Cisco Security Analytics and Logging(SaaS)を使用すると、すべての Firepower Threat Defense(FTD)デバイスからの接続、侵入、ファイル、マルウェア、セキュリティ インテリジェンスのイベントをキャプチャし、Cisco
Defense Orchestrator(CDO)の 1 か所で表示できます。
イベントは Cisco Cloud に保存され、CDO の [イベントロギング(Event Logging )] ページから表示できます。イベントをフィルタリングして確認し、ネットワークでトリガーされているセキュリティルールを明確に理解できます。それらの機能は、Logging and Troubleshooting パッケージで提供されます。
Logging Analytics and Detection パッケージ(旧 Firewall Analytics and Logging パッケージ)を使用すると、システムは Cisco Secure Cloud Analytics 動的エンティティモデリングを FTD イベントに適用し、行動モデリング分析を使用して Cisco Secure Cloud Analytics の観測値とアラートを生成できます。Total Network Analytics and Monitoring パッケージを使用すると、システムは FTD イベントとネットワークトラフィックの両方に動的エンティティモデリングを適用し、観測値とアラートを生成します。Cisco Single Sign-On を使用して、プロビジョニングされた Secure
Cloud Analytics ポータルを CDO からクロス起動できます。
CDO イベントビューアでの FTD イベントの表示方法
接続、侵入、ファイル、マルウェア、およびセキュリティ インテリジェンスのイベントは、個々のルールがイベントをログに記録するように設定され、ネットワークトラフィックがルールの条件に一致する場合に生成されます。イベントが Cisco Cloud に保存されたら、CDO
で表示できます。イベントを Cisco Cloud に送信するように FTD を設定するには、次の 2 つの方法があります。
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複数の Secure Event Connector(SEC)をインストールし、任意のデバイスでルールによって生成されたイベントを、syslog サーバーであるかのように任意の SEC に送信できます。SEC はイベントを Cisco Cloud
に転送します。
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FTD が登録キーを使用して CDO にオンボーディングされている場合、Firepower Device Manager のコントロールを使用して、イベントを Cisco Cloud に直接送信できます。
Secure Event Connector を使用して FTD から Cisco Cloud にイベントが送信される仕組み
基本的な Logging and Troubleshooting ライセンスを使用した場合、FTD イベントは次のように Cisco Cloud に到達します。
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ユーザー名とパスワードを使用するか登録キーを使用して、FTD を CDO にオンボードします。
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アクセスコントロールルール、セキュリティ インテリジェンス ルール、SSL 復号化ルールなどの個々のルールを設定して、SEC が syslog サーバーであるかのように、いずれかの SEC にイベントを転送します。アクセスコントロールルールでは、ファイルおよびマルウェアポリシーと侵入ポリシーも有効化して、それらのポリシーによって生成されたイベントを
SEC に転送することもできます。
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で、ファイルイベントのファイルロギングおよびマルウェアロギングを設定します。
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で、侵入イベントの侵入ロギングを設定します。
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SEC は、イベントが保存されている Cisco Cloud にイベントを転送します。
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CDO は、設定したフィルタに基づいて、Cisco Cloud からのイベントを [イベントロギング(Events Logging) ] ページに表示します。
Logging Analytics and Detection または Total Network Analytics and Monitoring ライセンスでは、次の動作も行われます。
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Cisco Secure Cloud Analytics は、Cisco Cloud に保存されている FTD 接続イベントに分析を適用します。
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生成された観測値とアラートには、CDO ポータルに関連付けられた Cisco Secure Cloud Analytics ポータルからアクセスできます。
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CDO ポータルから、Cisco Secure Cloud Analytics ポータルをクロス起動して、観察値とアラートを確認できます。
イベントが FTD から Cisco Cloud に直接送信される仕組み
基本的な Logging and Troubleshooting ライセンスを使用した場合、FTD イベントは次のように Cisco Cloud に到達します。
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登録トークンを使用して、FTD を CDO にオンボーディングします。
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アクセスコントロールルール、セキュリティ インテリジェンス ルール、SSL 復号化ルールなどの個々のルールを設定して、イベントをログに記録します。ただし、イベントの送信先となる syslog サーバーは指定しません。アクセスコントロールルールでは、ファイルおよびマルウェアポリシーと侵入ポリシーも有効化して、それらのポリシーによって生成されたイベントを
Cisco Cloud に転送することもできます。
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ファイルイベントと侵入イベントは、アクセスコントロールルールでファイルおよびマルウェアポリシーおよび侵入ポリシーが接続イベントをログに記録するように設定されている場合、Cisco Cloud に送信されます。
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FTD の Firepower Device Manager(FDM)でクラウドロギングをアクティブ化して、さまざまなルールで記録されたイベントが Cisco Cloud に送信されます。
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CDO は、設定したフィルタに基づいて Cisco クラウドからイベントを取得し、イベントビューアに表示します。
Logging Analytics and Detection または Total Network Analytics and Monitoring ライセンスでは、次の動作も行われます。
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Cisco Secure Cloud Analytics は、Cisco Cloud に保存されている FTD 接続イベントに分析を適用します。
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生成された観測値とアラートには、CDO ポータルに関連付けられた Cisco Secure Cloud Analytics ポータルからアクセスできます。
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CDO ポータルから、Cisco Secure Cloud Analytics ポータルをクロス起動して、観察値とアラートを確認できます。
設定の比較
SEC を介して Cisco Cloud にイベントを送信する場合と、Cisco Cloud にイベントを直接送信する場合の CDO 設定の違いの概要を次に示します。
FTD デバイス設定
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Secure Event Connector(SEC)を介してイベントを送信する場合
