ドメイン パラメータに関する情報
ファイバ チャネル ドメイン(fcdomain)機能では、FC-SW-2 標準で記述されているように、主要スイッチ選択、ドメイン ID 配信、FC ID 割り当て、ファブリック再設定機能が実行されます。ドメインは VSAN 単位で設定されます。ドメイン ID を設定しない場合、ローカル スイッチはランダムな ID を使用します。
Caution |
fcdomain パラメータは、通常変更しないでください。これらの変更は、管理者が行うか、スイッチ操作を熟知している人が行ってください。 |
設定を変更した場合は、必ず実行コンフィギュレーションを保存してください。次回にスイッチを再起動したときに、保存された設定が使用されます。設定を保存しない場合は、前回保存されたスタートアップ コンフィギュレーションが使用されます。
ファイバチャネル ドメイン
fcdomain は、4 つのフェーズで構成されます。
-
主要スイッチの選択:このフェーズでは、ファブリック内で一意の主要スイッチを選択できます。
-
ドメイン ID の配信:このフェーズでは、ファブリック内のスイッチごとに、一意のドメイン ID を取得できます。
-
FC ID の割り当て:このフェーズでは、ファブリック内の対応するスイッチに接続された各デバイスに、一意の FC ID を割り当てることができます。
-
ファブリックの再設定:このフェーズでは、ファブリック内のすべてのスイッチを再同期化して、新しい主要スイッチ選択フェーズを同時に再開できるようにします。
次の図は、fcdomain の構成例を示します。
ドメインの再起動
ファイバ チャネル ドメインは、中断を伴う方法または中断を伴わない方法で起動できます。中断再起動を実行した場合は、Reconfigure Fabric(RCF)フレームがファブリック内のその他のスイッチに送信され、VSAN(リモートでセグメント化された ISL を含む)内のすべてのスイッチでデータ トラフィックは中断されます。非中断再起動を実行した場合は、Build Fabric(BF)フレームがファブリック内のその他のスイッチに送信され、該当スイッチでだけデータ トラフィックは中断されます。
ドメイン ID の競合を解消するには、手動でドメイン ID を割り当てる必要があります。ドメイン ID を手動で割り当てるなど、ほとんどの設定変更では中断再起動が必要になります。ドメインの非中断再起動は、優先ドメイン ID をスタティック ドメイン ID(実ドメイン ID は変更なし)に変更する場合にかぎり実行できます。
Note |
スタティック ドメインはユーザによって固有に設定されるため、実行時のドメインと異なることがあります。ドメイン ID が異なる場合は、次回の再起動後にスタティック ドメイン ID を使用するように、実行時のドメイン ID が変更されます。 |
ほとんどの設定は、対応する実行時の値に適用できます。ここでは、実行時の値に fcdomain パラメータを適用する方法について詳細に説明します。
fcdomain restart コマンドを使用すると、変更が実行時の設定に適用されます。disruptive オプションはサポートされていません。
ドメインの再起動
ファブリックの中断再起動または非中断再起動を実行できます。
SUMMARY STEPS
- configure terminal
- fcdomain restart vsan vsan-id
DETAILED STEPS
Command or Action | Purpose | |
---|---|---|
Step 1 |
configure terminal Example:
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
Step 2 |
fcdomain restart vsan vsan-id Example:
|
トラフィックを中断しないで再設定するように VSAN を設定します。VSAN ID の範囲は、1 ~ 4093 です。 |
スイッチの優先度
デフォルトでは、プライオリティは 128 に設定されます。プライオリティの有効設定範囲は 1 ~ 254 です。プライオリティ 1 が最高のプライオリティです。値 255 は、他のスイッチからは受け入れられますが、ローカルには設定できません。
安定したファブリックに追加された新しいスイッチが、主要スイッチになることはありません。主要スイッチ選択フェーズ中に、最高のプライオリティを持つスイッチが主要スイッチになります。2 つのスイッチに同じプライオリティが設定されている場合、小さい World Wide Name(WWN)のスイッチが主要スイッチになります。
プライオリティ設定は、fcdomain の再起動の実行時に適用されます。この設定は、中断再起動および非中断再起動のどちらにも適用できます。
スイッチ優先順位の構成
主要スイッチにプライオリティを設定できます。
SUMMARY STEPS
- configure terminal
- fcdomain priority number vsan vsan-id
- no fcdomain priority number vsan vsan-id
DETAILED STEPS
Command or Action | Purpose | |
---|---|---|
Step 1 |
configure terminal Example:
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
