPP 接続上で送信する場合、AnyConnect では外部トンネルが生成したポイントツーポイント アダプタが使用されます。PPP 接続上で VPN トンネルを確立する場合、クライアントでは ASA より先を宛先としてトンネリングされたトラフィックから、この ASA を宛先とするトラフィックが除外される必要があります。除外ルートを特定するかどうかや、除外ルートを特定する方法を指定する場合は、AnyConnect プロファイルの [PPP Exclusion] 設定を使用します。除外ルートは、セキュアでないルートとして AnyConnect GUI の [ルートの詳細(Route Details)] 画面に表示されます。
ここでは、PPP 除外の設定方法について説明します。
• 「L2TP または PPTP を介した AnyConnect の設定」
• 「ユーザによる PPP 除外の上書き」
L2TP または PPTP を介した AnyConnect の設定
デフォルトでは、[PPP 除外(PPP Exclusion)] は無効です。プロファイルで PPP 除外を有効にする手順は次のとおりです。
ステップ 1
ASDM からプロファイル エディタを起動します(
「AnyConnect プロファイルの設定と編集」を参照)。
ステップ 2 [プリファレンス(Part 2)(Preferences (Part 2))] ペインに移動します。
ステップ 3 [PPP 除外(PPP Exclusion)] でその方式を選択します。このフィールドで [ユーザ制御可(User Controllable)] をオンにすると、ユーザには次の設定が表示され、ユーザはそれらを変更することができます。
• [自動(Automatic)]:PPP 除外を有効にします。AnyConnect では自動的に、PPP サーバの IP アドレスが使用されます。この値は、自動検出による IP アドレスの取得に失敗すした場合にのみ変更するよう、ユーザに指示してください。
• [上書き(Override)]:同様に PPP 除外を有効にします。自動検出で PPP サーバの IP アドレスを取得できず、PPPExclusion の UserControllable 値が true である場合は、次項の説明に従ってこの設定を使用するよう、ユーザに指示してください。
• [無効(Disabled)]:PPP 除外は適用されません。
ステップ 4 [PPP 除外サーバ IP(PPP Exclusion Server IP)] フィールドに、PPP 除外に使用されるセキュリティ ゲートウェイの IP アドレスを入力します。このフィールドで [ユーザ制御可(User Controllable)] をオンにすると、ユーザにこの IP アドレスが表示され、ユーザをそれを変更することができます。
ユーザによる PPP 除外の上書き
自動検出が機能しない場合に、PPP 除外をユーザ設定可能に設定すると、ユーザはローカル コンピュータ上で AnyConnect プリファレンス ファイルを編集することにより、これらの設定を上書きすることができます。次の手順では、その方法について説明します。
ステップ 1 メモ帳などのエディタを使用して、プリファレンス XML ファイルを開きます。
このファイルは、ユーザのコンピュータ上で次のいずれかのパスにあります。
• Windows:%LOCAL_APPDATA%\Cisco\Cisco AnyConnect Secure Mobility Client\preferences.xml。次に例を示します。
– Windows Vista:C:\Users\username\AppData\Local\Cisco\Cisco AnyConnect Secure Mobility Client\preferences.xml
– Windows XP:C:\Documents and Settings\username\Local Settings\Application Data\Cisco\Cisco AnyConnect Secure Mobility Client\preferences.xml
• Mac OS X:/Users/username/.anyconnect
• Linux:/home/username/.anyconnect
ステップ 2 PPPExclusion の詳細を <ControllablePreferences>
の下に挿入して、Override 値と PPP サーバの IP アドレスを指定します。アドレスは、完全な形式の IPv4 アドレスにする必要があります。次に、例を示します。
<ControllablePreferences>
<PPPExclusionServerIP>192.168.22.44</PPPExclusionServerIP></PPPExclusion>
</ControllablePreferences>
ステップ 3 ファイルを保存します。
ステップ 4 AnyConnect を終了し、リスタートします。
AnyConnect プロファイル エディタの VPN パラメータに関する詳細
ここでは、プロファイル エディタのさまざまなペインに表示されるすべての設定について説明します。
AnyConnect プロファイル エディタ、プリファレンス(パート 1)
[ログイン前の起動の使用(Use Start Before Logon)](Windows のみ):Windows のログイン ダイアログボックスが表示される前に AnyConnect を開始することにより、ユーザを Windows へのログイン前に VPN 接続を介して企業インフラへ強制的に接続させます。認証後、ログイン ダイアログボックスが表示され、ユーザは通常どおりログインします。SBL では、ログイン スクリプト、パスワードのキャッシュ、ネットワーク ドライブからローカル ドライブへのマッピングなどの使用を制御できます。
[接続前のメッセージを表示する(Show Pre-connect Message)]:初めて接続を試行するユーザに対してメッセージを表示します。たとえば、スマートカードをリーダーに必ず挿入するようユーザに知らせることもできます。事前接続メッセージの設定または変更の詳細については、 「デフォルトの AnyConnect の英語メッセージの変更」(P.11-20) を参照してください。
[証明書ストア(Certificate Store)]:AnyConnect がどの証明書ストアで証明書を検索するかを制御します。Windows では、ローカル マシン用の証明書ストアと現在のユーザ用の証明書ストアが別々に用意されます。コンピュータ上で管理者権限を持つユーザは、両方の証明書ストアにアクセスできます。ほとんどの場合、デフォルト設定(All)が適しています。変更が必要となる特別な理由またはシナリオ要件がある場合を除いて、この設定は変更しないでください。
• [すべて(All)]:(デフォルト)すべての証明書を受け入れ可能です。
• [マシン(Machine)]:マシン証明書(コンピュータで識別された証明書)を使用します。
• [ユーザ(User)]:ユーザ生成の証明書を使用します。
[証明書ストアの上書き(Certificate Store Override)]:Windows のマシン証明書ストアで証明書を検索するよう AnyConnect を設定することができます。これは、証明書がこのストアにあり、ユーザにマシンの管理者権限がない場合に役立ちます。
