例
次に、show aaa servers private コマンドの出力例を示します。 表示の最初の 4 行のみがプライベート RADIUS サーバの状態に関係するため、表示のこの部分の出力フィールドを次の表で説明します。
Router# show aaa servers private
RADIUS: id 24, priority 1, host 172.31.164.120, auth-port 1645, acct-port 1646
State: current UP, duration 375742s, previous duration 0s
Dead: total time 0s, count 0
Quarantined: No
Authen: request 5, timeouts 1, failover 0, retransmission 1
Response: accept 4, reject 0, challenge 0
Response: unexpected 0, server error 0, incorrect 0, time 14ms
Transaction: success 4, failure 0
Throttled: transaction 0, timeout 0, failure 0
Author: request 0, timeouts 0, failover 0, retransmission 0
Response: accept 0, reject 0, challenge 0
Response: unexpected 0, server error 0, incorrect 0, time 0ms
Transaction: success 0, failure 0
Throttled: transaction 0, timeout 0, failure 0
Account: request 5, timeouts 0, failover 0, retransmission 0
Request: start 3, interim 0, stop 2
Response: start 3, interim 0, stop 2
Response: unexpected 0, server error 0, incorrect 0, time 12ms
Transaction: success 5, failure 0
Throttled: transaction 0, timeout 0, failure 0
Elapsed time since counters last cleared: 4d8h22m
Estimated Outstanding Access Transactions: 0
Estimated Outstanding Accounting Transactions: 0
Estimated Throttled Access Transactions: 0
Estimated Throttled Accounting Transactions: 0
Maximum Throttled Transactions: access 0, accounting 0
Requests per minute past 24 hours:
high - 8 hours, 22 minutes ago: 0
low - 8 hours, 22 minutes ago: 0
average: 0
下の表で、この出力で表示される重要なフィールドについて説明しています。
表 1 show aaa servers のフィールドの説明
フィールド |
説明 |
id |
ルータに定義されているすべての AAA サーバの固有識別子。 |
priority |
グループ内サーバの使用順序。 |
host |
プライベート RADIUS サーバ ホストの IP アドレス。 |
auth-port |
認証と許可要求に使用する AAA サーバの UDP 宛先ポート。 デフォルト値は 1645 です。 |
acct-port |
アカウンティング要求に使用する AAA サーバの UDP 宛先ポート。 デフォルト値は 1646 です。 |
State |
AAA サーバの現在の状態、同サーバがその状態を続けている時間(秒単位)、および同サーバが以前の状態を続けていた時間(秒単位)を示します。 次の状態が示されます。
-
DEAD:サーバが現在ダウンしていること、およびフェールオーバーの際に同サーバがグループ内で最後に残ったサーバでなければ省略されることを示します。
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duration:サーバが現在の状態(UP または DEAD のいずれか)であると見なされる時間。
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previous duration:サーバが以前の状態にあったと見なされる時間。
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UP:サーバが現在稼働していると見なされ、そのサーバとの通信が試みられることを示します。
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Dead |
サーバが稼働していないとマークされた回数と、その状態にある時間を累積して秒単位で表します。 |
Authen |
サーバと送受信した認証パケット、および成功または失敗した認証トランザクションに関する情報を提供します。 このフィールドでは、次の情報が報告されます。
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request:AAA サーバに送信された認証要求の数。
-
timeouts:このサーバへの送信があった際に確認されたタイムアウト(応答なし)の数。
-
Response:このサーバで確認された応答に関する統計情報。次のレポートが含まれます。
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unexpected:予期しない応答の数。 パケットのタイムアウト期間の期限を過ぎた後で受信された応答は、予期しないものと見なされます。 たとえば、サーバへのリンクが混雑している場合などに発生します。 また、サーバが明確な理由なく応答を生成した場合も、予期しない応答が作成される場合があります。
-
server error:サーバ エラーの数。 このカテゴリは、前のカテゴリのいずれにも当てはまらないエラー パケットの「キャッチオール」です。
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incorrect:不正な応答の数。 応答の形式が、プロトコルが予測するもの以外の不正な形式であれば、不正な応答と見なされます。 不正なサーバ キーがルータに設定されている場合に発生の可能性が高くなります。
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time:認証パケットに応答するために要した時間(ミリ秒単位)。
-
Transaction:これらのフィールドは、サーバに関連する認証、許可、アカウンティング トランザクションに関する情報を提供します。 トランザクションは、AAA モジュール、または AAA クライアント (PPP など) によって AAA プロトコル (RADIUS または TACACS+) に送信される認証情報、許可情報、またはアカウンティング情報の要求として定義されます。この場合、複数のパケット送信および再送信が行われる場合があります。 トランザクションでは、成功または失敗を確認するために 1 つのサーバ グループ内の 1 つまたは複数のサーバへのパケット再送信が必要な場合があります。 成功または失敗は、RADIUS および TACACS+ プロトコルによって、次のように AAA に報告されます
