Media Redundancy Protocol 設定ガイド(IE 2000/IE 4000/IE 5000 スイッチ用)
TIA 13 または STEP7 を使用した PROFINET MRP モードの設定
Simatic Step 7 または TIA 13 ポータルを使用した PROFINET の管理
このマニュアルでは、Cisco Industrial Ethernet 2000 シリーズ スイッチ(IE 2000)、Cisco Industrial Ethernet 4000 シリーズ スイッチ(IE 4000)、および Cisco Industrial Ethernet 5000 シリーズ スイッチ(IE 5000)で、Media Redundancy Protocol(MRP)を設定する方法について説明します。
注:読者に留意していただきたいことを示しています。役立つ情報やこのマニュアルに記載されていない参照資料を紹介しています。
注意:注意が必要なことを示しています。機器の損傷またはデータ損失を予防するための注意事項が記述されています。
警告:安全上の重要事項
「危険」の意味です。人身事故を予防するための注意事項が記述されています。機器の取り扱い作業を行うときは、電気回路の危険性に注意し、一般的な事故防止対策に留意してください。警告の各国語版については、各警告文の末尾に提示されているステートメント番号を使用して、この機器に付属している各国語で記述された安全上の警告を参照してください。
これらの注意事項を保存しておいてください。
国際電気標準会議(IEC)の規格 62439-2 で定義される MRP は、産業自動化ネットワークのリング ネットワーク トポロジで高速コンバージェンスを実現します。MRP Media Redundancy Manager(MRM)は、リングの最大リカバリ時間を 10 ミリ秒、30 ミリ秒、200 ミリ秒、500 ミリ秒の範囲で定義します。
注:最大 50 ノードで構成されるリングの場合、Cisco IE スイッチのデフォルトの最大リカバリ時間は 200 ミリ秒です。MRP マネージャの設定に説明されているように、500 ミリ秒のリカバリ時間プロファイルを使用するよう、スイッチを設定できます。
注:特に明記しないかぎり、 スイッチという用語は IE 2000、IE 4000、または IE 5000 を指します。
MRP は MAC レイヤで動作し、製造業における産業ネットワークの PROFINET 規格と合わせて一般的に使用されます。
シスコはスイッチ上の MRP の 2 つのモードをサポートしていますが、ある時点においてスイッチで動作するモードは 1 つだけです。
■PROFINET MRP モード:このスイッチは PROFINET 環境に導入され、Siemens Totally Integrated Automation(TIA)フレームワークによって追加、管理されます。MRP マネージャまたはクライアントのライセンスが Web インターフェイスまたはコマンド ラインからアクティブ化されている場合、これがデフォルトの MRP モードです。詳細については、PROFINET MRP の再有効化を参照してください。
注: TIA でスイッチを管理する場合、MRP を設定するのに CLI は使用しないでください。
■MRP コマンドライン インターフェイス(CLI)モード:このモードは、Cisco IOS CLI および Web デバイス マネージャ、Web ベースのユーザ インターフェイス(UI)で管理されます。詳細については、MRP CLI モードの設定およびデバイス マネージャのオンライン ヘルプを参照してください。
注: MRP CLI モードでスイッチを管理する場合、MRP 設定を上書きする可能性があるため、Siemens STEP7/TIA から MRP 設定をダウンロードしないでください。
MRP リングでは、MRM はリング マネージャとして機能し、一方 Media Redundancy Clients(MRC)はリングのメンバー ノードとして機能します。各ノード(MRM または MRC)には、リングに参加するための 1 対のポートがあります。MRM は、1 つのリング ポートの制御フレームをリングを介して送信し、リングからの制御フレームを他のリング ポートを介して受信し、反対方向のものも受信することによって、ネットワーク障害に対応するリング トポロジを開始、制御します。MRC は MRM から受信した再構成フレームに応答し、そのリング ポート上のリンクの変化を検出して通知することができます。
すべての MRM および MRC リング ポートは、次の状態をサポートします。
■無効(Disabled):リング ポートは受信したすべてのフレームをドロップします。
■ブロック済み(Blocked):リング ポートは MRP 制御フレームと一部の標準フレーム(LLDP など)を除くすべての受信フレームをドロップします。
■フォワーディング(Forwarding):リング ポートはすべての受信フレームを転送します。
■未接続(Not Connected):リンクは物理的にダウンしているか切断されています。(この状態は、MRP ポートがソフトウェアによって手動で無効にされている「無効効態」とは異なります)。
