IP テレフォニー エンドポイント
この章では、さまざまなタイプの IP テレフォニー エンドポイントとその機能、および QoS 推奨事項について要約します。IP テレフォニー エンドポイントは、次の主要なタイプに分類できます。
• 「アナログ ゲートウェイ」
• 「Cisco Unified IP Phone」
• 「ソフトウェアベースのエンドポイント」
• 「無線エンドポイント」
• 「Cisco IP Conference Station」
• 「ビデオ エンドポイント」
• 「サードパーティ製 SIP IP Phone」
上記の各項では、それぞれのエンドポイント タイプについて詳細情報を示します。加えて、「QoS の推奨事項」の項では QoS 設定のリストを示し、「エンドポイント機能の要約」の項ではエンドポイントの全機能のリストを示します。
次のリストに、IP テレフォニー エンドポイントを選択する際の基本的な推奨事項の要約を示します。
• 低密度アナログ接続には、Cisco Analog Telephone Adapter(ATA)または低密度アナログ インターフェイス モジュールを使用する。
• 中密度から高密度のアナログ接続には、高密度アナログ インターフェイス モジュール、24-FXS ポート アダプタ搭載の Cisco Communication Media Module(CMM; コミュニケーション メディア モジュール)、Catalyst 6500 24-FXS アナログ インターフェイス モジュール、Cisco VG224、または Cisco VG248 を使用する。
• トラフィックの発生量が少なく、コール機能に制限のあるテレフォニー ユーザには、Cisco Unified IP Phone 7902G、7905G、7911G、7912G、または 7912G-A を使用する。
• トラフィックの発生量が中程度で、トランザクション タイプのテレフォニー ユーザには、Cisco Unified IP Phone 7940G、7941G、または 7941G-GE を使用する。
• テレフォニー トラフィックの発生量が中程度から大量の、マネージャおよびアシスタントには、Cisco Unified IP Phone 7960G、7961G、または 7961G-GE を使用する。
• テレフォニー トラフィックの発生量が多い、拡張コール機能を使用する経営幹部には、Cisco Unified IP Phone 7970G または 7971G-GE を使用する。
• 外勤職員および在宅勤務者には、Cisco IP Communicator を使用する。
• モバイル IP Phone が必要なユーザには、Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 を使用する。
• ビデオ コールの発信には、Cisco Unified IP Phone に関連付けられた Cisco Unified Video Advantage、Cisco IP Video Phone 7985G、または Sony 社製と Tandberg 社製の SCCP エンドポイントのいずれかを使用する。
• 正式な会議環境には、Cisco Unified IP Conference Station 7936 を使用する。
アナログ ゲートウェイ
アナログ ゲートウェイには、ルータベースのアナログ インターフェイス モジュール、24-FXS ポート アダプタ搭載の Cisco Communication Media Module(CMM)、Catalyst 6500 24-FXS アナログ インターフェイス モジュール、Cisco VG224、Cisco VG248、および Cisco Analog Telephone Adaptor(ATA)186 と 188 があります。通常、アナログ ゲートウェイは、FAX、モデム、TDD/TTY、およびアナログ電話機などのアナログ デバイスを VoIP ネットワークに接続するために使用します。これにより、アナログ信号を IP ネットワーク上でパケット化して送信できるようになります。
アナログ インターフェイス モジュール
ルータベースの Cisco アナログ インターフェイス モジュールには、低密度インターフェイス モジュール(NM-1V、NM-2V、NM-HD-1V、NM-HD-2V、NM-HD-2VE、NM-HDV2、NM-HDV2-1T1/E1、および NM-HDV2-2T1/E1)と高密度インターフェイス モジュール(NM-HDA-4FXS および EVM-HD-8FXS/DID)があります。Cisco アナログ インターフェイス モジュールは、公衆網やその他の従来の電話機器(PBX、アナログ電話機、FAX、キー システムなど)を、Cisco マルチサービス アクセス ルータに接続するためのものです。Cisco アナログ インターフェイス モジュールは、低密度から高密度までのアナログ デバイスを、コール機能に制限がある IP ネットワークに接続する場合に最適です。
低密度アナログ インターフェイス モジュール
低密度アナログ インターフェイス モジュールには、NM-1V、NM-2V、NM-HD-1V、NM-HD-2V、NM-HD-2VE、NM-HDV2、NM-HDV2-1T1/E1、および NM-HDV2-2T1/E1 があります。NM-1V と NM-2V には、1 つまたは 2 つの音声インターフェイス カード(VIC)があります。このインターフェイス カードには、2 ポート FXS VIC(VIC-2FXS)、2 ポート FXO VIC(VIC-2FXO、VIC-2FXO-M1/M2/M3、および VIC-2FXO-EU)、2 ポート ダイヤルイン方式 VIC(VIC-2DID)、2 ポート E&M VIC(VIC-2E/M)、2 ポート CAME(Centralized Automated Message Accounting)VIC(VIC-2CAMA)、および 2 ポート BRI VIC(VIC-2BRI-S/T-TE および VIC-2BRI-NT/TE)があります。NM-1V および NM-2V は、それぞれ最大で 2 個および 4 個の FXS 接続を処理できます。
(注) NM-1V と NM-2V は、Cisco 2800 および 3800 シリーズのプラットフォームではサポートされていません。Cisco 2800 および 3800 シリーズのプラットフォームでは、VIC-2DID、VIC4-FXS/DID、VIC2-2FXO、VIC-2-4FXO、VIC2-2FXS、VIC2-2E/M、および VIC2-2BRI-NT/TE を含む音声インターフェイス カードは、オンボードの高速 WIC スロットでサポートされています。
NM-HD-1V と NM-HD-2V には、それぞれ 1 つおよび 2 つの VIC があります。NM-HD-2VE には、2 つの VIC または 2 つの音声/WAN インターフェイス カード(VWIC)、または 1 つの VIC と 1 つの VWIC の組み合せが含まれます。NM-HD-1V、NM-HD-2V、および NM-HD-2VE は、それぞれ最大で 4 個、8 個、および 8 個の FXS 接続または FXO 接続を処理できます。NM-HDV2、NM-HDV2-1T1/E1、および NM-HDV2-2T1/E1 は、最大 4 個の FXS 接続または FXO 接続を処理するデジタル T1/E1 またはアナログ/BRI のいずれかに対応させることができます。これら 3 つのインターフェイス モジュールの相違点は、NM-HDV2-1T1/E1 には 1 つの組み込み T1/E1 ポートがあるのに対し、NM-HDV2-2T1/E1 には 2 つの組み込み T1/E1 ポートがあることです。
音声インターフェイス カードには、2 ポートおよび 4 ポート FXS VIC(VIC2-2FXS および VIC-4FXS/DID)、2 ポートおよび 4 ポート FXO VIC(VIC2-2FXO および VIC2-4FXO)、2 ポート ダイヤルイン方式 VIC(VIC-2DID)、2 ポート E&M VIC(VIC2-2E/M)、および 2 ポート BRI VIC(VIC2-2BRI-NT/TE)があります。音声/WAN インターフェイス カードには、音声および WAN 接続両用の 1 ポートおよび 2 ポート RJ-48 マルチフレックス トランク(MFT)T1/E1 VWIC(VWIC-1MFT-T1、VWIC-2MFT-T1、VWIC-2MFT-T1-DI、VWIC-1MFT-E1、VWIC-2MFT-E1、VWIC-2MFT-E1-DI、VWIC-1MFT-G703、VWIC-2MFT-G703、VWIC2-1MFT-T1/E1、VWIC2-2MFT-T1/E1、VWIC2-1MFT-G703、および VWIC2-2MFT-G703)があります。G.703 インターフェイス カードは主としてデータ接続用ですが、場合によっては音声アプリケーションをサポートするように設定できます。
高密度アナログ インターフェイス モジュール
高密度アナログ インターフェイス モジュールには NM-HDA-4FXS と EVM-HD-8FXS/DID があります。NM-HDA-4FXS には 4 つのオンボード FXS ポートがあり、次のオプションから 2 つの拡張モジュールを取り付けることができます。
• EM-HDA-8FXS:8 ポート FXS インターフェイス カード
• EM-HDA-4FXO/EM2-HDA-4FXO:4 ポート FXO インターフェイス カード
NM-HDA-4FXS は、4 つの組み込み FXS ポートと 2 つの EM-HDA-4FXO または EM2-HDA-4FXO 拡張モジュールで最大 12 アナログ ポート(4 FXS および 8 FXO)の構成になるか、または 4 つの組み込み FXS ポートと 1 つの EM-HDA-8FXS 拡張モジュールおよび 1 つの EM-HDA-4FXO または EM2-HDA-4FXO 拡張モジュールで最大 16 アナログ ポート(12 FXS および 4 FXO)の構成になります。2 つの 8 ポート FXS 拡張モジュールを使用する構成はサポートされていません。NM-HDA には、追加の DSP リソースを提供するドーター モジュール(DSP-HDA-16)用のコネクタもあり、8 つの高複雑度コールまたは 16 の中複雑度コールを追加処理できます。
(注) EM2-HDA-4FXO は、EM-HDA-FXO と同じ密度と機能をサポートしますが、最大 15,000 フィートのループ長のサポートや、グラウンドスタート シグナリング モードで使用して回線状態が悪い場合のパフォーマンス向上などの拡張機能があります。
EVM-HD-8FXS/DID は、基本ボード モジュール上に 8 つの独立したポートがあり、FXS または DID シグナリング用に構成可能です。また、EVM-HD-8FXS/DID には、次のオプションから 2 つの拡張モジュールを取り付けることができます。
• EM-HDA-8FXS:8 ポート FXS インターフェイス カード
• EM-HDA-6FXO:6 ポート FXO インターフェイス カード
• EM-HDA-3FXS/4FXO:3 ポート FXS および 4 ポート 4FXO インターフェイス カード
• EM-4BRI-NT/TE:4 ポート BRI インターフェイス カード
これらの拡張モジュールは任意の組み合せで使用でき、EVM-HD-8FXS/DID あたり最大 24 FXS ポートの構成になります。
アナログ インターフェイス モジュールでサポートされているプラットフォームおよび Cisco IOS 要件
Cisco アナログ インターフェイス モジュール用にサポートされているプラットフォームは、Cisco 2600、2800、3600、3700、および 3800 シリーズです。 表19-1 は、各プラットフォームでサポートされているインターフェイス モジュールの最大数を示しています。 表19-2 は必要な Cisco IOS ソフトウェアの最小バージョンを示しています。
表19-1 各プラットフォームでサポートされるアナログ インターフェイス モジュールの最大数
|
サポートされているインターフェイス モジュールの最大数
|
|
|
|
|
|
Cisco2600XM |
1 |
1 |
なし |
1 |
1 |
Cisco 2691 |
1 |
1 |
なし |
1 |
1 |
Cisco 3640 |
3 |
3 |
なし |
3 |
なし |
Cisco 3660 |
6 |
6 |
なし |
6 |
なし |
Cisco 3725 |
2 |
2 |
なし |
2 |
2 |
Cisco 3745 |
4 |
4 |
なし |
4 |
4 |
Cisco 2811 |
なし |
1 |
1 |
1 |
1 |
Cisco 2821 |
なし |
1 |
1 |
1 |
1 |
Cisco 2851 |
なし |
1 |
1 |
1 |
1 |
Cisco 3825 |
なし |
2 |
1 |
2 |
2 |
Cisco 3845 |
なし |
4 |
2 |
4 |
4 |
表19-2 アナログ インターフェイス モジュールの Cisco IOS 最小要件
|
必要な Cisco IOS ソフトウェア対応リリース
|
|
|
|
|
|
Cisco2600XM |
12.2(8)T |
12.2(8)T |
なし |
12.3.4T |
12.3(7)T |
Cisco 2691 |
12.2(8)T |
12.2(8)T |
なし |
12.3.4T |
12.3(7)T |
Cisco 3640 |
12.0(1)T 以降 |
12.2(8)T 以降 |
なし |
12.3.4T |
なし |
Cisco 3660 |
12.0(1)T 以降 |
12.2(8)T 以降 |
なし |
12.3.4T |
なし |
Cisco 3725 |
12.2(8)T 以降 |
12.2(8)T |
なし |
12.3.4T |
12.3(7)T |
Cisco 3745 |
12.2(8)T 以降 |
12.2(8)T |
なし |
12.3.4T |
12.3(7)T |
Cisco 2811 |
なし |
12.3.8T4 |
12.3.8T4 |
12.3.8T4 |
12.3.8T4 |
Cisco 2821 |
なし |
12.3.8T4 |
12.3.8T4 |
12.3.8T4 |
12.3.8T4 |
Cisco 2851 |
なし |
12.3.8T4 |
12.3.8T4 |
12.3.8T4 |
12.3.8T4 |
Cisco 3825 |
なし |
12.3(11)T |
12.3(11)T |
12.3(11)T |
12.3(11)T |
Cisco 3845 |
なし |
12.3(11)T |
12.3(11)T |
12.3(11)T |
12.3(11)T |
Cisco コミュニケーション メディア モジュール(CMM)
Cisco CMM は、Catalyst 6000 および Cisco 7600 シリーズ スイッチに、高密度アナログ、T1、および E1 ゲートウェイ接続を提供するライン カードです。Cisco CMM は、最大 72 個の 72 FXS 接続を処理できます。CMM は MGCP または H.323 ゲートウェイとして動作し、最大 480 個の IP Phone に Survivable Remote Site Telephony(SRST)サービスを提供します。
Cisco CMM に含まれるインターフェイス ポート アダプタは、24 ポート FXS アナログ ポート アダプタ(WS-SVC-CMM-24FXS)、6 ポート T1 インターフェイス ポート アダプタ(WS-SVC-CMM-6T1)、6 ポート E1 インターフェイス ポート アダプタ(WS-SVC-CMM-6E1)、および会議/トランスコーディング ポート アダプタ(WS-SVC-CMM-ACT)です。 表19-3 は、互換性のあるポート アダプタの最小ソフトウェア要件をリストしています。
表19-3 CMM ポート アダプタのソフトウェア要件
|
|
|
|
|
Cisco IOS リリース |
12.3(8)XY |
12.3(8)XY |
12.3(8)XY |
12.3(8)XY |
CatOS リリース |
7.3(1) |
7.3(1) |
7.3(1) |
7.6.8 |
Native IOS リリース |
12.1(15)E |
12.1(14)E |
12.1(13)E |
12.1(13)E |
CMM ごとの最大ポート アダプタ数 |
3 |
3 |
3 |
4 |
WS-X6624-FXS アナログ インターフェイス モジュール
Cisco WS-X6624-FXS アナログ インターフェイス モジュールは、高密度アナログ デバイスを IP テレフォニー ネットワークに接続するための MGCP ベースのデバイスで、24 個のアナログ ポートを提供します。
(注) WS-X6624 FXS アナログ インターフェイスは販売終了になりました。
Cisco VG224 ゲートウェイ
Cisco VG224 アナログ ゲートウェイは、アナログ デバイスを IP テレフォニー ネットワークに接続するための、Cisco IOS の 24 ポート高密度ゲートウェイです。Cisco IOS Release 12.4(2)T 以降では、Cisco VG224 は、Cisco Unified CallManager 配下の Session Initiation Protocol(SIP)、Skinny Client Control Protocol(SCCP)、Media Gateway Control Protocol(MGCP; メディア ゲートウェイ コントロール プロトコル)、または H.323 のエンドポイントとして動作して、フェールオーバーのシナリオでは Survivable Remote Site Telephone(SRST)ルータに「re-home」することができます。Cisco VG224 は、Cisco Unified CallManager Release 3.1 以降をサポートしています。また、Cisco VG224 は、モデム パススルー、モデム リレー、FAX パススルー、および FAX リレーもサポートしています。
Cisco VG248 ゲートウェイ
Cisco VG248 は、アナログ電話機、FAX マシン、モデム、スピーカーフォンのようなアナログ デバイスを企業の Cisco Unified CallManager(Release 3.1 以降)および音声ネットワークに接続するための、48 ポートの高密度 Skinny Client Control Protocol(SCCP)ゲートウェイです。また、Cisco VG248 は、Simplified Message Desk Interface(SMDI)、NEC Message Center Interface(MCI)、または Ericsson のボイスメール プロトコルと互換性があるレガシー ボイスメール システムおよび PBX との Cisco Unified CallManager の統合もサポートしています。Cisco VG248 は、Survivable Remote Site Telephone(SRST)へのフェールオーバーをサポートしています。
