コンテンツ制限を使用したアクセス コントロール
主要な検索エンジンやコンテンツ配信サービスは、検索結果と Web サイトのコンテンツを制限できる機能を提供しています。たとえば学校では、「子どもをインターネットから保護する法律」(CIPA)を順守するために、コンテンツ制限機能を使用します。
コンテンツ制限機能は、検索エンジンやコンテンツ配信サービスで実行する場合には、個々のブラウザやユーザを対象にしか実施できません。FirePOWER システムは、これらの機能をご使用のネットワーク全体に拡大できます。
このシステムにより、以下を実施できます。
- セキュア検索:多くの主要な検索エンジンでサポートされているこのサービスは、特定の環境(ビジネス、行政、教育など)で不愉快であると分類されている、露骨なアダルト向けコンテンツを除外します。システムは、サポートされている検索エンジンのホーム ページへのユーザによるアクセスは制限しません。YouTube 制限付きモードは、セーフサーチのサブ機能であることに注意してください。
- YouTube EDU:このサービスは、教育環境向けに YouTube コンテンツをフィルタリングします。これにより学校は、教育的なコンテンツへのアクセスを設定しながら、非教育的なコンテンツへのアクセスを制限できます。YouTube EDU は YouTube 制限付きモードとは別の機能であり、Google のセーフサーチ機能の一部として YouTube 検索に対する制限を実施します。YouTube EDU を使用すると、ユーザは標準の YouTube ホームページではなく、YouTube EDU ホームページにアクセスします。
コンテンツ制限機能は、検索またはコンテンツ照会が制限されている状態を、要求 URI の要素、関連する Cookie、またはカスタム HTTP ヘッダー要素により通信します。アクセス コントロール ルールを設定することで、システムがトラフィックを処理するときにこれらの要素を変更するようにすることができます。
コンテンツ制限を実施するには SSL ポリシーも有効にする必要もありますが、これはパフォーマンスに影響を与えることに注意してください。
これらのアクセス コントロール ルールに対して接続イベントのロギングを有効にすると、システムは関連イベントを Content Restriction
という 理由 を付けてログに記録します。
以降のトピックでは、アクセス コントロール ルールを使用してコンテンツ制限を実施する方法を説明します。
アクセス コントロール ルールを使用したコンテンツ制限の実施
ライセンス: 任意(Any)
注意
ルールのプリエンプションを避けるため、YouTube EDU を制御するルールは、SSL とアクセス コントロール ポリシーの両方で、セーフサーチを制御するルールの上に配置します。詳細については、
コンテンツ制限ルールの順序を参照してください。
アクセス コントロール ルールを使用してコンテンツ制限を実施する方法:
手順 1 SSL ポリシーを作成します。基本 SSL ポリシーの作成を参照してください。
手順 2 セーフサーチと YouTube EDU のトラフィックを処理するための SSL ルールを追加します。
- ルールの [アクション(Action)] として [復号 - 再署名(Decrypt - Resign)] を選択します。システムは、コンテンツ制限処理にこれ以外のアクションを許可しなくなります。
- [アプリケーション(Applications)] タブで、選択内容を [選択されたアプリケーションとフィルタ(Selected Applications and Filters)] リストに追加します。
– セーフサーチ(Safe Search):[セーフサーチ サポート(safesearch supported)] フィルタを追加します。
– YouTube EDU:[使用可能なアプリケーション(Available Applications)] リストで「YouTube」を検索し、見つかったアプリケーションを追加します。
詳細については、アプリケーション ベースの暗号化トラフィックの制御を参照してください。
手順 3 追加した SSL ルールに対し、ルールの位置を設定します。クリックしてドラッグするか、または右クリック メニューを使用してカット アンド ペーストを実行します。
手順 4 アクセス コントロール ポリシーを作成または編集して、SSL ポリシーをそのアクセス コントロール ポリシーに関連付けます。他のポリシーとアクセス コントロールとの関連付けを参照してください。
手順 5 アクセス コントロール ポリシーでは、セーフサーチと YouTube EDU トラフィックを処理するためのルールを追加し、セーフサーチ ルールを YouTube EDU ルールの後に配置します。
- ルールの [アクション(Action)] として [許可(Allow)] を選択します。システムは、コンテンツ制限処理にこれ以外のアクションを許可しなくなります。
- [アプリケーション(Applications)] タブで、セーフサーチ(
)または YouTube EDU(
)のいずれかの淡色表示されているアイコンをクリックして、関連オプションを設定します。ルールに [許可(Allow)] 以外の [アクション(Action)]
が選択されている場合、これらのアイコンは、淡色表示ではなく無効化されています。
(注) 同じアクセス コントロール ルールに対してセーフサーチと YouTube EDU の制限を有効にすることはできません。
