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以前はアウトバウンド オプションおよびブレンディッド エージェントと呼ばれていた Cisco Unified Outbound Dialer 製品(Unified OUTD)が、Unified CC バージョン 5.0 の Unified CC プラットフォームで提供されるようになりました。 この製品を使用すれば、Unified CC エージェントが、インバウンド コールの処理に加えて、アウトバウンド キャンペーンにも参加できるようになります。 Unified OUTD バージョン 6.0 には、ソフトウェア ベースの Call Progress Analysis(留守番電話の検出など)、IVR への転送モード、ダイレクト プレビュー モードなど、いくつかの重要な機能が追加されています。 バージョン 7.0 では、シーケンシャル ダイヤリング、Do-Not-Call(コール不可)リストのメモリ内サポートなどの拡張機能が提供されています。
この章では、Cisco Unified CallManager と PG の環境に Unified OUTD を展開する場合のガイドラインについて説明します。
Unified OUTD では、仮想 Unified IP Phone を使用して、Cisco Unified CallManager に設定された音声ゲートウェイ経由でアウトバウンド コールを発信します。 このダイヤラはソフトウェアで構成されているソリューションであり、トーンの生成またはトーンや音声の検出にテレフォニー カードを必要としません。
このアウトバウンド ソリューションには、次のプロセスが関係しています。
• Campaign Manager プロセスは、企業内のすべてのダイヤラに設定と顧客レコードを送信します。
• Import プロセスは、顧客レコードをインポートします。
• Dialer プロセス。 Dialer プロセスを複数使用することで、複数のサイトにある Campaign Manager サーバに接続できます。 この機能は、1 つの顧客インスタンスに限定されています。
アウトバウンドの用途でエージェントを確保するには、ダイヤラごとにメディア ルーティング ペリフェラル ゲートウェイと PIM が必要です。 メディア ルーティング PG は、Web Collaboration や E メール オプションなどの他のメディア ルーティング アプリケーションと共有できます。 また、展開されている Unified CC の他のサーバに同時にロードすることもできます。 「Unified CC のコンポーネントとサーバのサイジング」を参照してください。
Unified OUTD ソリューションを使用すれば、エージェントが、ソフトウェアの IP ベースのダイヤラを使用して、アウトバウンド キャンペーンおよびインバウンド コールに参加できます。
• 複数のコール センター サイトに IP ダイヤラを配置して、企業全体のダイヤリング機能を実現できます。Campaign Manager サーバは、中央サイトに置かれます。
• Unified ICM アドミン ワークステーションから集中管理と集中設定が行われます。
• インバウンド コールとアウトバウンド コールを、コールごとにブレンドできます。
• Unified ICM スクリプト エディタを使用してアウトバウンド モードを制御し、アウトバウンド処理で使用するスキルを持つエージェントの比率を制御することで、アウトバウンド モードを柔軟に制御できます。
Unified OUTD の実装では、次のガイドラインとベスト プラクティスに従ってください。
• メディア ルーティング PG を使用してください。また、ダイヤラごとにメディア ルーティング PIM を使用してください。 メディア ルーティング PG には、複数の PIM を設定して複数のダイヤラをサポートできます。
• 耐障害性を実現するには、1 つのペリフェラルに複数のダイヤラを展開してください。 「耐障害性」を参照してください。
• ダイヤラは、そのダイヤラの登録先である Cisco Unified CallManager クラスタに近い場所に展開してください。
• 転送時間を 1 秒以下にする必要がある場合は、G.729 コーデックを使用しないでください。顧客からのコールに対して、IP ダイヤラがサポートしているコーデックは G.711 音声コーデックだけです。 G.729 コーデックが使用されている地域に Unified OUTD を配置することはできますが、コーデックの切り替えにより、顧客とエージェントの間の転送時間が長くなります。
• Unified OUTD エージェント用に IP Communicator ソフトフォンを使用すると、顧客コールをエージェントに転送するときに、さらに遅延が発生する場合があるので注意してください。
• Cisco Unified CallManager PG あたり 3 つ以上のダイヤラを使用しないでください。
• 各ダイヤラはそれ自身のデバイス プール内に設定して、そのダイヤラのすべてのポートを 1 つの CallManager ノードに登録してください。 このようにすれば、1 つの CallManager ノード内で 2 つのダイヤラがタッグ チームのように動作するのを防止できます。
