システム メッセージの概要
このマニュアルでは、Catalyst 3750、3560、3550、2975、2970、2960、および 2960-S 固有のシステム メッセージについて説明します。これらのメッセージは稼働中、システム ソフトウェアからコンソール(および任意で別のシステムのロギング サーバ)に送信されます。すべてのシステム メッセージがシステムの問題を示すわけではありません。通知目的のメッセージもあれば、通信回線、内蔵ハードウェア、またはシステム ソフトウェアの問題を診断するうえで役立つメッセージもあります。
(注) Catalyst 3750、3560、3550、2975、2970、2960、または 2960-S プラットフォーム固有ではないシステム メッセージについては、www.cisco.com で、Cisco IOS Release 12.2S に対応する『Cisco IOS Software System Messages』を参照してください。
• 「システム メッセージの読み方」
• 「エラー メッセージのトレースバック レポート」
システム メッセージの読み方
システム ログ メッセージは最大 80 文字と 1 つのパーセント記号(%)で構成され、設定されている場合にはその前に、オプションとしてシーケンス番号またはタイムスタンプ情報が付加されます。メッセージは、次のフォーマットで表示されます。
シーケンス番号:タイムスタンプ: %ファシリティ-重大度-ニーモニック:記述 (ホスト名-n) (Catalyst 3750、2975、および 2960-S スイッチのみ)
シーケンス番号:タイムスタンプ: %ファシリティ-重大度-ニーモニック:記述 (Catalyst 3750、2975、および 2960-S 以外のスイッチ)
システム メッセージ出力はデフォルトで、ロギング プロセスに送信されます。スイッチ スタックでは、スタック メンバがシステム メッセージ出力に各自のホスト名を追加し、スタック マスター上のロギング プロセスに出力を転送します。
各システム メッセージはパーセント記号(%)から始まります。構成は次のとおりです。
%FACILITY-SEVERITY-MNEMONIC: Message-text
• FACILITY は、メッセージが参照するファシリティを示す 2 文字以上の大文字です。ファシリティは、ハードウェア デバイス、プロトコル、またはシステム ソフトウェアのモジュールなどです。 表 1-1 に、Catalyst 3750、3560、3550、2975、2970、2960、および 2960-S 固有のファシリティ コードを示します。
で、ファシリティ コードのアルファベット順、重大度の高い(数字が小さい)エラーから先に、各メッセージについて説明します。
表 1-1 ファシリティ コード
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ACLMGRR |
ACL マネージャ |
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AUTHMGR |
認証マネージャ |
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AUTOQOS |
Automatic Quality of Service(auto-QoS)(Catalyst 3550 スイッチのみ) |
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BACKUP_INTERFACE |
Flex Link |
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BADTRANSCEIVER |
障害トランシーバ メッセージ(3750、2975、2960-S スイッチのみ) |
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BSPATCH |
ブートローダ パッチ |
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CFGMGR |
コンフィギュレーション マネージャ(Catalyst 3750、2975、および 2960-S スイッチのみ) |
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CMP |
クラスタ メンバーシップ プロトコル |
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DHCP_SNOOPING |
DHCP スヌーピング |
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DHCP_SNOOPING_CAT3550 |
DHCP スヌーピング(Catalyst 3550 スイッチのみ) |
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DOT1Q_TUNNELLING |
802.1Q トンネリング(Catalyst 3550 スイッチのみ) |
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DOT1X |
802.1x |
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DOT1X_SWITCH |
スイッチ用 802.1x |
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DTP |
ダイナミック トランキング プロトコル |
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DWL |
Down-When-Looped |
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EC |
EtherChannel |
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ENVIRONMENT |
環境(Catalyst 3550 スイッチのみ) |
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EPM |
ポリシー施行モジュール |
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ETHCNTR |
イーサネット コントローラ |
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EXPRESS_SETUP |
エクスプレス セットアップ |
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EOU |
EAP over UDP |
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FM |
機能マネージャ(Catalyst 3550 スイッチのみ) |
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FRNTEND_CTRLR |
フロントエンド コントローラ(Catalyst 3750、2975、2960-S スイッチのみ) |
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GBIC |
ギガビット インターフェイス コンバータ(GBIC)モジュールの識別および有効性チェック(Catalyst 3550 スイッチのみ) |
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GBIC_SECURITY |
GBIC モジュールおよび Small Form-Factor Pluggable(SFP)モジュール セキュリティ |
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GBIC_SECURITY_CRYPT |
GBIC および SFP モジュール セキュリティ |
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GBIC_SECURITY_UNIQUE |
GBIC および SFP モジュール セキュリティ |
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GIGASTACK |
GigaStack GBIC モジュール(Catalyst 3550 スイッチのみ) |
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HARDWARE |
ハードウェア |
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HLFM |
ローカル フォワーディング マネージャ |
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HPSECURE |
HP セキュア |
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HULC |
HULC |
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IDBMAN |
インターフェイス記述ブロック マネージャ |
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IFMGR |
インターフェイス マネージャ |
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ILET |
IOS ライセンス強制テスト |
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IGMP_QUERIER |