- [アプリケーション(Applications)] タブで、[選択されたアプリケーションとフィルタ(Selected Applications and Filters)] リストのアプリケーション選択を絞り込みます。
たいていの場合、セーフサーチまたは YouTube EDU を有効にすると、[選択されたアプリケーションとフィルタ(Selected Applications and Filters)] リストには、適切な値が入力されます。セーフサーチまたは YouTube アプリケーションを有効にするときにそれらの機能がすでにリストにある場合、システムはリストへの自動入力を行いません。アプリケーションが期待されるとおりに入力されていない場合は、以下の手順で手動で追加します。
– セーフサーチ(Safe Search):[検索エンジン(search engines)]
フィルタを追加します。
– YouTube EDU:[使用可能なアプリケーション(Available Applications)] リストで「YouTube」を検索し、見つかったアプリケーションを追加します。
詳細については、アクセス コントロール ルールへのアプリケーション条件の追加を参照してください。
手順 6 追加したアクセス コントロール ルールに対し、ルールの位置を設定します。クリックしてドラッグするか、または右クリック メニューを使用してカット アンド ペーストを実行します。
手順 7 システムが制限付きコンテンツをブロックするときに表示する ブロック応答ページ を設定します。URL ブロック時のカスタム Web ページの表示を参照してください。
次の作業
アクセス コントロール ルールのセーフサーチ オプション
FirePOWER システムは、特定の検索エンジンに対してのみセーフサーチ フィルタリングをサポートします。サポートされる検索エンジンのリストについては、アクセス コントロール ルール エディタの [アプリケーション(Applications)] タブで、[セーフサーチ サポート(safesearch supported)]
とタグ付けされたアプリケーションを参照してください。サポートされない検索エンジンのリストについては、[セーフサーチ サポートなし(safesearch unsupported)]
とタグ付けされているアプリケーションを参照してください。
アクセス コントロール ルールに対してセーフサーチを有効にするには、次のパラメータを設定します。
セーフサーチの有効化(Enable Safe Search)
このルールに一致するトラフィックに対して、セーフサーチ フィルタリングを有効にします。
サポートされない検索トラフィック(Unsupported Search Traffic)
サポートされていない検索エンジンからのトラフィックを処理するときにシステムが取るアクションを指定します。[ブロック(Block)] または [リセットしてブロック(Block with Reset)] を選択した場合は、システムが制限付きコンテンツをブロックしたときに表示する HTTP 応答ページの設定も必要になります。URL ブロック時のカスタム Web ページの表示を参照してください。
アクセス コントロール ルールの YouTube EDU オプション
アクセス コントロール ルールに対して YouTube EDU を有効にするには、次のパラメータを設定します。
YouTube EDU の有効化(Enable YouTube EDU)
このルールに一致するトラフィックに対して、YouTube EDU フィルタリングを有効にします。
カスタム ID(Custom ID)
YouTube EDU イニシアチブに参加する学校または地域のネットワークを一意的に識別する値を指定します。この ID は、学校または地域が YouTube EDU アカウントの登録をすると、YouTube から付与されるものです。
(注) [YouTube EDU の有効化(Enable YouTube EDU)] をオンにした場合は、[カスタム ID(Custom ID)] を入力する必要があります。この ID は、YouTube によって外部的に定義されるものです。システムは、ユーザによる入力内容を YouTube システムに確認することはしません。無効な ID を入力すると、YouTube EDU の制限が期待されるとおりに実行されない場合があります。
コンテンツ制限ルールの順序
ルールのプリエンプションを避けるため、YouTube の制限を制御するルールは、SSL とアクセス コントロール ポリシーの両方で、セーフサーチを制御するルールの上に配置します。
アクセス コントロール ルールに対してセーフサーチを有効にする場合、システムは検索エンジンのカテゴリを [選択されたアプリケーションとフィルタ(Selected Applications and Filters)] リストに追加します。このアプリケーション カテゴリには YouTube が含まれます。そのため、YouTube トラフィックは、評価の優先順位が上のルールで YouTube EDU が有効にされていない限り、セーフサーチ ルールに一致します。
同様のルールのプリエンプションは、[セーフサーチ サポート(safesearch supported)] フィルタを持つ SSL ルールを、特定の YouTube アプリケーション条件を持つ SSL ルールよりも上の評価順位に配置した場合にも生じます。
詳細については、パフォーマンスを向上させプリエンプションを回避するためのルールの順序付けを参照してください。