[起動時に自動接続(Auto Connect on Start)]:AnyConnect の起動時に、AnyConnect プロファイルで指定されたセキュア ゲートウェイまたはクライアントが最後に接続していたゲートウェイとの VPN 接続が自動的に確立されます。
[接続時に最小化(Minimize On Connect)]:VPN 接続の確立後、AnyConnect GUI が最小化されます。
[ローカル LAN アドレス(Local LAN Access)]:ASA への VPN セッション中にリモート コンピュータへ接続したローカル LAN に対してユーザが無制限にアクセスできるようになります。
(注) [ローカル LAN アドレス(Local LAN Access)] を有効にすると、パブリック ネットワークからユーザ コンピュータを経由して、企業ネットワークにセキュリティの脆弱性が生じる可能性があります。代替手段として、セキュリティ アプライアンス(バージョン 8.3(1) 以降)で、新しい AnyConnect クライアント ローカル印刷ファイアウォール ルールを使用した SSL クライアント ファイアウォールを展開するように設定することもできます(クライアント プロファイルの [常時接続 VPN(Always-on VPN)] セクションで [Apply last local VPN resource rules] を有効にします)。
[自動再接続(Auto Reconnect)]:接続が解除された場合、AnyConnect により VPN 接続の再確立が試行されます(デフォルトで有効)。[自動再接続(Auto Reconnect)] を有効にすると、接続解除の原因にかかわらず、再接続は試行されません。
自動再接続の動作は次のとおりです。
• [DisconnectOnSuspend](デフォルト):AnyConnect では、システムの一時停止時に VPN セッションに割り当てられたリソースが解放され、システムのレジューム後も再接続は試行されません。
• [ReconnectAfterResume]:接続が解除された場合、AnyConnect により VPN 接続の再確立が試行されます。
(注) AnyConnect 2.3 よりも前までは、システムの一時停止に対するデフォルトの動作として、VPN セッションに割り当てられたリソースを保持し、システムのレジューム後に VPN 接続を再確立していました。この動作を維持する場合は、自動再接続の動作として ReconnectAfterResume を選択します。
[自動更新(Auto Update)]:クライアントの自動更新を無効にします。
[RSA セキュア ID 連携(RSA Secure ID Integration)](Windows のみ):ユーザが RSA とどのようにインタラクトするかを制御します。デフォルトでは、AnyConnect により RSA インタラクションの適切な方式が指定されます(自動設定)。
• [自動(Automatic)]:ソフトウェア トークンおよびハードウェア トークンが許可されます。
• [ソフトウェア トークン(Software Token)]:ソフトウェア トークンのみ許可されます。
• [ハードウェアトークン(Hardware Token)]:ハードウェア トークンのみ許可されます。
[Windows ログインの強制(Windows Logon Enforcement)]:リモート デスクトップ プロトコル(RDP)からの VPN セッションの確立を許可します。(スプリット トンネリング VPN 設定が必要です)。VPN 接続を確立したユーザがログオフすると、AnyConnect は VPN 確立を接続解除します。接続がリモート ユーザによって確立されていた場合、そのリモート ユーザがログオフすると、VPN 接続は終了します。
• [シングル ローカル ログイン(Single Local Logon)]:VPN 接続全体で、ログインできるローカル ユーザは 1 人だけです。クライアント PC に複数のリモート ユーザがログインしている場合でも、ローカル ユーザが VPN 接続を確立することはできます。
• [シングル ログイン(Single Logon)]:VPN 接続全体で、ログインできるユーザは 1 人だけです。VPN 接続の確立時に、ローカルまたはリモートで複数のユーザがログインしている場合、接続は許可されません。VPN 接続中にローカルまたはリモートで第 2 のユーザがログインすると、VPN 接続が終了します。VPN 接続中の追加のログインは許可されません。そのため、VPN 接続によるリモート ログインは行えません。
[Windows VPN 確立(Windows VPN Establishment)]:クライアント PC にリモート ログインしたユーザが VPN 接続を確立した場合の AnyConnect の動作を決定します。次の値が可能です。
• [ローカルユーザのみ(Local Users Only)]:リモート ログインしたユーザは、VPN 接続を確立できません。これは、以前のバージョンの AnyConnect と同じ機能です。
• [リモートユーザを許可(Allow Remote Users)]:リモート ユーザは VPN 接続を確立できます。ただし、設定された VPN 接続ルーティングによってリモート ユーザが接続解除された場合は、リモート ユーザがクライアント PC に再アクセスできるように、VPN 接続が終了します。リモート ユーザが VPN 接続を終了せずにリモート ログイン セッションを接続解除するには、VPN を確立した後、90 秒間待つ必要があります。
(注) 現在 Vista では、Start Before Logon(SBL)中にプロファイルの [Windows VPN 確立(Windows VPN Establishment)] 設定が適用されることはありません。AnyConnect では、VPN 接続を確立したのがログイン前のリモート ユーザかどうかの判定は行われません。そのため、[Windows VPN 確立(Windows VPN Establishment)] の設定が [ローカルユーザのみ(Local Users Only)] でも、リモート ユーザが SBL を介して VPN 接続を確立することは可能です。
このペインに表示されるクライアント機能に関するより詳細な設定情報については、次の各項を参照してください。
Start Before Logon: 「Start Before Logon の設定」
証明書ストアおよび証明書の上書き: 「証明書ストアの設定」
自動再接続: 「自動再接続の設定」
Windows ログインの強制: Windows RDP セッションによる VPN セッションの起動
AnyConnect プロファイル エディタ、プリファレンス(パート 2)
[証明書選択を無効にする(Disable Certificate Selection)]:クライアントによる自動証明書選択を無効にし、ユーザに対して認証証明書を選択するためのプロンプトを表示します。
[ローカルプロキシ接続を許可(Allow Local Proxy Connections)]:デフォルトでは、Windows ユーザは AnyConnect でローカル PC 上のトランスペアレントまたは非トランスペアレントのプロキシを介して VPN セッションを確立するようになっています。次に示すのは、透過的なプロキシ サービスを実現する要素の一例です。
• 一部のワイヤレス データ カードから入手できるアクセラレーション ソフトウェア
• 一部のアンチウイルス ソフトウェア上のネットワーク コンポーネント
