Firepower 4100/9300 シャーシでのクラスタリングについて
クラスタは、単一の論理ユニットとして機能する複数のデバイスから構成されます。Firepower 4100/9300 シャーシ にクラスタを展開すると、以下の処理が実行されます。
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ユニット間通信用のクラスタ制御リンク(デフォルトのポート チャネル 48)を作成します。シャーシ内クラスタリングでは(Firepower 9300のみ)、このリンクは、クラスタ通信に Firepower 9300 バックプレーンを使用します。 シャーシ間クラスタリングでは、シャーシ間通信のために、この EtherChannel に物理インターフェイスを手動で割り当てる必要があります。
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アプリケーション内のクラスタ ブートストラップ コンフィギュレーションを作成します。
クラスタを展開すると、クラスタ名、クラスタ制御リンク インターフェイス、およびその他のクラスタ設定を含む各ユニットに対して、最小限のブートストラップ構成が Firepower 4100/9300 シャーシ スーパーバイザからプッシュされます。 クラスタリング環境をカスタマイズする場合、ブートストラップ コンフィギュレーションの一部は、アプリケーション内でユーザが設定できます。
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スパンド インターフェイスとして、クラスタにデータ インターフェイスを割り当てます。
シャーシ内クラスタリングでは、スパンド インターフェイスは、シャーシ間クラスタリングのように EtherChannel に制限されません。Firepower 9300 スーパーバイザは共有インターフェイスの複数のモジュールにトラフィックをロードバランシングするために内部で EtherChannel テクノロジーを使用するため、スパンド モードではあらゆるタイプのデータ インターフェイスが機能します。 シャーシ間クラスタリングでは、すべてのデータ インターフェイスでスパンド EtherChannel を使用します。
(注)
管理インターフェイス以外の個々のインターフェイスはサポートされていません。
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管理インターフェイスをクラスタ内のすべてのユニットに指定します。
ここでは、クラスタリングの概念と実装について詳しく説明します。クラスタリングの参考資料も参照してください。
ブートストラップ コンフィギュレーション
クラスタを展開すると、クラスタ名、クラスタ制御リンク インターフェイス、およびその他のクラスタ設定を含む各ユニットに対して、最小限のブートストラップ構成が Firepower 4100/9300 シャーシ スーパーバイザからプッシュされます。 クラスタリング環境をカスタマイズする場合、ブートストラップ コンフィギュレーションの一部はユーザが設定できます。
クラスタ メンバー
クラスタ メンバーは連携して動作し、セキュリティ ポリシーおよびトラフィック フローの共有を達成します。
クラスタ内のメンバの 1 つがマスター ユニットです。マスター ユニットは自動的に決定されます。他のすべてのメンバはスレーブ ユニットです。
すべてのコンフィギュレーション作業はマスター ユニット上でのみ実行する必要があります。コンフィギュレーションはその後、スレーブ ユニットに複製されます。
機能によっては、クラスタ内でスケーリングしないものがあり、そのような機能についてはマスター ユニットがすべてのトラフィックを処理します。クラスタリングの中央集中型機能 を参照してください。。
マスターおよびスレーブ ユニットの役割
クラスタ内のメンバの 1 つがマスター ユニットです。マスター ユニットは自動的に決定されます。他のすべてのメンバはスレーブ ユニットです。
すべてのコンフィギュレーション作業はマスター ユニット上でのみ実行する必要があります。コンフィギュレーションはその後、スレーブ ユニットに複製されます。
機能によっては、クラスタ内でスケーリングしないものがあり、そのような機能についてはマスター ユニットがすべてのトラフィックを処理します。クラスタリングの中央集中型機能 を参照してください。。
クラスタ制御リンク
クラスタ制御リンクはユニット間通信用の EtherChannel(ポート チャネル 48)です。シャーシ内クラスタリングでは、このリンクは、クラスタ通信に Firepower 9300 バックプレーンを使用します。シャーシ間クラスタリングでは、シャーシ間通信のために、Firepower 4100/9300 シャーシ のこの EtherChannel に物理インターフェイスを手動で割り当てる必要があります。