-
success:トランザクションが成功すると増加します。
-
failure:サーバ グループの別のサーバへのパケット再送信が失敗または成功しなかった場合など、トランザクションが失敗すると増加します。 アクセス拒否など、アクセス要求に対する否定的な応答は、トランザクションの成功として見なされます。
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Author |
このカテゴリのフィールドは、Authen: フィールドと似ています。 ただし、作成者情報が RADIUS プロトコルの認証パケットで送信されるため、RADIUS を使用する場合これらのフィールドは増加しない点が大きく異なります。 |
Account |
このカテゴリのフィールドは Authen: フィールドと似ていますが、アカウンティング トランザクションとパケットの統計情報を提供する点で異なります。 |
Elapsed time since counters last cleared |
カウンタが最後にクリアされてから経過した日数、時間数、および分数を表示します。 |
(注) |
Intelligent Services Gateway(ISG)の場合、推定未完了アカウンティング トランザクションはゼロになるまでに時間がかかります。 これは、中間アカウンティング要求に常にチャーンがあるためです。
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show aaa servers コマンド出力のフィールドは、Cisco AAA-SERVER-MIB の簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)オブジェクトにマッピングされ、SNMP レポートで使用されます。 show aaa servers コマンドの出力例の最初の行(RADIUS: id 24, priority 1, host 172.31.164.120, auth-port 1645, acct-port 1646)は、次のように Cisco AAA-SERVER-MIB にマッピングされます。
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id は casIndex へマップ
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priority は casPriority へマップ
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host は casAddress へマップ
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auth-port は casAuthenPort へマップ
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acct-port maps は casAcctPort へマップ
Cisco AAA-SERVER-MIB マップにリストされている次のオブジェクトのセットを、show aaa servers コマンドで表示されるフィールドにマップすることは、より簡単です。 たとえば、casAuthenRequests フィールドは、レポートの Authen: request 部分に対応し、casAuthenRequestTimeouts はレポートの Authen: timeouts 部分に対応します。以下も同様です。
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casAuthenRequests
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casAuthenRequestTimeouts
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casAuthenUnexpectedResponses
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casAuthenServerErrorResponses
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casAuthenIncorrectResponses
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casAuthenResponseTime
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casAuthenTransactionSuccesses
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casAuthenTransactionFailures
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casAuthorRequests
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casAuthorRequestTimeouts
-
casAuthorUnexpectedResponses
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casAuthorServerErrorResponses
-
casAuthorIncorrectResponses
-
casAuthorResponseTime
-
casAuthorTransactionSuccesses
-
casAuthorTransactionFailures
-
casAcctRequests
-
casAcctRequestTimeouts
-
casAcctUnexpectedResponses
-
casAcctServerErrorResponses
-
casAcctIncorrectResponses
-
casAcctResponseTime
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casAcctTransactionSuccesses
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casAcctTransactionFailures
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casState
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casCurrentStateDuration
-
casPreviousStateDuration
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casTotalDeadTime
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casDeadCount
選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリース、およびフィーチャ セットに関する MIB を検索およびダウンロードするには、http://www.cisco.com/go/mibs にある MIB Locator を使用してください。