VE ポートの設定例
ここでは、Cisco Nexus 5000 シリーズ スイッチの FCoE VE ポート実装の設定例を示します。この設定は、スイッチ モードのスイッチを対象としています。FCoE の発信側はこのラボで使用されます。Nexus 5000 シリーズ スイッチの FC GEM に FC F ポート ストレージを直接接続することまたは FCoE ターゲットを使用することのいずれかが可能です。
(注) この例は、両方のファブリックで 2 台の Cisco Nexus 5000 シリーズ スイッチ間の VE ポートの設定に使用できます。サーバ設定は含まれません。
FCoE VE ポート トポロジの例
図 3-1 に、設定例に使用するトポロジを示します。このトポロジでは、次の設定パラメータを使用しています。
• ファブリック A の FCoE VLAN:10
• ファブリック A の FCoE VSAN:10
• ファブリック B の FCoE VLAN:20
• ファブリック B の FCoE VSAN:20
• 両方のファブリックをまたがるイーサネット専用 VLAN:200
設定時にこれらの値を選択する必要があります。
図 3-1 FCoE VE ポート トポロジ
(注) FCoE VLAN/VSAN の番号がファブリック内で同一である必要はありません。ベスト プラクティスとして、混乱を避けるために、2 台のファブリック間の別の FCoE VLAN 番号および VSAN 番号を使用します。1 台のファブリックに ODD VLAN/VSAN、別のファブリックに EVEN VLAN/VSAN を割り当てる設定が一般的です。これは 2 台のファブリック間で番号を分離するための一例にすぎません。
FCoE のイネーブル化および QoS 設定の検証
ステップ 1 FCoE をイネーブルにします。
switch# configure terminal
switch(config)# feature fcoe
FC license checked out successfully
fc_plugin extracted successfully
FC plugin loaded successfully
FCoE manager enabled successfully
FC enabled on all modules successfully
ステップ 2 (任意)デフォルトの Quality of Service(QoS)設定を使用しない場合は、独自のポリシーを指定します。
(注) 注:カスタム ポリシーを使用するときは、QoS ポリシーに class-fcoe を含める必要があります。
switch(config) system qos
switch(config-sys-qos)# service-policy type qos input fcoe-customized-in-policy-name
switch(config-sys-qos)# service-policy type queuing input fcoe-customized-in-policy-name
switch(config-sys-qos)# service-policy type queuing output fcoe-customized-out-policy-name
switch(config-sys-qos)# service-policy type network-qos fcoe-customized-nq-policy-name
ステップ 3 FCoE のポリシーマップが実行コンフィギュレーションに含まれることを確認します。
(注) 注:ステップ 2 で、カスタマイズされた QoS ポリシーマップ名を指定した場合は、カスタマイズされたマップ名でデフォルト マップ名を必ず置き換えてください。
switch(config-sys-qos)# show policy-map system
Type network-qos policy-maps
===============================
policy-map type network-qos system
class type network-qos class-fcoe
class type network-qos class-default
Service-policy (qos) input: system
policy statistics status: disabled
Class-map (qos): class-fcoe (match-any)
Class-map (qos): class-default (match-any)
Service-policy (queuing) input: default-in-policy
policy statistics status: disabled
Class-map (queuing): class-fcoe (match-any)
Class-map (queuing): class-default (match-any)
Service-policy (queuing) output: default-out-policy
policy statistics status: disabled
Class-map (queuing): class-fcoe (match-any)
Class-map (queuing): class-default (match-any)
Nexus 5000 シリーズの Quality of Service の設定は次の 3 種類の主要要素で構成されています。
• クラス マップおよびポリシーマップ タイプ qos:分類用
• クラス マップおよびポリシーマップ タイプ network:drop、no drop、キュー サイズなどのネットワーク プロパティ用
• クラス マップおよびポリシーマップ タイプ queueing:帯域割り当て用
この演習は、FCoE の帯域割り当てと、COS の設定の変更で構成されています。
QoS に class-fcoe の正しい設定がないと、次の問題が発生する可能性があります。
• vFC インターフェイスが起動しない(CNA では FCoE のために DCB パラメータのアドバタイズメントが必要)
• I/O のドロップの検出
(注) QoS には、次のガイドラインがあります。
• 分類ポリシーマップは入力だけで適用されます
• ネットワーク ポリシーマップはグローバル(システム)に適用されます
• キューイング ポリシーマップは通常は出力で意味を持ちますが、この演習では CNA から Cisco Nexus 5000 シリーズ スイッチへの帯域割り当ての制御に使用するため、この場合は入力に適用します
Cisco NX-OS Release 5.0(2)N1(1) からは、no-drop クラスのバッファ割り当てを変更できます。