Cisco ATA 186 および 188
Cisco Analog Telephone Adaptor(ATA)186 または 188 は、IP テレフォニー ネットワークに 2 つのアナログ デバイスを接続でき、低密度アナログ デバイスを IP ネットワークに接続する場合に最適です。
Cisco ATA 186 と 188 の相違点は、前者には 10 Base-T イーサネット接続が 1 つしかないのに対し、後者には、自らの接続用と、共存する PC または他のイーサネットベース デバイスの接続用の 2 つの 10/100 Base-T イーサネット接続を提供する統合イーサネット スイッチがあることです。Cisco ATA 186 および 188 は、次のいずれかの方法で設定できます。
• Cisco ATA Web 設定ページ
• Cisco ATA 音声設定メニュー
• TFTP サーバからダウンロードした設定ファイル
SCCP ベースの ATA は、SCCP IP Phone のように動作します。別のエンドポイントから電話をかけられるように、Cisco ATA 186 または 188 を、SIP プロキシ サーバに登録された SIP クライアントとして設定することができます。Cisco ATA 186 または 188 は、SIP 要求を開始するときはユーザ エージェント クライアント(UAC)として、要求に応答するときはユーザ エージェント サーバ(UAS)として動作できます。Cisco Unified CallManager 5.0 には、Cisco ATA 186 または 188 に対するネイティブ SIP サポートはありません。
Cisco Unified IP Phone
Cisco IP Phone 製品には、ベーシック IP Phone、ビジネス IP Phone、マネージャ IP Phone、およびエグゼクティブ IP Phone があります。
Cisco ベーシック IP Phone
Cisco ベーシック IP Phone は、コール機能に制限があり、予算上の要求がある、トラフィック量の少ないユーザに最適です。ベーシック IP Phone には、Cisco Unified IP Phone 7902G、7905G、7911G、および 7912G があります。
Cisco Unified IP Phone 7902G
Cisco Unified IP Phone 7902G は単一回線をサポートし、電話機の背面に 1 つの 10 Base-T イーサネット ポートを備えています。Cisco Unified IP Phone 7902G に液晶(LCD)画面はありません。Cisco Unified IP Phone 7902G は SCCP をサポートしていますが、SIP をサポートしていません。
Cisco Unified IP Phone 7905G
Cisco Unified IP Phone 7905G は単一回線をサポートし、電話機の背面に 1 つの 10 Base-T イーサネット ポートを備えています。スピーカーは、一方向のリッスン モードでのみ動作します。Cisco Unified IP Phone 7905G は SCCP と SIP をサポートしていますが、この 2 つのコール シグナリング プロトコルで機能とユーザ インターフェイス(UI)に一貫性はありません。
Cisco Unified IP Phone 7911G
Cisco Unified IP Phone 7911G は単一回線のみをサポートし、2 つの 10/100 Base-T イーサネット接続を備えています。スピーカーは、一方向のリッスン モードでのみ動作します。電源は、IEEE 802.3af、Cisco インライン パワー、または電源アダプタ(CP-PWR-CUBE-3)によるローカル電源で供給します。Cisco Unified IP Phone 7911G は SCCP と SIP をサポートする、Cisco デスクトップ IP Phone の拡張アーキテクチャに含まれる電話機です。このアーキテクチャは、コール シグナリング プロトコルとは無関係に、Cisco デスクトップ IP Phone 間での機能と UI の一貫性を得るためのものです。サポートされる機能に関するエンドユーザの操作性は、SCCP または SIP のいずれのコール制御シグナリングを使用している場合でも一貫しています。
Cisco Unified IP Phone 7912G
Cisco Unified IP Phone 7912G は単一回線のみをサポートし、2 つの 10/100 Base-T イーサネット接続を備えています。スピーカーは、一方向のリッスン モードでのみ動作します。Cisco Unified IP Phone 7912G は SCCP と SIP をサポートしていますが、この 2 つのコール シグナリング プロトコルで機能とユーザ インターフェイス(UI)に一貫性はありません。
(注) 最初のバージョンの Cisco Unified IP Phone 7912G は販売終了になりました。最初のバージョンの Cisco Unified IP Phone 7912G に代って、現在は Cisco Unified IP Phone 7912G-A があります。提供する機能は同一ですが、拡張イーサネット スイッチが備わりました。
Cisco ビジネス IP Phone
Cisco ビジネス IP Phone は、スピーカーやヘッドセットなどの拡張コール機能を使用し、テレフォニー トラフィックの使用量が中程度のトランザクション タイプの社員に最適です。ビジネス IP Phone には、Cisco Unified IP Phone 7940G、7941G、および 7941G-GE があります。
Cisco Unified IP Phone 7940G
Cisco Unified IP Phone 7940G は、最大 2 つのディレクトリ番号の設定が可能で、2 つの 10/100 Base-T イーサネット接続を備えています。Cisco Unified IP Phone 7940G は SCCP と SIP をサポートしていますが、この 2 つのコール シグナリング プロトコルで機能とユーザ インターフェイス(UI)に一貫性はありません。たとえば、SCCP を使用した Cisco Unified IP Phone 7940G はすべてのセキュリティ機能を備えていますが、SIP では以前に実装されていたセキュリティ機能を備えていません。SCCP を使用した Cisco Unified IP Phone 7940G は、ビデオ コールの発信に関して Cisco Unified Video Advantage ビデオ対応エンドポイントと互換性があるのに対し、SIP を使用した Cisco Unified IP Phone 7940G にはビデオ サポートがありません。サポートされる機能の全リストについては、「エンドポイント機能の要約」を参照してください。
Cisco Unified IP Phone 7941G
Cisco Unified IP Phone 7941G は、最大 2 つのディレクトリ番号の設定が可能で、2 つの 10/100 Base-T イーサネット接続を備えています。Cisco Unified IP Phone 7941G は SCCP と SIP をサポートする、Cisco Unified IP Phone の拡張アーキテクチャに含まれる電話機です。このアーキテクチャは、コール シグナリング プロトコルとは無関係に、Cisco IP Phone 間での機能と UI の一貫性を得るためのものです。サポートされる機能に関するエンドユーザの操作性は、SCCP または SIP のいずれのコール制御シグナリングを使用している場合でも一貫しています。
SCCP ではサポートされ、SIP ではサポートされない機能がいくつかあります。たとえば、SCCP を使用した Cisco Unified IP Phone 7941G は、ビデオ コールの発信に関して Cisco Unified Video Advantage ビデオ対応エンドポイントと互換性があるのに対し、SIP にはビデオ サポートがありません。SCCP を使用した Cisco Unified IP Phone 7941G は保留音をサポートしているのに対し、SIP はサポートしていません。サポートされる機能の全リストについては、「エンドポイント機能の要約」を参照してください。
この電話機は高解像度の 4 ビット グレースケール ディスプレイを備え、機能の使用方法や Extensible Markup Language(XML)アプリケーションの拡張、およびダブル バイト言語のサポートに対応します。電源は、IEEE 802.3af、Cisco インライン パワー、または電源アダプタ(CP-PWR-CUBE-3)によるローカル電源で供給します。
Cisco Unified IP Phone 7941G-GE
Cisco Unified IP Phone 7941G-GE は、最大 2 つのディレクトリ番号の設定が可能で、2 つの 10/100/1000 Base-T イーサネット接続を備えている点を除いて、Cisco Unified IP Phone 7941G と同等です。ギガビット スループット機能の追加により、共存する PC 上の高ビット レートで広い帯域幅を必要とするアプリケーションに対応します。
Cisco マネージャ IP Phone
Cisco マネージャ IP Phone は、スピーカーやヘッドセットなどの拡張コール機能を使用し、テレフォニー トラフィックの使用量が中程度から大量の、マネージャおよびアシスタントに最適です。マネージャ IP Phone には、Cisco Unified IP Phone 7960G、7961G、および 7961G-GE があります。
Cisco Unified IP Phone 7960G
Cisco Unified IP Phone 7960G は、最大 6 つのディレクトリ番号の設定が可能で、2 つの 10/100 Base-T イーサネット接続を備えています。Cisco Unified IP Phone 7960G は SCCP と SIP をサポートしていますが、この 2 つのコール シグナリング プロトコルで機能とユーザ インターフェイス(UI)に一貫性はありません。たとえば、SCCP を使用した Cisco Unified IP Phone 7960G はすべてのセキュリティ機能を備えていますが、SIP では以前に実装されていたセキュリティ機能を備えていません。SCCP を使用した Cisco Unified IP Phone 7960G は、ビデオ コールの発信に関して Cisco Unified Video Advantage ビデオ対応エンドポイントと互換性があるのに対し、SIP を使用した Cisco Unified IP Phone 7960G にはビデオ サポートがありません。SCCP を使用した Cisco Unified IP Phone 7960G は Cisco Unified IP Phone 拡張モジュール 7914 をサポートしているのに対し、SIP は拡張モジュールをサポートしていません。サポートされる機能の全リストについては、「エンドポイント機能の要約」を参照してください。
Cisco Unified IP Phone 7961G
Cisco Unified IP Phone 7961G は、最大 6 つのディレクトリ番号の設定が可能で、2 つの 10/100 Base-T イーサネット接続を備えています。Cisco Unified IP Phone 7961G は SCCP と SIP をサポートする、Cisco Unified IP Phone の拡張アーキテクチャに含まれる電話機です。このアーキテクチャは、コール シグナリング プロトコルとは無関係に、Cisco IP Phone 間での機能と UI の一貫性を得るためのものです。サポートされる機能に関するエンドユーザの操作性は、SCCP または SIP のいずれのコール制御シグナリングを使用している場合でも一貫しています。
SCCP ではサポートされ、SIP ではサポートされない機能がいくつかあります。たとえば、SCCP を使用した Cisco Unified IP Phone 7961G は、ビデオ コールの発信に関して Cisco Unified Video Advantage ビデオ対応エンドポイントと互換性があるのに対し、SIP にはビデオ サポートがありません。SCCP を使用した Cisco Unified IP Phone 7961G は保留音をサポートしているのに対し、SIP はサポートしていません。SCCP を使用した Cisco Unified IP Phone 7961G は Cisco Unified IP Phone 拡張モジュール 7914 をサポートしているのに対し、SIP は拡張モジュールをサポートしていません。サポートされる機能の全リストについては、「エンドポイント機能の要約」を参照してください。
この電話機は高解像度の 4 ビット グレースケール ディスプレイを備え、機能の使用方法や Extensible Markup Language(XML)アプリケーションの拡張、およびダブル バイト言語のサポートに対応します。電源は、IEEE 802.3af、Cisco インライン パワー、または電源アダプタ(CP-PWR-CUBE-3)によるローカル電源で供給します。
Cisco Unified IP Phone 7961G-GE
Cisco Unified IP Phone 7961G-GE は、最大 6 つのディレクトリ番号の設定が可能で、2 つの 10/100/1000 Base-T イーサネット接続を備えている点を除いて、Cisco Unified IP Phone 7961G と同等です。ギガビット スループット機能の追加により、共存する PC 上の高ビット レートで広い帯域幅を必要とするアプリケーションに対応します。
Cisco エグゼクティブIP Phone
Cisco エグゼクティブ IP Phone は、拡張コール機能を使用する、トラフィック量の多い経営幹部ユーザに最適です。エグゼクティブ IP Phone には、Cisco Unified IP Phone 7970G および 7971G-GE があります。
Cisco Unified IP Phone 7970G
Cisco Unified IP Phone 7970G は、最大 8 つのディレクトリ番号の設定が可能で、高解像度のカラー タッチ スクリーンを備え、他の Cisco Unified IP Phone よりも多くのアクセス キーがあります。Cisco Unified IP Phone 7970G は SCCP と SIP の両方をサポートする、Cisco デスクトップ IP Phone の拡張アーキテクチャに含まれる電話機です。このアーキテクチャは、コール シグナリング プロトコルとは無関係に、Cisco デスクトップ IP Phone 間での機能と UI の一貫性を得るためのものです。サポートされる機能に関するエンドユーザの操作性は、SCCP または SIP のいずれのコール制御シグナリングを使用している場合でも一貫しています。
SCCP ではサポートされ、SIP ではサポートされない機能がいくつかあります。たとえば、SCCP を使用した Cisco Unified IP Phone 7970G は、ビデオ コールの発信に関して Cisco Unified Video Advantage ビデオ対応エンドポイントと互換性があるのに対し、SIP にはビデオ サポートがありません。SCCP を使用した Cisco Unified IP Phone 7970G は保留音をサポートしているのに対し、SIP はサポートしていません。SCCP を使用した Cisco Unified IP Phone 7970G は Cisco Unified IP Phone 拡張モジュール 7914 をサポートしているのに対し、SIP は拡張モジュールをサポートしていません。サポートされる機能の全リストについては、「エンドポイント機能の要約」を参照してください。
Cisco Unified IP Phone 7970G には高解像度のカラー タッチ スクリーンを備え、機能の使用方法や Extensible Markup Language(XML)アプリケーションの拡張、およびダブル バイト言語のサポート化に対応します。電源は、IEEE 802.3af、Cisco インライン パワー、または電源アダプタ(CP-PWR-CUBE-3)によるローカル電源で供給します。Cisco Unified IP Phone 7970G で画面の輝度を最大にするには、Cisco インライン パワーと IEEE 802.3af Power over Ethernet(PoE)のどちらの場合も、外部電源アダプタ(CP-PWR-CUBE-3)を使用する必要があります。
Cisco 7971G-GE
Cisco Unified IP Phone 7971G-GE は、最大 8 つのディレクトリ番号の設定が可能で、2 つの 10/100/1000 Base-T イーサネット接続を備えている点を除いて、Cisco Unified IP Phone 7970G と同等です。ギガビット スループット機能の追加により、共存する PC 上の高ビット レートで広い帯域幅を必要とするアプリケーションに対応します。
(注) アクセス スイッチからのインライン パワー、またはローカルの壁面コンセントからの電源供給に加えて、Cisco Unified IP Phone では、パワー インジェクタ Promax による電源供給も可能です。Promax を使用すると、インライン パワーをサポートしない Cisco スイッチまたは Cisco 以外のスイッチに、Cisco Unified IP Phone を接続できます。Promax は、すべての Cisco Unified IP Phone と互換性があり、Cisco PoE と IEEE 802.3af PoE の両方をサポートしています。2 つの 10/100/1000 Base-T イーサネット接続を備え、一方をスイッチのアクセス ポートに接続し、もう一方を Cisco Unified IP Phone に接続します。
Cisco Unified IP Phone 拡張モジュール 7914
Cisco Unified IP Phone 拡張モジュール 7914 は、電話機の現在の回線容量を超える多数の回線の状態を確認する必要があるアシスタントなどに適しています。
Cisco Unified IP Phone 拡張モジュール 7914 は追加のボタンと LCD によって、Cisco Unified IP Phone 7960G、7961G、7961G-GE、7970G、または 7971G-GE の機能を拡張します。Cisco Unified IP Phone 拡張モジュール 7914 ではモジュールあたり 14 個のボタンが提供されます。Cisco Unified IP Phone 796 x G および 797 x G は、最大で 2 つの Cisco Unified IP Phone 拡張モジュールをサポートできます。IP Phone で Cisco インライン パワーまたは IEEE802.3af PoE を使用している場合には、Cisco Unified IP Phone 拡張モジュール 7914 に外部電源アダプタ(CP-PWR-CUBE-3)を使用する必要があります。