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Cisco Cloud にイベントを直接送信する場合
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CDO での FTD のオンボーディング方法
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ログイン情報(ユーザー名とパスワード)
登録トークン
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登録トークン
シリアル番号
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FTD バージョンのサポート
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FTD 6.4 以降
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登録トークン: FTD 6.5 以降
シリアル番号:FTD 6.7 以降
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Cisco Security Analytics and Logging(SaaS)ライセンス
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Logging and Troubleshooting
Logging Analytics and Detection(オプション)
Total Network Analytics and Monitoring(オプション)
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Logging and Troubleshooting
Logging Analytics and Detection(オプション)
Total Network Analytics and Monitoring(オプション)
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FTD ライセンス
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基本ライセンス
脅威:侵入ルール、ファイル制御ルール、またはセキュリティ インテリジェンス フィルタリングから接続イベントを収集する場合。
マルウェア: ファイル制御ルールから接続イベントを収集する場合。
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基本ライセンス
脅威:侵入ルール、ファイル制御ルール、またはセキュリティ インテリジェンス フィルタリングから接続イベントを収集する場合。
マルウェア: ファイル制御ルールから接続イベントを収集する場合。
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Secure Event Connector
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必須
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該当なし
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データ圧縮*
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イベントは圧縮されます*
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イベントは圧縮されません*
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データプラン
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必須
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必須
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(注) |
データサブスクリプションと月次使用量の履歴は、使用する非圧縮データの量に基づいています。
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ソリューションのコンポーネント
Cisco Security Analytics and Logging(SaaS)では、次のコンポーネントを使用してイベントを CDO に配信します。
Secure Device Connector(SDC):SDC は CDO を FTD に接続します。FTD のログイン情報は SDC に保存されます。詳細については、Secure Device Connector(SDC)を参照してください。
Secure Event Connector(SEC):SEC は、FTD からイベントを受信し、Cisco Cloud に転送するアプリケーションです。Cisco Cloud に転送されたイベントは、CDO の [イベントロギング(Event Logging)] ページで確認したり、Secure
Cloud Analytics で分析したりできます。テナントに 1 つ以上の SEC が関連付けられている場合があります。環境に応じて、Secure Event Connector を Secure Device Connector または
CDO コネクタ VM にインストールします。
Firepower Threat Defense(FTD):FTD は、シスコの次世代ファイアウォールです。ネットワークトラフィックのステートフル インスペクションとアクセス コントロールに加えて、FTD はマルウェアやアプリケーション 層攻撃からの保護、統合された侵入防御、クラウド提供型脅威インテリジェンスなどの機能を提供します。
Logging Analytics and Detection ライセンスや Total Network Analytics and Monitoring ライセンスがある場合、Cisco Security Analytics and Logging(SaaS)は Cisco Secure Cloud Analytics を使用して、CDO に提供されたイベントを詳細に分析します。
Cisco Secure Cloud Analytics:Secure Cloud Analytics は、動的エンティティモデリングを FTD イベントに適用し、この情報に基づいて検出を生成します。これにより、ネットワークから収集されたテレメトリの詳細な分析が可能になり、ネットワークトラフィックの傾向を特定し、異常な動作を調べることができます。
ライセンシング
このソリューションを設定するには、次のアカウントとライセンスが必要です。
Cisco Defense Orchestrator。CDO テナントが必要です。
Secure Device Connector。Secure Device Connector 用の個別のライセンスはありません。
Secure Event Connector。Secure Event Connector 用の個別のライセンスはありません。
Secure Logging Analytics(SaaS)。Logging and Troubleshooting ライセンスを購入する必要があります。このパッケージの目的は、オンボーディングした Firepower Threat Defense デバイスから派生したリアルタイムイベントとイベント履歴をネットワーク運用チームに提供し、ネットワーク内のトラフィックのトラブルシューティングと分析を可能にすることです。
Logging Analytics and Detection または Total Network Analytics and Monitoring ライセンスを購入して、Cisco Secure Cloud Analytics を適用することもできます。これらのパッケージの目的は、FTD イベント(および Total Network Analytics and Monitoring ライセンスを購入した場合はネットワーク
トラフィック)に関するより詳細な洞察をネットワーク運用チームに 提供し、異常な動作の可能性をより適切に識別してそれに対応できるようにすることです。
ライセンス名
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提供される機能
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利用可能なライセンス期間
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機能の前提条件
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Logging and Troubleshooting
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CDO 内のライブフィードと履歴ビューの両方で、 FTD イベントとイベントの詳細を表示します。
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Logging Analytics and Detection (旧称 Firewall Analytics and Monitoring)
