この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
(注) 管理対象デバイス上で実行される Cisco NX-OS リリースでは、この章で説明する機能や設定がすべてサポートされるとは限りません。最新の機能情報および警告については、使用するプラットフォームおよびソフトウェア リリースのマニュアルとリリース ノートを参照してください。
この章では、Cisco NX-OS スイッチ上でインターネット グループ管理プロトコル(IGMP)スヌーピングを設定する方法について説明します。
• 「次の作業」
(注) スイッチでは、IGMP スヌーピングをディセーブルにしないことを推奨します。IGMP スヌーピングをディセーブルにすると、スイッチで不正なフラッディングが過度に発生し、マルチキャストのパフォーマンスが低下する場合があります。
インターネット グループ管理プロトコル(IGMP)スヌーピング ソフトウェアは、VLAN 内のレイヤ 2 IP マルチキャスト トラフィックを検査して、対象の受信者が接続されているポートを検出します。IGMP スヌーピングではポート情報を利用して、マルチアクセス LAN 環境における帯域幅消費量を削減し、VLAN 全体でのフラッディングを回避します。IGMP スヌーピング機能は、マルチキャスト対応ルータに接続されたポートを追跡して、ルータによる IGMP メンバーシップ レポートの転送機能を強化します。トポロジの変更通知には、IGMP スヌーピング ソフトウェアが応答します。デフォルトでは、IGMP スヌーピングがスイッチでイネーブルにされています。
図 4-1 に、ホストと IGMP ルータ間に設置された IGMP スヌーピング スイッチを示します。IGMP スヌーピング スイッチは、IGMP メンバーシップ レポートおよび Leave メッセージをスヌーピングして、必要な場合にだけ接続された IGMP ルータに転送します。
IGMP スヌーピング ソフトウェアは、IGMPv1、IGMPv2、および IGMPv3 コントロール プレーン パケットの処理に関与し、レイヤ 3 コントロール プレーン パケットを代行受信して、レイヤ 2 の転送処理を操作します。
IGMP の詳細については、「IGMP の設定」 を参照してください。
Cisco NX-OS IGMP スヌーピング ソフトウェアには、次の独自機能があります。
• 送信元フィルタリングにより、宛先および送信元の IP アドレスに基づいて、マルチキャスト パケットを転送できます。
• MAC アドレスでなく、IP アドレスに基づいてマルチキャスト転送を実行します。
• Optimized Multicast Flooding(OMF)により、未知のトラフィックをルータだけに転送して、データに基づくステート作成を行いません。
IGMP スヌーピングの詳細については、 RFC 4541 を参照してください。
• 「IGMPv3」
IGMPv1 および IGMPv2 は、メンバーシップ レポートの抑制機能をサポートしています。つまり、同じサブネットに属する 2 つのホストが、同じグループのマルチキャスト データを要求している場合、一方のホストからメンバー レポートを受信した他方のホストで、レポートの送信が抑制されます。メンバーシップ レポート抑制は、同じポートを共有しているホスト間で発生します。
各 VLAN スイッチ ポートに接続されているホストが 1 つしかない場合は、IGMPv2 の高速脱退機能を設定できます。高速脱退機能を使用すると、最終メンバのクエリー メッセージがホストに送信されません。ソフトウェアは IGMP Leave メッセージを受信すると、ただちに該当するポートへのマルチキャスト データ転送を停止します。
IGMPv1 では、明示的な IGMP Leave メッセージが存在しないため、特定のグループについてマルチキャスト データを要求するホストが存続しないことを示すために、メンバーシップ メッセージ タイムアウトが利用されます。
(注) 高速脱退機能がイネーブルになっている場合、他のホストの存在は確認されないため、最終メンバーのクエリー インターバル設定が無視されます。
Cisco NX-OS での IGMPv3 スヌーピングの実装では完全な IGMPv3 スヌーピングがサポートされています。これにより、IGMPv3 レポートの (S, G) 情報に基づいて、抑制されたフラッディングが提供されます。この発信元をベースとするフィルタリングにより、マルチキャスト グループにトラフィックを送信する発信元に基づくポートのセットにマルチキャスト トラフィックを制限するようにスイッチがイネーブルにされます。
ソフトウェアのデフォルト設定では、各 VLAN ポートに接続されたホストが追跡されます。この明示的なトラッキング機能は、高速脱退メカニズムをサポートしています。すべての IGMPv3 ホストがメンバーシップ レポートを送信するため、レポート抑制は、スイッチにより他のマルチキャスト対応ルータに送信されるトラフィックの量を制限します。レポート抑制をイネーブルにすると、過去にいずれの IGMPv1 ホストまたは IGMPv2 ホストからも対象のグループへの要求がなかった場合には、プロキシ レポートが作成されます。プロキシ機能により、ダウンストリーム ホストが送信するメンバーシップ レポートからグループ ステートが構築され、アップストリーム クエリアからのクエリーに応答するためにメンバーシップ レポートが生成されます。
