この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
このマニュアルでは、Cisco Unity Express 7.0 Script Editor を使用して Auto Attendant(AA; 自動受付)スクリプトを記述する方法の概要を説明します。また、AA サンプル スクリプトの行ごとの解説やスクリプト ステップの参照情報も記載されています。
IVR(interactive voice response; 自動音声応答)オプションは、Cisco Unity Express に統合されている、個別にライセンスされたオプションです。ここで説明する IVR に関する機能は、別売の IVR ソフトウェア ライセンスを購入いただいた場合にのみ使用可能です。
スクリプトを使用すると Cisco Unity Express の AA および IVR 機能をカスタマイズできます。スクリプトでは、入力を受信し、決定を下し、タスクを実行します。Cisco Unity Express Script Editor を使用することで、ユーザ入力を受信するための変数を識別し、決定に必要な条件(または選択肢)を作成し、それらの決定に基づいてどのタスクを実行するかを判別します。
ルータ モジュールに格納されたスクリプトは、ユーザからの要求に応答して、または事前に決定された条件に基づいて実行されます。スクリプトを使用して、発信者に録音済みのオーディオ メッセージを送信したり、追加のアクションの実行を要求したりすることができます。たとえば、発信者が会社の営業時間外に電話をかけた場合は、発信者に対して、営業時間を通知する録音メッセージが再生されるか、または伝言を残すためのプロンプトが送信されます。このメッセージとプロンプトは、Cisco Unity Express ソフトウェアがスクリプトを実行した結果です。
スクリプトの高度な使用方法として、銀行の口座残高の確認があります。たとえば、電話のキーパッドを使用して口座番号を入力するように要求するプロンプトを発信者に送信します。その後、発信者は、口座残高を伝えるオーディオ メッセージを受け取ります。
• 「用語」
• 「関連資料」
この項では、スクリプトを記述する際に使用する主要な概念について説明します。
データを保持するためにプログラム内で変数を使用します。スクリプトで使用する各変数に名前と型を指定する必要があります。変数名には、変数が保持するデータを示す名前を使用します。変数の型によって、その変数が保持できるデータ型(text、integer など)とデータに対して実行できる操作が決まります。
パラメータは、変数のプロパティです。これによって管理者は、Cisco Unity Express Web インターフェイスで変数を表示できます。その後、スクリプトを編集しないで変数を変更でき、変更後は再び Cisco Unity Express モジュールにアップロードできます。
演算子は、演算を実行し値を返します。戻り値とその型は、演算子と演算子が操作したデータ型によって異なります。たとえば、増分演算子(増分ステップ)は、値に 1 を追加します。
変数および演算子は、スクリプトの基本的な構成要素です。変数と演算子を組み合せて式を形成できます。式を使用して、計算したり、値を返したり、またはスクリプトのフローを制御したりできます。
フロー制御ステップは、スクリプトの実行順序を指示します。フロー制御ステップには、If、Switch、Goto などのステップがあります。
フロー制御ステップがない場合、スクリプトはこれらのステップを Design ペインに表示される順序で上から下に実行します。スクリプト内でフロー制御を使用することで、条件に従ってステップを実行できます。つまり、ステップのブロックを繰り返し実行したり、それ以外の場所で通常のスクリプトの順次フローを変更したりできます。
制御ステップは、特定の方法で処理するようにスクリプトに指示します。たとえば、特定の条件を満たす場合にのみ、一連のステップを実行する場合に使用します。
• If:後続の条件 x を満たす場合に、後続のタスク y を実行します。
• Switch:条件に一致すると、複数のタスクの中からいずれかを実行します。
• Goto:スクリプトは Goto ステップに到達すると、実行を停止し、指示されたスクリプト内の次のポイントから続行します。
エラー処理は、スクリプトが事前に決定されたシーケンスでの実行を停止したり、予期しない結果を受け取った場合やタスクを正常に完了しなかった場合に実行を継続したりする方法を提供します。
プロンプトは、ルータのオーディオ ファイルとして存在し、 greeting.wav のように .wav ファイル拡張子を持ちます。Cisco Unity Express Script Editor では、次の 2 種類のプロンプトを使用します。
• システム プロンプト:シスコのモジュールおよびシスコのサンプル スクリプトによって内部で使用されます。
• ユーザ プロンプト:ユーザが定義し、管理者によって管理されます。管理者は、Cisco Unity Express GUI 管理インターフェイスの [Voice Mail] > [Prompts] を使用するか、Administration via Telephone(AvT)を呼び出すことによって管理します。
トリガーとは、アプリケーションを実行させる特定のイベントまたは条件です。単一のアプリケーションに対して複数のトリガーが存在する場合があります。Cisco Unity Express では多数のトリガーが自動的に作成されます。
たとえば、内線番号 1000 に電話をかけると、Cisco Unified Communications Manager Express(旧 Cisco Unified CallManager Express)は、この通話を Cisco Unity Express に転送します。そこで、通話のトリガーが検索され、関連付けられているアプリケーションが起動されます。
自動受付(AA)サンプル スクリプトは、Cisco Unity Express Script Editor に含まれているサンプル スクリプト aa_sample1.aef を使用して、自動受付スクリプトを設定する基本的な手順を示します。自動受付スクリプトの詳細については、 「自動受付スクリプトの例」 の章を参照してください。