• 特定のペリフェラルに複数の Unified OUTD がある場合は、各 Unified OUTD 用に同じ数のポートを設定してください。
• Unified OUTD をインストールする際には、Cisco Unified CallManager サーバのサイジングが適切であることを確認してください。 Unified OUTD で実行される膨大な件数のコール転送のために、Cisco Unified CallManager サーバに対するパフォーマンス負荷が増大します。
• Cisco Unified CallManager サーバが過負荷にならないように、ダイヤラのコール スロットリングを有効にしてください。 「ダイヤラのスロットリングと CallManager に関する注意点」を参照してください。
アウトバウンド コールには、CallManager のルーティングとダイヤル プランが使用されます。 そのため、トール バイパスおよびより安価な市内通話料金を利用できるように展開されたゲートウェイを使用してコールを発信できます。 Unified OUTD でテスト済みのゲートウェイは次のとおりです。
Unified OUTD は、ソフトウェアだけで構成されたプロセスで、通常 Cisco Unified CallManager PG 上に共存しています。 Dialer プロセスは、Cisco Unified CallManager、Outbound Campaign Manager、CTI Server および MR PIM と通信セッションを行います。 Dialer プロセスが Outbound Campaign Manager と通信する場合には、アウトバウンド顧客コンタクト レコードを取得して、アウトバウンド コールの処理結果(人による応答、留守番電話、RNA、ビジーなど)をレポートします。 Dialer プロセスが Cisco Unified CallManager と通信する場合には、アウトバウンド顧客コールおよびエージェント予約コールをダイヤラ ポートから発信するので、Cisco Unified CallManager クラスタにも影響がおよびます。 Dialer プロセスが CTI Server と通信する場合には、スキル グループの活動を監視し、エージェントの電話機に対するサード パーティ コール制御を実行します。 Dialer プロセスが MR PIM と通信する場合には、ルート要求を送信して、受信可能なエージェントを選択します。
Unified OUTD は、自分のペリフェラル上のすべてのエージェントの代わりに、顧客にダイヤルできます。 ダイヤラはルーティング スクリプトを使用して設定されています。ダイヤラは、フル ブレンディッド モード(エージェントがインバウンドとアウトバウンドのコールを交互に処理できるモード)、スケジュール モード(8:00am から 12:00pm はインバウンド モードで、12:01pm から 5:00pm はアウトバウンド モードというような設定)、または完全なアウトバウンド モードで動作するようにルーティング スクリプトで設定できます。 ブレンディッド モードが有効な場合は、ダイヤラはエージェントに対するインバウンド コールと競合します。 管理スクリプトの Outbound Percent 変数に設定されているよりも多くのエージェントを、ダイヤラが予約することはありません。 すべてのエージェントがビジーの場合でも、ダイヤラによる追加のエージェントの予約は行われません。
耐障害性を実現するためには、同じ PG で複数のダイヤラを使用します。 「耐障害性」を参照してください。
Unified OUTD では、キャンペーンごとに Call Progress Analysis を設定できます。 この機能が有効になっているときには、ダイヤラがメディア ストリームを分析して、コールの種類の判別(音声、留守番電話、モデム、ファックスの検出など)を行います。
キャンペーンは、エージェントベースのキャンペーンまたは IVR ベースのキャンペーンとして実行されます。 通常は、エージェントベースのキャンペーンに IVR を設定して、すべてのエージェントがビジーのときに、オーバーフローしたコールを処理できるようにします。 エージェントベースのキャンペーンに IVR を含めると、FTC や FCC のテレマーケティング規制に準拠できます。 IVR が設定されていない場合には、オーバーフロー エージェントを設定しないと、過剰にダイヤルされたコールがキャンセルされます。 オーバーフロー エージェントは、アウトバウンド コールを受信可能ですか、エージェントごとにダイヤルする回線数を計算するときの計算対象にはなりません。 IVR ベースのキャンペーンに転送する場合は、アウトバウンド コールが応答されると、すべてのコールが IVR アプリケーションに転送されます。
エージェントベースのキャンペーンの場合、完了したダイヤラ コールは、Unified IP Phone とデスクトップを使用して、実際のエージェントにルーティングされます。 プリディクティブ モードまたはプログレッシブ モードのダイヤリングのコール フローは次のとおりです(図5-1)。
