Cisco Unified SRST の説明
Cisco Unified SRST は、ローカル ネットワーク上の Cisco ルータに接続されている Cisco IP Phone のフォールバック サポートを Cisco Unified Communications Manager に提供します。Cisco Unified SRST を使用すると、Cisco IP Phone がリモートのプライマリ、セカンダリ、またはターティアリ(第三次)Cisco Unified Communications Manager インストレーションへの接続を失った場合や、WAN 接続がダウンした場合に、ルータが電話機のコール処理をサポートできるようになります。
Cisco Unified Communications Manager は、WAN を介して Cisco マルチサービス ルータに接続されているリモート サイトの Cisco IP Phone をサポートします。Cisco Unified SRST 以前では、ルータと Cisco Unified Communications Manager 間の WAN 接続に障害が発生した場合や、Cisco Unified Communications Manager との接続が何らかの理由で失われた場合、ネットワーク上の Cisco Unified IP Phone は、障害が続く限り使用不能になりました。Cisco Unified SRST はこの問題に対処しており、Cisco Unified IP Phone のコール処理を Cisco Unified SRST ルータから直接サポートすることによって、Cisco IP Phone がサービス(ただし最小限のもの)を継続的に提供できることを保証します。システムは障害を自動的に検出し、Simple Network Auto Provisioning(SNAP; シンプル ネットワーク オート プロビジョニング)テクノロジーを使用して、ルータに登録された Cisco IP Phone のコール処理を行うようにブランチ オフィスのルータを自動設定します。プライマリ Cisco Unified Communications Manager への WAN リンクまたは接続が回復すると、コール処理はプライマリ Cisco Unified Communications Manager に戻ります。
Cisco Unified IP Phone がプライマリ、セカンダリ、およびターティアリ Cisco Unified Communications Manager との接続を失った場合、電話機はコールの発信と受信に必要なコール処理機能を保持するために、ローカル Cisco Unified SRST ルータへの接続を確立する必要があります。Cisco IP Phone は、Settings メニューの Network Configuration 領域で、ローカル Cisco Unified SRST ルータの IP アドレスをデフォルト ルータとして保持します。Settings メニューは、最大 5 つのデフォルト ルータ エントリをサポートしています。ただし、Cisco Unified Communications Manager がサポートするエントリは最大 3 つです。ネットワーク上でセカンダリ Cisco Unified Communications Manager が使用可能になっていない場合、通常の動作中は、ローカル Cisco Unified SRST ルータの IP アドレスが Cisco Unified Communications Manager のスタンバイ接続として保持されます。
(注) Cisco Unified Communications Manager フォールバック モードの電話サービスを使用できるのは、Cisco Unified SRST ルータでサポートされている Cisco IP Phone に限られます。ネットワーク上の他の Cisco IP Phone は、そのプライマリ、セカンダリ、またはターティアリ Cisco Unified Communications Manager と再接続するまで、アウト オブ サービスの状態になります。
一般に、Cisco Unified Communications Manager への接続に障害が発生したことを電話機が検出するには、キープアライブ期間の 3 倍の時間がかかります。デフォルトのキープアライブ期間は 30 秒です。電話機で Cisco Unified SRST ルータとのアクティブなスタンバイ接続が確立されている場合、フォールバック プロセスには、Cisco Unified Communications Manager との接続が失われた時点から 10 ~ 20 秒かかります。Cisco Unified SRST ルータへのアクティブなスタンバイ接続が存在するのは、電話機の Unified Communications Manager リストに 1 つの Cisco Unified Communications Manager のロケーションが登録されている場合のみです。登録されていない場合、電話機はセカンダリ Cisco Unified Communications Manager に対してスタンバイ接続をアクティブにします。