ここで説明する Cisco Unity Express IVR ソフトウェアに関する機能は、別売の IVR ソフトウェア アドオン パッケージを個別に購入いただいた場合にのみ使用可能です。
Cisco Unity Express IVR ソフトウェアを使用すると、電話の発信者は、音声メニューからオプションを選択したり、それ以外の方法で Cisco Unity Express システムとやり取りしたりすることができます。システムが録音済みの音声プロンプトを再生し、発信者はそれに従って電話のキーパッドの数字を押してオプションを選択します。
ステップ 1 Cisco Unity Express ツールバーから [Tools] > [Options] を選択します。 に示す Cisco Unity Express [Options] ウィンドウが表示されます。
図 1 Cisco Unity Express [Options] ウィンドウ
ステップ 2 [Hostname] フィールドにホストの DNS ホスト名または IP アドレスを入力します。
ステップ 3 [Enable IVR steps] チェックボックスをオンにします。
[Palette] ペインにスクリプトの作成に必要な追加の IVR ステップが表示されます。
スクリプトの設計には、通話フローの記述、スクリプト ステップと通話フローのマッピング、スクリプトの検証、システムでのスクリプトのテストが含まれます。
次の単純なシナリオは、スクリプト設計の手法を示しています。 表 1 で、このシナリオにおける通話フローのスクリプト ステップを一覧にして説明します。この場合、スクリプトは次の操作を実行します。
2. 緊急時のオプション グリーティングがあるかどうかを確認します。
3. 現在の時刻が通常の営業時間内であるかどうかを確認します。
4. 予期しないユーザ アクションまたはスクリプト アクションであるかどうかを確認します。
5. 現在時刻が通常の営業時間でない場合は、カスタム グリーティングを再生し、発信者をオペレータに転送します。
6. 現在時刻が通常の営業時間内の場合は、名前のダイヤルは 1、内線番号のダイヤルは 2、オペレータへのダイヤルは 0 のいずれかをダイヤルするように要求するメニュー プロンプトを発信者に対して再生します。
内線番号のダイヤル オプションを使用すると、発信者はダイヤルされた番号ではなく、指定された範囲内のいずれかの番号に転送されます。
7. 発信者が Main Menu に再ルーティングされた回数を確認します。
通話フローは、通話中に発生するイベントの記述です。通話フローを詳細に記述しておくことで、Script Editor で使用するステップを把握し、スクリプト内のロジックの不備を回避できます。このシナリオの通話フローでは、内線番号の範囲は 200 ~ 299 です。エラー処理ブランチをさらに追加することができます。たとえば、発信者が複数回転送に失敗した場合、スクリプトは「Try again later」プロンプトを再生して通話を切断します。
スクリプトをデバッグするには、通常のユーザ入力、タイムアウト、予期されるエラー条件など、さまざまなシナリオで動作を検証します。
スクリプトをアップロードする前に、Cisco Unity Express Script Editor の Validate ツールを使用して Validation Succeeded メッセージが表示されることを確認します。エラーは [Debug] ペインに表示されます。エラーをダブルクリックすると、スクリプト内のエラー条件を検索できます。
Cisco Unity Express システムにスクリプトをアップロードしたら、デフォルトのトレースを使用して問題を解決します。EXECUTING_STEP フィルタを使用すると、実行されたスクリプト ステップだけがトレースに表示されます。直前のトレース メッセージをクリアするには、 show trace コマンドを使用する前に、 clear trace コマンドを使用します。次の例を参考にしてください。
NameToUser ステップの [Maximum Retries] を [0] または [1] に設定している場合は、Terminating Key 文字を使用する必要があります。Terminating Key 文字がないと、ステップはこのステップの Successful ブランチに進みません。代わりに、条件が一致した場合でも、ステップは常に Timeout ブランチに進みます。
スクリプト内の変数はすべて、使用する前に作成しておく必要があります。変数を作成し、後からそれを削除した場合は、Validate ツールを使用してその変数を検索できます。
Cisco Unity Express 管理者が Web ページを通じて変数を利用できるようにするには、変数プロパティの Parameter を設定します。
逆に、変数が Web ページを介して誤って変更されるのを防ぐには、変数プロパティの Parameter を設定しないでください。
(注) プロンプト変数を定義するときに、変数にシステム プロンプトを割り当てることはできません。変数にシステム プロンプトを割り当てるには、Set ステップまたは Create Prompt ステップを使用する必要があります。
表 2 に、最初にスクリプトを記述するときに最も一般的に使用される用語を一覧します。詳細な定義については、「用語集」のページを参照してください。
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Cisco Unity Express のデータ処理技術。発信者は電話回線を使用してシスコ モジュールに格納されている情報をやり取りできます。 |
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プロシージャまたはサブルーチンと同じです。スクリプト内で、または他のスクリプトによって再利用が可能な独立したスクリプトです。 |
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次の各項で、Cisco Unity Express に関連する参考資料を一覧します。
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』を参照してください。 | |
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