通常動作中、ネットワークは Ring-Closed 状態で動作します(図 1を参照してください)。ループを防止するため、一方の MRM リング ポートはブロック済みで、もう一方のポートはフォワーディングになります。ほとんどの場合、すべての MRC の両方のリング ポートはフォワーディング ステートになります。このループ回避により、物理リング トポロジは論理スタブ トポロジになります。
図 1では、左と右の 2 つのリングについて、次の点に注意してください。
■左側のリング:どのポートも切断されていないため、MRM の接続(上部の小さな青い四角)はブロック済み状態(2 本の平行線で示す)です。
■右側のリング:2 つの MRC の接続(左と中央の小さな白い四角)は、赤い「x」で示すように、それらの間のリンクが壊れているため、無効状態です。
■2 つの MRC を接続するリンクに障害が発生した場合、MRM の両方のリング ポートはフォワーディング ステートに変わり、障害に隣接する MRC は無効なリング ポートとフォワーディング リング ポートになり、他の MRC は両方のリング ポートがフォワーディングになります。
Ring-Open 状態では、ネットワーク論理トポロジはスタブになります。
レイヤ 2 イーサネット フレームは、これら 2 つのリング状態間の移行に必要な時間中に失われます。MRP プロトコルでは、スイッチオーバー時間を最小限に抑えるためにスイッチオーバーを自動的に管理する手順を定義します。さまざまなパラメータで構成されるリカバリ時間プロファイルは、MRP トポロジ コンバージェンス パフォーマンスを促進します。200 ミリ秒のプロファイルは、200 ミリ秒の最大リカバリ時間をサポートします。500 ミリ秒のプロファイルは、500 ミリ秒の最大リカバリ時間をサポートします。
■リング ステータスをモニタするため、MRM は定期的に両方のリング ポートでテスト フレームを送信します。
■MRM が障害またはリカバリを検出すると、両方のリング ポートで TopoChange フレームを送信します。
■MRC がローカル ポート上で障害またはリカバリを検出すると、LinkChange サブタイプ フレーム、Linkdown および Linkup を MRM に送信します。
IE スイッチでの MRP の使用は、使用権(RTU)ライセンスに基づきます。MRP は、Lan Lite、Lan Base、IP Lite、IP Service を含むすべてのライセンス レベルでサポートされています。ライセンス ポータビリティ(ZTD)で説明されているように、SD カードを使用して MRP の永久ライセンスを新しいスイッチに移行できます。
IE 2000、IE 4000、および IE 5000 スイッチの MRP ライセンス製品 ID(PID)を次の表に示します。
上記の各 MRP ライセンスは、評価ライセンスと永久ライセンスとして利用できます。MRP ライセンスの有効期限が切れるか、または非アクティブになった場合、MRP のリング設定は次回の再起動時まで保持されます。MRP ライセンスをアクティブ化するには、MRP ライセンスのアクティブ化を参照してください。
注:mrp-manager ライセンスと mrp-multi-manager ライセンスは共存できます。両方がアクティブ化されている場合、設定可能なリングの最大数は変わらず 3(mrp-multi-manager ライセンスのみがアクティブ化されている場合と同じ)です。また、すべてのリングがマネージャ モードである必要があります。
両方のライセンスがアクティブ化されていて、マネージャ モードの 3 つのリングが動作している場合、mrp-manager ライセンスの非アクティブ化または有効期限切れはリングには影響しませんが、mrp-multi-manager ライセンスの非アクティブ化または有効期限切れにより、リング 2 およびリング 3 は非アクティブ モードになります(show mrp ring | s License で示されるように)。これは、次回の再起動時にリング 2 とリング 3 が削除され、mrp-manager ライセンスがまだアクティブであるため、リング 1 が残ることを意味します。
MRP ライセンスには、ゼロ タッチ導入(ZTD)を促進する機能が含まれています。MRP ライセンスを持つスイッチに障害が発生し、そのスイッチを新しいものと交換する必要がある場合、SD カードを使ってライセンスを移行することで、故障したスイッチの MRP ライセンスを新しいスイッチに移行できます。MRP ライセンスのポータビリティはデフォルトでオンになっているため、この機能に必要な設定はありません。
■MRP 使用権ライセンスのポータビリティは永久ライセンスのみをサポートし、評価ライセンスはサポートしません。
■ゼロ タッチ ライセンス移行は、スイッチが工場出荷時のデフォルト モードになっている場合のみ機能します。交換用スイッチを以前使用していた場合、そのスイッチを工場出荷時の初期状態にリセットします。これについては、『 Cisco IE 2000 スイッチ ハードウェア インストレーション ガイド』、『 Cisco IE 4000 スイッチ ハードウェア インストレーション ガイド』、または『 Cisco IE 5000 スイッチ ハードウェア インストレーション ガイド 』の説明に従ってください。
■ライセンスのポータビリティは、IE 2000、IE 4000、IE 5000 でサポートされています。
