このドキュメントでは、「show interfaces コマンドの出力における bits/sec の定義とは何ですか。」という質問に回答します。
このドキュメントに関する固有の要件はありません。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、クリアな(デフォルト)設定で作業を開始しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
表記法の詳細については、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
ビット/秒には、すべてのパケット/フレームのオーバーヘッドが含まれます。Stuffed zero 値は含まれません。各フレームのサイズは、出力バイトの合計に追加されます。比率を計算するための差分を、5 秒ごとに取得します。
5 分間移動平均を算出するアルゴリズムは次の通りです。
new average = ((average - interval) * exp (-t/C)) + interval
定義:
tは5秒、Cは5分です。exp(-5/(60*5)) == .983。
newaverage = 計算を試みている値。
average = 前のサンプルから計算した「newaverage」値。
interval = 現在のサンプルの値。
(.983) は重み係数です。
ここで、前回のサンプルの平均を取得します。これは今回のサンプルの平均より低く、減衰係数を使用して重み付けします。この数量を「履歴平均」と呼びます。重み付けを行った(減衰した)履歴平均に現在のサンプルを加えて、新しく重み付けした(減衰した)平均を作成します。
間隔は、5 秒のサンプル間隔中の特定の可変値です。インターバル値には、Load、Reliability、パケット/秒値を入れることができます。この 3 つに指数的減衰アルゴリズム(exponential decay)を適用しています。
平均値から現在の値を引いた値はサンプルの平均からの偏差です。これに .983 を掛けて、現在の値に追加する必要があります。
現在の値が平均より大きい場合、マイナスになり、急上昇したトラフィックによる「average」値の上昇をより少なくさせます。
逆に現在の値がランニング平均より下回っている場合は、プラスになり、トラフィックが急にストップした場合も、「average」値は急速に下がらないことを確認してください。
そのような停止の前に無期限の期間 100% になった後、トラフィックがすべて停止すると考えてください。つまり、平均はゆっくり 100% にまで上がり、そこに止まります。インターバルは、"no traffic" の場合は常に 0 です。その後、5 秒のインターバル中に、指数関数的に重み付けされた使用率は次のように推移します。
1.0 - .983 - .983 ^2 - .983 ^3 - .... .983 ^n
または
1.0 - .983 - .95 - 0.9 - 0.86 -
等。
この例では、90 インターバルの 450 秒または 7.5 分で、 100% から 1% に利用率が下がります。逆に、トラフィックが 0 の時にスタートし、100% ロードを与えた続けた時は、指数的減衰平均は、およそ 7.5 分で、99% に達します。
n が増大すると、トラフィックがない場合、(時が経過するにつれて)平均は(漸近の)0 へゆっくり低下し、最大トラフィックの場合は 100% に上昇します。
この方法は、トラフィックの急上昇、急下降により、"average" 値についての統計値が歪んでしまうのを防ぎます。ネットワーク トラフィックの桁外れな変動を、緩やかにします。
実社会で物事がそれほど白黒とはっきりしていないのと同様、指数的減衰平均は桁外れな変動に左右されにくい、ネットワークの平均利用率を表しています。
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
01-Aug-2006 |
初版 |