(注) Cisco Unified IP Phone が SRST ルータにフォールバックするのにかかる時間は、電話機のタイプによって異なる場合があります。Cisco 7902、Cisco 7905、および Cisco 7912 などの電話機では、SRST モードにフォールバックするのに約 2 分 30 秒かかる場合があります。
Cisco Unified IP Phone の Cisco Unified Communications Manager リストに複数の Cisco Unified Communications Manager が登録されている場合、電話機は、ローカル Cisco Unified SRST ルータとの接続を試行する前に、セカンダリおよびターティアリ Cisco Unified Communications Manager のリストを処理します。したがって、Cisco IP Phone が Cisco Unified SRST ルータとの接続を最終的に確立するまでの時間は、Cisco Unified Communications Manager への接続が試行されるたびに増加します。Cisco Unified Communications Manager への接続の試行にそれぞれ約 1 分かかると想定すると、当該の Cisco IP Phone は、WAN リンクに障害が発生した時点から 3 分以上にわたってオフラインの状態になる可能性があります。
(注) WAN 接続の障害時に、Cisco Unified SRST が有効になっている場合、Cisco Unified IP Phone には、電話機が Cisco Unified Communications Manager フォールバック モードで動作していることを通知するメッセージが表示されます。Cisco Unified Communications Manager フォールバック モードで動作している場合、Cisco Unified IP Phone 7960G および Cisco Unified IP Phone 7940G には「CM Fallback Service Operating」というメッセージが表示され、Cisco Unified IP Phone 7910 には「CM Fallback Service」というメッセージが表示されます。Cisco Unified Communications Manager が回復すると、メッセージが消去され、Cisco Unified IP Phone の機能がすべて回復します。
Cisco Unified Communications Manager フォールバック モードになっている場合、Cisco Unified IP Phone は、セントラル オフィスにある Cisco Unified Communications Manager との再接続を定期的に試行します。一般に、Cisco IP Phone がリモートの Cisco Unified Communications Manager への再接続を試行するまでの待機時間は、120 秒です。この時間は、Cisco Unified Communications Manager で変更できます。『 Cisco Unified Communications Manager Administration Guide 』の「Device Pool Configuration Settings」の章を参照してください。手動リブートによってただちに Cisco Unified IP Phone を Cisco Unified Communications Manager に再接続することもできます。
Cisco Unified Communications Manager と再接続すると、Cisco Unified IP Phone は、Cisco Unified SRST ルータに対する登録を自動的にキャンセルします。ただし、WAN リンクが不安定な場合、Cisco Unified IP Phone は、Cisco Unified Communications Manager と Cisco Unified SRST の間で接続を切り替えることがあります。アクティブなコールを現在受けている場合、Cisco Unified IP Phone では、セントラル オフィスにあるプライマリ Cisco Unified Communications Manager と再接続することはできません。
図1 は、Cisco Unified SRST ルータに複数の Cisco IP Phone が接続されているブランチ オフィスを示しています。ルータは WAN リンクと PSTN の両方に接続されています。Cisco Unified IP Phone は、この WAN リンクを介して、セントラル オフィスにあるプライマリ Cisco Unified Communications Manager に接続されています。
図1 リモートのセントラル Cisco Unified Communications Manager に接続されているブランチ オフィスの Cisco Unified IP Phone
図2 は、WAN 接続がダウンした同じブランチ オフィスの電話ネットワークを示しています。この状況では、Cisco IP Phone は、Cisco Unified SRST ルータをプライマリ Cisco Unified Communications Manager のフォールバックとして使用します。ブランチ オフィスの Cisco Unified IP Phone は、Cisco Unified SRST ルータを介して PSTN に接続され、オフネット コールを発信および受信できるようになります。