■転送前にライセンス移行用のソース スイッチが SD カードで起動されている必要があります。
ライセンスを移行するには、SD カードをターゲットのスイッチに挿入し、スイッチをリロードします。最初のリロード後、MRP ライセンス情報は古いスイッチのライセンス情報と同じものになります。永久ライセンスのその後の変更(アクティブ化または非アクティブ化)は即座に SD カードに同期されます。これにより、SD カードのライセンス ファイルに最新の MRP ライセンス情報が保持されます。
産業用イーサネット ネットワークでは、セル/エリア内の MRP リングはアクセス レイヤのサブリングです。Mrp-multi-manager MRP ライセンスを使用すると、複数の MRP リングを接続でき、これらをディストリビューション レイヤに集約できます。スイッチは同じ VLAN ID で最大 3 つの MRP リングをサポートし、各リングに一意の MRP ドメイン ID を使用します。3 つのリングはすべて同じ MRP マネージャによって制御されます。複数の MRP リングは Cisco Web デバイス マネージャ、または CLI によってのみ管理でき、Siemens STEP7/TIA では管理できません。詳細については、MRP CLI モードの設定を参照してください。
■MRP マネージャと クライアント マネージャのライセンスは、トラスト モデルの使用権ライセンスです。常設の MRP マネージャを起動する前に、 Cisco Commerce (https://cisco-apps.cisco.com/cisco/psn/commerce)経由でライセンスを購入する必要があります。
■MRP プロトコルは、Lan Lite、Lan Base、拡張 Lan Base、IE 2000 用 IPLite、 IE 4000 および IE 5000 用 Lan Base および IP Services でサポートされています。
■MRP は物理リング トポロジに配置されているため、ネットワーク ストームを回避するため、MRP 機能を設定する前に、接続インターフェイスで shut コマンドを発行するか、ケーブルを物理的に取り外して、各リングの 2 つのノード間の物理的な接続を 1 つ開けておくことをお勧めします。すべての MRC と MRM を正しく設定した後に、ポートで no shut コマンドを発行するか、ノード間のケーブルを再接続します。
■MRP プロトコルを設定する前に、MRP ライセンスをアクティブにします。MRP ライセンスのアクティブ化を参照してください。
■スイッチ上の MRP 設定(複数の MRP リング マネージャ、1 つの MRP マネージャ、またはクライアント)を定義します。
■ネットワークが SIMATIC TIA または STEP7 で管理されている場合、基本的な PROFINET 接続がオンになっていることを確認します。
■MRP のデフォルトの VLAN は 1 です。デフォルト以外の VLAN を使用するには、それを MRP 設定に割り当てる前に profinet vlan id を設定する必要があります。
■デフォルトでは、PROFINET MRP が有効になっています。Cisco スイッチ CLI によって PROFINET MRP 機能が無効にされている場合、スイッチ CLI を使って MRP のみを設定できます。
■このスイッチは mrp-manager ライセンスを持つ 1 つの MRP リング(1 つの VLAN)、および mrp-multi-manager ライセンスを持つ、同じ VLAN 内の MRP リングを最大 3 つまでサポートします。複数の MRP リングのサポートは、CLI または Web デバイス マネージャ ツールでのみ可能です。
■スイッチは 1 リングあたり最大 50 の MRC をサポートします。
■MRP クライアントとして動作するよう選ばれたスイッチで mrp-multi-manager ライセンスが有効になっている場合、設定時に使用可能なリング番号は「1」、「2」または「3」です。ただし、リング番号の選択に関係なく、クライアント モードでサポートされるリングは 1 つだけです。MRC モード スイッチでは常にリング番号を「1」にすることをお勧めします。
■MRP は、Resilient Ethernet Protocol(REP)、スパニング ツリー プロトコル(STP)、Flex Link、または Dot1x と同じインターフェイス(ポート)で実行することはできません。
■STP は MRP セグメントでは動作しません。MRP インターフェイスはすべての STP BPDU をドロップします。
■アクセス ポートでは、MRP インターフェイスで具体的に switchport mode access および switchport access vlan x コマンドを設定する必要があります。
■MRP インターフェイスはフォワーディング ステートで起動し、安全にブロック可能と通知されるまでフォワーディング ステートのままになります。MRP リングの状態は Ring-Closed に変わります。
■MRP ポートは、SPAN 宛先ポート、プライベート VLAN ポート、またはトンネル ポートのいずれのポート タイプとしても設定できません。また PROFINET モードで動作している場合、MRP ポートをトランク ポートとして設定することもできません。