1. Dialer プロセスは、CTI サーバからのペリフェラル スキルグループに関する統計情報を継続的に監視して、受信可能なエージェントを探します。 同時に、Campaign Manager は、顧客レコードのデータベースを監視して、アクティブなレコードをダイヤラに転送します。 ダイヤラは、アウトバウンド キャンペーンに使用できる受信可能なエージェントを見つけると、MR PIM にルーティング要求を送信します。
2. MR PIM は、そのルーティング要求をルータに転送します。
3. Unified ICM ルータは、ルーティング スクリプトを実行し、受信可能なエージェントを選択してそのエージェントを予約してから、予約したエージェントを示すルーティング ラベル(内線番号)を返します。
4. MR PG は、受信可能なエージェントのラベルをダイヤラに返します。
5. 次に、ダイヤラは、そのエージェントの内線番号に予約コールを発信します。 ダイヤラは、そのエージェントに対する予約コールを CTI サーバ経由で自動応答し、その予約コールを自動的に保留状態にします。
6. ダイヤラは、CallManager と音声ゲートウェイを使用して、顧客コールを開始します。
7. Call Progress Analysis が設定されているときには、Dialer プロセスが RTP ストリームを分析して、人が応答した(または留守番電話が応答した)ことを検出します。 人が応答したことがわかれば、ダイヤラは、ダイヤラ自身が保持しているリスト内の次の予約済みエージェントの内線に、(画面ポップアップに表示するためのコール コンテキストとともに)コールの転送をすぐに開始します。 同様に、留守番電話検出が有効になっている場合には、エージェントまたは IVR にコールが転送されるかコールがドロップされる場合があります。 転送されたコールは、エージェントの Unified IP Phone の 2 番目のライン アピアランスに着信します(そのため、CallManager の Unified CC の内線のコール ウェイティングと 2 番目のライン アピアランスを Unified OUTD 用に有効にしておく必要があります)。
8. ダイヤラは、CTI サーバ経由でエージェントに転送されたコールに自動応答して、顧客とエージェントの間の音声パスがすばやく確立されるようにします。 この処理により、顧客をコールするために使用されたダイヤラ ポートは開放されます。 次に、ダイヤラは、このエージェントに対する予約コールを切断します。 また、ダイヤラは Campaign Manager を更新して、このコールで人による応答が検出されたことを示します。 エージェントがアウトバウンド コールを処理し終わると、同じメッセージ フローを使用して、そのエージェントを別のアウトバウンド コールに予約できます。
前述のメッセージ フローには、プリディクティブ モードまたはプログレッシブ モードのダイヤリングのフローが説明されています。 これら 2 つのダイヤリング モードの違いは、ダイヤラがアウトダイヤル レートを決定する方法(ダイナミックまたは固定)だけです。 プレビュー ダイヤリングの場合、エージェントには顧客レコードの画面ポップアップが表示されます。 エージェントがこのコールを発信する場合は、エージェント デスクトップ上でエージェントが[承認 (accept)]をクリックする必要があります。 この操作により CTI イベントが生成されて、ダイヤラがこの顧客へのコールを開始します。
場合によっては、ダイヤラが発信したコールに、留守番電話やビジー シグナルの応答があったり、呼び出しても応答がない場合もあります。 そのような場合、ダイヤラは Campaign Manager に更新メッセージを送信してキャンペーンから次のレコードを取得し、その顧客の電話番号にコールを発信します。
IVR ベースのキャンペーンの場合、次のプロセスに従って、人が応答したコールが IVR システムに転送されます(図5-2)。
3. ダイヤラは、事前に設定されたルートポイントへのインライン転送を要求します。
4. CallManager PG が、そのルータに対するトランスレーション ルートを要求します。
6. 応答が変換されて CallManager に送信されます。
7. CallManager がコールを IVR に転送します。
Unified OUTD は、スキルグループに応じて、次の数種類のモードのいずれかを使用してコールを開始します。
• プレディクティブ モード:エージェントごとにダイヤルする回線数が動的に計算されます。
• プログレッシブ モード:管理者がエージェントごとに固定的に設定した回線数が使用されます。
• プレビュー モード:顧客のコールをエージェントが(デスクトップで有効になっているボタンを使用して)手動で承認、拒否、またはスキップします。 エージェントあたり 1 回線がダイヤルされます。
• ダイレクト プレビュー モード:エージェントがデスクトップでコールのリング音を聞けるようにします。エージェントがコールを直接発信する場合に似ています。 エージェントあたり 1 回線がダイヤルされます。
• パーソナル コールバック モード:後で行われるコールバックが自分に転送されるようにエージェントが指定できます。 エージェントと顧客の間で事前に決められた時刻に、エージェントが顧客をコールバックします。
サイド A の Logger に常駐する Campaign Manager は次のタスクを処理します。
