この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
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• 「FabricPath フォワーディングのデフォルト設定」
(注) FabricPath の前提条件、注意事項と制限事項、およびライセンス要件の詳細については、「概要」を参照してください。
• 「ECMP による既知のユニキャスト パケットのフォワーディング」
• 「ブロードキャスト、未知のユニキャスト、およびマルチキャスト パケットに対するフォワーディング ツリー」
FabricPath は、ループのない環境に STP を必要としないマルチパスのレイヤ 2 ドメインを実現します。Intermediate System-to-Intermediate System(IS-IS)プロトコルを使用することにより、スイッチはレイヤ 2 パケットに複数のパスを提供します。
それぞれの FabricPath インターフェイスは、FabricPath ネットワーク内の他のノードへの複数のパラレル パスを学習できます。STP を使用する必要がないので、すべてのパスをトラフィックの転送に使用できます。スイッチは、フロー単位で最適なパスを割り当てます。
既知のユニキャスト パケットのフローは、階層型の FabricPath の外側の宛先アドレス(ODA)および外側の送信元アドレス(OSA)の値によって判別されます(FabricPath の階層型カプセル化の詳細については、「FabricPath スイッチングの設定」を参照してください)。ソフトウェアは、IS-IS 等価コスト マルチパス(ECMP)を使用して、これらのフローのフォワーディング パスを選択します。
マルチデスティネーション トラフィック(未知のユニキャスト、ブロードキャスト、およびマルチキャスト)に対して、ソフトウェアは 2 つのパスまたはツリーを作成します。ブロードキャストおよび未知のユニキャスト トラフィックは、これらのツリーのいずれかを通過します。ハッシュに基づいて 2 つのツリー間でマルチキャスト トラフィックが配布されます。このように、ソフトウェアは、FabricPath ネットワーク内のマルチキャスト トラフィックのロードバランスを行います(詳細については、「ブロードキャスト、未知のユニキャスト、およびマルチキャスト パケットに対するフォワーディング ツリー」を参照してください)。
FabricPath レイヤ 2 IS-IS では、ツリーを定義します。最も高いスイッチ ID がルートに選択され、そのスイッチをルートとして、第 1 のツリーが作成されます。(必要に応じて、スイッチ ID を設定して、どのスイッチに最も高いスイッチ ID をつけるか、したがってどのスイッチを最初のツリーのルートにするかを指定できます)。最初のツリーのルート スイッチがスイッチ ID に基づいて 2 番目のツリーのルートを選択し、2 番目のツリーはそのルート スイッチから送信されます。この情報はすべて、レイヤ 2 IS-IS を使用して FabricPath ネットワークに通知されるので、ネットワーク内のすべてのスイッチが同じ情報を所有します。
ソフトウェアは、入口でパスを割り当て、そのパスを FabricPath ヘッダーの FTag 部分にコード化します。ソフトウェアは、ツリーごとに 1 つの FTag を割り当てます。一度決定され、タグを付けられると、そのパケットは FabricPath ネットワーク全体にわたり、同じツリーを使用します。FabricPath ネットワーク内のすべてのノードが、この同一の情報に基づいてトラフィックを転送します。これは、レイヤ 2 IS-IS の使用により、すべてのノードが同じ情報を所有するためです。
FabricPath フレームには、マルチデスティネーション パケットに対するリバース パス転送(RPF)メカニズムがあります。このメカニズムは、送信元スイッチに通じるインターフェイスにパケットが着信していることを検証します。ツリーの一部でないインターフェイスからパケットを受信した場合、RPF はそのパケットをドロップします。
FabricPath レイヤ 2 IS-IS プロトコルは、FabricPath ネットワーク上にリンク ステート情報をフラッディングします。各スイッチは、FabricPath リンクごとに hello パケットを送信し、ネイバーを検出します。ネイバーが検出されると、ソフトウェアは IS-IS 隣接を作成します。また、各スイッチは、既存のすべての隣接を通じてリンクステート データベースにアドバタイズメントとアップデートも送信します。
クラシカル イーサネット(CE)ネットワークと連携するには、VLAN を CE モードまたは FabricPath モードに設定します。CE VLAN は、CE ホストから FabricPath インターフェイスにトラフィックを伝送し、FabricPath VLAN は、FabricPath トポロジを介してトラフィックを伝送します。レイヤ 2 Intermediate System-to-Intermediate System(IS-IS)メッセージでトポロジの一部としてアドバタイズされるのは、スイッチに設定されているアクティブな FabricPath VLAN だけです。
ソフトウェアは、FabricPath トポロジに自動的にすべての FabricPath インターフェイスおよび FabricPath VLAN を割り当てます。追加設定は必要ありません。すべての FabricPath VLAN とインターフェイスがそのトポロジに属します。
図 4-1 は、クラシカル イーサネット スイッチおよび FabricPath/CE VLAN を持つ FabricPath トポロジの例を示しています。