IGMPv3 メンバーシップ レポートには LAN セグメント上のグループ メンバーの一覧が含まれていますが、最終ホストが脱退すると、メンバーシップ クエリーが送信されます。最終メンバのクエリー インターバルについてパラメータを設定すると、 タイムアウトまでにどのホストからも応答がなかった場合に、グループ ステートが解除されます。
マルチキャスト トラフィックをルーティングする必要がないために、Protocol-Independent Multicast(PIM)がインターフェイス上でディセーブルになっている場合は、メンバーシップ クエリーを送信するように IGMP スヌーピング クエリアを設定する必要があります。このクエリアは、マルチキャスト送信元と受信者を含み、その他のアクティブ クエリアを含まない VLAN で定義します。
IGMP スヌーピング クエリアがイネーブルな場合は、定期的に IGMP クエリーが送信されるため、IP マルチキャスト トラフィックを要求するホストから IGMP レポート メッセージが発信されます。IGMP スヌーピングはこれらの IGMP レポートを待ち受けて、適切な転送を確立します。
IGMP フィルタリングにより、スイッチをレイヤ 3 マルチキャスト スイッチにつなぐルータ ポートをスイッチ上に設定できるようになります。スイッチは、手動で設定されたすべてのスタティック ルータ ポートを、スイッチのルータ ポート リストに保存します。
スイッチは IGMP パケットを受信すると、VLAN 内のルータ ポートを介してトラフィックを転送します。スイッチは、受信した PIM hello メッセージまたは IGMP クエリーから、ポートがルータ ポートとして認識します。
複数の Virtual Routing and Forwarding(VRF; 仮想ルーティングおよびフォワーディング)インスタンスを定義することができます。IGMP プロセスはすべての VRF をサポートします。
show コマンドに VRF 引数を指定して実行すると、表示される情報のコンテキストを確認できます。VRF 引数を指定しない場合は、デフォルト VRF が使用されます。
VRF の設定の詳細については、 『Cisco Nexus 3000 Series NX-OS Unicast Routing Configuration Guide 』 を参照してください。
• 現在の Virtual Routing and Forwarding(VRF; 仮想ルーティングおよびフォワーディング)モードが正しい(グローバル コマンドの場合)。この章の例で示すデフォルトのコンフィギュレーション モードは、デフォルト VRF に適用されます。
表 4-1 に、IGMP スヌーピング パラメータのデフォルト設定を示します。
|
|
---|---|
[IGMP Snooping] ペインを使用して、Cisco Nexus 3000 シリーズ デバイスで IGMP スヌーピングをグローバルに、あるいは VLAN ごとに設定します。また VLAN ごとに IGMP スヌーピングのステータスを表示することもできます。
(注) IGMP スヌーピングがデバイスではディセーブルで、指定した VLAN ではイネーブルになっている場合、IGMP スヌーピングの機能は VLAN でもディセーブルになります。
これに対し、IGMP スヌーピングが VLAN ではディセーブルで、デバイスではイネーブルになっている場合、IGMP スヌーピングの機能は VLAN ではディセーブルのままになります。
レポート抑制と IGMPv3 レポート抑制も、同様に動作します。
• 「IGMP スヌーピングのグローバル パラメータの設定」
• 「VLAN ごとの IGMP スヌーピング パラメータの設定」
• 「VLAN ごとの IGMP スヌーピング ステータスの表示」
デバイス全体に対して IGMP スヌーピング パラメータを設定するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 [Feature Selector] ペインで、[Switching] > [Multicast] > [IGMP Snooping] の順に選択して、[IGMP Snooping] ペインを開きます。
ステップ 2 [Summary] ペインでデバイスをクリックし、デバイス全体に対して IGMP スヌーピングを設定します。
ステップ 3 [Details] ペインの [Device Details] タブをクリックします。
ステップ 4 [IGMP Snooping] ドロップダウン リストで [Enabled] または [Disabled] を選択します。
IGMP スヌーピングは、デフォルトでイネーブルになっています。
ステップ 5 [Report Suppression] ドロップダウン リストで [Enabled] または [Disabled] を選択します。
ステップ 6 [IGMPv3 Report Suppression] ドロップダウン リストで [Enabled] または [Disabled] を選択します。
IGMPv3 レポート抑制は、デバイス全体に対してデフォルトでグローバルにディセーブルになっています。
ステップ 7 [Link-local Group Suppression] ドロップダウン リストで [Enabled] または [Disabled] を選択します。
リンクローカル グループ抑制はデフォルトでイネーブルになります。
ステップ 8 [Event History Buffer Settings] 領域のドロップダウン リストから、次のそれぞれについて [disabled]、[small]、[medium]、または [large] を選択します。
