IP ダイレクト ブロードキャストは、宛先アドレスが何らかの IP サブネットの有効なブロードキャスト アドレスであるにもかかわらず、その宛先サブネットに含まれないノードから発信される IP パケットです。
宛先サブネットに直接接続されていないデバイスは、そのサブネット上のホストを宛先とするユニキャスト IP パケットを転送する場合と同じ方法で IP ダイレクト ブロードキャストを転送します。ダイレクト ブロードキャスト パケットが、宛先サブネットに直接接続されたデバイスに到着すると、そのパケットはその宛先サブネット上でブロードキャストされます。パケットの
IP ヘッダー内の宛先アドレスはそのサブネットに設定された IP ブロードキャスト アドレスに書き換えられ、パケットはリンク層ブロードキャストとして送信されます。
あるインターフェイスでダイレクト ブロードキャストがイネーブルになっている場合、着信した IP パケットが、そのアドレスに基づいて、そのインターフェイスが接続されているサブネットを対象とするダイレクト ブロードキャストとして識別されると、そのパケットはそのサブネット上でブロードキャストされます。
(注) |
ダイレクトブロードキャストのアクセス制御リスト(ACL)オプションは、vManage ではサポートされていません。
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ダイレクト ブロードキャストから物理ブロードキャストへの変換をイネーブルにするには、ip directed-broadcast コマンドを使用します。この機能をディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。デフォルトでは、ip
directed-broadcast は無効になっていて、すべての IP ダイレクトブロードキャストがドロップされます。
ip directed-broadcast および no ip directed-broadcast
例
次に、イーサネット インターフェイス 2/1 上で IP ダイレクト ブロードキャストの転送をイネーブルにする例を示します。
device# configure-transaction
device(config)# interface ethernet 2/1
device(config-if)# ip address 10.114.114.1 255.255.255.0
device(config-if)# ip directed-broadcast
device(config-if)# end