ハイブリッドワークの実現に向けて行動を起こさなければならないことは明らかであり、多くの企業はその重要性を認識しています。不明確なのは、実現に向けて企業がどのような対策を取る必要があるのかということです。この状況は最近のレポート 1 で明らかになっており、10 人中 9 人の経営幹部がハイブリッドワークモデルを前進させようとしていると述べているものの、そのための基本計画を立てている割合はわずかにとどまっています。実際、こうした企業の 3 分の 1 が、「経営幹部チームとビジョンが連携できていない」と回答しています。さらに「ビジョンの伝達とパイロット運用に着手している」と回答した企業はわずか 10 分の 1です。
これは、情報システム、人事、総務といった主要部門が、組織のハイブリッドワークのビジョンを推進できる機会があることを示しています。各部門における機会は、次のとおりです。
- CIO/情報システム部門:ハイブリッドワークでは、コラボレーション、ネットワーキング、およびセキュリティテクノロジーが統合されます。従業員は、アプリケーションや質の高いコラボレーション エクスペリエンスへのシームレスなアクセスが必要となります。つまり、テレワーク環境のセキュリティを確保し、お客様と従業員のデータを保護することが不可欠です。CIO は、コラボレーション、ネットワーキング、セキュリティなどのデジタル戦略の推進において中心的な役割を果たすことができます。その結果、デジタルに精通したアジャイルな組織が生まれ、従業員、お客様、およびパートナーのニーズに的確に対応できるようになります。
- CHRO/人事部門:優秀な人材を維持し、拡大するには、従業員のニーズを理解することが不可欠です。今日の従業員は、仕事の場所、時間、やり方をより柔軟に選択できることを求めています。ただし、あらゆるケースに対応できる万能なアプローチはありません。仕事の経験、ワークスタイル、仕事に対する希望は、従業員によってさまざまです。経営幹部が従業員の声に耳を傾け、現場のメンバーが最適なハイブリッドワーク環境を決定できるようにすることで、従業員への権限委譲を進め、強みを活かすことができます。
- COO/総務部門:従業員がリモートワークから職場勤務に戻る際に、ハイブリッドワークの運用と施設の管理が大きく変わります。最優先で取り組まなければならないのは、従業員の安全と生産性の確保ですが、そのためにはワークプレイスを再設計して、オフィス中心から人中心にシフトする必要があります。これには、簡単に会議を行えるようにするための専用のコラボレーションスペースや「スマート」スペースを増やすと同時に、専用のワークスペースを減らしたり、縮小したりすることが含まれます。そのため COO は、ハイブリッドワークへの移行で重要となる「人中心」のワークプレイスの構築をサポートするうえで中心的な役割を果たせます。
ハイブリッドワーク戦略を進化させるにあたり、シスコでは、ハイブリッド ワーク ソリューションの構築に役立つフレームワーク、または5つのチェックポイント 2 を活用することをお勧めしています。
- インクルーシブ:誰にでも同じエクスペリエンスを提供。
- 柔軟:あらゆるワークスタイル、役割、環境に適応。
- 心身の健康を重視:安全性、一体感、満足感を重視。
- セキュア:設計からセキュリティを考慮し、デフォルトでプライバシーに配慮。
- マネージド:最新のインフラストラクチャでスムーズな管理を実現。