Step 2 |
fcdomain priority number vsan vsan-id Example:
|
指定された VSAN 内のローカル スイッチに指定されたプライオリティを設定します。fcdomain プライオリティの範囲は、1 ~ 254 です。VSAN ID の範囲は、1 ~ 4093 です。 |
Step 3 |
no fcdomain priority number vsan vsan-id Example:
|
指定された VSAN のプライオリティを出荷時の設定(128)に戻します。fcdomain プライオリティの範囲は、1 ~ 254 です。VSAN ID の範囲は、1 ~ 4093 です。 |
ファブリック名の構成
無効化された fcdomain にファブリック名の値を構成できます。
SUMMARY STEPS
- configure terminal
- fcdomain fabric-name 20:1:ac:16:5e:0:21:01 vsan vsan-id
- no fcdomain fabric-name 20:1:ac:16:5e:0:21:01 vsan vsan-id
DETAILED STEPS
Command or Action | Purpose | |
---|---|---|
Step 1 |
configure terminal Example:
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
Step 2 |
fcdomain fabric-name 20:1:ac:16:5e:0:21:01 vsan vsan-id Example:
|
指定された VSAN に設定済みファブリック名の値を割り当てます。VSAN ID の範囲は、1 ~ 4093 です。 |
Step 3 |
no fcdomain fabric-name 20:1:ac:16:5e:0:21:01 vsan vsan-id Example:
|
VSAN 3010 のファブリック名の値を出荷時のデフォルト設定(20:01:00:05:30:00:28:df)に変更します。VSAN ID の範囲は、1 ~ 4093 です。 |
着信 RCF
rcf-reject オプションはインターフェイス単位、VSAN 単位で設定できます。rcf-reject オプションはデフォルトで無効になっています(つまり、RCF 要求フレームは自動的に拒否されません)。
rcf-reject オプションは即座に有効になります。
fcdomain の再起動は不要です。
Note |
仮想ファイバ チャネル インターフェイスの RCF 拒否オプションを設定する必要はありません。 |
着信 RCF の拒否
着信 RCF 要求フレームを拒否できます。
SUMMARY STEPS
- configure terminal
- fcdomain rcf-reject vsan vsan-id
- no fcdomain rcf-reject vsan vsan-id
DETAILED STEPS
Command or Action | Purpose | |
---|---|---|
Step 1 |
configure terminal Example:
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
Step 2 |
fcdomain rcf-reject vsan vsan-id Example:
|
指定された VSAN 内の指定されたインターフェイス上で RCF フィルタをイネーブルにします。VSAN ID の範囲は、1 ~ 4093 です。 |
Step 3 |
no fcdomain rcf-reject vsan vsan-id Example:
|
指定された VSAN 内の指定されたインターフェイス上で RCF フィルタをディセーブル(デフォルト)にします。VSAN ID の範囲は、1 ~ 4093 です。 |
マージされたファブリックの自動再構成
デフォルトでは、autoreconfigure オプションはディセーブルです。重複ドメインを含む、2 つの異なる安定したファブリックに属する 2 つのスイッチを結合した場合は、次のようになります。
-
両方のスイッチで autoreconfigure オプションがイネーブルの場合、中断再設定フェーズが開始します。
-
いずれかまたは両方のスイッチで autoreconfigure オプションがディセーブルの場合は、2 つのスイッチ間のリンクが隔離されます。
autoreconfigure オプションは実行時に即座に有効になります。fcdomain を再起動する必要はありません。ドメインが重複によって現在隔離されており、後で両方のスイッチの autoreconfigure オプションをイネーブルにする場合は、ファブリックは隔離状態のままです。ファブリックを接続する前に両方のスイッチで autoreconfigure オプションをイネーブルにした場合、中断再設定(RCF)が発生します。中断再設定が発生すると、データ トラフィックが影響を受けることがあります。fcdomain に非中断再設定を行うには、重複リンク上の設定済みドメインを変更し、ドメインの重複を排除します。
自動再構成の有効化
特定の VSAN(または VSAN 範囲)で自動再構成を有効化できます。
SUMMARY STEPS
- configure terminal
- fcdomain auto-reconfigure vsan vsan-id