ローカル プロキシ接続のサポートを無効にする場合は、このパラメータをオフにします。
[プロキシ設定(Proxy Settings)]:リモート コンピュータ上の Microsoft Internet Explorer または Mac Safari のプロキシ設定を無視するように、AnyConnect プロファイルでポリシーを指定できます。これは、プロキシ設定によってユーザが企業ネットワークの外部からトンネルを確立できない場合に役立ちます。ASA 上のプロキシ設定と併用します。
• [ネイティブ(Native)]:クライアントは、クライアントで設定されたプロキシ設定および Internet Explorer で設定されたプロキシ設定の両方を使用します。ネイティブ OS プロキシ設定(Windows の MSIE に設定されたものなど)が使用され、グローバル ユーザ プリファレンスで設定されたプロキシ設定はこれらのネイティブ設定の先頭に追加されます。
• [プロキシを無視(Ignore Proxy)]:ユーザ コンピュータ上の Microsoft Internet Explorer または Mac Safari のプロキシ設定が無視されます。ASA に到達するプロキシには、何のアクションも実行されません。
• [上書き(Override)](サポートされていません)
[最適なゲートウェイの選択を有効化(Enable Optimal Gateway Selection)]:AnyConnect では、ラウンド トリップ時間(RTT)に基づいて接続または再接続に最適なセキュア ゲートウェイが特定され、それが選択されます。これにより、ユーザが介入することなくインターネット トラフィックの遅延を最小限に抑えることができます。クライアント GUI の [接続(Connection)] タブにある [接続先(Connect To)] ドロップダウン リストには [自動選択(Automatic Selection)] が表示されます。
• [中断時間しきい値(Suspension Time Threshold)](単位は時間):現在のセキュア ゲートウェイへの接続が解除されてから、別のセキュア ゲートウェイに再接続するまでの経過時間。ユーザが対応するゲートウェイ間の移行が極端に多い場合は、この時間を長くします。
• [パフォーマンス向上しきい値(Performance Improvement Threshold)](単位は %):クライアントが別のセキュア ゲートウェイに接続する際の基準となるパフォーマンス向上率。デフォルトは 20 % です。
(注) AAA が使用されている場合は、別のセキュア ゲートウェイへの移行時にユーザがそれぞれのクレデンシャルを再入力しなければならないことがあります。この問題は、証明書を使用すると解消されます。
[自動 VPN ポリシー(Automatic VPN Policy)](Windows および Mac のみ):信頼ネットワーク ポリシーおよび非信頼ネットワーク ポリシーに従って VPN 接続を開始または停止することが必要な状況を自動で管理します。無効の場合、VPN 接続の開始および停止は手動でのみ行うことができます。
(注) [自動 VPN ポリシー(Automatic VPN Policy)] の設定にかかわらず、ユーザは VPN 接続を手動で制御できます。
• [信頼されたネットワークポリシー(Trusted Network Policy)]:ユーザが企業ネットワークの中(信頼ネットワーク)に存在する場合、AnyConnect により VPN 接続が自動的に解除されます。
– [接続解除(Disconnect)]:信頼ネットワークが検出されると VPN 接続が解除されます。
– [接続(Connect)]:信頼ネットワークが検出されると VPN 接続が開始されます。
– [何もしない(Do Nothing)]:信頼ネットワークでは動作はありません。[信頼されたネットワークポリシー(Trusted Network Policy)] および [信頼されていないネットワークポリシー(Untrusted Network Policy)] を共に [何もしない(Do Nothing)] に設定すると、Trusted Network Detection は無効となります。
– [一時停止(Pause)]:ユーザが信頼ネットワークの外で VPN セッションを確立した後に、信頼済みとして設定されたネットワークに入った場合、AnyConnect は VPN セッションを接続解除するのではなく、一時停止します。ユーザが再び信頼ネットワークの外に出ると、そのセッションは AnyConnect により再開されます。この機能を使用すると、信頼ネットワークの外へ移動した後に新しい VPN セッションを確立する必要がなくなるため、ユーザにとっては有用です。
• [信頼されていないネットワークポリシー(Untrusted Network Policy)]:ユーザが企業ネットワークの外(非信頼ネットワーク)に存在する場合、AnyConnect により VPN 接続が自動的に開始されます。この機能を使用すると、ユーザが信頼ネットワークの外にいるときに VPN 接続を開始することによって、セキュリティ意識を高めることができます。
– [接続(Connect)]:非信頼ネットワークが検出されると VPN 接続が開始されます。
– [何もしない(Do Nothing)]:非信頼ネットワークが検出されると VPN 接続が開始されます。このオプションを選択すると、常時接続 VPN は無効となります。[信頼されたネットワークポリシー(Trusted Network Policy)] および [信頼されていないネットワークポリシー(Untrusted Network Policy)] を共に [何もしない(Do Nothing)] に設定すると、Trusted Network Detection は無効となります。
• [信頼された DNS ドメイン(Trusted DNS Domains)]:クライアントが信頼ネットワーク内に存在する場合にネットワーク インターフェイスに割り当てることができる DNS サフィックス(カンマ区切りの文字列)。*.cisco.com などがこれに該当します。DNS サフィックスでは、ワイルドカード(*)がサポートされます。
• [信頼された DNS サーバ(Trusted DNS Servers)]:クライアントが信頼ネットワーク内に存在する場合にネットワーク インターフェイスに割り当てることができる DNS サーバ アドレス(カンマ区切りの文字列)。たとえば 161.44.124.* や 64.102.6.247 などです。DNS サーバ アドレスでは、ワイルドカード(*)がサポートされます。
• [Always On]:Windows 7、Windows Vista、Windows XP、Mac OS X 10.5、または Mac OS X 10.6 が実行されているコンピュータにユーザがログインした場合、VPN への接続を AnyConnect で自動的に行うかどうかを指定します。この機能を使用すると、コンピュータが信頼ネットワーク内に存在しない場合にはインターネット リソースへのアクセスを制限することによってセキュリティ上の脅威からコンピュータを保護するという企業ポリシーが適用されます。グループ ポリシーおよびダイナミック アクセス ポリシーで常時接続 VPN パラメータを設定すると、この設定を上書きすることができます。これにより、ポリシーの割り当てに使用される一致基準に従って例外を指定できます。AnyConnect ポリシーでは常時接続 VPN が有効になっているが、ダイナミック アクセス ポリシーまたはグループ ポリシーでは無効になっている場合、各新規セッションの確立に関するダイナミック アクセス ポリシーまたはグループ ポリシーが基準と一致すれば、クライアントでは現在以降の VPN セッションに対して無効の設定が保持されます。
