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このモジュールの構成は次のとおりです。
Cisco eXpandable Power System(XPS)2200 は、独立型電源システムで、Catalyst スイッチに接続できます。XPS 2200 は、接続されている装置で電源装置の故障が発生した場合、その装置にバックアップ電力を供給できます。また、Catalyst 電源スタックでは、電源スタック バジェットに追加の電力を供給できます。XPS 2200 の電源ポートと内部電源装置は、冗長電源(RPS)モードまたはスタック電源(SP)モードで動作できます。
スタック電源モードは、電源スタックに属するスタック対応スイッチでのみ使用されます。XPS が含まれていない場合、電源スタックはリンク トポロジで動作し、最大 4 台のスイッチで構成できます。2 つのスタックをマージする場合は、スイッチの合計数が 4 台を超えないようにしてください。XPS を電源スタックに追加すると、スタック内で最大 9 台のスイッチと XPS を接続し、スタック電源のリング トポロジ動作と同じような電力バジェットを電源スタックのメンバに提供できます。
SP ポートを経由して XPS に接続されたすべての Catalyst スイッチは同じ電源スタックに属し、XPS とスイッチから供給されるすべての電力はスタック内のすべてのスイッチで共有されます。電源共有がデフォルトのモードですが、XPS は、リング トポロジでサポートされているのと同じスタック電源モード(厳密または厳密でない電源共有モードと冗長モード)をサポートします。
電源装置が 2 台ある場合、1 台を RPS モードにし、もう 1 台を SP モードにするという混在モードで動作させることができます。ポートと電源装置は、XPS 2200 の使用目的に合わせて設定できます。
XPS 2200 には、RPS ロールまたは自動スタック電源(Auto-SP)ロール(デフォルト)で動作できる 9 個の電源ポートがあります。動作モードは、ポートに接続するスイッチの種類によって決まります。CLI を使用して、スタック可能なスイッチに適用するモードを強制的に RPS にすることもできます。
Network Essentials または Network Advantage ライセンスを実行している Catalyst(スタック可能)スイッチをポートに接続すると、ポートのモードは SP になり、このスイッチはスタック電源システムの一部になることができます。
XPS は電源ポートに接続されている任意のスイッチで設定します。任意の XPS ポートを使用して設定でき、XPS に接続されている任意のスイッチから任意のポートを設定できます。複数のスイッチで XPS コンフィギュレーション コマンドを入力した場合、適用された最後の設定が有効になります。
すべての XPS 設定はスイッチで実行できますが、XPS 2200 では専用のソフトウェアが実行されています。このソフトウェアは、XPS サービス ポートを使用してアップグレードできます。
XPS には 2 台の電源装置があり、それぞれ RPS モードまたは SP モードで動作できます。
SP モードでは、XPS のすべての SP ポートは同じ電源スタックに属します。電源スタックに XPS を入れると、スタックのトポロジはスター トポロジになり、最大 9 台のメンバ スイッチと XPS 2200 で構成されます。SP モードの 1 台または 2 台の XPS 電源装置は、電力バジェットの計算で考慮されます。両方の XPS 電源装置が RPS モードの場合、電源スタックは、SP モードの XPS ポートに接続されているスイッチだけで構成され、電力バジェットはそれらのスイッチの電源装置によって決まります。
電源装置のロールに不整合がある場合、たとえば、1 つの XSP ポートが RPS に設定されていて、電源装置が両方とも SP モードの場合、XPS はこの不整合を検出してエラー メッセージを送信します。
両方の XPS 電源装置を RPS モードにすると、XPS は、ワット数が等しいまたは小さいスイッチの電源装置について、2 台の電源装置の故障をバックアップできます。XPS で最小ワット数の電源装置は、RPS モードの XPS ポートに接続されているスイッチで最大ワット数の電源装置よりも、ワット数が大きい必要があります。
1 台の電源装置だけが RPS モードの場合、故障した電源装置のワット数がかなり小さい場合でも XPS がバックアップできるのは 1 台の電源装置だけです。たとえば、XPS 1100 W の電源装置が RPS モードで、2 台の 350 W のスイッチ電源装置が故障した場合、XPS がバックアップできるのは、いずれか一方のスイッチ電源装置だけです。
RPS モードの 1 台の XPS 電源装置がスイッチ電源装置をバックアップしていて、別のスイッチ電源装置が故障した場合、XPS によるバックアップは受けられないというメッセージが表示されます。故障した電源装置が復旧すると、XPS は他の電源装置をバックアップできるようになります。
1 台のスイッチに取り付けられている 2 台の故障した電源装置を XPS がバックアップしている場合(XPS 電源装置は両方とも RPS モード)、故障した電源装置が両方とも修理されるか交換されるまで、XPS は他のスイッチの電源装置をバックアップできません。
1 台の電源装置が RPS モード、もう 1 台が SP モードの混在モードで、1 台のスイッチに取り付けられている 2 台の電源装置が故障した場合、XPS はいずれか一方の電源装置しかバックアップできないので、XPS は両方の電源装置への電力供給を拒否します。このため、スイッチはシャットダウンします。これは混在電源モードでのみ発生します。
スイッチは RPS に設定されているポートに接続されているが、電源装置が両方とも RPS でない場合、RPS ポート設定は拒否され、XPS はスイッチを電源スタックに追加しようとします。スイッチが SP モードで動作できない(スタック可能なスイッチでない)場合、ポートはディセーブルになります。