- no fcdomain auto-reconfigure vsan vsan-id
DETAILED STEPS
Command or Action | Purpose | |
---|---|---|
Step 1 |
configure terminal Example:
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
Step 2 |
fcdomain auto-reconfigure vsan vsan-id Example:
|
指定された VSAN で自動再設定オプションをイネーブルにします。VSAN ID の範囲は、1 ~ 4093 です。 |
Step 3 |
no fcdomain auto-reconfigure vsan vsan-id Example:
|
指定された VSAN で自動再設定オプションをディセーブルにし、出荷時のデフォルト設定に戻します。VSAN ID の範囲は、1 ~ 4093 です。 |
ドメイン ID
ドメイン ID は VSAN 内のスイッチを一意に識別します。スイッチは異なる VSAN に異なるドメイン ID を持つことがあります。ドメイン ID は FC ID 全体の一部です。
ドメイン ID - 注意事項
設定済みドメイン ID のタイプは優先またはスタティックになります。デフォルトで、設定済みドメイン ID は 0(ゼロ)、設定タイプは優先です。
Note |
値 0(ゼロ)を設定できるのは、優先オプションを使用した場合だけです。 |
ドメイン ID を設定しない場合、ローカル スイッチは要求内でランダムな ID を送信します。スタティック ドメイン ID を使用することを推奨します。
下位スイッチがドメインを要求する場合は、次のプロセスが実行されます(次の図を参照)。
-
ローカル スイッチは主要スイッチに設定済みドメイン ID 要求を送信します。
-
要求されたドメイン ID が使用可能な場合、主要スイッチはこの ID を割り当てます。使用不可能な場合は、使用可能な別のドメイン ID を割り当てます。
下位スイッチの動作は、次の 3 つの要素により異なります。
-
許可ドメイン ID リスト
-
設定済みドメイン ID
-
主要スイッチが要求元スイッチに割り当てたドメイン ID
状況に応じて、次のように変更されます。
-
受信されたドメイン ID が許可リストに含まれない場合は、要求されたドメイン ID が実行時ドメイン ID になり、該当する VSAN のすべてのインターフェイスが隔離されます。
-
割り当てられたドメイン ID と要求されたドメイン ID が同じである場合は、優先およびスタティック オプションは関係せず、割り当てられたドメイン ID が実行時ドメイン ID になります。
-
割り当てられたドメイン ID と要求されたドメイン ID が異なる場合は、次のようになります。
-
設定タイプがスタティックの場合は、割り当てられたドメイン ID が廃棄され、すべてのローカル インターフェイスは隔離され、ローカル スイッチには設定済みのドメイン ID が自動的に割り当てられます(この ID が実行時ドメイン ID になります)。
-
設定タイプが preferred の場合、ローカル スイッチは主要スイッチによって割り当てられたドメイン ID を受け入れ、割り当てられた ID が実行時ドメイン ID になります。
-
設定済みドメイン ID を変更したときに、変更が受け入れられるのは、新しいドメイン ID が、VSAN 内に現在設定されているすべての許可ドメイン ID リストに含まれている場合だけです。または、ドメイン ID を 0 の優先に設定することもできます。
Caution |
設定したドメインの変更をランタイム ドメインに適用する場合は、fcdomain コマンドを入力する必要があります。 |
Note |
許可ドメイン ID リストを設定した場合、追加するドメイン ID は VSAN のその範囲内にある必要があります。 |
スタティック ドメイン ID または優先ドメイン ID の設定
スタティック ドメイン ID または優先ドメイン ID を指定できます。
SUMMARY STEPS
- configure terminal
- fcdomain domain domain-id static vsan vsan-id
- no fcdomain domain domain-id static vsan vsan-id
- fcdomain domain domain-id preferred vsan vsan-id
- no fcdomain domain domain-id preferred vsan vsan-id
DETAILED STEPS
Command or Action | Purpose | |
---|---|---|
Step 1 |
configure terminal Example:
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
Step 2 |
fcdomain domain domain-id static vsan vsan-id Example:
|
特定の値だけを受け入れるように指定の VSAN 内のスイッチを設定し、要求されたドメイン ID が許可されない場合は、指定の VSAN 内のローカル インターフェイスを隔離ステートに移行します。ドメイン ID の範囲は 1 ~ 239 です。VSAN ID の範囲は、1 ~ 4093 です。 |
