Cisco Aironet シリーズ 3700 アクセス ポイント導入ガイド
チャネル レール アダプタ:シスコ部品番号 AIR-CHNL-ADAPTER
オプションの AIR-AP-BRACKET-3 を使用して AP を直接タイルに設置する
IDF クローゼット(電気通信機器またはその他の電気機器)内での設置
1600/2600/3600 および 3700e APs 用
AP 3700i、3600i、2600i および AP 1600i
ビーム形成 - レガシー ClientLink 1.0 および 2.0
AP 3600 無線モジュールのシスコ部品番号(AIR-RM3000AC-x-K9=)
802.11ac および AP 3700(Wave-1)の理解
Power Over Ethernet および AP 3700
このマニュアルは、Cisco ワイヤレス LAN(WLAN)ソリューションの一部として、Cisco 3700 シリーズ アクセス ポイントの動作理論および設置について記載しています。関連するテーマは次のとおりです。
• フィーチャ モジュールと ClientLink のサポート。
• 物理的な詳細/ハードウェアの詳細、マウント オプション、ブラケットの選択、および設置の考慮事項。
• アンテナ オプション、放射パターン、および外部アンテナの導入。
• 空間ストリーム、MCS レートおよびビーム形成(802.11n プライマー)の理解。
• AP 3600 用の 802.11ac および Wave 1 モジュールの確認。
• AP 3700 用の 802.11ac および Wave-1 の理解。
• ベスト プラクティス:チャネル使用、80 MHz、および使用可能な 11ac クライアントの理解。
このマニュアルは、シスコ ワイヤレス ネットワーキング グループ(WNG)の既存製品ラインと機能に精通し、トレーニングを受けた経験豊富な技術スタッフを対象としています。
Cisco 3700 シリーズ アクセス ポイント(AP 3700)は、ミッション クリティカルなアプリケーションのサポートを必要としているお客様をターゲットとしています。AP 3700 は、革新的なアンテナ テクノロジーである ClientLink 3.0 を実装したものです。ClientLink 3.0 は、Multiple Input Multiple Output(MIMO)構成で 4X4 と呼ばれる、4 つの送信無線と 4 つの受信無線から構成され、3 つの空間ストリーム(3SS)をサポートします(4x4:3)。このタイプのアンテナを、追加の変調符号化方式(最大 256 QAM をサポートする MCS レート)と 80 MHz チャネル ボンディングと一緒に使用すると、1.3 Gbps までのレートをサポートできます。
ClientLink 3.0:これらの機能を追加のアンテナ(N+1)と一緒に使用すると、すべての 802.11a/g/n クライアント(ClientLink 2.0 など)に対するビーム形成が可能になり、11ac 3 空間ストリーム クライアントにビーム形成を実行するようになります。
• キャプチャ アンテナ(ハウジングの構成部分となっていて取り外しできない)を持つ内部アンテナのバージョンには「i」というラベルが付いています。「i」シリーズは、オフィスの美的景観を第一に配慮する企業向けの屋内設置用として設計されています。
• 「e」というラベルが付いた外部アンテナのバージョンはより堅牢であり、病院、工場、倉庫など、外部アンテナおよび/または広い動作温度範囲が必要な場所での使用を想定した産業用の設計となっています。「e」バージョンは、最も要求の厳しい環境での用途向けの NEMA ラック内へのマウントもサポートします。
• プロフェッショナルな導入環境向けのアクセス ポイントは、「p」シリーズというラベルが付けられ、屋外の用途で使用できます。
AP 3700 および AP 3600 の前面の外見は似ていますが、3700(左)はエッジにカットが施されており、ロゴのエリアに凹みがあります。これにより、種類の異なる AP デバイスを視覚的に簡単に識別できます。
図 4 AP 3700 vs AP 3600(外部アンテナ モデル)
図 5 AP 3700 および AP 3600(背面は同一)
AP 3700e は 802.11ac(Wave-1)をネイティブでサポートします。これによって、追加機能用のフィーチャ モジュールのスロットが開放される一方で、802.11ac データ レート(w/AP 3700e)に対する外部アンテナ接続が可能になります。
AP 3700 と AP 3600 にはいずれも、オプションのモジュールに対する統合サポートがあります。モジュラ設計サポートの目的は、テクノロジーの変化に対応して長く使用できる真の柔軟性を持つ製品を提供することです。これにより、お客様には真の価値の保護が提供されます。またシスコにとっても、現在の安定したプラットフォームに新しい機能を導入する機会を得ることができます。
ワイヤレス セキュリティおよび拡散スペクトル インテリジェンス(WSSI)モジュールは、AP にお客様の投資を将来にわたって保証するための新機能を追加します。このモジュールは、(AP が動作しているチャネルだけではなく)全スペクトラムをスキャンする専用モニタ無線を提供します。CleanAir、WIDS/WIPS、Context-Aware ロケーション、不正検出、無線リソース管理(RRM)といったフル モニタリングおよびセキュリティ サービスはモニタ モジュールに任せることができます。このモジュールは 2.4 および 5 GHz 帯域のすべてのチャネルの全スペクトラムを分析できます。
WSSI モジュールによって、全スペクトラムのモニタリング用に別の専用オーバーレイ ネットワークを配備する必要がなくなり、余分なケーブルの引き込みと追加のインフラストラクチャ コストが不要になります(図 7)。
また 802.11ac(Wave 1)機能を提供する AP 3600 のオプションのモジュールがあります。AP 3700 はすでに 802.11ac(Wave 1)を内蔵しているため、このオプションは使用できません。AP 3600 用のこのオプションのモジュールは 5GHz で動作し、AP 3600 では 802.11a/n を、802.11ac クライアントとともに完全にサポートすることが可能となります。Wave-1 機能は、1.3 Gbps PHY/~1 Gbps MAC(スループット)をサポートします(3 つの空間ストリーム、80 MHz、256 QAM を使用)。オプションのモジュールは ClientLink 2.0 をサポートしませんが、802.11ac 標準の一部である明示的ビーム形成の仕様をサポートします。
3/4G サポートおよび 802.11ac Wave-2 の追加モジュールを参照してください。
オプションのモジュールを使用すると、モジュールの消費電力が通常 15.4 W(.3af)より大きくなるため、ローカルの電力供給、シスコのパワー インジェクタ、.3at PoE+、または Cisco Enhanced PoE の使用が必要になる場合があります。
(注) Cisco Enhanced PoE はシスコによって開発されたもので、802.3at PoE+ 技術の先駆けです。
図 7 AP 3700 および AP 3600 の下部のフィーチャ モジュール
AP 3700 は、新しい「ClientLink 3.0」をサポートし、1、2、および 3 空間ストリームを含む 802.11ac クライアントに対してビーム形成を行うことができます。また、レガシー 11a/g クライアントと、802.11n の 1、2、3 空間ストリームのクライアントで、すべての ClientLink 2.0 機能をサポートします。
AP 3600 は、レガシー 11a/g クライアントおよび 11n 1、2、3 空間ストリームに対してビーム形成を行う ClientLink 2.0 をサポートしますが、ClientLink 3.0(11ac クライアントに対するシスコのビーム形成方式)はサポートしません。
モジュールを搭載した AP 3700 および AP 3600 はいずれも ECBF(Explicit Compressed Beam Forming)として知られる 802.11ac ビーム形成標準をサポートします。これは、ビーム形成の新しい IEEE の方式ですが、11ac クライアントでは完全にはサポートされていません。Cisco ClientLink はこれと類似していますが、現在 11a/g/n および 11ac クライアントを含むすべてのクライアントで機能します。また、ClientLink は、AP の追加トランシーバを利用しており、3 空間ストリームを持つクライアントに対してビーム形成を行います。
AP 3700 および AP 3600 はいずれも 4x4:3 アーキテクチャをサポートします。ただし、モジュールを搭載した AP 3600 は 3x3:3 モードでのみ 11ac をサポートし、一度に 7 つ以上の AC クライアントにビーム形成を行うことはできませんが、AP 3700 は無線インターフェイスにつき 128 クライアントにビーム形成が可能です。
AP 1600、2600、3600、および 3700 の物理的な寸法は類似しており、物理的な外観が若干異なります。ほとんどの場合、この差異は異なるモデルを識別できるようにするための表面的なものです。マウント オプションおよびブラケットの構成は同一で交換可能です。
図 10 AP 1600、2600、および 3600 の機械図面
お客様の要件に応じて使用可能なさまざまな設置オプションがあります。ブラケットは、シスコおよびサードパーティ企業から入手できます。発注段階で、お客様は 2 種類のブラケットのうち 1 種類を選択できます(両方は選択できません)。各ブラケットは設定時の 0 ドル オプションです。お客様がブラケットを選択しない場合、デフォルトでは、天井設置用の一般的な AIR-AP-BRACKET-1 が選択されます。もう 1 つの選択肢は、部品番号 AIR-AP-BRACKET-2 のユニバーサル ブラケットです()。
図 12 アクセス ポイント ブラケットの選択:AP 3600 モジュールを使用する場合、AIR-AP-Bracket-2 の使用をお勧めします
AP をグリッド構造の天井に直接取り付ける必要がある場合は、AIR-AP-BRACKET-1 を使用すると、同一面上に平らに取り付けることができ、最も目立ちません。ただし、電気ボックスやその他の配線器具、または NEMA ラック内や壁面に AP を取り付ける場合は、AIR-AP-BRACKET-2 が適切です。ブラケットの余分なスペースを使って配線でき、追加の穴が多くの一般的な電気ボックスに合わせて並んでいます。ブラケットをグリッド構造の天井に取り付ける場合、天井タイルによっては埋め込み型にするものもあります。したがって、2 つの違う形の天井クリップの、埋め込み型(Recessed)と同一面型(Flush)のレールを使用できます(図 13)。
図 13 天井グリッド クリップへの取り付け用に、違う形のクリップが用意されています
図 14 に示すような天井チャネル レールに AP を取り付ける場合、オプションのチャネル アダプタ AIR-CHNL-ADAPTER を使用します。これは 2 個組で付属していて、前述の天井グリッド クリップに取り付けます。図 14 および図 15 を参照してください。
図 15 AIR-CHNL-ADAPTER(左)をレールにスライド
図 16 AIR-CHNL-ADAPTER をレール クリップ(左)に取り付けて設置完了(右)
多くの病院など、カーペット敷きエンタープライズ環境では合理化された外観が好まれ、タイルに AP を直接設置することがあります。これは、オプションの Cisco AIR-AP-BRACKET-3 を使用して行うことができます(図 17)。