RPS モードのポートには、プライオリティを設定できます。デフォルトのプライオリティは、XPS ポート番号に基づき、ポート 1 が最もプライオリティが高いポートです。プライオリティの高いポートには、プライオリティの低いポートよりも優先的にバックアップ電力が供給されます。プライオリティの低いポートに接続されているスイッチをバックアップしているときにプライオリティの高いポートに接続されているスイッチで電源装置の故障が発生した場合、XPS は、プライオリティの高いポートに電力を供給するためにプライオリティの低いポートへの電力を削減します。
スタック電源モードは、電源スタックに属する Catalyst スイッチでのみ使用します。XPS が含まれていない場合、電源スタックはリンク トポロジで動作し、最大 4 台のスイッチで構成できます。XPS を電源スタックに追加すると、スタック内で最大 9 台のスイッチと XPS を接続し、スタック電源のリング トポロジ動作と同じような電力バジェットを電源スタックのメンバに提供できます。
SP ポートを経由して XPS に接続されたすべての Catalyst スイッチは同じ電源スタックに属し、XPS とスイッチから供給されるすべての電力はスタック内のすべてのスイッチで共有されます。電源共有がデフォルトのモードですが、XPS は、リング トポロジでサポートされているのと同じスタック電源モード(厳密または厳密でない電源共有モードと冗長モード)をサポートします。
XPS はネイバー探索を使用して電源スタックを作成します。XPS は未設定ポートで Catalyst スイッチを検出すると、そのポートを SP ポートとしてマークするので、そのスイッチは電源スタックに追加されます。XPS はスイッチに通知し、電力バジェット配分プロセスを開始し、電源スタックに属するスイッチの要件、プライオリティ、現在の電力割り当て、およびスタック集約電源能力に基づいて各スイッチにバジェットを割り当てます。
XPS は電力バジェットを各スイッチに送信します。各スイッチに必要な最大電力を供給するために使用できる入力電力が足りない場合、電力はプライオリティに基づいて分配されます。最初にプライオリティの最も高いスイッチに必要な電力が分配され、その後にすでに電力が割り当てられているすべての受電デバイスにプライオリティ順に電力が分配されます。残りの電力はスタック全体で均等に分配されます。
RPS ポートのプライオリティ(1 ~ 9)は、スタック電源のプライオリティに影響しません。スタック電源に参加している各スイッチには、独自のシステム プライオリティ、およびそのポートに接続される装置用の高および低プライオリティがあります。これらのプライオリティは、リング トポロジと同様にスタック電源で使用されます。システム、高プライオリティのポート、および低プライオリティのポートにスタック電源のプライオリティを設定するには、スイッチ スタック電源コンフィギュレーション モードで power-priority switch、power-priority high、および power-priority low コマンドを使用します。システムまたは一連の受電デバイスがデフォルトのプライオリティを使用している場合、XPS は、自動的にプライオリティ(1 ~ 27)を割り当てます。この際、MAC アドレスの小さいほうに高いプライオリティを割り当てます。
電源スタック モードは、電源共有、厳密な電源共有、冗長、厳密な冗長の 4 つです。電源スタック モードを設定するには、電源スタック コンフィギュレーション モードで mode {power-sharing | redundant} [strict] コマンドを使用します。power-sharing または redundant の設定は、スタックの電力バジェットに影響し、strict を指定するかどうかは、バジェットの減少によって負荷制限が発生しないときの PoE アプリケーションの動作に影響します。
(厳密または厳密でない)電源共有モードの場合、スタックの電力バジェットは、スタック内のすべての電源装置の出力容量を累積した値から 30 W の予約電力を引いた値です。これがデフォルトです。
(厳密または厳密でない)冗長モードの場合、スタックの電力バジェットは、電源スタックで最大の電源装置の出力容量を引いた後で使用できる合計電力から 30 W を引いた値です。冗長モードでは、1 台の電源装置が故障した場合にスイッチまたは受電デバイスで停電または負荷制限が発生しないことが保証されます。ただし、複数の電源装置が故障した場合、負荷制限が発生する可能性があります。
厳密なモードで、入力電力の損失が原因で電力バジェットの減少が発生し、ハードウェアの負荷制限は発生しなかった場合、電力の割り当て量が使用可能な PoE 電力量を下回るか等しくなるまで、XPS は、プライオリティの低いほうから順に受電デバイスへの電力供給を自動的に拒否し始めます。
厳密でないモードでは、電力の減少が発生した場合、電力の割り当て量をバジェット内に収めることが許可されます。
たとえば、PoE バジェットの合計(使用可能な電力)が 400 W のシステムは、バジェットから 390 W(割り当て電力)を受電デバイスに割り当てることができます。装置に割り当てる電力は、その装置に必要な最大電力量です。一連の受電デバイスが実際に消費する電力(消費電力)は通常、割り当て電力と等しくなりません。この例では、実際の電力は約 200 W である可能性があります。スタック内での電力損失によって使用可能な電力が 210 W に減った場合、この電力量は受電デバイスが消費する電力を維持するのに十分ですが、最悪の場合の割り当て電力を下回っています。システムはバジェット内に収まります。厳密なモードでは、スタックは、割り当て電力が 210 W 以下になるまで、すぐに受電デバイスへの電力供給を拒否します。厳密でないモードでは、何も動作は行われず、状態を維持できます。厳密でないモードで実際の消費電力が 210 W を上回った場合、これによって負荷制限が発生し、プライオリティ レベルの最も低いすべての受電デバイスまたはスイッチへの電力が失われる可能性があります。