Step 3 |
no fcdomain domain domain-id static vsan vsan-id Example:
|
設定済みドメイン ID を、指定 VSAN 内の出荷時のデフォルト設定にリセットします。設定済みドメイン ID は 0 preferred になります。 |
Step 4 |
fcdomain domain domain-id preferred vsan vsan-id Example:
|
preferred ドメイン ID 3 を要求するために指定の VSAN 内のスイッチを設定し、主要スイッチによって割り当てられた値をすべて受け入れます。ドメイン ID の範囲は 1 ~ 239 です。VSAN ID の範囲は、1 ~ 4093 です。 |
Step 5 |
no fcdomain domain domain-id preferred vsan vsan-id Example:
|
指定の VSAN 内の設定済みドメイン ID を 0(デフォルト)にリセットします。設定済みドメイン ID は 0 preferred になります。 |
許可ドメイン ID リスト
デフォルトでは、割り当て済みのドメイン ID リストの有効範囲は 1 ~ 239 です。許可ドメイン ID リストに複数の範囲を指定し、各範囲をカンマで区切れます。主要スイッチは、ローカルに設定された許可ドメイン リストで使用可能なドメイン ID を割り当てます。
ドメイン ID が重複しないように、許可ドメイン ID リストを使用して VSAN を設計してください。このリストは将来 NAT 機能を使用しない IVR を実装する必要がある場合に役立ちます。
ファブリック内の 1 つのスイッチに許可リストを設定する場合は、整合性を保つために、ファブリック内のその他のすべてのスイッチに同じリストを設定するか、CFS を使用して設定を配信することを推奨します。
許可ドメイン ID リストの構成
許可ドメイン ID リストを設定できます。
SUMMARY STEPS
- configure terminal
- fcdomain allowed domain-id range vsan vsan-id
- no fcdomain allowed domain-id range vsan vsan-id
DETAILED STEPS
Command or Action | Purpose | |
---|---|---|
Step 1 |
configure terminal Example:
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
Step 2 |
fcdomain allowed domain-id range vsan vsan-id Example:
|
指定の VSAN でドメイン ID 範囲を持つスイッチを許可するようにリストを設定します。ドメイン ID の範囲は 1 ~ 239 です。VSAN ID の範囲は、1 ~ 4093 です。 |
Step 3 |
no fcdomain allowed domain-id range vsan vsan-id Example:
|
指定の VSAN でドメイン ID 1 ~ 239 のスイッチを許可する出荷時のデフォルト設定に戻します。 |
許可ドメイン ID リストの CFS 配信
Cisco Fabric Services(CFS)インフラストラクチャを使用して、ファブリック内のすべての Cisco SAN スイッチへの許可ドメイン ID リスト設定情報の配信をイネーブルにできます。この機能を使用すると、1 つのスイッチのコンソールからファブリック全体の設定を同期化できます。VSAN 全体に同じ設定が配信されるので、誤設定や、同じ VSAN 内の 2 つのスイッチが互換性のない許可ドメインを設定してしまう可能性を防止します。
CFS を使用して許可ドメイン ID リストを配信し、VSAN 内のすべてのスイッチで許可ドメイン ID リストの整合性をとるようにします。
Note |
許可ドメイン ID リストを設定してそれを主要スイッチにコミットするようお勧めします。 |
配信のイネーブル化
許可ドメイン ID リスト設定の配信をイネーブル(またはディセーブル)に設定できます。
許可ドメイン ID リストの CFS 配信はデフォルトではディセーブルになっています。許可ドメイン ID リストを配信するすべてのスイッチで配信をイネーブルにする必要があります。
Before you begin
CFS の前提条件は、次のとおりです。
CFS はデフォルトでイネーブルです。ファブリック内のすべてのデバイスで CFS をイネーブルに設定しないと配信は受信されません。アプリケーションに対して CFS がディセーブルになっていると、そのアプリケーションからコンフィギュレーションは配信されず、ファブリック内の他のデバイスからの配信も受け取ることができません。CFS を有効にするには、cfs distribute コマンドを使用します。
SUMMARY STEPS
- configure terminal
- fcdomain distribute
- no fcdomain distribute
DETAILED STEPS
Command or Action | Purpose | |
---|---|---|
Step 1 |
configure terminal Example:
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