Internet Group Management Protocol(IGMP)クエリア |
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ILPOWER |
Power over Ethernet(PoE) |
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IMAGEMGR |
イメージ マネージャ(Catalyst 3750、2975、および 2960-S スイッチのみ) |
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IP |
インターネット プロトコル |
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IP_DEVICE_TRACKING_HA |
ハイ アベイラビリティのための IP デバイス トラッキング |
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KEYMAN |
KEYMAN |
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L2TM |
レイヤ 2 フォワーディング マネージャ(Catalyst 3550 スイッチのみ) |
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L3TCAM |
レイヤ 3 ユニキャスト ルーティング マネージャ(Catalyst 3550 スイッチのみ) |
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MAB |
MAC 認証バイパス |
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MAC_LIMIT |
MAC アドレス テーブル エントリ |
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MAC_MOVE |
ホスト アクティビティ |
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NETWORK_PORT_ SATELLITE |
ネットワーク ポート サテライト(Catalyst 3550 スイッチのみ) |
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PAGP_DUAL_ACTIVE |
Port Aggregation Protocol(PAgP)デュアルアクティブ検出 |
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PBR |
ポリシーベース ルーティング(PBR)(Catalyst 3550 スイッチのみ) |
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PHY |
PHY |
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PIMSN |
Protocol Independent Multicast(PIM)スヌーピング |
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PLATFORM |
下位レベル プラットフォーム固有 |
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PLATFORM_ENV |
プラットフォーム環境 |
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PLATFORM_FBM |
フォールバック ブリッジング マネージャ |
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PLATFORM FRULink |
10G サービス モジュール メッセージ |
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PLATFORM_HCEF |
Cisco Express Forwarding(CEF)(Catalyst 3750 および 3560 スイッチのみ) |
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PLATFORM_HPLM |
プラットフォームの疑似ラベル マネージャ |
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PLATFORM_IPC |
プラットフォームのプロセス間通信プロトコル(Catalyst 3750、2975、2960-S スイッチのみ) |
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PLATFORM_IPv6 |
IP Version 6 |
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PLATFORM_PBR |
プラットフォームのポリシーベース ルーティング |
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PLATFORM_PM |
プラットフォームのポート マネージャ |
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PLATFORM_RPC |
プラットフォームのリモート プロシージャ コール(Catalyst 3750、2975、2960-S スイッチのみ) |
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PLATFORM_SPAN |
プラットフォームのスイッチド ポート アナライザ |
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PLATFORM_UCAST |
プラットフォームのユニキャスト ルーティング |
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PLATFORM_VLAN |
プラットフォームの VLAN(仮想 LAN) |
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PLATFORM_WCCP |
プラットフォームの WCCP |
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PM |
ポート マネージャ |
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PORT SECURITY |
ポート セキュリティ |
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POWERNET |
Powernet |
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QATM |
QoS および ACL TCAM マネージャ(Catalyst 3550 スイッチのみ) |
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QM |
QoS マネージャ(Catalyst 3550 スイッチのみ) |
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QOSMGR |
QoS マネージャ |
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RMON |
リモート ネットワーク モニタリング |
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SCHED |
スケジュール |
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SDM |
スイッチング データベース マネージャ(Catalyst 3750 スイッチのみ) |
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SESA |
SESA |
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SPAN |
スイッチド ポート アナライザ |
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SPANTREE |
スパニングツリー |
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SPANTREE_FAST |
スパニングツリー高速コンバージェンス |
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SPANTREE_VLAN_SW |
スパニングツリー VLAN スイッチ |
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STACKMGR |
スタック マネージャ(Catalyst 3750、2975、2960-S スイッチのみ) |
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STORM_CONTROL |
ストーム制御 |
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SUPERVISOR |
スーパーバイザ ASIC |
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SUPQ |
スーパーバイザ キュー |
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SW_DAI |