switch(config-pmap-nq)# policy-map type network-qos nqos_policy
switch(config-pmap-nq)# class type network-qos nqos_class
switch(config-pmap-nq-c)# pause no-drop buffer-size <size> pause-threshold <threshold> resume-threshold <threshold>
ステップ 4 FCoE システム クラスがアクティブであることを確認します。
switch(config-sys-qos)# show queuing interface ethernet 1/1
Ethernet1/1 queuing information:
qos-group sched-type oper-bandwidth
q-size: 370240, HW MTU: 1500 (1500 configured)
drop-type: drop, xon: 0, xoff: 2314
Pkts received over the port : 0
Ucastpkts sent to the cross-bar : 0
Mcastpkts sent to the cross-bar : 0
Ucastpkts received from the cross-bar : 0
Pkts sent to the port : 0
Pkts discarded on ingress : 0
Per-priority-pause status : Rx (Inactive), Tx (Inactive)
q-size: 79360, HW MTU: 2158 (2158 configured)
drop-type: no-drop, xon: 128, xoff: 252
Pkts received over the port : 0
Ucastpkts sent to the cross-bar : 0
Mcastpkts sent to the cross-bar : 0
Ucastpkts received from the cross-bar : 0
Pkts sent to the port : 0
Pkts discarded on ingress : 0
Per-priority-pause status : Rx (Inactive), Tx (Inactive)
Total Multicast crossbar statistics:
Mcastpkts received from the cross-bar : 0
ステップ 5 両方のアップストリーム Cisco Nexus 5000 シリーズ スイッチ(この例では、CORE_N5k-1 および CORE_N5k-2)で、ステップ 1 およびステップ 4 を繰り返します。
VE ポートの設定
この例の FCoE VLAN および VSAN の番号は次のとおりです。
• ファブリック A は FCoE VLAN 10 および VSAN 10 を使用します
• ファブリック B は FCoE VLAN 20 および VSAN 20 を使用します
(注) ファブリック A に 2 台のスイッチとファブリック B に 2 台のスイッチがあります。同じファブリックのスイッチ間で VE ポートを起動するには、スイッチ間で FCoE VLAN/VSAN が一致する必要があります。
ステップ 1 ファブリック A の Nexus 5000 シリーズ スイッチで VSAN を設定します。
switch(config)# vsan database
switch(config-vsan-db)# vsan 10
ステップ 2 ファブリック A のために FCoE VLAN から VSAN へのマッピングを設定し、起動していて、動作していることを確認します。
switch(config-vlan)# fcoe vsan 10
switch(config-vlan)# show vlan fcoe
Original VLAN ID Translated VSAN ID Association State
---------------- ------------------ -----------------
ステップ 3 ファブリック A のアップストリーム Nexus 5000 シリーズ スイッチで、ステップ 1 およびステップ 2 を繰り返します。
ステップ 4 ファブリック B の Nexus 5000 で VSAN を設定します。
switch(config)# vsan database
switch(config-vsan-db)# vsan 20
ステップ 5 ファブリック B のために FCoE VLAN から VSAN へのマッピングを設定し、起動していて、動作していることを確認します。
switch(config-vlan)# fcoe vsan 20
switch(config-vlan)# show vlan fcoe
Original VLAN ID Translated VSAN ID Association State
---------------- ------------------ -----------------
ステップ 6 ファブリック B のアップストリーム Nexus 5000 シリーズ スイッチで、ステップ 1 およびステップ 2 を繰り返します。
ステップ 7 vFC インターフェイスをバインドする基礎となる 10 ギガビット イーサネット ポートを設定します。VE ポートは、2 台のスイッチ間の FCoE トラフィックを物理的に転送するために、このインターフェイスを使用します。このインターフェイスは、適切な FCoE VLAN およびイーサネット VLAN をトランキングするように設定する必要があります(この例では、イーサネット トラフィックを伝送するために VLAN 200 を使用しています)。
このラボで、スイッチを接続する 10 ギガビット イーサネット インターフェイスを上記のトポロジに示します。
• ファブリック A は FCoE VLAN 10 および VSAN 10 を使用します
• ファブリック B は FCoE VLAN 20 および VSAN 20 を使用します
• PODX-N5K-1(ファブリック A)はイーサネット 1/15 を使用して CORE N5K1 に接続します
• PODX-N5K-2(ファブリック B)はイーサネット 1/16 を使用して CORE N5K2 に接続します
ファブリック A における両方のスイッチの設定:
switch(config)# interface ethernet 1/15
switch(config-if)# switchport mode trunk