図2 リモートのセントラル Cisco Unified Communications Manager(SRST モードで動作中)に接続されているブランチ オフィスの Cisco Unified IP Phone
WAN リンクに障害が発生した場合、デフォルトでは、H.323 ゲートウェイにおいて、Cisco Unified IP Phone から PSTN へのアクティブなコールは保持されません。コール プリザベーションは、 no h225 timeout keepalive コマンドと連携する場合があります。
デフォルト設定では、H.323 ゲートウェイは Cisco Unified Communications Manager に対するキープアライブ信号を保持し、WAN リンク障害などによってキープアライブ信号に障害が発生した場合は、H.323 と PSTN 間のコールを終了します。この動作を無効にして、ローカル Cisco Unified IP Phone からの既存のコールを保持できるようにするには、 no h225 timeout keepalive コマンドを使用します。キープアライブ メカニズムを無効にした場合に影響を受けるコールは、H.225 キープアライブ信号が消失した場合に切断されるコールだけです。非アクティブな状況が検出された場合のコールの切断については、『 Media Inactive Call Detection 』を参照してください。
MGCP ゲートウェイと SRST
MGCP フォールバックは SRST とは別の機能であり、個別の機能として設定すると、PSTN ゲートウェイで使用できます。MGCP ゲートウェイで SRST をフォールバック モードとして使用するには、SRST および MGCP フォールバックの両方を同じゲートウェイに設定する必要があります。Cisco IOS Release 12.2(11)T 以降では、MGCP と SRST を同じゲートウェイに設定できるようになっています。
MGCP ゲートウェイにおいて SRST モードのときにコールを発信するには、2 つのフォールバック コマンドを MGCP ゲートウェイに設定する必要があります。これら 2 つのコマンドを使用すると、SRST が、音声ポートの制御権と MGCP ゲートウェイでのコール処理の制御権を取得できるようになります。12.3(14)T 以前の Cisco IOS の場合、2 つのコマンドは ccm-manager fallback-mgcp コマンドと call application alternate コマンドです。12.3(14)T 以降の Cisco IOS リリースの場合は、 ccm-manager fallback-mgcp コマンドと service コマンドを設定する必要があります。これらのコマンドの設定の詳細については、「MGCP ゲートウェイでの SRST の有効化」の項を参照してください。
(注) 上記のコマンドは、両方とも設定されている場合に限り有効となります。たとえば、ccm-manager fallback-mgcp コマンドだけを設定した場合、設定は動作しません。
MGCP ゲートウェイのフォールバック方式の詳細については、『 Configuring MGCP Gateway Support for Cisco Unified Communications Manager 』または『 MGCP Gateway Fallback Transition to Default H.323 Session Application 』を参照してください。
Cisco Unified IP Phone、プラットフォーム、Cisco Unified Communications Manager、信号、言語、およびスイッチのサポート
次の各項では、Cisco Feature Navigator の説明と、Cisco SRST バージョン 1.0 から Cisco Unified SRST の現行バージョンまでの、Cisco Unified IP Phone、プラットフォーム、および Cisco Unified Communications Manager のサポートに関する履歴を示します。
• 「Cisco Unified SRST をサポートする Cisco IOS ソフトウェア リリースの検索」
• 「Cisco Unified IP Phone のサポート」
• 「プラットフォームとメモリのサポート」
• 「Cisco Unified Communications Manager の互換性」
• 「信号のサポート」
• 「言語のサポート」
• 「スイッチのサポート」
Cisco Unified SRST をサポートする Cisco IOS ソフトウェア リリースの検索
この章の各表には、Cisco Unified SRST に新機能を最初に導入した Cisco IOS ソフトウェア リリースだけが示されています。それ以降の Cisco IOS ソフトウェア リリースでは、Cisco Unified SRST のバージョンを継承している場合があります。特定バージョンの Cisco Unified SRST をサポートする Cisco IOS ソフトウェア リリースのリストを取得するには、Cisco Feature Navigator を使用します。