XPS 2200 は混在モードでも動作できます。このモードでは、スイッチと接続するポートは RPS と SP の場合があります。この設定では、少なくとも 1 台の電源装置を RPS 電源装置にする必要があります。XPS の電源装置がバックアップできるスイッチ電源装置は、1 台だけです。また、その XPS 電源装置は、RPS モードの XPS ポートに接続されているスイッチで最大ワット数の電源装置よりも、ワット数が大きい必要があります。
SP ポートに接続されたスイッチは、1 つの電源スタックに属します。SP スイッチに十分な大きさの電力バジェットがある場合、XPS に SP 電源装置は必要ありません。XPS 電源装置を設定すると、その電力は電源スタックで共有する電源プールに追加されます。
ポートのデフォルト ロールは Auto-SP です。このロールでは、ポートに接続されているスイッチによって電源モードが決まります(Network Essentials または Network Advantage ライセンスを持つ Catalyst スイッチの場合は SP)。
XPS 電源装置 A(PS1)のデフォルトは RPS モードです。電源装置 B(PS2)のデフォルトは SP モードです。
すべてのポートと電源装置のデフォルト モードはイネーブルです。
RPS に設定されているポートでは、デフォルトのプライオリティはポート番号と同じです。
XPS は、XPS ポートに接続されている任意のスイッチで設定できます。複数のスイッチで XPS コンフィギュレーション コマンドを入力した場合、適用された最後の設定が有効になります。スイッチ コンフィギュレーション ファイルに保存されるのは、スイッチとポートの名前だけです。
コマンドまたはアクション | 目的 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
ステップ 1 | enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 | ||||
ステップ 2 | power xps switch-numberport {number | connected} mode {disable | enable} |
| ||||
ステップ 3 | power xps switch-numberport {number | connected} role {auto | rps} |
| ||||
ステップ 4 | power xps switch-numberport {number | connected} priority port-priority |
ポートの RPS プライオリティを設定します。複数の電源装置が故障した場合、プライオリティの高いポートはプライオリティの低いポートよりも優先されます。このコマンドは、ポートのモードが RPS の場合にだけ有効です。ポートのモードがスタック電源の場合、スタック電源コマンドを使用してプライオリティを設定します。 | ||||
ステップ 5 | show env xps port |
ポートの XPS 設定を確認します。 | ||||
ステップ 6 | copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
コマンドまたはアクション | 目的 | |||
---|---|---|---|---|
ステップ 1 | enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 | ||
ステップ 2 | power xps switch-numbersupply {A | B} mode {rps | sp} |
XPS 電源装置のモードを設定します。 | ||
ステップ 3 | power xps switch-numbersupply {A | B} {on | off} |
XPS 電源装置をオンまたはオフに設定します。デフォルトは、2 台ともオンです。 | ||
ステップ 4 | end | |||
ステップ 5 | show env xps power |
XPS 電源装置のステータスを表示します。 |
コマンド(Command) |
目的 |
---|---|
show env xps system |
設定したシステムとポートの名前を確認します。 |
show env xps port |
ポートの XPS 設定を確認します。 |
show env xps power |
XPS 電源装置のステータスを表示します。 |
関連項目 | 参照先 |
---|---|
この章で使用するコマンドの完全な構文および使用方法の詳細。 |
Command Reference (Catalyst 9300 Series Switches) の「Interface and Hardware Commands」の項を参照してください。 |
標準/RFC | 役職(Title) |
---|---|
なし | -- |
MIB | MIB リンク |
---|---|
本リリースでサポートするすべての MIB |
選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリース、およびフィーチャ セットに関する MIB を探してダウンロードするには、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。 |
説明 | リンク |
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次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。この表は、ソフトウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースのみを示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェア リリースでもサポートされます。
リリース |
変更箇所 |
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Cisco IOS XE Everest 16.5.1a |
この機能が導入されました。 |