• [VPN の接続解除を許可(Allow VPN Disconnect)]:AnyConnect で常時接続 VPN セッション用の [接続解除(Disconnect)] ボタンが表示されるようにするかどうかを指定します。常時接続 VPN セッションのユーザは、[接続解除(Disconnect)] をクリックすることが必要になる場合があるため、次のような問題に対処できるよう代替セキュア ゲートウェイを選択することができます。
– 現在の VPN セッションに関するパフォーマンスの問題。
– VPN セッションが中断した後に生じる再接続の問題。
注意 [接続解除(Disconnect)] ボタンをクリックすると、すべてのインターフェイスがロックされます。これにより、データの漏洩を防ぐことができるほか、VPN セッションの確立には必要のないインターネット アクセスからコンピュータを保護することができます。上述した理由により、[接続解除(Disconnect)] ボタンを無効にすると、VPN アクセスが妨害または阻止されることがあります。
この機能の詳細については、「常時接続 VPN 用の [接続解除(Disconnect)] ボタン」を参照してください。
• [Connect Failure Policy(接続エラーポリシー)]:AnyConnect が VPN セッションを確立できない場合(ASA が到達不能の場合など)に、コンピュータがインターネットにアクセスできるようにするかどうかを指定します。このパラメータは、常時接続 VPN が有効な場合にのみ適用されます。
注意 AnyConnect が VPN セッションの確立に失敗した場合は、接続障害クローズド ポリシーによりネットワーク アクセスは制限されます。AnyConnect では、
キャプティブ ポータルの大半が検出されます。ただし、キャプティブ ポータルを検出できない場合は、接続障害クローズド ポリシーによりネットワーク接続は制限されます。接続障害ポリシーの設定を行う場合は必ず、事前に
「接続障害ポリシーに関する要件」を一読してください。
– [クローズド(Closed)]:VPN が到達不能の場合にネットワーク アクセスを制限します。この設定の目的は、エンドポイントを保護するプライベート ネットワーク内のリソースが使用できない場合に、企業の資産をネットワークに対する脅威から保護することにあります。
– [オープン(Open)]:VPN が到達不能の場合でもネットワーク アクセスを許可します。
– [キャプティブポータルの修復を許可(Allow Captive Portal Remediation)]:クライアントによりキャプティブ ポータル(ホットスポット)が検出された場合、クローズ接続障害ポリシーにより適用されるネットワーク アクセスの制限が AnyConnect により解除されます。ホテルや空港では、ユーザが必ずブラウザを開いてインターネット アクセスの許可に必要な条件を満たすことができるようにするため、キャプティブ ポータルを使用するのが一般的です。デフォルトの場合、このパラメータはオフになっており、セキュリティは最高度に設定されます。ただし、クライアントから VPN へ接続する必要があるにもかかわらず、キャプティブ ポータルによりそれが制限されている場合は、このパラメータをオンにする必要があります。
– [修復タイムアウト(Remediation Timeout)]:Number of minutes AnyConnect によりネットワーク アクセスの制限が解除されるまでの時間(分)。このパラメータは、[キャプティブポータルの修復を許可(Allow Captive Portal Remediation)] パラメータがオンになっており、かつクライアントによりキャプティブ ポータルが検出された場合に適用されます。キャプティブ ポータルの要件を満たすことができるだけの十分な時間を指定します(5 分など)。
– [最後の VPN ローカル リソース ルールの適用(Apply Last VPN Local Resource Rules)]:VPN が到達不能の場合、クライアントでは ASA から受信した最後のクライアント ファイアウォールが適用されます。この中には、ローカル LAN 上のリソースへのアクセスを許可する ACL が含まれている場合もあります。
[PPP 除外(PPP Exclusion)]:PPP 接続上で VPN トンネルについて、除外ルートを特定するかどうかや、除外ルートを特定する方法を指定します。これにより、クライアントでは、セキュリティ ゲートウェイよりも先を宛先としてトンネリングされたトラフィックから、このセキュリティ ゲートウェイを宛先とするトラフィックを除外することができます。除外ルートは、セキュアでないルートとして AnyConnect GUI の [ルートの詳細(Route Details)] 画面に表示されます。この機能をユーザ設定可能にした場合、ユーザは PPP 除外設定の読み取りや変更を行うことができます。
• [自動(Automatic)]:PPP 除外を有効にします。AnyConnect では自動的に、PPP サーバの IP アドレスが使用されます。この値は、自動検出による IP アドレスの取得に失敗すした場合にのみ変更するよう、ユーザに指示してください。
• [無効(Disabled)]:PPP 除外は適用されません。
• [上書き(Override)]:同様に PPP 除外を有効にします。自動検出で PPP サーバの IP アドレスを取得できず、かつ PPP 除外をユーザ設定可能に設定している場合は、ユーザに対して「ユーザによる PPP 除外の上書き」の説明に従うよう指示してください。
[PPP 除外サーバ IP(PPP Exclusion Server IP)]:PPP 除外に使用されるセキュリティ ゲートウェイの IP アドレス。
[スクリプトの有効化(Enable Scripting)]:OnConnect スクリプトおよび OnDisconnect スクリプトがセキュリティ アプライアンスのフラッシュ メモリに存在する場合はそれらを起動します。
• [次のイベント時にスクリプトを終了する(Terminate Script On Next Event)]:スクリプト処理可能な別のイベントへの移行が発生した場合に、実行中のスクリプト プロセスを終了します。たとえば、VPN セッションが終了すると、AnyConnect では実行中の OnConnect スクリプトが終了し、クライアントで新しい VPN セッションが開始すると、実行中の OnDisconnect スクリプトが終了します。Microsoft Windows 上のクライアントでは OnConnect スクリプトまたは OnDisconnect スクリプトによって起動した任意のスクリプト、およびその従属スクリプトもすべて終了します。Mac OS および Linux 上のクライアントでは、OnConnect スクリプトまたは OnDisconnect スクリプトのみ終了し、子スクリプトは終了しません。