図 4-1 FabricPath トポロジおよびクラシカル イーサネット ホストの例
スイッチのデフォルトの VLAN モードは、CE VLAN モードです。FabricPath インターフェイスは、FabricPath VLAN 上でのみトラフィックを伝送します。CE VLAN は、これらのインターフェイスでは機能しません。
VLAN モードの変更を有効にするには、VLAN コンフィギュレーション モードを終了する必要があります。
(注) VLAN およびインターフェイスを設定したら、それ以上の設定は不要です。ソフトウェアが自動的にパスを作成して割り当て、ロードバランシングを実現します。
既知のユニキャスト トラフィックについて、スイッチは FabricPath ヘッダー内の ODA フィールドを使用してフローごとにユニキャスト トラフィックを転送します。FabricPath がイネーブルであるスイッチは、入力スイッチでカプセル化されたすべてのトラフィックにスイッチ ID と ODA を割り当てます。(FabricPath のカプセル化の詳細については、「FabricPath スイッチングの設定」を参照してください)。
スイッチが ODA を割り当てると、FabricPath スイッチは FabricPath レイヤ 2 IS-IS ECMP を使用して既知のユニキャスト トラフィックを転送します。FabricPath レイヤ 2 IS-IS には、すべての既知のユニキャスト パケットに対し、最大 16 個のアクティブなレイヤ 2 パスが存在します。FabricPath で使用されるレイヤ 2 IS-IS メッセージは、ルーティング プロトコルおよび Overlay Transport Virtualization(OTV)で使用されるレイヤ 3 IS-IS メッセージとは異なります。
FabricPath ネットワーク内のスイッチは、IS-IS 隣接を使用してトポロジ情報を交換し、既知のユニキャスト トラフィック フローのパスに沿ってトラフィックを転送します。FabricPath ネットワーク内の各ノードは、各トラフィック フローの FabricPath ヘッダーを確認し、使用可能なネクスト ホップに基づき ECMP フォワーディングを選択します。
FabricPath には、ブロードキャスト、未知のユニキャスト、およびマルチキャスト パケット、またはマルチデスティネーション トラフィックを伝送するループフリー ブロードキャスト機能があります。ブロードキャスト、未知のユニキャスト、およびマルチキャストの各トラフィック フローに対して、ソフトウエアによって作成された 2 つのパスまたはツリーから、フォワーディング パスが選択されます。ソフトウェアは、マルチデスティネーション トラフィックを転送するために 2 つのツリーを作成します。
FabricPath ネットワークについては、FabricPath ネットワークを介してブロードキャスト トラフィック、未知のユニキャスト トラフィックを伝送するブロードキャスト ツリーが作成されます。また、別のツリーも作成され、すべてのマルチキャスト トラフィック フローは、これらの 2 つのツリーの間でフローごとにロードバランスが行われます。各ツリーは、FabricPath ネットワーク内で固有の値、または FTag によって識別されます。FabricPath ネットワーク内では、ソフトウェアによってブロードキャスト ツリーのルートになるルート ノードが選択されます。そのノードは、第 2 のマルチデスティネーションツリーのルートとなる別のブリッジも確認します。このツリーではマルチキャスト トラフィックのロード バランスが行われます。
FTag は、ODA および OSA とともに、FabricPath カプセル化の一部として入力スイッチで割り当てられます。FTag によって、マルチデスティネーション トラフィック フローが FabricPath ネットワーク上で通過するループフリー ツリーが決定します。ソフトウェアは、フローごとにツリーを割り当てます。
図 4-2 に、これらのツリーを示します。
図 4-2 所定のフローに対するマルチデスティネーション FabricPath フローを転送するためのツリー
FabricPath ネットワーク内の各ノードは、所定の FTag に対応するフォワーディング ツリーの同一ビューを共有します。
FabricPath を使用して、レイヤ 2 マルチキャスト マルチパスを設定できます。マルチキャスト トラフィックを確実にロード バランスするために、FabricPath はハッシュ ベースのシステムを使用して、各マルチキャスト フローを 2 つの指定したツリーのいずれかに割り当てます。
ソフトウェアは、FabricPath レイヤ 2 IS-IS とクラシカル イーサネット IGMP スヌーピングを使用して、FabricPath やクラシカル イーサネット ネットワークの境界でマルチキャスト グループ情報を学習します。ソフトウェアは、Group Membership LSP(GM-LSP)と呼ばれる新しいレイヤ 2 IS-IS LSP を使用し、FabricPath ネットワークを介して情報を伝送します。GM-LSP は、マルチキャスト グループおよび送信元のメンバーシップ情報を伝送します。この情報は、FabricPath ネットワーク上で伝送されます。すべての FabricPath スイッチは、マルチキャスト ルーティング情報を保持し、マルチキャスト データ パケットを関連する受信者が存在するスイッチだけに転送します。FabricPath トポロジ内の各ノードは同じビューを共有し、同じ情報が含まれます。
マルチキャスト トラフィックは、2 つのマルチキャスト トラフィックの一方または他方へのトラフィックの割り当てに VLAN 情報を使用します。ソフトウェアは、グループ IP アドレスに基づいてマルチキャストを抑制します。