■MRP は EtherChannel または EtherChannel に属する個別のポートではサポートされません。
■すべてのファスト イーサネット トポロジ、またはすべてのギガビット イーサネット トポロジのいずれかで MRP ノードを設定することを推奨します。
■IE 5000 では、MRP はダウンリンク ポートでのみサポートされています。アップリンク ポートで MRP を設定しようとすると、エラー メッセージが表示されます。
■オーバー サブスクリプションまたは輻輳により、MRP 制御フレームはドロップされます。この動作は STP BPDU に似ています。すべての MRP ポートで mls qos trust cos 、 mls qos cos 7 を設定すると、パフォーマンスがわずかに向上する場合があります。輻輳が解消されると、MRP は通常の動作を再開します。
■各 MRP リングは 1 つの MRP VLAN のみを持つことができます。
■STEP7 と TIA によって管理される PROFINET MRP では、PROFINET に VLAN タギングの概念がないため、レイヤ 2 アクセス ポートのみサポートされています。
■PROFINET MRP モードを使用する場合、PROFINET が近接デバイスを認識し、Siemens PLC タイムアウトを回避するため、LLDP タイマーを 5 ミリ秒または 10 ミリ秒に設定することを推奨します。
■管理 VLAN が PROFINET MRP VLAN と通信するためには、InterVLAN ルーティング機能が必要です。InterVLAN ルーティングは、IE 2000 の Lan Lite を除くすべてのソフトウェア ライセンスでサポートされています。
■MRP CLI モードは、レイヤ 2 アクセス ポートとトランク ポートの両方でサポートされています。
■CLI を使用して MRP リングを設定したら、MRP リングを、MRP をサポートするポート ペアに接続する必要があります。
■どちらの MRP ポートも同じインターフェイス モード(アクセスまたはトランク)である必要があります。
■既存の MRP リングの設定(モード)を変更する、またはアクセスとトランク間のリング ポートのインターフェイス モードを変更するには、まずリングを削除してから、新しい設定のリングを再作成する必要があります。
■両方の MRP ポートがアクセス モードの場合、アクセス VLAN はこれに合わせる必要があります。設定済みの MRP VLAN がポートのアクセス VLAN と一致しない場合、MRP VLAN は自動的に MRP ポートのアクセス VLAN に変更されます。
■2 つのアクセス ポートを持つ MRP リングで、MRP リング作成時にポートが同じアクセス VLAN に属していない場合、または MRP リング作成後にポートの 1 つだけアクセス VLAN を変更した場合、MRP リング動作は中断され、次のようなメッセージが表示されます。
この問題を解決するには、2 つのリング ポートのアクセス VLAN の設定を同じにします。
■標準プロファイルの 200 ミリ秒と 500 ミリ秒がサポートされています。10 ミリ秒と 50 ミリ秒のプロファイルはサポートされていません。
■MRM ラインセンスと MRC ライセンスは、デフォルトで無効になっています。
■MRM ライセンスまたは MRC ライセンスが有効な場合、PROFINET MRP はデフォルトで有効になっています。
スイッチ上で MRP 機能を設定する前に、MRP ライセンスをアクティブ化する必要があります。
注: MRP マネージャおよびクライアント マネージャのライセンスは、トラスト モデルの使用権ライセンスです。 Cisco Commerce (https://cisco-apps.cisco.com/cisco/psn/commerce)経由でライセンスを購入する必要があります。ライセンス PID の一覧については、表 1を参照してください。
Cisco IOS コマンドライン インターフェイス(CLI)を使用して、ライセンスをアクティブ化することができます。
スイッチのライセンスをアクティブ化するには、特権 EXEC モードで、次のコマンドのいずれか 1 つ を入力します。
注:上記のコマンドを入力した後、ライセンスの条件が表示されます。承認するには yes と答えます。
アクティブ化されたライセンスの詳細を表示するには、特権 EXEC モードで次のコマンドを入力します。
注:mrp-client または mrp-manager の MRP ライセンスをアクティブ化してから、コマンド mrp ring 1 を使用して MRP を有効にすると、コマンド show mrp ring 1 はデフォルトで MRP モードを Client として表示します。MRP 設定が完了すると、show mrp ring 1 によりライセンスの正しいモードが表示されます。
MRP ライセンスのアクティブ化の後、Siemens TIA または STEP7 を使用して、PROFINET MRP 設定を Cisco スイッチにプッシュすることができます。MRM ライセンスまたは MRC ライセンスが有効な場合、スイッチでは PROFINET MRP がデフォルトで有効になります。