ソフトウェアベースのエンドポイント
ソフトウェアベースのエンドポイントには、Cisco IP Communicator および Cisco IP SoftPhone があります。ソフトウェアベースのエンドポイントは、クライアント PC にインストールされたアプリケーションであり、登録と制御は Cisco Unified CallManager で行います。
Cisco IP Communicator
Cisco IP Communicator は、コンピュータに IP Phone 機能を与える Microsoft Windows ベースのアプリケーションです。このアプリケーションを使用すると、出張中やオフィス内など、企業ネットワークにユーザがどこからアクセスする場合でも高品質の音声コールが可能になります。リモート ユーザと在宅勤務者にとって最適なソリューションです。Cisco IP Communicator は配置が簡単で、現在 IP 通信で利用可能な最新テクノロジーや先端機能のいくつかが採用されています。この項では、Cisco Unified CallManager と一緒に Cisco IP Communicator を使用する場合に適用される、次の設計上の考慮事項について説明します。
• 「IP Communicator の最大設定の制限」
• 「コーデックの選択」
• 「コール アドミッション制御」
IP Communicator の最大設定の制限
Cisco IP Communicator は SCCP スタンドアロン デバイスであるため、さまざまな IP テレフォニー配置モデルに含まれる IP Phone の設計に関するガイドラインは、Cisco IP Communicator にも当てはまります。詳細については、「IP テレフォニー配置モデル」の章を参照してください。
コーデックの選択
Cisco IP Communicator は、G.711 および G.729a コーデックをサポートします。コーデックを選択するには、Cisco IP Communicator が配置されているリージョンを設定します。G.729a 低帯域幅コーデック設定は、Cisco IP Communicator を WAN 経由で接続する在宅勤務者の環境に配置することをお勧めします。Cisco IP Communicator にも、G.711 リージョン内の低帯域幅コーデックを上書きする機能があります。この機能を有効にするには、Audio 設定ウィンドウの Optimize for Low Bandwidth オプション チェックボックスをオンにします(図19-1 を参照)。ここでは、Cisco IP Communicator は、G.729 コーデックを使用して、同じリージョン内の別の電話機とのコールをセットアップします。
図19-1 Cisco IP Communicator のオーディオ設定
コール アドミッション制御
コール アドミッション制御により、ネットワークを介した IP Phone コールの処理に使用可能な帯域幅が十分確保されます。コール アドミッション制御の実装には複数のメカニズムがありますが、Cisco IP Communicator は、集中型コール処理配置用として Cisco Unified CallManager で設定されるロケーション メカニズムを使用したり、非集中型コール処理配置用に RSVP メカニズムを使用したりします。Cisco Unified CallManager のロケーションを使用したコール アドミッション制御の詳細については、「IP テレフォニー配置モデル」の章を参照してください。
ロケーションと RSVP ベースのコール アドミッション制御は、Cisco IP Communicator が単一の Cisco Unified CallManager ロケーション内でモバイルとして使用されている限り、コール帯域幅の管理で有効です。ただし、Cisco IP Communicator が複数の Cisco Unified CallManager ロケーション間を移動すると、コール アドミッション制御が問題の原因になる場合があります。詳細については、「デバイス モビリティおよび Cisco Unified CallManager」を参照してください。
Cisco IP SoftPhone
この項では、Cisco Unified CallManager と一緒に Cisco IP SoftPhone を使用する場合に適用される、次の設計上の考慮事項について説明します。
• 「Cisco IP SoftPhone の最大設定の制限」
• 「コーデックの選択」
• 「コール アドミッション制御」
この項の情報は、Cisco IP SoftPhone Release 1.3 に明示的に適用されます。Cisco IP SoftPhone の設定と機能の詳細は、次の Web サイトでオンラインで入手可能な『 Cisco IP Softphone Administrator Guide (1.3) 』を参照してください。
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/voice/c_ipphon/english/softphon/index.htm
図19-2 では、Cisco IP SoftPhone アプリケーションが、関連付けられたハードウェア IP Phone をモニタまたは制御できることを示しています。サードパーティ制御の電話機の場合、Cisco IP SoftPhone は、デスクトップ IP Phone の仮想内線電話の役目をします。Cisco IP SoftPhone アプリケーションは、ハードウェア電話機の着信コールと発信コールを表示し、処理できます。デバイスと CTI リソースのプロビジョニングの観点から見ると、この設定を使用する各ユーザは、サードパーティ制御の IP Phone として設定されます。CTI ポートとしての Cisco IP SoftPhone は、デスクトップ電話機で追加の制御やモニタリングをすることなく、クライアント マシンへのコールを直接処理する専用回線です。
図19-2 Cisco IP SoftPhone のデバイスの関連付けオプション
Cisco IP SoftPhone は、CTI ポートとサードパーティ制御の電話機を、同じディレクトリ番号 (DN) で同時に実行することはできません。図19-2 に示されているように、ユーザは、CTI ポート、またはデスクトップ電話機の制御として、内線 8110 を使用できます。
デバイスおよびリソース プロビジョニングの詳細については、「コール処理」の章を参照してください。
Cisco IP SoftPhone の最大設定の制限
サーバごとに許可されるデバイスの制限とは関係なく、Cisco Unified CallManager で設定できる最大 CTI デバイス数に制限があります。Cisco IP SoftPhone に適用される CTI デバイスの制限は、次のとおりです。
• Cisco Media Convergence Server(MCS)7825 または 7835 の場合、1 台あたり最大 800 台の Cisco IP SoftPhone。MCS 7825s または 7835s の場合、1 台あたり最大 3,200 台の Cisco IP SoftPhone。
• MCS 7845 の場合、1 台あたり最大 2,500 台の Cisco IP SoftPhone。MCS 7845s の場合、1 台あたり最大 10,000 台の Cisco IP SoftPhone。
上記の Cisco IP SoftPhone の最大限度には、次の前提が適用されます。
• 各 Cisco IP SoftPhone は、1 つのライン アピアランスで設定されます。
• 各 Cisco IP SoftPhone は、見積もりで 6 コール以下の Busy Hour Call Attempt(BHCA)を処理します。
• CTI デバイスを必要とする他の CTI アプリケーションが、その Cisco Unified CallManager クラスタで設定されていません。
コーデックの選択
Cisco IP SoftPhone は、G.711、G.723、および G.729a の各コーデックをサポートします。G.729a 低帯域幅コーデック設定は、Cisco IP SoftPhone を WAN 経由で接続する在宅勤務者の環境に配置することをお勧めします。
Cisco Unified CallManager が G.723 コーデックをサポートしていないため、Cisco IP Softphone で使用する帯域幅コーデック設定は 2 つです。デフォルト設定は G.711 で、ユーザがオプションを設定することにより、TAPI Service Provider(TSP)クライアント上で低帯域幅コーデック設定 G.729 を選択できます(図19-3 を参照)。ネットワーク帯域幅のプロビジョニングの詳細については、「ネットワーク インフラストラクチャ」の章を参照してください。
図19-3 Cisco IP Softphone のオーディオ設定
WAN を介した低帯域幅の接続を使用する Cisco IP SoftPhone のユーザは、この低帯域幅の G.729 コーデック設定の選択を検討する必要があります。
コール アドミッション制御
コール アドミッション制御により、ネットワークを介した IP Phone コールの処理に使用可能な帯域幅が十分確保されます。コール アドミッション制御の実装には複数のメカニズムがありますが、Cisco IP SoftPhone は、集中型コール処理配置用として Cisco Unified CallManager で設定されるロケーション メカニズムを使用したり、非集中型コール処理配置用にリソース予約プロトコル(RSVP)を使用したりします。Cisco Unified CallManager のロケーションを使用したコール アドミッション制御の詳細については、「IP テレフォニー配置モデル」の章を参照してください。
ロケーションと RSVP ベースのコール アドミッション制御は、Cisco IP SoftPhone が単一の Cisco Unified CallManager ロケーション内でモバイルとして使用されている限り、コール帯域幅の管理で有効です。ただし、Cisco IP SoftPhone が複数の Cisco Unified CallManager ロケーション間を移動すると、コール アドミッション制御が問題の原因になる場合があります。詳細については、「デバイス モビリティおよび Cisco Unified CallManager」を参照してください。
無線エンドポイント
Cisco 無線エンドポイントは、無線アクセス ポイント(AP)経由で無線 LAN(WLAN)インフラストラクチャを使用して、テレフォニー機能を提供します。このタイプのエンドポイントは、エリア内でモバイル ユーザの必要性がある環境で、従来の有線電話では不適切であったり問題が生じたりする場合に理想的です(無線ネットワークの設計の詳細については、「無線 LAN インフラストラクチャ」を参照してください)。
Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 は、ネットワークへの 802.11b 無線 LAN 接続を可能にする組み込み型の無線アンテナを備えた、ハードウェアベースの電話機です。これらの電話機は、他のハードウェアベースの電話機や Cisco IP Communicator と同様、Skinny Client Control Protocol(SCCP)を使用して Cisco Unified CallManager に登録されます。詳細については、次の Web サイトで入手可能な『 Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 Design and Deployment Guide 』を参照してください。
http://www.cisco.com/go/srnd
サイト調査
Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 を配置する前に、完全なサイト調査を実行して、無線周波数(RF)カバレッジを提供するのに最適な AP の数と場所を判別する必要があります。サイト調査では、最適なカバレッジを提供するアンテナ タイプや RF 干渉の送信元が存在している可能性がある場所を考慮する必要があります。サイト調査では、Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 の Site Survey ツール( Menu > Network Config > Site Survey からアクセス)、およびラップトップまたは PC の Cisco Aironet NIC カードと共に使用する Aironet Client Utility Site Survey ツールを使用する必要があります。追加のサードパーティ ツールもサイト調査で使用できますが、アンテナの感度と調査アプリケーションの制限によって各エンドポイントまたはクライアント無線の動作が異なるため、Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 を使用して最終サイト調査を実行することを強くお勧めします。
認証
Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 を無線ネットワークに接続するには、最初に次のいずれかの認証方法を使用して、AP に関連付けて通信する必要があります。
• Extensible Authentication Protocol-Flexible Authentication via Secure Tunneling(EAP-FAST)
この方法では、クライアントと EAP 準拠のリモート認証、認可、アカウンティングのサーバとの間に Protected Access Credential(PAC)でセキュア認証トンネルが確立されると、Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 をユーザ名とパスワードで AP に対し 802.1X で認証できます。認証時、無線デバイスとの間のトラフィックは TKIP または WEP を使用して暗号化されます。802.1X 認証方式および PAC 認証トンネル交換を使用するには、Cisco Secure Access Control Server(ACS)など、EAP 準拠の Remote Authentication Dial-In User Service(RADIUS)認証サーバが必要です。このサーバは、ユーザ データベースへのアクセスを提供します。
• Wi-Fi Protected Access(WPA)
この方法では、ユーザ名とパスワードによって、Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 を AP に対し 802.1X で認証できます。認証時、無線デバイスとの間のトラフィックは Temporal Key Integrity Protocol(TKIP)を使用して暗号化されます。802.1X 認証方式を使用するには、Cisco Secure Access Control Server(ACS)など、EAP 準拠の Remote Authentication Dial-In User Service(RADIUS)認証サーバが必要です。このサーバは、ユーザ データベースへのアクセスを提供します。
• Wi-Fi Protected Access Pre-Shared Key (WPA-PSK)
この方法では、Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 および AP 上の共有鍵の設定により、Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 を AP に対し認証できます。認証時、無線デバイスとの間のトラフィックは TKIP を使用して暗号化されます。この認証方法は、企業での配置には推奨しません。
• Cisco Centralized Key Management(Cisco CKM)
この方法では、ユーザ名とパスワードによって、Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 を AP に対して 802.1x で認証できます。認証時、無線デバイスとの間のトラフィックは WEP 128 または TKIP を使用して暗号化されます。802.1X 認証方法には、Cisco ACS などの EAP 準拠の RADIUS 認証サーバが必要です。このサーバは、最初の認証要求のためにユーザ データベースへのアクセスを提供します。以降の認証要求は、AP において無線ドメイン サービス(WDS)によって検証されるため、再認証時間が短縮され、高速で安全なローミングが保証されます。
• Cisco LEAP
この方法では、ユーザ名とパスワードに基づいて、Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 と AP を相互に認証できます。認証時に動的な鍵が生成され、Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 と AP の間のトラフィックの暗号化に使用されます。ユーザ データベースへのアクセスを提供するため、Cisco Secure Access Control Server(ACS)などの、LEAP 準拠の Radius 認証サーバが必要です。
• 共有鍵
この方法では、Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 と AP に、静的な 10 文字(40 ビット)または 26 文字(128 ビット)の鍵を設定します。この方法は AP ベースの認証方法で、一致する鍵がデバイスに存在する場合にネットワークへのアクセスが許可されます。
• Open 認証
この方法では、Cisco Wireless IP Phone 7920 と AP の間で、識別情報を交換する必要はありません。この方法では音声またはシグナリングの安全な交換が提供されず、偽装したデバイスを AP に関連付けることができるため、この方法はお勧めしません。
キャパシティ
各 AP は、最大で 7 つのアクティブな G.711 音声ストリームまたは 8 つの G.729 ストリームをサポートできます。これらの数を超えると、音声パケットのドロップや遅延、またはコールのドロップが原因で、品質が低下する場合があります。AP レートが 11 Mbps より低く設定されている場合、各 AP のコール キャパシティが低下します。