2 シャーシのシャーシ間クラスタの場合、シャーシと他のシャーシの間をクラスタ制御リンクで直接接続しないでください。インターフェイスを直接接続した場合、一方のユニットで障害が発生すると、クラスタ制御リンクが機能せず、他の正常なユニットも動作しなくなります。スイッチを介してクラスタ制御リンクを接続した場合は、正常なユニットについてはクラスタ制御リンクは動作を維持します。
クラスタ制御リンク トラフィックには、制御とデータの両方のトラフィックが含まれます。
制御トラフィックには次のものが含まれます。
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マスター選定。
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コンフィギュレーションの複製
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ヘルス モニタリング。
データ トラフィックには次のものが含まれます。
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ステート複製。
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接続所有権クエリおよびデータ パケット転送。
クラスタ制御リンクのサイズ
可能であれば、各シャーシの予想されるスループットに合わせてクラスタ制御リンクをサイジングする必要があります。そうすれば、クラスタ制御リンクが最悪のシナリオを処理できます。 たとえば、ASA 5585-X と SSP-60 を使用する場合は、クラスタのユニットあたり最大 14 Gbps を通過させることができるので、クラスタ制御リンクに割り当てるインターフェイスも、最低 14 Gbps の通過が可能となるようにしてください。この場合は、たとえば 10 ギガビット イーサネット インターフェイス 2 つを EtherChannel としてクラスタ制御リンクに使用し、残りのインターフェイスを必要に応じてデータ リンクに使用します。
クラスタ制御リンク トラフィックの内容は主に、状態アップデートや転送されたパケットです。クラスタ制御リンクでのトラフィックの量は常に変化します。転送されるトラフィックの量は、ロード バランシングの有効性、または中央集中型機能のための十分なトラフィックがあるかどうかによって決まります。次に例を示します。
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NAT では接続のロード バランシングが低下するので、すべてのリターン トラフィックを正しいユニットに再分散する必要があります。
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ネットワーク アクセスに対する AAA は一元的な機能であるため、すべてのトラフィックがマスター ユニットに転送されます。
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メンバーシップが変更されると、クラスタは大量の接続の再分散を必要とするため、一時的にクラスタ制御リンクの帯域幅を大量に使用します。
クラスタ制御リンクの帯域幅を大きくすると、メンバーシップが変更されたときの収束が高速になり、スループットのボトルネックを回避できます。
(注) |
クラスタに大量の非対称(再分散された)トラフィックがある場合は、クラスタ制御リンクのサイズを大きくする必要があります。 |
クラスタ制御リンク冗長性
クラスタ制御リンクには EtherChannel を使用することを推奨します。冗長性を実現しながら、EtherChannel 内の複数のリンクにトラフィックを渡すことができます。
次の図は、仮想スイッチング システム(VSS)または仮想ポート チャネル(vPC)環境でクラスタ制御リンクとして EtherChannel を使用する方法を示します。EtherChannel のすべてのリンクがアクティブです。スイッチが VSS または vPC の一部である場合は、同じ EtherChannel 内の ASA インターフェイスをそれぞれ、VSS または vPC 内の異なるスイッチに接続できます。スイッチ インターフェイスは同じ EtherChannel ポートチャネル インターフェイスのメンバです。複数の個別のスイッチが単一のスイッチのように動作するからです。この EtherChannel は、スパンド EtherChannel ではなく、デバイス ローカルであることに注意してください。
クラスタ制御リンクの信頼性