• [Post SBL OnConnect スクリプト有効にする(Enable Post SBL On Connect Script)]:SBL で VPN セッションが確立された場合に OnConnect スクリプトが(存在すれば)起動されるようにします。(VPN エンドポイントで Microsoft Windows 7、Windows XP、または Windows Vista が実行されている場合にのみサポート)。
[ログオフ時に VPN を保持(Retain VPN On Logoff)]:ユーザが Windows OS からログオフした場合に、VPN セッションを維持するかどうかを指定します。
• [ユーザの強制設定(User Enforcement)]:別のユーザがログインした場合に VPN セッションを終了するかどうかを指定します。このパラメータが適用されるのは、[ログオフ時に VPN を保持(Retain VPN On Logoff)] がオンになっており、かつ VPN セッションが確立されている間に元のユーザが Windows からログオフした場合のみです。
[認証タイムアウト値(Authentication Timeout Values)]:デフォルトでは、AnyConnect は接続試行を終了するまでに、セキュア ゲートウェイからの認証を最大 12 秒間待ちます。その時間が経過すると、認証がタイムアウトになったことを示すメッセージが表示されます。10 ~ 120 の範囲で秒数を入力します。
このペインに表示されるクライアント機能に関するより詳細な設定情報については、次の各項を参照してください。
AnyConnect プロファイル エディタの [バックアップ サーバ(Backup Servers)]
ユーザが選択したサーバで障害が発生した場合にクライアントが使用するバックアップ サーバのリストを設定できます。ユーザが選択したサーバで障害が発生した場合、クライアントではまずリストの先頭にあるサーバに対して接続が試行され、必要に応じてリストを下方向へ移動します。
[ホスト アドレス(Host Address)]:バックアップ サーバ リストに表示する IP アドレスまたは完全修飾ドメイン名(FQDN)を指定します。
[追加(Add)]:バックアップ サーバ リストにホスト アドレスを追加します。
[上に移動(Move Up)]:選択したバックアップ サーバをリストの上方向に移動します。ユーザが選択したサーバで障害が発生した場合、クライアントではまずリストの先頭にあるバックアップ サーバに対して接続が試行され、必要に応じてリストを下方向へ移動します。
[下に移動(Move Down)]:選択したバックアップ サーバをリストの下方向に移動します。
[削除(Delete)]:サーバ リストからバックアップ サーバを削除します。
バックアップ サーバの設定に関する詳細については、「バックアップ サーバ リストの設定」を参照してください。
AnyConnect プロファイル エディタの [証明書照合(Certificate Matching)]
このペインでは、クライアントによる自動証明書選択の詳細設定に使用できるさまざまな属性の定義を有効にします。
[キーの用途(Key Usage)]:受け入れ可能なクライアント証明書を選択する場合は、次のような証明書キー属性を使用できます。
• Decipher_Only:データを復号化します。他のビットは設定されません(Key_Agreement は除く)。
• Encipher_Only:データを暗号化します。他のビットは設定されません(Key_Agreement は除く)。
• CRL_Sign:CRL の CA 署名を確認します。
• Key_Cert_Sign:証明書の CA 署名を確認します。
• Key_Agreement:キー共有。
• Data_Encipherment:Key_Encipherment 以外のデータを暗号化します。
• Key_Encipherment:キーを暗号化します。
• Non_Repudiation:一部の処理を誤って拒否しないように、Key_Cert_sign および CRL_Sign 以外のデジタル署名を確認します。
• Digital_Signature:Non_Repudiation、Key_Cert_Sign、および CRL_Sign 以外のデジタル署名を確認します。
[キーの拡張用途(Extended Key Usage)]:次のキーの拡張用途設定を使用します。OID は丸カッコ内に記載してあります。
• ServerAuth(1.3.6.1.5.5.7.3.1)
• ClientAuth(1.3.6.1.5.5.7.3.2)
• CodeSign(1.3.6.1.5.5.7.3.3)
• EmailProtect(1.3.6.1.5.5.7.3.4)
• IPsecEndSystem(1.3.6.1.5.5.7.3.5)
• IPsecTunnel(1.3.6.1.5.5.7.3.6)
• IPsecUser(1.3.6.1.5.5.7.3.7)
• TimeStamp(1.3.6.1.5.5.7.3.8)
• OCSPSign(1.3.6.1.5.5.7.3.9)
• DVCS(1.3.6.1.5.5.7.3.10)
[カスタム拡張照合キー(最大 10)(Custom Extended Match Key (Max 10))]:カスタム拡張照合キー(もしあれば)を指定します(最大 10 個) 証明書は入力したすべての指定キーに一致する必要があります。OID 形式でキーを入力します(1.3.6.1.5.5.7.3.11 など)。
[識別名(最大 10)(Distinguished Name (Max 10))]:受け入れ可能なクライアント証明書を選択する際に完全一致基準として使用する識別名(DN)を指定します。
[名前(Name)]:照合に使用する識別名(DN)。
• CN:サブジェクトの一般名
• C:サブジェクトの国
• DC:ドメイン コンポーネント
• DNQ:サブジェクトの DN 修飾子
• EA:サブジェクトの電子メール アドレス
• GENQ:サブジェクトの GEN 修飾子
• GN:サブジェクトの名
• I:サブジェクトのイニシャル
• L:サブジェクトの都市
• N:サブジェクトの非構造体名
• O:サブジェクトの会社
• OU:サブジェクトの部署
• SN:サブジェクトの姓
• SP:サブジェクトの州
• ST:サブジェクトの州
• T:サブジェクトの敬称
• ISSUER-CN:発行元の一般名
• ISSUER-DC:発行元のコンポーネント
• ISSUER-SN:発行元の姓
• ISSUER-GN:発行元の名
• ISSUER-N:発行元の非構造体名
• ISSUER-I:発行元のイニシャル
• ISSUER-GENQ:発行元の GEN 修飾子
• ISSUER-DNQ:発行元の DN 修飾子
• ISSUER-C:発行元の国
• ISSUER-L:発行元の都市
• ISSUER-SP:発行元の州
• ISSUER-ST:発行元の州
• ISSUER-O:発行元の会社
• ISSUER-OU:発行元の部署
• ISSUER-T:発行元の敬称
• ISSUER-EA:発行元の電子メール アドレス
[パターン(Pattern)]:照合に使用する文字列。 照合するパターンには、目的の文字列部分のみ含まれている必要があります。パターン照合構文や正規表現構文を入力する必要はありません。入力した場合、その構文は検索対象の文字列の一部と見なされます。
abc.cisco.com という文字列を例とした場合、cisco.com で照合するためには、入力するパターンを cisco.com とする必要があります。