(注) 同じ AP に関連付けられた 2 台の電話機間のコールは、2 つのアクティブ音声ストリームとしてカウントされます。
これらのアクティブ コール キャパシティの限界と Erlang 比率に基づいて、各 AP がサポートできる Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 の数を計算できます。たとえば、標準的なユーザ対コールのキャパシティ比率を 3:1 と想定すると、使用するコーデックが G.711 か G.729 かに応じて、1 つの AP で 21~24 台の Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 をサポートできます。ただし、この数には、他の Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 がこの AP にローミングする可能性は加味されていません。現実的には、AP あたりの電話機の数は上記の数より少なくなります。
VLAN またはレイヤ 2 サブネットあたりの AP の数も考慮する必要があります。AP のメモリおよびパフォーマンスを最適化するには、1 つの VLAN またはサブネットに、30 を超える数の AP を配置しないことをお勧めします。標準的なユーザ対コールのキャパシティ比率を適用すると、レイヤ 2 サブネットあたりの Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 の数は、概算で 500(または AP あたり 15~17 の Cisco Unified Wireless IP Phone 7920)に制限されます。
これらのキャパシティは、音声アクティビティ検出(VAD)が無効で、パケット化のサンプル サイズが 20 ミリ秒(ms)であると想定して計算されました。VAD とは、コール中に音声が発生しないときに RTP パケットを送信しないことにより、帯域幅を節約するメカニズムです。ただし、VAD の有効化または無効化は、Cisco Unified CallManager で、クラスタ全体のグローバル設定パラメータで設定します(Cisco Unified CallManager では無音圧縮と呼ばれます)。このため、Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 で VAD を有効にすると、VAD は Cisco Unified CallManager クラスタ内のすべてのデバイスで有効になります。全体の音声品質を良好に保つため、VAD(無音圧縮)を disabled のままにすることをお勧めします。
サンプリング レートを 20 ms に設定すると、片方向の音声コールで 50 パケット/秒(pps)が生成されます。通常は、サンプル レートを 20 ms に設定するようにお勧めします。それより大きいサンプル サイズ(30 または 40 ms)を使用すると、AP あたりの同時コールの数を増分できますが、エンドツーエンドの遅延も大きくなります。また、サンプル サイズを大きくすると、1 つのパケットが失われたときに欠落する会話の量が大きくなるので、無線環境で許容される音声パケットの損失率は大幅に減少します。音声サンプリング サイズの詳細については、「帯域幅のプロビジョニング」を参照してください。
電話機設定
Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 は、電話機のキーパッド、または USB ケーブルで電話機に接続された PC で実行する 7920 設定ユーティリティのいずれかを使用して設定できます。いずれの場合も、次のパラメータを設定する必要があります。
• ネットワーク設定
ネットワークの必要に応じて、DHCP サーバ アドレスを指定するか、IP アドレス、サブネット マスク、デフォルト ゲートウェイ、TFTP サーバ、DNS サーバなどの静的設定を設定します。Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 では、これらの設定は Menu > Profiles > Network Profile にあります。
• 無線設定
音声 VLAN の Service Set Identifier(SSID)および認証タイプを設定します。必要に応じて、WEP 鍵、LEAP ユーザ名、およびパスワードを設定してください。Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 では、これらの設定は Menu > Profiles > Network Profile にあります。
ローミング
現在、Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 は、レイヤ 2(同一の VLAN またはサブネット内)にローミングし、引き続きアクティブなコールを保持できます。
レイヤ 2 ローミングは、次の状況で発生します。
• Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 の初期ブートアップ中に、電話機は初めて新しい AP にローミングします。
• Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 が、現在関連付けられている AP からビーコンまたは応答を受信しない場合、電話機は現在の AP が使用不可であると想定し、新しい AP へのローミングと関連付けを試行します。
• Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 は、適格な AP ローミング ターゲットのリストを保持します。現在の AP の状態が変更されると、電話機は、使用可能な AP ローミング ターゲットのリストを参照します。ローミング ターゲットの 1 つが、より適切な選択肢であると判別された場合、電話機はその新しい AP にローミングします。
• Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 の設定済みの SSID または認証タイプが変更された場合、電話機は AP にローミングして再度関連付けする必要があります。
レイヤ 2 ローミングで適格な AP ローミング ターゲットの判別を試行するとき、無線 IP Phone は、次の変数を使用して、関連付ける最適な AP を判別します。
• Relative Signal Strength Indicator(RSSI)
無線 IP Phone が、シグナルの長さと、RF カバレッジ エリア内で使用可能な AP の品質を判別するときに使用されます。電話機は、RSSI 値が最高で、認証/暗号化タイプが一致する AP との関連付けを試行します。
• QoS Basic Service Set(QBSS)
AP が、チャネル利用率情報を無線電話機に通信するのを可能にします。チャネル利用率が高い AP は VoIP トラフィックを効率的に処理できない場合があるので、電話機は、QBSS 値を使用して、別の AP へのローミングを試行する必要があるかどうかを判別します。
無線 IP Phone のレイヤ 2 ローミング時間は、使用される認証タイプによって異なります。電話機と AP の間の認証で静的な WEP 鍵が使用されている場合、レイヤ 2 ローミングは、100 ms 未満で実行されます。LEAP(ローカルの Cisco Secure ACS 認証を使用)が使用されている場合、レイヤ 2 ローミングは 200~400 ms で実行されます。Cisco Centralized Key Management(Cisco CKM)を使用すると、ローミング時間を 100 ms 未満に短縮できます。
デバイスがレイヤ 3 で移動する場合、デバイスはネイティブ VLAN の境界を越えて AP から別の AP に移動します。Cisco Catalyst 6500 シリーズ ワイヤレス LAN サービス モジュール(WLSM)によって、Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 は、アクティブ コールを維持しながらレイヤ 3 でローミングできます。Cisco Wireless IP Phone 7920 は、静的 WEP または Cisco CKM プロトコルを使用して、レイヤ 3 でローミングできます。Cisco CKM を使用すると、電話機は WEP 128 または TKIP 暗号化を使用しながら、完全なレイヤ 3 モビリティを実現できます。シームレスなレイヤ 3 ローミングが行われるのは、クライアントが同じモビリティ グループ内でローミングする場合だけです。Cisco WLSM およびレイヤ 3 ローミングの詳細については、次の Web サイトで入手可能な製品資料を参照してください。
http://www.cisco.com
ワイヤレス LAN で 802.1x 認証を使用している場合は、ローミングのダウンタイムを最小にするため、Cisco CKM をお勧めします。レイヤ 2 またはレイヤ 3 のどちらでローミングする場合も、デバイスのダウンタイムが 300 ~ 400 ms から 100 ms 未満に減少します。Cisco CKM は、ACS に送信する必要がある認証要求の数を減らすことによって、ACS の負荷も軽減します。
AP コール アドミッション制御
Cisco Unified CallManager またはゲートキーパー内のコール アドミッション制御メカニズムは、WAN 帯域幅の利用率を制御し、既存のコールの QoS を提供できますが、どちらのメカニズムも、コールの開始時にしか適用されません。静的なデバイス間のコールでは、このタイプのコール アドミッション制御で十分です。しかし、Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 などの 2 つのモバイル無線デバイス間のコールの場合、無線デバイスが 1 つの AP から別の AP へと順にローミングする可能性があるので、AP レベルにもコール アドミッション制御メカニズムが必要です。
コール アドミッション制御用の AP メカニズムは QBSS です。AP は、このビーコン情報エレメントを使用して、チャネル利用率情報を無線 IP Phone に通信できます。前述のとおり、電話機はこの QBSS 値を使用して、別の AP にローミングする必要があるかどうかを判別します。QBSS 値が低いと、その AP がローミング先として適切な候補であることを示し、QBSS 値が高いと、電話機がその AP にローミングするべきでないことを示しています。
この QBSS 情報は便利ですが、ローミング中、コールが適切な QoS を保持することを保証するものではありません。Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 が、高い QBSS を持つ AP に関連付けられている場合、AP は、コールのセットアップを拒否し、発信側の電話機に Network Busy メッセージを送信することにより、コールが開始または受信されるのを防止します。しかし、無線 IP Phone と別のエンドポイントの間でコールがセットアップされた後は、電話機が、高い QBSS を持つ AP にローミングして関連付けを行うことができ、それによりその AP で使用可能な帯域幅のオーバーサブスクリプションが発生する場合があります。
デバイス モビリティおよび Cisco Unified CallManager
無線 IP Phone をモバイル デバイスとして使用し、1 つのロケーションから別のロケーションに移動する場合、次の問題が発生することがあります。
• Cisco Unified CallManager のロケーションベースのコール アドミッション制御用には不正確な帯域幅計算
無線 IP Phone が 1 つのロケーションから別のロケーションに順にローミングする場合、現在、Cisco Unified CallManager には、コール アドミッション制御のために電話機のロケーションを動的に更新するメカニズムはありません。そのため、実際には帯域幅を使用していないロケーションから帯域幅が差し引かれ、他のロケーションで使用可能な帯域幅がロケーションベースのコール アドミッション制御の計算に含まれない事態が生じ、WAN 帯域幅のオーバーサブスクリプションが発生する場合があります。
• 不適切なコーデックの選択
無線 IP Phone が 1 つのロケーションから別のロケーションに順にローミングする場合、現在、Cisco Unified CallManager には、コーデック タイプを判別するためにリージョンまたはデバイス プールを動的に更新するメカニズムはありません。そのため、不正なコーデックがテレフォニー ネットワーク全体で使用される場合があります。
• 不適切な公衆網ゲートウェイの選択
無線 IP Phone が 1 つのロケーションから別のロケーションに順にローミングする場合、現在、Cisco Unified CallManager には、ローカル公衆網ゲートウェイを指定するためにダイヤル プランを動的に更新するメカニズムはありません。そのため、無線 IP Phone が、公衆網アクセス用のリモート公衆網ゲートウェイを使用する場合があります。無線 IP Phone がこのリモート公衆網ゲートウェイを使用して緊急の 911 コールをかける場合、緊急サービスは、リモート公衆網ゲートウェイのロケーションに転送され、コールを開始した無線 IP Phone のロケーションには転送されません。
(注) Cisco Emergency Responder(ER)が配置されている場合、911 コールは、ローカル公衆網ゲートウェイ、および適切な Public Safety Answering Point(PSAP)に転送されます。ただし、コール アドミッション制御は依然としてこのコールで使用される帯域幅を把握しておらず、不正なコーデックが選択される場合があります。
これらのデバイス モビリティ問題を防止するには、電話機が 1 つのロケーションから別のロケーションに物理的に移動するたびに、Cisco Unified CallManager で、次の無線 IP Phone のパラメータを手動で再設定する必要があります。
• コール アドミッション制御のロケーション
• デバイス プールおよびリージョン
• コーリング サーチ スペース
これらのパラメータは、無線 IP Phone の移動先のロケーションごとに適切に調整する必要があります。拡張機能や非標準の機能が必要な場合、状況によっては、他のパラメータを手動で再設定する必要があります。たとえば、ローカル メディア リソースが使用されており、各ロケーションで自動代替コール ルーティングが適切であることを確認するため、メディア リソース グループ リスト(会議、トランスコーディング、および Music-on-Hold リソース用)、および Automated Alternate Routing(AAR)コーリング サーチ スペースおよびグループ(AAR が設定されている場合)を再設定する必要があります。
デバイス モビリティに関するこれらの問題は、無線 IP Phone だけではなく、ロケーション間を移動するすべてのデバイスに当てはまります。これらのデバイスには、Cisco IP SoftPhone、Cisco IP Communicator、および 1 つの場所から別の場所に物理的に移動するすべての Cisco ハードウェア IP Phone が含まれます。
最後に、デバイス モビリティに関するこれらの問題は、集中型と分散型の両方のコール処理配置に影響します。
ビデオ エンドポイント
Cisco Unified CallManager Release 5.0 は、次のタイプのビデオ対応エンドポイントをサポートしています。
• Skinny Client Control Protocol(SCCP)を実行している Cisco Unified IP Phone 7940、7941、7960、7961、7970、または 7971 に関連付けられた Cisco Unified Video Advantage
• Cisco IP Video Phone 7985
• SCCP を実行している Tandberg 社製 2000 MXP、1500 MXP、1000 MXP、770 MXP、550 MXP、T-1000、または T-550 モデル
• SCCP を実行している Sony 社製 PCS-1、PCS-TL30、または PCS-TL50 モデル
• H.323 および SIP クライアント(Polycom、Sony、PictureTel、EyeBeam、Tandberg、VCON、VTEL、Microsoft NetMeeting など)
SCCP ビデオ エンドポイント
SCCP ビデオ エンドポイントは、Cisco Unified CallManager に直接登録し、Trivial File Transfer Protocol(TFTP)でその設定をダウンロードします。サポートされる多くの機能および補足サービスとしては、保留、転送、会議、パーク、ピックアップとグループ ピックアップ、Music On Hold、シェアドライン アピアランス、マッピング可能ソフトキー、自動転送(busy、no answer、unconditional)などがあります。
Cisco Unified Video Advantage
Cisco Unified Video Advantage は、Windows 2000 または Windows XP パーソナル コンピュータにインストール可能な Windows ベースのアプリケーションと USB カメラで構成されています。Skinny Client Control Protocol を実行している Cisco Unified IP Phone 7940、7941、7960、7961、7970、または 7971 の PC ポートに PC を物理的に接続すると、Cisco Unified Video Advantage アプリケーションは電話機と「アソシエーション」を行い、それによってユーザはいつもの電話操作が可能になり、ビデオ機能も追加されます。
システム管理者は、このアソシエーションをどの IP Phone に許可するかを制御するために、Cisco Unified CallManager Administration の IP Phone 設定ページで Video Capabilities: Enabled/Disabled 設定の切り替えを行います。この機能を有効にすると、カメラを表すアイコンが IP Phone ディスプレイの右下に表示されます。デフォルトでは、Cisco Unified Video Advantage は無効になっています。Bulk Administration Tool を使用すると、この設定を多数の電話機で一度に修正することもできます。注意する点としては、Cisco Unified Video Advantage が動作するには PC Port: Enabled/Disabled 設定も有効にする必要がありますが、 PC Access to Voice VLAN 設定を有効にする必要はありません。