Step 2 |
fcdomain distribute Example:
|
ドメイン設定の配信をイネーブルにします。 |
Step 3 |
no fcdomain distribute Example:
|
ドメイン設定の配信をディセーブル(デフォルト)にします。 |
ファブリックのロック
既存の設定を変更するときの最初のアクションによって、保留中の設定が作成され、ファブリック内の機能がロックされます。ファブリックがロックされると、次のような状況になります。
-
他のユーザーがこの機能の設定に変更を加えることができなくなります。
-
アクティブな設定をコピーすると保留中の設定が作成されます。以降の変更は保留中の設定に行われ、アクティブな設定(およびファブリック内の他のスイッチ)への変更をコミットまたは廃棄するまでそのままです。
変更のコミット
保留中のドメイン設定変更をコミットして、ロックを解除できます。
VSAN 内の他の SAN スイッチに保留中のドメイン設定の変更を適用するには、変更をコミットする必要があります。保留中の設定変更が配信され、コミットが正常に行われると、設定の変更が VSAN 全体の SAN スイッチのアクティブな設定に適用され、ファブリック ロックが解除されます。
SUMMARY STEPS
- configure terminal
- fcdomain commit vsan vsan-id
DETAILED STEPS
Command or Action | Purpose | |
---|---|---|
Step 1 |
configure terminal Example:
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
Step 2 |
fcdomain commit vsan vsan-id Example:
|
保留中のドメイン設定変更をコミットします。 |
変更の破棄
保留中のドメイン設定変更を破棄して、ロックを解放できます。
いつでもドメイン設定への保留変更を廃棄して、ファブリックのロックを解除できます。保留中の変更を廃棄(中断)する場合、設定には影響せずに、ロックが解除されます。
SUMMARY STEPS
- configure terminal
- fcdomain abort vsan vsan-id
DETAILED STEPS
Command or Action | Purpose | |
---|---|---|
Step 1 |
configure terminal Example:
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
Step 2 |
fcdomain abort vsan vsan-id Example:
|
保留中のドメイン設定変更を廃棄します。 |
ファブリックのロックのクリア
ドメイン設定作業を実行し、変更をコミットまたは廃棄してロックを解除していない場合、管理者はファブリック内の任意のスイッチからロックを解除できます。管理者がこのタスクを実行すると、保留中の変更は廃棄され、ファブリック ロックが解除されます。
保留中の変更は volatile ディレクトリだけで使用でき、スイッチを再起動すると廃棄されます。
ファブリック ロックを解除するには、管理者の権限を持つログイン ID を使用して EXEC モードで clear fcdomain session vsan コマンドを入力します。
switch# clear fcdomain session vsan 10
CFS 配信ステータスの表示
許可ドメイン ID リストの CFS 配信のステータスは show fcdomain status コマンドを使用して表示できます。
switch# show fcdomain status
CFS distribution is enabled
保留中の変更の表示
保留中の構成変更は show fcdomain pending コマンドを使用して表示できます。
switch# show fcdomain pending vsan 10
Pending Configured Allowed Domains
----------------------------------
VSAN 10
Assigned or unallowed domain IDs: 1-9,24,100,231-239.
[User] configured allowed domain IDs: 10-230.
保留中の設定と現在の設定の違いは、show fcdomain pending-diff コマンドを使用して表示できます。
switch# show fcdomain pending-diff vsan 10
Current Configured Allowed Domains
----------------------------------
VSAN 10
Assigned or unallowed domain IDs: 24,100.
[User] configured allowed domain IDs: 1-239.
Pending Configured Allowed Domains
----------------------------------
VSAN 10
Assigned or unallowed domain IDs: 1-9,24,100,231-239.
[User] configured allowed domain IDs: 10-230.