[ワイルドカード(Wildcard)]:有効にすると、ワイルドカード パターン照合を使用することができます。ワイルドカードが有効であれば、パターンは文字列内のどの場所でも使用できます。
[演算子(Operator)]:照合を実行する際に使用する演算子。
• [等しい(Equal)]:== と同等
• [等しくない(Not Equal)]:!= と同等
[大文字と小文字を区別する(Match Case)]:有効にすると、パターンに適用するパターン照合で大文字と小文字が区別されます。
• オン:大文字と小文字を区別したパターン照合を実行します。
• オフ:大文字と小文字を区別しないパターン照合を実行します。
証明書の照合に関するより詳細な設定情報については、「証明書照合の設定」を参照してください。
AnyConnect プロファイル エディタの [証明書の登録(Certificate Enrollment)]
このペインでは、証明書登録の設定を行います。
[証明書の登録(Certificate Enrollment)]:AnyConnect で、クライアント認証に使用する証明書のプロビジョニングおよび更新を行う場合に、Simple Certificate Enrollment Protocol(SCEP)を使用できるようにします。クライアントから証明書要求が送信されると、その要求は認証局(CA)により自動的に承諾または拒否されます。
(注) SCEP プロトコルを使用すると、クライアントが証明書を要求した後、その応答を受信するまで CA にポーリングすることもできます。ただしこのポーリング方式は、このリリースではサポートされていません。
[証明書失効しきい値(Certificate Expiration Threshold)]:AnyConnect がユーザに対して証明書の失効が近づいていることを証明書の有効期限の何日前に警告するか(SCEP が有効な場合はサポートされません)。デフォルトは 0(警告は表示しない)です。値の範囲は 0 ~ 180 日です。
[自動 SCEP ホスト(Automatic SCEP Host)]:SCEP 証明書取得が設定されている ASA のホスト名および接続プロファイル(トンネル グループ)を指定します。ASA の完全修飾ドメイン名(FQDN)または接続プロファイル名を入力してください (ホスト名 asa.cisco.com、接続プロファイル名 scep_eng など)。
[CA URL]:SCEP CA サーバを指定します。CA サーバの FQDN または IP アドレスを入力してください (http://ca01.cisco.com など)。
• [チャレンジ PW のプロンプト(Prompt For Challenge PW)]:有効にすると、証明書をユーザが手動で要求できるようになります。 ユーザが [証明書を取得(Get Certificate] をクリックすると、クライアントではユーザに対してユーザ名および 1 回限定利用のパスワードに関するプロンプトが表示されます。
• [サムプリント(Thumbprint)]:CA の証明書サムプリント。SHA1 ハッシュまたは MD5 ハッシュを使用します
(注) CA URL およびサムプリントを用意することができるのは CA サーバ管理者です。サムプリントは、発行した証明書の「fingerprint」属性フィールドや「thumbprint」属性フィールドではなく、サーバから直接取得する必要があります。
[証明書の内容(Certificate Contents)]:証明書の内容をクライアントが要求する方法を定義します。
• Name (CN):証明書での一般名。
• Department (OU):証明書に指定されている部署名。
• Company (O):証明書に指定されている会社名。
• State (ST):証明書に指定されている州 ID。
• State (SP):別の州 ID。
• Country (C):証明書に指定されている国 ID。
• Email (EA):電子メール アドレス。次の例では、[Email (EA)] は %USER%@cisco.com です。%USER% は、ユーザの ASA ユーザ名ログイン クレデンシャルに対応します。
• Domain (DC):ドメイン コンポーネント。次の例では、[Domain (DC)] は cisco.com に設定されています。
• SurName (SN):姓または名。
• GivenName (GN):通常は名。
• UnstructName (N):定義されていない名前
• Initials (I):ユーザのイニシャル。
• Qualifier (GEN):ユーザの世代修飾子 (「Jr.」、「III.」など)。
• Qualifier (DN):完全 DN の修飾子。
• City (L):都市 ID。
• Title (T):個人の敬称 (Ms.、Mrs.、Mr. など)。
• CA Domain:SCEP 登録に使用されます。通常は CA ドメイン。
• Key size:登録する証明書用に生成された RSA キーのサイズ。
[証明書取得ボタンを表示する(Display Get Cert Button)]:有効にすると、AnyConnect GUI に [証明書を取得(Get Certificate] ボタンが表示されます。デフォルトでは、ユーザに対して [登録(Enroll)] ボタンが表示されるほか、AnyConnect が認証局へ証明書登録を要求していることを知らせるメッセージが表示されます。[証明書を取得(Get Certificate)] を表示することで、ユーザは AnyConnect インターフェイスを操作する際に、その操作内容をより明確に理解することができます。
証明書失効しきい値により定義された期間内に証明書が失効するよう設定されている場合に、証明書が失効するか、または証明書が存在しないと、ユーザに対してこのボタンが表示されます。
(注) 認証証明書のプロビジョニングまたは更新をユーザが手動で要求できるようにする場合は、[証明書取得ボタンを表示する(Display Get Cert Button)] を有効にします。通常これらのユーザは、あらかじめ VPN トンネルを作成することなく認証局にアクセスできます。そうでない場合は、この機能を有効にしないでください。
[証明書の登録(Certificate Enrollment)] に関するより詳細な設定情報については、「SCEP による認証登録の設定」を参照してください。
AnyConnect プロファイル エディタの [モバイル ポリシー(Mobile Policy)]
このペインでは、Windows Mobile 上で実行中の AnyConnect で使用するパラメータを設定します。
(注) AnyConnect のバージョン 3.0 以降では、Windows Mobile デバイスをサポートしません。Windows Mobile デバイスに関する情報は、『Cisco AnyConnect Secure Mobility Client 管理者ガイド リリース 2.5』を参照してください。
• [デバイスロックが必要(Device Lock Required)]:VPN 接続を確立する前に Windows Mobile デバイスに対してパスワードまたは PIN を設定する必要があります。これが適用されるのは、Microsoft Local Authentication Plug-ins(LAPs)を使用する Windows Mobile デバイスのみです。
• [最大タイムアウト時間(分単位)(Maximum Timeout Minutes)]:デバイス ロックが有効になるまでの最長時間(単位は分)。設定は必須です。