上記のアソシエーションのために、Cisco Unified Video Advantage は Cisco Discovery Protocol(CDP; シスコ検出プロトコル)ドライバを PC のイーサネット インターフェイスにインストールします。CDP を使用すると、PC と IP Phone は相互に自動検出できるようになります。このため、Cisco Unified Video Advantage を動作させるために、ユーザは PC または IP Phone 上で何も設定する必要はありません。したがって、ユーザがビデオ対応 IP Phone に PC を差し込めば、自動的にアソシエーションが行われます(図19-4 を参照)。
(注) Cisco Unified Video Advantage をインストールすると、CDP パケット ドライバが PC のすべてのイーサネット インターフェイスにインストールされます。新しい Network Interface Card(NIC; ネットワーク インターフェイス カード)を追加するか、古い NIC を新しいものと置き換えたときは、Cisco Unified Video Advantage を再インストールして、CDP ドライバが新しい NIC にもインストールされるようにしてください。
図19-4 Cisco Unified Video Advantage の動作の概要
Cisco Unified Video Advantage を使用したコールの発信では、オーディオは IP Phone で処理されますが、ビデオは PC で処理されます。2 台のデバイス間に同期メカニズムが存在しないため、ジッタ、遅延、断片化パケット、および不良パケットを最小限に抑えるために QoS が不可欠です。
IP Phone は音声 VLAN 内に存在しますが、PC はデータ VLAN 内に存在します。つまり、アソシエーションが行われるために、レイヤ 3 のルーティング パスが音声 VLAN とデータ VLAN の間に必要です。これらの VLAN の間に Access Control List(ACL; アクセス コントロール リスト)またはファイアウォールがある場合は、アソシエーション プロトコル(両方向で TCP ポート 4224 を使用)の通過を許可するように設定する必要があります。
Cisco Unified Video Advantage は、Differentiated Services Code Point(DSCP)によるトラフィックの分類をサポートしています。Cisco Unified CallManager は、電話機に送信する SCCP メッセージに DSCP 値を指定します。オーディオのみのコールの発信時に IP Phone は、SCCP 制御トラフィックに DSCP CS3、オーディオ RTP メディア トラフィックに DSCP EF とマーキングします。ただし、ビデオ コールの発信時には、IP Phone は SCCP 制御トラフィックに DSCP CS3、オーディオ RTP メディア トラフィックに DSCP AF41 とマーキングし、Cisco Unified Video Advantage アプリケーションからはビデオ RTP メディア トラフィックにも DSCP AF41 とマーキングされます。IP Phone と Cisco Unified Video Advantage アプリケーションの両方が「アソシエーション」プロトコル メッセージに DSCP CS3 とマーキングするのは、それがシグナリング トラフィックであると考慮され、SCCP など、他のすべてのシグナリング トラフィックと一緒にグループ分けされるためです。
(注) Cisco Unified CallManager Release 4.0 では、Cisco Unified IP Phone 7970 および 7971 にセキュリティ機能が追加されました。これによって、Transport Layer Security(TLS)および Secure RTP(SRTP)を使用して、シグナリング トラフィックとオーディオ メディア トラフィックの認証と暗号化が可能です。アソシエーション プロトコルでは、この認証または暗号化が使用されることはなく、ビデオ RTP メディア ストリームが暗号化されることもありません。ただし、SCCP シグナリングとオーディオ RTP メディア ストリームは、暗号化が設定されていれば暗号化されます。
(注) 音声 VLAN をデータ VLAN と同じ設定にしないでください。接続に問題が起きる可能性があります。
考慮すべき点として、Cisco Unified Video Advantage は、PC 上で実行する他のアプリケーションと同様に、システム パフォーマンスに実際に影響します。Cisco Unified Video Advantage は、H.263 と Cisco VT Camera ワイドバンド ビデオ コーデックという、2 タイプのビデオ コーデックをサポートしています。Cisco VT Camera ワイドバンド ビデオ コーデックでは、PC への要求が最少になりますが、ネットワークへの要求は最多になります。H.263 では、ネットワークへの要求が最少になりますが、PC への要求は最多になります。したがって、利用可能な帯域幅がネットワークに豊富にある場合は、Cisco VT Camera ワイドバンド ビデオ コーデックを使用すると PC 上で CPU およびメモリ リソースを節約できます。
H.263 コーデックは、最高 1.5 Mbps までの範囲をサポートしています。要約すると、Cisco Unified Video Advantage を配置するときに、お客様が PC パフォーマンスとネットワーク使用率のバランスをとる必要があります。
システム要件
PC 要件の詳細については、次の Web サイトで入手可能な『 Cisco Unified Video Advantage Data Sheet 』を参照してください。
http://www.cisco.com/warp/public/cc/pd/nemnsw/callmn/prodlit/vtadv_ds.htm
Cisco IP Video Phone 7985G
Cisco IP Video Phone 7985G は、パーソナル デスクトップ ビデオ電話機です。PC 上で実行するアプリケーションである Cisco Unified Video Advantage とは異なり、Cisco IP Video Phone 7985G は、ビデオ機能が統合された独立型の電話機です。この電話機は、ビデオ コールの発信用に 8.4 インチのカラー LCD 画面とビデオ カメラを備えています。最高 8 つのライン アピアランスをサポートし、2 つの 10/100 Base-T イーサネット接続と、Directories、Messages、Settings、および Services の各ボタンを備えています。他の Cisco Unified IP Phone と同様に、Cisco IP Video Phone 7985G は CDP を使用して VLAN および CoS の情報を接続スイッチから取得し、802.1p/q マーキングで使用します。
Cisco Unified Video Advantage および Cisco IP Video Phone 7985G でサポートされているコーデック
表19-4 は、Cisco Unified Video Advantage と Cisco IP Video Phone 7985G でサポートされるコーデックをリストしています。
表19-4 Cisco Unified Video Advantage と Cisco IP Video Phone 7985G でサポートされるコーデック
|
Cisco Unified Video Advantage
|
Cisco IP Video Phone 7985G
|
H.264 |
なし |
あり |
H.263 |
あり |
あり |
H.261 |
なし |
あり |
G.711 |
あり |
あり |
G.722 |
なし |
あり |
G.722.1 |
なし |
なし |
G.723.1 |
なし |
なし |
G.728 |
なし |
なし |
G.729 |
あり |
あり |
Cisco Wideband |
あり |
なし |
最高帯域幅 |
7 Mbps |
768 Kbps |
ビデオ解像度 |
CIF、QCIF |
NTSC:4SIF、SIF PAL:4CIF、QCIF、SQCIF |
サードパーティ製 SCCP ビデオ エンドポイント
ビデオ エンドポイントの 2 つの製造業者である Sony社 と Tandberg社 は現在、次の製品で Cisco Skinny Client Control Protocol(SCCP)をサポートしています。
• Sony 社製 PCS-1 および PCS-TL50
• Tandberg 社製 T-1000 および T-550
Sony 社製と Tandberg 社製の両方のエンドポイントでの SCCP は、Cisco Unified IP Phone 7940 での SCCP に従ってモデル化されています。複数のライン アピアランス、ソフトキー、およびボタン(Directories、Messages、Settings、Services)など、Cisco Unified IP Phone 7940 ユーザ インターフェイスにある機能のほとんどが、Sony 社製エンドポイントと Tandberg 社製エンドポイントでもサポートされています。Sony 社製と Tandberg 社製のエンドポイントは、TFTP サーバの IP アドレス検出用に DHCP の Option 150 フィールドもサポートし、TFTP サーバから設定をダウンロードします。ただし、Sony 社製および Tandberg 社製のエンドポイントのソフトウェア アップグレードは、TFTP を介しては行われません。代わりに、ベンダーから提供されるツールを使用して、お客様が各エンドポイントを手動でアップグレードする必要があります(Tandberg 社製では FTP による方法が使用され、Sony 社製では FTP または物理メモリ スティックが使用されます)。Sony 社製および Tandberg 社製のエンドポイントは、最大で 3 台の Cisco Unified CallManager サーバに登録され、1 次サーバが通信不能になったときに、2 次サーバまたは 3 次サーバにフェールオーバーします。
Sony 社製および Tandberg 社製のエンドポイントは Cisco Unified IP Phone 7940 および 7960 のソフトキー機能と類似したソフトキー機能をサポートしていますが、実際の機能サポートはベンダーおよびモデルによって異なります。サポートされる機能については、製造業者のマニュアルで確認してください。現在、一部のプラットフォーム上にない機能として、次のものがあります。
• Messages ボタン
• Directories ボタン(発信コール、受信コール、不在コール、および社内ディレクトリ)
• Settings ボタンと Services ボタン
• 一部の XML サービス(エクステンション モビリティや Berbee InformaCast など)
Sony 社製および Tandberg 社製のエンドポイントは SCCP を使用するため、エンドポイントでのビデオ コールのダイヤルは、Cisco Unified IP Phone でのオーディオ コールのダイヤルと似ています。Cisco Unified IP Phone に慣れているユーザであれば、Sony 社製および Tandberg 社製のエンドポイントも直感的に使いこなせるはずです。ユーザ インターフェイスの主な相違点は、Sony 社製および Tandberg 社製のエンドポイントに電話機のようなボタン キーパッドや受話器がないことです。代わりに、リモート コントロールを使用して機能にアクセスし、番号をダイヤルします。
(注) Sony 社製および Tandberg 社製のエンドポイントは、Cisco Discovery Protocol(CDP)または IEEE 802.Q/p をサポートしていません。したがって、その接続先のイーサネット スイッチで、VLAN ID および Quality of Service の信頼境界を手動で設定する必要があります(詳細については、「ネットワーク インフラストラクチャ」を参照してください)。
Sony 社製と Tandberg 社製の SCCP エンドポイントでサポートされているコーデック
サードパーティ製 SCCP エンドポイントのコーデック サポートは、ベンダー、モデル、およびソフトウェア バージョンによって異なります。サポートされるコーデックについては、ベンダーの製品マニュアルで確認してください。
QoS の推奨事項
この項では、IP テレフォニー エンドポイントで配置される一般的な Cisco Catalyst スイッチでの、基本的な QoS ガイドラインおよび設定について説明します。詳細については、次の Web サイトで入手可能な『 Quality of Service 』を参照してください。
http://www.cisco.com/go/srnd
Cisco VG224 および VG248
アナログ ゲートウェイは、信頼できるエンドポイントです。Cisco VG224 および VG248 ゲートウェイの場合、VG248 パケットの DSCP 値を信頼するようにスイッチを設定します。ここでは、Cisco VG224 および VG248 アナログ ゲートウェイで配置される一般的な Cisco Catalyst スイッチを設定するためのコマンドをリストします。
(注) 次の項では、vvlan_id は Voice VLAN ID を表し、dvlan_id はデータ VLAN ID を表します。
Cisco 2950
CAT2950(config)#interface interface-id
CAT2950(config-if)#mls qos trust dscp
CAT2950(config-if)#switchport mode access
CAT2950(config-if)#switchport access vlan vvlan_id
(注) mls qos trust dscp コマンドは、Enhanced Image(EI)でのみ使用できます。
Cisco 2970 または 3750
CAT2970(config)interface interface-id
CAT2970(config-if)#mls qos trust dscp
CAT2970(config-if)#switchport mode access
CAT2970(config-if)#switchport access vlan vvlan_id
Cisco 3550
CAT3550(config)interface interface-id
CAT3550(config-if)#mls qos trust dscp
CAT3550(config-if)#switchport mode access
Cat3550(config-if)#switchport access vlan vvlan_id
Cisco 4500(SUPIII、IV、または V 使用)
CAT4500(config)interface interface-id
CAT4500(config-if)#qos trust dscp
CAT4500(config-if)#switchport mode access
CAT4500(config-if)#switchport access vlan vvlan_id
Cisco 6500
CAT6500>(enable)set qos enable
CAT6500>(enable)set port qos 2/1 vlan-based
CAT6500>(enable)set vlan vvlan_id mod/port
CAT6500>(enable)set port qos mod/port trust trust-dscp
Cisco ATA 186 および IP Conference Station
Cisco Analog Telephone Adaptor(ATA)186 および IP Conference Station は、信頼されているエンドポイントであるため、それらの QoS 設定は、「Cisco VG224 および VG248」の項で説明されている設定とまったく同じです。
Cisco ATA 188 および IP Phone
Cisco Analog Telephone Adaptor(ATA)188 および IP Phone の場合、Voice VLAN をデータ VLAN から分離することをお勧めします。Cisco ATA 186、7902、7905、7910、および IP Conference Station の場合は、従来どおり、Voice VLAN とデータ VLAN を分離することと、Auxiliary VLAN を設定することをお勧めします。これにより、同じアクセスレイヤの設定を、異なる IP Phone モデルや ATA に使用できます。またエンドユーザは、IP Phone または ATA を、スイッチ上の異なるアクセス ポートに接続して、同じ処理を受けることができます。Cisco ATA 186、7902、7905、7910、および IP Conference Station の場合、これらのデバイスは PC に接続されていないので、接続された PC からのフレームの CoS 値を上書きするためのコマンドは何の効果もありません。
次の項では、一般的に配置されている Cisco Catalyst スイッチ上の IP Phone に対して実行できる設定コマンドをリストします。
Cisco 2950
CAT2950(config)#class-map VVLAN
CAT2950(config-cmap)# match access-group name VVLAN
CAT2950(config-cmap)#class-map VLAN
CAT2950(config-cmap)# match access-group name DVLAN
CAT2950(config-cmap)#exit
CAT2950(config)#policy-map IPPHONE-PC
CAT2950(config-pmap)# class VVLAN
CAT2950(config-pmap-c0# set ip dscp 46
CAT2950(config-pmap-c)# police 1000000 8192 exceed-action-drop
CAT2950(config-pmap)# class DVLAN
CAT2950(config-pmap-c0# set ip dscp 0
CAT2950(config-pmap-c)# police 5000000 8192 exceed-action-drop
CAT2950(config-pmap-c)#exit
CAT2950(config-pmap)#exit
CAT2950(config)#interface interface-id