Cisco Feature Navigator にアクセスするには、 http://www.cisco.com/go/cfn に移動してください。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
Cisco Feature Navigator を使用したプラットフォーム サポートの確認
Cisco IOS ソフトウェアは、特定のプラットフォームでサポートされている機能セットにパッケージ化されています。この機能のプラットフォーム サポートに関する最新情報を取得するには、Cisco Feature Navigator にアクセスします。Cisco Feature Navigator は、機能のプラットフォーム サポートが新たに追加されると、サポートされるプラットフォームのリストを動的に更新します。
信号のサポート
Cisco Unified SRST は、FXS、FXO、T1、E1、および E1 R2 信号をサポートしています。
言語のサポート
Cisco SRST 3.2 以降のバージョンは、次の言語をサポートしています。
• デンマーク語
• オランダ語
• 英語
• フランス語
• ドイツ語
• イタリア語
• 日本語のカタカナ(Cisco Unified Communications Manager 4.0 以降で使用可能)
• ノルウェー語
• ポルトガル語
• ロシア語
• スペイン語
• スウェーデン語
(注) Cisco Unified IP Phone 7911G、Cisco Unified IP Phone 7941G および 7941G-GE、Cisco Unified IP Phone 7961G および 7961G-GE、Cisco Unified IP Phone 7970G、Cisco Unified IP Phone 7971G-GE は、英語だけをサポートしています。
スイッチのサポート
Cisco SRST 3.2 以降のバージョンは、次のスイッチを含むすべての PRI および BRI スイッチをサポートしています。
• basic-1tr6
• basic-5ess
• basic-dms100
• basic-net3
• basic-ni
• basic-ntt NTT スイッチ タイプ(日本向け)
• basic-ts013
• primary-4ess Lucent 4ESS スイッチ タイプ(米国向け)
• primary-5ess Lucent 5ESS スイッチ タイプ(米国向け)
• primary-dms100 Northern Telecom DMS-100 スイッチ タイプ(米国向け)
• primary-net5 NET5 スイッチ タイプ(英国、欧州、アジア、およびオーストラリア向け)
• primary-ni National ISDN スイッチ タイプ(米国向け)
• primary-ntt NTT スイッチ タイプ(日本向け)
• primary-qsig QSIG スイッチ タイプ
• primary-ts014 TS014 スイッチ タイプ(オーストラリア向け)(廃止)
Cisco Unified SRST を設定する場合の前提条件
Cisco Unified SRST を設定する前に、次の作業を行う必要があります。
• ソフトウェアをダウンロードするための Cisco.com のアカウントを取得する。
Cisco.com のアカウントを取得するには、 www.cisco.com に移動し、画面上部の Register をクリックします。
• Cisco Unified SRST のライセンスを購入する。
ライセンスを購入するには、 http://www.cisco.com/cgi-bin/tablebuild.pl/ip-key に移動します。
• 適切な Cisco Unified SRST バージョンを選択する。各 SRST バージョンは、IP Phone、メモリ要件、機能、および Directory Number(DN; 電話番号)の特定のセットをサポートしています。「プラットフォームとメモリのサポート」および 「Cisco Unified SRST を設定する場合の制約事項」を参照してください。
• 適切な電話機ロードを選択する。SRST は、Cisco Unified Communications Manager のさまざまなバージョンについてテストされた特定の電話機ロードだけをサポートします。最新の電話機ロードについては、『 Cisco Unified SRST 4.3 Supported Firmware, Platforms, Memory, and Voice Products 』を参照してください。このドキュメントは、次の URL から入手可能です。
http://www.cisco.com/en/US/docs/voice_ip_comm/cusrst/requirements/guide/srs43spc.html
• Cisco Unified Communications Manager がすでにインストールされている場合は、ご使用のバージョンの Cisco Unified Communications Manager が Cisco Unified SRST リリースと互換性があることを確認する。「Cisco Unified Communications Manager の互換性」を参照してください。
Cisco SRST V1.0 のインストール