このブラケットを使用する場合、「ビューティー リング」をテンプレートとして使用して、タイルを切り取ります。タイルはカーペット ナイフや Dremel™ または Rotozip™ の回転切削工具などの電気工具で切断できます。タイルには非常に多くの形態があり、簡単に切断できるため、シスコではカスタムのカット タイルを提供していません。
AP は天井の上で、タイルの長さにわたって延びる金属製レールによって支えられます。これは、タイルがぬれたり、別の要因で役に立たなくなったりした場合に AP を支えます。機械固定ネジで AP をしっかりと天井に引き上げ、ブラケットにはめ込みます。さらに、Kensington 形式のロックを使用すれば、AP の物理的セキュリティを維持できますが、一度取り付けると、タイル前面から AP を抜き出すことができないため、タイルを外さずに AP を取り外すことは困難です。
図 17 AP をタイルに直接設置する際に使用されるオプションの AIR-AP-BRACKET-3
(注) このブラケットは、1040、1140、1260、1600、2600、3500、3600、および 3700 シリーズ AP に固定されます。
壁面への取り付けが必要な場合、壁はワイヤレス信号への物理的な障害物になる可能性があり、そのため 360 度のカバレッジの維持が壁によって損なわれる可能性があることを理解する必要があります。壁の外壁である場合および / または目標として代わりに 180 度のパターンで信号を送信する場合、AP 3600e の使用を想定して、「パッチ」アンテナと呼ばれることも多い方向性アンテナを選択する方がよい場合もあります。
オプションの Oberon 直角マウントを使用しない場合、AP 3600i などのアンテナ内蔵 AP は壁面に取り付けないようにします(図 18)。内部アンテナ モデルは、360 度のカバレッジを提供するため、天井に取り付けるように設計されました。天井方向以外で壁面に取り付けられている場合は、信号がフロアの上や下を通り抜けることがあります。これが原因で意図しないカバレッジが生じ、たとえば、Wi-Fi 電話器などのモビリティ クライアントを持つユーザが隣接フロアを歩くと、追加で不要なローミング アクセスが発生する可能性があります。
代わりに、AP 3600e(ダイポール アンテナまたはパッチ アンテナ装備)を使用するか、壁面にマウントした場合に AP 3600i または AP 3500e を天井タイプ方向に設置する、オプションの壁面マウントを使用してください。
(注) 壁面マウントの AP 3600i および AP 3700i などの内部アンテナを装備した AP には、たとえばホット スポット、キオスク、狭い場所のシナリオがなく、ローミングが論点にならない場合は、Oberon マウント ブラケットを使用する必要があります。
図 18 壁面取り付け AP アンテナは垂直(上下)かまたは 3600i および 3700i などの「I」シリーズに最適な Oberon 直角マウント構造を使用する必要があります。Oberon P/N 1029-00
AP の色を変更したい場合には、AP に塗装すると保証が無効になるため、色付きビニール テープを使用するか、Oberon の色付きプラスチック カバーを使用することを考慮してください(図 19)。
図 19 AP のカラー変更、カスタム ロゴの追加、または LED を隠すためのサードパーティ オプション
多くの病院および工場では、周囲環境をしっかりとふき取り、化学薬品(多くの場合、清掃と殺菌性能を持つ希釈された物質)を軽く吹きかける必要があります。Cisco AP 3600 はエンタープライズおよび産業用クラスのコンポーネント専用の Wi-Fi チップセットを搭載して設計されています。(図 20)。これにより、AP ラックはプレナム定格を満たし、通気口をなくすことができるため、このユニットはこのような用途に最適です。
図 20 AP 3600 内部:カバーが取り外された状態(通気またはファンなし、すべて業界品質)
(注) AP 2600 および AP 3700 も同様の構造を持ち、クリーン ルーム環境での使用に向けて設計されています。
クリーン ルーム環境で金属製の天井や空間(タイルが実用的ではない場所)が要求される場合は、Oberon の金属製ラックを使用できます(図 21)。
図 21 Oberon の金属製ラックはクリーン ルーム エリアの AP を保護し、しっかり固定する
AP 3600 および AP 3700 はプレナム空間(UL-2043)の設置に対して定格が定められています。天井に何も見えないように AP を設置することを選ぶお客様も多くいます。場合によっては、美観上の理由からこの方法が好まれ、お客様は吊り天井の上に AP を設置できます。この方法は、教室や、天井には目視できるものがないことがポリシーで規定される領域など盗難が多い場所にも好まれる場合があります。
これが厳しい要件である場合、Erico や Cooper などのサードパーティ企業が提供しているオプションの T バー ハンガー アクセサリを使用できます(図 22)。Erico Caddy 512a や Cooper B-Line BA50a などの T バー グリッド T バー ハンガーを使用できます。
(注) 天井の下への取り付けが選択できない場合のみ、天井タイルの上に AP を設置してください。タイルは導通状態でないことが必要です。このような設置では確かに音声や場所などの高度な RF 機能が低下する可能性があるため、カバレッジとパフォーマンスを検証してください。AP をタイルの内側中央にできるだけ近い場所に取り付け、障害物のある領域は避けるようにしてください(図 23)。
図 23 天井タイルの上に AP を設置:障害物のない場所を選択し、天井の散乱物を避ける
運動用エリア、スタジアム、オープンな庭園空間、倉庫のフリーザーなど、AP が外気にさらされる可能性のある過酷な環境に AP を設置することを希望するお客様は、NEMA タイプのラックを使用することができます。
(注) AP によっては NEMA ラックでの屋外導入向けには保証されていない場合があります。これは、世界各国で異なります。たとえば規制機関によっては、AP が冷凍庫や庭園のエリアでなどの屋内で使用される場合に AP 屋外 NEM ラックを許可し、屋外での使用は禁じている場合があります。これは、気象レーダーのコンプライアンス、多くの場合 UNII-1 に関して異なるようです。シスコ アカウント チームまたは地元管轄の通信規制機関に確認してください。
図 24 底面に圧力ベントがある NEMA 16 x 14 x 8 ラックの例
NEMA タイプのラックは次のようなサードパーティによって供給されています。
NEMA タイプのラックを使用する場合は、雨水や湿気がケーブルを伝ってラックに侵入しないように、ケーブルをラックの下部から外に出すようにしてください。また、ラックの色は、熱価に影響する可能性があります。たとえば、日の当たる場所では、黒いラックは白いラックよりも非常に熱くなります。水分蓄積を防ぐために圧力ベントを使用することもできます。 を参照してください。
アクセス ポイントが「サイド アーム」タイプの取り付けで設置されているか、高振動が生じる可能性のある場所に設置されている場合は、パッドロックまたは金属製ピンを使用して、AP が振動で緩んでブラケットから落ちないようにすることが推奨されます。
図 25 金属製ピンまたはパッドロックは経年劣化しないため、プラスチック タイより望ましい
倉庫への設置は保管庫内の天井が非常に高く、物が散乱しているため、困難な場合が多くあります。カバレッジ調査(サイト調査)を行うとき、保管庫内の物によって RF カバレッジが変わり、均一なカバレッジの喪失を招く可能性があるため、「フル ストック」レベルでのカバレッジを必ず確認します。また、できるだけユーザの近くに AP を配置するようにし、可能であるか実際的であればアンテナの位置を低くしてください。AP が空中 30 フィートの位置にある場合、信号は「最高条件で」30 フィート遠くまで到達しなければなりません。通路にカバレッジを設定する場合は、壁面に方向性(パッチ)アンテナを使用し、通路に届くようにします。または、高ゲイン全方向性アンテナはより多くのヌルが生じる傾向があるため、天井に低ゲイン全方向性アンテナ(ダイポールなど)を使用するか、または統合アンテナを持つユニットを使用することもできます。 を参照してください。
別の方法は、パイプおよび電気ボックスによる取り付け技法を使用して AP の取り付け位置を低くすることです。
(注) 外部ダイポールの「e」シリーズまたは内部アンテナの「i」シリーズのバージョンが使用できます。
パイプの端部または電気コンジット ボックスに AP を取り付けるには、ユニバーサル ブラケットである Cisco AIR-AP-BRACKET-2 を使用します。これはほとんどの電気ボックスの穴に合わせて調整されているためです(図 27)。コンジットおよびアダプタは、ほとんどの電器店やホームセンターで購入できます。
図 27 AP を電気コンジット ボックス(天井の T バーまたはコンジット)に取り付ける
新しいケーブルの取り付けの場合は CAT-5e でも AP 1600/2600 および AP 3600 は問題なく動作しますが、CAT6a ケーブルが 10GE 規格で要求されるため、お客様が CAT6a を使用することを推奨します。
実際的または可能であれば、アンテナ ケーブル区間をできるだけ短く保つようにしてください。シスコでは、Times Microwave LMR-400 および LMR-600 と同じ特性を持つ低損失(LL)と超低損失(ULL)ケーブルを提供しています。
シスコ製ケーブルはパーツ番号 AIR-CAB(Aironet ケーブル)の後に長さがきます。たとえば、RP-TNC コネクタ付きの 20 フィート LL ケーブルは Cisco AIR-CAB-020LL-R です。これらの重く黒いケーブルはプレナム定格を満たさず、主に屋外か製造エリアでの用途です。
図 28 ケーブル用の穴を開ける場合は、コネクタのドリル ビットのサイズ(通常 5/8 インチ)を考慮します
AP などの Wi-Fi デバイスがあり、異なるチャネル付近で別の AP を使用する場合は、各 AP の間隔を約 6 フィート(2 m)取ることが推奨されます。これにより、パフォーマンスが低下するおそれがあるため、異なる AP から AP またはアンテナを一緒にクラスタリングすることは避けてください。この推奨される間隔は、両方のデバイスがライセンス不要の帯域で動作し、RF エネルギーを 23 dB、つまり、200 mW を超えて送信しない前提に基づいています。多くの電力を使用する場合、間隔をさらに開けます。
たとえば、AP の周波数の近くで動作する周波数ホッピングのレガシー AP やその他のデバイス(2.4 および 5 GHz 帯域近辺で動作)など、送信する別のデバイスがあり、特にそれらが同じ周波数範囲で動作する場合は、妥当な間隔をあけてデバイスを移動したり、離したりすることを検討してください。この操作の実行後、両方のデバイスを高使用率(負荷)で同時にテストして干渉があるかどうか調べ、次に各システムで個別に低下が見られるかどうか、低下していればどの程度か、特性を明らかにします。
警告 FCC、EU、および EFTA の RF ばく露制限に準拠するため、アンテナは身体から 7.9 インチ(20 cm)以上離れた場所に配置する必要があります。詳細については、適合宣言に基づいた設置ガイドを参照してください。