• 設定で変更可能なクエリー ルールに基づいて、キャンペーンからどのコンタクト レコードを取得するかを決定し、コンタクト レコードをダイヤラに配信する
• Import プロセスおよびシステム内のすべての使用可能なダイヤラに設定データを配信する
• リアルタイム データと履歴データを収集して、Unified ICM CallRouter に送信する
• メモリ内の Do-Not-Call(コール不可)リストを保守し、変更されたときには更新する
• データベース内の Do-Not-Call(コール不可)リストにある顧客レコードをマーキングして、これらのレコードに対しては、それ以上処理が行われないようにする
Campaign Manager は、サイド A の Logger と同じシステムで動作するので、コンタクト リストの大規模なインポートは業務時間外にスケジュールすることが重要です。
このセクションでは、Unified OUTD の展開オプションについて説明します。
Unified ICM 7.0 Bill of Materials(BOM; 製品構成表)( 表5-1 )に指定されている最小要件を満たす Windows サーバで Unified OUTD を実行します。
図5-3 に、複数のダイヤラを使用した推奨展開モデルを示します。 各ダイヤラは、それぞれのサイドの CallManager サブスクライバに関連付けられており、ダイヤラのすべてのポートがそのサブスクライバの 1 つのデバイス プールに設定されています。 図に示されている設定では、192 個のダイヤラ ポートがあります。 規模を拡張するには、ダイヤラ/PG/サブスクライバのペア(サイド A とサイド B)を最大 4 ペア(つまり、CallManager クラスタあたり 8 個のダイヤラ/PG/サブスクライバ)まで追加できます。 この配置モデルで複数のダイヤラを使用すると、耐障害性を実現できます。 「耐障害性」を参照してください。
ダイヤラと CallManager クラスタの間の接続は、複数の SCCP(Skinny Client Control Protocol)セッションで構成されており、各ダイヤラ ポートに 1 つのセッションが割り当てられています。 図に示されている二重 PG(サイド A とサイド B)は、Generic PG(Unified CC PIM および Unified IP IVR PIM 搭載)、MR PG、CTI サーバ、および CTIOS サーバ プロセスで構成されています。 二重 PG と CallManager クラスタの間の接続は JTAPI リンクです。
(注) ダイヤラと IP エンドポイント(音声 GW または Unified IP Phone など)の間には、G.711 プロトコルが必要です。
図5-4 は、単一ダイヤラのインストールを示しています。 ダイヤラは二重 PG のサイド A にインストールされるように図示されていますが、これは要件ではありません。 単一ダイヤラの設定では、96 個のポートを設定できます。 この配置モデルは、拡張性および耐障害性が求められていない場合に使用します。
WAN を経由して Unified CC をクラスタ構成にする展開モデルでは、WAN のもう一方の側に冗長化のためのコンポーネントを展開すれば、耐障害性を向上できます(「展開モデル」)。 Unified OUTD の耐障害性モデルは、CoW で使用されるモデルとは異なります。そのため、CoW を展開するときには、CoW の利点はインバウンド トラフィックだけに適用されることに注意してください。
図5-5 は、分散型の展開モデルを示しています。1 つのサイトには、Logger にインストールされた Campaign Manager があり、中央の Unified ICM システムと CallManager も同じサイトに配置されています。 WAN 経由で到達可能な 2 番目のサイトには、ダイヤラ、PG、および Unified OUTD が配備された 2 つ目の CallManager システムが配置されています。 Campaign Manager は、ダイヤラ レコードを WAN 経由で送信し、ダイヤラはローカルの顧客にコールを発信します。 2 番目のサイトは、インバウンド エージェントもサポートします。 「IPT: 複数のサイトに対する分散型コール処理」を参照してください。
Unified OUTD は、Unified CC PG および CallManager クラスタ(音声ゲートウェイを含む)と同じ場所に配置する必要があります。 ダイヤラは G.711 ulaw だけをサポートしているので、WAN の帯域幅から大きなブロックを割り当てる必要がある場合があります。 ダイヤラが G.729 サポートしていない場合でも、Unified OUTD は G.729 をサポートできます。 このタイプの構成は、トランスコーダを使用しなくてもサポートできます。
この展開形態では、ダイヤラは(実際は G.729 をサポートしていませんが)G.729 機能をアドバタイズします この処理によって、ダイヤラからエージェントへの予約コールを完了させることができるようになります。 ダイヤラから顧客へのコールには G.711 を使用する必要があります。ただし、顧客のコールは、次にエージェントに転送され、再ネゴシエートされて G.729 で処理されます。