CAT2950(config-if)#mls qos trust device cisco-phone
CAT2950(config-if)#mls qos trust cos
CAT2950(config-if)#switchport mode access
CAT2950(config-if)#switchport voice vlan vvlan_id
CAT2950(config-if)#switchport access vlan dvlan_id
CAT2950(config-if)#service-policy input IPPHONE-PC
CAT2950(config)#ip access-list standard VVLAN
CAT2950(config-std-nacl)# permit voice_IP_subnet wild_card_mask
CAT2950(config-std-nacl)#exit
CAT2950(config)#ip access-list standard DVLAN
CAT2950(config-std-nacl)# permit data_IP_subnet wild_card_mask
CAT2950(config-std-nacl)#end
(注) mls qos map cos-dscp コマンドは、Enhanced Image(EI)でのみ使用できます。Standard Image(SI)では、このコマンドを使用できません。CoS から DSCP へのデフォルトのマッピングは、次のとおりです。
Cos 値 |
0 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
DSCP 値 |
0 |
8 |
16 |
24 |
32 |
40 |
48 |
56 |
Cisco 2970 または 3750
CAT2970(config)# mls qos map cos-dscp 0 8 16 24 34 46 48 56
CAT2970(config)# mls qos map policed-dscp 0 24 to 8
CAT2970(config)#class-map match-all VVLAN-VOICE
CAT2970(config-cmap)# match access-group name VVLAN-VOICE
CAT2970(config-cmap)#class-map match-all VVLAN-CALL-SIGNALING
CAT2970(config-cmap)# match access-group name VVLAN-CALL-SIGNALING
CAT2970(config-cmap)#class-map match-all VVLAN-ANY
CAT2970(config-cmap)# match access-group name VVLAN-ANY
CAT2970(config-cmap)# policy-map IPPHONE-PC
CAT2970(config-pmap)#class VVLAN-VOICE
CAT2970(config-pmap-c)# set ip dscp 46
CAT2970(config-pmap-c)# police 128000 8000 exceed-action drop
CAT2970(config-pmap-c)# class VVLAN-CALL-SIGNALING
CAT2970(config-pmap-c)# set ip dscp 24
CAT2970(config-pmap-c)# police 32000 8000 exceed-action policed-dscp-transmit
CAT2970(config-pmap-c)# class VVLAN-ANY
CAT2970(config-pmap-c)# set ip dscp 0
CAT2970(config-pmap-c)# police 32000 8000 exceed-action policed-dscp-transmit
CAT2970(config-pmap-c)# class class-default
CAT2970(config-pmap-c)# set ip dscp 0
CAT2970(config-pmap-c)# police 5000000 8000 exceed-action policed-dscp-transmit
CAT2970(config-pmap-c)# exit
CAT2970(config-pmap)# exit
CAT2970(config)#interface interface-id
CAT2970(config-if)# switchport voice vlan vvlan_id
CAT2970(config-if)# switchport access vlan dvlan_id
CAT2970(config-if)# mls qos trust device cisco-phone
CAT2970(config-if)# service-policy input IPPHONE-PC
CAT2970(confiig)#ip access list extended VVLAN-VOICE
CAT2970(config-ext-nacl)# permit udp Voice_IP_Subnet Subnet_Mask any range 16384 32767 dscp ef
CAT2970(config-ext-nacl)# exit
CAT2970(config)#ip access list extended VVLAN-CALL-SIGNALING
CAT2970(config-ext-nacl)# permit tcp Voice_IP_Subnet Subnet_Mask any range 2000 2002 dscp cs3
CAT2970(config-ext-nacl)# permit tcp Voice_IP_Subnet Subnet_Mask any range 2000 2002 dscp
CAT2970(config-ext-nacl)# permit udp Voice_IP_Subnet Subnet_Mask any eq 5060 dscp cs3
CAT2970(config-ext-nacl)# permit tcp Voice_IP_Subnet Subnet_Mask any range 5060 5061 dscp cs3
CAT2970(config-ext-nacl)# exit
CAT2970(config)#ip access list extended VVLAN-ANY
CAT2970(config-ext-nacl)# permit ip Voice_IP_Subnet Subnet_Mask any
CAT2970(config-ext-nacl)# end
Cisco 3550
CAT3550(config)# mls qos map cos-dscp 0 8 16 24 34 46 48 56
CAT3550(config)# mls qos map policed-dscp 0 24 26 46 to 8
CAT3550(config)#class-map match-all VOICE
CAT3550(config-cmap)# match ip dscp 46
CAT3550(config-cmap)#class-map match-any CALL SIGNALING
CAT3550(config-cmap)# match ip dscp 26
CAT3550(config-cmap)# match ip dscp 24
CAT3550(config-cmap)#class-map match-all VVLAN-VOICE
CAT3550(config-cmap)# match vlan vvlan_id
CAT3550(config-cmap)# match class-map VOICE
CAT3550(config-cmap)#class-map match-all VVLAN-CALL-SIGNALING
CAT3550(config-cmap)# match vlan vvlan_id
CAT3550(config-cmap)# match class-map CALL SIGNALING
CAT3550(config-cmap)#class-map match-all ANY
CAT3550(config-cmap)# match access-group name ACL_Name
CAT3550(config-cmap)# class-map match-all VVLAN-ANY
CAT3550(config-cmap)# match vlan vvlan_id
CAT3550(config-cmap)# match class-map ANY
CAT3550(config-cmap)#class-map match-all DVLAN-ANY
CAT3550(config-cmap)# match vlan dvlan_id
CAT3550(config-cmap)# match class-map ANY
CAT3550(config-cmap)#policy-map IPPHONE-PC
CAT3550(config-pmap)# class VVLAN-VOICE
CAT3550(config-pmap-c)# set ip dscp 46
CAT3550(config-pmap-c)# police 128000 8000 exceed-action drop
CAT3550(config-pmap-c)#class VVLAN-CALL-SIGNALING
CAT3550(config-pmap-c)# set ip dscp 24
CAT3550(config-pmap-c)# police 32000 8000 exceed-action policed-dscp-transmit
CAT3550(config-pmap-c)#class VVLAN-ANY
CAT3550(config-pmap-c)# set ip dscp 0
CAT3550(config-pmap-c)# police 32000 8000 exceed-action policed-dscp-transmit
CAT3550(config-pmap-c)#class DVLAN-VOICE
CAT3550(config-pmap-c)# set ip dscp 0
CAT3550(config-pmap-c)# police 5000000 8000 exceed-action policed-dscp-transmit
CAT3550(config-pmap-c)#exit
CAT3550(config-pmap)#exit
CAT3550(config)#interface interface-id
CAT3550(config-if)# switchport voice vlan vvlan_id
CAT3550(config-if)# switchport access vlan dvlan_id
CAT3550(config-if)# mls qos trust device cisco-phone
CAT3550(config-if)# service-policy input IPPHONE-PC
CAT3550(confiig)#ip access list standard ACL_ANY
CAT3550(config-std-nacl)# permit any
CAT3550(config-std-nacl)# end
Cisco 4500(SUPIII、IV、または V 使用)
CAT4500(config)# qos map cos 5 to dscp 46
CAT4500(config)# qos map cos 0 24 26 46 to dscp 8
CAT4500(config)#class-map match-all VVLAN-VOICE
CAT4500(config-cmap)# match access-group name VVLAN-VOICE
CAT4500(config-cmap)#class-map match-all VVLAN-CALL-SIGNALING
CAT4500(config-cmap)# match access-group name VVLAN-CALL-SIGNALING
CAT4500(config-cmap)#class-map match-all VVLAN-ANY
CAT4500(config-cmap)# match access-group name VVLAN-ANY
CAT4500(config-cmap)# policy-map IPPHONE-PC
CAT4500(config-pmap)#class VVLAN-VOICE
CAT4500(config-pmap-c)# set ip dscp 46
CAT4500(config-pmap-c)# police 128 kps 8000 byte exceed-action drop
CAT4500(config-pmap-c)# class VVLAN-CALL-SIGNALING
CAT4500(config-pmap-c)# set ip dscp 24
CAT4500(config-pmap-c)# police 32 kps 8000 byte exceed-action policed-dscp-transmit
CAT4500(config-pmap-c)# class VVLAN-ANY
CAT4500(config-pmap-c)# set ip dscp 0
CAT4500(config-pmap-c)# police 32 kps 8000 byte exceed-action policed-dscp-transmit
CAT4500(config-pmap-c)# class class-default
CAT4500(config-pmap-c)# set ip dscp 0
CAT4500(config-pmap-c)# police 5 mpbs 8000 byte exceed-action policed-dscp-transmit
CAT4500(config-pmap-c)# exit
CAT4500(config-pmap)# exit
CAT4500(config)#interface interface-id
CAT4500(config-if)# switchport voice vlan vvlan_id
CAT4500(config-if)# switchport access vlan dvlan_id
CAT4500(config-if)# qos trust device cisco-phone
CAT4500(config-if)# service-policy input IPPHONE-PC
CAT4500(confiig)#ip access list extended VVLAN-VOICE
CAT4500(config-ext-nacl)# permit udp Voice_IP_Subnet Subnet_Mask any range 16384 32767 dscp ef
CAT4500(config-ext-nacl)# exit
CAT4500(config)#ip access list extended VVLAN-CALL-SIGNALING
CAT4500(config-ext-nacl)# permit tcp Voice_IP_Subnet Subnet_Mask any range 2000 2002 dscp cs3
CAT4500(config-ext-nacl)# permit tcp Voice_IP_Subnet Subnet_Mask any range 2000 2002 dscp
CAT4500(config-ext-nacl)# permit udp Voice_IP_Subnet Subnet_Mask any eq 5060 dscp cs3
CAT4500(config-ext-nacl)# permit tcp Voice_IP_Subnet Subnet_Mask any range 5060 5061 dscp cs3
CAT4500(config-ext-nacl)# exit
CAT4500(config)#ip access list extended VVLAN-ANY
CAT4500(config-ext-nacl)# permit ip Voice_IP_Subnet Subnet_Mask any
CAT4500(config-ext-nacl)# end
Cisco 6500
CAT6500> (enable) set qos cos-dscp-map 0 8 16 24 32 46 48 56
CAT6500> (enable) set qos policed-dscp-map 0, 24, 26, 46:8
CAT6500> (enable) set qos policer aggregate VVLAN-VOICE rate 128 burst 8000 drop
CAT6500> (enable) set qos policer aggregate VVLAN-CALL-SIGNALING rate 32 burst 8000 policed-dscp
CAT6500> (enable) set qos policer aggregate VVLAN-ANY rate 5000 burst 8000 policed-dscp
CAT6500> (enable) set qos policer aggregate PC-DATA rate 5000 burst 8000 policed-dscp
CAT6500> (enable) set qos acl ip IPPHONE-PC dscp 46 aggregate VVLAN-VOICE udp Voice_IP_Subnet Subnet_Mask any range 16384 32767
CAT6500> (enable) set qos acl ip IPPHONE-PC dscp 24 aggregate VVLAN-CALL-SIGNALING tcp Voice_IP_Subnet Subnet_Mask any range 2000 2002
CAT6500> (enable) set qos acl ip IPPHONE-PC dscp 24 aggregate VVLAN-CALL-SIGNALING tcp Voice_IP_Subnet Wildcard_bits any range 5060 5061
CAT6500> (enable) set qos acl ip IPPHONE-PC dscp 24 aggregate VVLAN-CALL-SIGNALING udp Voice_IP_Subnet Wildcard_bits any eq 5060
CAT6500> (enable) set qos acl ip IPPHONE-PC dscp 0 aggregate VVLAN-ANY Voice_IP_Subnet Subnet_Mask any
CAT6500> (enable) set qos acl ip IPPHONE-PC dscp 0 aggregate PC-DATA any
