イーサネット フロー ポイントの概要
イーサネット フロー ポイント(EFP)とは、物理またはバンドル インターフェイスにおいて、トラフィックの分類に使用されるレイヤ 2 の論理サブインターフェイスです。EFP は、特定の EFP に属するフレームを分類するために、すべての入力トラフィックに適用されるフィルタのセット(エントリのセット)によって定義されます。各エントリには、通常、0、1、または 2 つの VLAN タグが含まれます。VLAN または QinQ タギングを指定して、入力上で照合できます。パケットが、フィルタのエントリと同じタグで始まる場合、そのパケットはフィルタに一致することになります。パケットの先頭部分がフィルタのエントリに対応しない場合、パケットはフィルタに一致しません。
入力上のすべてのトラフィックは、一致が見つかるとその EFP によって処理され、VLAN ID の変更、VLAN タグの削除、および EtherType の変更を順々に行うことができます。フレームが特定の EFP に一致した後、適切な機能(設定によって指定されたフレーム操作、QoS や ACL など)を適用できます。
EFP の利点には次のものがあります。
-
特定のインターフェイスで特定のフローに属するすべてのフレームの識別
-
VLAN ヘッダー書き換えの実行
(VLAN ヘッダー書き換えの設定 を参照)
-
識別されたフレームへの機能の追加。
-
オプションで、データ パスでのフレームの転送方法の定義。
EFP の制限
出力 EFP のフィルタリングは、Cisco IOS XR ではサポートされていません。
EFP のフレームの識別
EFP は、イーサネット カプセル化に関係なく、指定ポートで特定フローに属するフレームを識別します。EFP は、フレーム ヘッダー内のフィールドに基づいてフローまたは EFP に柔軟にフレームをマッピングできます。VLAN タグを使用して、フレームと EFP を照合できます。
これを介して、フレームと EFP を照合することはできません。
-
以下のような、最も外側のイーサネット フレーム ヘッダーおよび関連するタグの外部の情報
-
IPv4、IPv6、または MPLS のタグ ヘッダーのデータ
-
C-DMAC、C-SMAC、または C-VLAN
-
VLAN タグの識別
次の表では、さまざまなカプセル化タイプとそれぞれに対応する EFP 識別子について説明します。
カプセル化タイプ | EFP 識別子 |
---|---|
単一タグ付きフレーム |
802.1Q カスタマー タグ付きイーサネット フレーム |
二重タグ付きフレーム |
特定の EFP にマップされるフレームを定義する際にワイルドカードを使用できます。EFP は、単一の VLAN タグ、VLAN タグのスタック、または両方の組み合わせ(VLAN スタックとワイルドカード)に基づいてフローを区別できます。EFP は、EFP モデル、カプセル化非依存にする柔軟性を提供しています。また、新しいタギングまたはトンネリング方式を追加することで、EFP を拡張できるようになっています。
機能の適用
フレームが特定の EFP に一致した後、適切な機能を適用できます。このコンテキストでは、「機能」とは、設定や QoS、ACL などによって指定されたフレーム操作を意味します。イーサネット インフラストラクチャは、機能オーナーが EFP に機能を適用できるように適切なインターフェイスを提供しています。そのため、EFP を表すために IM インターフェイス ハンドルが使用され、これにより機能のオーナーは、通常のインターフェイスまたはサブインターフェイス上で機能が管理されるのと同じように EFP で機能を管理できます。
イーサネット インフラストラクチャの一部である EFP で適用できる唯一の L2 機能は、L2 ヘッダーのカプセル化の変更です。この L2 機能については、次の項で説明します。
カプセル化の変更
EFP は、入力と出力の両方で、次の L2 ヘッダーのカプセル化の変更をサポートしています。
-
1 つまたは 2 つの VLAN タグのプッシュ処理
-
1 つまたは 2 つの VLAN タグのポップ処理
(注) |
この変更では、EFP に部分一致するタグのポップ処理のみ実行できます。 |
- 1 つまたは 2 つの VLAN タグの書き換え
- 外部タグの書き換え
- 2 つの外部タグの書き換え
- 外部タグの書き換え、および追加タグのプッシュ処理
各 VLAN ID 操作に対して、以下を指定できます。
-
VLAN タグ タイプ、つまり、C-VLAN、S-VLAN、または I-TAG。802.1Q C-VLAN タグの Ethertype は、dot1q tunneling type コマンドで定義されます。
-
VLAN ID。0 は、プライオリティ タグ付きフレームを生成するために、外部 VLAN タグに対し指定できます。
(注) |
タグの書き換えでは、以前のタグの CoS ビットを、802.1ad カプセル化フレームの DEI ビットと同じ方法で維持する必要があります。 |
データ転送動作の定義
データ パスで転送される特定のイーサネット フローに属するフレームを指定するために、EFP を使用できます。次の転送ケースが、Cisco IOS XR ソフトウェアでの EFP に対しサポートされます。
- L2 スイッチド サービス(ブリッジング):EFP はブリッジ ドメインにマッピングされ、そこでフレームは宛先 MAC アドレスに基づいてスイッチングされます。これには、マルチポイント サービスが含まれます。
- イーサネットとイーサネットのブリッジング
- マルチポイント レイヤ 2 サービス
- L2 スイッチド サービス(AC と AC の xconnect):これは、静的に確立されるポイントツーポイント L2 アソシエーションに対応し、MAC アドレス ルックアップを必要としません。
- イーサネットとイーサネットのローカル スイッチング:EFP は同じポートまたは別のポートの S-VLAN にマッピングされます。S-VLAN は同一にすること、または別にすることができます。
- トンネル型サービス(xconnect):EFP はレイヤ 3 トンネルにマッピングされます。これは、EoMPLS などのポイントツーポイントを対象としています。