この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
Cisco Unified CM は、Business to Business User Application(B2BUA; ビジネス ツー ビジネス ユーザ アプリケーション)です。このため、SIP から SIP への任意のコールが、2 つの SIP ダイアログで構成されます。これは、しばしばダイアログが継続している間に片方のダイアログから他方のダイアログへ情報を渡すのに便利です。これには、コール セットアップ メッセージング、ミッド コール メッセージング、およびコール終了メッセージングが含まれます。前述のパススルー オブジェクトを使用すれば、1 つの SIP ダイアログ(1 つのコール レッグを表す)から別の SIP ダイアログへと情報の透過的なパススルーをトリガーできます。
現在のところ、透過性は、2 つの SIP トランク間の INVITE ダイアログに制限されています。SIP 回線が含まれる場合、透過性はサポートされません。SUBSCRIBE ダイアログ、PUBLISH、アウト オブ ダイアログ REFER、アウト オブ ダイアログ Unsolicited NOTIFY はサポートされず、MESSAGE もサポートされません。
• UPDATE メッセージ(UPDATE メッセージへの応答メッセージには透過性はサポートされていません)
• INFO メッセージ(INFO メッセージへの応答メッセージには透過性はサポートされていません)
• BYE メッセージ(BYE メッセージへの応答メッセージには透過性はサポートされていません)
• Rrplaces を持つ INVITE メッセージとその関連応答メッセージ
通常、Cisco Unified CM は、次の情報(パラメータ、ヘッダー、およびコンテンツ本文)をローカルで処理します。これは、特定のコール レッグと関連しています。したがって、理解された SIP 情報はそこで使用され、他のコール レッグ(いずれにしても SIP でない場合もある)へと伝えられることはありません。これにより、Cisco Unified CM が、SIP と H.323、SIP と MGCP などのさまざまなプロトコルの相互運用をサポートすることが可能になります。Cisco Unified CM で理解されない SIP 情報は、通常は無視されます。
以降では、Cisco Unified CM で理解されて使用される情報のことを 既知 の情報と言い、Cisco Unified CM には理解されず使用もされない情報のことを 未知 の情報と言います。
スクリプトが既知のヘッダーまたはコンテンツ本文を受け渡そうとすると、実行エラーがトリガーされます。
スクリプト作成者は、既知のデータが Cisco Unified CM 処理にかけられたり、Cisco Unified CM 処理と干渉したりすることなく受け渡される方法があることをすぐに理解できるでしょう。実際、スクリプトは、既知のヘッダーから値を取得し、未知のヘッダーに格納することができます。コンテンツ本文についても、同じことが行えます。下に示す 181 透過性の例では、Reason ヘッダーでこれを行っています。この例は、Reason ヘッダーの値を取得し、それを X-Reason ヘッダーとして受け渡します。当然のことながら、相手サイドに X-Reason ヘッダーを消費して削除するスクリプトがなければ、このヘッダーはネットワークに送信されます。
透過性がなければ、Cisco Unified CM が発信トランク レッグで 181 を受信した場合、Cisco Unified CM のネイティブ動作は、着信トランク レッグ上で 180 を送り返すことです。181 透過性を達成するには、着信 181(B サイドで受信)と予定発信 180(A サイドで送信)の両方にスクリプトが必要です。
181 は最初に PBX-B から受信されるので、まず次のことを行うことを検討します。
• Reason ヘッダーの値のパススルー:Reason ヘッダーは既知のヘッダーなので、スクリプトは、ヘッダー名 X-Reason を使用して値を受け渡すことにより、既知のヘッダーのチェックをバイパスします。
このパススルー データは、Cisco Unified CM によって自動的に、これから送信される発信メッセージとマージされます。前述のとおり、Cisco Unified CM は 180 をネイティブに送信します。このため、自動マージ機能により、X-Reason ヘッダーが発信 180 内に置かれます。
次に、次の内容を A サイドで行う必要があるかどうかを検討する必要があります。
• X-Reason ヘッダーの値の取得と、181 に関して何かを含んでいるかどうかの確認
• X-Reason ヘッダーの値を持つ Reason ヘッダーの追加
• 応答コードとフレーズの 181 Call is Being Forwarded への変換
透過性がなければ、Cisco Unified CM は着信 INFO メッセージとコンテンツ本文を無視します。透過性を使用した場合、Cisco Unified CM は Nortel PBX によって送信された独自コンテンツ本文を抽出し、コンテンツ本文から DTMF の数字を抽出して、新しい dtmf-relay コンテンツ本文を作成し、それを他方のコール レッグへと受け渡します。