(注) 音声ゲートウェイが WAN 経由でリモート設置されている場合は、コール転送でさらに遅延が発生するため、再ネゴシエーションを使用しないことをお勧めします。 そのような構成では、G.711 コーデックを使用することをお勧めします。
Unified OUTD オプションでは、完全ブレンデッドの状態でキャンペーンを実行できます。 エージェントは、インバウンド コールとアウトバウンド コールを交互に処理できます。 MCS のインバウンド キャパシティについての詳細は、「Unified CC のコンポーネントとサーバのサイジング」を参照してください。 「Unified OUTD カルキュレータ」も参照してください。
System Unified CC は、Enterprise Unified CC のインストールと設定を簡素化した展開モデルです。 アウトバウンド コントローラは、ダイヤラとメディア ルーティング PG のコンポーネントがある別のコンピュータにインストールされています。 System Unified CC でサポートされるのは、1 つの Dialer プロセスだけなので、耐障害性はサポートされません。
Unified OUTD では、サイジング カルキュレータを使用できます。このカルキュレータは、BHCA、応答されなかったコールの割合、留守番電話が応答したコールの割合、人が応答したコールの割合、平均処理時間などの入力値に基づいて、ダイヤラ ポート、ゲートウェイ ポート、IVR ポート、および Unified OUTD のそれぞれの数を出力値として計算します。
アウトバウンド カルキュレータの出力は、CallManager のキャパシティ要件を算出するための入力としても使用します。 以前のバージョンのアウトバウンド カルキュレータでは、CallManager のダイヤラ ポートへの影響を計算するために、デバイスの重み付けを使用していました。
(注) CallManager Capacity Tool では、デバイスの重み付けは使用されなくなりました。 IVR への転送をベースにしたキャンペーン用にアウトバウンド カルキュレータを使用する場合は、エージェント フィールドをゼロ パーセントに設定してください。
各ダイヤラ ポートは、CallManager に設定された SCCP Phone デバイスを表しています。 ダイヤラは TFTP サーバに接続すると、設定を取得して、自分のポートを適切な CallManager に登録します。 この処理を行うために、Unified ICM の設定は必要ありません。
キャンペーンが始まり、すべてのエージェントが受信可能になると、ダイヤラの動作が最も活発になります。 このようなピーク時の動作によって、CallManager が大量の着信トラフィックを受信したと認識する場合があります。 その結果、CallManager がダイヤル トーンを生成するのを止めて、コード イエロー イベントを生成して、新規コールをスロットル(制限)するようになります。 このような状態を回避するには、システム内の各ダイヤラのスロットリングを正しく設定する必要があります。 スロットリングは、ダイヤラ レベル(/icm/<custname>/Dialer)の PortThrottleCount と PortThrottleTime という 1 対のレジストリ キーで制御されています。 PortThrottleCount はスロットリング(制限)するポートの数を示し、PortThrottleTime はそれらのポートをスロットリングする時間(秒単位)を示しています。 MCS-7845 システムおよび MCS-7835 システムの場合は、これらの値を count=10 および time=2 秒に設定することをお勧めします。
以前に説明したように、各ダイヤラは CallManager 上の自分のデバイス プール内に存在し、各ダイヤラはセカンダリ CallManager が設定されていない CallManager グループをポイントしている必要があります。 そのため、CallManager のフェールオーバーが発生した場合に、ターゲット ノードに適切なキャパシティがない可能性があります。 2 つのダイヤラが 1 つの CallManager ノードを共有すると、コード イエロー アラートが発生する場合があります。
顧客コールからエージェントへのコール転送の完了に要する時間は、テレフォニー環境に大きく依存します。 次の要因により転送時間が長くなる可能性があります。
• Cisco Unified Communications インフラストラクチャの不適切な設定:サーバ間のポート速度が不一致または帯域幅が不適切。
• IP Communicator:ハード フォンなどの専用ハードウェア プラットフォームで動作するソフトウェアと同じシステム優先度が、デスクトップ上で実行されているメディアの終端に設定されていない。 顧客がより安価なルートを明らかに採用しており、より信頼性の低いソリューションを容認しているのでない限り、Unified OUTD ではこのような設定を使用しないことをお勧めします。