Cisco SRST V1.0 は、Cisco Communications Manager V3.0.5 のみと連携動作します。Cisco Unified Communications Manager および Cisco Unified SRST の最新バージョンにアップグレードすることをお勧めします。
Cisco Unified SRST と Cisco Unified Communications Manager の統合
Cisco Unified SRST と Cisco Unified Communications Manager との統合には、2 通りの手順があります。使用する Cisco Unified Communications Manager のバージョンに応じて手順を選択します。
Cisco Communications Manager V3.3 以降のバージョンを使用する場合
Cisco Communications Manager V3.3 以降のバージョンを使用する場合は、SRST リファレンスを作成し、デバイス プールに適用する必要があります。SRST リファレンスとは、Cisco Unified SRST ルータの IP アドレスのことです。
ステップ 1 SRST リファレンスを作成します。
a. Cisco Unified Communications Manager の任意のページで、System、SRST の順にクリックします。
b. Find and List SRST References ページで、Add a New SRST Reference をクリックします。
c. SRST Reference Configuration ページで、SRST Reference Name フィールドに名前を入力し、IP Address フィールドに Cisco SRST ルータの IP アドレスを入力します。
d. Insert をクリックします。
ステップ 2 SRST リファレンスまたはデフォルト ゲートウェイを 1 つ以上のデバイス プールに適用します。
a. Cisco Unified Communications Manager の任意のページで、System、Device Pool の順にクリックします。
b. Device Pool Configuration ページで、目的のデバイス プール アイコンをクリックします。
c. Device Pool Configuration ページで、SRST Reference フィールドのメニューから、特定の SRST リファレンスまたは「Use Default Gateway」を選択します。
V3.3 以前の Cisco Unified Communications Manager を使用する場合
Cisco Unified SRST をデフォルトで有効にするファームウェア バージョンを使用する場合、Cisco Unified Communications Manager で Cisco Unified SRST をサポートするための追加設定を行う必要はありません。使用するファームウェア バージョンによって Cisco Unified SRST がデフォルトで無効になる場合は、各電話機の設定で Cisco Unified SRST を有効にする必要があります。
ステップ 1 Cisco Unified Communications Manager の Phone Configuration ページに移動します。
a. Cisco Unified Communications Manager の任意のページで、Device、Phone の順にクリックします。
b. Find and List Phones ページで、Find をクリックします。
c. 電話機のリストが表示されたら、目的のデバイス名をクリックします。
d. Phone Configuration ページが表示されます。
ステップ 2 Phone Configuration ページで、下部にある Product Specific Configuration セクションに移動し、Cisco Unified SRST フィールドのメニューから Enabled を選択し、次に Update をクリックします。
ステップ 3 ステップ 1 とステップ 2 を繰り返し、次の電話機の Phone Configuration ページに移動して、Cisco Unified SRST フィールドのメニューから Enabled を選択します。
Cisco Unified SRST を設定する場合の制約事項
表4 は、Cisco SRST バージョン 1.0 から Cisco Unified SRST の現行バージョンまでの制約事項の履歴を示しています。
表4 Cisco SRST V1.0 から Cisco Unified SRST の現行バージョンまでの制約事項の履歴
|
|
|
バージョン 4.1 |
12.4(15)T |