IGMP スヌーピングと FabricPath IS-IS の連動により、GM-LSP を使用して、FabricPath ネットワーク上に VLAN 単位のマルチキャスト グループに基づいたツリーが作成されます。エッジ スイッチの IGMP スヌーピングは、受信者とルータについて学習し、エッジポートのマルチキャスト ステートを作成します。FabricPath レイヤ 2 IS-IS は、GM LSP を使用して、このグループ情報を FabricPath ネットワーク上に伝播し、FabricPath ネットワーク内のステートを作成します。これらの GM-LSP は、マルチ キャスト グループを持つ FabricPath ネットワークのエッジにあるスイッチから発信されます。
レイヤ 2 のマルチキャスト トラフィックについては、FabricPath を使用するときに PIM を実行する必要はありません。
レイヤ 3 マルチキャスト パケットについては、ソフトウェアは、そのグループのすべての IP ルータを識別する特別なマルチキャスト グループに ODA を設定し、そのグループ用のツリーに沿ってトラフィックを転送します。
ヒント コマンドが表示されない場合は、スイッチで FabricPath フィーチャ セットをインストールし、イネーブルにしていることを確認します。
FabricPath ネットワーク内の各スイッチでこれらの設定を行う必要があります。
FabricPath VLAN として設定された VLAN だけが、FabricPath トポロジに加わることができます。デフォルトでは、すべての FabricPath VLAN は基本トポロジ(Topology 0)に割り当てられます。FabricPath VLAN は、異なるトポロジに割り当てられるように設定できます。
FabricPath には 2 つのトポロジがあり、FabricPath ネットワークを通過させる VLAN の VLAN モードを FabricPath VLAN に設定する必要があります。
VLAN モードとインターフェイスを設定すると、ソフトウェアによって自動的に必要なパスが作成されます。FabricPath の追加設定を行う必要はありません。
• 「VLAN モードの FabricPath または CE の設定」
• 「FabricPath VLAN からトポロジへのマッピング」
ネットワーク上で FabricPath トラフィックを伝送する VLAN を指定するには、その VLAN を FabricPath VLAN として設定します。
次に、VLAN を FabricPath VLAN として指定する例を示します。
ネットワーク上で FabricPath トラフィックを伝送する VLAN を指定するには、その VLAN を FabricPath VLAN として設定します。デフォルトでは、すべての FabricPath VLAN がデフォルトのトポロジ 0 に属しています。また、FabricPath VLAN は 1 つのトポロジだけに属することができます。
2. fabricpath topology topology-number
次に、VLAN から FabricPath トポロジにマッピングする例を示します。
FabricPath ネットワークは、複数のパスが使用可能である場合に、自動的にユニキャスト トラフィックのロード バランスを行います。ただし、ユニキャスト トラフィックに特定のロード バランシングを設定することができます。デフォルトでは、すべてのオプションが使用されます。
2. fabricpath load-balance unicast { include-vlan | layer2 | layer3 | layer4 | mixed }
次に、送信元パラメータで FabricPath ユニキャストのロード バランシングを設定する例を示します。
FabricPath のフォワーディング情報を表示するには、次の作業のいずれかを行います。
ヒント これらのコマンドおよび使用可能なオプションの詳細については、プラットフォームのコマンド リファレンスを参照してください。
基本的な FabricPath ネットワークを設定するには、FabricPath インターフェイスを設定した後で、スイッチごとに次の作業を実行する必要があります。
• 各スイッチで FabricPath フィーチャ セットをイネーブルにします。
• FabricPath インターフェイスを設定します。(FabricPath インターフェイスの設定については、「FabricPath インターフェイスの設定」を参照してください)。
• FabricPath VLAN を設定します。デフォルトは CE VLAN です。
• show running-config fabricpath コマンドを入力して、FabricPath 設定が適切であることを確認します。
FabricPath トポロジを設定するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 FabricPath フィーチャ セットをイネーブルにします。
ステップ 2 FabricPath トポロジ内で必要な VLAN の VLAN モードを FabricPath に設定します。
ステップ 3 設定を表示して、間違いがないことを確認します。
表 4-1 に、FabricPath フォワーディングのパラメータのデフォルト設定を示します。
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表 4-2 に、この機能のリリース履歴を示します。
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