VPC、IGMP Snoop Internal、MFDM-Sum、および MFDM のデフォルトのバッファ サイズは、[small] です。VLAN および VLAN イベントのデフォルトのバッファ サイズは [medium] です。
ステップ 9 (任意)メニューバーで [File] > [Deploy] の順に選択して、変更内容をデバイスに適用します。
VLAN ごとに IGMP スヌーピング パラメータを設定するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 [Feature Selector] ペインで、[Switching] > [Multicast] > [IGMP Snooping] の順に選択して、[IGMP Snooping] ペインを開きます。
ステップ 2 [Summary] ペインで、IGMP スヌーピングを設定する VLAN があるデバイスをクリックします。
ステップ 3 IGMP スヌーピングを設定する VLAN をクリックします。
ステップ 4 [Details] ペインの [Details] タブをクリックします。
[VLAN ID] ボックスには作業している VLAN 番号が表示されます。
ステップ 5 [IGMP Snooping] ドロップダウン リストで [Enabled] または [Disabled] を選択します。
IGMP スヌーピングはデフォルトで VLAN ごとにイネーブルになっています。
ステップ 6 [Report Suppression] ドロップダウン リストで [Enabled] または [Disabled] を選択します。
レポート抑制はデフォルトで VLAN ごとにイネーブルになっています。
ステップ 7 [IGMPv3 Report Suppression] ドロップダウン リストで [Enabled] または [Disabled] を選択します。
IGMPv3 レポート抑制はデフォルトで VLAN ごとにイネーブルになります。デバイス全体に対して IGMPv3 レポート抑制をイネーブルにすれば、各 VLAN に対してこの機能をイネーブルにする必要はありません。
ステップ 8 [Link-local Group Suppression] ドロップダウン リストで [Enabled] または [Disabled] を選択します。
リンクローカル グループ抑制はデフォルトで VLAN ごとにイネーブルになっています。
ステップ 9 [Fast Leave] ドロップダウン リストで [Enabled] または [Disabled] を選択します。
高速脱退はデフォルトで VLAN ごとにディセーブルになります。
ステップ 10 [Explicit Tracking] ドロップダウン リストで [Enabled] または [Disabled] を選択します。
明示的なトラッキングはデフォルトで VLAN ごとにイネーブルになります。
ステップ 11 [Last Member Query Interval] フィールドに設定する秒数を入力します。
各 VLAN の [Last Member Query Interval] のデフォルト値は 1 秒で、最大値は 25 秒です。
ステップ 12 (任意)スイッチの IGMP スヌーピング クエリアの IP アドレスを入力します。
ステップ 13 (任意)[Static Multicast Group] 領域を右クリックし、[Add Row] または [Delete] を選択します。
a. スタティック マルチキャスト グループを削除する場合は、[Delete] をクリックします。
b. (任意)スタティック マルチキャスト グループを追加する場合は、[Source Address] フィールドにマルチキャスト送信元の IP アドレスを、[Group Address] フィールドにマルチキャスト グループの IP アドレスを、[Interface] フィールドにグループに属しているインターフェイスを入力します。
(注) イーサネットおよびポート チャネルは、このフィールドでサポートされているインターフェイスです。
ステップ 14 (任意)[Static Multicast Router] 領域を右クリックし、[Add Row] または [Delete] を選択します。
a. スタティック マルチキャスト ルータへのインターフェイスを削除する場合は、[Delete] をクリックします。
b. スタティック マルチキャスト ルータにインターフェイスを追加するには、[Interface] フィールドのドロップダウン リストからインターフェイスを選択し、[OK] をクリックします。
(注) イーサネットおよびポート チャネルは、このフィールドでサポートされているインターフェイスです。
ステップ 15 (任意)メニューバーで [File] > [Deploy] の順に選択して、変更内容をデバイスに適用します。
IGMP マルチキャスト グループ、IGMP マルチキャスト ルータ、IGMP スヌーピングの明示的なトラッキング機能、および IGMP スヌーピング クエリアのステータスを表示するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 [Feature Selector] ペインで、[Switching] > [Multicast] > [IGMP Snooping] の順に選択して、[IGMP Snooping] ペインを開きます。
ステップ 2 [Summary] ペインで、IGMP スヌーピングを設定する VLAN があるデバイスをクリックします。