AP を他の電気機器または電気通信機器の近くに設置する場合、すべての配線および金属類をアンテナから離し、電気配線の近くのアンテナの取り付けは避けてください。アンテナから近い場所(6 ~ 15 インチ)には電気配線またはイーサネットを通さないでください。AP に最適な場所は可能な限りユーザに近い場所であることから、電気クローゼット内に AP を設置しないようにしてください。クローゼットからリモート アンテナをケーブルでつなぐ場合、プレナム定格ケーブルの使用が要求される場合があります(詳しくは、現地の防災安全に関する規定を確認してください)。
http://www.cisco.com/en/US/prod/collateral/wireless/ps9391/ps9393/ps9394/prod_white_paper0900aecd807395a9_ns736_Networking_Solutions_White_Paper.html
http://www.cisco.com/en/US/prod/collateral/wireless/ps5678/ps10981/white_paper_c11-609300.html
AP 3600 および AP 3700 の仕様書には定義されていませんが、これらのアクセス ポイントは、25°C/15,000 フィートの非稼働高度テストを実行した後に動作チェックに合格しています。さらに、40°C/9,843 フィートの稼働高度テスト時に動作テストにも問題なく合格しています。
テスト グループのすべてのユニットは少なくとも 1 つの WLAN クライアントに接続され、稼働高度テストを通して継続的に ping テストを行いながら、トラフィックを渡す継続的な動作が監視されました。
AP 3700 および AP 3600 上のアンテナ システムのデュアル バンドの性質および ClientLink ビーム形成といった主要な機能を理由として、DAS の配備には推奨されません。
DAS ソリューションへの Wi-Fi の統合を望むお客様は、どのような DAS であっても、Wi-Fi を導入した場合の RF サポートについてシスコが保証、承認、提供することはないことを理解する必要があります。
DAS 製品のサポートの責任は DAS ベンダーやシステム インテグレータが責任を持ちます。DAS のベンダーやシステム インテグレータは、RF 関連の問題に関して適切な RF カバレッジおよびサポートを提供します。このサポートには、位置の精度、RF カバレッジ、RF に関連するローミングの問題、マルチパスの問題、拡張性が含まれますが、これに限定されるものではありません。
さらに、DAS ベンダーおよび/またはシステム インテグレータは、導入した DAS システムが DAS システム上でのすべてのお客様の Wi-Fi デバイスおよびアプリケーションに対する要件を満たすことを認識する責任もあります。この声明には、Voice over WLAN(VoWLAN)および医療機器を含みますが、これに限定されるものではありません。
Cisco Technical Assistance Center(TAC)とシスコのフィールド チームは、DAS 上で使用された Cisco WLAN で発生する RF の問題に対するサポートは提供しません。シスコとのカスタマー サポート契約に従って、シスコ製品の RF に関連する以外の問題に対してサポートを提供します。
http://www.cisco.com/en/US/prod/collateral/wireless/ps5678/ps6973/positioning_statement_c07-565470_ps10092_Products_Data_Sheet.html
エレベータのカバレッジは、エレベータに近い場、一般にエレベータ扉の近くの各フロアに AP を配置して実施することがあります。多くの場合、エレベータには金属製のドアがあり、シャフトがコンクリートで固められているか、Wi-Fi カバレッジを低下させるその他の材料を含んでいるため、エレベータ内部のカバレッジを確認することが重要です。そのようなカバレッジは課題になる場合がありますが、多くの場合は、特にエレベータが少数のフロアだけで動作している場合は実行可能です。
高層ビルのエレベータでは、クライアントが多数の AP 間を比較的高速に循環するため、ローミングの問題によってより大きい課題があります。エレベータ内部に広告があるため、シャフト内のフロアにパッチ アンテナを、エレベータのかごの底面にパッチ アンテナを配置する企業や、シャフト側に沿って漏洩同軸ケーブルを使用する企業もあります。
エレベータのかごやシャフトの中に Wi-Fi 機器を設置する場合は、安全性の理由から禁止されるか、またはビルの所有者や地域の消防署によって禁止されることが多いため、現地の規制に従う必要があります。また、危険であるため、このような作業の経験があるエレベータ修理人や請負業者だけがそのような領域に入るようにしてください。
次のアンテナは、APs 1600e*/2600e および 3600e と併用することができます。
AIR-ANT2524DB-R:デュアルバンド(黒)ダイポール(4 つ必要):2/4 dBi ダイポール
AIR-ANT2524DW-R:デュアルバンド(白)ダイポール(4 つ必要):2/4 dBi ダイポール
AIR-ANT2524DG-R:デュアルバンド(グレー)ダイポール(4 つ必要):2/4 dBi ダイポール
AIR-ANT2535SDW-R:デュアルバンド(ショート)ダイポール(4 つ必要):3/5 dBi ダイポール
AIR-ANT2524V4C-R:デュアルバンド全方向性(1 つ必要):2/4 dBi 天井取り付け全方向性の使用
AIR-ANT2544V4M-R:デュアルバンド全方向性(1 つ必要):4/4 dBi 壁面取り付け全方向性の使用
AIR-ANT2566P4W-R:デュアルバンド方向性(1 つ必要):6 dBi パッチ壁面取り付けの使用
(注) これらはすべてデュアルバンド、デュアルレゾナントのアンテナです。AP の他の無線帯域を無効にする場合を除いて、この製品にシングルバンド アンテナを使用しないでください。また、AP1600 の場合は、必要なダイポール アンテナは(4 つではなく)3 つです。天井、壁、またはパーチ マウントを使用している場合は、単に 4 つ目のアンテナ リードを未使用のままにしてください。
米国では、AP の屋外使用を計画する場合は「P」シリーズの製品の使用をお勧めします。次のアンテナは AP 3600p および AP 3700p シリーズで使用される可能性があります。
AIR-ANT2524V4C-R:デュアルバンド全方向性(1 つ必要):2/4 dBi 天井取り付け全方向性の使用
AIR-ANT2544V4M-R:デュアルバンド全方向性(1 つ必要):4/4 dBi 壁面取り付け全方向性の使用
AIR-ANT2566P4W-R:デュアルバンド方向性(1 つ必要):6 dBi パッチ壁面取り付けの使用
また、AP 3700p には、スタジアムでの用途に使用される高ゲイン アンテナとの屋外における使用に対する FCC 承認があります。シスコ AIR-ANT2513P4M-N は、「N」スタイルのコネクタを持つデュアル バンド 13 dBi パッチ アンテナです。
(注) ケーブル アセンブリ:インストールによっては RP-TNC から N(AIR-CAB005LL-R-N)が必要となる場合があります。
Cisco アンテナの詳細については、『 Cisco Aironet Antennas and Accessories Reference Guide 』を参照してください。
アンテナ リファレンスガイドには、すべてのシスコ製アンテナの詳細が記載されています。また、個々のデータシートは次の URL にあります。 http://www.cisco.com/en/US/products/hw/wireless/ps469/index.html
(注) 可能な場合は常にシスコのアンテナを使用してください。次の URL を参照してください。http://www.cisco.com/en/US/prod/collateral/wireless/ps5678/ps10981/white_paper_c11-671769.pdf
Cisco は新しい小型サイズのダイポールも販売しています。このアンテナには連接型ナックルはありませんが、小型サイズのため、外観が重要な場合に役立ちます。
図 30 短いダイポール AIR-ANT2535SDW-R の放射パターン
加えて、以下のアンテナは、1600、2600、3600、および 3700「e」シリーズ AP で使用される場合があります。
図 31 AIR-ANT2524Dx-R デュアルバンド ダイポール アンテナの仕様
図 32 AIR-ANT2524Dx-R デュアルバンド ダイポール アンテナの放射パターン
図 33 AIR-ANT2566P4W-R デュアルバンド パッチ アンテナの仕様
図 34 AIR-ANT2566P4W-R デュアルバンド パッチ アンテナの放射パターン
アンテナが壁に取り付けられていることを前提として、アジマス(赤)はアンテナからの信号です。仰角(青)は、「上下」のパターンです。
図 35 AIR-ANT2524V4C-R デュアルバンド全方向性アンテナの仕様
図 36 AIR-ANT2524V4C-R デュアルバンド全方向性アンテナの放射パターン
図 37 AIR-ANT2544V4M-R デュアルバンド全方向性アンテナの仕様
図 38 AIR-ANT2544V4M-R デュアルバンド全方向性アンテナの放射パターン
(注) 粒状のパターンについては、対応するアンテナの個別の仕様シートを参照してください。
このアンテナは多くの場合、高ゲインを必要とする屋外のプロフェッショナルによる設置で使用されます。このアンテナには、2 つの縦に分極化されたポートと 2 つの横に分極化されたポートがあります。アンテナ後部にあるアンテナ コネクタは、「N」スタイルのメス RF コネクタです。部品番号 AIR-CAB005LL-R-N のオプションのケーブル アセンブリ(4 ケーブル)を注文するか、自分のケーブル アセンブリを使用できます。
図 40 2.4 GHz AIR-ANT2513P4M-N の放射パターン
図 41 5 GHz AIR-ANT2513P4M-N の放射パターン
AP 3700i 統合アンテナ モデルのアンテナ パターンを図 42 と図 43 に示します。
AP 3600i 統合アンテナ モデルのアンテナ パターンを と に示します。
AP 2600i 統合アンテナ モデルのアンテナ パターンを と に示します。
AP 1600i 統合アンテナ モデルのアンテナ パターンを と に示します。
図 42 AP 3700i 内部アンテナ @ 2.4 GHz の放射パターン
図 43 AP 3700i 内部アンテナ @ 5 GHz の放射パターン
図 44 AP 3600i @ 2.4 GHz の放射パターン
図 46 AP 2600i @ 2.4 GHz の放射パターン
図 48 AP 1600i @ 2.4 GHz の放射パターン
Cisco のアンテナ コネクタはすべて、「A」、「B」、「C」などラベル付けされます。「A」は「B」や「C」などに比べて優先度が高いため、AP がたとえば 3 つか 4 つのアンテナをサポートする場合に 2 つのアンテナしかない場合、追加のアンテナを取り付けるまで一時的にポート「A」および「B」で使用することができます。
少ない数のアンテナを使用することは推奨されませんが、製品は(必要とあれば)1 つまたは 2 つのアンテナのみを使用した 802.11a/b/g クライアントまたは単一の空間ストリーム N クライアントをサポートします。ただし、パフォーマンスに深刻な障害が生じた場合、ClientLink 機能を失います。この場合、AP をソフトウェアに設定して他のアンテナを使用しないようにする必要があります。
