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このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
目次
この章では、PowerOn Auto Provisioning(POAP)の導入および使用の手順について説明します。
この章の内容は、次のとおりです。
PowerOn Auto Provisioning(POAP)は、ネットワークに初めて導入された Cisco Nexus スイッチに対して、ソフトウェア イメージのアップグレードとコンフィギュレーション ファイルのインストールのプロセスを自動化します。
POAP 機能を備えた Cisco Nexus スイッチは、起動時にスタートアップ コンフィギュレーションが見つからないと、POAP モードを開始し、DHCP サーバを検索し、自分のインターフェイス IP アドレス、ゲートウェイ、および DNS サーバ IP アドレスを自力で設定します。 また、TFTP サーバの IP アドレスまたは HTTP サーバの URL を取得し、コンフィギュレーション スクリプトをダウンロードします。このスクリプトはスイッチ上で実行され、適切なソフトウェア イメージとコンフィギュレーション ファイルをダウンロードしてインストールします。
(注) |
DHCP 情報は、POAP 中にだけ使用されます。 |
POAP には、次のネットワーク インフラが必要です。
シスコから提供される参照スクリプトでは、次の機能がサポートされています。
Python プログラミング言語と Tool Command Language(Tcl)を使用して開発されたコンフィギュレーション スクリプトのサンプルが用意されています。 これらのスクリプトのいずれかを、自分のネットワーク環境に合わせてカスタマイズできます。 Python を使用してこのスクリプトをカスタマイズする方法の詳細については、http://www.cisco.com/en/US/products/ps11541/products_programming_reference_guides_list.html の URL にある『Python Scripting and API Configuration Guide』を参照してください。
POAP 処理は、4 つのフェーズで構成されます。
これらのフェーズ内では、他の処理や分岐点が発生します。 次に、POAP 処理のフロー図を示します。
スイッチの電源を初めて投入すると、スイッチは製造時にインストールされたソフトウェア イメージをロードし、起動に使用するコンフィギュレーション ファイルを探します。 コンフィギュレーション ファイルが見つからなかった場合、POAP モードが開始されます。
起動中、POAP を中止して通常のセットアップに進むかどうかを確認するプロンプトが表示されます。 POAP を終了することも、続行することもできます。
(注) |
POAP を続行する場合、ユーザの操作は必要ありません。 POAP を中止するかどうかを確認するプロンプトは、POAP 処理が完了するまで表示され続けます。 |
POAP モードを終了すると、通常のインタラクティブなセットアップ スクリプトが開始されます。 POAP モードを続行すると、前面パネルのすべてのインターフェイスがレイヤ 3 モードにセットアップされます。それにより、デバイスがレイヤ 2 フォワーディングに参加しないことが保証されます。
スイッチは、すべてのアクティブ インターフェイス(mgmt インターフェイスを含む)で、DHCP サーバからの DHCP オファーを要請する DHCP 検出メッセージを送信します。 Cisco Nexus スイッチ上の DCHP クライアントは、クライアント ID オプションにスイッチ シリアル番号を使用して、それ自体を DHCP サーバに識別させます。 DHCP サーバはこの ID を使用して、IP アドレスやスクリプト ファイル名などの情報を DHCP クライアントに返すことができます。
POAP には、最低 3600 秒(1 時間)の DCHP リース期間が必要です。 POAP は、DHCP リース期間を確認します。 DHCP リース期間が 3600 秒(1 時間)に満たない場合、POAP は DHCP ネゴシエーションを実行しません。
要件を満たす複数の DHCP オファーが受信された場合は、1 つのオファーがランダムに選択されます。 デバイスは、選択された DHCP サーバとの DHCP ネゴシエーション(要求と確認応答)を実行し、DHCP サーバはスイッチに IP アドレスを割り当てます。 POAP 処理の後続のステップでエラーが発生すると、IP アドレスは DHCP に戻されます。
要件を満たす DHCP オファーが存在しない場合、スイッチは DHCP ネゴシエーション(要求と確認応答)を実行せず、IP アドレスは割り当てられません。
デバイスが DHCP 確認応答内の情報を使用して自分を自力で設定した後、スクリプト ファイルが TFTP サーバまたは HTTP サーバからダウンロードされます。
スイッチは、コンフィギュレーション スクリプトを実行します。これにより、ソフトウェア イメージのダウンロードとインストール、およびスイッチ固有のコンフィギュレーション ファイルのダウンロードが行われます。
ただし、この時点では、コンフィギュレーション ファイルはスイッチに適用されません。スイッチ上で現在実行中のソフトウェア イメージがコンフィギュレーション ファイル内の一部のコマンドをサポートしていない可能性があるためです。 新しいソフトウェア イメージがインストールされた場合、スイッチのリブート後にそのソフトウェア イメージの実行が開始されます。 その時点でスイッチにコンフィギュレーションが適用されます。
(注) |
スイッチの接続が切断されると、スクリプトは停止し、スイッチはオリジナルのソフトウェア イメージとブートアップ変数をリロードします。 |
スイッチが再起動し、アップグレードされたソフトウェア イメージ上でコンフィギュレーションが適用(リプレイ)されます。 その後、スイッチは、実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。
POAP を使用するためにネットワーク環境がセットアップされていることを確認します。 詳細については、POAP を使用するためのネットワーク環境の設定の項を参照してください。
ステップ 1 | ネットワークにスイッチを設置します。 |
ステップ 2 |
スイッチの電源を入れます。 コンフィギュレーション ファイルが見つからない場合は、スイッチは POAP モードで起動して、POAP を中止して通常のセットアップで続行するかどうかを尋ねるプロンプトが表示されます。 |
ステップ 3 |
POAP モードで起動を続行するためのエントリは必要ありません。 POAP モードを終了して、通常のインタラクティブ セットアップ スクリプトを開始する場合は、y(yes)を入力します。 スイッチが起動して、POAP 処理が開始されます。 詳細については、POAP 処理の項を参照してください。 |
設定を確認します。
次のコマンドの 1 つを使用して、POAP によるデバイスのブートストラップ後のコンフィギュレーションを確認します。
コマンド |
目的 |
---|---|
show running-config |
実行コンフィギュレーションを表示します。 |
show startup-config |
スタートアップ コンフィギュレーションを表示します。 |
各コマンド出力のフィールドの詳細については、『Cisco Nexus 3000 Series NX-OS Command Reference』を参照してください。