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IPCC では、既存の ICM フォールト トレラント機能を若干拡張して使用しています。この章では、Cisco IP Contact Center の環境でフォールト トレランスの計画を作成する方法について説明します。
ICM セントラル コントローラ(CallRouter および Logger)は、IPCC システムのすべての PG で共有されます。図 3-1 に示すように、ICM システムはサイド A とサイド B に分かれます。サイド A のコンポーネントに障害が発生すると、対応するサイド B のプロセスが起動して障害をカバーします。ICM システムの別サイドで対応するプロセスが起動することを、フェイルオーバーと呼びます。
システムでは、ICM ペリフェラル ゲートウェイが CallManager と IVR に導入されています。この PG は、通常、フォールト トレランスを実現するために二重化されています。CTI サーバは、ICM PIM とともに PG プラットフォームや独自のプラットフォームで稼動させることができます。この独自のプラットフォームは、CTI ゲートウェイ(CG ゲートウェイ)プラットフォームと呼ぶこともあります。CTI サーバも二重化できます。
通常、システムの各 PG では、最大 32 個のペリフェラルがサポートされます。PG にインストールされている 1 つの Peripheral Interface Manager(PIM; ペリフェラル インターフェイス マネージャ)では、1 個のペリフェラルがサポートされます。たとえば、1 つの VRU PG プラットフォームには、3 つの IP-IVR を支援するために、PIM を 3 つインストールできます。通常、CallManager PG には、1 つだけの CallManager PIM および CTI サーバと CTI OS のプロセスが含まれます。
二重化された PG では、PIM は別々のプラットフォーム(PG1A と PG1B など)で二重化されています。1 つの PG に障害が発生すると、複製 PG の PIM によって処理が引き継がれます。1 つの PIM だけに障害が発生した場合は、中断を最小限に抑えるために、障害の発生した PIM プロセスだけが対応する PIM プロセスにフェイルオーバーされます。たとえば、CallManager PG1A で 3 つの PIM プロセスがアクティブであり(図 3-1 を参照)、そのうち 1 つの PIM に障害が発生した場合は、障害の発生した PIM だけが PG1B の対応するプロセスにフェイルオーバーされます。残りの 2 つの PIM プロセスは、サイド A(PG1A)でアクティブなままです。
構成によっては、同じ PG プラットフォームに数種類の PIM をインストールすることもできます。たとえば、IP IVR と CallManager を単一のサイトに置いた場合は、1 つの PG プラットフォームで、「ペリフェラル」ごとに PIM をインストールできます。これにより、1 つの PG プラットフォームで、IP IVR と CallManager の両方が支援されます。
CallManager と CallManager クラスタの場合は、コールをアクティブに処理している CallManager クラスタごとに PIM が必要です。1 つの PG プラットフォームに複数の PIM をインストールするか、または複数のプラットフォームに PIM を分散するかは、CallManager(またはクラスタ)で扱う呼処理によって異なります。大規模な IPCC 設定を各地に分散させる場合は、より少ない PG にできるだけ多くの PIM を配置するのではなく、CallManager PG を増やして、各 PG にインストールする PIM を少なくするような構成を推奨します。各 CallManager PIM の処理能力が、PG プラットフォームでピーク時の Busy Hour Call Rate(BHCR)に十分対応できるようにしてください。
1 つの IP IVR を複数の CallManager で共有できます。同様に、1 つの IP IVR PG を複数の CallManager PG で共有できます。たとえば、IVR を 1 つ使用する IPCC サイトでは、必要な IVR PG は 1 つだけです。この単一の IVR PG は、複数の CallManager PG で共有できます。複数の IVR を使用し、コール ボリュームも多いサイトでは、CallManager PG ごとに専用の IVR PG を用意した方がよい場合があります。実際にどのような構成を選択するかは、次のような要素に基づきサイトによって異なります。しかし、次の要素には制限されません。
(注) PG および ICM セントラル コントローラのフォールト トレランスの詳細は、
『ICM Software Pre-installation Planning:Getting Started』を参照してください。PIM のフォールト トレランスの詳細は、『ICM Software Administrator Guide』を参照してください。
CallManager のクラスタがコール コントロールをバックアップするように設定すると、CallManager のフォールト トレランスがサポートされます。1 つの CallManager に障害が発生しても、バックアップ CallManager のエージェントが呼処理を引き継ぎます。