(注) AP1600 には 3 つのアンテナ ポートがあります(エントリ レベルの AP であるため設定不可)。AP 2600/3600 には、1 個の追加トランシーバ(帯域ごとのレシーバ/トランスミッタ)を備えた、4 個の設定可能なアンテナ ポートがあります。
次のような MIMO(デュアル放射素子アンテナ)を使用する場合について記述します。
AIR-ANT2524V4C-R - デュアルバンド全方向性 - 2/4 dBi 天井取り付け全方向性の使用
AIR-ANT2544V4M-R - デュアルバンド全方向性 - 4/4 dBi 壁面取り付け全方向性の使用
AIR-ANT2566P4W-R - デュアルバンド方向性 - 6 dBi パッチ壁面取り付けの使用
AP のすべてのアンテナ ポートがアンテナに接続されている限り、アクセス ポイントのどのアンテナ ポートにどのアンテナ線が入るかは重要ではありません。パッチ アンテナ AIR-ANT2566P4W-R の場合、要素がプラスチック製ハウジング内に物理的に離れて(並んで)置かれているため、ポート A および B 上のパッチの外側の 2 つの要素を使用するとパフォーマンスが多少改善します。これは小さな改善で重大なものではないため、ラベル付けされていません。
図 50 6 dBi パッチ アンテナ:重大ではありませんが、ポート A および B は端で使用するのが理想的です
図 51 AP 1600:最適なダイバーシティを得るためにポート「A」は「B」および「C」から最も離れて間隔が開いています
繰り返しますが、最適なアンテナの配置は、アンテナが実際のユーザに物理的に最も近い場所に置くことです。ダイポールなど、複数の単一パッケージのデュアルバンド アンテナを外部に取り付けている場合、間隔は重要ではありませんが、アンテナをできるだけ離してください(「A」と「B」を最も離す)。
図 52 アンテナの配置:アンテナ同士を 10 フィート以上離すのは避けてください(アンテナは同じ RF カバレッジ エリアに配置してください)
(注) 以前の 3500 シリーズのアクセス ポイントで使用されるようなシングルバンド(シングル放射素子アンテナ)は、新しい 1600/2600 および 3600 シリーズのアクセス ポイントと完全に互換性がないため使用しないようにします。1260 および 3500 シリーズのアンテナは、個別の帯域ごとに製造されたシングル放射素子アンテナです。3600、2600、および 1600 AP はデュアルバンドのデュアル放射素子アンテナを使用し、オレンジ色のマーキングが見分ける印になっています。 および を参照してください。
高金属を帯びた分布地域または空港の格納庫などのエリアで 802.11n を使用する場合、(天井の)低ゲイン アンテナの方が、すべての方向で信号を放射し、マルチパスによって信号が拡張される可能性が増える傾向があるため、より適切に動作する場合があります。当然ながら、明確なショットがある場合、おおよそ同じ高さまたは(WLAN クライアント)の少し上の、通路の端でパッチ アンテナが優先されます。
図 54 カバーを取り外した高ゲイン アンテナ AIR-ANT2480V-N の例
高ゲイン アンテナの場合、多くはアンテナ素子がより長く、その真下にいるときに電波の伝導に使用できる金属面領域が少なくなるため、高ゲイン アンテナの直下にヌルまたはデッド スポットがあることがあります。ただし、アンテナから離れれば離れるほど、利用できる面が広がり、動作がより快適になります。
空間ストリームの基本を理解するためのビデオは、次の URL を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/netsol/ns767/index.html
複数の異なる送受信パスを持つ無線システムを指す MIMO は 802.11n の中核です。MIMO システムは、システム内でのトランスミッタとレシーバの数を使用して記述されます。たとえば、「2x1」とは、2 個のトランスミッタと 1 個のレシーバが搭載されたシステムを示します()。
空間ストリーム(複数のアンテナ ポートから情報を同時に送信する動作)は、APs に少なくとも 2 つ以上のトランスミッタがあり、802.11n の原理(たとえば、複数の空間ストリームのサポート)に対応している必要があります。
802.11a/b/g の時代は、データ レートは実際の Mbps のレート(2、11、54 Mbps など)で、1 つのトランスミッタで実行されました。AP 3500 シリーズの場合は、帯域ごとに 2 個のトランスミッタがあるため、2 個の空間ストリームを使用して最大 300 Mbps の 802.11n データ レートをサポートします。
802.11n では、異なるデータ レートは変調および符号化方式(MCS)インデックス値と呼ばれ、その値は使用されるストリーム数をも定義します。AP 3500 は、ボンディング チャネルとショート ガード インターバル(GI)で設定された、300 Mbps(MCS レート 15)までサポートします。 を参照してください。 MCS 値は実際のデータ レートに相当します。
図 55 AP 3500i/e は 2x3:2 システム(最大 2 個の送信チェーンをサポート)
(注) 2x3:2 は、2 つの空間ストリームをサポートする 2 つのトランスミッタおよび 3 つのレシーバを示しています。
図 56 変調および符号化方式:2 SS のボンディング チャネルによる最大 300 Mbps までのサポート
AP 3500 とは異なり、新しい AP 3600 は、2 倍のトランスミッタ数(帯域ごとに 4 つ)と 3SS をサポートし、最大 450 Mbps のデータ レート高速化を実現します。冗長性とパフォーマンス向上(アップストリームおよびダウンストリーム)のための追加の無線があり、AP 3600 は 3SS クライアントへのビーム形成も行うことに注意してください。
AP 3600 はデュアル バンド設計の使用により、4 個のアンテナだけを使用して、合計 8 個のトランシーバ(トランスミッタ/レシーバ)を装備します()。4 つの無線が 2.4 GHz および 5 GHz の各帯域で使用されます。
図 57 AP 3600:無線帯域ごとに 4 個のトランスミッタと 4 個のレシーバ
AP 2600 は AP 3600 に似ていますが、3x4:3 であるためわずかに異なります。これは、AP 2600 にも受信(アップストリーム信号)を助長する 4 個のアンテナがありますが、ダウンストリーム側では 3 個しかトランスミッタを使用しないことを示します。
の MCS チャートの黄色のセクションは、AP 3600 でサポートされる高速データ レートを示します。AP 3600 は 802.11a/b/g レートの他、MCS 値が 0 ~ 23 の 802.11n レートをサポートします。
図 58 AP 2600/3600 による最大 450 Mbps(MCS レート 0 ~ 23)のサポート、AP 1600(MCS レート 0 ~ 15)
これらの追加 MCS レートにより、レート切り替えの決定を行う際に 3SS をサポートするクライアントの選択肢が増えます。レート切り替えアルゴリズムにより、全体的に最適なスループットの接続が維持されるためです。
3SS をサポートするクライアントが一般的になりつつあります。新しい 802.11ac 仕様が牽引力を獲得してきているため、多くの新しいクライアント アダプタは新しいチップセットが搭載され、802.11ac に対するサブセットとして 3SS がサポートされることになります。さらに、多くの競合他社とは異なり、Cisco AP 1600/2600/3600 および 3700 ではすべての DFS チャネルを完全にサポートし、5 GHz の範囲で使用可能なチャネルが増えます。もっと多くのクライアント、特に 802.11ac クライアントが登場しはじめ、802.11n モードのこれらの新しいチャネルもサポートするようになります。
現時点で最も普及している 3SS クライアントは Apple 2011 MacBook Pro です。これは Broadcom BCM4331 チップセットと、Ralink チップセットがベースの Trendnet 製小型 USB アダプタである「TEW 684UB」を基盤にしているためです。
さらに、Intel 5300 および 6300 は 3SS を長期間にわたりサポートしています。おそらくはこのカードが異なるハードウェア プラットフォームに取り付けられたために、テスト担当者たちは高いスループット(320 Mbps 以上)を多くのノートで確認し、スループットが低下(240 Mbps など)したノートも他にありました。Intel カードを使用して低スループットが発生した場合、MacBook Pro または Trendnet アダプタを試してみてください。十分に動作する場合は、その Intel カードと別のノートを試すか、Intel またはラップトップのメーカーに問い合わせて、解決の可能性を探ります。AP 3600 ベータ テストでは、Intel 6300 カードを使用してさまざまなノートでのパフォーマンスの違いを観測しています。
(注) クライアントでの 3SS モードからのレート切り替えが簡単であるため、確実に 3SS リンクを維持することが難しい場合があります。クライアントは 3SS リンクを維持する機能において重要な役割を果たし、そのため、使用されるクライアントとテスト環境の質によって異なる場合があります。
帯域ごとに追加の無線を備えた AP 3600 は、追加の冗長な無線を使用してビーム形成し(ClientLink 2.0 によって)、これを使用して 3SS リンクの利点を維持できます。Cisco ClientLink 2.0 では、1、2、および 3 個の空間ストリームおよびレガシー .11a/g クライアントを使用して、802.11n クライアントの全体的なパフォーマンスも向上できます。
ClientLink 1.0 は 1250 および 1140 シリーズの AP で初めて導入されました。また、これは、クライアント側で非常に強い信号を出現させるため、アップリンクのクライアントをヒアリングしてトランスミッタのタイミングを調整することで、802.11a/g クライアントのダウンリンク側により強い信号を作成する方法です。
この機能は以前はユーザ設定が可能でした。ただし、7.2 のコード ストリームから、これがデフォルトになっています。これを無効にする利点はないため、ユーザ設定はできません。
AP 3600 は 802.11a/g クライアントの ClientLink 1.0 を完全にサポートしますが、1、2、および 3 個の空間ストリーム クライアントを含むすべての 802.11n クライアントもサポートするため、利点が大きくなります。この機能は、ClientLink 2.0 と呼ばれます。802.11n により拡張されたビーム形成仕様で ClientLink 2.0 を使用する明らかなメリットがあります。ClientLink 2.0 は現在ではすべてのクライアントと連動し、クライアントの調査やサポートが必要ないためです()。
ビーム形成テクノロジーでは、2 個のトランスミッタのタイミングを変更して、レシーバ(クライアント デバイスなど)に対する強度を上げた信号を発生させます。これは強め合う干渉と呼ばれます。ただし、逆のことが起こり、信号同士が相互に取り消し合うことがあります。これを弱め合う干渉といいます。 を参照してください。
では、1 個の空間ストリームを使用する ClientLink 1.0 と、3 個の空間ストリームを使用する ClientLink 2.0 をビジュアルに比較しています。AP 3500 とは異なり、AP 3600 は、4 個のトランシーバを使用して複数の空間ストリームを、非常に高いパフォーマンスで提供します。AP 3600 は 802.11a/g と 802.11n、1、2、および 3 個の空間ストリームのすべてのクライアントに対するビーム形成が可能です。信号は各ストリームがビーム形成されると 3 倍になります。