セッション ステータスの表示
配信セッションのステータスは show fcdomain session-status vsan コマンドを使用して表示できます。
switch# show fcdomain session-status vsan 1
Last Action Time Stamp : None
Last Action : None
Last Action Result : None
Last Action Failure Reason : none
連続ドメイン ID の割り当て
デフォルトでは、連続ドメイン割り当てはディセーブルです。下位スイッチが主要スイッチに複数の不連続ドメインを要求した場合は、次のようになります。
-
主要スイッチで連続ドメイン割り当てがイネーブルの場合、主要スイッチは連続ドメインを特定し、それらを下位スイッチに割り当てます。連続ドメインが使用できない場合、スイッチ ソフトウェアはこの要求を拒否します。
-
主要スイッチで連続ドメイン割り当てがディセーブルの場合、主要スイッチは使用可能なドメインを下位スイッチに割り当てます。
連続ドメイン ID 割り当ての有効化
特定の VSAN(または VSAN 範囲)で連続ドメインをイネーブルに設定できます。
SUMMARY STEPS
- configure terminal
- fcdomain contiguous-allocation vsan vsan-id
- no fcdomain contiguous-allocation vsan vsan-id
DETAILED STEPS
Command or Action | Purpose | |||
---|---|---|---|---|
Step 1 |
configure terminal Example:
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
||
Step 2 |
fcdomain contiguous-allocation vsan vsan-id Example:
|
指定された VSAN 範囲で連続割り当てオプションをイネーブルにします。
|
||
Step 3 |
no fcdomain contiguous-allocation vsan vsan-id Example:
|
指定された VSAN で連続割り当てオプションをディセーブルにし、出荷時の設定に戻します。 |
FC ID
SAN スイッチにログインしたN ポートには、FC ID が割り当てられます。デフォルトでは、固定的 FC ID 機能はイネーブルです。この機能がディセーブルの場合は、次のようになります。
-
N ポートは SAN スイッチにログインします。要求元 N ポートの WWN および割り当てられた FC ID が維持され、揮発性キャッシュに格納されます。この揮発性キャッシュの内容は、再起動時に保存されません。
-
スイッチは、FC ID と WWN のバインディングをベストエフォート方式で保持するように設計されています。たとえば、スイッチから 1 つの N ポートを切断したあとに、別のデバイスから FC ID が要求されると、この要求が許可されて、WWN と初期 FC ID の関連付けが解除されます。
-
揮発性キャッシュには、WWN と FC ID のバインディングのエントリを 4000 まで格納できます。このキャッシュが満杯になると、新しい(より最近の)エントリによって、キャッシュ内の最も古いエントリが上書きされます。この場合、最も古いエントリの対応する WWN と FC ID の関連付けが失われます。
-
N ポートを取り外し、同じスイッチの任意のポートに接続すると、(このポートが同じ VSAN に属するかぎり)この N ポートには同じ FC ID が割り当てられます。
永続的 FC ID
永続的 FC ID がイネーブルの場合は、次のようになります。
-
fcdomain 内の現在使用中の FC ID は、再起動後も保存されます。
-
fcdomain は、デバイス(ホストまたはディスク)をポート インターフェイスに接続したあとに学習されたダイナミック エントリを、自動的にデータベースに入力します。
Note |
AIX または HP-UX ホストからスイッチに接続する場合は、それらのホストに接続する VSAN で固定的 FC ID 機能をイネーブルにする必要があります。 |
Note |
永続的 FC ID がイネーブルである場合、再起動後に FC ID を変更できません。FC ID はデフォルトではイネーブルですが、各 VSAN に対してディセーブルにできます。 |
F ポートに割り当てられた固定的 FC ID は、インターフェイス間を移動させることができ、同じ固定的 FC ID をそのまま維持することができます。
永続的 FC ID 機能の有効化
永続的 FC ID 機能をイネーブルに設定できます。
SUMMARY STEPS
- configure terminal
- fcdomain fcid persistent vsan vsan-id
- no fcdomain fcid persistent vsan vsan-id
DETAILED STEPS
Command or Action | Purpose | |
---|---|---|
Step 1 |
configure terminal Example:
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
Step 2 |
fcdomain fcid persistent vsan vsan-id Example:
|
指定された VSAN の FC ID 永続性をアクティブ(デフォルト)にします。 |
Step 3 |
no fcdomain fcid persistent vsan vsan-id Example:
|
指定された VSAN の FC ID 永続性機能をディセーブルにします。 |
永続的 FC ID 設定時の注意事項