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Logging and Troubleshooting の機能に加えて、以下の機能
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CDO
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バージョン 6.4 以降を実行しているオンプレミスの FTD 展開。
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FTD イベントをクラウドに渡すための 1 つ以上の SEC の展開。
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新たにプロビジョニングされた、または既存の Secure Cloud Analytics ポータル。
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Total Network Analytics and Monitoring
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Logging Analytics and Detection の機能に加えて、以下の機能
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動的エンティティモデリングと動作分析を FTD イベント、オンプレミスのネットワークトラフィック、およびクラウドベースのネットワークトラフィックに適用します。
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FTD イベントデータ、Cisco Secure Cloud Analytics センサーによって収集されたオンプレミスのネットワークトラフィックのフローデータ、および Secure Cloud Analytics に渡されるクラウドベースのネットワークトラフィックの組み合わせに基づいて、CDO
イベントビューアからのクロス起動によって Cisco Secure Cloud Analytics でアラートを開きます。
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CDO
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バージョン 6.4 以降を実行しているオンプレミスの FTD 展開 。
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FTD イベントをクラウドに渡すための 1 つ以上の SEC の展開。 。
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ネットワークトラフィックのフローデータをクラウドに渡すための少なくとも 1 つの Secure Cloud Analytics センサーバージョン 4.1 以降の展開、または、ネットワークトラフィックのフローデータを Secure Cloud
Analytics に渡すためのクラウドベースと統合された Secure Cloud Analytics の展開。
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新たにプロビジョニングされた、または既存の Secure Cloud Analytics ポータル。
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Firepower Threat Defense。FTD を実行し、セキュリティイベントを生成するルールを作成するには、次のライセンスが必要です。
ライセンス
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期間
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付与される機能
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基本(自動的に含まれる)
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永久
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オプションのターム ライセンスでカバーされないすべての機能。
[このトークンに登録した製品でエクスポート制御機能を許可する(Allow export-controlled functionality on the products registered with this token)] かどうかも指定する必要があります。このオプションは、自国が輸出管理の標準規格に適合している場合のみ選択できます。このオプションは、高度な暗号化や、高度な暗号化を必要とする機能の使用を制御します。
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脅威
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ターム ベース
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侵入検知および防御:侵入ポリシーが侵入とエクスプロイトを検出するためネットワークトラフィックを分析し、またオプションで違反パケットをドロップします。
ファイル制御:ファイルポリシーが特定タイプのファイルを検出し、オプションでこれらのファイルのアップロード(送信)またはダウンロード(受信)をブロックできます。マルウェア ライセンスが必要な AMP for Firepower を使用すると、マルウェアを含むファイルのインスペクションを実行してブロックできます。任意のタイプのファイルポリシーを使用するには、脅威ライセンスが必要です。
セキュリティ インテリジェンス フィルタ:トラフィックがアクセスコントロールルールによって分析を受ける前に、選択されたトラフィックをドロップします。ダイナミックフィードを使用することで、最新のインテリジェンスに基づいて接続をただちにドロップできます。
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マルウェア(Malware)
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ターム ベース
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マルウェアを確認するポリシーであり、Cisco Advanced Malware Protection(AMP)と一緒に AMP for Firepower (ネットワークベースの高度なマルウェア保護)と Cisco Threat Grid を使用します。
ファイル ポリシーは、ネットワーク上で伝送されるファイルに存在するマルウェアを検出してブロックできます。
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データプラン
Cisco Cloud がオンボーディングされた FTD から 1日に受け取るイベント数を反映したデータストレージプランを購入する必要があります。取り込み率を判断する最善の方法は、購入する前に Secure Logging Analytics(SaaS)のトライアル版に参加することです。これにより、イベントボリュームを適切に見積ることができます。また、ロギングボリューム見積ツール ツールも使用できます。
注意 |
イベントを Cisco クラウドに直接送信し、同時に Secure Event Connector を介して送信するように FTD を設定することができます。これを行うと、同じイベントが 2 回取り込まれ、データプランに対して 2 回カウントされますが、Cisco
クラウドには 1 回しか保存されません。不必要な料金が発生しないように、いずれか 1 つの方法を使用してイベントをCisco Cloud に送信するように注意してください。
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データプランは、1 GB の日次ボリューム単位で、1 年、3 年、または 5 年の期間で利用できます。データプランの詳細については、『Secure Logging Analytics (SaaS) Ordering Guide』 を参照してください。
(注) |
Security Analytics and Logging ライセンスとデータプランがある場合、その後は別のライセンスを取得するだけで済み、別のデータプランを取得する必要はありません。ネットワークトラフィックのスループットが変化した場合は、別のデータプランを取得するだけで済み、別の
Security Analytics and Logging ライセンスを取得する必要はありません。
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CDO にログインし、 タブに移動して、30 日間のリスクフリーのトライアルをリクエストできます。30 日間のトライアルが終了したら、Secure Logging Analytics(SaaS)発注ガイド [英語] の手順に従って、Cisco Commerce Workspace(CCW)からサービスを継続するために必要なイベントデータボリュームを注文できます。