• [最小パスワード長(Minimum Password Length)]:デバイス ロック用のパスワードまたは PIN に必要な最低文字数を指定します。
• [パスワードの複雑さ(Password Complexity)]:必要なデバイス ロックのパスワードに対して複雑度を指定します。
• [アルファ(alpha)]:英数字のパスワードであることが必要。
• [PIN]:数字の PIN であることが必要。
• [強力(strong)]:7 文字以上で構成され、うち最低 3 文字は大文字、小文字、数字、句読記号のいずれかである強度の高い英数字のパスワードであることが必要。
AnyConnect プロファイル エディタの [サーバ リスト(Server List)]
クライアント GUI に表示されるサーバ リストの設定を行うことができます。ユーザは、VPN 接続を確立する際、このリストでサーバを選択することができます。
[サーバ リスト(Server List)] テーブルの列は次のとおりです。
• [ホスト名(Hostname)]:ホスト、IP アドレス、または完全修飾ドメイン名(FQDN)を参照する際に使用するエイリアス。
• [ホスト アドレス(Host Address)]:サーバの IP アドレスまたは FQDN。
• [ユーザ グループ(User Group)]:[ホスト アドレス(Host Address)] と組み合わせて使用することによりグループ ベースの URL が構成されます。
• [自動 SCEP ホスト(Automatic SCEP Host)]:クライアント認証に使用する証明書のプロビジョニング用および更新用として指定された Simple Certificate Enrollment Protocol。
• [CA URL]:このサーバが認証局(CA)へ接続する際に使用する URL。
[追加/編集(Add/Edit)]:サーバのパラメータを指定できる [サーバ リスト エントリ(Server List Entry)] ダイアログを起動します。
[削除(Delete)]:サーバ リストからサーバを削除します。
[詳細(Details)]:サーバのバックアップ サーバまたは CA URL に関する詳細情報を表示します。
AnyConnect プロファイル エディタの [サーバ リストの追加/編集(Add/Edit Server List)]
このペインでは、サーバとそのバックアップ サーバ、およびロード バランシング バックアップ デバイスを追加します。
[ホスト名(Hostname)]:ホスト、IP アドレス、または完全修飾ドメイン名(FQDN)を参照する際に使用するエイリアスを入力します。
[ホスト アドレス(Host Address)]:サーバの IP アドレスまたは FQDN を指定します。
(注) • [ホスト アドレス(Host Address)] フィールドに IP アドレスまたは FQDN を指定すると、[ホスト名(Host Name)] フィールドのエントリが AnyConnect Client トレイ フライアウト内の接続ドロップダウン リストに表示されるサーバのラベルになります。
• [ホスト名(Hostname)] フィールドで FQDN のみを指定し、[ホスト アドレス(Host Address)] フィールドでは IP アドレスを指定しない場合、[ホスト名(Hostname)] フィールドの FQDN が DNS で解決されます。
[ユーザ グループ(User Group)]:ユーザ グループを指定します。このユーザ グループとホスト アドレスを組み合わせてグループ ベースの URL が構成されます。
(注) プライマリ プロトコルを IPsec として指定した場合、ユーザ グループは接続プロファイル(トンネル グループ)の正確な名前である必要があります。SSL の場合、ユーザ グループは接続プロファイルの group-url または group-alias です。
[バックアップ サーバ リスト(Backup Server List)]:ユーザが選択したサーバで障害が発生した場合にクライアントが使用するバックアップ サーバのリストを設定できます。 サーバで障害が発生した場合、クライアントではまずリストの先頭にあるサーバに対して接続が試行され、必要に応じてリストを下方向へ移動します。
• [ホスト アドレス(Host Address)]:バックアップ サーバ リストに表示する IP アドレスまたは FQDN を指定します。クライアントでは、ホストに接続できない場合には、バックアップ サーバへの接続が試行されます。
• [追加(Add)]:バックアップ サーバ リストにホスト アドレスを追加します。
• [上に移動(Move Up)]:選択したバックアップ サーバをリストの上方向に移動します。ユーザが選択したサーバで障害が発生した場合、クライアントではまずリストの先頭にあるバックアップ サーバに対して接続が試行され、必要に応じてリストを下方向へ移動します。
• [下に移動(Move Down)]:選択したバックアップ サーバをリストの下方向に移動します。
• [削除(Delete)]:サーバ リストからバックアップ サーバを削除します。
[ロード バランシング サーバ リスト(Load Balancing Server List)]:このサーバ リスト エントリのホストがセキュリティ アプライアンスのロード バランシング クラスタであり、かつ常時接続機能が有効になっている場合は、このリストでクラスタのバックアップ デバイスを指定します。指定しなかった場合、ロード バランシング クラスタ内にあるバックアップ デバイスへのアクセスは常時接続機能によりブロックされます。
• [ホスト アドレス(Host Address)]:ロードバランシング クラスタにあるバックアップサーバの IP アドレスまたは FQDN を指定します。
• [追加(Add)]:ロード バランシング バックアップ サーバ リストにアドレスを追加します。
• [削除(Delete)]:ロード バランシング バックアップ サーバをリストから削除します。
[プライマリ プロトコル(Primary Protocol)]:この ASA も接続するプロトコル(SSL または IKEv2 を使用した IPsec)を指定します。デフォルトは SSL です。
[標準認証のみ(Standard Authentication Only)]:デフォルトでは、AnyConnect クライアントは独自の AnyConnect EAP 認証方式を使用します。クライアントで標準ベースの方式を使用する場合は、これをオンにして設定します。ただし、そうした場合はクライアントのダイナミック ダウンロード機能が制限され、一部の機能がディセーブルになります。
(注) 認証方式を独自の AnyConnect EAP から標準ベースの方式に変更すると、ASA でセッション タイムアウト、アイドル タイムアウト、接続解除タイムアウト、スプリット トンネリング、スプリット DNS、MSIE プロキシ設定、およびその他の機能を設定できなくなります。
[IKE ID(IKE Identity)]:標準ベースの EAP 認証方式を選択した場合、このフィールドにグループまたはドメインをクライアント アイデンティティとして入力できます。クライアントは、文字列を ID_GROUP タイプ IDi ペイロードとして送信します。デフォルトでは、文字列は *$AnyConnectClient$* です。