固定的 FC ID 機能をイネーブルにすると、固定的 FC ID サブモードを開始して、FC ID データベースにスタティックまたはダイナミック エントリを追加できるようになります。デフォルトでは、追加されたすべてのエントリはスタティックです。固定的 FC ID は VSAN 単位で設定します。
永続的 FC ID を手動で設定するための要件は、次のとおりです。
-
必要な VSAN 内で固定的 FC ID 機能がイネーブルになっていることを確認します。
-
目的の VSAN がアクティブ VSAN であることを確認します。永続的 FC ID は、アクティブ VSAN だけで設定できます。
-
FC ID のドメイン部分が必要な VSAN 内の実行時ドメイン ID と同じであることを確認します。ソフトウェアがドメインの不一致を検出した場合、コマンドは拒否されます。
-
エリアを設定するときに、FC ID のポート フィールドが 0(ゼロ)であることを確認します。
永続的 FC ID の構成
永続的 FC ID を構成設定できます。
SUMMARY STEPS
- configure terminal
- fcdomain fcid database
- vsan vsan-id wwn 33:e8:00:05:30:00:16:df fcid fcid
- vsan vsan-id wwn 11:22:11:22:33:44:33:44 fcid fcid dynamic
- vsan vsan-id wwn 11:22:11:22:33:44:33:44 fcid fcid area
DETAILED STEPS
Command or Action | Purpose | |||
---|---|---|---|---|
Step 1 |
configure terminal Example:
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
||
Step 2 |
fcdomain fcid database Example:
|
FC ID データベース コンフィギュレーション サブモードを開始します。 |
||
Step 3 |
vsan vsan-id wwn 33:e8:00:05:30:00:16:df fcid fcid Example:
|
指定の VSAN のデバイス WWN(33:e8:00:05:30:00:16:df)に FC ID 0x070128 を設定します。
|
||
Step 4 |
vsan vsan-id wwn 11:22:11:22:33:44:33:44 fcid fcid dynamic Example:
|
ダイナミック モードで、指定の VSAN のデバイス WWN(11:22:11:22:33:44:33:44)に FC ID 0x070123 を設定します。 |
||
Step 5 |
vsan vsan-id wwn 11:22:11:22:33:44:33:44 fcid fcid area Example:
|
指定の VSAN のデバイス WWN(11:22:11:22:33:44:33:44)に FC ID 0x070100 ~ 0x701FF を設定します。
|
HBA に対する一意のエリア FC ID
Note |
ここに記載された説明は、ホスト バス アダプタ(HBA)ポートとストレージ ポートが同じスイッチに接続されている場合にのみお読みください。 |
HBA とストレージ ポートが同じスイッチに接続されている場合は、それぞれのポートに異なるエリア ID を設定しなければならないことがあります。たとえば、ストレージ ポート FC ID が 0x6f7704 の場合、このポートのエリアは 77 です。この場合、HBA ポートのエリアには 77 以外の値を構成できます。HBA ポートの FC ID は、ストレージ ポートの FC ID と異なる値に手動で構成する必要があります。
Cisco SAN スイッチでは、FC ID の永続性機能によってこの要件が満たされます。この機能を使用すると、ストレージ ポートまたは HBA ポートに異なるエリアを持つ FC ID を事前に割り当てることができます。
HBA に対する一意のエリア FC ID の設定
HBA ポートに異なるエリア ID を設定できます。
次のタスクでは、111(16 進値では 6f)のスイッチ ドメインの設定例を使用します。サーバは FCoE を介してスイッチに接続されます。HBA ポートはインターフェイス vfc20 に接続され、
Procedure
Step 1 |
show flogi database コマンドを使用して、HBA のポート WWN(Port Name フィールド)ID を取得します。
|
Step 2 |
SAN スイッチの HBA インターフェイスをシャットダウンします。
|
Step 3 |
show fcdomain vsan コマンドを使用して、FC ID 機能がイネーブルであることを確認します。
この機能がディセーブルの場合は、次の手順に進み、永続的 FC ID をイネーブルにします。 この機能がすでにイネーブルの場合は、その後の手順にスキップします。 |
Step 4 |
SAN スイッチで永続的 FC ID をイネーブルにします。
|
Step 5 |
異なるエリア アロケーションの新しい FC ID を割り当てます。この例では、77 を ee に置き換えます。
|
Step 6 |
SAN スイッチの HBA インターフェイスをイネーブルにします。
|
Step 7 |
show flogi database コマンドを使用して、HBA の pWWN ID を確認します。
|
固定的 FC ID の選択消去
固定的 FC ID は、選択的に消去できます。現在使用中のスタティック エントリおよび FC ID は、削除できません。次の表に、永続的 FC ID が消去されると削除または保持される FC ID エントリを示します。
固定的 FC ID の状態 |
固定的 FC ID の使用状態 |
アクション |
---|---|---|
スタティック |
利用中 |
削除されません |
スタティック |
使用しない |
削除されません |
ダイナミック |
利用中 |