switch(config-if)# switchport trunk allowed vlan 10, 200
ファブリック A における両方のスイッチの設定:
switch(config)# interface ethernet 1/16
switch(config-if)# switchport mode trunk
switch(config-if)# switchport trunk allowed vlan 20, 200
ステップ 8 VE ポートにバインドされるスイッチ上の vFC インターフェイスを設定し、VSAN データベースの VSAN 44 にこの vFC インターフェイスを追加します。
VE ポートの vFC 番号を次に示します。
• ファブリック A は FCoE VLAN 10 および VSAN 10 を使用します
• ファブリック B は FCoE VLAN 20 および VSAN 20 を使用します
• POD1-N5K-1(ファブリック A)はイーサネット 1/15 を使用して CORE N5K1 に接続します
• POD1-N5K-2(ファブリック B)はイーサネット 1/16 を使用して CORE N5K2 に接続します
• POD1-N5K-1(ファブリック A)は vfc 15 を使用し、これをイーサネット 1/15 にバインドします
• POD1-N5K-2(ファブリック B)は vfc 16 を使用し、これをイーサネット 1/16 にバインドします
ファブリック A における両方のスイッチの設定:
switch(config)# int vfc 15
switch(config-if)# switchport mode e
switch(config-if)# switchport trunk allowed vsan 10
switch(config-if)# bind interface eth 1/15
switch(config-if)# no shutdown
switch(config)# vsan database
switch(config-vsan-db)# vsan 10 interface vfc 15
switch(config-vsan-db)# show vsan membership
vsan 4079(evfp_isolated_vsan) interfaces:
vsan 4094(isolated_vsan) interfaces:
switch(config-vsan-db)# exit
ファブリック B における両方のスイッチの設定:
switch(config)# int vfc 16
switch(config-if)# switchport mode e
switch(config-if)# switchport trunk allowed vsan 20
switch(config-if)# bind interface eth 1/16
switch(config-if)# no shutdown
switch(config)# vsan database
switch(config-vsan-db)# vsan 20 interface vfc 16
switch(config-vsan-db)# show vsan membership
vsan 4079(evfp_isolated_vsan) interfaces:
vsan 4094(isolated_vsan) interfaces:
switch(config-vsan-db)# exit
(注) これらのインターフェイス設定は、同じファブリックで 2 台のスイッチを接続する ISL の両側に設定する必要があることに注意してください。
ステップ 9 vFC が起動し、動作していることを確認します。デフォルトでは、vFC はトランキングとして示されます。適切な物理インターフェイスにバインドされていることおよび VSAN 44 が使用可能で、vFC インターフェイスで起動されていることを確認します。
ファブリック A の両方のスイッチを確認します。
switch(config)# show int vfc 15
Bound interface is Ethernet1/15
Hardware is Virtual Fibre Channel
Port WWN is 20:0e:00:0d:ec:b4:43:7f
Peer port WWN is 00:00:00:00:00:00:00:00
Admin port mode is E, trunk mode is on
snmp link state traps are enabled
Trunk vsans (admin allowed and active) (10)
Trunk vsans (isolated) ()
Trunk vsans (initializing) ()
1 minute input rate 0 bits/sec, 0 bytes/sec, 0 frames/sec
1 minute output rate 0 bits/sec, 0 bytes/sec, 0 frames/sec
13 frames input, 1028 bytes
13 frames output, 1180 bytes
last clearing of "show interface" counters never
Interface last changed at Sat Nov 6 17:58:39 2010
ファブリック A の両方のスイッチを確認します。
switch(config)# show int vfc 16
Bound interface is Ethernet1/16
Hardware is Virtual Fibre Channel
Port WWN is 20:0e:00:0d:ec:b4:43:7d
Peer port WWN is 00:00:00:00:00:00:00:00
Admin port mode is E, trunk mode is on
snmp link state traps are enabled
Trunk vsans (admin allowed and active) (20)
Trunk vsans (isolated) ()
Trunk vsans (initializing) ()
1 minute input rate 0 bits/sec, 0 bytes/sec, 0 frames/sec
1 minute output rate 0 bits/sec, 0 bytes/sec, 0 frames/sec
13 frames input, 1028 bytes
13 frames output, 1180 bytes
last clearing of "show interface" counters never
Interface last changed at Sat Nov 6 17:58:39 2010