DHCPv6 サーバは、応答を中継されたメッセージの送信元アドレスに送信します。通常、DHCPv6 リレーは、メッセージ送信に使用されたサーバ方向インターフェイスのアドレスを送信元として使用します。ただし、一部のネットワークでは、より安定したアドレス(ループバック
インターフェイスなど)を設定し、そのインターフェイスを中継されたメッセージの送信元アドレスとしてリレーで使用することが望ましい場合があります。DHCPv6 リレー送信元設定機能には、この機能が用意されています。
次の図に、単一のクライアント、リレー、およびサーバで構成される簡単なネットワークを示します。リレーとサーバは 2001:DB8:1::/64 を介して通信し、リレーには 2001:DB8:2::/64 に対するクライアント方向インターフェイスがあります。リレーには、アドレス
2001:DB8:3:1/64 が設定されたループバック インターフェイスもあります。
図 1. DHCPv6 リレー送信元設定 - 簡単なネットワーク
リレーはクライアントから要求を受信すると、クライアント方向インターフェイス(イーサネット 1/0)のアドレスを relay-forward メッセージの link-address フィールドに含めます。このアドレスは、サーバによってアドレス プールの選択に使用されます。その後、リレーは
relay-forward メッセージをサーバに送信します。デフォルトでは、サーバ方向(イーサネット 0/0)インターフェイスのアドレスが IPv6 送信元として使用され、サーバはそのアドレスに応答を送信します。
リレーの送信元インターフェイスが明示的に設定されている場合、リレーはそのインターフェイスのプライマリ IPv6 アドレスを、転送するメッセージの IPv6 送信元として使用します。たとえば、ループバック 0 を送信元として設定すると、リレーは、サーバに中継されるメッセージの
IPv6 送信元アドレスとして 2001:DB8:3:1/64 を使用します。