クラスタ制御リンクの機能を保証するには、ユニット間のラウンドトリップ時間(RTT)が 20 ms 未満になるようにします。この最大遅延により、異なる地理的サイトにインストールされたクラスタ メンバとの互換性が向上します。遅延を調べるには、ユニット間のクラスタ制御リンクで ping を実行します。
クラスタ制御リンクは、順序の異常やパケットのドロップがない信頼性の高いものである必要があります。たとえば、サイト間の導入の場合、専用リンクを使用する必要があります。
クラスタ制御リンク ネットワーク
Firepower 4100/9300 シャーシは、シャーシ ID およびスロット ID(127.2.chassis_id.slot_id)に基づいて、各ユニットのクラスタ制御リンク インターフェイス IP アドレスを自動生成します。クラスタを展開する場合にこの IP アドレスをカスタマイズできます。クラスタ制御リンク ネットワークには、ユニット間のルータを含めることはできません。レイヤ 2 スイッチングのみが許可されます。 サイト間トラフィックには、オーバーレイ トランスポート仮想化(OTV)を使用することをお勧めします。
クラスタ インターフェイス
シャーシ内クラスタリングでは、物理インターフェイス、EtherChannel (ポートチャネルとも呼ばれる)の両方を割り当てることができます。クラスタに割り当てられたインターフェイスはクラスタ内のすべてのメンバーのトラフィックのロード バランシングを行うスパンド インターフェイスです。
シャーシ間クラスタリングでは、データ EtherChannel のみをクラスタに割り当てできます。これらのスパンド EtherChannel は、各シャーシの同じメンバー インターフェイスを含みます。アップストリーム スイッチでは、これらのインターフェイスはすべて単一の EtherChannel に含まれ、スイッチは複数のデバイスに接続されていることを察知しません。
管理インターフェイス以外の個々のインターフェイスはサポートされていません。
VSS または vPC への接続
インターフェイスに冗長性を確保するため、EtherChannel を VSS または vPC に接続することを推奨します。
設定の複製
クラスタ内のすべてのユニットは、単一のコンフィギュレーションを共有します。コンフィギュレーション変更を加えることができるのはマスター ユニット上だけであり、変更は自動的にクラスタ内の他のすべてのユニットに同期されます。
ASA クラスタの管理
ASA クラスタリングを使用することの利点の 1 つは、管理のしやすさです。ここでは、クラスタを管理する方法について説明します。
管理ネットワーク
すべてのユニットを単一の管理ネットワークに接続することを推奨します。このネットワークは、クラスタ制御リンクとは別のものです。
管理インターフェイス
管理タイプのインターフェイスをクラスタに割り当てる必要があります。このインターフェイスはスパンド インターフェイスではなく、特別な個別インターフェイスです。管理インターフェイスによって各単位に直接接続できます。
メイン クラスタ IP アドレスは、そのクラスタのための固定アドレスであり、常に現在のマスター ユニットに属します。アドレス範囲も設定して、現在のマスターを含む各ユニットがその範囲内のローカル アドレスを使用できるようにします。このメイン クラスタ IP アドレスによって、管理アクセスのアドレスが一本化されます。マスター ユニットが変更されると、メイン クラスタ IP アドレスは新しいマスター ユニットに移動するので、クラスタの管理をシームレスに続行できます。
たとえば、クラスタを管理するにはメイン クラスタ IP アドレスに接続します。このアドレスは常に、現在のマスター ユニットに関連付けられています。個々のメンバを管理するには、ローカル IP アドレスに接続します。
TFTP や syslog などの発信管理トラフィックの場合、マスター ユニットを含む各ユニットは、ローカル IP アドレスを使用してサーバに接続します。
マスター ユニット管理とスレーブ ユニット管理
すべての管理とモニタリングはマスター ユニットで実行できます。マスター ユニットから、すべてのユニットの実行時統計情報やリソース使用状況などのモニタリング情報を調べることができます。また、クラスタ内のすべてのユニットに対してコマンドを発行することや、コンソール メッセージをスレーブ ユニットからマスター ユニットに複製することもできます。
必要に応じて、スレーブ ユニットを直接モニタできます。マスター ユニットからでもできますが、ファイル管理をスレーブ ユニット上で実行できます(コンフィギュレーションのバックアップや、イメージの更新など)。次の機能は、マスター ユニットからは使用できません。
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ユニットごとのクラスタ固有統計情報のモニタリング。