[CA URL]:SCEP CA サーバの URL を指定します。FQDN または IP アドレスを入力します (http://ca01.cisco.com など)。
• [チャレンジ PW のプロンプト(Prompt For Challenge PW)]:有効にすると、証明書をユーザが手動で要求できるようになります。 ユーザが [証明書を取得(Get Certificate)] をクリックすると、クライアントではユーザに対してユーザ名および 1 回限定利用のパスワードに関するプロンプトが表示されます。
• [サムプリント(Thumbprint)]:CA の証明書サムプリント。SHA1 ハッシュまたは MD5 ハッシュを使用します
(注) CA URL およびサムプリントを用意することができるのは CA サーバ管理者です。サムプリントは、発行した証明書の「fingerprint」属性フィールドや「thumbprint」属性フィールドではなく、サーバから直接取得する必要があります。
サーバ リストの作成に関するより詳細な設定情報については、 「サーバ リストの設定」 を参照してください。
AnyConnect クライアント接続タイムアウトの設定
アイドルの AnyConnect VPN 接続を終了または保持するには、次の手順に従います。
アクティビティが発生していない場合でも、ASA がユーザに対して AnyConnect VPN 接続を維持する長さを制限できます。VPN セッションがアイドルになった場合、接続を終了するか、または接続を再ネゴシエートできます。
AnyConnect 接続の終了
AnyConnect 接続を終了するには、ユーザはセキュア ゲートウェイに対してエンドポイントを再認証し、新しい VPN 接続を作成する必要があります。
次の設定パラメータは、単純なタイムアウトに基づいて、VPN セッションを終了します。
• Default Idle Timeout:指定した期間、セッションが非アクティブの状態が続いた場合に、ユーザのセッションを終了します。デフォルト値は 30 分です。
default-idle-timeout は、webvpn コンフィギュレーション モードで CLI を使用した場合のみ変更できます。デフォルト値は 1800 秒です。default-idle-timeout の設定方法については、『 Cisco ASA 5500 Series Configuration Guide using the CLI 』の「 Configuring Session Timeouts 」を参照してください。
• VPN Idle Timeout:指定した期間、セッションが非アクティブの状態が続いた場合に、ユーザのセッションを終了します。SSL-VPN の場合のみ、vpn-idle-timeout が設定されていないと、default-idle-timeout が使用されます。
ASDM を使用して VPN アイドル タイムアウトを設定する方法については、『 Cisco ASA 5500 Series Configuration Guide using ASDM 』の「 Adding or Editing a Remote Access Internal Group Policy, General Attributes 」を参照してください。
CLI を使用して VPN アイドル タイムアウトを設定する方法については、『 Cisco ASA 5500 Series Configuration Guide using the CLI 』の「 Configuring VPN-Specific Attributes 」のステップ 4 を参照してください。
AnyConnect 接続の再ネゴシエートと維持
次の設定パラメータは、トンネルを終了または再ネゴシエートします。ただし、セッションは終了しません。
• キープアライブ:ASA は定期的にキープアライブ メッセージを送信します。これらのメッセージは、ASA によって無視されますが、クライアントと ASA 間のデバイスとの接続の維持に役立ちます。
ASDM を使用してキープアライブを設定する方法については、『 Cisco ASA 5500 Series Configuration Guide using ASDM 』の「 Configuring AnyConnect VPN Client Connections 」を参照してください。
CLI を使用してキープアライブを設定する方法については、『 Cisco ASA 5500 Series Configuration Guide using the CLI 』の「 Group-Policy Attributes for AnyConnect Secure Mobility Client Connections 」のステップ 5 を参照してください。
• Dead Peer Detection:ASA および/または AnyConnect クライアントは、「R-U-There」メッセージを送信します。これらのメッセージは、IPsec のキープアライブ メッセージよりも少ない頻度で送信されます。
– クライアントが ASA の DPD メッセージに応答しない場合は、ASA はもう 3 回試行してから、セッションを「再開待機」モードに移行します。このモードでは、ユーザはネットワークをローミングしたり、スリープ モードに移行してから後で接続を復帰したりできます。デフォルトのアイドル タイムアウトが発生する前に、ユーザが再接続しなかった場合は、ASA はトンネルを終了します。推奨されるゲートウェイ DPD 間隔は 300 秒です。
– ASA がクライアントの DPD メッセージに応答しない場合、クライアントはもう 3 回試行してから、トンネルを終了します。推奨されるクライアント DPD 間隔は 30 秒です。
ASA(ゲートウェイ)およびクライアントの両方を、DPD メッセージを送信するようにイネーブルにして、タイムアウト間隔を設定できます。
ASDM を使用して DPD を設定する方法については、『 Cisco ASA 5500 Series Configuration Guide using ASDM 』の「 Dead Peer Detection 」を参照してください。
CLI を使用して DPD を設定する方法については、『 Cisco ASA 5500 Series Configuration Guide using the CLI 』の「 Configuring Group-Policy Attributes for AnyConnect Secure Mobility Client Connections 」のステップ 4 を参照してください。
ベスト プラクティス
• クライアント DPD を 30 秒に設定します([グループ ポリシー(Group Policy)] > [詳細(Advanced)] > [AnyConnect 接続(AnyConnect Client)] > [デッド ピア検出(Dead Peer Detection)])。
• サーバ DPD を 300 秒に設定します([グループ ポリシー(Group Policy)] > [詳細(Advanced)] > [AnyConnect 接続(AnyConnect Client)] > [デッド ピア検出(Dead Peer Detection)])。
• SSL および IPsec の両方のキー再生成を 1 時間に設定します([グループ ポリシー(Group Policy)] > [詳細(Advanced)] > [AnyConnect 接続(AnyConnect Client)] > [キー再作成(Key Regeneration)])。