図 61 ClientLink の例(クライアントに信号を送信する、この場合は 1 個の空間ストリーム)
(注) 3 個の空間ストリームを使用してクライアントにビーム形成するには、3 個のトランスミッタが送信中に使用されるため、AP はビーム形成に少なくとも 1 個の追加の無線が必要です。AP 3600 および AP 3700 は帯域ごとに 4 つの無線を使用し、3 つの空間ストリームを使用するクライアントにビーム形成できます。
要約すると、Cisco ClientLink はアップリンクのクライアントからヒアリングした受信信号を受け取り、マルチパスの信号がそれらのストリームからどのように見えるかを計算します。次に、相手側(ダウンリンク送信)では、4 個すべての無線を使用して、信号を形作る最適な方法を見つけ(ビーム形成送信)、クライアントによる最小限の再試行で最適なデコード(ダウンリンクでの信号受信)を可能にします。
ClientLink 3.0 を AP 3700 と使用すると、3SS クライアントを含むすべての 802.11n および 11ac クライアントに対するビーム形成が可能になります。AP 3600 と ClientLink 2.0 を使用して、3SS クライアントを含む、すべての 802.11n クライアントにビーム形成可能で、一度に最大 128 クライアントに対して行うことができます。
(注) AP 1600 は少数のクライアント(32)をサポートし、3SS はサポートしません。ClientLink 1.0 は一度に最大 15 個のクライアントをサポートしていました。ClientLink 2.0 は、ダウンリンク側で最大 60 % までスループットとカバレッジを大幅に向上させ、より優れた 802.11n クライアント接続と、個人所有デバイスの持ち込み(BYOD)エクスペリエンスを実現します。
図 62 Cisco ClientLink および IEEE ECBF の違い
Cisco ClientLink の詳細については、次の URL を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/prod/collateral/wireless/ps5678/ps11983/at_a_glance_c45-691984.pdf
ClientLink は動的にビーム形成し、強力な信号の持続を促進するため、少ない再試行で済みますが、これはセル範囲を変更するために設計されたものではありませんでした。ClientLink により、セル サイズを大きくするのではなく、適切な接続エクスペリエンスが生まれます。
したがって、サイト調査中は、AP 3600 セル サイズが他のシスコ アクセス ポイントと一般的に同じか、または類似していることに留意することが重要です。図 63 に、1 ~ 54 Mbps の一般的な範囲を示します。配置しようとする機器を使用して調査することが常に推奨されますが、AP 3500 などで実施した以前の調査では、AP 3600 の配置に無効性は見られません。 および図 65 は、変調型および信号対雑音比(SNR)の例を示します。
図 63 AP 3600 サイト調査範囲(一般的なセル サイズ変更なし、AP 3500 および AP 3600 のセル サイズは同一)
(注) 3SS の SNR が 28 dB(IEEE 単位)ですが、シスコの RF エンジニアは最適なパフォーマンスを得るために 30 ~ 32 dB を推奨します。
すべてのアクセス ポイントに関して覚えておくべきガイドラインは次のとおりです。
1. 最適なパフォーマンスを得るためにできるだけユーザの近くに AP を配置することを常に試します。環境を意識します。たとえば、病院は金属のドアを使用しているため、ドアが閉められた場合にカバレッジが変わる場合があります。古い建物はプラスターまたはアスベストスの下に金属グリッド構造がある場合があります。カバレッジ領域を変化させる可能性があるため、AP またはアンテナを金属物の近くに配置しないようにします。
2. 2.4 GHz 周波数を使用すると、同じ 1、6、および 11 チャネル方式が 5 GHz チャネル方式として使用されます()。同じチャネルにすべての AP を配置せず、可能な場合はチャネルを再利用します。このトピックの詳細については、当社の他の導入ガイドを参照してください。
図 66 2.4 および 5 GHz でのチャネル使用例(40 MHz の場合は 2 チャネル使用)
3. どのクライアントを使用するか決め、そのクライアントを使用してカバレッジを確認してみます。たとえば、PDA や Wi-Fi 電話機はノートまたはタブレットと同じ範囲ではない可能性があります。
ヒント 展開するクライアントで最もパフォーマンスの低いクライアントを使用してカバレッジを確認します。
4. 最速のスループットに対して 3 つの空間ストリーム カバレッジが必要で、BYOD を最善のものにしたい場合、Cisco Aironet 3700 と ClientLink 3.0 の使用をお勧めします。さらに、3600 シリーズ AP と ClientLink 2.0 は AP 3500 よりパフォーマンスが優れています。AP 3600 および AP 3700 は、802.11n およびレガシー 11a/g クライアントにビーム形成します。このため、Cisco Aironet 1260、3500、および 3600 シリーズ アクセス ポイントを同じエリアで併用する場合、データ要件を理解することは重要です。
5. サイト調査が一般に推奨されますが、設計を半分の労力で行っても、Cisco RRM が適切に存在すれば、小規模の予定地には限定的なサイト調査(カバレッジ チェック)で十分な場合があります。列車での接続性、石油/ガスの垂直構造部材、大規模病院のような非常に課題の大きい環境である場合は、シスコ アドバンスド サービス チームと契約して、設置の迅速化や実施の支援を依頼することができます。詳細については、シスコのアカウント チームにお問い合わせください。
6. Cisco AP 3600 は 7.1.91 以上のコード ストリームで導入され、Cisco 2500、7500、5508、および WiSM2 シリーズ コントローラ、WCS 7.0.220 以上、および NCS 1.1 以上でサポートされます。APs 1600 および 2600 は 7.4 のリリースで導入されました。Cisco AP 3700 は 7.6 以上のコード ストリームに追加されました。
7. 経験則によるカバレッジ計画としては、データ用に 5,000 平方フィートあたり AP 1 個、音声およびロケーション サービス用に 3,000 平方フィートあたり 1 個です。
8. 一部のクライアント(特に古いもの)は UNII-2 拡張クライアント チャネル 100 ~ 140 をサポートしません。したがって、古いクライアントがたくさんある場合、DCA チャネル リストで無効にすることをお勧めします。
(注) 新しい 802.11ac クライアントと同様、ますます多くのクライアントがこれらのチャネルを常にサポートするようになっています。
802.11ac は 802.11n と下位互換ですが、異なる特徴や機能を持つ「Wave」で提供されています。新機能および機能性には、AP 3700 での場合と同様新規ハードウェアが必要です。これは、802.11ac(wave-1)統合および(11ac wave-1 オプション モジュールを介して)AP 3600 をサポートします。
モジュラではない AP は通常、完全なハードウェア交換を必要とします。モジュールをサポートするアクセス ポイントは寿命が長く、技術が変化しても有効な使用を継続することができます。
802.11ac(Wave 1)の最初のリリースは 802.11n に次の機能を提供します。
• 802.11n の一般的な 450 Mbps よりも高速な、1.3 Gbps の PHY レート
• 802.11n の 64 QAM よりも高速な 256 QAM の変調の導入:これにより、802.11n と同様の新しいデータ レートが多く作られますが、多くの場合、シングル ストリームおよびマルチ ストリームのデバイスでより高速なレートとなります。
• 80 MHz チャネルのボンディング機能と 802.11n の 40 MHz ボンディング:これにより、デバイス(多くの場合、複数の無線がないポータブル バッテリ駆動式デバイス)空間ストリームの使用可能な帯域幅を拡張することで、1 つの空間ストリームのみをサポートするデバイスのスループットを大きく向上させることができます。
• Explicit Compressed Beam Forming:これは 802.11n で提案されたものと類似しており、クライアントがサウンド メカニズムの利点を活かして、本質的には信号をクライアントへビーム形成して戻すためのより良い方法をアクセス ポイントに伝える方式です。この機能は 802.11ac クライアントでしか動作せず、Cisco WAVE 1 モジュールでサポートされていますが、これにより、プライマリ 802.11n 無線によって依然として使用されている Cisco Client Link の価値が否定されるものではありません。Client Link はすべての 802.11a、g、n クライアントに利益をもたらすためです。
• シスコ製品に関しては、AP 3600 での 802.11ac モジュールは 5 GHz のみです。802.11ac は企業での導入においてはチャネルの制限と帯域幅制限により 2.4 GHz では適切な拡張性がないため(2.4 GHz でチャネルをボンディングすることは現実的ではない)、そして非標準の「ターボ モード」では拡張性がないためです。
図 67 1 つの空間ストリームの 801.11n に対する MCS レート(左)と 1 つの空間ストリームの 802.11ac に対する MCS レート
図 68 使用可能な帯域幅を増やすチャネル ボンディング(多車線ハイウェイと同様)
したがって、802.11ac によって高速化が実現され、クライアントに全体的なパフォーマンス向上のための追加の帯域幅と複合変調の利点をもたらします。一方で、すでに配備されている 802.11n および 802.11a/g システムとの下位互換性が維持されます。
図 69 新しい MCS レートとボンディングによる高速化:1 つのストリームで最大 433 Mbps。
最高速度は、複数の空間ストリームを使用すると実行されます。新しいスマート フォンは 1 つの空間ストリームのみをサポートすることが見込まれますが、ハイエンド タブレットおよびノートパソコンは 2 つ以上の空間ストリームをサポートします。2 つまたは 3 つの空間ストリームを使用するときの速度を見てみましょう。
図 70 2 つまたは 3 つの空間ストリームでの典型的な Wave 1 のデータ レート
802.11ac のサポート(Wave 1)を提供する独立した無線モジュールは、AP 3600 内でサポートされます。
• 独立した 802.11ac オーバーレイを提供することによって、既存の 5 GHz 802.11n の無線を補完。
• 最大 80 MHz のチャネル ボンディングを許容することにより、802.11ac クライアントにより高速なスループットを許容。
• 802.11n の 64 QAM から拡張された、高密度変調の 256 直交振幅変調(QAM)。
モジュールの詳細と仕様については、次の URL を参照してください。 http://www.cisco.com/en/US/prod/collateral/modules/ps12859/ps13128/data_sheet_c78-727794.html