注: PROFINET および TIA を使用している場合、CLI を使用してスイッチの設定を実行または変更 しないでください 。MRP CLI モードと PROFINET MRP モードは相互に排他的です。
注: Cisco スイッチが PROFINET PLC に接続されている場合、 show profinet status | include Connected の出力は Yes になります。 show profinet status | include Connected の出力が No の場合、スイッチは PROFINET PLC に接続されていません。
PROFINET MRP GSD ファイル(Cisco_IE2000_GSD.zip または Cisco_IE4000_GSD.zip)は、Cisco IOS リリースにバンドルされています。PC からのイメージを解凍した後、GSD XML ファイルを TIA 13 PC のある場所に手動でコピーまたは転送し、GSD ディレクトリにアップロードできます。
注: MRP がサポートする最小 GSD ファイル バージョンは GSDML-V2.31-Cisco-IE2000-20150515.xml です。ただし、常に最新のリリースされた GSD ファイルを使用することを推奨します。
注意: Cisco IOS ソフトウェアにバンドルされているバージョンより古い TIA 13 または STEP 7 にインストールされた GSD XML ファイルがある場合、非互換性により起こり得る問題を回避するため、古いファイルを削除することを推奨します。
最低限必要な Cisco IOS リリースについては、機能の履歴を参照してください。
LLDP プロトコルを使用してすべての近接デバイスを検出するため、PROFINET MRP をネットワークにプッシュする前に、MRP イーサネット ポートを承認し、リング(オープン リング)から切断することを推奨します。このアプローチにより、何か問題があった場合に、不必要なフラッディングを回避できます。
1. (オプション)show lldp neighbor と入力し、LLDP プロトコルがすべてのネイバーを正しく検出することを確認します。
2. すべての MRP ライセンスがスイッチ上でアクティブであることを確認します。
3. PROFINET ステータスに「接続済み」と表示されていることを確認します。
4. profinet mrp ring 1 の出力を調べることで、MRP ポートが正しく接続されていることを確認でき、次の報告が得られます。
–フォワーディング モードの他のすべての MRM ポート(のバランス)
注:MRP デバイスのロールを変更する(MRP クライアントから MRP マネージャ、または MRP マネージャから MRP クライアントなど)前に、MRP リングが開いていることを確認します。
注: このセクションでは、TIA ポータル(Siemens Simatic STEP7、バージョン 13)の主要画面の概要について説明します。ここでは設定の詳細については説明しません。TIA ポータルの詳細な使用方法については、Siemens Simatic STEP7 のユーザ マニュアルを参照してください。
図 2 MRP を設定する前の PROFINET デバイス検出(DCP)ウィンドウ
図 3 PROFINET MRP マネージャと MRP ドメインの定義
図 4 PROFINET MRP クライアントと MRP ドメインの定義
MRP を設定するには、ノードを MRM または MRC として設定し、その 2 つの MRP ポートを指定します。Mrp-manager ライセンスを使用し、デバイスに最大 1 つのリングを設定できます(デバイスはマネージャまたはクライアントになります)。1 つの MRM を持つリングはそれぞれ、最大 50 の MRC をサポートできます。
Mrp-multi-manager ライセンス レベルでは、各リングに 1 つのマネージャ インスタンス、各デバイスに 1 つのマネージャを設定し、スイッチに最大 3 つの MRP リングを設定できます。MRP マネージャのみが複数のリングでサポートされています。
次の MRP 設定パラメータは、複数の MRP リングで必要な domain-id を除いてオプションです。
■domain-name:設定した MRP ドメイン ID の論理名。
■priority:複数の MRM のマネージャ プライオリティ。(1 リングあたり複数の MRM はサポートされていないため、このパラメータは現在使用されていません)。
■profile:200 ミリ秒(デフォルト)または 500 ミリ秒。
■vlan-id:MRP フレームを送信するための VLAN。
■default:グローバル MRP 設定では、モードをクライアントに設定します。
スイッチを MRP CLI モードの MRP マネージャとして設定するには、次の手順に従います。
PROFINET MRP はスイッチのデフォルト モードであるため、次の手順 1 において MRP CLI モードで動作させるには、そのモードを無効にする必要があります。
注:デバイスが PLC モジュールに接続されている場合、MRP に対して「no device in the ring」が選択されていることを確認します。