Cisco CallManager のフォールト トレランスでは、最初は第 1 の Cisco CallManager で管理されていた VoIP ゲートウェイのコントロールが、第 2(場合によっては第 3)の CallManager によって引き受けられます。VoIP ゲートウェイでは、第 1 の Cisco CallManager にアクセスできない場合、第 2 の Cisco CallManager に登録されます。また、IP Phone でも、第 1 の CallManager に障害が発生した場合は、第 2 の CallManager に登録されます。
ICM システムでは、CallManager にアクセスできない期間、エージェントの状態データへのアクセスを維持できます。ICM ソフトウェアでは、CallManager にアクセスできない場合、そのペリフェラル(CallManager)がダウンしたと見なされます。その CallManager への PG 接続は、バックアップのパートナー PG にフェイルオーバーされます。バックアップ PG で PIM が起動すると、CTI デスクトップでは、自動ログイン メカニズムを利用して、エージェントの状態が回復します。CallManager との通信が切れた時点で進行中であった可能性のあるコールは、PIM では、JTAPI スナップショット インターフェイスを使用して復元されます。
(注) Cisco CallManager と VOIP ゲートウェイのフォールト トレランスの詳細は、
『Cisco AVVID IP Telephony Network Design Guide』を参照してください。
(CallManager、IVR、および CTI サーバの)IPCC PG は、通常、サイド A とサイド B という二重化されたペアとして構成します。二重 PG は、通常、関連するペリフェラル(CallManager など)とともに配置されます。すべての二重 PG 構成では、PG のフォールト トレランスをサポートするために、PG ノード間のプライベート ネットワーク接続が使用されます。この PG プライベート ネットワークは、他の目的には使用されません。図 3-2 に、IPCC に関連するエージェントがすべて 1 つのサイトに配置されている場合に使用する典型的な PG 構成を示します。
この二重 PG 構成は、リモート サイト(ICM セントラル コントローラから離れた場所)にあります。ICM セントラル コントローラの各サイドとの通信には、WAN リンクが使用されます。すべての CallManager PG(二重ペアとして表示)を 1 つの二重 PG ペアに配置することもできます。図 3-2 には明示されていませんが、CTI サーバと CTI OS は、通常、二重ペアとして PG にインストールします。
また、図 3-3 に示すように、二重化して配置する CallManager PG を、ICM セントラル コントローラの 1 つのサイドとともにインストールすることもできます。
図 3-3 二重化されてセントラル サイトに配列された PG
この構成では、二重 ICM セントラル コントローラ(ICM CallRouter A および Logger A)の一方のサイドは、CallManager、IP IVR、IP Phone、エージェント デスクトップ、VOIP ゲートウェイ、関連する PG など、他の IPCC コンポーネントとともにサイトに配置されています。ICM セントラル コントローラの地理的に分散しているサイトにある他のサイドとの通信には、ICM のビジブル プライベート WAN リンクを使用します。図 3-3 には明示されていませんが、CTI サーバと CTI OS は、通常、CallManager PG プラットフォームのいずれかで稼動します。
わかりやすくするために、CallManager と IP IVR PG を別々のプラットフォームに示しました。実際には、1 つの PG ペアに、同じタイプの PIM を複数インストールする場合もあります。たとえば、二重 CallManager PG では、2 つのアクティブな CallManager を支援できるように、各 PG に PIM を 2 つインストールできます。また、この PG プラットフォームには、別の PIM タイプ(IVR PIM など)もインストールできます(PG プラットフォーム間で PIM を割り当てる方法については、シスコ セールス エンジニアにご相談ください。検討すべき事項として、帯域幅とパフォーマンスがあります)。
(注) ネットワーク帯域幅の要件の詳細は、第 4 章「IPCC ネットワークおよびプラットフォームの要件」を参照してください。ICM システム全体の総合的なデータ ネットワーク要件は、『ICM Software Pre-installation Planning:Network and Site Requirements』を参照してください。PG と ICM のフォールト トレランスの詳細は、『ICM Software Pre-installation Planning:Getting Started』を参照してください。『ICM Software Administrator Guide』には、ICM ソフトウェアのフォールト トレランスのメカニズムに関する技術的な詳細が記述されています。