モジュールがインストールされている場合、AP 3600 は 3 つのアクティブな無線を操作します。それは、2.4 GHz および 5 GHz の統合無線(スロット 0 および 1)と、802.11ac の 5 GHz モジュール(スロット 2)です。この追加の無線モジュールはアクセス ポイント全体の電力を 18 ワット消費します。供給電力が制限されている場合(たとえば 15.4W 802.3af 電力)、アクセス ポイントは、拡張 PoE、802.3at PoE+、パワー インジェクタ、またはローカル パワー サプライ AIR-PWR-B などの適切な電源が使用可能になるまで無線モジュールが無効の状態になります。
設置者または管理者が 15.4 W の電源からモジュールの電力を供給する必要があると判断した場合(2.4 カバレッジが十分にある高密度インストールが想定される)、またはすでに 2.4 カバレッジを備えた 802.11ac の領域を増やすために AP が使用されている場合、内部の 2.4 GHz 無線を無効にして、802.11ac モジュールを備えた AP 3600 が全電力およびすべての機能を使えるようにすることができます。RF の電力に譲歩して空間ストリームや他のポートを停止するよりも、設置者が全機能のサイト調査を 15.4W(802.11af)で実行できるようにしたことから、これは非常に優れた方法です。
図 73 省電力の 802.3af のモジュール電源オプション(15.4 ワット)
モジュールのアンテナが内部にあり、モジュールに RF コネクタがないため、モジュールは AP 3600i と同じように放射します。したがって、アンテナは内部モデルでの場合と同じように「現れ」ます。
図 74 AP とモジュールから上部カバーを外し、アンテナの配置を示した図
図 75 最適なカバレッジを得るための天井への配置、全方向性で放射
AP が天井ではなく壁に設置される場合は、ホットスポット、キオスク、輸送機関または小規模のカバレッジ エリアなどの小規模の配置の場合はこれは可能です。ただし、企業での配備の場合は、信号が統一された 360 パターンで下降するのではなく、上の階と下の階で放射することがあるため、過剰なロームが発生する可能性があります(横倒しになった前述の図を想像してください)。
モジュールを AP 3600e(外部アンテナ搭載)に取り付ける場合にも、802.11ac モジュールは 図 75 に示されているように動作し、ダイポール アンテナが使用されている場合、AP は全方向性カバレッジ パターンを提供し続けます。パッチまたはその他の方向性または高ゲイン アンテナが使用されている場合、2 つの別のカバレッジ パターンを持つ条件が作られることがあります。5 GHz モジュール無線と内部の 5 GHz 802.11n 無線は両方とも 1 つの「混合」無線として動作するため、ダイポールを使用するか、カバレッジが目的の用途に対して許容されるかを検証して、セルを均一に保つことが最善です。
図 76 アクセス ポイント内部のモジュール アンテナ、全方向性放射
5 GHz モジュールは内部の 5 GHz 802.11n 無線と同じ周波数帯域で動作するため、どちらの無線も同時に動作するように意図的に設計されており(混合された無線として考えてください)、両方の無線が適切な分離とパフォーマンスを維持しながら 1 つの無線として動作します。競合製品とは異なり、これによって 802.11ac クライアントがモジュールによって保守される一方で、レガシー a/g および 802.11n クライアントは統合無線によって保守され、信号強度に基づいてクライアントのバウンスを試みることなく、ClientLink 2.0 を最大限に活用してビーム形成できます。
AP がデュアル コア プロセッサを搭載しており、IDE のハード ドライブに使用される「マスター/スレーブ」アプローチのように、1 つのコアでモジュールを管理している場合、モジュールは常に「マスター」の無線(この場合は統合型 802.11n)から指示を受けます。したがって、たとえば 80 MHz(802.11ac)のチャネル ボンディングを選択して、電力と周波数の選択を行うときは、モジュール無線ではなく統合無線が「アンカー」ポイントを設定します。このポイントで、オーバーレイを実行するモジュールで周波数が始まり、統合された「マスター」無線(802.11n 無線)によって選択された既存のチャネルを超えて 80 MHz が拡張されます。統合無線とモジュールは、どちらも同じ SSID を共有します。
この仮想無線のアプローチでは両方の無線が有効になっている必要があります。統合型 5 GHz の無線を無効にし、.11ac 無線モジュールのみを実行することはできません。
クライアントのパフォーマンスを最適化するために、802.11ac クライアントは ECBF(明示的に圧縮されたビーム形成)を活用できます。これは、IEEE 802.11ac の標準化されたビーム形成方法(シスコの Client Link と一部類似)ですが、少し異なります。802.11ac クライアントは「サウンド情報」を AP に送信する必要があり、AP がそのサウンド情報を(クライアントから)使用して最適な状態で(ビーム形成によって)信号をクライアントに戻します。
(注) ECBF は 802.11ac クライアントでしか動作せず、Cisco Client Link が依然として 802.11n およびレガシー クライアントの全体的なパフォーマンスを高めるために 802.11ac 以外のクライアントで使用されています。結果として、802.11ac クライアントだけでなくすべてのクライアントでパフォーマンスが向上しています。これによって、AP からクライアントをバウンス オフすることなく AP への安定した接続が維持されます。信号強度などの他の方法を使用すると、不要なクライアントのローミングが発生し、実際にはトラフィックを渡すのに役立ちません。
統合無線サービスで 802.11ac 以外のクライアントを保守する一方で、モジュールが 802.11ac クライアントを保守するようにすると非常に有益です。802.11ac クライアントにモジュール無線でサポートされていないもの(たとえば、Cisco Client Extensions の「CCX エレメント」など)が必要である場合、802.11ac モジュールはその要求をサービスする統合無線にクライアントをプッシュします。
前述したとおり、モジュール装備のアクセス ポイントには 3 つの無線インターフェイス「スロット 0~2」があり、同じ RF 電力特性と SSID を共有しています。これにより、両方の無線が「仮想」無線または混合無線として動作することができます。RRM は統合無線とモジュール無線の両方を制御します。
「グリーンフィールド」の 802.11ac モード、RRM、不良 AP 検出、SI(スペクトラム インテリジェンス)がない場合、すべてが引き続き通常どおり動作します。
802.11ac は比較的新しいため、VHT(非常に高いスループット)要求を処理する専用モジュールがあれば、どのクライアントが 802.11ac レートで接続され、どの 802.11ac クライアントが実際に 802.11n レートで接続しているかを把握することが容易になります。これを実行するには、スロット ID を調べます。
• 無線が「連携して」動作していることが理解されていない。最初に無線をスロット 1(内部 5 GHz)に設定する必要があります。
• 5 GHz の両方の SSIDs は同一である必要があり、すべての .11ac クライアントが .11ac モジュールに送信されることが理解されていない。
図 79 取り付けネジを締める必要がある。または、通電されていない。
• モジュールがある場合、「module radio found and ok」というメッセージがコンソールに表示されます。
• 電源に関するコンソールの CDP メッセージ「Power ok - HIGH POWER inline power source」。
• この場合、モジュールを取り外して AP が「ok」か確認し、再度設置します。
• モジュールは「slot-2」として表示される必要がある。
• PoE を調べる(AIR-PWRB または AIR-PWR-INJ4 を試す)
• モジュールが AIR-PWR-INJ5 で動作するように設計されていない。
• 802.11ac クライアントは 802.11n と同じセキュリティ タイプで接続する必要がある。
• モジュール無線はハードウェアの 50 クライアントをサポートします。
• 1 つの SSID ごとにマルチキャスト トラフィックのキーは 8 個:11ac 無線で 8 つの SSID に対して最大 8 個のキー。
• クライアントのユニキャスト トラフィック用に 42 個のキー。
• 42 を超えるクライアントが関連付けられている場合、クライアントは接続されますが、暗号化と復号化がソフトウェアで行われるため、一部のクライアントのスループットは低下します。
CCX:Cisco Compatible Extensions(5 GHz の統合無線はこれらの要求を処理します)
IAPP(WGB とクライアントの接続に使用される):WGB はサポートしません。
(注) 基本的に標準クライアントのように動作するため、WGB を WGBu(ユニバーサル)モードで接続できますが、WGBC はサポートされていません。また SE-Connect モード、メッシュ モード、モニタ モード、自律モードはサポートされません。
AP 3700 シリーズは、統合 802.11ac Wave-1 無線を持つデュアル バンド AP で、より多くのオプションや柔軟性を実現するためにフィーチャ モジュールを開放します。AP 3700 は、AP 3600 と同様の業界先端のアーキテクチャ 4X4:3 を持ちます。ClientLink 3.0 のような追加の機能、および 802.11ac で外部アンテナを使用するオプションを持つ AP 3700 は Cisco のえり抜きの AP と言えます。
AP 3700 は、800 MHz および 512 MB の RAM で稼働し、専用の Cisco Custom Application Specific Integrated Circuit(ASIC)を実行します。このカスタム チップは、データ プレーン ハードウェア アクセラレーションのために、スペクトル インテリジェンス、ClientLink 3.0 を独自開発の Cisco IP と統合します。
AP 3700 は、完全な金属製のシールドを持つ堅牢な AP で、通気口を必要とせず、耐水性があります。この AP は、クリーニングに化学薬品が使用される可能性のある医薬環境に適しています。フィーチャ モジュールも残りの AP からシールド保護されています。両側に開いたエリアがあり、フィーチャ モジュール アンテナが適切に放射できるようになっています。言うまでもなく、AP 3700 はオプションのモジュールで 802.11ac Wave 2 にアップグレードできます。
(注) AP 3700 上のアンテナは、AP 3600 のパターンとほぼ同様に放射します。いずれのモデルもこのガイドおよび『Cisco antenna reference guide』で説明されています。
図 80 導電ガスケットおよびデュアル バンド アンテナ設計を示す AP 3700 内部
統合 802.11ac wave-1 無線を持つ AP 3700 は Power over Ethernet(PoE)ソース、ローカル パワー、またはミッドスパンやパワー インジェクタから実行されるように設計されています。AP 3700 が PoE によって電源が供給され、ソースが 802.3af(15.4 ワット)の場合、AP は 3x3:3 でフル稼働します。拡張パフォーマンスのために 802.3at、拡張 PoE、Cisco PoE Injector-4 またはローカル電源などの追加の電源を使用できます。(15.4W より大きい)追加の電源が供給されると、3700 は 4x4:3 モードに移行します。