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ユニットごとの Syslog モニタリング(コンソール レプリケーションが有効な場合にコンソールに送信される syslog を除く)。
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SNMP
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NetFlow
RSA キー複製
マスター ユニット上で RSA キーを作成すると、そのキーはすべてのスレーブ ユニットに複製されます。メイン クラスタ IP アドレスへの SSH セッションがある場合に、マスター ユニットで障害が発生すると接続が切断されます。新しいマスター ユニットは、SSH 接続に対して同じキーを使用するので、新しいマスター ユニットに再接続するときに、キャッシュ済みの SSH ホスト キーを更新する必要はありません。
ASDM 接続証明書 IP アドレス不一致
デフォルトでは、自己署名証明書は、ローカル IP アドレスに基づいて ASDM 接続に使用されます。ASDM を使用してメイン クラスタ IP アドレスに接続する場合は、IP アドレス不一致に関する警告メッセージが表示されます。これは、証明書で使用されているのがローカル IP アドレスであり、メイン クラスタ IP アドレスではないからです。このメッセージは無視して、ASDM 接続を確立できます。ただし、この種の警告を回避するには、新しい証明書を登録し、この中でメイン クラスタ IP アドレスと、IP アドレス プールからのすべてのローカル IP アドレスを指定します。この証明書を各クラスタ メンバに使用します。
スパンド EtherChannel(推奨)
シャーシあたり 1 つ以上のインターフェイスをグループ化して、クラスタのすべてのシャーシに広がる EtherChannel とすることができます。EtherChannel によって、チャネル内の使用可能なすべてのアクティブ インターフェイスのトラフィックが集約されます。スパンド EtherChannel は、ルーテッドとトランスペアレントのどちらのファイアウォール モードでも設定できます。ルーテッド モードでは、EtherChannel は単一の IP アドレスを持つルーテッド インターフェイスとして設定されます。トランスペアレント モードでは、IP アドレスはブリッジグループ メンバーではなく BVI に割り当てられます。EtherChannel は初めから、ロード バランシング機能を基本的動作の一部として備えています。
サイト間クラスタリング
サイト間インストールの場合、推奨されるガイドラインに従っていれば、ASA クラスタリングを活用できます。
各クラスタ シャーシを個別のサイト ID に属するように設定できます。
サイト ID は、サイト固有の MAC アドレスおよび IP アドレスと連動します。クラスタから送信されたパケットは、サイト固有の MAC アドレスおよび IP アドレスを使用するのに対し、クラスタで受信したパケットは、グローバル MAC アドレスおよび IP アドレスを使用します。この機能により、MAC フラッピングの原因となる 2 つの異なるポートで両方のサイトから同じグローバル MAC アドレスをスイッチが学習するのを防止します。代わりに、スイッチはサイトの MAC アドレスのみを学習します。サイト固有の MAC アドレスおよび IP アドレスは、スパンド EtherChannel のみを使用したルーテッド モードでサポートされます。
サイト ID は、LISP インスペクションを使用したフロー モビリティの有効化、データセンターのサイト間クラスタリングのパフォーマンス向上とラウンドトリップ時間の遅延短縮のためのディレクタ ローカリゼーションの有効化、およびトラフィック フローのバックアップ オーナーが常にオーナーとは異なるサイトに存在する接続に対するサイト冗長性の有効化のためにも使用されます。
サイト間クラスタリングの詳細については、以下の項を参照してください。
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クラスタ フロー モビリティの設定:クラスタ フロー モビリティの設定
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ディレクタ ローカリゼーションの有効化:ディレクタ ローカリゼーションの有効化
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サイト冗長性の有効化:ディレクタ ローカリゼーションの有効化