• Cisco Unified SRST の E911 サービスは、Cisco Emergency Responder とインターフェイスしません。 • 911 を最後にコールした電話機に関する情報は、Cisco Unified SRST のリブート後は保持されません。 • リモート IP Phone が Cisco Unified SRST フォールバック モードの場合、Cisco Emergency Responder では、緊急コールの履歴テーブルに加えられた更新内容にアクセスできません。したがって、Cisco Unified IP Phone が Cisco Unified Communications Manager に再登録した後で PSAP がコールバックした場合、Cisco Emergency Responder はそのコールの履歴を保持しません。結果として、そのコールは、最初の 911 発信者にはルーティングされません。代わりに、コールは、Cisco Emergency Responder で対応する ELIN 用に設定されているデフォルトの宛先にルーティングされます。 • Cisco Unified Wireless 7920 および 7921 IP Phone の場合、発信者のロケーションを特定できる情報は、システム管理者によって設定された静的な情報に限られます。詳細については、「携帯電話に関する注意事項」を参照してください。 • 911 発信者の内線番号の変換先となる番号は、Emergency Response Location(ERL; 緊急応答ロケーション)ごとに 2 つの Emergency Location Identification Number(ELIN; 緊急ロケーション識別番号)に限られます。詳細については、「概要」を参照してください。 • ELIN を複数の目的に使用すると、既存の Cisco Unified SRST 機能との間に予期しない相互作用が引き起こされる可能性があります。このような ELIN の多重使用の例には、ELIN を実際の電話番号(ephone-dn、voice register dn、または FXS destination-pattern)、コール ピックアップ番号、またはエイリアス再ルーティング番号として使用するように設定することなどがあります。詳細については、「ELIN の複数の用途」を参照してください。 • E911 サービスが既存の Cisco Unified SRST 機能と対話するための設定は変更可能ですが、変更すると予期しない動作が発生します。E911 サービスと既存の Cisco Unified SRST 機能との相互作用の詳細については、「既存の Cisco Unified SRST 機能との相互作用」を参照してください。 |
バージョン 4.0 |
12.4(4)XC |
• Cisco SRST バージョン 1.0 のすべての制約事項。 • コール転送のサポート対象は、次のものに限られます。 –Cisco IOS Release 12.2(11)T を実行し、H.323 非標準の情報要素を使用している Cisco ゲートウェイ間の VoIP H.323、VoFR、および VoATM –FXO および FXS ループスタート(アナログ) –FXO および FXS グラウンドスタート(アナログ) –Ear and Mouth(E&M)(アナログ)および DID(アナログ) –FXO および FXS グラウンドスタート シグナリングによる T1 Channel-Associated Signaling(CAS; 個別線信号方式) –E&M シグナリングによる T1 CAS –PRI および BRI スイッチの全タイプ • Cisco Unified IP Phone function の次の機能キーは、SRST の動作中はサポートされないため、グレー表示になります。 –MeetMe –GPickUp(グループ ピックアップ) –Park –Confrn(会議) • Cisco IAD2420 シリーズ Integrated Access Device(IAD; 統合型アクセス装置)は Cisco Unified SRST 機能をサポートしていますが、この機能は、企業のブランチ オフィス向けのソリューションとしてはお勧めできません。 |
バージョン 3.4 |
12.4(4)T |
バージョン 3.3 |
12.3(14)T |
バージョン 3.2 |
12.3(11)T |
バージョン 3.1 |
12.3(7)T |
バージョン 3.0 |
12.2(15)ZJ |
バージョン 2.1 |
12.2(15)T |
バージョン 2.02 |
12.2(13)T |
バージョン 2.01 |
12.2(11)T |
バージョン 2.0 |
12.2(8)T1 |
バージョン 2.0 |
12.2(8)T |
バージョン 2.0 |
12.2(2)XT |
バージョン 1.0 |
12.2(2)XB |
• 第 1 世代の Cisco Unified IP Phone(Cisco IP Phone 30 VIP や Cisco IP Phone 12 SP+ など)はサポートされません。 • Cisco IP SoftPhone、Cisco uOne ボイスおよびユニファイド メッセージング アプリケーション、または Cisco IP Contact Center など、別の Cisco Unified Communications Manager アプリケーションまたはサービスはサポートされません。 • Cisco 3660 ルータ上の Centralized Automatic Message Accounting(CAMA)トランクはサポートされません。
(注) CAMA トランクを 911 緊急サービスと連携させることが法的に要求されている米国内の州において、ネットワーク内の Cisco 3660 マルチキャストサービス ルータに 48 台を超える Cisco Unified IP Phone を接続する場合、CAMA の法的要件を理解して適合させる上で支援が必要なときは、ローカルの Cisco アカウント チームにお問い合せください。