CAT6500> (enable) commit qos acl IPPHONE-PC
CAT6500> (enable) set vlan vvlan_id mod/port
CAT6500> (enable) set port qos mod/port trust-device ciscoipphone
CAT6500> (enable) set qos acl map IPPHONE-PC mod/port
ソフトウェアベースのエンドポイント
Cisco IP SoftPhone および IP Communicator は、それぞれシグナリング パケットおよびメディア パケットをマーキングしますが、Cisco IP SoftPhone または IP Communicator を実行している PC から、パケットの DSCP 値を再度マーキングするようにお勧めします。その PC は、ネットワーク上で信頼されているデバイスではないからです。メディア パケット用の UDP(ユーザ データグラム プロトコル)ポート(16384~32767)の全範囲を使用する代わりに、特定の UDP ポートを使用するように Cisco IP Softphone と IP Communicator を設定できます。
Cisco IP SoftPhone の場合、 Network Audio Settings > Audio Output Port で UDP ポートとポート範囲を指定できます。Cisco IP Communicator の場合、次のいずれかのオプションを使用して UDP ポートを指定できます。
• IP Communicator 設定ページの製品固有のセクションで、 RTP Port Range Start および RTP Port Range End を指定します。
• Preferences > Audio Settings > Network > Port Range を選択し、ポート範囲を指定します。
両方のオプションを使用して UDP ポートおよびポート範囲を設定する場合、2 番目のオプションでの設定値の方が 1 番目のオプションより優先されます。
次の項では、一般的に配置されている Cisco Catalyst スイッチ上の Cisco IP SoftPhone および IP Communicator に対して実行できる QoS 設定コマンドをリストします。
Cisco 2950(Enhanced Image 対応)
Cisco Catalyst 2950 シリーズ スイッチを、ソフトウェアベースのエンドポイント QoS の実装で使用することは推奨されていません。原因は、次の 2 つの制限です。
• Cisco 2950 では、 range キーワードを使用して ACL 設定内で UDP ポート範囲を指定することはサポートされていません。この制限の回避策は、前の項で説明した方法で、使用する Cisco IP SoftPhone 用の単一の静的 UDP ポートを設定することです。
• Cisco 2950 は、FastEthernet ポートで 1 Mbps の増分のみサポートしています。これにより、許可されていないネットワーク トラフィックにかなり大きなホールが発生し、コール シグナリングまたはメディアの模倣が発生することがあります。
Cisco 2970 または 3750
CAT2970 (config) #mls qos
CAT2970 (config) #mls qos map policed-dscp 0 24 26 46 to 8
CAT2970 (config) #class-map match-all SOFTPHONE-VOICE
CAT2970 (config-cmap) # match access-group name SOFTPHONE-VOICE
CAT2970 (config-cmap) #class-map match-all SOFTPHONE-SIGNALING
CAT2970 (config-cmap) # match access-group name SOFTPHONE-SIGNALING
CAT2970 (config-cmap) #exit
CAT2970 (config) #policy-map SOFTPHONE-PC
CAT2970 (config-pmap-c) #class SOFTPHONE-VOICE
CAT2970 (config-pmap-c) # set ip dscp 46
CAT2970 (config-pmap-c) # police 128000 8000 exceed-action policed-dscp-transmit
CAT2970 (config-pmap-c) #class SOFTPHONE-SIGNALING
CAT2970 (config-pmap-c) # set ip dscp 24
CAT2970 (config-pmap-c) # police 32000 8000 exceed-action policed-dscp-transmit
CAT2970 (config-pmap-c) #class class-default
CAT2970 (config-pmap-c) # set ip dscp 0
CAT2970 (config-pmap-c) # police 5000000 8000 exceed-action policed-dscp transmit
CAT2970 (config-pmap-c) # exit
CAT2970 (config-pmap) #exit
CAT2970 (config) #interface FastEthernet interface-id
CAT2970 (config-if) # switchport access vlan vvlan_id
CAT2970 (config-if) # switchport mode access
CAT2970 (config-if) # service-policy input SOFTPHONE-PC
CAT2970 (config-if) # exit
CAT2970 (config) #ip access list extended SOFTPHONE-VOICE
CAT2970 (config-ext-nacl) # permit udp host PC_IP_address eq fixed_port_number any
CAT2970 (config-ext-nacl) # exit
CAT2970(config)#ip access-list extended SOFTPHONE-SIGNALING
CAT2970(config-ext-nacl)# permit tcp host PC_IP_address host CallManager_IP_address eq 2748 or 2000
CAT2970(config-ext-nacl)# exit
Cisco 3550
CAT3550 (config) #mls qos
CAT3550 (config) #mls qos map policed-dscp 0 24 26 46 to 8
CAT3550 (config) #class-map match-all SOFTPHONE-VOICE
CAT3550 (config-cmap) # match access-group name SOFTPHONE-VOICE
CAT3550 (config-cmap) #class-map match-all SOFTPHONE-SIGNALING
CAT3550 (config-cmap) # match access-group name SOFTPHONE-SIGNALING
CAT3550 (config-cmap) #exit
CAT3550 (config) #policy-map SOFTPHONE-PC
CAT3550 (config-pmap-c) #class SOFTPHONE-VOICE
CAT3550 (config-pmap-c) # set ip dscp 46
CAT3550 (config-pmap-c) # police 128000 8000 exceed-action policed-dscp-transmit
CAT3550 (config-pmap-c) #class SOFTPHONE-SIGNALING
CAT3550 (config-pmap-c) # set ip dscp 24
CAT3550 (config-pmap-c) # police 32000 8000 exceed-action policed-dscp-transmit
CAT3550 (config-pmap-c) #class class-default
CAT3550 (config-pmap-c) # set ip dscp 0
CAT3550 (config-pmap-c) # police 5000000 8000 exceed-action policed-dscp transmit
CAT3550 (config-pmap-c) # exit
CAT3550 (config-pmap) #exit
CAT3550 (config) #interface FastEthernet interface-id
CAT3550 (config-if) # switchport access vlan vvlan_id
CAT3550 (config-if) # switchport mode access
CAT3550 (config-if) # service-policy input SOFTPHONE-PC
CAT3550 (config-if) # exit
CAT3550 (config) #ip access list extended SOFTPHONE-VOICE
CAT3550 (config-ext-nacl) # permit udp host PC_IP_address eq fixed_port_number any
CAT3550 (config-ext-nacl) # exit
CAT3550(config)#ip access-list extended SOFTPHONE-SIGNALING
CAT3550(config-ext-nacl)# permit tcp host PC_IP_address host CallManager_IP_address eq 2748 or 2000
CAT3550(config-ext-nacl)# exit
Cisco 4500(SUPIII、IV、または V 使用)
CAT4500(config) #qos map policed-dscp 0 24 26 46 to 8
CAT4500(config) #class-map match-all SOFTPHONE-VOICE
CAT4500(config-cmap) # match access-group name SOFTPHONE-VOICE
CAT4500(config-cmap) #class-map match-all SOFTPHONE-SIGNALING
CAT4500(config-cmap) # match access-group name SOFTPHONE-SIGNALING
CAT4500(config-cmap) #exit
CAT4500(config) #policy-map SOFTPHONE-PC
CAT4500(config-pmap-c) #class SOFTPHONE-VOICE
CAT4500(config-pmap-c) # set ip dscp EF
CAT4500(config-pmap-c) # police 128 kps 8000 byte exceed-action policed-dscp-transmit
CAT4500(config-pmap-c) #class SOFTPHONE-SIGNALING
CAT4500(config-pmap-c) # set ip dscp CS3
CAT4500(config-pmap-c) # police 32000 kps 8000 byte exceed-action policed-dscp-transmit
CAT4500(config-pmap-c) #class class-default
CAT4500(config-pmap-c) # set ip dscp default
CAT4500(config-pmap-c) # police 5 mpbs 8000 byte exceed-action policed-dscp transmit
CAT4500(config-pmap-c) # exit
CAT4500(config-pmap) #exit
CAT4500(config) #interface FastEthernet interface-id
CAT4500(config-if) # switchport access vlan vvlan_id
CAT4500(config-if) # switchport mode access
CAT4500(config-if) # service-policy input SOFTPHONE-PC
CAT4500(config-if) # exit
CAT4500(config) #ip access list extended SOFTPHONE-VOICE
CAT4500(config-ext-nacl) # permit udp host PC_IP_address eq fixed_port_number any
CAT4500(config-ext-nacl) # exit
CAT4500(config)#ip access-list extended SOFTPHONE-SIGNALING
CAT4500(config-ext-nacl)# permit tcp host PC_IP_address host CallManager_IP_address eq 2748 or 2000
CAT4500(config-ext-nacl)# exit
Cisco 6500
CAT6500> (enable) set qos enable
CAT6500> (enable) set qos policed-dscp-map 0, 24, 26, 46:8
CAT6500> (enable) set qos policer aggregate SOFTPHONE-VOICE rate 128 burst 8000 policed-dscp
CAT6500> (enable) set qos policer aggregate SOFTPHONE-SIGNALING rate 32 burst 8000 policed-dscp
CAT6500> (enable) set qos policer aggregate PC-DATA rate 5000 burst 8000 policed-dscp
CAT6500> (enable) set qos acl ip SOFTPHONE-PC dscp 46 aggregate SOFTPHONE-VOICE udp host PC_IP_address eq fixed_port_number any
CAT6500> (enable) set qos acl ip SOFTPHONE-PC dscp 24 aggregate SOFTPHONE-SIGNALING tcp host PC_IP_address host CallManager_IP_address eq 2748 or 2000
CAT6500> (enable) set qos acl ip SOFTPHONE-PC dscp 0 aggregate PC-DATA any
CAT6500> (enable) commit qos acl SOFTPHONE-PC
CAT6500> (enable) set vlan vvlan_id mod/port
CAT6500> (enable) set port qos mod/port trust untrusted
CAT6500> (enable) set qos acl map SOFTPHONE-PC mod/port
(注) DSCP の再マーキングは、レイヤ 3 対応のスイッチが行う必要があります。アクセス レイヤ スイッチ(Cisco Catalyst 2950 with Standard Image または Cisco 3524XL など)にこの機能がない場合、DSCP の再マーキングは分散レイヤ スイッチで行う必要があります。
Cisco Unified Wireless IP Phone 7920
デフォルトでは、Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 は、Per-Hop Behavior(PHB)値 CS3、または Differentiated Services Code Point(DSCP)値 24(ToS 値 0x60 に相当)を使用して SCCP シグナリング メッセージをマーキングし、PHB 値 EF、または DSCP 値 46(ToS 値 0xB8 に相当)を使用して RTP 音声パケットをマーキングします。AP でキューイングが正しく設定されており、アップストリームの最初のホップのスイッチが AP のポートを信頼するように設定されている場合、無線 IP Phone のトラフィックは、有線 IP Phone のトラフィックと同じように処理されます。この方法により、LAN と WLAN 環境で QoS 設定の一貫性を保つことができます。
さらに、Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 は、Cisco Discovery Protocol(CDP)を使用して、その存在を AP に自動的に伝えます。CDP パケットは無線 IP Phone から AP に送信され、これらのパケットにより電話機が特定されます。これにより、AP は、その IP Phone へのすべてのトラフィックを高プライオリティ キューに入れることができます。
通常、イーサネット スイッチ ポートは 100 Mbps での送受信が可能ですが、802.11b AP ではスループット レートがより低く、可能なデータ レートは最大で 11 Mbps です。さらに、無線 LAN は共有メディアであり、このメディアで発生するコンテンションが原因で、実際のスループットは大幅に低くなります。スループットにミスマッチがあることは、トラフィックのバースト時に AP でパケットがドロップされ、それが原因でプロセッサに過剰な負荷がかかりパフォーマンスが低下する可能性を示しています。