ステップ 3 IGMP スヌーピングを設定する VLAN をクリックします。
ステップ 4 [Details] ペインの [Status] タブをクリックします。
ステップ 5 [Multicast Groups] セクションをクリックします。
このセクションが展開され、表示をリフレッシュできるようにし、IGMP スヌーピングを使用して検出された各マルチキャスト グループの情報(グループ アドレス、送信元アドレス、IGMP バージョン、マルチキャスト グループのタイプ、このマルチキャスト グループに関係するインターフェイス)が表示されます。
ステップ 6 [Multicast Routers] セクションをクリックします。
このセクションが展開され、表示をリフレッシュできるようにし、各マルチキャスト ルータの情報(マルチキャスト ルータの接続先インターフェイス、タイプ、エントリのアップ タイム、エントリの有効期限)が表示されます。
ステップ 7 [Explicit Tracking] セクションをクリックします。
このセクションが展開され、表示をリフレッシュできるようにし、各 VLAN の明示的なトラッキング情報(マルチキャスト トラフィックの送信元アドレス、マルチキャスト グループ アドレス、マルチキャスト トラフィックに関係するインターフェイス、マルチキャスト トラフィックに関係するホスト マシンの Reporter アドレス、エントリのアップ タイム、最後の接続時刻、エントリの有効期限)が表示されます。
ステップ 8 [Querier] セクションをクリックします。
このセクションが展開され、表示をリフレッシュできるようにし、各 VLAN の IGMP スヌーピング情報(クエリアの IP アドレス、IGMP バージョン、エントリの有効期限、クエリアが検出されるインターフェイス)が表示されます。
IGMP スヌーピング プロセスの動作を変更するには、 表 4-2 に示すオプションの IGMP スヌーピング パラメータを設定します。
4. ip igmp snooping
ip igmp snooping explicit-tracking
ip igmp snooping fast-leave
ip igmp snooping last-member-query-interval seconds
ip igmp snooping querier ip-address
ip igmp snooping report-suppression
ip igmp snooping mrouter interface interface
ip igmp snooping static-group group-ip-addr [ source source-ip-addr ] interface interface
ip igmp snooping link-local-groups-suppression
ip igmp snooping v3-report-suppression
(任意) copy running-config startup-config
IGMP スヌーピングの設定情報を表示するには、次の作業のいずれかを行います。
|
|
---|---|
show ip igmp snooping groups [ source [ group ] | group [ source ]] [ vlan vlan-id ] [ detail ] |
|
これらのコマンド出力のフィールドの詳細については、『 Cisco Nexus 3000 Series Command Reference 』を参照してください。
デバイス全体について、次のカテゴリのさまざまな統計情報を選択および表示できます。
VLAN ごとに、次のカテゴリのさまざまな統計情報を選択および表示できます。
• IGMP スヌーピングの VLAN の vPC についての統計情報
IGMP スヌーピング統計情報を表示するには、 show ip igmp snooping statistics vlan コマンドを使用します。
IGMP スヌーピング統計情報を消去するには、 clear ip igmp snooping statistics vlan コマンドを使用します。
これらのコマンドの詳細については、『 Cisco Nexus 3000 Series Command Reference 』を参照してください。
次に、IGMP スヌーピング パラメータの設定例を示します。
ここでは、[IGMP Snooping] ペインに表示される次のフィールドについて説明します。
• 「[Device]:[Device Details] タブ」
|
|
---|---|
|
|
|
|
---|---|
|
|
|
|
|
|
---|---|
|
|
|
|
|
|
|
|
表示のみ。 クエリアの定義または検出に使用されるインターフェイス。 (注) ローカル デバイスが IGMP スヌーピング クエリアの場合、値は Self です。 |
IGMP スヌーピングの実装に関する詳細情報については、次の項目を参照してください。
• 「関連資料」
• 「標準」
|
|
---|---|
|
|
---|---|
この機能では、新規の標準がサポートされることも、一部変更された標準がサポートされることもありません。また、既存の標準に対するサポートが変更されることもありません。 |
表 4-6 に、この機能のリリース履歴を示します。
|
|
|
---|---|---|
表 4-7 に、この機能のリリース履歴を示します。
|
|
|
---|---|---|