|
12.2(2)XG |
12.1(5)YD |
関連情報
このマニュアルの次の各章では、Cisco Unified SRST の設定方法について説明します。 表5 に示すように、各章では作業を実行順序どおりに説明しています。Cisco Unified SRST を設定する最初の作業では、システム内の基本的なソフトウェアとハードウェアを Cisco Unified SRST 用に正しく設定します。手順については、「Cisco Unified SRST を設定する場合の前提条件」を参照してください。
その他の資料
次の各項では、Cisco Unified SRST に関連するその他の資料について説明します。
• 「関連資料」
• 「標準規格」
• 「MIB」
• 「RFC」
• 「テクニカル サポート」
標準規格
|
|
ITU X. 509 バージョン 3 |
Public-Key and Attribute Certificate Frameworks |
MIB
|
|
この機能でサポートされる新規の MIB または変更された MIB はありません。また、既存の MIB のサポートは変更されていません。 |
選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリース、および機能セットに関する MIB を探してダウンロードするには、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。 http://www.cisco.com/go/mibs |
RFC
|
|
RFC 2246 |
The Transport Layer Security (TLS) Protocol Version 1.0 |
RFC 3711 |
The Secure Real-Time Transport Protocol (SRTP) |
テクニカル サポート
|
|
Cisco Technical Support Web サイトでは、オンラインで資料やツールを利用して、トラブルシューティングやシスコ製品およびテクノロジーに関する技術上の問題の解決に役立てることができます。 ご使用の製品に関するセキュリティ情報や技術情報を受け取るには、プロダクト アラート ツール(Field Notices からアクセス)、Cisco Technical Services Newsletter、および Really Simple Syndication(RSS)フィードなど、各種のサービスに登録します。 Cisco Technical Support Web サイト上のツールにアクセスする際は、いずれも Cisco.com のログイン ID およびパスワードが必要です。 |
http://www.cisco.com/en/US/support/index.html |
マニュアルの入手方法、テクニカル サポート、およびセキュリティ ガイドライン
マニュアルの入手方法、Service Request ツールの使用方法、および追加情報の収集方法については、次の URL で、毎月更新される『 What's New in Cisco Product Documentation 』を参照してください。『 What's New in Cisco Product Documentation 』には、シスコの新規および改訂版の技術マニュアルの一覧も示されています。
http://www.cisco.com/en/US/docs/general/whatsnew/whatsnew.html
Really Simple Syndication(RSS)フィードとして『 What's New in Cisco Product Documentation 』に登録し、リーダ アプリケーションを使用して、コンテンツがデスクトップに直接配信されるように設定します。RSS フィードは無料サービスです。シスコは現在、RSS バージョン 2.0 をサポートしています。
シスコのテクニカル サポート
次の URL にアクセスして、シスコのテクニカル サポートを最大限に活用してください。
http://www.cisco.com/en/US/support/index.html
以下を含むさまざまな作業にこの Web サイトが役立ちます。
• テクニカル サポートを受ける
• ソフトウェアをダウンロードする
• セキュリティの脆弱性を報告する、またはシスコ製品のセキュリティ問題に対する支援を受ける
• ツールおよびリソースへアクセスする
–Product Alert の受信登録
–Field Notice の受信登録
–Bug Toolkit を使用した既知の問題の検索
• Networking Professionals(NetPro)コミュニティで、技術関連のディスカッションに参加する
• トレーニング リソースへアクセスする
• TAC Case Collection ツールを使用して、ハードウェアや設定、パフォーマンスに関する一般的な問題をインタラクティブに特定および解決する
Japan テクニカル サポート Web サイトでは、Technical Support Web サイト( http://www.cisco.com/techsupport )の、利用頻度の高いドキュメントを日本語で提供しています。Japan テクニカル サポート Web サイトには、次の URL からアクセスしてください。
http://www.cisco.com/jp/go/tac