Cisco Catalyst 3550 および 6500 シリーズ スイッチのポリシングおよびレート制限を活用すると、AP へのトラフィックをレート制限またはポリシングするようにアップストリーム スイッチ ポートを設定することにより、AP が過剰なパケットをドロップする必要性をなくすことができます。次の項のスイッチ ポート設定は、ポートでの 802.11b のスループットを現実的な 7 Mbps にレート制限し、高優先度の音声および制御トラフィックのために 1 Mbps を確保します。また、設定例が示しているとおり、AP から送られるパケットは信頼されている必要があり、各パケットの VLAN タグに基づいて DSCP マーキングを保持またはダウンとマーキングする必要があります。このように、音声 VLAN 上の Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 が送信元であるパケットは、適切な DSCP マーキングを保持する必要があり、データ VLAN 上のデータ デバイスが送信元であるパケットは、DSCP 値 0 に再マーキングする必要があります。
Cisco 3550
CAT3550(config)#mls qos map cos-dscp 0 8 16 24 32 46 48 56
CAT3550(config)#mls qos map policed-dscp 24 46 to 8
CAT3550(config)#mls qos aggregate-policer AGG-POL-1M-VOICE-OUT 1000000 8000 exceed-action policed-dscp-transmit
CAT3550(config)#mls qos aggregate-policer AGG-POL-6M-DEFAULT-OUT 6000000 8000 exceed-action drop
CAT3550(config)#class-map match-all EGRESS-DSCP-0
CAT3550(config-cmap)#match ip dscp 0
CAT3550(config-cmap)#class-map match-all EGRESS-DSCP-8
CAT3550(config-cmap)#match ip dscp 8
CAT3550(config-cmap)#class-map match-all EGRESS-DSCP-16
CAT3550(config-cmap)#match ip dscp 16
CAT3550(config-cmap)#class-map match-all EGRESS-DSCP-32
CAT3550(config-cmap)#match ip dscp 32
CAT3550(config-cmap)#class-map match-all EGRESS-DSCP-48
CAT3550(config-cmap)#match ip dscp 48
CAT3550(config-cmap)#class-map match-all EGRESS-DSCP-56
CAT3550(config-cmap)#match ip dscp 56
CAT3550(config-cmap)#class-map match-all VOICE-SIGNALING
CAT3550(config-cmap)#match ip dscp 24
CAT3550(config-cmap)#class-map match-all VOICE
CAT3550(config-cmap)#match ip dscp 46
CAT3550(config-cmap)#class-map match-all INGRESS-DATA
CAT3550(config-cmap)#match any
CAT3550(config-cmap)#class-map match-all INGRESS-VVLAN-VOICE
CAT3550(config-cmap)#match vlan vvlan-id
CAT3550(config-cmap)#match class-map VOICE
CAT3550(config-cmap)#class-map match-all INGRESS-VVLAN-VOICE-SIGNALING
CAT3550(config-cmap)#match vlan vvlan-id
CAT3550(config-cmap)#match class-map VOICE-SIGNALING
CAT3550(config-cmap)#class-map match-all INGRESS-DVLAN
CAT3550(config-cmap)#match vlan dvlan-id
CAT3550(config-cmap)#match class-map INGRESS-DATA
CAT3550(config-cmap)#policy-map EGRESS-RATE-LIMITER
CAT3550(config-pmap)#class EGRESS-DSCP-0
CAT3550(config-pmap-c)#police aggregate AGG-POL-6M-DEFAULT-OUT
CAT3550(config-pmap-c)#class EGRESS-DSCP-8
CAT3550(config-pmap-c)#police aggregate AGG-POL-6M-DEFAULT-OUT
CAT3550(config-pmap-c)#class EGRESS-DSCP-16
CAT3550(config-pmap-c)#police aggregate AGG-POL-6M-DEFAULT-OUT
CAT3550(config-pmap-c)#class EGRESS-DSCP-32
CAT3550(config-pmap-c)#police aggregate AGG-POL-6M-DEFAULT-OUT
CAT3550(config-pmap-c)#class EGRESS-DSCP-48
CAT3550(config-pmap-c)#police aggregate AGG-POL-6M-DEFAULT-OUT
CAT3550(config-pmap-c)#class EGRESS-DSCP-56
CAT3550(config-pmap-c)#police aggregate AGG-POL-6M-DEFAULT-OUT
CAT3550(config-pmap-c)#class EGRESS-VOICE
CAT3550(config-pmap-c)#police aggregate AGG-POL-1M-VOICE-OUT
CAT3550(config-pmap-c)#class EGRESS-VOICE-SIGNALING
CAT3550(config-pmap-c)#police aggregate AGG-POL-1M-VOICE-OUT
CAT3550(config-pmap-c)#policy-map INGRESS-QOS
CAT3550(config-pmap)#class INGRESS-VVLAN-VOICE
CAT3550(config-pmap-c)#set ip dscp 46
CAT3550(config-pmap-c)#class INGRESS-VVLAN-CALL-SIGNALING
CAT3550(config-pmap-c)#set ip dscp 24
CAT3550(config-pmap-c)#class INGRESS-DVLAN
CAT3550(config-pmap-c)#set ip dscp 0
CAT3550(config-pmap-c)#class class-default
CAT3550(config-pmap-c)#set ip dscp 0
CAT3550(config-pmap-c)#interface interface id
CAT3550(config-if)#description 11Mb towards Wireless Access Point
CAT3550(config-if)#switchport access dvlan-id
CAT3550(config-if)#switchport voice vvlan-id
CAT3550(config-if)#mls qos trust dscp
CAT3550(config-if)#service-policy output EGRESS-RATE-LIMITER
CAT3550(config-if)#service-policy input INGRESS-QOS
Cisco 6500
CAT6500> (enable) set qos enable
CAT6500> (enable) set qos cos-dscp-map 0 8 16 24 32 46 48 56
CAT6500> (enable) set qos policed-dscp-map 24,46:8
CAT6500> (enable) set qos policer microflow VOICE-OUT rate 1000 burst 32 policed-dscp
CAT6500> (enable) set qos policer microflow DATA-OUT rate 6000 burst 32 drop
CAT6500> (enable) set qos acl ip AP-VOICE-EGRESS dscp 24 microflow VOICE-OUT ip any any dscp-field 24
CAT6500> (enable) set qos acl ip AP-VOICE-EGRESS dscp 46 microflow VOICE-OUT ip any any dscp-field 46
CAT6500> (enable) set qos acl ip AP-DATA-EGRESS dscp 0 microflow DATA-OUT ip any any
CAT6500> (enable) set qos acl ip AP-VOICE-INGRESS trust-dscp ip any any
CAT6500> (enable) set qos acl ip AP-DATA-INGRESS dscp 0 ip any any
CAT6500> (enable) set qos acl map AP-VOICE-EGRESS vvlan-id output
CAT6500> (enable) set qos acl map AP-DATA-EGRESS dvlan-id output
CAT6500> (enable) set qos acl map AP-VOICE-INGRESS vvlan-id input
CAT6500> (enable) set qos acl map AP-DATA-INGRESS dvlan-id input
CAT6500> (enable) set port qos mod/port vlan-based
CAT6500> (enable) set port qos mod/port trust trust-dscp
Cisco Unified Video Advantage と Cisco Unified IP Phone
ユーザの PC 上にある Cisco Unified Video Advantage アプリケーションは、DSCP を使用したビデオ トラフィックの分類をサポートし、レイヤ 3 でのみ分類を行えます。Cisco Unified Communications の設計上の現在のベスト プラクティスとしては、電話機が接続されたアップストリーム イーサネット スイッチを、電話機からの 802.1p CoS を信頼するように設定する必要があります。PC パケットは 802.1Q タグを持つ可能性が低いため、802.1p CoS ビットはサポートできません。このように PC が 802.1p をサポートしないため、次のオプションで Cisco Unified Video Advantage に QoS を実現できます。
オプション 1
現在の QoS モデルで信頼を IP Phone にまで広げた場合、ネットワークへの着信時に音声パケットとシグナリング パケットは正しくマーキングされます。ポートに UDP ポート 5445 と一致する ACL を追加すると、ビデオ メディア チャネルも PHB AF41 に分類されます。この ACL がないと、ビデオ メディアは Best Effort に分類されて、画像の品質低下やリップシンクの問題が起きます。同じ ACL を使用すると、TCP ポート 4224(CS3 と分類)を使用した、Cisco Unified Video Advantage PC と IP Phone 間の CAST 接続の照合も可能ですが、このことで得られる利点はほとんどありません。データ VLAN 上にある PC からのシグナリング パケットは、同じ高速ポート経由で音声 VLAN に返されます。したがって、パケットで輻輳が発生する可能性は非常に低くなります。
オプション 2
『 Enterprise QoS Solution Reference Network Design Guide 』のバージョン 3.1
( http://www.cisco.com/go/srnd で入手可能)には、別の方法が示されています。この方法で推奨されていることは、CoS を信頼する代わりに、着信トラフィックの DSCP を信頼するようにポートを変更し、一連の Per-Port/Per-VLAN ACL に着信パケットを通過させることです。この ACL では、そのとき他の基準とともに TCP/UDP ポートに基づいてパケットが照合され、適切なレベルにポリシングされます。たとえば、DSCP を信頼するようにスイッチ ポートが設定されている状態では、Cisco Unified Video Advantage はビデオ パケットに DSCP AF41 とマーキングします。パケットは ACL で照合されますが、その照合は、パケットが UDP ポート 5445 を使用し、DSCP AF41 とマーキングされ、データ VLAN 上に着信していることに基づいて行われます。この ACL は、その後、DSCP を信頼してトラフィックを N kbps(N はポートごとに許可するビデオ帯域幅)にポリシングするために、クラス マップまたはポリシー マップで使用されます。類似した ACL やポリシング機能が、音声 VLAN 内の IP Phone からの音声パケットやシグナリング パケットに存在します。
Cisco IP Video Phone 7985G
他の多くの Cisco Unified IP Phone と同様に、Cisco IP Video Phone 7985G は、電話機からの発信トラフィック用に 802.1p/Q タギングをサポートしています。また、Cisco IP Video Phone 7985G は PC アクセス用に別のイーサネット インターフェイスを備えているので、接続デバイスからの発信トラフィックもサポートしています。Cisco Unified Communications の設計上の現在のベスト プラクティスとしては、電話機が接続されたアップストリーム イーサネット スイッチを、電話機からの 802.1p CoS を信頼するよう設定する必要があります。信頼を電話機の PC ポートにまで広げないことをお勧めしますが、スイッチでサポートされているときは、音声、ビデオ、およびシグナリングのトラフィックの最大量を制限するようにポリシング機能を設定することをお勧めします。
Sony 社製と Tandberg 社製の SCCP エンドポイント
Sony 社製と Tandberg 社製の SCCP エンドポイントは、DSCP を使用してレイヤ 3 でメディア パケットおよびシグナリング パケットを正しくマーキングします。ただし、802.1Q をサポートしていないため、802.1p CoS を使用して分類することはできません。UDP と TCP のポート照合オプションを使用した場合、SCCP シグナリングを CS3 として、またビデオ メディアを AF41 として正しく分類できますが、UDP ポートが音声のみのコールで使用されている場合は判別ができないため、EF としての分類が必要になります。そのような場合、コール アドミッション制御メカニズムは帯域幅を正しく処理できません。この状況を避けるために、Sony 社製または Tandberg 社製のエンドポイントからのトラフィックを分類して信頼する方法として実行可能なオプションは、次の 1 つだけです。
オプション 1
Sony 社製または Tandberg 社製のエンドポイントで使用されているポート上で DSCP を信頼します。スイッチで許可されている場合は、そのポート上で受信可能な EF、F41、CS3 トラフィックの最大量を制限するようにポリシング機能を設定します。そのポートに接続された他のデバイスは、DSCP を使用してパケットが分類されていても、信頼できるとは限りません。このオプションは、Sony 社製または Tandberg 社製のシステムがオフィスや小規模な会議室に固定的に設置されている場合に適しています。
Sony 社製または Tandberg 社製のデバイスは CDP をサポートしていないため、このエンドポイントを音声 VLAN に配置する必要がある場合は、VLAN に配置するときに手動の修正が必要です。音声 VLAN にエンドポイントを直接配置することの利点は、システム内の他の IP テレフォニー エンドポイントと同様に扱えることです。欠点は、ポートが音声 VLAN に直接アクセスするため、セキュリティ上のリスクが発生する可能性があることです。一方、Sony 社製または Tandberg 社製のエンドポイントをデータ VLAN に残すこともできますが、Cisco Unified CallManager に対する SCCP シグナリングを許可し、UDP メディア ストリームが音声コール中またはビデオ コール中にデータ VLAN および音声 VLAN 間を通過できるようにするには、データ VLAN と音声 VLAN 間のアクセスでのロビジョニングが必要です。
H.323 と SIP のビデオ エンドポイント
このタイプのエンドポイントは、H.323 および SIP ビデオ エンドポイントにはさまざまなものがあり、実装と機能も多様なため、QoS の点で大きな課題があります。これらのエンドポイントには主に 2 つの QoS オプションがあります。1 つは、H.323 または SIP のビデオ エンドポイントに依存してすべてのトラフィックのマーキングを正しく行う方法で、もう 1 つは、使用する TCP ポートおよび UDP ポートの詳細な認識に依存する方法です。
オプション 1
エンドポイントがメディア トラフィックおよびシグナリング トラフィックのマーキングを正しく行った場合は(シグナリングには SIP、H.225、H.245、および RAS が含まれる)、その分類を信頼できます。エンドポイントで 802.1Q(結果的に 802.1p CoS)がサポートされる可能性は低いため、この場合は IP Precedence または DSCP を使用します。分類タイプの選択は、そのベンダー、モデル、およびソフトウェア バージョンに左右されます。
(注) H.323 または SIP のエンドポイントがそのパケットのマーキングを正しく行う可能性は非常に低くなります。
オプション 2
送信元、宛先、または TCP と UDP の両方のポート番号(多くは、IP アドレスも含む)を組み合せて使用することによって、トラフィックを正しく照合および分類する ACL を定義できます。さらに、ポリシング機能も適用し、ネットワークで許可されるトラフィック クラスごとにその量を制限することもお勧めします。このオプションには、オプション 1 と同様に、音声のみのコールを誤って分類する可能性があります。