ヒント 4x4:3 などのモードは、3 つの空間ストリームを使用できる 4 つのレシーバおよび 4 つのトランスミッタを意味しています。
これにより、AP が 3-ss クライアント(Clientlink 3.0)にビーム形成を許可することでパフォーマンスが向上します。また、「追加」のレシーバを保証して、弱いクライアント信号をデコードし、ダウンリンクだけでなくアップリンクのパフォーマンスも向上します。
シスコは、一部のお客様が .3af(15.4 電源予算)の使用を継続する必要があることを理解しています。お客様が低い PoE 要件を持つが、AP 3700 や WSSI モジュールなどの使用を希望する場合、AP 3700 はモジュールで機能しますが、モジュールが有効な状態で 2x2:2 モードで機能します。
また、たとえば Cisco 2500 シリーズ コントローラなどの小型コントローラは低い 15.4W PoE 仕様をネイティブでサポートし、小型であることを前提に使用は可能です。ただし、高いスループットが必要な場合は、高い電源(ローカルまたは PoE)を使用する必要があります。
(注) Cisco PWR-INJ4 PoE インジェクタも使用できますが、15.4W のみであるため、PWR-INJ5 は避けてください。
AP 3700 が高い PoE 電源または削減された(15.4W)電源で実行されているかどうかについては、コントローラを確認することでこれを簡単に判断できます。
図 81 802.3af(15.4 ワット)モードで実行される AP 3700
図 82 使用可能電力が 18 W 以上である場合にフル電力モードで稼働する AP 3700
図 83 シスコのアクセス レイヤ スイッチを使用した AP 3700 電源オプション
現在米国では、22 チャネル(20 MHz)、9 チャネル(40 MHz)、4 チャネル(80 MHz)があります。802.11ac(Wave 2)は 160 MHz のチャネルをサポートしますが、今日使用できるのはわずか 1 チャネルのみです。米国連邦通信委員会やその他の規制機関がライセンス不要のスペクトラムのニーズを認識し、より多くのスペクトラムを解放するために積極的に取り組んでいるため、今後はこれが改善されることが見込まれます。
使用可能な周波数と、チャネル ボンディングがどのように動作するかを見てみましょう。
現在米国では、80 MHz のチャネルは 4 つのみですが、これは改善される見込みです。
• 米国では現在、帯域幅が 20/40/80/160MHz チャネルである 22/10/5/1 チャネルがあります。
• 5.35-5.47GHz および 5.85-5.925GHz の解放により、チャネルの数は 34/16/8/3 に増大します。
• 企業が TDWR チャネルを取り戻すことに取り組むと、その数は 37/18/9/4 に増加します。
したがって、時間の経過とともに別のチャネルが使用可能になっていくでしょう。
図 86 米国シアターに対するチャネル計画(現時点では全面的には実施されていません)
1. 802.11ac 配備およびサーベイは 802.11n とほとんど変わりがありません。
2. 802.11ac は、より高速の 256 QAM モジュレーションをサポートし、802.11ac クライアントが高速でより広い範囲のデータ レートを使用できるようにするため、クライアントは高い接続レートを維持できます。目標は高い接続レートの維持です。
3. したがって、質問は 80 MHz ボンディング チャネルを配備するのかどうかということになります。
クライアントの視点から、これらのチャネルがどのように見えるかを調べてみましょう。
ほとんどのクライアントは 2 空間ストリームで、80 MHz ボンディングを使用することで 866 Mbp まで達成できます。次の図は、Netgear A6200 クライアント カードを示しています。
図 87 80 MHz でボンディングされる 2 ss クライアントの例
ソフトウェアがチャネルは 36 であるとレポートすることに注意してください(ここからチャネル ボンディングが開始します)。スペクトル アナライザで、使用される実際のチャネルは 36、40、44、および 48 であることが分かります。
(注) クライアントが 80 MHz でリンクするには、AP でチャネル幅を 80 MHz に設定する必要があります。
図 89 コントローラからの AP 3700 を 80 MHz チャネルへ設定
本稿執筆時点では、802.11ac クライアントがスマート フォンに統合され始めているところです。Samsung Galaxy S4、ZTE Grand Memo、および HTC One や、Apple 2013 Macbook Pro などの新型ノートパソコンは 802.11ac を搭載する初期のデバイスです。統合型ノート パソコンおよびタブレット(通常 2~3 の空間ストリームをサポートするデバイス)が今後一般的に使用されることが予測されます。
現在、新規 AP 3700 をサポートするシスコの相互運用性(7.6 リリース用)のテストベッドには以下の設定タイプがあります。
AP、クライアントおよびセキュリティ タイプの相互運用性マトリクスは以下のクライアントでテストされます。
図 91 相互運用性がテストされたノートパソコンおよびクライアント
ドライバ、USB ポートのバージョンなどによって、USB クライアントが少し遅くなる(パフォーマンス)ことが初期に見受けられました。また、DFS(動的周波数選択)帯域で 80 MHz 帯域幅を維持することに問題があるクライアントも見受けられました。テスト中にリーズナブルな結果が得られたクライアントのリストを以下に示します。
図 94 802.11ac クライアントとバージョンのリスト
Wi-Fi は可変性の高いテクノロジーで、パフォーマンスに影響を与える要素が多くあります。例として、環境、クライアント、チャネル、AP 配置、および AP からのクライアントの距離などがあります。
期待する結果が表示されない場合、まず他の Wi-Fi ネットワークとの共存を確認します。全体の 80 MHz 幅チャネルまたは自分でボンディングを実行したものがクリアであることを確認する必要があります。これを確認する最も単純な方法は、3600/3700 を [SE Connect] モードにし、Spectrum Expert または Metageek Chanalyzer Pro を確認することです。これにより、すべてのチャネル上の Wi-Fi およびそれ以外の干渉を表示することができます。
クライアントはパフォーマンスに大きく影響します。まず、クライアント 1、2、または 3 は空間ストリームですか。次に、インターフェイスは何ですか。USB 3.0 クライアントは、USB 2.0 クライアントよりパフォーマンスがずっと優れています。統合された無線は高速バス スピードとデバイスのビルトイン アンテナを活用できるため、最も理想的です。したがって、USB クライアントでの Samsung Galaxy s4(1×1)または Apple MacBook Air(2x2)などのデバイスをお勧めします。USB 2.0 製品よりも USB 3.0 製品をお勧めします。
レート対範囲のデモを実行する場合、チャネルを慎重に選ぶことは重要です。チャネルがクリアであることを確認する必要がありますが、すべてのチャネルが同様に作成されているわけではありません。チャネルによっては合計出力制限があります。これを理由として、ゴールがベスト パフォーマンスである場合は UNII-1 ではなく UNII-3 または UNII-2 の使用をお勧めします。
クライアントはアクセス ポイントからどの程度離れていますか。
次に考慮すべきなのは距離です。クライアントはアクセス ポイントからどの程度離れていますか。802.11ac は 256 QAM を導入し、より複雑なモジュールであるため、距離が離れている場合に維持が困難になります。m8 および m9 と同等の 256 QAM を維持したい場合は、クライアントを 25' 内に保つことをお勧めします。25' を超えると m8/m9 が非継続的に表示されます。
m7 は 11n および 11ac と同じであることに注意してください。違いは、11ac では 80 MHz チャネルが可能であることです。理想的な条件では、11ac が m9 の 11n において 3x のゲイン、m7 で 2x のゲインを持つことを期待できます。AP 3700 はまた 11ac でのリンクにおいて AP 3600 モジュールよりも優れています。
AP 配置について検討する必要があります。10 未満の至近距離のテストでは配置は重要ではないため、AP の周りに障害物がないことだけを確認してください。他のテストでは、AP を適切な場所(天井または壁の上方の正しい位置)に取り付ける必要があります。
金属の付近での AP の取り付けを避ける、天井で水平に取り付ける、などのベスト プラクティスに従うようにしてください。
AP はどのデータ レートでクライアントに送信していますか。
クライアントのデータ レートを監視することは時として役立ちます。データ レートはパフォーマンスに直接影響します。データ レートを監視する方法はいくつかあります。
下の図は、推奨されない設置例を示しています。不適切な設置で優れた Wi-Fi サービスを提供することは非常に困難です。常に金属や散乱物がないようにしてください。
図 95 金属や散乱物の近くでの AP の設置例(金属や散乱物を避けてください)
図 97 金属や散乱物の近くでの AP の設置例(金属や散乱物を避けてください)
図 98 不適切な設置の例:アクセス ポイントは水平にして振動や移動を避ける必要があります
デバイスを取り付ける場合、AP は水平にして揺れたり動いたりしないように固定する必要があります。AP を金属から離して、ユーザにできるだけ近い場所に配置します。
図 99 不適切な設置の例:アクセス ポイントの位置が高すぎ、導電性のある金属箔に埋もれている
AP に最適な場所はできるだけユーザに近い場所であることに留意してください。金属や導電性を持つ物体の近くに置くことを避けてください(無線波が指向性になりヌル(デッド スポット)が増加するため)。AP を高い天井に配置する必要がある場合は、方向性アンテナが信号を目的の領域に(下に)向けているかを確認し、ダイポールを必ず正しい向きに取り付けてください。
図 100 ダイポール アンテナを使用する際は適切な方向にする(垂直方向に偏向)
ヒント アンテナを外部に取付ける場合、配線を必ず下に向かって取り付け、水抜き穴を塞いだり、耐候性の物を置いたりしないでください。
図 101 屋外では配線を下に向けてアンテナを設置する(屋内ではどちらでも可)
図 102 アンテナ コネクタが天候の影響を受ける場合:同軸シールを使用する必要があるが、使用する場合はアンテナの水抜き穴を覆わない
A. AP 3700e、3600e、または 2600e は、-20 ~ 55 °C の最も高い動作温度を持つため、通常はこれらの外部アンテナ モデルが最初の選択肢です。AP 1600 も使用できますが、動作温度は -20 ~ 50 °C とやや低くなります。温度が重要ではない場合、内部アンテナ「i」シリーズの 1600、2600、および 3600 を使用できます。
Q. UNII-1 帯域の制限により、規制機関が AP を屋外で使用することを認めない可能性がある国の場合はどうなりますか。より高いゲイン アンテナを使用したい場合はどうなりますか。