ダイナミック ARP インスペクション |
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SW_MACAUTH |
MAC アドレス認証(Catalyst 3750 および 3560 スイッチのみ) |
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SW_MATM |
MAC アドレス テーブル マネージャ(Catalyst 3750 および 3560 スイッチのみ) |
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SW_VLAN |
VLAN マネージャ |
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SWITCH_QOS_TB |
QoS 信頼境界 |
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TCAMMGR |
Ternary Content Addressable Memory(TCAM)マネージャ |
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UDLD |
単一方向リンク検出 |
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UFAST_MCAST_SW |
UplinkFast パケット転送 |
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VQPCLIENT |
VLAN Query Protocol(VQP)クライアント |
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VLMAPLOG |
VLAN アクセス マップ ログ |
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WCCP |
Web Cache Communication Protocol(WCCP) |
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WRLSCNTR |
Catalyst 3750 Integrated Wireless LAN Controller スイッチ |
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• 重大度は 0 ~ 7 の 1 桁のコードで、状態の重大度を表します。この値が小さいほど、重大な状況を意味します。 表 1-2 に、メッセージの重大度を示します。
表 1-2 メッセージの重大度
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0:緊急 |
システムを使用できません。 |
1:アラート |
ただちに対応が必要な状態。 |
2:クリティカル |
危険な状態です。 |
3:エラー |
エラー状態です。 |
4:警告 |
警告状態です。 |
5:通知 |
正常だが注意を要する状態です。 |
6:情報 |
情報メッセージ。 |
7:デバッグ |
デバッグ時に限り表示されるメッセージ。 |
• ニーモニックは、メッセージを一意に識別するコードです。
• メッセージテキストは、状態を説明したテキスト文字列です。メッセージのこの部分には、端末ポート番号、ネットワーク アドレス、またはシステム メモリ アドレス スペースの位置に対応するアドレスなど、イベントの詳細情報が含まれることがあります。この可変フィールドの情報はメッセージごとに異なるので、ここでは角カッコ([ ])で囲んだ短い文字列で示します。たとえば 10 進数は [dec] で表します。 表 1-3 に、メッセージ内の変数フィールドを示します。
表 1-3 変数フィールド
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[dec] |
10 進整数 |
[char] |
1 文字 |
[chars] |
文字列 |
[enet] |
イーサネット アドレス(たとえば 0000.FEED.00C0) |
[hex] |
16 進整数 |
[inet] |
インターネット アドレス |
マスター スイッチ以外の Catalyst 3750、2975、および 2960-S スイッチが生成した Syslog メッセージは、必ず( Switch-x )で終わります。 Switch-x は、メッセージを生成したスタック メンバの番号です。マスター スイッチが生成した Syslog メッセージは、ホスト名の文字列なしで表示されます。
次の例は、Catalyst 3750、2975、および 2960-S 以外のスイッチのスイッチ システム メッセージの一部分です。
00:00:46: %LINK-3-UPDOWN: Interface Port-channel1, changed state to up
00:00:47: %LINK-3-UPDOWN: Interface GigabitEthernet0/1, changed state to up
00:00:47: %LINK-3-UPDOWN: Interface GigabitEthernet0/2, changed state to up
00:00:48: %LINEPROTO-5-UPDOWN: Line protocol on Interface Vlan1, changed state to down
00:00:48: %LINEPROTO-5-UPDOWN: Line protocol on Interface GigabitEthernet0/1, changed state to down 2 *Mar 1 18:46:11: %SYS-5-CONFIG_I: Configured from console by vty2 (10.34.195.36)
18:47:02: %SYS-5-CONFIG_I: Configured from console by vty2 (10.34.195.36)
*Mar 1 18:48:50.483 UTC: %SYS-5-CONFIG_I: Configured from console by vty2 (10.34.195.36)
次の例は、Catalyst 3750 スイッチ スタック、Catalyst 2975 スイッチ スタック、または Catalyst 2960-S スイッチ スタック内のスタック マスターおよびスタック メンバ スイッチ(ホスト名は Switch-2 )に対応するスイッチ システム メッセージの一部分です。
00:00:46: %LINK-3-UPDOWN: Interface Port-channel1, changed state to up
00:00:47: %LINK-3-UPDOWN: Interface GigabitEthernet1/0/1, changed state to up
00:00:47: %LINK-3-UPDOWN: Interface GigabitEthernet1/0/2, changed state to up
00:00:48: %LINEPROTO-5-UPDOWN: Line protocol on Interface Vlan1, changed state to down
00:00:48: %LINEPROTO-5-UPDOWN: Line protocol on Interface GigabitEthernet1/0/1, changed state to down 2
*Mar 1 18:46:11: %SYS-5-CONFIG_I: Configured from console by vty2 (10.34.195.36)
18:47:02: %SYS-5-CONFIG_I: Configured from console by vty2 (10.34.195.36)
*Mar 1 18:48:50.483 UTC: %SYS-5-CONFIG_I: Configured from console by vty2 (10.34.195.36)
00:00:46: %LINK-3-UPDOWN: Interface Port-channel1, changed state to up (Switch-2)
00:00:47: %LINK-3-UPDOWN: Interface GigabitEthernet1/0/1, changed state to up (Switch-2)
00:00:47: %LINK-3-UPDOWN: Interface GigabitEthernet1/0/2, changed state to up (Switch-2)
00:00:48: %LINEPROTO-5-UPDOWN: Line protocol on Interface Vlan1, changed state to down (Switch-2)
00:00:48: %LINEPROTO-5-UPDOWN: Line protocol on Interface GigabitEthernet1/0/1, changed state to down 2 (Switch-2)
エラー メッセージのトレースバック レポート
メッセージの中には、内部エラーが記述され、トレースバック情報が含まれているものがあります。テクニカルサポートの担当者に問題を報告するときは、この情報を提出してください。
次のメッセージ例にはトレースバック情報が含まれています。
-Process= "Exec", level= 0, pid= 17
-Traceback= 1A82 1AB4 6378 A072 1054 1860
システム メッセージによっては、エラー メッセージをコピーしたうえでさらに対応を要求される場合があります。次のオンライン ツールからシステム エラー メッセージの詳細を得ることもできます。
TAC への連絡
エラーの種類を特定することができない場合は、を参照してください。