■MRP ライセンスをまだアクティブ化していない場合、MRP ライセンスのアクティブ化を参照してください。スイッチの機能を設定するには、アクティブな MRP ライセンスが必要です。
4. (単一の MRP リングの場合はオプション)ドメイン ID を設定します。
value:ハイフンによって 5 つのグループに分けられた 32 桁の 16 進数の UUID 文字列
例:550e8400-e29b-41d4-a716-446655440000
リング 1 のデフォルト ドメイン ID は FFFFFFFF-FFFF-FFFF-FFFF-FFFFFFFFFFFF です。
5. (単一の MRP リングの場合はオプション)ドメイン名を設定します。
10. 最初のリング ポートとして動作するポートの ID を指定します。
switchport mode { access | trunk }
注:MRP をアクセス モードで設定するには switchport mode access を指定する必要があります。
13. グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。
14. 2 番目のリング ポートとして動作するポートの ID を指定します。
switchport mode { access | trunk }
注:MRP をアクセス モードで設定するには、この手順で switchport mode access を指定する必要があります。
18. (複数のリングの場合)リングを追加するごとに、ステップ 2 ~ 15 を繰り返します。
–リング 2 に一意のドメイン ID を割り当てます。リング 2 のデフォルト ドメイン ID は FFFFFFFF-FFFF-FFFF-FFFF-FFFFFFFFFFFE です。
–リング 3 に一意のドメイン ID を割り当てます。リング 3 のデフォルト ドメイン ID は FFFFFFFF-FFFF-FFFF-FFFF-FFFFFFFFFFFD です。
注:各リングには固有のドメイン ID が必要です。2 つのリングで同じドメイン ID を共有することはありません。
スイッチを MRP クライアントとして設定するには、次の手順に従います。
3. MRP クライアント モードを設定します(このモードを指定しない場合 、 クライアント モードがデフォルトです)。
4. (オプション)MRM でこのリング用に設定した(MRP マネージャの設定の手順 4)ドメインと同じドメイン ID を設定します。
value:ハイフンによって 5 つのグループに分けられた 32 桁の 16 進数の UUID 文字列
例:550e8400-e29b-41d4-a716-446655440000
リング 1 のデフォルト ドメイン ID は FFFFFFFF-FFFF-FFFF-FFFF-FFFFFFFFFFFF です。
7. 最初のリング ポートとして動作するポートの ID を指定します。
switchport mode { access | trunk }
注:MRP をアクセス モードで設定するには switchport mode access を指定する必要があります。
10. グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。
11. 2 番目のリング ポートとして動作するポートの ID を指定します。
switchport mode { access | trunk }
注: PROFINET MRP はデフォルトで有効になっています。現在スイッチが MRP CLI モードで動作していて、動作モードを PROFINET MRP に戻したい場合のみ、次の手順に従ってください。
前提条件の情報を確認してください。
注:PROFINET MRP に設定するインターフェイスで、switchport mode trunk on を設定しないでください。PROFINET MRP インターフェイスには、デフォルトの vlan mode/no configuration または switchport access vlan 1 CLI を設定できます。
3. TIA ポータルを使用して、PROFINET MRP クライアントまたは PROFINET MRP マネージャを設定します。
次に、マネージャとして設定された MRP スイッチの例を示します。
Cisco Industrial Ethernet 2000 シリーズ スイッチのマニュアルについては、 http://www.cisco.com/go/ie2000 を参照してください。
Cisco Industrial Ethernet 4000 シリーズ スイッチのマニュアルについては、 http://www.cisco.com/go/ie4000 を参照してください。
Cisco Industrial Ethernet 5000 シリーズ スイッチのマニュアルについては、 http://www.cisco.com/go/ie5000 を参照してください。
マニュアルの入手、Cisco Bug Search Tool(BST)の使用、サービス要求の送信、追加情報の収集の詳細については、『 What’s New in Cisco Product Documentation 』を参照してください。
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