A. シスコのメッシュ製品(1550 および 1530 シリーズ)の導入を検討するか、3702P シリーズまたはシスコのアウトドア ブリッジング製品など、「P」(プロフェッショナルな設置用)が末尾にあるアクセス ポイントを探します。
A. 3700 および 3600 はいずれも、カバレッジ ベースの設計に事実上同様の AP 密度を持ち、容量ベースで設計されています(小型セル)。
Q. シスコの新しいパワー インジェクタ(AIR-PWR-INJ5)がありますが、 AIR-PWR-INJ4 とは何が違うのですか。
A. 新しい AIR-PWR-INJ5 は AP1600 および AP2600 シリーズの製品と使用するための低コストなインジェクタです。これは、802.3af(15.4W インジェクタ)です。AIR-PWR-INJ4 は、(オプションのモジュールが使用される場合)AP 3700 および AP 3600 との使用のために設計された強力なインジェクタです。AIR-PWR-INJ5 は AP 3600 とともに使用できますが、オプション モジュールが使用されている場合には使用できません。
Q. 産業用ワイヤレス動作や煙探知機により WLAN の干渉が発生する可能性がありますか。
A. はい。United Technologies DD475、Optex MX-50 など、一部の製品は、他の製造業者の他のワイヤレス「チャイム」、カメラ、その他の工業設備と同様に、2.4 GHz 帯域で動作します。
Q. オプションモジュールを使用した場合、AP 3600 は何ワットの電力を消費しますか。
A. 18 ワットです。AP 3600 は、モジュールが設置されていると 802.3af(15.4W)よりもわずかに多い電力を消費します。電源オプションには、802.3at PoE+、ローカル電源 AIR-PWR-B、またはインジェクタ AIR-PWR-INJ4 が含まれます。調査の実施または 2.4 GHz のサポートが必要でない場合、無線を無効にすれば、モジュールは 802.3af(15.4 ワット)を使用して最大限の電力と機能を得られます。
Q. 802.11ac(Wave 1)のイーサネットの要件を教えてください。
A. 単一の GbE ケーブルが Wave 1 に適しています。802.11ac(Wave 2)はたしかに GbE 速度を超えますが、802.11ac Wave 1 よりも大きいケーブルを使用する必要性はありません。新規の設置が将来にわたって保証されることを望む設置者は、CAT-6a ケーブル(少なくとも 1 本)と、もう 1 本の CAT-6a ケーブルまたは CAT5e ケーブル(これにより 2 GbE ポートにフォールバックできます)を引いて、Wave 2 の反復および/またはサポート 10GbE に備えることを検討してください(これが方法として現れる場合)。10GbE には PoE 標準化などいくつかの課題があります。今後見通せる範囲では必要なのは単一の GbE のみです。
Q. 802.11ac は「Wave」として提供され、各「Wave」に対して新しいハードウェアが必要であるというのは本当ですか。
A. 802.11ac(Wave 1)の最初の反復は現在使用可能であり、Wave 1 と Wave 2 の両方とも、各「Wave」の反復における新機能を活用するには、新しいハードウェアを必要とします。幸いなことに、AP 3600 などのモジュラ AP アプローチにより、現在では Wave 1 へのアップグレードは簡単になっています。また、競合製品とは異なり、モジュラ サポート付きの AP 3600 および AP 3700 などの新しいシスコのアクセス ポイントは Wave 2 へのアップグレード処理を容易にし、完全な置き換えを必要としません。
Q. 802.11ac モジュールを AP 3600 に設置すると、3 つの無線がすべてアクティブになりますか。
2.4 GHz の無線はレガシー b/g クライアントとともに n クライアントを引き続きサポートします。2 つの 5 GHz の無線(統合 + モジュール)は同時に動作するため、相互に競合しませんが、連携して同じチャネルをサポートします。たとえば、次のような場合です。
• 802.11ac モジュールは 100-104-108-112 で 80 MHz 幅チャネルを採用します。
• 802.11a/n の統合無線は、802.11n クライアントにはチャネル 100-104 および 40 MHz 幅チャネルで動作し、802.11a クライアントはチャネル 100 および 20 MHz 幅チャネルを介して統合無線と通信します。
新しい 802.11ac モジュールが設置された AP 3600 は、2.4 GHz および 5 GHz の帯域の同時サポートと、802.11 a、b、g、n および新しい 802.11ac クライアントのサポートを提供します。
(注) 5 GHz の方では、20 MHz 幅の 11ac チャネルおよび 40 MHz 幅の 11n チャネルを持つことができます。唯一の要件は、プライマリ チャネルが両方のスロットで同じである必要があることで、11n の統合無線のプライマリ チャネル設定によって定められます。
Q. 5 GHz の無線(統合無線および 802.11ac モジュール)を異なるチャネルにすることはできますか。
A. いいえ。2 つの 5 GHz の無線は同じチャネルで同時に動作するため、5 GHz の無線が互いに競合しないようになっており、無線ごとにサポートされるクライアントの数を最大にすることができます。プライマリ(統合型 .11n)無線はモジュール無線を先導するもので、統合無線に設定されたプライマリ チャネルから「拡張」またはボンディングされています。
Q. ワイヤレス AP をインストールする場合の他の考慮事項はありますか。
A. ワイヤレス AP をインストールする場合、以下を考慮してください。
• 可能な限り合理的に実際のユーザの近くに AP を配置することが最重要です。
• どの製品を配置するかに関係なく、(既知の要件に対する)カバレッジがあることを確認し、ヌルまたはデッド スポットを補います。これはサイト調査と呼ばれます。
• 設置はサイト調査から得られた教訓に基づいて行う必要があるため、調査が適切であるほど、接続の問題が発生する可能性が下がります。
• シスコには、パートナーが見つからない場合や対応できない場合に、WLAN 調査の実施やワイヤレス設計を支援する Advanced Services チームがあります。
• 可能な場合は、本書に記載されているシスコ ブランドのアンテナを使用します(オレンジのバンド付き)。
http://www.cisco.com/en/US/prod/collateral/wireless/ps5678/ps13367/data_sheet_c78-729421.html
http://www.cisco.com/en/US/products/hw/wireless/index.html
『Cisco antenna reference guide』
『Why buy Cisco brand antennas』
http://www.cisco.com/en/US/prod/collateral/wireless/ps5678/ps10981/white_paper_c11-671769.pdf
『Understanding Antenna Patterns and their Meaning』
http://www.cisco.com/en/US/prod/collateral/wireless/ps7183/ps469/prod_white_paper0900aecd806a1a3e.html
『Cisco Guest Access Deployment Guide』
http://www.cisco.com/en/US/docs/wireless/technology/guest_access/technical/reference/4.1/GAccess_41.html
『Cisco Schools WLAN Deployment Guide』
http://www.cisco.com/en/US/docs/solutions/Verticals/Education/SRA_Schools/schoolSRA_wlan_sba.pdf
『The Apple Bonjour/Apple TV Deployment Guide』
http://www.cisco.com/en/US/partner/products/hw/wireless/ps4570/products_tech_note09186a0080bb1d7c.shtml
『Optimizing Enterprise Video Over Wireless LAN』
http://www.cisco.com/en/US/prod/collateral/wireless/ps6302/ps8322/ps10315/ps10325/white_paper_c11-577721.html
『Cisco 7925 IP Phone Deployment Guide』
http://www.cisco.com/en/US/docs/voice_ip_comm/cuipph/7925g/7_0/english/deployment/guide/7925dply.pdf
『Cisco Mobility Services Engine - WLAN Location Deployment Guide』
http://www.cisco.com/en/US/products/ps9742/products_tech_note09186a00809d1529.shtml
『WLAN Design Guide for High Density Client Environments in Higher Education』
http://www.cisco.com/en/US/prod/collateral/wireless/ps5678/ps10981/design_guide_c07-693245.pdf
http://www.cisco.com/en/US/netsol/ns820/networking_solutions_program_home.html
『New Generation of Cisco Aironet Access Points』
http://www.cisco.com/en/US/prod/collateral/wireless/ps5678/ps10981/at_a_glance_c45-636090.pdf
http://www.cisco.com/en/US/prod/collateral/wireless/ps5678/ps13367/at_a_glance_c45-729588.pdf
http://www.cisco.com/en/US/prod/collateral/wireless/ps5678/ps11983/at_a_glance_c45-727334.pdf
『New Generation of Cisco Aironet Access Points』
http://www.cisco.com/en/US/prod/collateral/wireless/ps5678/ps10981/at_a_glance_c45-636090.pdf
http://www.cisco.com/en/US/prod/collateral/modules/ps12859/ps13128/data_sheet_c78-727794.html
『802.11ac ― The Fifth Generation Wi-Fi Technical Whitepaper』
http://www.cisco.com/en/US/prod/collateral/wireless/ps5678/ps11983/white_paper_c11-713103_ps12859_Products_White_Paper.html