削除されません |
ダイナミック |
使用しない |
Deleted |
永続的 FC ID の消去
永続的 FC ID を消去できます。
SUMMARY STEPS
- purge fcdomain fcid vsan vsan-id
- purge fcdomain fcid vsan vsan-id
DETAILED STEPS
Command or Action | Purpose | |
---|---|---|
Step 1 |
purge fcdomain fcid vsan vsan-id Example:
|
指定の VSAN の未使用のダイナミック FC ID をすべて消去します。 |
Step 2 |
purge fcdomain fcid vsan vsan-id Example:
|
指定の VSAN 範囲の未使用のダイナミック FC ID をすべて消去します。 |
fcdomain 構成の確認
Note |
fcdomain 機能がディセーブルである場合、表示された実行時ファブリック名は設定済みファブリック名と同じです。 |
次に、fcdomain 設定に関する情報を表示する例を示します。
switch# show fcdomain vsan 2
指定された VSAN に属するすべてのスイッチのドメイン ID リストを表示するには、show fcdomain domain-list コマンドを使用します。このリストには、各ドメイン ID を所有するスイッチの WWN が記載されています。この例では次の値が使用されています。
-
20:01:00:05:30:00:47:df の WWN を持つスイッチが主要スイッチで、ドメインは 200 です。
-
20:01:00:0d:ec:08:60:c1 の WWN を持つスイッチはローカル スイッチ(CLI コマンドを入力してドメイン リストを表示したスイッチ)で、ドメインは 99 です。
-
IVR マネージャは 20:01:00:05:30:00:47:df を仮想スイッチの WWN として使用して仮想ドメイン 97 を取得しました。
switch# show fcdomain domain-list vsan 76
Number of domains: 3
Domain ID WWN
--------- -----------------------
0xc8(200) 20:01:00:05:30:00:47:df [Principal]
0x63(99) 20:01:00:0d:ec:08:60:c1 [Local]
0x61(97) 50:00:53:0f:ff:f0:10:06 [Virtual (IVR)]
このスイッチに設定された許可ドメイン ID のリストを表示するには、show fcdomain allowed vsan コマンドを使用します。
switch# show fcdomain allowed vsan 1
Assigned or unallowed domain IDs: 1-96,100,111-239.
[Interoperability Mode 1] allowed domain IDs: 97-127.
[User] configured allowed domain IDs: 50-110.
このスイッチに interop 1 モードが必要な場合は、要求されたドメイン ID がスイッチ ソフトウェア チェックに合格することを確認してください。
次に、指定の VSAN の既存の永続的 FC ID をすべて表示する例を示します。unused オプションを指定すると、未使用の永続的 FC ID だけを表示できます。
switch# show fcdomain fcid persistent vsan 1000
次に、指定の VSAN または SAN ポート チャネルのフレームおよびその他の fcdomain 統計情報を表示する例を示します。
switch# show fcdomain statistics vsan 1
VSAN Statistics
Number of Principal Switch Selections: 0
Number of times Local Switch was Principal: 0
Number of non disruptive reconfigurations: 0
Number of disruptive reconfigurations: 0
次に、割り当てられた FC ID および空いている FC ID のリストを含めて、FC ID 割り当てに関する統計情報を表示する例を示します。
switch# show fcdomain address-allocation vsan 1
次に、有効なアドレス割り当てキャッシュを表示する例を示します。ファブリックから取り除かれたデバイス(ディスクやホスト)を元のファブリックに戻す場合、主要スイッチはキャッシュを使用して FC ID を再度割り当てます。キャッシュ内では、VSAN はこのデバイスを含む VSAN を、WWN は FC ID を所有していたデバイスを、マスクは FC ID に対応する 1 つのエリアまたはエリア全体を表します。
switch# show fcdomain address-allocation cache
ファイバチャネル ドメインのデフォルト設定
次の表は、すべての fcdomain パラメータのデフォルト設定を示します。
パラメータ |
デフォルト |
---|---|
fcdomain 機能 |
[有効(Enabled)] |
設定済みドメイン ID |
0(ゼロ) |
設定済みドメイン |
優先(Preferred) |
auto-reconfigure オプション |
ディセーブル |
contiguous-allocation オプション |
ディセーブル |
プライオリティ |
128 |
許可リスト |
1 ~ 239 |
ファブリック名 |
20:01:00:05:30:00:28:df |
rcf-reject |
ディセーブル |
固定的 FC ID |
[有効(Enabled)] |
許可ドメイン ID リスト設定の配信 |
ディセーブル |