• Call Progress Analysis:Call Progress Analysis をキャンペーンに対して有効にすると、音声品質がよい場合でも、音声と留守番電話を区別するために 0.5 秒程度のオーダーで時間がかかる。 携帯電話を呼び出している場合は、音声品質が劣化する場合が多いので、ダイヤラが区別に要する時間は、少し長くなる場合があります。
Unified OUTD オプションでは、CallManager クラスタごとに複数のダイヤラを使用することで、耐障害性を実現しています。 コールは、ペリフェラル上の 2 つのダイヤラに均等に配分されます。 一方のダイヤラに障害が発生した場合は、残りのキャンペーン コンタクトをサポートするように設定されている相手側のダイヤラへのコールの再ルーティングが、エンタープライズ全体で行われます。 障害が発生したダイヤラで進行中だったコールは、再試行されるようにマーキングされます。
(注) Unified OUTD の Campaign Manager と Import プロセスのコンポーネントは、シンプレックス コンポーネントであり、Logger(サイド A)とともに配置する必要があります。
System Unified CC の展開モデルでは、1 つの PG に対して 1 つのダイヤラの設定が現在サポートされています。 ダイヤラがさらに必要な場合は、System PG または Enterprise の展開モデルを使用することをお勧めします。
通常の手法としては、クラスタをまたいで電話機が配置されている CallManager ノードで障害が発生した場合に、別の CallManager にフェールオーバーできるように Unified IP Phone をセットアップします。 ダイヤラは通常の IP Phone ではないので、クラスタ内の複数のノードをまたいでダイヤラのポートを配置しないようにしてください。
ダイヤラがバックアップ サブスクライバにフェールオーバーされるように設定する前に、次の点を注意深く考慮する必要があります。 キャンペーンを開始するときやリソース(エージェント、または IVR に転送する形態のキャンペーンの場合は IVR ポート)が使用可能なときには、ダイヤラが CallManager ノードに重い負荷をかける可能性があります。 負荷分散またはノードの障害に対応するために 2 つのダイヤラが CallManager を共有するように設定されている場合には、耐障害性機能が動作すると、システムの残りの部分のパフォーマンスにマイナスの影響を与える場合があります。 各ダイヤラのポート スロットリング メカニズムは独立しているので、別のダイヤラが同じ CallManager を共有している可能性があるとは認識していません。 2 つのダイヤラが競合する場合、サブスクライバがコード イエロー状態になる可能性があります。 ただし、サブスクライバが完全にアイドル状態でバックアップ専用に割り当てられている場合には、バックアップ サブスクライバにダイヤラをフェールオーバーできます。
耐障害性を実現するためにダイヤラを設定する場合の一般的なルールは、他に害を及ぼさないことです。 このことに関連して、ダイヤラは CallManager のパフォーマンスに重大な影響を及ぼす場合かあることに注意してください。
表5-1 は、Unified OUTD 機能の参考資料を示しています。
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Cisco Unified ICM/Contact Center Enterprise Edition Unified OUTD Setup and Configuration Guide |
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/icm/icmentpr/icm60doc/icm6out/ |
Cisco Unified ICM/Contact Center Enterprise Edition Unified OUTD User Guide |
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/icm/icmentpr/icm60doc/icm6out/ |
http://tools.cisco.com/partner/ipccal/servlets/OutboundCalc.js |
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http://tools.cisco.com/partner/ipccal/QuickGuideOutbound.htm |
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http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/icm/ccbubom/icm70bom.pdf. |
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System Unified CCE Installation and Configuration Guide, Release 7.0(0) |
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/icm/ipccente/ipcc70d/ipcccor7/ |